JP4205571B2 - 平面アンテナ - Google Patents

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Description

この発明は、放射素子と接地導体板との間に誘電体板を介在させたマイクロストリップアンテナである平面アンテナに関し、特に給電線のインピーダンス整合を確実にとることができる平面アンテナに関するものである。
従来から、マイクロストリップアンテナなどの平面アンテナは、小型軽量であることから、車載用のアンテナとして用いられている。図24−1および図24−2は、従来の平面アンテナの概要構成を示す図である。図24−1は、この平面アンテナ100の平面図であり、図24−2は、この平面アンテナ100の断面図である。
図24−1および図24−2おいて、この平面アンテナは、放射素子111と接地導体板113との間に誘電体板112が挟まれた構造をなし、放射素子111と接地導体板113とは略平行に配置される。放射素子111には、電力を供給する給電線117を、ある給電点に接続した場合に、給電線117のインピーダンスと整合する特定の箇所、いわゆるインピーダンス整合点が存在する。また、放射素子111のインピーダンスは、給電点が中心部から離れ、端部に近づくにつれて高くなる傾向がある。たとえば、給電線117の特性インピーダンスが50Ω、位置PP1が50Ωの整合点である場合、この位置PP1に給電線117が接続された場合にインピーダンス整合し、給電線117の特性インピーダンスが300Ω、位置PP2が300Ωの整合点である場合、この位置PP2に給電線117が接続された場合にインピーダンス整合する。ここで、給電線117が50Ωである場合、位置PP1に給電線117の内部導体117aが接続され、外部導体117bは、接地導体板113に接続され、接地される。
特開平5−102721号公報 特開平11−289216号公報 特開2000−134028号公報 実開平5−68108号公報 特開平11−220325号公報
しかしながら、上述した従来の平面アンテナでは、給電線に対するインピーダンス整合点は特定の箇所にしかないため、給電線の給電位置が整合点から離隔するに従って不整合状態となり、効率的な給電が行えないことはもちろん、放射素子の形状設計の自由度を制限してしまうという問題点があった。
たとえば、図25に示すように、放射素子211の中央部に矩形の穴を開けた形状とし、インピーダンス整合点がこの穴の内側に存在する場合に、この穴の部分には給電することができないため、給電点は、整合点とは一致できず整合点の近傍の放射素子上に設けることになる。図25(a)では、穴211aの存在のために整合点の外側に移動した給電点PP3から給電されている。また、図25(b)の放射素子212では、穴211aよりも大きな穴212aの存在のために整合点の外側にさらに移動した給電点PP4から給電されている。ここで、穴のサイズと給電点位置とインピーダンスとの関係についてシミュレーションすると、図26に示したスミスチャートのようになる。
例えば、この放射素子211,212の外側寸法をL×Lとし、正方形の穴211a,212aの一辺の長さを0.15L→0.2L→0.25L→0.3Lに変化させ、このときの放射素子中心から給電点位置PP3,PP4までを0.1L→0.125L→0.15L→0.175Lに順次変化させたときのインピーダンスの実数成分は、65Ω→165Ω→260Ω→390Ωと順次大きな値となる。こういった場合、50Ω系の給電線を用いた場合には整合が不可能となり、たとえインピーダンス整合回路を給電点近傍に設けたとしても、極端に高いインピーダンスへの変換には、整合回路に高い加工精度が要求され、コスト面などを考えると、実質的に限界がある。ここで、整合のとれた給電が行えないということは、リターンロスが大きくなり、実用的なアンテナ特性を得ることが困難であることを意味する。
この発明は上記に鑑みてなされたもので、良好なアンテナ特性を維持しつつ、放射素子の形状設計自由度も得ることができる平面アンテナを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる平面アンテナは、1以上の放射素子と、前記放射素子と誘電体板を介して設けられた接地導体板と、前記接地導体板を挟んで前記放射素子とは反対側に設けられ、前記接地導体板と絶縁されかつ前記放射素子それぞれと2以上の導通部によって導通された1以上の給電導体板と、前記給電導体板に接続された給電線を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる平面アンテナは、1以上の放射素子と接地導体板との間に誘電体板を介在させた平面アンテナにおいて、前記接地導体板側を挟んで前記放射素子とは反対側に設けられ、前記1以上の放射素子上に存在する各放射素子の電流分布と同様の電流分布を有する1以上の給電導体板と、前記給電導体板とこれに対応する放射素子との間を接続する複数の導通部とを備え、前記給電導体板上のインピーダンス整合点に給電線を接続することを特徴とする。
これらの発明によれば、接地導体板側の外部に設けられ、1以上の放射素子上に存在する各放射素子の電流分布と同様の電流分布を有する給電導体板と、これに対応する放射素子との間を導通部によって接続し、前記給電導体板上のインピーダンス整合点に給電線を接続するようにしている。従って、良好なアンテナ特性を維持しつつ、放射素子上には整合点と一致する給電点を設けなくても良好なアンテナ特性を維持するように給電することができるので、形状設計の自由度が向上する。また、給電線の取付、変更も容易となる。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、前記接地導体板と前記給電導体板との間に誘電体板を介在させることを特徴とする。
この発明によれば、接地導体板と給電導体板との間に誘電体板を介在させるようにし、機械的強度を持たせるようにしている。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、前記導通部の内の少なくとも2つはその一端が、前記放射素子に直接給電した場合の前記放射素子上のインピーダンス整合点をはさむ2カ所に接続され、前記給電導体板は、少なくとも前記導通部の内の少なくとも2つの各他端間を結ぶ帯状をなすことを特徴とする。
この発明によれば、前記導通部の内の少なくとも2つの各一端を、前記放射素子に直接給電した場合の前記放射素子上のインピーダンス整合点をはさむ2カ所に接続し、前記給電導体板が、少なくとも前記導通部の内の少なくとも2つの各他端間を結ぶ帯状をなすように形成し、インピーダンスが整合する給電点を容易に見いだすことができるようにしている。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、前記放射素子の少なくとも1つは、枠状の放射素子であることを特徴とする。
この発明によれば、前記放射素子を、枠状の放射素子として、中央部に穴を設けるようにしているが、この場合でも、放射素子とインピーダンス整合する給電点を給電導体板上に確実に見いだすことができる。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、前記1以上の放射素子は、枠状の第1の放射素子と、該第1の放射素子の枠内に設けられた第2の放射素子と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、第1の放射素子の枠内に第2の放射素子を設け、第1の放射素子の穴部の有効利用を図り、特性の異なる複数のアンテナを小さいスペースに実装することができる。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、前記第2の放射素子は、前記給電線によって直接給電されることを特徴とする。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、前記少なくとも1つの放射素子と前記給電導体板を導通する前記導通部を放射素子上の略90度回転対称となる4箇所に設け、前記給電導体板上の2点に、90度の位相差給電されることを特徴とする。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、前記少なくとも1つの放射導体は略90度の回転対称形状であることを特徴とする。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、前記少なくとも1つの給電導体板は略90度の回転対称形状であることを特徴とする。
これらの発明によれば、円偏波を送受信する場合にもインピーダンスの整合が可能である。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、前記少なくとも1つの給電導体板に給電線接続パターンが設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、給電導体板への給電が容易に行える。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、少なくとも1つの前記放射素子の周縁に切り欠きを設けたことを特徴とする。
また、この発明にかかる平面アンテナは、上記の発明において、前記切り欠きは、十字形状の切り欠きであることを特徴とする。
これらの発明によれば、少なくとも1つの前記放射素子の周縁に切り欠きを設け、アンテナ全体の小型化を図っている。また、これらの平面アンテナにおいては、共振周波数は放射素子の電気長によって決定されるが、放射素子の導体幅が狭い場合には、利得が劣化し安定した送受信が困難となる場合がある。そこで、本発明のように枠内に設けた第2の放射素子の周辺に切り欠きを設け、電気長を延長して所定の共振周波数に対して小型に構成した場合には、枠状に形成した第1の放射素子の設置スペースに余裕ができ導体幅を広くして利得の向上を図ることができる。さらに、電気長から決定される枠上の第1の放射素子の寸法が大きく、枠内の第2の放射素子の寸法が小さい場合には、前記第1の放射素子を小型化してアンテナ全体を効率良く構成できる。
また、この発明にかかる平面アンテナは、少なくとも1つの前記放射素子に貫通孔を設けたことを特徴とする。
これら平面アンテナの外寸を変えずに放射素子の電気長を延長するには、前述したように放射素子の周囲に切り欠きを設ける他、放射素子に貫通孔を設けることによっても実現できる。
また、この発明にかかるアンテナモジュールは、上記発明にかかる平面アンテナを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、好適な平面アンテナを用いてアンテナモジュールを構成可能である。とくに、複数の無線システムに対応した統合アンテナモジュールを好適に構成可能である。
また、この発明にかかる無線情報端末は、上記発明にかかるアンテナモジュールを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、好適なアンテナモジュールを用いて無線情報端末を構成可能である。とくに、複数の無線システムに対応した統合アンテナモジュールを用いた場合には多機能な無線情報端末を好適に構成可能である。
また、この発明にかかる自動車は、上記発明にかかる無線情報端末を搭載したことを特徴とする。
この発明によれば、好適な無線情報端末を搭載することにより高機能な自動車を構成することができる。
この発明によれば、接地導体板側を挟んで前記放射素子とは反対側に設けられた給電導体板を、1以上の放射素子それぞれと2以上の導通部によって接続し、前記給電導体板上のインピーダンス整合点に給電線を接続するようにしているので、良好なアンテナ特性を維持しつつ、放射素子の設計自由度も得ることができ、給電線の取付、変更も容易となるという効果を奏する。
また、この発明によれば、前記導通部の内の少なくとも2つの一端を、前記放射素子に直接給電した場合の前記放射素子上のインピーダンス整合点をはさむ2カ所に接続し、前記給電導体板が、少なくとも前記導通部の内の少なくとも2つの各他端間を結ぶ帯状をなすように形成し、インピーダンスが整合する給電点を容易に見いだすことができるという効果を奏する。
また、この発明によれば、前記放射素子を、枠状の放射素子として、中央部に穴を設けるようにしているが、この場合でも、給電導体板上にインピーダンス整合する給電点を確実に見いだすことができるという効果を奏する。
また、この発明によれば、第1の放射素子の枠内に第2の放射素子を設け、第1の放射素子の穴部の有効利用を図り、アンテナ全体の小型化を実現できるという効果を奏する。
また、この発明によれば、少なくとも1つの前記放射素子の周縁に切り欠きや貫通孔を設け、これによって、アンテナ全体の小型化を促進することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる平面アンテナの好適な実施の形態を詳細に説明する。尚、以下に示す平面アンテナの概略図において放射素子の縦と横の寸法比、即ちアスペクト比は1として示したが、所望の特性に合わせてアスペクト比を適宜変更することは本発明の趣旨から何ら逸脱するものではない。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1である平面アンテナの概要構成を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した平面アンテナの断面図である。さらに、図3は、図1に示した平面アンテナの底面図である。図1〜図3において、この平面アンテナ1は、給電導体板15、誘電体板14、接地導体板13、誘電体板12、放射素子11が順次積層される。少なくとも、放射素子11と接地導体板13との間は略平行な位置関係が保持される。放射素子11は、矩形の平板あるいは導体パターンであり、直線偏波の電波を送受信する。
2つの導通部16は、ピン状に形成され、放射素子11と給電導体板15とを導体接続し、放射素子11に直接給電した場合のインピーダンス整合点をはさむ2カ所の接続点16aと16bに接続される。ここで、接地導体板13と導通部16とは絶縁状態が維持される。図2では、接地導体板13に導通部16の貫通孔を設けて絶縁状態を維持している。
誘電体板12は、比誘電率εrが5以上を有する材料によって形成され、例えばセラミックスなどによって実現してもよい。アンテナの波長短縮率は比誘電率εrの平方根に比例するので、比誘電率εrが大きければ大きいほど、放射素子11の小型化を実現することができる。これに対し、誘電体板14は、誘電体板12に比して比誘電率εrが小さいガラスエポキシ樹脂などの誘電体材料によって形成される。なお、誘電体板14に代えて、たとえば空気によって実現してもよいが、その場合は別の何らかの手段によって平面アンテナ1の強度を確保する必要がある。
給電導体板15は、帯状のパターンであり、その両端側が導通部16の接続点16cと16dにそれぞれ接続されるようになっている。したがって、インピーダンス整合点をはさむ2点16c,16dの間に帯状の連続導体を形成することになり、この給電導体板15上の2点間16c,16dの間に、放射素子11上における電流分布が再現されることになる。
この結果、給電線17のインピーダンスに整合する整合点P1を給電導体板15上に必ず見つけることができ、この整合点P1に、給電線17の内部導体17aを接続することによって、リターンロスの少ないインピーダンス整合を行うことができる。
一方、給電線17の外部導体17bは接地導体板13に接続されて接地される。
また、図4に示すように接地導体板13、誘電体板14、給電導体板15、第2の接地導体板18を多層基板によって形成することもできる。この場合、給電線17の内部導体17aを整合点P1で給電導体板15に接続し、外部導体17bは第2の接地導体板18に接続すればよい。なお、第2の接地導体板18は、図示しないスルーホールまたはピンを介して接地導体板13に接続されている。
ところで、給電導体板15上に、放射素子の形状に依存せずにインピーダンス整合点を得ることができるため、たとえば、図5および図6に示すように、矩形の放射素子の中心部分に穴22を設けた放射素子21であって、且つこの放射素子21に対する真のインピーダンス整合点が穴22内にあっても、インピーダンス整合を行うことができる。すなわち、穴22内部に給電線17が整合するインピーダンス整合点が存在する場合であっても、給電導体板15上でインピーダンス整合を確実に行うことができる。
この実施の形態1では、上述したように、放射素子11,21の形状とは無関係に、常にインピーダンス整合を行うことができるので、放射素子の形状設計の自由度を格段に向上させることができるとともに、インピーダンス整合することができる給電線17の選択の自由度を高めることができる。また、インピーダンス整合点が外面に露出して設けられているため、インピーダンス整合の調整を容易に行うことができる。
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1に示した平面アンテナ2では、放射素子21内部に穴22を設けていたが、この実施の形態2では、この穴22を積極的に利用し、この穴22内に、放射素子21とは異なる周波数帯域の電波を送受信することができる平面アンテナを形成するようにしている。
図7は、この発明の実施の形態2である平面アンテナの概要構成を示す斜視図である。また、図8は、図7に示した平面アンテナの断面図である。さらに、図9−1、図9−2は、図8に示した平面アンテナの給電導体板15a、15bを示した図である。図7、図8、図9−1、図9−2において、この平面アンテナ3は、図5および図6に示した平面アンテナ2の放射素子21の中央部の穴21に、放射素子21の周波数帯域に比して周波数が高い周波数帯域を送受信する放射素子31を設けている。放射素子21はたとえば、GPSの周波数帯域(1.6GHz)をカバーし、放射素子31はたとえば、VICSの送受信用の周波数帯域(2.5GHz)をカバーする。このように、自動車に必要な特性の異なるアンテナを小型に実装することによって、自動車の高機能化に資することができる。
この放射素子31は、誘電体板12、接地導体板13、および誘電体板14を貫いた導通部16Qと接続点16e、16fで接続され、また導通部16Qは接続点16g、16hで給電回路15bで接続される。一方、給電線19の内部導体19aは給電回路15bに接続され、外部導体19bは、接地導体板13bに接地される。なお、この接続は、前述したように多層基板を用いても実現することができる。また、接続点16eと16fは放射素子31に直接給電した場合のインピーダンス整合点を挟む位置にある。
この実施の形態2によれば、実施の形態1で示された形状をもつ放射素子21における中央部の穴22を有効利用し、省スペースで複数の周波数帯域の送受信を行うことできる。
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1,2では、いずれも直線偏波の電波を送受信する平面アンテナであったが、この実施の形態3では、実施の形態1に対応した構成で円偏波の電波を送受信することができる平面アンテナを実現している。
図10は、この発明の実施の形態3である平面アンテナの構成を示す底面図である。図10において、この平面アンテナは、図1〜3に示した導通部16に対応する導通部41a,41bおよび導通部42a,42bを設けている。導通部41a,41b,42a,42bは、90度回転対称となる箇所に設けられている。また、図1〜3に示した給電導体板15に対応した給電導体板41,42を中央部で直角に交差する1つの90度回転対称な形状をなす給電導体板を形成している。
円偏波を送受信する1つの実現方法としては、2点給電方式がある。これは放射素子上11に互いに直交して共振する2つの電流分布を形成している。この電流分布に90度の位相差を持たせることによって円偏波の送受信が実現される。なお、放射素子の一辺は略1/2波長である。ここで、90度移相器43によって90度遅延した高周波信号は、インピーダンス整合点である点P4に入力され、遅延のない高周波信号は、インピーダンス整合点である点P3に入力される。これによって、図10の紙面下に向かって右に旋回した円偏波、すなわち右旋偏波がを送受信することができる。なお、図10において、給電線の分岐では反射がおこらないようにインピーダンス変換がされている。
ところで、図10に示した平面アンテナは、外部に90度移相器を設けていたが、図11に示すように、90度ハイブリッド回路44を設けて90度遅延するようにしてもよい。
また、図12に示すように、給電導体板と同一面上の空いたスペースに位相差が90度異なる給電線接続パターン45を設けることができる。これによって、1本の給電線17の接続のみで、円偏波の駆動が可能となる。ちなみに給電接続パターンにウィルキンソン分配器を用いても良い。
この実施の形態3では、励振状態に対応させた形状をもつ給電導体板を形成しておくことによって、2点給電による円偏波を得ることができる。この場合においても、実施の形態1と同様に、放射素子11の形状とは無関係に、常にインピーダンス整合を行うことができるので、放射素子の形状設計の自由度を格段に向上させることができるとともに、インピーダンス整合することができる給電線の選択の自由度を高めることができる。また、インピーダンス整合点が放射素子の外部に設けられているため、インピーダンス整合の調整を容易に行うことができる。
(実施の形態4)
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態3では、実施の形態1に対応して円偏波の送受信を実現するものであったが、この実施の形態4では、実施の形態2に対応し、外側の放射素子21が円偏波の送受信を実現できるようにしている。
図13は、この発明の実施の形態4である平面アンテナの構成を示す底面図である。この平面アンテナは、図10に示した平面アンテナの中央部近傍に穴46を有した導体パターンを形成している。そして、この穴46の領域から、放射素子31に対する給電を行うようにしている。
これによって、放射素子21に対する円偏波の送受信が可能になるとともに、放射素子31に対する直線偏波の送受信が可能になる。この給電導体板の形状は、90度の回転対称とすることによって実現されている。
したがって、図14に示すような対角線状に給電導体板を形成するようにしてもよい。これによっても、放射素子21による円偏波の送受信が可能になる。なお、放射素子31に対する給電点は、中央からずれた位置に配置している。
(実施の形態5)
つぎに、この発明の実施の形態5について説明する。この実施の形態5では、放射素子をスリット装荷型アンテナとし、上述した実施の形態1〜4に示した平面アンテナをさらに小型化しようとするものである。
図15−1および15−2は、この発明の実施の形態5である平面アンテナの構成を示す平面図である。図15−1において、この平面アンテナでは、内側の放射素子60に切り欠き62aを設け、これによって周囲長を長くし、放射素子60自体の小型化を促進している。この内側の放射素子60の小型化によって、外側の放射素子61は、幅dを厚くすることができ、アンテナ特性の維持を図ることができる。また、図15−2に示すように、貫通孔62bを設けることによっても同様の効果を得ることができる。
また、図16に示すように外側の放射素子64に切り欠き66を設けてアンテナ全体の小型を促進し、それに併せて、内部の放射素子63に十字型の切り欠き65を設け、さらに放射素子63の周囲長を長くして放射素子63を小型化している。これによって、放射素子64の十分なアンテナ特性を得ることができるとともに、アンテナ全体の小型化を一層促進することができる。なお、この場合においても、切り欠き65,66に代えて貫通孔を設けても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態6)
つぎに、この発明の実施の形態6について説明する。上述した円偏波の実現は主として2点給電方式によるものを示したが、これに限らず、摂動素子としての切り欠きを用いた1点給電方式によっても実現することができる。図17は、矩形の放射素子であり、対角の角が切り取られている。これによって、対角方向の電気長に差が設けられ、共振周波数の違いを用いて円偏波の送受信を実現できる。図18に図17に示した平面アンテナを動作させたときの特性としてリターンロスと軸比の規格化周波数特性を示す。fは測定周波数で、f0は軸比が最小となる周波数で、f0によって規格化した。別の例として、図19に示すように、円形の放射素子に対向するスリット91を設け、これによっても、円偏波を実現することができる。これら図17,19に示した平面アンテナに対しても実施の形態1と同様に、導通部16で接続される給電導体板15を用いることで、図20に示すような放射素子を枠状にするなどの形状設計の自由度をえることができる。
(実施例)
図21−1〜図21−3は、この発明の実施例である平面アンテナの構成を示す図であり、図21−1は、その平面図であり、図21−2は、その右側面図であり、図21−3は、その底面図である。また、各記入寸法は各誘電体板72、74中の実効的な波長をそれぞれλg1、λg2としたときに、放射素子71がGPS帯で共振するように調整した場合の設計条件の例を示したものである。この平面アンテナは、導体幅0.01λg2で十字型に形成した給電導体板75、厚さ0.02λg2,比誘電率εr2の誘電体板74、接地導体板73、0.63λg1×0.63λg1で厚さ0.09λg1,比誘電率εr1の誘電体板72、外寸0.50λg1×0.50λg1,内寸0.27λg1×0.27λg1の放射素子71を順次積層して構成される。なお、真空中での共振波長をλとすると、実効的な波長λg1、λg2は、誘電体板72の比誘電率をεr1、誘電体板74の比誘電率をεr2を用い、
λg1=λ/√(εr1)
λg2=λ/√(εr2)
で表される。共振波長λと放射素子71と給電導体板75は、90度回転対称な4箇所に設けた導通部76a〜76dで導通した。給電導体板75上の整合点P71には遅延の無い高周波信号が入力し、整合点P72には90度位相器76で90度遅延した高周波信号を入力した。図22は、このときの指向性を示す図である。図22に示すように、図22の紙面上、すなわち天頂方向に向かって右旋偏波の利得は約4dBであり、円偏波の平面アンテナとして十分機能する。
図23−1〜図23−4に本発明の実施の形態1であるの平面アンテナの製造工程の一例を示す。図23−1に示す部材は誘電体12に放射素子11と導通部16を一体に形成したもので、これの形成方法は誘電体12の材質によって様々な方法がある。例えば、誘電体12に導通部16を挿入可能な大きさの穴を予め開けておき、その穴に導通部16を挿入した後、16a、16bにて放射素子11と接続し、さらに放射素子11を例えば接着剤などを用いて誘電体12に固定するなどの方法が考えられる。尚、この際導通部16と誘電体12の間の空隙は少ない方が望ましい。また、誘電体14として一方の面に給電導体板15を形成し、他方の面に接地導体板13を形成した回路基板を用い、さらに誘電体14を導通部16が貫通するための穴の内面にも金属を設け、いわゆるスル−ホ−ルとし、そのスル−ホ−ル内に半田20を充填することによって、誘電体14に導通部16を固定させると共に導通部16と給電導体板15を導通させる。
この発明の実施の形態1である平面アンテナの概要構成を示す斜視図である。 図1に示した平面アンテナの断面図である。 図1に示した平面アンテナの底面図である。 この発明の実施の形態1の変形例である平面アンテナの概要構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態1の変形例である平面アンテナの概要構成を示す斜視図である。 図5に示した平面アンテナの平面図である。 この発明の実施の形態2である平面アンテナの概要構成を示す斜視図である。 図7に示した平面アンテナの断面図である。 図8に示した平面アンテナの給電導体板15aを示した図である。 図8に示した平面アンテナの給電導体板15bを示した図である。 この発明の実施の形態3である平面アンテナの概要構成を示す底面図である。 この発明の実施の形態3の変形例である平面アンテナの概要構成を示す底面図である。 この発明の実施の形態3の変形例である平面アンテナの概要構成を示す底面図である。 この発明の実施の形態4である平面アンテナの概要構成を示す底面図である。 この発明の実施の形態4の変形例である平面アンテナの概要構成を示す底面図である。 この発明の実施の形態5である平面アンテナの概要構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態5である平面アンテナの別の概要構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態5の変形例である平面アンテナの概要構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態6である平面アンテナの概要構成を示す平面図である。 図17に示した平面アンテナの動作特性の一例を示した図である。 この発明の実施の形態6の変形例である平面アンテナの概要構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態6の変形例である平面アンテナの概要構成を示す平面図である。 この発明の実施例である平面アンテナの平面図である。 この発明の実施例である平面アンテナの右側面図である。 この発明の実施例である平面アンテナの底面図である。 図20に示した平面アンテナのアンテナ指向性を示す図である。 本発明の実施の形態1である平面アンテナの製造工程の一例を示す図である(その1)。 本発明の実施の形態1である平面アンテナの製造工程の一例を示す図である(その2)。 本発明の実施の形態1である平面アンテナの製造工程の一例を示す図である(その3)。 本発明の実施の形態1である平面アンテナの製造工程の一例を示す図である(その4)。 従来の平面アンテナの平面図である。 従来の平面アンテナの断面図である。 中央部に穴を設けた放射素子の一例を示す図である。 放射素子に設けた中央部の穴の大きさと給電位置とインピーダンスとの変化を示すスミスチャートである。
符号の説明
1,2,3 平面アンテナ
11,21,31,60,61,63,64,71放射素子
12,14,14a、14b、14c、72,74 誘電体板
13,13a、13b、73 接地導体板
15,15a、15b、41,42,75 給電導体板
16,16P,16Q,41a,41b,42a,42b,76a〜76d 導通部
17,19 給電線
17a,19a 給電線の内部導体
17b,19b 給電線の外部導体
18 第2の接地導体板
20 半田
22,46 穴
43 90度移相器
44 90度ハイブリッド回路
45 給電線接続パターン
62a,65,66 切り欠き
62b 貫通孔

Claims (16)

  1. 1以上の放射素子と接地導体板との間に誘電体板を介在させた平面アンテナにおいて、
    前記接地導体板を挟んで前記放射素子とは反対側に設けられ、前記1以上の放射素子上に存在する各放射素子の電流分布と同様の電流分布を有する1以上の給電導体板と、
    前記給電導体板とこれに対応する放射素子との間を接続する複数の導通部と、
    を備え、前記給電導体板上のインピーダンス整合点に給電線を接続することを特徴とする平面アンテナ。
  2. 前記接地導体板と前記給電導体板との間に誘電体板を介在させることを特徴とする請求項に記載の平面アンテナ。
  3. 前記導通部の内の少なくとも2つはその一端が、前記放射素子に直接給電した場合の前記放射素子上のインピーダンス整合点をはさむ2カ所に接続され、
    前記給電導体板は、少なくとも前記導通部の各他端間を結ぶ帯状をなすことを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載の平面アンテナ。
  4. 前記放射素子の少なくとも1つは、枠状の放射素子であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の平面アンテナ。
  5. 前記1以上の放射素子は、
    枠状の第1の放射素子と、
    該第1の放射素子の枠内に設けられた第2の放射素子と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の平面アンテナ。
  6. 前記第2の放射素子は、前記給電線によって直接給電されることを特徴とする請求項に記載の平面アンテナ。
  7. 前記少なくとも1つの放射素子と前記給電導体板を導通する前記導通部を放射素子上の略90度回転対称となる4箇所に設け、前記給電導体板上の2点に、90度の位相差給電されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の平面アンテナ。
  8. 前記少なくとも1つの放射導体は略90度の回転対称形状であることを特徴とする請求項に記載の平面アンテナ。
  9. 前記少なくとも1つの給電導体板は略90度の回転対称形状であることを特徴とする請求項7または8に記載の平面アンテナ。
  10. 前記少なくとも1つの給電導体板に給電線接続パターンが設けられたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の平面アンテナ。
  11. 少なくとも1つの前記放射素子の周縁に切り欠きを設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の平面アンテナ。
  12. 前記切り欠きは、十字形状の切り欠きであることを特徴とする請求項11に記載の平面アンテナ。
  13. 少なくとも1つの前記放射素子に貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の平面アンテナ。
  14. 請求項1〜13のいずれか一つに記載の平面アンテナを備えたことを特徴とするアンテナモジュール。
  15. 請求項14に記載のアンテナモジュールを備えたことを特徴とする無線情報端末。
  16. 請求項15に記載の無線情報端末を搭載したことを特徴とする自動車。
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