JP4203366B2 - 防塵カバー付き電動工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートなどの孔開けに使用するキリ、ドリルなどの防塵カバー付き電動工具に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、コンクリートなどの孔開けに使用する電動工具においては、そのコンクリートの切粉を集塵するために防塵カバーが設けられている。
【0003】
この防塵カバーは、蛇腹状の筒体と、この筒体の基部に繋がる装着体とを有し、この装着体が電動工具本体に着脱可能に装着され、ドリルにより窮孔作業の際に、その孔開け作業の進行に伴って筒体が収縮しながら終始ドリルを筒体が覆うこととなり、その孔開け作業によって発生する切粉が外部に飛散するのを防止する(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−85771号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2000−317709
【0006】
【特許文献3】
特開2001−54837
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の防塵カバー付き電動工具であると、防塵カバーの外側からキリやドリルなどの先端が確認できず、孔開け作業中にドリルやキリの先端の位置決めがしにくいという問題点がある。すなわち、ドリルやキリなどの先端の位置確認がしにくいため、コンクリートなどの壁に対し位置決めがしにくいという問題点がある。
【0008】
また、電動工具を上向きに使う孔開け作業においては、孔の開き始めにおいてドリルやキリなどがコンクリートなどの天井面から滑って逃げてしまい、位置決めが困難であるという問題点もある。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、ドリルやキリなどの孔開け部材の位置決めが行い易い防塵カバー付き電動工具を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、モータが内蔵された工具本体より突出したドリル、キリなどの孔開け部材を前記モータによって回転させて、コンクリートなどの対象物に対し孔を開けるものであり、蛇腹状かつ筒状で、前記孔開け部材を覆う防塵カバーの後部が、前記工具本体に取り付けられ、前記孔開け部材の孔開けによって前記対象物から発生した切粉を吸引手段によって前記防塵カバーの内部に集塵する防塵カバー付き電動工具において、前記防塵カバーの前部が開口し、この開口部に位置決め部材が掛け渡されると共に、前記位置決め部材を除く前記開口部が前記切粉の集塵開口部であり、前記位置決め部材は、円錐形で弾性部材よりなり、その円錐形の中央部分に前記孔開け部材が貫通する位置決め孔を開口し、前記防塵カバーは、内部から前記孔開け部材に向かって軸と直角方向に、金属製の孔開け部材支持板が突出していることを特徴とする防塵カバー付き電動工具である。
【0011】
請求項2の発明は、前記位置決め部材における位置決め孔の両側に前記切粉の集塵孔が開口することを特徴とする請求項1記載の防塵カバー付き電動工具である。
【0012】
【作用】
請求項1の防塵カバー付き電動工具であると、防塵カバーの前部にある位置決め部材の中央部にある位置決め孔からドリルやキリなどの孔開け部材が突出し、作業者がその孔開け部材の前端部を確認できるため、位置決めが容易となる。
【0013】
また、この位置決め部材の周りには集塵開口部が開口しているため、切粉を確実に防塵カバー内部に集塵することができる。
【0014】
また、位置決め部材が弾性部材であるため、孔開け作業中にこの位置決め部材が対象物に当たっても、作業の障害とならない。
【0015】
また、位置決め部材が円錐形であり、その中央部から孔開け部材が突出しているため、より位置決めを確認し易い。
【0016】
また、一対の金属製の孔開け部材支持板によって孔開け部材が支持されているため、位置決め孔に対して孔開け部材がずれたりすることがない。
【0017】
また、吸引手段によって防塵カバー内部の切粉を全て吸引することができる。
【0018】
請求項2の防塵カバー付き電動工具であると、位置決め部材における位置決め孔の両側にも集塵孔が開口しているため、切粉を確実に集塵することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態の孔開け用の防塵カバー付き電動工具10について説明する。
【0020】
(1)電動工具10の構成
この電動工具10の工具本体12はピストル型であって、工具本体12の後部からグリップ14が突出している。この工具本体12内部には、駆動源であるモータが内蔵され、グリップ14に設けられているレバー16によって操作を行うことができる。
【0021】
工具本体12の前部には、サイドハンドル18が突出している。また、この工具本体12の前端部には、孔開け部材であるキリ20を固定するためのチャック22が設けられている。
【0022】
キリ20には、蛇腹状で、かつ、円筒状の合成樹脂製の透明な防塵カバー24が被せられている。
【0023】
防塵カバー24の軸方向の長さはキリ20の軸方向の長さよりも若干短く、蛇腹状の防塵カバー24が伸びた状態であっても、キリ20の前端部が突出した状態となっている。
【0024】
防塵カバー24の後部にある装着部25は、工具本体12の前端部にネジ止めされている。これによって防塵カバー24の後部は閉塞された状態となっている。
【0025】
防塵カバー24の前部は開口し、この開口部分に位置決め部材26が掛け渡されている。
【0026】
この位置決め部材26はゴム製であって、中央部分にある円形の位置決め板28とその位置決め板28の外周部から両側に突出した一対の取付部30、30とより構成されている。この一対の取付部30,30は防塵カバー24の前部の縁部に固定されている。この合成樹脂製の防塵カバー24とゴム製の位置決め部材26とは一体成型により固定されている。
【0027】
位置決め板28は円錐形であり、前部ほど突出した形状となっており、その中央部にキリ20が貫通する位置決め孔32が開口している。また、この位置決め孔32の両側には円弧状の集塵孔34、34が一対開口している。
【0028】
この防塵カバー24の前部の開口部であって、位置決め部材26に覆われていない部分が集塵開口部36となる。
【0029】
防塵カバー24の後部近傍には、吸引筒部38が突出し、この吸引筒部38は防塵カバー38内部と連通している。この吸引筒部38にはホース40を介して不図示のブロワなどの吸引装置が接続されている。このブロワを動作させると吸引筒部38から防塵カバー24内部の切粉を吸引できる。
【0030】
防塵カバー24の内周側であって、かつ、防塵カバー24の前部近傍の上部と下部には孔開け部材支持板42,42がそれぞれ突出している。この一対の孔開け部材支持板42、42は金属製であり、その先端部は三角形状に切り欠かれ、図1に示すように一対の三角形状の孔開け部材支持板42,42の先端部で、回転しているキリ20の上部と下部を支持する。
【0031】
(2)電動工具10の使用状態
上記構成の電動工具10の使用状態について図2及び図3に基づいて説明する図2に示すように、透明な防塵カバー24の前部にある位置決め孔32からキリ20の前端部を突出させた状態で、電動工具10を水平状態にして孔を開ける対象物であるコンクリート50に近付ける。この場合にキリ20の前端部は円錐形の位置決め部材26から突出した状態となっているため、コンクリート50に対しキリ20の前端部の位置決めが行い易い。
【0032】
図3に示すように、レバー16を操作して孔開け作業を開始すると、キリ20がコンクリート50に進入した分だけ蛇腹状の防塵カバー24が縮むと共に、防塵カバー24の内部には、集塵孔34と集塵開口部36からコンクリート50の破片である切粉が侵入する。この侵入した切粉は吸引筒部38から外部に排出される。
【0033】
また、この孔開け作業中に位置決め部材26はゴム製であるため、コンクリート50の壁面に合わせて変形し、孔開け作業の障害とならない。また、この作業中においてはキリ20が一対の孔開け部材支持板42,42によって、その上部と下部とが支持されているためキリ20の軸線上の動きがぶれたりすることなく確実に位置決めしつつ作業を行うことができる。
【0034】
なお、図2及び図3では水平作業について説明したが、天井面のコンクリートなどに孔を開ける場合であっても、キリ20が垂直方向になっても確実に位置決めを行うことができる。
【0035】
(変更例)
本発明は、上記実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもなく、以下、その変更例を説明する。
【0036】
(1)変更例1
上記実施形態では、孔開け部材としてキリ20で説明したが、これに代えてドリルなどの他の孔開け部材であってもよい。
【0037】
(2)変更例2
上記実施形態では、防塵カバー24内部の切粉を吸引筒部38から吸引したが、発生する切粉が少ない場合には、この吸引手段を設ける必要がない。
【0038】
(3)変更例3
上記実施形態では、位置決め部材26としてゴムを用いたが、これに代えて他の弾性部材を用いてもよい。
【0039】
(4)変更例4
上記実施形態では、一対の孔開け部材支持板42、42を設けたが、孔開け部材の支持を確実にするために、45°毎に4個の孔開け部材支持板42、42、42、42すなわち、二対の孔開け部材支持板を設けてもよい。
【0040】
(5)変更例5
上記実施形態では、一対の孔開け部材支持板42の先端を三角形状に切り欠いたが、これに代えて、切り欠かず直線状であっても、また、半円形状であってもよく、その他、支持できる形状であればどのような形状でもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上により本発明の防塵カバー付き電動工具であると、対象物に対し、キリ、ドリルなどの孔開け部材の位置決めを確実に行うことができると共に、切粉を確実に集塵することができる。そのために、電動工具を水平にしても上向けにしても、コンクリートなどの孔開けに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す防塵カバー付き電動工具の斜視図である。
【図2】 同じく防塵カバー付き電動工具を用いて孔を開けようとしている状態の説明図である。
【図3】 同じく防塵カバー付き電動工具を用いて孔を開けている状態の説明図である。
【符号の説明】
10 電動工具
12 工具本体
20 キリ
24 防塵カバー
26 位置決め部材
28 位置決め板
30 取付部
32 位置決め孔
34 集塵孔
36 集塵開口部
38 吸引筒部
42 孔開け部材支持板
Claims (2)
- モータが内蔵された工具本体より突出したドリル、キリなどの孔開け部材を前記モータによって回転させて、コンクリートなどの対象物に対し孔を開けるものであり、
蛇腹状かつ筒状で、前記孔開け部材を覆う防塵カバーの後部が、前記工具本体に取り付けられ、
前記孔開け部材の孔開けによって前記対象物から発生した切粉を吸引手段によって前記防塵カバーの内部に集塵する防塵カバー付き電動工具において、
前記防塵カバーの前部が開口し、この開口部に位置決め部材が掛け渡されると共に、前記位置決め部材を除く前記開口部が前記切粉の集塵開口部であり、
前記位置決め部材は、円錐形で弾性部材よりなり、その円錐形の中央部分に前記孔開け部材が貫通する位置決め孔を開口し、
前記防塵カバーは、内部から前記孔開け部材に向かって軸と直角方向に、金属製の孔開け部材支持板が突出している
ことを特徴とする防塵カバー付き電動工具。 - 前記位置決め部材における位置決め孔の両側に前記切粉の集塵孔が開口する
ことを特徴とする請求項1記載の防塵カバー付き電動工具。
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