JP4206592B2 - So3濃度計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼設備等の煙道内の排ガス中のSO3 の濃度を連続的に計測するSO3 濃度計に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボイラやゴミ焼却器等の燃焼設備から排出される排ガスには硫黄酸化物等の有害な成分が含まれているので、排煙処理装置等で除去することが必要である。また、燃焼設備や排煙処理装置から排出される排ガス中の硫黄酸化物等の濃度の測定も必要である。
【0003】
ここで、排ガス中の硫黄酸化物にはSO2とSO3とがあるが、通常の排煙処理装置ではSO2の除去は行っているものの、事前にSO3の除去は行われておらず、従ってSO3の濃度の計測もあまり行われていなかった。
【0004】
これは排ガス中のSO2濃度に比べてSO3濃度が低いので、計測が難しかったり、面倒になったりするためである。
【0005】
このようなSO3 ガスの濃度測定には酸凝縮法、イソプロピルアルコール吸収法、加熱食塩法、アンモニア注入法等が用いられている。
【0006】
(a) 酸凝縮法
排ガス中にSO3 ガスが含まれると、その濃度によって酸露点(凝縮温度)が変化することから、排ガス中のSO3 を硫酸ミスト化あるいは測定管の内壁(図示せず)に凝縮させて捕集して滴定により測定する方法である。測定管の内壁の温度は水露点以上酸露点以下に設定すれば、排ガス中の水分は凝縮しないので、煙道中の他の酸性ガスが凝縮されることはなく、硫酸ミストが選択的に凝縮することを利用するものである。
【0007】
SO3 ガスの捕集法としては、定温水槽中にスパイラル管を浸し、このスパイラル管中に測定ガスを流し、ガス中のSO3 をミスト化させ測定管の内壁に凝縮させて捕集する方法が挙げられる。
【0008】
(b) イソプロピルアルコール吸収法
イソプロピルアルコールはSO3 ガスを選択的に溶解し、その他の煙道中のガスを溶解しないことを利用するものである。
【0009】
SO3 ガスの捕集法としては、80%イソプロピルアルコールと測定ガスとを接触させて、排ガス中のSO3 を吸収させる。キャリオーバしたSO3 ミストをガラスフィルタで捕集し、滴定により測定する。
【0010】
(c) 加熱食塩法
SO3 とNaClとを反応させ、塩酸を生成する方法である。SO2 、NOX とNaClとの反応は少ないとされていることから、SO3 を選択的に捕集できる。
【0011】
SO3 ガスの捕集法としては、排ガス中の水分を除去した後、450℃に加熱したNaCl充填層内に排ガスを流し、生成したHClを水に吸収させる。そのHClを滴定することによりSO3 ガス濃度を測定する。
【0012】
(d) アンモニア注入法
SO3 ガスを含むガス中にNH3 を吹き込んで硫酸アンモニウムとし、余剰のNH3 濃度からSO3 濃度を推定する方法である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術(a) 〜(d) では燃焼設備等の煙道内の排ガス中のSO3 の濃度を連続的に計測することは困難であるという問題があった。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、排ガス中のSO3 の濃度を連続的に計測することができるSO3 濃度計を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のSO3濃度計は、燃焼設備等の煙道内のSO 2 とSO 3 が含まれる排ガス中のSO3の濃度を計測するSO3濃度計であって、上記煙道から排ガスを吸入する吸入用配管及び上記煙道に排ガスを排出する排出用配管を有すると共に、対向する二つの透明窓を有するキャビティと、上記キャビティ内に吸入された排ガスの温度を350℃〜450℃に保つように加温するためのヒータと、上記キャビティ内に光を照射するための光源と、上記キャビティの外部に配置され、上記光源からの光を上記キャビティ内に複数回往復させるための反射ミラーと、往復後の光のうち波長200nm〜260nmの光を分光分析することにより上記排ガス中のSO3濃度を算出する算出手段とを備えたものである。本発明のSO 3 濃度計は、上記キャビティと上記吸入用配管間に設けられ吸入用配管内を通過する排ガスを予熱する予熱部をさらに備えるとよい。
【0016】
上記構成に加え本発明のSO3 濃度計は、吸入用配管の途中に排ガス中のダストを除去するフィルタを設けるのが好ましい。
【0017】
上記構成に加え本発明のSO3 濃度計は、排出用配管の途中にキャビティ内の排ガスを煙道に強制的に排出するポンプを設けるのが好ましい。
【0019】
本発明によれば、煙道から排ガスが吸入されたキャビティ内に光源からの光を複数回往復させ、往復後の光を分光分析することにより排ガス中のSO3 濃度を計測することができる。キャビティ内に常に煙道からの排ガスが吸入されて濃度計測された後煙道に排出されるので、排ガス中のSO3 の濃度を連続的に計測することができる。
【0020】
また、本発明によれば、キャビティ内を往復した後の光のうち波長200nm〜260nmの光を分光分析して排ガス中のSO3 濃度を演算することにより、SO2 のスペクトルとSO3 のスペクトルとを分離することができ、水の吸収の影響を受けることがないので正確なSO3 濃度を行うことができる。
【0021】
さらに、吸入用配管の途中にフィルタを設けることにより、排ガスがダストを含む場合にダストを除去することができるので、キャビティ内にダストが侵入して光源からの光を散乱させて計測誤差を生じさせることがない。またさらに、排出用配管の途中にキャビティ内の排ガスを煙道に強制的に排出するポンプを設けることにより、煙道内を流れる排ガスの流速が低下することもなくキャビティ内に常に排ガスが吸入されて濃度計測された後煙道に排出されるので、キャビティ内に排ガスが滞留することがない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0023】
図1は本発明のSO3 濃度計の一実施の形態を示す概念図である。
【0024】
同図において1は燃焼設備等の煙道である。排ガスが矢印2方向に流れる煙道1の上流側には吸入用配管3aの一端(吸入口)が取付けられ、煙道1の下流側には排出用配管4aの一端(排出口)が取付けられている。吸入用配管3aの他端はフィルタ(例えば容器内にグラスウールが充填されたもの)5の吸入口5aに接続され、フィルタ5の排出口5bは吸入用配管3bを介してキャビティ6の吸入口6aに接続されている。キャビティ6の排出口6bは排出用配管4bを介してポンプ7の吸入口7aに接続されている。ポンプ7の排出口7bは排出用配管4aの他端に接続されている。
【0025】
キャビティ6は略筒状の密閉容器であり、対向する二つの透明な部材(例えば石英ガラス)からなる透明窓8a、8bを有する。
【0026】
キャビティ6の一方の端面側(図では左側)には光源(例えばキセノンランプ)9と分光器10とが配置されている。
【0027】
キャビティ6の両端面側には光源9から出射された光がキャビティ6内を複数回往復して分光器10に入射するように複数の反射ミラー11a、11b、11cが配置されている。これらキャビティ6と、透明窓8a、8bと、反射ミラー11a〜11cとでマルチパスセルが構成されている。
【0028】
分光器10にはキャビティ6内を往復した後分光された光を受けて電気信号に変換する光検出素子(例えばフォトダイオード)12が設けられている。光検出素子12には光検出素子12からの信号のうち波長200nm〜260nmの光に対応する信号に基づいて排ガス中のSO3 濃度を演算する(多変量解析を行う)演算装置(例えばパソコン)13が接続されている。これら分光器10と、光検出素子12と、演算装置13とで算出手段が構成されている。
【0029】
キャビティ6には温度調整器14により温度制御されるヒータ15が配置されている。このヒータ15は、キャビティ6内に吸入された排ガスを350℃以上450℃以下の温度になるように加温することにより、排ガス中のSO3 が硫酸ガスになったり、SO2 に分解するのが防止され濃度計測の精度が向上する。
【0030】
本SO3 濃度計はこのように構成したことで、煙道1内の排ガスが吸入用配管3a、3b内を矢印16方向に吸入されたキャビティ6内に、光源9からの光が往復する。キャビティ6内を往復した光はSO3 ガス濃度によって吸収され、分光器10で分光された後光検出素子12で受光されて演算装置13で演算されることにより、排ガス中のSO3 濃度が求まる。
【0031】
本SO3 濃度計によれば、分光器10から出射される光のうち波長200nm〜260nmの光に対応する信号に基づいてSO3 濃度を演算することにより、SO2 のスペクトルとSO3 のスペクトルとを分離することができ、水の吸収の影響を受けることがないので正確なSO3 濃度を行うことができる。
【0032】
SO3 濃度を光学的に計測するためのキャビティ6内には常に煙道1から排ガスが吸入用配管3a、3bを矢印16方向に吸入され濃度計測された後排出用配管4a、4bを矢印17方向に煙道1に排出されるので、排ガス中のSO3 の濃度を連続的に計測することができる。
【0033】
また、吸入用配管3a、3bの途中に排ガス中のダストを除去するフィルタ5が設けられているので、キャビティ6内にダストが侵入して光源9からの光を散乱させて計測誤差を生じさせることがない。さらに、排出用配管4a、4bの途中にキャビティ6内の排ガスを煙道1内に強制的に排出するポンプ7が設けられているので、煙道1内を流れる排ガスの流速が低下することもなくキャビティ6内に常に排ガスが吸入されて濃度計測された後、煙道1内に排出されるので、キャビティ6内に排ガスが滞留することがない。反射ミラー11a〜11cがキャビティ6の外側に配置されているので、排ガスによる反射ミラー11a〜11cの腐食等がない。
【0034】
次に具体的な数値を挙げて説明するが限定されるものではない。
【0035】
図2は図1に示したSO3 濃度計を用いて計測したSO3 の吸収スペクトルを示す図であり、横軸が波長軸を示し、縦軸が透過率を示している。
【0036】
直線L0は光源からの光を示し、曲線L1はSO3 濃度が95ppmのときの特性を示し、曲線L2はSO3 濃度が289ppmのときの特性を示し、曲線L3はSO3 濃度が474ppmのときの特性を示している。SO3 濃度の違いによるスペクトルが表されており、本SO3 濃度計によって煙道中の排ガスのSO3 の濃度を測定することができることが分かる。
【0037】
なお、キャビティの温度は300℃であり、キャビティの長さは1mであった。
【0038】
図3は図1に示したSO3 濃度計を用いてSO2 のスペクトルとSO3 のスペクトルとを計測した結果を示す図であり、横軸が波長軸を示し、縦軸が透過率を示している。
【0039】
同図より波長200nm〜260nm、特に230nm〜260nmの範囲でSO3のスペクトルとSO 2 のスペクトルとが分離されているので、分光分析でSO3の濃度を測定できることが分かる。
【0040】
従ってキャビティからの光を分光分析で計測する際には波長200nm〜260nmの光を用いるのが好ましい。
【0041】
図4は図1に示したSO3 濃度計を用いた場合の検量線グラフであり、横軸が調整SO3 濃度軸を示し、縦軸が吸光度軸を示している。
【0042】
同グラフは長さ1mのセルを用いて230℃の条件下で単回帰分析により得られたものであり、検量線グラフが数1式で表されている。
【0043】
【数1】
y=0.0001x+0.0059
但し、重相関係数R2 は0.9795である。
【0044】
この検量線グラフを用いることにより、吸光度からSO3 の濃度が分かる。
【0045】
図5は本発明のSO3 濃度計の他の実施の形態を示す概念図である。なお、図1に示した実施の形態と同様の部材には共通の符号を用いた。
【0046】
図1に示した実施の形態との相違点は、キャビティ6を覆うように加熱炉18を配置した点である。
【0047】
すなわち、本SO3 濃度計は、本SO3 濃度計は、排ガスを吸入するための吸入用配管3a、3bが煙道1の上流側に取付けられ、吸入した排ガスを煙道1に排出するための排出用配管4a、4bが煙道1の下流側に取付けられると共に、光が通過する透明窓8a、8bが形成されたキャビティ6と、キャビティ6を覆うように配置された加熱炉18と、加熱炉18の温度を350℃〜450℃の範囲内に制御する温度コントローラ19、20と、キャビティ6内に光を照射するための光源9と、キャビティ6の外部に配置され、光源9からの光がキャビティ6内を複数回往復するための反射ミラー21a〜21hと、反射ミラー21a〜21hで反射された光を分光する分光器10と、分光器10で分光された光を受ける光検出素子12と、光検出素子12からの信号に基づいて排ガス中のSO3 濃度を演算する演算装置13とで構成されたものである。なお、22は光源9からの光のうち余分な光を遮断するためのスリットである。
【0048】
このようなSO3 濃度計においても図1に示したSO3 濃度計と同様に排ガス中のSO3 の濃度を連続的に計測することができるが、図1に示したSO3 濃度計に比べてキャビティ6内の温度が均一になるように制御されるので、計測精度が高い。
【0049】
ここで、図6はSO3 の組成と水の濃度と温度との関係を示す図であり、横軸が水の濃度軸を示し、縦軸がSO3 の組成軸を示している。
【0050】
同図より、350℃以下の温度では水の濃度が増加するとSO3 の組成が減少することが分かる。すなわち、SO3 は350℃以下の温度では水蒸気と化合して硫酸ガスになるため、濃度を計測することができないが、350℃以上の温度では水の濃度が増加してもSO3 の組成はあまり変化しないことが分かる。しかし、SO3 は450℃以上の温度ではSO2 に分解してしまうため濃度を計測することができない。このため、排ガスの温度を350℃〜450℃に保つ必要がある。
【0051】
しかし本実施の形態では温度コントローラ19、20及び加熱炉18によりキャビティ6内の温度が350℃〜450℃になるように制御されるので、キャビティ6内のSO3 が分解したり、硫酸ガスになることがなく精度良く計測することができる。また、反射ミラー21a〜21hがキャビティ6の外部に配置されているので反射ミラー21a〜21hの腐食がない。
【0052】
図7は本発明のSO3 濃度計を利用した硫酸ガス濃度計を示す概念図である。
【0053】
図1に示した実施の形態との相違点は、SO3 濃度計のキャビティの吸入用配管に、温度調節器で温度が調節される予熱部を設けたものであり、SO3 の濃度だけでなく、硫酸ガスの濃度も計測できる点である。
【0054】
すなわち、本硫酸ガス濃度計は、煙道1から排ガスを吸入する吸入用配管3a、3b、3c及び煙道1に排ガスを排出する排出用配管4a、4bを有すると共に、対向する二つの透明窓8a、8bを有するキャビティ6と、吸入用配管3b、3c間に設けられ吸入用配管3a〜3c内を通過する排ガスを予熱する予熱部23と、予熱部23の予熱室23a内の温度が400℃以上450℃以下になるようにヒータ23bの温度を調節する温度調節器24と、キャビティ6内に光を照射するための光源9と、キャビティ6の外部に配置され、光源9からの光をキャビティ6内に複数回往復させるための反射ミラー11a〜11cと、反射ミラー11a〜11cで反射された光を分光する分光器10と、分光器10からの光を受ける光検出素子12と、光検出素子12からの信号に基づいて排ガス中のSO3 濃度を求め、そのSO3 濃度から硫酸ガス濃度を演算する演算装置25とで構成されたものである。
【0055】
このような硫酸ガス濃度計においても図1に示したSO3 濃度計と同様に排ガス中のSO3 の濃度や硫酸ガス濃度を連続的に計測することができる。
【0056】
ここで、煙道1中でSO3 は低温では硫酸ガスとして存在し、紫外線分光によるSO3 分析器では硫酸ガスは吸収がないためそのままでは濃度計測を行うことができない。しかしながら本硫酸ガス濃度計は硫酸ガスを400℃以上450℃以下の温度になるように加熱することによってSO3 に変化させて、そのSO3 濃度を求めることにより硫酸ガス濃度を間接的ではあるが連続的に計測することができる。
【0057】
すなわち、吸入用配管3a〜3cに排ガスを予熱する予熱部23と、予熱部23の温度が400℃以上450℃以下になるように調節する温度調節器24とを設けることにより、排ガス中の硫酸ガスをSO3 に変化させることにより硫酸ガス濃度を計測することができるのである。
【0058】
また、本硫酸ガス濃度計は、硫酸ガスの分解速度に応じて予熱部23の大きさを変更してもよい。本硫酸ガス濃度計は、硫酸ガスとSO3 とが混在した条件では両者を加えた濃度が求められる。
【0059】
図8は本発明のSO3 濃度計に用いられるフィルタの変形例を示す排ガスサンプリング装置の概念図である。図9は図8に示した排ガスサンプリング装置を燃焼設備の煙道に取付けた状態を示す図である。
【0060】
図1、5、7に示したフィルタ5は容器内にグラスウールが充填されたものであるのに対し、この排ガスサンプリング装置26は、燃焼設備等から排出されダストを含有する排ガスから排ガスのみサンプリングする排ガスサンプリング装置であって、吸入口27aが燃焼設備の煙道1の上流側に接続され排出口27bが煙道1の下流側に接続されたダクト27と、ダクト27の途中に挿入され内壁がダクト27と略同一断面形状を有する略筒状のフィルタ28と、フィルタ28の外側を覆うと共にろ過された排ガスを取り出す取り出し口29aを有するカバー29とで構成されたものである。
【0061】
ダクト27にはダストを含有する排ガスを煙道1から吸入して煙道1内に強制的に排出するためのポンプ30が挿入されている。
【0062】
このサンプリング装置を図1に示したSO3 濃度計に用いる場合には、SO3 濃度計の吸入用配管3a及びフィルタ5を取り外した後でダクト27の吸入口及び排出口を煙道1に取り付け、取り出し口29aを吸入用配管3bに取付ければよい(この場合2台のポンプ7、30を用いることになる。)。
【0063】
この排ガスサンプリング装置によれば、フィルタ28の形状がダクト27と略同一断面形状を有する略筒状のため、ダスト含有排ガスがフィルタ28内を矢印31方向に流れる時に流れを遮るような抵抗が少なく、たとえダスト32がフィルタ28の内壁に付着、堆積しようとしても排ガスの流れに押されるので、再びダクト27を通過して煙道1に戻るので、フィルタ28が目詰まりすることがほとんどない。ダクト27内に吸入された排ガス中のSO3 ガスはフィルタ28を矢印33方向に通過してカバー29に形成された取り出し口29aから矢印34方向にキャビティ6に送られる。
【0064】
また、ダクト27に排ガスを煙道1から吸入して煙道1内に強制的に排出するためのポンプ30が挿入されているので、ダクト27内を矢印35、36方向に流れる排ガスの流量が減少することなくフィルタ28上に付着したダスト32が強制的に除去されて煙道1に排出されフィルタ28の目詰まりがほとんどない。
【0065】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
【0066】
排ガス中のSO3 の濃度を連続的に計測することができるSO3 濃度計の提供を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSO3 濃度計の一実施の形態を示す概念図である。
【図2】図1に示したSO3 濃度計を用いて計測したSO3 の吸収スペクトルを示す図である。
【図3】図1に示したSO3 濃度計を用いてSO2 のスペクトルとSO3 のスペクトルとを計測した結果を示す図である。
【図4】図1に示したSO3 濃度計を用いた場合の検量線グラフである。
【図5】本発明のSO3 濃度計の他の実施の形態を示す概念図である。
【図6】SO3 の組成と水の濃度と温度との関係を示す図である。
【図7】本発明のSO3 濃度計を利用した硫酸ガス濃度計を示す概念図である。
【図8】本発明のSO3 濃度計に用いられるフィルタの変形例を示す排ガスサンプリング装置の概念図である。
【図9】図8に示した排ガスサンプリング装置を燃焼設備の煙道に取付けた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 煙道
5 フィルタ
6 キャビティ
7 ポンプ
8a、8b 透明窓
9 光源
10 分光器
11a〜11c 反射ミラー
12 光検出素子
13 演算装置
Claims (4)
- 燃焼設備等の煙道内のSO 2 とSO 3 が含まれる排ガス中のSO3の濃度を計測するSO3濃度計であって、上記煙道から排ガスを吸入する吸入用配管及び上記煙道に排ガスを排出する排出用配管を有すると共に、対向する二つの透明窓を有するキャビティと、上記キャビティ内に吸入された排ガスの温度を350℃〜450℃に保つように加温するためのヒータと、上記キャビティ内に光を照射するための光源と、上記キャビティの外部に配置され、上記光源からの光を上記キャビティ内に複数回往復させるための反射ミラーと、往復後の光のうち波長200nm〜260nmの光を分光分析することにより上記排ガス中のSO3濃度を算出する算出手段とを備えたことを特徴とするSO3濃度計。
- 上記キャビティと上記吸入用配管間に設けられ吸入用配管内を通過する排ガスを予熱する予熱部をさらに備える請求項1記載のSO 3 濃度計。
- 上記吸入用配管の途中に上記排ガス中のダストを除去するフィルタを設けた請求項1または2に記載のSO3濃度計。
- 上記排出用配管の途中に上記キャビティ内の排ガスを上記煙道に強制的に排出するポンプを設けた請求項1〜3いずれかに記載のSO3濃度計。
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