JP4208126B2 - ゲインクランプ光増幅器モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信等で用いられる光増幅器に関し、特に、線形増幅や光信号処理に用いられるゲインクランプ光増幅器モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光増幅器の線形動作を得るためのひとつの手法として、光増幅器を意図的にレーザー発振させて利得をクランプする、いわゆる「ゲインクランプ」技術が提案されている。とりわけ、半導体光増幅器(SOA)は、非線形性が大きくかつ応答速度も速いことから、変調信号が透過する際に信号波形劣化が生じることや、波長多重光を増幅する際に利得変動やクロストーク等の問題が生じることが知られている。
【0003】
そこで、これらの問題を解決するために上記ゲインクランプ技術を適用した、「ゲインクランプSOA」と呼ばれるデバイス構成が報告されている。また線形化とは逆に、この「ゲインクランプSOA」では、発振閾値の近傍で極めて大きな非線形性が得られることから、波長変換や光論理ゲート等として光信号処理への応用も期待されている。
【0004】
図14は、文献1(M. Bachmann, et al., "Polarisation-insensitive clamped-gain SOA with integrated spot-size convertor and DBR gratings for WDM applications atl. 55 μm wavelength." Electronics Letters, vol. 32, no. 22, pp. 2076-2078, 1996.)に記載されている、従来のゲインクランプSOAの一構成例の概略を示す上面図である。同図に示すように、この構造では、光波を増幅する活性領域01と、その両側に設けた、反射中心波長λc、反射率Rcのブラッググレーティング02a、02bを形成した光導波路とが、半導体で一括して形成されている。
【0005】
このような構造によれば、両側のブラッググレーティング02a、02b間で共振器が構成されるため、両側ブラッググレーティング反射率と増幅利得との釣り合い、および共振器を1周したときの位相条件(縦モード条件)等を条件として、概ねλcの近傍の波長において発振動作を得ることができる。一般にレーザー発振時には、活性領域01のキャリア密度が一定に保たれることから、このようなゲインクランプSOAでは、所定の動作条件において利得が一定に保たれた、いわゆる線形増幅動作を得ることができる。
【0006】
なお、発振しきい値は概ねグレーティング反射率Rcと利得との釣り合いで決まるので、ブラッググレーティング02a、02bの反射波長λcと反射率Rcを適宜設定することにより、クランプ後に所望の利得スペクトルを得ることができる。
【0007】
一方、このようなゲインクランプSOAを利得した光信号処理技術も検討されている。例えば、文献2(松下 他,“利得クランプ型半導体光アンプを用いた波長変換法の数値解析,”電子情報通信学会2002年エレクトロニクスソサイエティ大会講演論文集1,C-4-18, p. 260, 2002. )には、ゲインクランプSOAを、波長変換器として利用する応用例が述べられている。この例は、ゲインクランプSOA自身の発振光をうまく利用したものであり、外部から波長λ1の変調信号光を入力すると、波長λ2に設定された発振光が相互利得変調されて出力されるため、発振光のみを取り出せば、λ1からλ2への波長変換が実現できる。
【0008】
従来、SOAは、素子自身の非線形効果である相互利得変調や相互位相変調効果を利用することにより、波長変換器としての応用が活発に検討されているが、通常の場合には、外部より波長λ1の変調信号光と、波長λ2のCW光を同時にSOAに入力し、出力された光のうち、λ2のみを取り出すことにより、波長変換動作を得ている。
【0009】
これに対して、上記のようにゲインクランプSOAを用いれば、発振光を用いるために、外部にCW光の光源を別途用意することが不要となり、小型・安価な波長変換装置が実現できると期待できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ゲインクランプSOAを線形増幅器として用いる場合には、図15に示すように、増幅したい信号光とともに、発振光が大きな出力強度で出力されてしまう。このような高いレベルの発振光は、伝送路末端の受信時には大きな雑音となるため、受光器前段では必ず除去しなければならないのはもちろんのこと、ゲインクランプSOA後段の光増幅器を飽和させたり、光ファイバ内で不要な非線形効果を誘起するなど、光伝送路中においても諸々の問題をひきおこす。
【0011】
そこで、一般にはゲインクランプSOAのすぐ後段に高性能な光フィルタを設けて、これを除去している。このため従来のゲインクランプSOAを実際に用いる場合には、装置全体が大型化したり、高価になるなどの問題があった。
【0012】
また、ゲインクランプSOAを波長変換器として用いる場合も同様であり、外部からの変調信号光と、波長変換光となる発振光とが、混在して出力されるため、出力側の外部にフィルタを設けるか、または入力側の外部にサーキュレータを設けるなどの工夫によって、これらを分離する必要があった。
【0013】
本発明は、上記従来技術に鑑み、発振光と外部からの透過信号光とをモジュール外部で分離する必要がない、小型・高性能かつ安価なゲインクランプ光増幅器モジュールを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決する本発明に係るゲインクランプ光増幅器モジュールの構成は、
光入力端および光出力端を有する半導体光増幅器からなる光増幅部と、該光入力端および光出力端にそれぞれ接続された2つの光導波路と、該2つの光導波路のそれぞれの一部に設けられ、所定の波長の光を反射する2つの波長選択性反射器とを含み、
少なくとも前記光増幅部の光出力端側に設けられた前記波長選択性反射器が、
4つの入出力端子を有し、第一の入出力端子から入力された光のうち、所定の波長の光の少なくとも一部を反射して、第一および第二の入出力端子にそれぞれ出力するとともに、前記第一の入出力端子から入力された光のうち、前記波長とは異なる波長の光を透過して、第三または第四の入出力端子のいずれか一方または両方に出力するカプラ型光フィルタであり、
該カプラ型光フィルタの前記第一の入出力端子が前記光増幅部に接続され、
前記半導体光増幅器は、前記2つの波長選択性反射器の間で構成される共振器により前記所定の波長の光で発振してその利得がクランプされ、
前記所定の波長とは異なる波長の信号光が前記光増幅部に入力され、該光増幅部で増幅された前記信号光が前記カプラ型光フィルタの前記第三または第四の入出力端子のいずれか一方または両方から出力される
ことを特徴とする。
【0015】
また、少なくとも前記光増幅部の光出力端側に設けられた前記波長選択性反射器において、
前記第一の入出力端子から入力され、前記第一および第二の入出力端子にそれぞれ出力される前記所定の波長の光が、前記第三または第四の入出力端子のいずれか一方または両方に出力される透過率が10%以下である
ことを特徴とする。
【0016】
また、前記光増幅部の光出力端から出力された前記所定の波長の光が、再び前記光出力端を介して前記光増幅部に戻る出力側実効反射率が、
前記光増幅部の光入力端から出力された前記所定の波長の光が、再び前記光入力端を介して前記光増幅部に戻る入力側実効反射率よりも小さい
ことを特徴とする。
【0017】
前記カプラ型光フィルタは、導波路型光カプラと、該光カプラの導波路の一部に設けた波長選択ミラーとからなる
ことを特徴とする。
【0018】
このとき、前記導波路型光カプラが方向性結合器でもよい。
また、前記導波路型光カプラがマルチモード干渉型カプラでもよい。
また、前記導波路型光カプラがマッハ・ツェンダー干渉計型カプラでもよい。
【0019】
さらに、前記カプラ型光フィルタは、所望の波長において、所望の偏波を有する光を反射するとともに、
該所望の波長において、所望の偏波とは異なる偏波の光は反射しない
構成であることが好ましい。
【0020】
また、前記導波路型光カプラが石英系平面光導波路からなり、
前記波長選択ミラーが、UVグレーティングからなる
ことが好ましい。
また、前記波長選択ミラーが、誘電体多層膜でもよい。
【0021】
一方、前記カプラ型光フィルタの、前記第二の入出力端子に、受光器が接続されている構成でもよい。
また、前記カプラ型光フィルタの、前記第二の入出力端子が、ファラデー回転子の一端に接続されており、
前記ファラデー回転子の対向する一端に、受光器または光導波路が接続されている構成でもよい。
【0022】
さらに、前記カプラ型光フィルタの、前記第三の入出力端子に、受光器が接続されている構成でもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
なお、以下の実施の形態では、すべて石英系光導波路(PLC)を用いたハイブリッド集積構成とするが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば光導波路として、ポリマー導波路等を用いても良いし、半導体導波路を用いたモノリシック集積構成でも良い。また、モジュールサイズや、実装工程上、不利な面もあるものの、光ファイバを用いた構成も可能である。さらに、本発明のカプラ型フィルタは、導波路型光カプラおよび波長選択性ミラーともに複数の構成が可能であり、また、その組み合わせも多彩である。
【0025】
以下の実施の形態では、比較的簡単で理解が容易なように、代表的なもののみを示す。
【0026】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るゲインクランプ光増幅器の概略構成を示す上面図である。
【0027】
同図に示すように、本形態では、シリコン基板1上に形成した石英系平面光導波路を用い、光導波路2の一部領域に形成した光素子搭載部3にSOA素子4を搭載・固定するとともに、SOA素子4の両側には、後述する波長選択性反射器を設けることにより、ハイブリッド集積型のゲインクランプ光増幅器モジュールを構成している。
【0028】
従来技術の項で述べたような半導体で一括形成したモノリシック集積構成のみならず、本形態のようなハイブリッド集積構成によってもゲインクランプSOAを実現できる。このようなハイブリッド集積構成では、SOA素子4と光導波路2との結合部が両端のグレーティング5、6によって構成される共振器内に含まれることになるため、結合損失のばらつきによって生じるモジュール利得の変動を抑圧できる効果があり、モジュール利得を精度よく設定するのに有利である。
【0029】
なお、SOA素子4や光素子搭載部3の構造、あるいはSOA素子4の固定法などについては、本発明の要点ではないので詳述はしない。ただし、文献3(I. Ogawa, et sl., "Hybrid integrated four-channel SS-SOA array module using planar lightwave circuit platform," Electronics Letters, vol. 34, no. 4, pp. 361-363, 1998. )に記載されている構造や方法をはじめとして多くの選択肢が可能であることは言うまでもない。したがって本明細書本文や図面で記載する構造は一例に過ぎず、特にこれらの構造を限定するものではないことを明記しておく。
【0030】
次に、本実施の形態の主要な構成上の特徴について説明しておく、まず、第一の特徴は、出力側の波長選択性反射器として、光カプラと波長選択ミラーとからなる構成を用いた点である(このような構成を、以下カプラ型光フィルタ7と称する)。
【0031】
本形態では、図2に詳細に示すように、光カプラとして、2本の光導波路2を近接させることにより構成した所謂方向性結合器8を用い、この2本の光導波路2が近接した結合領域に、波長選択ミラーとして、紫外光を照射することによって誘起される石英系光導波路の屈折率変化を利用した所謂UVグレーティング6を形成した。一方、入力側のグレーティングに関しては特に構造の制約はなく、本形態では光導波路2に形成したUVグレーティング5を用いた。なお、入力側、出力側のUVグレーティング5、6ともに反射中心波長はλcに設定した。
【0032】
出力側の上記カプラ型光フィルタ7についてさらに詳細に説明すると、SOA素子4の出力端から出力された光波は、光導波路2に結合して伝播し、カプラ型光フィルタ7の入出力端子9aに入力され、方向性結合器8の結合領域に達する。結合領域では2本の光導波路2の伝播モードの結合によって偶モードと奇モードとが伝播し、これらの伝播定数差に起因するうねりによって2本の光導波路2間で光強度比が変化しながら伝播していくことになる。
【0033】
ここで、波長λcの近傍の光は、UVグレーティング6によって反射され、入出力端子9aと入出力端子9bとの分岐点まで再び結合領域を戻る。方向性結合器8では、光導波路2の近接領域における伝播距離に従い、2本の光導波路2内の光強度比が周期的に変化し、ある長さ(完全結合長)の周期で一方の光導波路2から他方の光導波路2に完全に光パワーが移動することになる。この長さは、光導波路2の間隔や導波路コアのクラッドに対する比屈折率差によるが、石英系光導波路では概略数ミリメートル程度のことが多い。
【0034】
一方、UVグレーティング6は複数の実効屈折率の異なる層による多重反射であるが、結果として得られる反射光は概ねUVグレーティング6内のある一点(実効反射点)で反射されたものと考えて差し支えない。このため、方向性結合器8の領域内で上記実効反射点の位置を調整することによって、反射光の、入出力端子9a、入出力端子9bへ出力される光強度の割合を調整することができる。
【0035】
本形態では、反射光が、入出力端子9a、9bに、それぞれ20%、80%の比率で出力されるように設定した。一方、UVグレーティング6の反射波長λcから離れた波長の光波は、UVグレーティング6を透過し、前記結合領域を全長にわたって伝播した後、入出力端子9cと入出力端子9dとに分岐されて出力される。本形態では、結合領域の全長を完全結合長の2倍の整数倍に設定することにより、入出力端子9aとストレート接続の関係にある入出力端子9cに全透過パワーを出力する構成とした。
【0036】
以上のような設計は、導波路パラメータや2本の光導波路2の間隔などを含む方向性結合器8の構造や、UVグレーティング6の強度や長さ、結合領域のUVグレーティング6よりも入力側の長さ、出力側の長さなどをパラメータとして、伝播解析を繰り返すことにより、精度よく設計することができる。また、文献4(N. Ofusa, et al., "Au optical add-drop multiplexer with a grating-loaded directional coupler in silica waveguides," IEICE Trans. Commun., vol. E82-B, no. 8, pp. 1248-1251, 1999. )に記載されているように、解析的に概略の設計を行うことも可能である。
【0037】
本発明は、このようなフィルタの設計に関するものではないので詳細は省略するが、例えば文献4に従えば、グレーティングより入力側の結合領域長をL1、グレーティング長をL2、グレーティングより出力側の結合領域長をL3とすると、反射波と、透過波について、遇モードと奇モードの位相差の条件
4κcL1+δΦ=(2ml−1)π・・・・・・・・・・(式1)
κc(L1+L2+L3)=mπ/2・・・・・・・・・・(式2)
を満たすように、方向性結合器の結合定数κcとL1,L2,L3、およびグレーティングで付加される往復の位相δΦ(上記の説明では実効反射点の位置に対応するパラメータ)を設計すればよい。
【0038】
なお、式1,式2のml,mは、それぞれ、反射波の入出力端子9a、9bへの出力比、透過光の入出力端子9c、9dへの出力比を決める係数である。文献4のように、Add-Dropフィルタとしての応用では正の整数となるが、本形態ではその限りではなく、所望の出力比に応じて実数を設定すればよい。同様に、本形態では、透過光をストレート接続側の端子に出力する構成を採用したが、もちろんクロス接続でも構わないし、必要に応じて一部を分岐してもよい。そのよう
な場合にも、式2のmの値を所望の値に設定すればよい。
【0039】
なお、図2に見られるように、本形態においては、UVグレーティング5、6を複数並んだ線で表現しているが、これはUV光によって屈折率変調された反射面の様子を模式的に表したものであり、詳細に関してはこれに限定されるものではない。例えば、図2では光導波路コアの外側にも反射面の線が延びているが、これらは光導波路コアおよびクラッドの材料やUV照射強度、照射範囲などの条件によって変化するものであり、実質的に屈折率変調が生じるのはコアの内部だけと考えて差し支えない場合も多い。また、反射面の間隔や、色の濃淡をグレーティングの全領域に渡り一定に表現しているが、グレーティング反射面のピッチを伝播軸に沿って変化させた、所謂「チャープトグレーティング」でもよいし、屈折率変調の深さをグレーティングの部位ごとに変化させた、所謂「アポタイズドグレーティング」でもよい。こうした具体的な設計については、本明細書では特には触れないが、グレーティングの反射スペクトル等を考慮して適宜設計すべきものであるのは当然である。
【0040】
また、本形態のカプラ型光フィルタ7は、複数の入出力端子を有し、その一部は、不要な場合もある。例えば本形態では入出力端子9bと入出力端子9dからの出力光は放射させてしまって利用しないか、もしくはもともと出力されない。
【0041】
このような入出力端子9b、9dの終端方法は様々な構成が可能である。例えば図2に示す本形態では、導波路コアの端面を斜めにエッチングし、クラッドで埋め込んで入出力端子9b、9dを構成している。このようにすれば、出力光は反射されて戻ることはなく、クラッドに放射される。
【0042】
このほか、図3(a)に示すように、入出力端子9b、9dを基板端まで延長し、基板端から斜めに出力するようにしてもよい。また、図3(b)に示すように、入出力端子9b、9dをスラブ導波路10a、10bに接続しておいてもよい。このようにすれば、反射なくスラブ導波路10a、10b内に放射され、スラブ導波路10a、10bを十分広く設けておけば反射して再び入出力端子9b、9dに結合する成分は無視できる程度に抑えられる。
【0043】
以上のように、導波路の終端の構成は様々であり、本形態では特に限定はしない。また、図3中、図1と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0044】
さらに、本形態ではカプラ型光フィルタ7を、方向性結合器8と、その結合領域に形成したUVグレーティング6により構成したが、その他の構成でもよい。
【0045】
図4(a)〜図4(c)に、別の構成例を挙げた。図4(a)は、光カプラとして、方向性結合器8ではなく、マルチモード干渉型カプラ(MMIカプラ)18を用いた例である。MMIカプラ18は、方向性結合器8と並び、代表的な光カプラとして知られており、このような構成も可能であるのはもちろんである。MMIカプラ18では複数のモードの干渉を用いるため、これを用いたカプラ型光フィルタの設計は方向性結合器8と比べて若干複雑になるが、カプラ自体の波長依存性を小さい点など、MMIカプラ18自身の良好な性質を利用できる利点がある。
【0046】
図4(b)は、光カプラとして、マッハ・ツェンダー干渉計型カプラ(MZIカプラ)28を用いた例である。すなわち、2つの方向性結合器28a、28bまたはMMIカプラと、その間に設けた2本のアーム導波路28c、28dからなる。このようなMZIカプラ28も、上記方向性結合器28a、28bやMMIカプラと同様に光カプラの機能を有する。この場合、カプラ型光フィルタを構成するためには、波長選択ミラーとして、2本のアーム導波路28c、28dにUVグレーティング6、6を設ければよい。このような構成では、入出力端子9aから入力された光波は、初段の方向性結合器28aまたはMMIによって2本のアーム導波路28c、28dに分岐され、次に、UVグレーティング6、6の反射帯域に含まれる波長の光はUVグレーティング6、6により反射され、再び初段の方向性結合器28aまたはMMIを介して、所定の分岐比で入出力端子9aと入出力端子9bに分配される。一方、グレーティング反射帯域外の光波はUVグレーティング6、6を透過し、後段の方向性結合器28bまたはMMIに達し、アーム導波路28c、28dで与えられる位相差に応じて入出力端子9c、9dに分配される。したがって、2つの方向性結合器28a、28bの分岐比、アーム導波路28c、28dの長さ、UVグレーティング6、6の実効反射点位置を適宜設計すれば、反射、透過ともに所望の動作を実現できる。
【0047】
このような構成では、回路サイズが大きくなるものの、シングルモード導波路上に形成したUVグレーティング6、6を用いればよいので、設計は極めて単純になるという利点がある。
【0048】
さらに、これまで波長選択性ミラーとして、UVグレーティング6を用いた例しか説明していないが、その他の構成も可能である。例えば光導波路コアの上面や、側面をレリーフ状にエッチング加工したグレーティングでもよいし、図4(c)に示したように、誘電体多層膜フィルタ38cを用いてもよい。
【0049】
図4(c)ではMZIカプラ38のアーム導波路38a、38bにダイシングソーによって溝を形成し、ここにフィルム状の誘電体多層膜フィルタ38cを挿入し、樹脂固定している。このような構成では、市販の優れた誘電体多層膜フィルタ38cを用いればよいので、信頼性・安定性の高いカプラ型光フィルタを構成できる。
【0050】
なお、図4(a)乃至(c)中、図1と同一部分には同一番号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0051】
次に、本形態における第二、第三の特徴は、上記グレーティング反射率の設計にある。すなわち、第二の特徴は、入力側、出力側いずれのUVグレーティング5、6も透過率をほぼ0%とした点である。さらに第三の特徴は、SOA素子4に対する実効反射率を出力側が入力側よりも十分小さい値になるように設計した点である。
【0052】
本形態における反射率設計は以下のとおりであり、概略を図5に示す。同図に示すように、まず入力側波長選択性反射器は、シングルモード導波路上に形成した通常のUVグレーティング5であり、反射中心波長は、1520nm、3dB反射帯域幅0.3nm、中心波長近傍における反射率99%以上(透過率1%以下)とした。一方、出力側波長選択性反射器は上述したカプラ型光フィルタ7である。反射中心波長は、1520nm、3dB反射帯域幅0.3nmと入力側と同等である。一方、反射率は、全反射率を反射率99%以上(透過率1%以下)とし、入出力端子9a、9bへの分岐比を20%:80%とした。このため、SOA素子4に接続された入出力端子9aからみた実効的な反射率は20%である。なお、SOA素子4から見た実効反射率(SOA素子4から出力され再びSOA素子4に戻る成分の割合)は、SOA素子4と石英系の光導波路2との接続損失を2dB程度に設計したので、入力側が約63%、出力側が約13%である。
【0053】
以上のような構成によって、本形態では、発振光の出力強度が十分小さく、かつ雑音性能も良好なゲインクランプ光増幅器を実現できる。これは上記の特徴によって、以下に述べる顕著な効果が得られるためである。
【0054】
まず、上記第一の特徴であるカプラ型光フィルタ7を用いれば、実効的な反射率と透過率とを、独立かつ高い自由度で設計を行うことが可能となる効果がある。これは、すでに述べたように、カプラ型光フィルタ7は、発振光の透過率を0%、すなわち全反射率を100%とした場合にも、反射波の入出力端子9a、9bへの出力比を調節することにより、SOA素子4に接続された入出力端子9aへの実効的な反射率を別途独立に設定できるためである。ちなみに、従来の単純なグレーティングでは、透過率と反射率とは、透過率を小さくすれば反射率は大きくなるという相補的な関係にあるため、このような設定はできなかった。
【0055】
なお、以上のような光導波路の設計が可能となったのは、本形態において石英系平面光導波路を用いた効果でもある。すなわち、石英系平面光導波路を用いれば、本形態のカプラ型光フィルタ7のような構造をフォトマスクの変更のみで容易に実現できる。また、他の平面回路構成と比較すると、光導波路2を精度よく安定に作製できる点、およびUVグレーティング5、6を利用できる点で有利である。例えばエッチングによるグレーティング等と比べると、UVグレーティング5、6の場合は、光導波路2ができた後に加工するため、光導波路2に光を入力し、実際の反射スペクトルをモニターしながらUVグレーティング5、6を形成できるなど、実用上大きなメリットを有している。
【0056】
続いて、第二、第三の特徴による効果は、上記構造を利用して反射率、透過率を適切に設定することにより、高性能なゲインクランプ光増幅器を実現できるようになったことである。
【0057】
まず、第二の特徴に関しては、出力側のUVグレーティング6の透過率をほぼ0%に設定することにより、従来問題となっていた発振光の出力強度を小さく抑えることができる。これにより、多くの場合、ゲインクランプSOAモジュールのすぐ後段に高性能なフィルタを設けることは不要である。
【0058】
本形態では、入力側、出力側ともに透過率1%以下としたので、いずれの側からも出力される発振光はわずかに1%以下である。したがって、図6に出力スペクトルを示すように、SOA素子4の飽和出力を10dBmとすると、発振光の出力パワーは−10dBm程度であり、典型的な使用例として信号光の出力パワーを飽和出力よりも5〜10dB程度小さくする設定する場合には、信号光と共に光導波路2から出力される発振光は、信号光よりも10dB以上小さなパワーに抑えられることになる。
【0059】
ちなみに、従来のゲインクランプSOAでは、グレーティング反射率は入力側、出力側ともに数%〜20%程度に設定されており、信号光よりも10dB程度大きなレベルで発振光が出力されてしまっていた。このような大きなレベルの不要波は、次段の光増幅器を飽和させたり、伝送路での非線形性を誘起する等の問題を引き起こすため、ゲインクランプSOAのすぐ後段に光フィルタを設けて発振光を除去することが必要不可欠であった。
【0060】
さらに、ここで用いるフィルタは、大きなレベルの発振光を信号光よりも十分小さなレベルに落とすために、十分なクロストーク性能を有する高性能なものが必要であった。
【0061】
これに対して、本形態に係るゲインクランプSOAでは、上述したように、発振光が信号光に比べて10dB程度小さな値であるので、必ずしもゲインクランプSOAのすぐ後段にフィルタを設ける必要はない。また、仮に必要な場合にも、発振光はもともと小さいレベルであるので、クロストーク性能の良い高価なフィルタは不要である。
【0062】
なお、発振光のグレーティング透過率は0%に近いほど好ましいが、以上述べた観点から言えば必ずしもこの限りではない。すなわち、次段の光増幅器や伝送路で問題を起こさない程度まで、発振光の出力レベルを抑えれば、実質的にフィルタは不要であり、用いる用途によっては信号光と同レベルか若干小さい値であれば問題はない場合も多い。例えば上記典型的な信号光の出力強度は飽和出力の10%程度であるので、出力側のUVグレーティング6の透過率も概略10%程度以下であれば一定の効果をあげることができる。
【0063】
本形態では、入力側のUVグレーティング5の透過率も1%以下に設定したことにより、入力側からも発振光が出力されない構成としたが、これに限定するものではない。光増幅器を用いる際には、通常入力側の前段および出力側の後段にアイソレータを設けるため、入力側から伝送路を逆向きに出力される発振光は、アイソレータによって遮断されるため問題にならない場合が多い。したがって、入力側の透過率、反射率は、システムや回路の条件を加味して、ゲインクランプSOAの特性を最大に引き出すように決定すればよい。
【0064】
第四の特徴は、出力側の反射率を入力側に対して十分小さく設定するものであり、これにより雑音の小さなゲインクランプ光増幅器を得ることができる。この理由は以下の通りである。
【0065】
そもそも本発明を用いずとも、発振光の出力強度を抑えるだけであれば、単純に出力側グレーティングの反射率をほぼ100%にすれば良い。すなわち、出力側グレーティングの反射率を100%にすれば、発振光はこれを透過して出力側へ出力されることはない。また、入力側グレーティングの反射率を適切に設定することにより、利得の調節も可能である。この場合、入力側のグレーティングからは、高いレベルの発振光が伝送路を逆向きに出力されてしまうが、上述の通り、光増幅器を用いる際には、光増幅器前後段にアイソレータを設けるのが通常であるので、ゲインクランプSOAの入力側から伝送路を逆向きに出力された発振光は、アイソレータを超えて伝送路に悪影響を及ぼすことはない。
【0066】
しかしながら、このような構成は、光増幅器の雑音指数NFを大幅に劣化させてしまうため、実用上適切ではない。文献5(Guido Giuliani, et al., "Noise analysis of conventional and gain-clamped semiconductor optical amplifiers," J. of Lightwave Technology vol. 18, no. 9, pp. 1256-1263, 2000. )にも記載されているように、光増幅器のNFは、増幅器内部のキャリア密度およびその分布に依存し、特に入力端側で飽和が生じるとNFが劣化する問題がある。
【0067】
一般に、ゲインクランプ光増幅器は、発振状態で使用するため、通常のSOAと比べてNFが劣化することが知られており、その上、上記のように入力側と比べて出力側グレーティングの反射率を大きくすると、入力端側でキャリア密度が低下してしまうためNFをさらに大きく劣化させてしまうのである。
【0068】
これに対して、本形態のように、出力側の反射率を入力側の反射率に対して十分小さく設定すれば、通常の入力側、出力側で同じ反射率の場合と比較して、雑音特性を大きく改善することができる。本形態では、SOA素子4に対する実効反射率は入力側〜63%、出力側〜13%であり、出力側を入力側の1/4 程度に小さく設定したことにより、モジュール全体で約8dBと良好なNF特性を達成した。
【0069】
なお、本形態では入力側と出力側の実効反射率の比は4:1としたが、1:1よりも出力側を小さくするほど効果があり、概略4:1程度以上の比率であれば、両端同比率のゲインクランプSOAと比較しても顕著な雑音改善効果を期待できる。
【0070】
以上をまとめると、本形態に係るゲインクランプSOAは、(1)信号光と共に出力される発振光の出力レベルが極めて小さく、かつ、(2)低雑音であるという特徴を有する。これらは、本形態のカプラ型光フィルタ7を用いた構成と、これによって可能となった反射率設計により得られた顕著な効果である。すなわち、従来のゲインクランプSOAでは、発振光の出力パワーが大きく、外部に高価なフィルタを設けて除去することが必須であった。これを避けるために出力側のグレーティング反射率を大きくして発振光の出力パワーを低減しようとすると、NFが劣化してしまう等の問題があるため、現実的な解決手段はなかった。これに対して、本発明では、カプラ型光フィルタ7を用いることによって、発振光の透過率を小さく抑えたまま、SOA素子4に対する実効反射率を適宜設定できるようにしたこと、およびこの構造を用いて入力側、出力側の実効反射率および透過率を適切に設定したことにより、以上のような問題を解決できた。
【0071】
その他、本形態に係るゲインクランプ光増幅器モジュールを用いることにより以下のような効果もある。すなわち、本発明では、グレーティング自体の反射率を略100%に設定できるため、UVグレーティング6を用いる場合にも、経時変化の小さい安定な特性を得ることができる。UVグレーティング6では、UV光によって誘起された屈折率変化が、環境条件等によっては、若干経時変化することが知られている。グレーティング反射率が経時変化すると、ゲインクランプSOAとしては発振しきい値が変化するため、結果としてモジュール利得が変動してしまう問題となる。
【0072】
これに対して、本形態のようにほぼ100%の反射率に設定する場合には、あらかじめ十分余裕を持って長い領域にUVグレーティング6を形成しておけば、若干の屈折率変動があっても、常に反射率は100%となるため、反射率の変動を抑えることができる。なお、屈折率変動によってUVグレーティング6の実効反射点位置が変化することになるが、一般に光カプラの結合長は十分長いため、カプラ型光フィルタの反射率の変動は十分小さい。このように本発明は、UVグレーティング6と併せて用いる場合は、好ましい相乗効果が得られることとなる。
【0073】
<第2の実施の形態>
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るゲインクランプ光増幅器モジュールの概略構成を示す上面図である。
【0074】
本形態が、第1の実施の形態と異なる点は、入力側の波長選択性反射器も、出力側と同様のカプラ型光フィルタ7とした点である。この場合にもSOA素子4の入力側に接続された端子を入出力端子49aと考えれば、その動作は出力側と同様である。
【0075】
このような構成によれば、入力側も透過率と反射率とを独立に設定できる利点がある。本形態では、入力側のUVグレーティング5の反射率を全反射率100%とし、入出力端子49a、49bへの分岐比を80%:20%とした。したがって、図8に示すように、入出力素子49aから見た実効反射率は80%である。同様に、出力側は入出力端子9aから見た実効反射率を15%程度とした。第1の実施の形態と同様に、SOA素子4と光導波路2との接続損失は2dBのため、SOA素子4から見た実効反射率は入力側、出力側で、各々約51%、10%である。
【0076】
以上のように、入力側の波長選択性反射器もカプラ型光フィルタ47としてもよく、入力側からの発振光出力を抑えつつ、入力側の反射率も柔軟に設定できる点で有効である。
【0077】
なお、図7中、49c、49dは入出力端子である。また、図1と同一部分には同一番号を付して重複する説明を省略している。
【0078】
<第3の実施の形態>
図9は、本発明の第3の実施の形態に係るゲインクランプ光増幅器モジュールの概略構成を示す上面図である。
【0079】
本形態の構成は、第1の実施の形態とほぼ同様である。そこで、図9中、図1と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0080】
本形態に係るゲインクランプ光増幅器モジュールは、出力側に設けたカプラ型光フィルタ7の入出力端子9bを、モニター用受光器に接続した点が第1の実施の形態に係るゲインクランプ光増幅器モジュールとは異なる。ここでは、SOA素子4と同様に、石英系光導波路の一部に設けた搭載部53に、端面受光型のフォトダイオード(PD)54に搭載、固定した。これは、もちろん光ファイバを介して基板1の外部に取り出してPDに接続してもよい。
【0081】
このような構成により、本形態ではSOA素子4へのバイアス調節を行うことが可能となった。通常、ゲインクランプSOAを用いる場合には、バイアス電流を大きくして、発振強度を強くすることによって、より安定な動作が得られるが、必要以上に大きなバイアスをかけることは消費電力の増加につながるため好ましくない。
【0082】
しかしながら、発振しきい値に近いバイアスしかかけない場合で、信号光レベルが大きい場合には、発振状態が不安定になったり、発振が解除されてしまったりする問題を生じる。したがって、本形態のように、発振光をモニターして、安定な発振光レベルになるようにバイアスを調整する構成は、不要な電力消費を避け、かつ安定な動作を得る上で極めて有用である。さらに、SOA素子4の利得は若干経時変化することが知られている。したがって、発振しきい電流値も変化することになるため、このような現象の対策としても、本形態のように、SOA素子4の動作状態をモニターし、動作電流値を調整することは望ましい。
【0083】
さらに、前述したように、ゲインクランプSOAの発振光強度は、外部からの入力信号光によって高速に変調されるので、発振光をモニターすれば、発振状態のみならず、信号光のレベルや変調信号自体を知ることができる。通常、光増幅器の状態をモニターするためには、外部にタップ回路を設けて、信号光の一部を取り出して観測する必要があるが、SOA素子4の場合には、このような外部モニター回路を設けるとSOA素子4の小型であるという利点を阻害することになりかねない。また、信号光の一部を取り出すために損失が発生することも問題となる。
【0084】
これに対して、本形態に係る構成では、ゲインクランプSOAの発振光をモニターするため、信号光の損失は発生しない。また、カプラ型光フィルタ7の一端子から大きな強度の発振光が出力されることを利用して、ここにモニター用のフォトダイオード54を接続するだけであるので、外部にモニター用のタップ回路を設ける場合と異なり、大型化や大幅なコスト増は避けられるという効果がある。
【0085】
<第4の実施の形態>
図10は、本発明の第4の実施の形態に係るゲインクランプ光増幅器モジュールの概略構成を示す上面図である。
【0086】
本形態が、第3の実施の形態と異なる点は、第一に、偏波依存性を持つUVグレーティング66を用いることにより、カプラ型光フィルタ67の反射中心波長を、TE光とTM光の2つの偏波に対して異なるように設定した点であり、第二に、カプラ型光フィルタ67の入出力端子69bを、偏波面を45°回転させるように設定したファラデー回転子61を介してモニターPD62を接続した点である。
【0087】
その他、細かい相違として、本形態に係るカプラ型光フィルタ67は、透過光をクロスポートに出力する構成としたことも挙げられる。すなわち、入出力端子69a、69bに入力された反射波長帯域外の光波は、各々入出力端子69c、69dにクロス状態で出力されるよう設計した。なお、図10中、図9と同一部分には、同一番号を付し、重複する説明を省略する。
【0088】
UVグレーティング66は、その作製条件によっては反射中心波長の偏波依存性が生じることが知られている。例えば、光ファイバではファイバの片側のみから適切な照射量でUV光を照射することにより、上記偏波依存性が生じる。また、多くの場合、石英系光導波路ではより大きな反射中心波長の偏波依存性が生じること、およびこの偏波依存性はUV光の照射量によって調整できることが知られている(参考文献6:J. Albert, et al., "Polarisation-independent strong Bragg gratings in planar lightwave circuits," Electron. Lett., vol. 34, pp. 485-486, 1998.)。これは、多くの石英系光導波路は比較的大きな複屈折性を有することと、UV照射によってこの複屈折性を調節できるためである。図11にUV照射量とTE偏波、TM偏波に対する反射中心波長の関係の一例を示す。
【0089】
さて、本形態では、上記のような石英系光導波路を用いたUVグレーティング66の特性を利用して、TE偏波、TM偏波に対する反射中心波長を図12に示すように各々λc1,λc2に設定してある。
【0090】
一方、入力側のUVグレーティング5の反射中心波長はTE,TMいずれの偏波に対してもλc1に設定した。こうすることにより、SOA素子4は両側の反射率が最も高くなるλc1においてTE光で発振する。発振光の一部は、カプラ型光フィルタ67の入出力端子69bからTE偏波として出力され、ファラデー回転子61によって45°偏波面を回転されて、モニターPD62で受光される。
【0091】
以上の構成によって、モニターPD62の接続端部などから仮に反射戻り光があった場合にも安定な動作が得られるという効果が期待できる。
【0092】
本形態に係る構成では、仮にモニターPD62の接続部で予期せぬ反射戻り光が発生した場合、反射戻り光は再び入出力端子69bからカプラ型光フィルタに入力し、反射されて、大きな強度の戻り光がSOA素子4に再入射することとなってしまう。例えば、上述のようにカプラ型光フィルタ67の分配比を20%:80%のように大きくアンバランスに設定し、かつ入出力端子69bからすべてのパワーが反射して戻る場合には、安定な発振に寄与する20%の反射成分に対して、3倍以上の64%もの光パワーが外乱光としてSOAに入射することとなり、発振状態を乱すことが懸念される。これに対して、本形態ではこうした反射戻り光の影響を抑えることが可能である。すなわち、モニターPD62の接続端部から反射して戻る光は、再びファラデー回転子61で45°の非相反回転を与えられ、結果として、TM偏波として入出力端子69bを戻ることになる。ところが、カプラ型光フィルタ67は偏波依存性を有し、λc1の光波はTE光のみしか反射しないため、反射戻り光は透過して、クロス状態に配置された入出力端子69dに出力されることになる。したがって、反射戻り光は、SOA素子4にも戻らず、かつ信号光に混ざって入出力端子69cから出力されることもない。
【0093】
以上のように、本形態では、偏波依存性を有するカプラ型光フィルタ67を用いることにより、反射戻り光の影響を除外することが可能となった。また、本構成により、アイソレータを用いずとも、ファラデー回転子61を用いるだけの極めて簡易な構成で、上記の効果を達成できた。
【0094】
<第5の実施の形態>
図13は、本発明の第5の実施の形態に係るゲインクランプ光増幅器モジュールの概略構成を示す上面図であり、上述した構成を組み合わせて用いることにより、波長変換器として応用した例である。
【0095】
同図に示すように、その構成は、以下の通りである。まず、入力側、出力側ともに波長選択性反射器として、いずれも偏波依存性を有するカプラ型光フィルタ71、72を採用した。反射中心波長は、入力側TE,TMを各々λc1,λc2、出力側TE,TMを各々λc1,λc3とした。
【0096】
したがって、本ゲインクランプSOAはλc1においてTE偏波で発振する。また、出力側のカプラ型光フィルタ72の入出力端子79bは45°ファラデー回転子61を介して光ファイバによって外部に取り出した。これは、ゲインクランプSOAの発振光を波長変換光として外部で利用するための構造である。
【0097】
一方、入力側のカプラ型光フィルタ71の入出力端子89bを45°ファラデー回転子73を介してモニターPD74に接続した。また、出力側のカプラ型光フィルタ72の入出力端子79cにも受光素子であるモニターPD75を接続した。これにより、各々、発振光と透過信号光をモニターし、モニターPD74、75の受光電流をSOA素子4のバイアス電流にフィードバックすることにより、波長変換に適した動作状態に設定することができる。
【0098】
入力側のカプラ型光フィルタ71の入出力端子89bに接続したモニターPD74に関しては、前記第4の実施の形態と同様であり、仮に反射戻り光があっても入力側のカプラ型光フィルタ71の入出力端子89dから放射され、信号光経路やSOA素子4の発振に悪影響を及ぼさない。
【0099】
同様に、波長変換光もファラデー回転子61を介しているので、仮に外部に反射点がある場合にもSOAの発振動作には影響を及ぼさない。また、波長変換光を外部で利用する場合、λc1の発振光のみを抽出する波長フィルタを用いれば、自然放出光(ASE)雑音を低減できるという効果もある。
【0100】
通常、ゲインクランプSOAの発振光は、レーザーダイオードと同様に、TE,TMいずれか一方の偏波状態を持つが、ASE光にはTE,TMの両偏波が含まれているため、波長変換光としてみた場合には、ASE雑音が大きいという問題がある。これに対して、本形態に係る構成では、発振光波長λc1においては、ASE光もTE成分のみが出力され、TM成分は出力されない。ただし、本形態では、λc3においてTM成分のASE光が出力されるので、外部にλc1の発振光波長のみを抽出するフィルタを設けておけば、このASE雑音も低減できる効果がある。
【0101】
以上のように、本構成により、ゲインクランプSOAの共振器ミラーとして用いるカプラ型光フィルタ71、72を利用することにより、別途外部にフィルタやサーキュレータを設けなくとも、信号光と発振光とを分離して出力できることとなり、簡略な構成で波長変換器としても応用可能となった。また、カプラ型光フィルタ71、72に偏波依存性を持たせることにより、反射戻り光の影響なく安定に動作し、またASE光雑音の小さい波長変換光を得ることができるようになった。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のゲインクランプ光増幅器は、少なくとも出力側の波長選択性反射器として光カプラと波長選択ミラーとからなるカプラ型光フィルタを用いることを第一の特徴とする。これによって、波長選択性反射器の透過率と光増幅器に対する実効反射率とを独立に制御できるようになった。
【0103】
なお、カプラ型光フィルタの構成において、光カプラとして、方向性結合器、MMIカプラ、MZIカプラのいずれを用いてもよく、また各々利点がある。また、波長選択ミラーとして、UVグレーティングのほか、レリーフ型グレーティングや誘電体多層膜フィルタなども用いることが可能である。こうしたなかで、上記カプラ型光フィルタは、石英系平面光導波路に形成し、波長選択ミラーとしてUVグレーティングを用いることは望ましい形態である。なぜなら、石英系光導波路およびこれに形成したUVグレーティングはこのような構造を容易かつ精度よく作製するのに適しているからである。
【0104】
さらに本発明の反射率の設計は、100%に近いものであるので、UVグレーティングの経時変化を抑制できるという相乗効果もある。
【0105】
次に、透過率と実効反射率を独立に制御できるという上記発明の効果を利用して、次に挙げる適切な透過率、反射率の設計を行うことにより、望ましい性質を有するゲインクランプ光増幅器を実現できる。すなわち、第二の特徴として、少なくとも出力側のグレーティングの透過率を十分小さく設定することにより、発振光の出力強度を小さく抑えることが可能となり、このため、外部に高性能なフィルタを設けることが不要となった。透過率の典型的な値としては10%以下であれば一定の効果が期待できる。
【0106】
さらに、第三の特徴として、光増幅器に対する実効反射率を、出力側が入力側よりも十分小さくなるように設計することにより、通常ゲインクランプ光増幅器で問題となるNFの劣化を最小限に抑え、良好な雑音特性が得られることとなった。なお、光増幅部から見た実効反射率は、出力側が入力側に対して、略1/4 程度以下になるように設計することが好ましい。
【0107】
さらに、上記カプラ型光フィルタの第二の入出力端子に受光器を配することにより、発振光をモニターすることが可能となり、SOAのバイアス調整などに利用できる。また、上記カプラ型光フィルタの第三の入出力端子に受光器を配すれば、波長変換器としての応用の際に、信号光レベルを直接モニターすることにより、SOAの動作条件を緻密な設定が可能である。
【0108】
また、上記カプラ型光フィルタの反射中心波長を偏波によって異なるように設定すれば、ASE光の片方の偏波成分を除去できるように波長変換光を出力することができるため、雑音の少ない波長変換器を構成するのに有利である。さらに、上記カプラ型光フィルタの入出力端子にファラデー回転子を設けるだけで、アイソレータなしでも簡易に反射戻り光の影響を抑圧することが可能となり、安定に動作するゲインクランプ光増幅器モジュールを構成できる。
【0109】
したがって、本発明により、発振光と外部からの信号光とをモジュール外部で分離する必要がない、小型・高性能かつ安価なゲインクランプ光増幅器モジュールを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す上面図である。
【図2】上記第1の実施の形態におけるカプラ型光フィルタの構成と動作を示す模式図である。
【図3】上記第1の実施の形態における異なる導波路終端方法を示す模式図である。
【図4】上記第1の実施の形態におけるカプラ型光フィルタの異なる構成例を示す上面図である。
【図5】上記第1の実施の形態における入力側、出力側グレーティングの反射率設計例を示す模式図である。
【図6】上記第1の実施の形態に係るゲインクランプ光増幅器モジュールの出力スペクトラムを示す波形図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す上面図である。
【図8】上記第2の実施の形態における入力側、出力側グレーティングの反射率設計例を示す模式図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態の概略構成を示す上面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態の概略構成を示す上面図である。
【図11】石英系光導波路のUVグレーティングにおけるUV照射量とTE偏波、TM偏波に対する反射中心波長の関係の一例を示す概略図である。
【図12】上記第4の実施の形態におけるUVグレーティングの反射中心波長の設定を示す概略図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態の概略構成を示す上面図である。
【図14】従来のゲインクランプSOAの一構成例を示す上面図である。
【図15】従来のゲインクランプSOAの出力光スペクトラムの一例を示す波形図である。
【符号の説明】
2 光導波路英系光導波路
4 SOA素子
5、6 UVグレーティング
7 カプラ型光フィルタ
8 方向性結合器
18 マルチモード干渉型カプラ
28、38 マッハ・ツェンダー干渉型カプラ
38c 誘電体多層膜フィルタ
47 カプラ型光フィルタ
54 フォトダイオード
61 ファラデー回転子
66 UVグレーティング
67 カプラ型フィルタ
71、72 カプラ型フィルタ
73 ファラデー回転子
Claims (13)
- 光入力端および光出力端を有する半導体光増幅器からなる光増幅部と、該光入力端および光出力端にそれぞれ接続された2つの光導波路と、該2つの光導波路のそれぞれの一部に設けられ、所定の波長の光を反射する2つの波長選択性反射器とを含み、
少なくとも前記光増幅部の光出力端側に設けられた前記波長選択性反射器が、
4つの入出力端子を有し、第一の入出力端子から入力された光のうち、所定の波長の光の少なくとも一部を反射して、第一および第二の入出力端子にそれぞれ出力するとともに、前記第一の入出力端子から入力された光のうち、前記波長とは異なる波長の光を透過して、第三または第四の入出力端子のいずれか一方または両方に出力するカプラ型光フィルタであり、
該カプラ型光フィルタの前記第一の入出力端子が前記光増幅部に接続され、
前記半導体光増幅器は、前記2つの波長選択性反射器の間で構成される共振器により前記所定の波長の光で発振してその利得がクランプされ、
前記所定の波長とは異なる波長の信号光が前記光増幅部に入力され、該光増幅部で増幅された前記信号光が前記カプラ型光フィルタの前記第三または第四の入出力端子のいずれか一方または両方から出力される
ことを特徴とするゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 少なくとも前記光増幅部の光出力端側に設けられた前記波長選択性反射器において、
前記第一の入出力端子から入力され、前記第一および第二の入出力端子にそれぞれ出力される前記所定の波長の光が、前記第三または第四の入出力端子のいずれか一方または両方に出力される透過率が10%以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記光増幅部の光出力端から出力された前記所定の波長の光が、再び前記光出力端を介して前記光増幅部に戻る出力側実効反射率が、
前記光増幅部の光入力端から出力された前記所定の波長の光が、再び前記光入力端を介して前記光増幅部に戻る入力側実効反射率よりも小さい
ことを特徴とする請求項1に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記カプラ型光フィルタは、導波路型光カプラと、該光カプラの導波路の一部に設けた波長選択ミラーとからなる
ことを特徴とする請求項1に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記導波路型光カプラが方向性結合器である
ことを特徴とする請求項4に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記導波路型光カプラがマルチモード干渉型カプラである
ことを特徴とする請求項4に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記導波路型光カプラがマッハ・ツェンダー干渉計型カプラである
ことを特徴とする請求項4に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記カプラ型光フィルタは、所望の波長において、所望の偏波を有する光を反射するとともに、
該所望の波長において、所望の偏波とは異なる偏波の光は反射しない
ことを特徴とする請求項1に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記導波路型光カプラが石英系平面光導波路からなり、
前記波長選択ミラーが、UVグレーティングからなる
ことを特徴とする請求項1〜8に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記波長選択ミラーが、誘電体多層膜からなる
ことを特徴とする請求項4に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記カプラ型光フィルタの、前記第二の入出力端子に、受光器が接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記カプラ型光フィルタの、前記第二の入出力端子が、ファラデー回転子の一端に接続されており、
前記ファラデー回転子の対向する一端に、受光器または光導波路が接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。 - 前記カプラ型光フィルタの、前記第三の入出力端子に、受光器が接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のゲインクランプ光増幅器モジュール。
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