JP4212945B2 - 機能性医療機器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療機器に関するものである。さらに詳しくは、生体適合性とばね性が高い機能性医療機器と、さらに抗菌効果を付与した機能性医療機器、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般の医療機器においては、従来の金属材料を一部改良して、生体へ用いることがほとんどであり、医療機器を構成する材質の生体への適合性については二次的なものとして考えられていた。しかしながら、最近の医療材料分野では、生体適合性が重視されるようになり、これまで使用されてきたステンレス(SUS316Lなど)や、Co−Cr系合金、Ti−6wt%Al−4wt%V(以下、Ti6Al4Vと称す)よりも、さらに生体適合性の高い材料が要求されている。図1に金属の生体適合性を示す。具体的には、生体とのアレルギー性や、発ガン性、細胞毒性などを示す元素、例えば、Ni、Cr、Cd、Cu、V、Coを含有しない合金の開発が求められている。
【0003】
本発明者が行なった調査によると、医療機器に関する従来の技術として、次の文献がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−047261号公報、医療用具
【特許文献2】
特開2003−048840号公報、抗菌性付与抗血栓性組成物およびそれをコートした医療用具
【特許文献3】
特開2002−187806号公報、抗菌性材料
【特許文献4】
特開2002−327079号公報、人工骨などに適した酸化チタン有機高分子複合体
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの公報に記載された技術は、従来から医療用に使用されてきた医療材料に抗菌性を付加しただけであり、医療機器を構成する部材の生体適合性についての記載がほとんどない。
【0006】
従来は、生体適合性のよい材料で、耐食性、ばね性、抗菌性、材料強度、軽量化をすべて満足するような物はほとんどなく、従来の材料の表面をコーティングする等で、カプセル化し、生体適合性を持たせることが主流であった。しかしながら、長期的に使用するような医療用機器においては、本質的な安全性の面からは、構成する材料自体が生体適合性を持つことが望ましい。
【0007】
そこで、本発明の本質的な課題は、毒性およびアレルギー性の指摘が少なく、生体適合性に優れ、かつ軽量な機能性医療機器を提供することにある。
【0008】
また、本発明の技術課題は、従来の医療用材料であるSUS316LやTi6Al4Vと同等またはそれ以上の引張強度を有し、かつ、ばね性、抗菌性を付加した機能性医療機器及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
TiとMo、さらにSnあるいはAgの一方もしくは双方を有し、生体適合性の良い元素のみを用いたTi−Mo系合金を医療機器に用いることにより、生体適合性が高く、軽量、高強度、低弾性率の機能性医療機器を得ることが出来、さらに抗菌性をも付与することが可能となる。
【0010】
即ち、本発明は、3点曲げ試験において、0.2%の永久歪みが生じた際に、加えていた全歪みが1.7%以上であり、かつ1%の曲げ歪みを加えた際の永久歪みが0.05%以下であって、Moを6〜7at%含み、残部がTi及び不可避不純物からなるTi−Mo系合金を用いたことを特徴とする機能性医療機器である。
【0011】
また、本発明は、前記Ti−Mo系合金の組成において、〜5at%のTiをSnで置換し、引張り試験における引張強度が800MPa以上であることを特徴とする機能性医療機器である。
【0012】
また、本発明は、前記Ti−Mo系合金の組成において、2at%以下(0を含まず)のTiをAgで置換したことを特徴とする機能性医療機器である。
【0013】
また、本発明は、前記機能性医療機器が、インプラント、カテーテル、ステント、ガイドワイヤー、注射器、人工骨、骨折固定材(ボーンプレート、スクリュー、ワイヤー)、人工弁、ペースメー力一、人工心臓、歯列矯正ワイヤー、人工歯根、義足、義手のいずれかであることを特徴とする機能性医療機器である。
【0014】
また、本発明は、前記機能性医療機器が、表面にチタン酸化物またはチタン酸カルシウムが直接形成されていることを特徴とする機能性医療機器である。
【0015】
また、本発明は、前記Ti−Mo系合金を、β変態温度以上で熱処理することを特徴とする機能性医療機器の製造方法である。
【0016】
また、本発明は、前記Ti−Mo系合金を、600℃以下で熱処理することを特徴とする機能性医療機器の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明では、生体適合性に優れた元素に着目し、近年、特に毒性が指摘されているV、Ni、Co、Cuなどを含まず、毒性またはアレルギー性の指摘がされていないSnまたはAgを加えたTi−Mo系合金を機能性医療機器に用いる。
【0018】
なお、機能性医療機器としては、インプラント、カテーテル、ステント、ガイドワイヤー、注射器、人工骨、骨折固定材(ボーンプレート、スクリュー、ワイヤー)、人工弁、ペースメーカー、人工心臓、歯列矯正ワイヤー、人工歯根、及び義足、義手等の福祉用品等が例示される。
【0019】
Tiは生体適合性がよく、比較的高強度で耐食性も良好であるが、よりばね性等を改良するために合金化する。主要な合金化元素としてMoを加工性、強度を高めるために添加する。Moは少量の添加で効果が得られ、生体適合性も良い。また、少量であるため、Tiの好適な特性を変化させることなく、機能性を付加したTi−Mo系合金を得ることが出来る。さらに、Moは耐食性、耐磨耗性を向上することが知られており、本発明品の耐食性は、Moの増加により向上し、Ti、およびTi6Al4Vより高い。
【0020】
本発明のTi−Mo系合金として、SnとAgを加えることで特性を改善出来る。Snは、本来中性な元素と言われているが、添加によりβ変態点温度を下げ、ばね性を向上することが出来、Snは3at%以上加えることが望ましい。さらに、熱的安定性の向上、合金溶解時の融点を低下させる効果がある。
【0021】
また、少量のAgを加えることで、抗菌効果が得られる。Agの場合は、多量に加えた場合、抗菌効果の向上よりも、強度の低下、密度の増加となるため、添加量は2at%以下が望ましい。このAg添加による抗菌効果は、JISZ2801:2000に記載された方法により確認出来た。
【0022】
なお、耐食性は、Ag、Snの添加により影響されない。これは、Ag、Snが合金として広く微細に分布しているため、不動態の形成に影響を与えないためと考えられる。
【0023】
Ti−Mo系合金を用いた機能性医療機器は、生体適合性が良く、特別な表面コーティングなしで、使用可能である。しかしながら、表面に酸化皮膜を形成させることで、更に安定性を増加することが出来る。ここで言う酸化皮膜は、特に酸に対する不動態であり、陽極酸化などの種々の方法により、表面にTiOを形成させることで、体内での安定性を向上出来る。リン酸を用いた陽極酸化法により、効果的なTiOを直接生成する事が可能である。
【0024】
また、TiO2では、光触媒作用により、紫外線を照射することで抗菌効果もある。Agを添加した場合は同様に抗菌効果を有するが、この場合は光の有無に関係せず抗菌効果が得られる。
【0025】
また、骨との接合部や、骨肉の埋め込みに用いる場合においても、Tiは骨と接合性が良く、骨と接合しやすいことが知られている。しかしながら、骨との接合には時間を要することから、機能性医療機器にアルカリ処理を施した上、人工体液などに浸漬することで、表面にアパタイトを形成させ、骨との適合性を上げることが出来る。アパタイトの形成過程において、水熱法などにより、表面にチタン酸カルシウムを形成することりより、強固なアパタイト形成が可能である。また、カソード法により、直接チタン酸カルシウムを生成することも可能である。
【0026】
ばね性については、φ1のTi−Mo系合金の棒材を用いて、3点曲げ試験にて評価した。3点曲げ試験では、徐々に歪みを加え、その時の加えた全歪み(Total Strain)と、除荷した際に残った永久歪み(Permanent Strain)を測定し評価した。本発明の90at%Ti−6at%Mo−4at%Sn(Ti6Mo4Sn)合金と、比較材のTi、SUS316L、Ti6Al4Vの測定結果を図2に示す。
【0027】
通常の金属においては、0.2%以上の歪みを加えると、永久歪みが生じると言われており、永久歪みが0.2%に達した際の加えていた応力を耐力と呼び、材料強度の目安とされている。そこで、3点曲げ試験においても、ばね性として、0.2%の永久歪みを生じた時に加えていたトータル歪みをばね弾性変形域と定義して規定した。ばね弾性変形域は図2の▲1▼との交点となる。
【0028】
本発明品においては、ばね性はTi6Al4Vと同等以上ということで、0.2%の永久歪みに対するばね弾性変形域を1.7%以上と規定しているが、ばね弾性変形域をSUS316L以上の2%程度とする事も可能であり、Ti6Mo4Sn合金では、ばね弾性変形域が2.3%に達する。
【0029】
さらに、永久歪みが0.2%に達するまでに、歪みが直線的に加算されていく場合と放物線的に増加する場合とでは、ばね性に違いを生じるため、前記に加えて、ばね性を表現するために、1%の曲げ歪みを加えた後に除荷した際に残った永久歪みを1%曲げに対する永久歪みと定義して規定した。1%曲げに対する永久歪みは、図2の▲2▼との交点となる。
【0030】
本発明品においては、ばね性はSUS316Lと同等以上ということで、1%曲げに対する永久歪みを0.05%以下と規定している。本発明品では、特に1%曲げに対する永久歪みが小さく、Ti6Mo4Sn合金では、1%曲げ歪みに対する永久歪みは0.01%である。よって、1%以内の曲げ歪みに対して従来にない優れたばね性を発揮し、実質的には永久歪みを生じない。
【0031】
表1に、各種組成の本発明品と比較品のばね弾性変形域と1%曲げに対する永久歪みを示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004212945
【0033】
本発明では、ばね性で材料を規定しているが、表1に示すような合金組成で、このばね性を満足することができ、SUS316Lと同等もしくはそれ以上の機能性医療機器が提供できる。また、Snを3at%以上含むものは、ばね性が特に向上する。
【0034】
医療に用いられる金属材料の引張強度は、必要な用途において、最も必要な特性を持つ材質が選択されているために、材質により様々である。しかしながら、基本的には引張り強度は高いものが望まれる。引張強度とは引張試験において、最も応力が高くなったときの応力であり、本発明の機能性医療機器では、強度の高いと言われるTi6Al4Vと同等以上の引張強度を有するように800MPa以上と規定している。TiMo系合金の熱処理後の引張強度は800MPa〜1100MPaで、応力は引張強度までほぼ直線的に増加する。引張試験の応力の傾きから求めたヤング率は60GPa程度である。ヤング率は、医療用途、特にインプラントにおいては低いほどよく、本発明品は200GPaのSUS316Lや100GPaのTi、Ti6Al4Vよりも低い。
【0035】
Ti−Mo系合金の溶解は、Tiと同様な溶解方法が可能である。Ti、Mo、Sn、Agの粒状原料を用い、非消耗式アーク溶解にて合金化が可能である。その他、VAR炉(Vacuum Arc Remelting)や浮揚溶解、粉末治金法、条件によっては高周波溶解によっても合金化が可能である。
【0036】
機能性医療機器の製造過程において、Ti−Mo系合金は従来のTi6Al4Vより、加工性が高い。線材の引抜き加工においてφ3.5からφ2、φ1.8、φ1.5と言うように、冷間加工歪み80%以上の冷間加工が可能である。Ti6Mo4Sn合金の最大冷間加工歪みは83%以上である。
【0037】
冷間加工歪み=(S0−S)/S0×100
(S0:冷間加工前の断面積、S:冷間加工後の断面積)
【0038】
本発明のTi−Mo系合金の冷間加工時に、中間焼鈍は不要である。しかしながら、材料の歩留まりや安全性を考えると中間焼鈍する事が望ましい。このとき、β変態温度付近で短時間熱処理することで、引張強度を1000MPa以上とすることができる。それ以上の温度で、長時間行うことでばね性を保持したまま、引張強度のみを低下させることができ、800MPa程度とする事ができる。上記冷間加工では、引抜き加工のほか、スェージング加工、鍛造加工、圧延加工などが可能である。
【0039】
本発明の機能性医療機器を構成するTi−Mo系合金のばね弾性変形域は、1.7%以上である。ばね材として用いられるステンレスは、通常、冷間加工を施すことでばね性が向上するが、本発明の機能性医療機器のばね弾性変形域はステンレスと同等以上である。
【0040】
更に、本発明のTi−Mo系合金を用いた機能性医療機器は、60%以上の冷間加工歪みを加えても、ばね弾性域はほとんど変化せず、引張強度にも大きな変化はない。しかしながら、600℃以下で時効処理をすることで、強度を高めることが可能である。
【0041】
本発明の機能性医療機器においては、求めるTi−Mo系合金の強度に応じて、β変態点以上での熱処理、例えば750℃または1000℃等で焼鈍等、及び必要に応じて600℃以下での時効熱処理を施せば良い。
【0042】
機能性医療機器の軽量化において、機能性医療機器を構成するTi−Mo系合金の比重は5.5以下とすることが望ましい。比重を5.5以下とすることにより、同体積当たりの重量が低く、機能性医療機器(特に義足、義肢、人工骨類)の軽量化、さらには使用重量が減ることでの環境付加価値を高めることが可能となる。
【0043】
ここで言う比重とは、所定温度における同体積の標準物質との質量の比であり、標準物質として4℃の水を用いている。簡便上、比重=密度(g/cm3)としてもよい。表1には、各材料の密度も示してある。アルキメデス法により求めたTi6Mo4Sn合金の密度は、5.176(g/cm3)であり、Ti6Mo3Sn0.5Ag合金についても密度は、5.008(g/cm 3 である。ばね性の良好なSUS316Lは7.8(g/cm3)程度であり、これと比較すると、大幅に軽量化が可能である。
【0044】
軽量、高強度を示すために比強度[単位密度当たりの強度=引張強度(MPa)/密度(g/cm3)]が用いられる。本発明の機能性医療機器の比強度は750℃で熱処理した時に、190以上であり、軽量、高強度の機能性医療機器が得られる。TiやSUS316Lでは100以下であり、本発明品の方が比強度が高い。Ti6Al4Vでは200程度と本発明品より比強度が若干高いが、Al、Vを含むため、本発明品の方が生体適合性が高く、ばね性も本発明品の方が良好である。
【0045】
本発明での最適と考えられるTi−Mo系合金は、90.5at%Ti−6at%Mo−3at%Sn−0.5at%Ag(Ti6Mo3Sn0.5Ag)および90at%Ti−6at%Mo−4at%Sn(Ti6Mo4Sn)の組成の合金であり、両組成の合金共に高強度で、適度なばね性を有し、Tiと同様な製造加工工程を適用することが出来る。抗菌性を重視する場合はAgを含むTi6Mo3Sn0.5Ag合金が望ましい。
【0046】
【実施例】
以下の実施例においては、TiとMoは約5mmの粒状原料を用い、Sn、Agにおいても同様な原料を用いて、非消耗式アーク溶解にて合金化を行なった。比重は5.5を超えないように調整した。3点曲げ試験より特性の良いTi6Mo4Sn合金およびTi6Mo3Sn0.5Ag合金を用いて、機能性医療機器を製造した。機能性医療機器のTi−Mo系合金部はβ変態点以上で熱処理されており、750℃または1000℃で行なった。また、一部においては、600℃以下で時効熱処理を施した。
【0047】
(実施例1)
ガイドワイヤーを本発明により試作した。従来材料と本発明によるガイドワイヤーを比較すると、本発明品はSUS316L、Ti−Ni合金よりも生体適合性が良好であり、SUS316L以上の剛性とばね性が得られた。また、柔軟性においては、SUS316Lと同様に、先端の細径化で対応する事が出来た。さらに、陽極酸化によるTiO2コーティングにより、擬似体液中による安定性、腐食性が向上しており、Agによる抗菌効果も付加することが出来た。
【0048】
(実施例2)
ステントを本発明により試作した。従来材料と本発明によるステントを比較すると、実施例1のガイドワイヤーで述べた効果に加え、SUS316Lと比し、非磁性のためMRI使用時にアーチファクトを生じないという効果が得られた。さらに、本発明品では、加工率を6%以上とすることで、SUS316Lよりもリコイルが減少した。
【0049】
(実施例3)
人工歯根、歯列矯正ワイヤーを本発明により試作した。従来材料と本発明による人工歯根、歯列矯正ワイヤーを比較すると、特に口内における特異な環境に対応することが出来、Ti、SUS316Lに比し、フッ素、酸に対する耐食性が向上した。
【0050】
(実施例4)
人工骨、骨固定材を本発明により試作した。従来材料と本発明による人工骨、骨固定材を比較すると、通常のTi、SUS316Lにくらべヤング率が60GPaと低く、適度なばね性を持ち、比強度が大きく、軽量、高強度を実現出来た。また、表面へのチタン酸カルシウム/アパタイトの直接形成により、骨との親和性を向上することが出来た。
【0051】
(実施例5)
福祉材料として、義肢、義手を本発明により試作した。従来材料と本発明による義肢、義手を比較すると、従来のTiに比べ強度が高く、Ti合金、SUS316Lより、ばね弾性変形域が大きく、しなやかであり、SUS316Lに比し、40%以上の軽量化を実現出来た。
【0052】
また、全体を通して、従来の医療機器に比べ、高い生体適合性およびばね弾性域を有し、抗菌性が付加された、軽量、高強度の機能性医療機推が提供出来た。
【0053】
【発明の効果】
本発明の機能性医療機器は、生体適合性が高く、生体への安全性が向上した、軽量、高強度の医療機器を提供することが出来る。さらに、従来からのTiの加工方法を用いることが可能であり、ばね性と抗菌性を兼ね備えた機能性医療機器が得られる。特に、生体適合性、ばね性、抗菌性、軽量、高強度、耐腐食性を兼ね備えた機能性医療機器及びその製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】純金属、Co−Cr合金およびステンレス鋼の生体適合性を示す図。
【図2】3点曲げ試験によるトータル歪みと永久歪みの関係を示す図。

Claims (7)

  1. 3点曲げ試験において、0.2%の永久歪みが生じた際に、加えていた全歪みが1.7%以上であり、かつ1%の曲げ歪みを加えた際の永久歪みが0.05%以下であって、Moを6〜7at%含み、残部がTi及び不可避不純物からなるTi−Mo系合金を用いたことを特徴とする機能性医療機器。
  2. 前記Ti−Mo系合金の組成において、3〜5at%のTiをSnで置換し、引張り試験における引張強度が800MPa以上であることを特徴とする請求項1記載の機能性医療機器。
  3. 前記Ti−Mo系合金の組成において、2at%以下(0を含まず)のTiをAgで置換したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の機能性医療機器。
  4. 前記機能性医療機器は、インプラント、カテーテル、ステント、ガイドワイヤー、注射器、人工骨、骨折固定材(ボーンプレート、スクリュー、ワイヤー)、人工弁、ペースメー力一、人工心臓、歯列矯正ワイヤー、人工歯根、義足、義手のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の機能性医療機器。
  5. 前記機能性医療機器は、表面にチタン酸化物またはチタン酸カルシウムが直接形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の機能性医療機器。
  6. 前記Ti−Mo系合金を、β変態温度以上で熱処理することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の機能性医療機器の製造方法。
  7. 前記Ti−Mo系合金を、600℃以下で時効熱処理することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一つに記載の機能性医療機器の製造方法。
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