JP4214390B2 - ガスバリア性多層構造物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れたガスバリア性能を有する多層構造物に関する。詳しくは、広い湿度範囲で優れたガスバリア性能を有し、熱水殺菌処理を行なった後においても、ガスバリア性能の低下が極めて少なく、かつ樹脂の劣化による着色やゲル発生も少なく、包装材料として充分な強度を有し、更に深絞り成形等の二次加工性が良好である多層構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸との重縮合反応から得られるポリアミド、例えばメタキシリレンジアミンとアジピン酸から得られるポリアミド(以下ナイロンMXD6という)は、高強度、高弾性率、および酸素、炭酸ガスや臭気、フレーバー等のガス状物質に対する低い透過性を示すことから、包装材料分野におけるガスバリア材料としてフィルム、ボトルとして広く利用されている。
ナイロンMXD6は、その他のガスバリア性樹脂と比べて溶融時の熱安定性が良好であることから、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと省略する)、ナイロン6およびポリプロピレンなど種々の熱可塑性樹脂との共押出や共射出成形等が可能であり、多層構造物を構成するガスバリア層としての利用が最近積極的に進められている。しかし包装材料として使用するにあたり、食品等の内容物の酸化劣化を低減して品質保持期間の延長を図るため、更に高いガスバリア性能が望まれていた。
【0003】
一方、包装材料分野においては、エチレン―ビニルアルコール共重合体(以下EVOHと省略する)も酸素や臭気、フレーバー等のガス状物質に対して優れたガスバリア性能を有す事から、ガスバリア材料としての利用が勧められている。特にエチレン含有量が40%以下であるEVOHは、低湿度条件下においては先述のナイロンMXD6よりも高いガスバリア性能を有しており、乾燥条件下や水分含量の低い内容物のガスバリア性包装材料としては非常に優れている。しかし、ガスバリア性能の湿度依存性が大きいために高湿度下では著しくガスバリア性能が低下する。また包装材料用途では、食品等の内容物を充填した後に熱水や水蒸気で加熱処理がしばしば行なわれるが、EVOHは熱水や水蒸気で長時間処理すると、更に著しくガスバリア性能が低下するだけでなく、白化や形態保持能力が不充分となるおそれがあった。以上の理由からEVOHは高湿度下や水分含量の高い内容物、熱水処理を行なう必要のある包装材料に使用するのが困難であった。
【0004】
そのため、広い湿度範囲で優れたガスバリア性能を有し、熱水殺菌処理を行なった後においても、ガスバリア性能の低下の少ない包装材料が求められていた。
【0005】
EVOHの耐熱水性向上を目的として、EVOHとポリアミドからなる樹脂組成物および該樹脂組成物とポリアミドを積層した多層構造体が開示されている(特許文献1参照。)。しかし、かかる先行技術の実施例では該樹脂組成物を構成するポリアミド(PA)としてPA-6/12の脂肪族ポリアミドが用いられており、本発明の目的とする広湿度範囲や熱水処理後での優れたガスバリア性能を有する多層構造物を得る手段とはならない。
【0006】
EVOHの耐熱水性向上を目的として、EVOH層と、結晶性ポリアミド35〜65重量%と非晶性ポリアミド35〜65重量%からなるポリアミド層の少なくとも2層よりなる溶融多層体を基材共押出コーティングした多層体が開示されている(特許文献2参照。)。しかしながら、かかる先行技術では、高湿度下および熱水処理後に充分なガスバリア性能を有するポリアミドに対する言及は無く、本発明の目的とする広湿度範囲や熱水処理後での優れたガスバリア性能を有する多層構造物を得る手段とはならない。
【0007】
ポリプロピレン樹脂からなる支持層とガスバリア層としてEVOH層、および、ナイロンMXD6樹脂単体からなる層又は該樹脂と6−ナイロンとのブレンド樹脂からなる層を含む深絞り成形用複合フィルムが開示されている。(特許文献3参照。)しかしながら、かかる先行技術においてガスバリア層の一部に用いられているナイロンMXD6では、熱水処理後のガスバリア性能維持が充分ではない。
また、一般に複合フィルム等の多層構造物を得るためには共押出し、ドライラミネート等の方法で調製することになる。ドライラミネートの場合、各層が任意に調節できる利点があるが、目的の構成を得るために押出し回数が増え、ラミネートする必要があるために生産コスト面では不利になる。一方、共押出しによって製造する場合、一度の押出しで目的の層構成とすることができるために生産コスト面では有利であるが、上記の先行技術の層構成で利用されるEVOHとナイロンMXD6では融点差が大きく溶融成形加工温度も大きく異なる。そのため多層構造物を作製する際に流動性を調節する事が難しいだけでなく、融点の低いEVOHの溶融成形加工温度が高くなり、過度の熱履歴を受けたEVOHが熱劣化してゲル状物が発生し易いという問題があった。
【0008】
またナイロンMXD6は、EVOHに比べてガスバリア性能の湿度依存性が小さく、高湿度下や熱水処理後のガスバリア性能を必要とする包装材料としては好適であり、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン層と、ナイロンMXD6からなる層を有するガスバリア性多層容器が提案されている(特許文献4参照。)。しかし、前述の構成を有する多層構造物では、ポリオレフィンの軟化点がナイロンMXD6のガラス転移点より高い場合が多く、二次加工の適正温度は、ナイロンMXD6のガラス転移点より相当高くなり、結晶化し易い。特にポリプロピレンの適正な二次加工温度である160℃付近では、ナイロンMXD6の結晶化速度が非常に早くなる。結晶化が進んだ状態で二次加工を行うと、ナイロンMXD6層の厚みむらや、ナイロンMXD6層の白化がみられ、形状、透明性等の性能の点で実用上満足のいく成形品得られない。そのため前述の構成を有する多層構造物の二次加工は、溶融押出し直後の多層構造物を結晶化する温度以上で行なうインライン成形や、結晶化させないように多層構造物を短時間で急激に予熱する等の限定された成形条件で行なわれていた。
【0009】
また、ナイロンMXD6に難晶又は非晶のポリアミド樹脂を混合することにより、他の熱可塑性樹脂との多層構造物において、二次加工性等の改善が提案されている(特許文献5参照。)。しかし、ナイロンMXD6に比べてガスバリア性能の低いポリアミドを混合するため、得られる多層構造物のガスバリア性能が低下し、加工性の改善とガスバリア性能を充分満足させる多層構造物を得る事は困難であった。
【0010】
また、結晶性の熱可塑性樹脂の加工温度はその融点以上で行われ、EVOHやポリオレフィンと、それに対して融点の高い結晶性ポリアミドとを共押出により多層構造物とする場合、フィードブロック内で溶融状態のEVOH層やポリオレフィン樹脂層とポリアミド樹脂層が接触するために、EVOHやポリオレフィンは過酷な熱履歴を受ける事になる。EVOHは前述のように過度の熱履歴によりゲル状物が発生しやすく、ポリオレフィンにおいても、特にポリプロピレンの場合、ポリプロピレンの熱劣化による着色や臭気等の問題があった。
【0011】
この様に広い湿度範囲で優れたガスバリア性能を有し、熱水殺菌処理を行なった後においても、ガスバリア性能の低下が極めて少なく、かつ樹脂の劣化による着色やゲル発生も少なく、更に深絞り成形等の二次加工性が良好である多層構造物の開発が望まれていた。
【0012】
【特許文献1】
特開平1−253442号公報
【特許文献2】
特開平8−216221号公報
【特許文献3】
特開2000−190429号公報
【特許文献4】
特公昭56−23792号公報
【特許文献5】
特開平1−141737号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、広い湿度範囲で優れたガスバリア性能を有し、また熱水殺菌処理を行なった後においても、ガスバリア性能の低下が極めて少なく、かつ樹脂の劣化による着色やゲル発生も少なく、包装材料として充分な強度を有し、更に深絞り成形等の二次加工性が良好である多層構造物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、特定のモノマー組成比を有するポリアミド樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物を利用した多層構造物が、広い湿度範囲で優れたガスバリア性能を有し、また熱水殺菌処理を行なった後においても、ガスバリア性能の低下が極めて少なく、かつ樹脂の劣化による着色やゲル発生も少なく、包装材料として充分な強度を有し、更に深絞り成形等の二次加工性が良好なことを見い出し、本発明を完成させた。
【0015】
すなわち、本発明は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸80〜95モル%とイソフタル酸5〜20モル%を含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド樹脂層(A)とエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物層(B)からなる2層のガスバリア層と熱可塑性樹脂層(C)の少なくとも3層を積層してなるガスバリア性多層構造物に関するものである。
また本発明は、前記多層構造物を利用してなる多層フィルムおよび多層容器に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において、(A)層に使用されるポリアミド樹脂は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を60〜95モル%、イソフタル酸を5〜40モル%含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られる。
【0017】
上記ポリアミド樹脂は溶融重縮合法により製造される。例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸およびイソフタル酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水および縮合水を取り除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態又はスラリー状態のアジピン酸、イソフタル酸混合物に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を固化させる事の無いように、メタキシリレンジアミンを連続的に加えて、その間の反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点以上となるように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
【0018】
溶融重縮合によって得られる比較的低分子量のポリアミドの相対粘度(ポリアミド樹脂1gを96%硫酸溶液100mlに溶解し測定した値、以下同じ)は、通常、2.28以下である。溶融重縮合後の相対粘度が2.28以下であると、ゲル状物質の生成が少なく、色調が良好な高品質のポリアミドが得られるが、低粘度であるためフィルムやシートおよびボトル等の多層構造物を作製する際、ドローダウンや、シートの端部へのポリアミド層の偏り、ボトルプリフォーム作製時のポリアミド層の偏り等が起こる場合があり、均一な多層構造物を得る事が困難となる。そこで必要に応じて、溶融縮重合で得られた比較的低分子量のポリアミドは次いで固相重合される。固相重合は、比較的低分子量のポリアミドをペレットあるいは粉末状にして、これを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下に、150℃からポリアミドの融点の温度範囲に加熱することにより、実施される。作製する多層構造物がシートやフィルム、延伸ブローボトル形状等である場合、固相重合で得られるポリアミドの相対粘度は、2.3〜4.2が好ましい。この範囲であれば、ドローダウンやフィルム、シート端部へのポリアミド層の偏り等の少ない、良好な多層構造物が得られる。
【0019】
本発明において、使用されるポリアミド樹脂の原料であるジアミン成分は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むものである。
また、本発明において、メタキシリレンジアミン以外のジアミンとして、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジアミン類等を全ジアミン成分中に30モル%未満の範囲で使用することができる。
【0020】
本発明において、使用されるポリアミド樹脂の原料であるジカルボン酸成分は、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を60〜95モル%含むものである。炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸の例として、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示できるが、これら中でもアジピン酸が好ましい。
【0021】
本発明において、使用されるポリアミド樹脂の原料のジカルボン酸成分として、イソフタル酸を5〜40モル%含むものであり、好ましくは5〜30モル%、更に好ましくは5〜20モル%含む。イソフタル酸をこの範囲で含有させることにより、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸のみの場合に比べ、得られるポリアミド樹脂の融点が低下し、より低温で成形できるため、ゲルや臭気、着色の無い高品質の多層構造物を得ることが可能となる。また、該樹脂の結晶化速度が遅延するので深絞り成形等の二次加工性が向上する。イソフタル酸含量が5モル%未満では、ガスバリア性能を維持しつつ、結晶化速度の遅延による二次加工性の向上を図ることが困難である。また、融点の低下が小さいため、多層構造物成形温度の低下によってポリアミド樹脂以外の樹脂の劣化、特にEVOHのゲル発生と、ポリオレフィンがポリプロピレンの場合の臭気、着色等の発生を抑え難く、成形加工性の向上も困難である。一方、イソフタル酸含量が40モル%を超える場合、結晶化速度が大きく遅延するために二次加工性は向上するが、過度に溶融粘度が高くなることと溶融粘度の温度依存性が大きくなるため、溶融加工時の制御が困難となり成形加工性が低下する。また、イソフタル酸含量が40モル%を超えるとポリマーの性状としては硬くて脆くなるため、成形品の形状においてガスバリア層のクラックやピンホールが発生し易く、実際の包装形態として使用上問題が生じやすい。
【0022】
本発明において、使用されるポリアミド樹脂の融点は、170〜235℃の範囲に制御する事が好ましく、より好ましくは170〜220℃である。該ポリアミド樹脂の融点をEVOHおよび他の熱可塑性樹脂に近づけることにより、多層構造物成形時の樹脂劣化によるゲル発生や臭気、着色の発生を低減する事が可能となる。
【0023】
本発明において、使用されるポリアミド樹脂の23℃、60%RH条件下での酸素透過係数は、0.1〜1.5ml・mm/m・day・MPaである。ガスバリア性多層構造物として、酸素透過係数の値は、より低い方が好ましい。使用するポリアミド樹脂の酸素透過係数が0.15を超えると、実用途で必要な性能を得るためにポリアミド樹脂層を厚くする必要あり、二次加工性が低下するだけでなく、構造体の機械物性が低下する。また、ポリオレフィンやPET等に比べて高価なポリアミドの使用量が増えるので経済的にも不利となり、実用的ではなくなる。
【0024】
本発明で(B)層に使用されるエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物としては、エチレン含有量が15〜70モル%であることが好ましく、より好適には20〜65モル%、最適には20〜60モル%である。またビニルエステル成分のケン化度は85%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。エチレン含有量が15モル%未満では溶融成形性、耐水性、耐熱水性が低下し、70モル%を超えるとガスバリア性能が低下する。またケン化度が85%未満では、ガスバリア性能と熱安定性が低下するので好ましくない。本発明に用いるビニルエステル成分としては、酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、その他の脂肪酸ビニルエステルも使用できる。また共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有することができ、例としてビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルメトキシシランなどが挙げられる。更に本発明の目的が阻害されない範囲で、他の共重合成分を使用することが出来る。一例としてプロピレン、ブチレン、あるいはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸またはそのエステルが挙げられる。
【0025】
本発明においては、酸素透過係数が0.1〜1.5ml・mm/m・day・MPaを満たすポリアミド樹脂を使用し、且つ多層構造物総厚みに対するガスバリア層となるポリアミド樹脂層(A)とエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物層(B)の厚み比率が1〜50%である多層構造物を得る事で、ガスバリア性能と良好な二次加工性、および構造体の良好な機械物性を兼ね備えた多層構造物を得る事が出来る。
上記厚み比が1%未満であると、多層構造物のガスバリア性能が充分に得られなくなる。厚み比が50%を超えると充分なガスバリア性能が得られるが、構造体の機械物性が低下し、深絞り等の二次加工性が低下するため好ましくない。
【0026】
本発明では、更に1〜10重量%の層状珪酸塩を含むポリアミド樹脂層(A)を用いることで、更に広湿度範囲でのガスバリア性能を達成することが可能となる。用いる層状珪酸塩として好ましいのは、0.25〜0.6の電荷密度を有する2−八面体型や3−八面体型の層状珪酸塩であり、2−八面体型としては、モンモリロナイト、バイデライト等、3−八面体型としてはヘクトライト、サボナイト等が挙げられる。これらの中でも、モンモリロナイトが好ましい。
【0027】
本発明で用いられる層状珪酸塩は、高分子化合物や有機系化合物等の有機膨潤化剤を予め層状珪酸塩に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものとすることが好ましい。有機膨潤化剤としては、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、より好ましくは、炭素数12以上のアルキル基またはアルケニル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩が用いられる。
【0028】
有機膨潤化剤の具体例として、トリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、トリメチルエイコシルアンモニウム塩等のトリメチルアルキルアンモニウム塩;トリメチルオクタデセニルアンモニウム塩、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム等のトリメチルアルケニルアンモニウム塩;トリエチルドデシルアンモニウム塩、トリエチルテトラデシルアンモニウム塩、トリエチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリエチルオクタデシルアンモニウム等のトリエチルアルキルアンモニウム塩;トリブチルドデシルアンモニウム塩、トリブチルテトラデシルアンモニウム塩、トリブチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリブチルオクタデシルアンモニウム等のトリブチルアルキルアンモニウム塩;ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩等のジメチルジアルキルアンモニウム塩;ジメチルジオクタデセニルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム塩等のジメチルジアルケニルアンモニウム塩;ジエチルジドデジルアンモニウム塩、ジエチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジエチルジオクタデシルアンモニウム等のジエチルジアルキルアンモニウム塩;ジブチルジドデシルアンモニウム塩、ジブチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジブチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジブチルジアルキルアンモニウム塩;メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム塩;ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のジベンジルジアルキルアンモニウム塩;トリドデシルメチルアンモニウム塩、トリテトラデシルメチルアンモニウム塩、トリオクタデシルメチルアンモニウム塩等のトリアルキルメチルアンモニウム塩;トリドデシルエチルアンモニウム塩等のトリアルキルエチルアンモニウム塩;トリドデシルブチルアンモニウム塩等のトリアルキルブチルアンモニウム塩;4−アミノ−n−酪酸、6−アミノ−n−カプロン酸、8−アミノカプリル酸、10−アミノデカン酸、12−アミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸等のω−アミノ酸などが挙げられる。また、水酸基及び/又はエーテル基含有のアンモニウム塩、中でも、メチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、エチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ブチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ジメチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジエチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジブチルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、エチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、ブチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルトリ(PAG)アンモニウム塩、エチルトリ(PAG)アンモニウム塩、ブチルトリ(PAG)アンモニウム塩、テトラ(PAG)アンモニウム塩(ただし、アルキルはドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどの炭素数12以上のアルキル基を表し、PAGはポリアルキレングリコール残基、好ましくは、炭素数20以下のポリエチレングリコール残基またはポリプロピレングリコール残基を表す)などの少なくとも一のアルキレングリコール残基を含有する4級アンモニウム塩も有機膨潤化剤として使用することができる。中でもトリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩が好ましい。なお、これらの有機膨潤化剤は、単独でも複数種類の混合物としても使用できる。
【0029】
本発明における層状珪酸塩の配合割合は、ポリアミド樹脂層(A)中で1〜10重量%となる様に添加するのが好ましく、1.5〜5重量%がさらに好ましい。層状珪酸塩の配合割合が上記範囲内であれば、ガスバリア性能の向上効果を得ることができ、かつブツの混入などによる外観不良や透明性を損なうことはない。
【0030】
また本発明において、層状珪酸塩は局所的に凝集することなく均一に分散していることが好ましい。ここでいう均一分散とは、ポリアミド樹脂層(A)中において層状珪酸塩が平板状に分離し、それらの50%以上が5nm以上の層間距離を有することをいう。ここで層間距離とは平板状物の重心間距離のことをいう。この距離が大きい程分散状態が良好となり、フィルムとしたときの透明性等の外観が良好で、かつ酸素、炭酸ガス等のガス状物質に対する遮断性を向上させることができる。
【0031】
本発明におけるポリアミド樹脂に層状珪酸塩を分散させる方法としては、特に制限はないが、本発明では溶融混練法が好ましく用いられる。例えば、ポリアミド樹脂の重縮合中に層状珪酸塩を添加し攪拌する方法、単軸もしくは二軸押出機等の通常用いられる種々の押出機を用いて溶融混練する方法等の公知の方法を利用することができるが、これらのなかでも、二軸押出機を用いて溶融混練する方法が本発明において好ましい方法である。
【0032】
本発明で熱可塑性樹脂層(C)に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリアミド等があげられる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはエチレン、プロピレン、ブテン等から選ばれる2種類以上のオレフィンの共重合体、およびそれらの混合体が例示できる。ポリプロピレンには、アタクチック体、アイソタクチック体、シンジオタクチック体の構造をとりうるホモポリマーの他に、プロピレンと少量のエチレンやαオレフィンとのランダムないしブロック共重合、それらに結晶核剤等、複合材料を配合した材料が例示できるが、特に限定されるものではない。また、本発明において使用しうる熱可塑性樹脂として、以上に例示したポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリアミドは混合により、完全に透明性が失われない限り、互いに混合して使用することも可能である。
【0033】
本発明において、ポリアミド樹脂層(A)、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物層(B)、熱可塑性樹脂層(C)等、本発明の多層構造体を構成する各層の間に接着性樹脂層(接着層)を設けることができる。該層を構成する接着性の樹脂としては、例えば、ポリオレフィン類からなる熱可塑性樹脂層(C)を接着する場合であれば、変性したポリエチレンやポリプロピレンあるいはエチレン、プロピレン、ブテン類のオレフィン類の共重合体等が使用可能である。また、熱可塑性樹脂層(C)がポリエステルあるいはポリカーボネートからなるものであれば、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−アクリル酸系共重合体のアルカリまたはアルカリ土類金属架橋体およびエチレン−アクリル酸エステル系共重合体等が例示できるが、特に限定されるものではない。
【0034】
尚、本発明の目的を損なわない限り、本発明の多層構造物の各樹脂層には、滑剤、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、Co、Mn、Znなどの無機または有機金属塩、錯体等を加える事が出来る。
【0035】
本発明の多層構造物とは、前記ポリアミド樹脂層(A)、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物層(B)からなるガスバリア層と熱可塑性樹脂層(C)の少なくとも3層が積層してなる多層シート、フィルムおよびカップ、缶や袋状物の容器等を意味する。熱間充填する必要がある含水食品や飲料類を対象とする容器類の場合には、通常、ポリアミド樹脂層およびエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物層が吸水してガスバリア性能および機械物性が低下しないように内層をポリアミド樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物以外の熱可塑性樹脂とする事が望ましい。多層構造物の層構成としては、水分活性の高い内容物の充填や熱間充填または熱水処理等が必要となる場合、特に重要であり、ポリオレフィン層(C)を最内層とし、ポリアミド樹脂層(A)をエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物層(B)より内層とすることでより好適なガスバリア性能を達成することが可能となる。
【0036】
特に、本発明の多層構造物からなる包装材料は、水分活性の高い物品を収納する包装容器、高湿度下に曝される包装容器、さらにはレトルトやボイル等の加熱殺菌処理が施される包装容器の材料として適したものである。
【0037】
本発明の多層構造物は、インフレーション法およびTダイ法に基づく共押出、および金型内に2種以上の溶融樹脂を順次射出するサンドイッチ成形および二色成形と呼ばれる共射出成形等により製造される。
【0038】
本発明の多層構造物を少なくとも一部に使用することにより、本発明の多層容器を得ることができる。共押出、共射出成形により製造されるシート、フィルムや容器等の多層構造物はそのまま、又は若干の加熱およびヒートシールその他の接着方法により容器として使用することも可能であるが、通常は、真空成形、圧空成形等の二次加工を施してカップ等の容器としてから使用される。また、シートの場合は、延伸後ヒートシールその他の接着方法により袋状物として使用される事も可能である。
【0039】
本発明にかかる多層シートに真空成形、圧空成形等の二次加工を施すには、多層シートを熱成形に好適な温度とする必要がある。予熱を施してから二次加工を行う場合、多層シートの表面温度は、(C)層の熱可塑性樹脂の軟化点以上とする必要があるが、ポリアミド樹脂層の結晶化による成形不良も無く、良好な成形品を得ることが可能である。
【0040】
本発明の多層容器には様々な物品を収納、保存することができる。例えば、炭酸飲料、ジュース、水、牛乳、日本酒、ウイスキー、焼酎、コーヒー、茶、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし、マヨネーズ、味噌、すり下ろし香辛料等の調味料、ハム、ソーセージ等の畜肉食品、ジャム、クリーム、チョコレートペースト等のペースト状食品、液体スープ、煮物、漬物、シチュー等の液体加工食品に代表される液体系食品やそば、うどん、ラーメン等の生麺及びゆで麺、精米、調湿米、無洗米等の調理前の米類や調理された炊飯米、五目飯、赤飯、米粥等の加工米製品類、粉末スープ、だしの素等の粉末調味料等に代表される高水分食品、乾燥野菜、コーヒー豆、コーヒー粉、お茶、穀物を原料としたお菓子等に代表される低水分食品、その他農薬や殺虫剤等の固体状や溶液状の化学薬品、液体及びペースト状の医薬品、化粧水、化粧クリーム、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー、石鹸、洗剤等、種々の物品を収納することができる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に実施例等における評価方法について記す。
(1)ポリマー融点
(株)島津製作所製流速示差走査熱量計DSC‐50により、以下の条件にて測定した。
標準物質:α−アルミナ
試料量:10mg
昇温速度:10℃/分
測定温度範囲:25〜300℃
雰囲気:窒素ガス 30ml/分
(2)曇価、黄色度の測定
JIS K−7105(ASTM D−1003)に準じて測定した。
測定装置は、日本電色工業(株) 色差・濁度測定装置 COH−300Aを使用した。
(3)酸素透過率
JIS K−7126(ASTM D3985)に準じて測定した。使用した測定機器は、モダンコントロールズ社製酸素透過率測定装置(型式:OX−TRAN 10/50A)であり、測定条件は、23℃、相対湿度0%、60%および90%で行った。
(4)耐屈曲性試験
理学工業(株)製ゲルボーフレックステスター装置を用いて、23℃、50%RH雰囲気条件にてサンプルの屈曲試験を行ない、屈曲50回後のピンホール発生個数をピンホールテスター(微弱電流放電法)にて確認した。
【0042】
参考例1
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付反応缶に、モル比でアジピン酸が95モル%とイソフタル酸が5モル%となる様に投入し、十分窒素置換した後、さらに窒素気流下で170℃まで昇温してジカルボン酸を流動状態とした後、メタキシリレンジアミンを撹拌下に滴下した。この間、内温を連続的に245℃まで昇温させ、またメタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。
メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を連続的に255℃まで昇温し、15分間反応を継続した。その後、反応系内圧を21.3kPa(600mmHg)まで10分間で連続的に減圧し、その後、40分間反応を継続した。この間、反応温度を260℃まで連続的に昇温させた。
【0043】
反応終了後、反応缶内を窒素ガスにて0.2MPaGの圧力を掛けポリマーを重合槽下部のノズルよりストランドとして取出し、水冷後に切断し、ペレット形状のポリアミドを得た。得られたポリアミドの相対粘度は2.1、融点は233℃、であった。
【0044】
次にこのペレットを結晶化と乾燥処理した後にステンレス製の回転ドラム式の加熱装置に仕込み、5rpmで回転させた。十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて反応系内を室温から140℃まで昇温した。反応系内温度が140℃に達した時点で0.13kPa(1Torr)以下まで減圧を行い、更に系内温度を110分間で180℃まで昇温した。系内温度が180℃に達した時点から、同温度にて180分間、反応を継続した。
反応終了後、減圧を終了し窒素気流下にて系内温度を下げ、60℃に達した時点でペレットを取り出した(ポリアミドA)。
得られたポリアミドAの相対粘度は2.5、融点は233℃、ガラス転移点91℃であった。ポリアミドAをTダイ付きの単軸小型押出機(東洋精機製作所製ラボプラストミル)にて単層無延伸フィルムを作製した。得られたフィルムの23℃、相対湿度60%での酸素透過係数は、0.7ml・mm/m・day・MPaであった。
【0045】
参考例2
モル比でアジピン酸が80モル%とイソフタル酸が20モル%とした以外は、参考例1と同様に溶融重合及び固相重合を行ないポリアミドBを得た。得られたポリアミドBの相対粘度は2.5、融点は206℃、ガラス転移点100℃であった。単層無延伸フィルムの23℃、相対湿度60%での酸素透過係数は、0.8ml・mm/m・day・MPaであった。
【0046】
参考例3
モル比でアジピン酸が70モル%とイソフタル酸が30モル%とした以外は、参考例1と同様に溶融重合を行ない結晶化及び乾燥処理を行なった。得られたポリアミド樹脂97質量部と、層状珪酸塩[白石工業(株)製「オルベン」(膨潤化剤として、トリメチルオクタデシルアンモニウムを34wt%含有)]を3質量部とをドライブレンドした後、逆エレメントによる滞留部を設けたスクリューを設置したシリンダー径20mmφの同方向回転型二軸押出機に6kg/hrの速度で上記材料を供給し、シリンダー温度270℃の条件で溶融混練を行い、押出機ヘッドからストランド押し出し、冷却後、ペレタイズ化して複合ポリアミド樹脂(C)を得た。
得られた複合ポリアミド樹脂Cの相対粘度は2.6、融点は180℃、ガラス転移点110℃であった。単層無延伸フィルムの23℃、相対湿度60%での酸素透過係数は、0.5ml・mm/m・day・MPaであった。
【0047】
参考例4
モル比でアジピン酸が60モル%とイソフタル酸が40モル%とした以外は、参考例1と同様に溶融重合を行ない、結晶化及び乾燥処理を行ないポリアミドDを得た。得られたポリアミドDの相対粘度は2.1、融点は170℃、ガラス転移点115℃であった。単層無延伸フィルムの23℃、相対湿度60%での酸素透過係数は、0.8ml・mm/m・day・MPaであった。
【0048】
参考例5
モル比でアジピン酸が50モル%とイソフタル酸が50モル%とした以外は、参考例1と同様に溶融重合を行ない、乾燥処理を行ないポリアミドEを得た。得られたポリアミドEの相対粘度は2.1、ガラス転移点120℃であった。単層無延伸フィルムの23℃、相対湿度60%での酸素透過係数は、0.8ml・mm/m・day・MPaであった。
【0049】
実施例1
ポリアミドA(A層)、EVOH(クラレ(株)製、EVOH−F101B)(B層)、ポリプロピレン(三菱化学(株)製、FY−6C)(C層)、および接着性樹脂層に変性ポリプロピレン(三菱化学(株)製、モディックP−513V)を用い、層構成と各層の厚みがC層(80μm)/接着層(20μm)/A層(25μm)/B層(25μm)/接着層(20μm)/C層(80μm)となるように5台の押出機、フィードブロック、Tダイ、引取機からなる多層シート製造装置にて、4種6層の多層シートを作製した。シート作成時の各樹脂の押出温度は、(A)層が240℃、(B)層が210℃、(C)層が240℃であり、フィードブロック温度は245℃とした。押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は僅かであった。得られたシートにはゲル状物もなく外観は良好であった。得られた多層シートの曇価は、27%、黄色度は、1.0であった。シートの全厚みは0.25mm、ガスバリア層の厚みは0.05mmであった。
得られた多層シートの耐屈曲性試験を行なった結果、50回屈曲後もシートにピンホールの発生はみられなかった。
得られた多層シートの23℃での酸素透過率測定を行った結果、相対湿度0%では2(ml/m・day・MPa)であり、相対湿度60%では4であり、相対湿度90%では97であり、広湿度範囲で良好なガスバリア性能を示す多層シートが得られた。また多層シートをレトルト処理用のオートクレーブ((株)トミー精工製)を用いて120℃で30分間加圧熱水処理を行った。レトルト処理直後に23℃、相対湿度60%での酸素透過率測定を行った結果、酸素透過率は52(ml/m・day・MPa)であり、レトルト直後においても良好なガスバリア性能を示した。
【0050】
次に作製した多層シートを真空圧空成形機により、深さ26mm、開口部直径64mm、底部直径53mmのカップ形状の容器に深絞り熱成形した。熱成形は、セラミックヒーターを用いて、表面温度を170℃まで加熱後、速やかに真空圧空成形することにより行った。
容器への熱成形性は非常に良好であり、ガスバリア層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。
【0051】
実施例2
ポリアミドBを(A)層に用いた以外は、実施例1と同様の層構成となる多層シートを作製し評価した。(A)層の押出温度は220℃とし、押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は僅かであった。得られたシートにはゲル状物もなく外観は良好であった。得られた多層シートの曇価は、7%、黄色度は、1.2であった。シートの全厚みは0.25mm、ガスバリア層の厚みは0.05mmであった。得られた多層シートの耐屈曲性試験を行なった結果、50回屈曲後もシートにピンホールの発生はみられなかった。
得られた多層シートの23℃での酸素透過率測定を行った結果、相対湿度0%では2(ml/m・day・MPa)であり、相対湿度60%では4であり、相対湿度90%では99であり、広湿度範囲で良好なガスバリア性能を示す多層シートが得られた。レトルト処理直後の23℃、相対湿度60%での酸素透過率は52(ml/m・day・MPa)であり、レトルト直後においても良好なガスバリア性能を示した。作製した多層シートを実施例1と同様に真空圧空成形機により、深絞り熱成形した。容器への熱成形性は非常に良好であり、ガスバリア層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。
【0052】
実施例3
ポリアミドCを(A)層に用いた以外は、実施例1と同様の層構成となる多層シートを作製し評価した。(A)層の押出温度は210℃とし、押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は僅かであった。得られたシートにはゲル状物もなく外観は良好であった。得られた多層シートの曇価は、9%、黄色度は、1.5であった。シートの全厚みは0.25mm、ガスバリア層の厚みは0.05mmであった。得られた多層シートの耐屈曲性試験を行なった結果、50回屈曲後のシートのピンホール発生個数は2個であった。
得られた多層シートの23℃での酸素透過率測定を行った結果、相対湿度0%では2(ml/m・day・MPa)であり、相対湿度60%では3であり、相対湿度90%では67であり、広湿度範囲で良好なガスバリア性能を示す多層シートが得られた。レトルト処理直後の23℃、相対湿度60%での酸素透過率は31(ml/m・day・MPa)であり、レトルト直後においても良好なガスバリア性能を示した。作製した多層シートを実施例1と同様に真空圧空成形機により、深絞り熱成形した。容器への熱成形性は非常に良好であり、ガスバリア層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。
【0053】
実施例4
ポリアミドDを(A)層に用いた以外は、実施例1と同様の層構成となる多層シートを作製し評価した。(A)層の押出温度は200℃とし、押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は僅かであった。得られたシートにはゲル状物もなく外観は良好であった。得られた多層シートの曇価は、7%、黄色度は、1.5であった。シートの全厚みは0.25mm、ガスバリア層の厚みは0.05mmであった。得られた多層シートの耐屈曲性試験を行なった結果、50回屈曲後のシートのピンホール発生個数は3個であった。
得られた多層シートの23℃での酸素透過率測定を行った結果、相対湿度0%では2(ml/m・day・MPa)であり、相対湿度60%では4であり、相対湿度90%では99であり、広湿度範囲で良好なガスバリア性能を示す多層シートが得られた。レトルト処理直後の23℃、相対湿度60%での酸素透過率は51(ml/m・day・MPa)であり、レトルト直後においても良好なガスバリア性能を示した。作製した多層シートを実施例1と同様に真空圧空成形機により、深絞り熱成形した。容器への熱成形性は非常に良好であり、ガスバリア層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。
【0054】
実施例5
ポリアミドA(A層)、EVOH(クラレ(株)製、EVOH−F101B)(B層)、ポリプロピレン(三菱化学(株)製、FY−6C)(C層)、ナイロン6(宇部興産(株)製 UBEナイロン 1024B)、および接着性樹脂層に変性ポリプロピレン(三菱化学(株)製、モディックP−513V)を用い、層構成と各層の厚みがナイロン6層(20μm)/B層(25μm)/A層(25μm)/接着層(20μm)/C層(80μm)となるように5台の押出機、フィードブロック、Tダイ、引取機からなる多層シート製造装置にて、5種5層の多層シートを作製し、評価した。シート作成時の各樹脂の押出温度は、ナイロン6層が240℃、(A)層が240℃、(B)層が210℃、(C)層が240℃であり、フィードブロック温度は245℃とした。押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は僅かであった。得られたシートにはゲル状物もなく外観は良好であった。得られた多層シートの曇価は、7%、黄色度は、1.0であった。シートの全厚みは0.17mm、ガスバリア層の厚みは0.05mmであった。得られた多層シートの耐屈曲性試験を行なった結果、50回屈曲後もシートにピンホールの発生はみられなかった。
得られた多層シートの23℃での酸素透過率測定を行った結果、相対湿度0%では2(ml/m・day・MPa)であり、相対湿度60%では4であり、相対湿度90%では88であり、広湿度範囲で良好なガスバリア性能を示す多層シートが得られた。レトルト処理直後の23℃、相対湿度60%での酸素透過率は50(ml/m・day・MPa)であり、レトルト直後においても良好なガスバリア性能を示した。作製した多層シートを実施例1と同様に真空圧空成形機により、深絞り熱成形した。容器への熱成形性は非常に良好であり、ガスバリア層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。
【0055】
実施例6
ポリアミドAを(A)層として用い、層構成をA層(25μm)/B層(25μm)/A層(25μm)/接着層(20μm)/C層(80μm)とした以外は、実施例1と同様の層構成となる多層シートを作製し評価した。押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は僅かであった。得られたシートにはゲル状物もなく外観は良好であった。得られた多層シートの曇価は、8%、黄色度は、1.2であった。シートの全厚みは0.17mm、ガスバリア層の厚みは0.075mmであった。得られた多層シートの耐屈曲性試験を行なった結果、50回屈曲後のシートのピンホール発生個数は1個であった。
得られた多層シートの23℃での酸素透過率測定を行った結果、相対湿度0%では2(ml/m・day・MPa)であり、相対湿度60%では3であり、相対湿度90%では55であり、広湿度範囲で良好なガスバリア性能を示す多層シートが得られた。レトルト処理直後の23℃、相対湿度60%での酸素透過率は26(ml/m・day・MPa)であり、レトルト直後においても良好なガスバリア性能を示した。作製した多層シートを実施例1と同様に真空圧空成形機により、深絞り熱成形した。容器への熱成形性は非常に良好であり、ガスバリア層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。
【0056】
比較例1
ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製 S6007)を(A)層に用いた以外は、実施例1と同様の層構成となる多層シートを作製し評価した。(A)層は260℃で押出を行ない、フィードブロックの温度を260℃とした。押出し時にポリプロピレン劣化による臭気が発生し、樹脂吐出部では白煙が観察された。
押出機を連続運転して多層シートを作製したところ、押出を開始してから数時間経過するとシートにゲル状物が混入し、外観良好なシートを得ることが困難であった。得られた多層シートの曇価は、9%、黄色度は、2.1であった。シートの全厚みは0.25mm、ガスバリア層の厚みは0.05mmであった。得られた多層シートの耐屈曲性試験を行なった結果、50回屈曲後もシートのピンホール発生はみられなかった。
得られた多層シートの23℃での酸素透過率測定を行った結果、相対湿度0%では2(ml/m・day・MPa)であり、相対湿度60%では4であり、相対湿度90%では114であった。レトルト処理直後の23℃、相対湿度60%での酸素透過率は87(ml/m・day・MPa)であった。作製した多層シートを実施例1と同様に真空圧空成形機により、深絞り熱成形したところ、ガスバリア層が熱成形時に結晶化するために伸びムラを生じ、不形成は不充分であった。
【0057】
比較例2
ポリアミドEを(A)層に用いた以外は、実施例1と同様の層構成となる多層シートを作製し評価した。(A)層は200℃で押出を行ない、押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は僅かであった。得られたシートにはゲル状物もなく外観は良好であった。得られた多層シートの曇価は、7%、黄色度は、5.3であった。シートの全厚みは0.25mm、ガスバリア層の厚みは0.05mmであった。得られた多層シートの耐屈曲性試験を行なった結果、50回屈曲後のシートのピンホール発生個数は24個と非常に多かった。
得られた多層シートの23℃での酸素透過率測定を行った結果、相対湿度0%では2(ml/m・day・MPa)であり、相対湿度60%では4であり、相対湿度90%では98であった。レトルト処理直後の23℃、相対湿度60%での酸素透過率は52(ml/m・day・MPa)であった。作製した多層シートを実施例1と同様に真空圧空成形機により、深絞り熱成形した。容器への熱成形性は非常に良好であり、ガスバリア層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。
【0058】
比較例3
ポリアミドAを(A)層に用いて(A)層厚みを50μmとして、(B)層を用いなかった以外は、実施例1と同様に多層シートを作製し評価した。(A)層は240℃で押出を行ない、押出し時のポリプロピレン劣化による臭気は僅かであった。得られたシートにはゲル状物もなく外観は良好であった。得られた多層シートの曇価は、8%、黄色度は、1.4であった。シートの全厚みは0.25mm、ガスバリア層の厚みは0.05mmであった。得られた多層シートの耐屈曲性試験を行なった結果、50回屈曲後のシートのピンホール発生個数は4個であった。
得られた多層シートの23℃での酸素透過率測定を行った結果、相対湿度0%では38(ml/m・day・MPa)であり、相対湿度60%では14であり、相対湿度90%では64であり、低湿度におけるガスバリア性能が不充分であった。レトルト処理直後の23℃、相対湿度60%での酸素透過率は26(ml/m・day・MPa)であった。作製した多層シートを実施例1と同様に真空圧空成形機により、深絞り熱成形した。容器への熱成形性は非常に良好であり、ガスバリア層の厚みが均一で透明性良好な容器を得る事が出来た。
【0059】
比較例4
(B)層の厚みを50μmとして、(A)層を用いなかった以外は、実施例1と同様に多層シートを作製し評価した。得られたシートにはゲル状物もなく外観は良好であった。得られた多層シートの曇価は、8%、黄色度は、1.4であった。シートの全厚みは0.25mm、ガスバリア層の厚みは0.05mmであった。得られた多層シートの耐屈曲性試験を行なった結果、50回屈曲後のシートのピンホール発生個数は2個であった。
得られた多層シートの23℃での酸素透過率測定を行った結果、相対湿度0%では1(ml/m・day・MPa)であり、相対湿度60%では2であり、相対湿度90%では200であり、高湿度におけるガスバリア性能が不充分であった。またレトルト処理直後の23℃、相対湿度60%での酸素透過率は1060(ml/m・day・MPa)であり、ガスバリア性能が極度に低下した。
【0060】
【発明の効果】
本発明のガスバリア性多層構造物は、広い湿度範囲で優れたガスバリア性能を有し、また熱水殺菌処理を行なった後においても、ガスバリア性能の低下が極めて少なく、かつ樹脂の劣化による着色やゲル発生も少なく、包装材料として充分な強度を有し、更に深絞り成形等の二次加工性が良好であるため、食品、飲料、薬品、電子部品等の包装材料として非常に有用なものであり、その工業的価値は高い。

Claims (9)

  1. メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸80〜95モル%とイソフタル酸5〜20モル%を含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド樹脂層(A)とエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物層(B)からなる2層のガスバリア層と熱可塑性樹脂層(C)の少なくとも3層を積層してなるガスバリア性多層構造物。
  2. (A)層に用いるポリアミド樹脂の融点が170〜235℃である請求項1記載のガスバリア性多層構造物。
  3. (A)層に用いるポリアミド樹脂の23℃、相対湿度60%条件下での酸素透過係数が、0.1〜1.5ml・mm/m・day・MPaである請求項1または2記載のガスバリア性多層構造物。
  4. ポリアミド樹脂層(A)が、層状珪酸塩を1〜10重量%含むものである請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物。
  5. 熱可塑性樹脂層(C)がポリオレフィンからなるものである請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物。
  6. 多層構造物総厚みに対するガスバリア層の厚み比率が1〜50%である請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物。
  7. ポリオレフィン層(C)を最内層とし、ポリアミド樹脂層(A)をエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物層(B)より内層とする請求項1〜6のいずれかに記載の多層構造物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物を少なくとも一部に使用してなる多層フィルム。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性多層構造物を少なくとも一部に使用してなる多層容器。
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