JP4202484B2 - 液封マウント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用エンジンマウント等に使用される液封マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な液封マウントは、凹部空間を有する本体弾性部材により一部を構成された主液室と、一部をダイアフラムにより構成された副液室を、仕切壁により離隔しかつオリフィス通路で連通する構造であり、本体弾性部材の周囲を覆う筒型外被金具の一端部で、ダイアフラム及び仕切壁の各外周部をカシメ固定する構造になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の本体弾性部材、仕切壁及びダイアフラムを含む本体部に対して、そのダイアフラム側へ何らかの付加部を取付ける必要が生じる場合がある。そこで本願発明は、このような場合における取付を容易にするとともに、複数種類の形式が異なる付加部を容易に取付できるようにすることを主たる目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明の液封マウントに係る第1の発明は、少なくとも一部が凹部空間を有する本体弾性部材により構成された主液室と、少なくとも一部をダイアフラムにより構成された副液室を、仕切壁により離隔しかつオリフィス通路で連通した液封マウントにおいて、
前記本体弾性部材、仕切壁及びダイアフラムを含む本体部と、そのダイアフラム側へ取付けられる付加部とを備えるとともに、前記主液室の周囲を覆う筒型外被金具に、突出長さの異なる第1及び第2の結合突部を設け、第1の結合突部にて前記仕切壁とダイアフラムを結合し、第2の結合突部にて前記付加部を前記本体部へ結合したことを特徴とする。
【0005】
第2の発明は上記第1の発明において、前記付加部は、前記ダイアフラムの外側を覆うカップ状部材を備え、このカップ状部材の開口縁部を前記第1の結合突部による固定部と所定の間隙をもって前記第2の結合突部で前記本体部へ固定するとともに、前記本体部に対して付加部を位置決めするため、前記筒型外被金具側から位置決めリングを突出させ、その突出端部を前記カップ状部材内へ入れて予め前記カップ状部材の内部に設けられている弾性部材に押し当てたことを特徴とする。
【0006】
第3の発明は上記第の発明において、前記付加部は、前記オリフィス通路の副液室側開口部を前記ダイアフラムにより開閉させるための弾性コントロール機構における駆動部を備えるものであることを特徴とする。
【0007】
第4の発明は上記第2の発明において、前記付加部は、前記オリフィス通路の副液室側開口部を前記ダイアフラムにより開閉させるための弾性コントロール機構における駆動部を備えるとともに、位置決めリングの一部にカップ状部材内周面との間で全周の間隙を形成する小径部を設け、この間隙を介してカップ状部材に設けられた大気開放孔と、ダイアフラムと前記駆動部との間の空間とを連通したことを特徴とする。
【0008】
第5の発明は上記第4の発明において、前記ダイアフラムの外側を覆う前記カップ状部材は、前記駆動部を収容するとともに、前記駆動部は、前記ダイアフラムに当接する押し当て部と、この押し当て部の移動を許容するべく押し当て部の外周部に内周側が一体化された駆動部弾性体と、この駆動部弾性体の外周側が一体化された固定リングとを備え、
この固定リングの外周側の少なくとも一部を駆動部弾性体と連続する弾性被覆部で覆うとともに、この弾性被覆部に固定リングの外周側へ突出してカップ状部材の内周面へ押しつけられる第1のシールリップと、カップ状部材の底部へ押しつけられる第2のシールリップを備えたことを特徴とする。
【0009】
第6の発明は上記第5の発明において、前記固定リングは小径部と大径部を有し、大径部外周面とカップ状部材内周面との間に間隙を設けるとともに、小径部外周には前記弾性被覆部を形成し、この弾性被覆部をカップ状部材の内周面へ接触させたことを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
第1の発明によれば、突出長さの異なる第1及び第2の結合突部を設けることにより、主液室及び副液室が形成されている本体部側と付加部側とを分離し、別工程で個々に固定できるようにしたので、部品点数の削減並びに固定構造及び組立工程の簡素化を計ることができ、組立作業が容易になり、コストダウンを計ることができる。同時に封入された液体が付加部側へ侵入することを確実に防止でき、品質向上を計ることができる。
【0011】
また、付加部を別構造のものを複数種類用意し、これらを適宜選択して本体部と結合すれば、本体部側を共通にする複数の液封マウント構造を得ることができるので、部品の共通化を図ることができる。
そのうえ、付加部を外して仕切壁を単一もしくは複数のオリフィス通路が形成されたものや、弾性変形自在な弾性膜構造を有する弾性仕切壁構造に変更すれば、容易に動バネ特性の異なる複数の液封マウント構造を得ることができる。
【0012】
第2の発明は、本体部側に位置決めリングを設けたので、本体部に対する付加部の取付位置を決めることができる。このため、寸法管理が容易になりかつ組立て作業が容易になる。また、カップ状部材の開口縁部を第1の結合突部による固定部と所定の間隙をもって第2の結合突部により固定するとともに、位置決めリングの突出端部をカップ状部材内へ入れて予め内部に設けられている弾性部材に押し当てたので、第2の結合突部によりカップ状部材を固定する際における寸法公差を吸収し、確実に取付けることができる。
【0013】
第3の発明によれば、付加部が弾性コントロール機構の駆動部を備えているが、本体部側と分離して取付けられるため、封入された液体が弾性コントロール機構へ侵入して駆動中枢部へ到達することを確実に防止できる。
【0014】
第4の発明は、ダイアフラムが変形する内部空間内における空気を、位置決めリングの一部に形成した小径部の貫通孔及び小径部とカップ状部材内周面との間に形成された全周の間隙を介してカップ状部材に設けられた大気開放孔から大気へ逃がすことができるので、ダイアフラムの動きをスムーズにしてオリフィス共振効果を最大限に発揮できる。
【0015】
また、内部空間内における空気の熱膨張や収縮が生じても大気圧を維持するので、温度変化による特性に対す影響を少なくして安定化させることができる。そのうえ、位置決めリングは、カップ状金具に対して周方向でいずれの位置にあっても間隙を介して大気開放孔と連通できる。このため、位置決めリングをカップ状金具に対して周方向で相対位置を自由にできるので、組立性が向上する。
【0016】
第5の発明によれば、固定リングの少なくとも一部を覆う弾性被覆部を、駆動部弾性体材の一部により形成するとともに、この弾性被覆部にカップ状部材の内周面の間にへ押しつけられる第1のシールリップと、カップ状部材の底部の間に押しつけられる第2のシールリップを設けたので、2重のシール構造を有することになり、駆動部の気密性を高め、作動精度を向上させることができる。
【0017】
第6の発明は、固定リングに大径部と小径部を設け、小径部の外周面に前記弾性被覆部を設けてカップ状部材内周面へ密接させるとともに、大径部とカップ状部材内周面との間に間隙を設けたため、駆動部をカップ状部材内へ圧入するときの圧入荷重を軽減でき、圧入設備の投資を軽減できるとともに、径方向の寸法公差を吸収できるため、寸法管理が容易になりかつ組立て作業が容易になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて第1実施例に係るエンジンマウントを説明する。図1は組立方を示す部分断面図、図2は本実施例に係るエンジンマウントの平面図、図3は図2の3−3線に相当する全体断面図、図4は同3−4線に相当する全体断面図、図5は第1及び第2のオリフィス通路の平面視形状を示す図、図6本体部の側面外観図、図7は駆動部の断面図、図8は図3のF部拡大断面図である。
【0019】
図2乃至図4に示すように、このエンジンマウントは、振動源であるエンジン側へ取付けられる第1の支持部材1と、車体側へ取付けられる第2の支持部材2と、これらの間に設けられる本体弾性部材3を備えている。
【0020】
第1の支持部材1は、主たる振動の入力方向Xと平行に第2の支持部材2の内部へ向って延出する軸状をなしている。本体弾性部材3は、ゴムやエラストマーなど適宜の弾性材料から形成され、略円錐状をなす円錐部4と筒状部5が一体に形成されている。
【0021】
筒状部5は、第2の支持部材2の一部を構成する筒状外被金具8の内面へ一体化され、かつ筒状外被金具8内に固定されたダイアフラム9と本体弾性部材3により内部に液室を形成している。
【0022】
この液室はダイアフラム9より内側に設けられた仕切部材10により、第1の支持部材1側の主液室11とダイアフラム9側の副液室12に区画され、仕切部材10に形成された後述するオリフィス通路により連通されている。
【0023】
第1の支持部材1は本体弾性部材3の中心に沿って長く延び、その一端は主液室11内へ突出し、ここに略カップ状の中高周波デバイス17がカシメ固定されている。中高周波デバイス17は、X方向から見て非円形であり、あたかも円弧の対称位置を切り欠いた略長円形になっている。
【0024】
中高周波デバイス17と円錐部4内面との間には、所定のオリフィス間隙18が形成され、高周領域の振動入力に対して液柱共振により吸収するようになっている。なお、中高周波デバイス17は非円形でなく任意に他の形状(例えば、円形など)へ変更可能である。
【0025】
このようにしてなる液封マウントの基本的構成部である第1の支持部材1、第2の支持部材2、本体弾性部材3、ダイアフラム9及び仕切部材10により本体部20が構成され、さらに本体部20のダイアフラム9側へ付加部30が取付けられる。
【0026】
この付加部30には弾性コントロール機構40の駆動部42が設けられている。弾性コントロール機構40は、仕切部材10に設けられたオリフィス通路41とこれを開閉するためのダイアフラム9及び駆動部42を備える。
【0027】
仕切部材10は、上カップ状部材43と、この内部へ嵌合される円形で肉厚のオリフィス部材44と、その上へ被せられる円板状の蓋45並びにオリフィス部材44を備え、ここにオリフィス通路41が形成されている。
【0028】
図5に示すように、オリフィス部材44には、低周波領域における振動減衰に貢献するためのダンピングオリフィスに相当する第1のオリフィス通路46と、特定周波数用のオリフィス通路をなす第2のオリフィス通路47が設けられ、これらにより流通量可変式のオリフィス通路41が構成されている。
【0029】
第1のオリフィス通路46は、オリフィス部材44の外周近傍部に沿って螺旋状にその肉厚内を延びて、図示しない開口部で主液室11と副液室12を連通している。なお、符号46aは第1オリフィス通路46の入口、46bは出口であり、47aは第2オリフィス通路47の入口、49は出口である。また、図5には図3及び図4におけるオリフィス通路の断面形状に対応する断面線を示してある。
【0030】
第2オリフィス通路47は、第1のオリフィス通路46の内側にオリフィス部材44の表裏を貫通して形成されるとともに、上カップ状部材43の略中央部に形成された出口49へ向かってガイド斜面48が形成され、出口49から流出する液体に斜めの流線を生じさせるようになっている。
【0031】
また、出口49の開口部形状も中心線Cに対して非対称であり、ガイド斜面48による流線方向側へ広く開口され、この出口49はダイアフラム9の中央部へ一体形成されている開閉部51で開閉自在にされている。
【0032】
ダイアフラム9の開閉部51は、出口49の周囲へ密に着座するため中央部に平坦な接触面を備えている。この開閉部51の開きは、出口49から流出した液体が、斜めの流線でかつ中心から片寄った位置を押すことにより確実になる。
【0033】
付加部30は、下カップ状部材52と、この内側へ密閉空間53を形成するように嵌合される駆動部42を備え、駆動部42はその頂部である押し当て部54が開閉部51へ図の下方から押し当てられるようになっており、リターンスプリング55で閉じ方向へ付勢されている。
【0034】
密閉空間53内は、底部の連結管56を介して図示しない負圧源へ接続され、密閉空間53内を負圧にすることにより、押し当て部54をリターンスプリング55に抗して移動させ、これにより開閉部51をフリーにして第2オリフィス通路47の出口49を開くようになっている。
【0035】
駆動部42の開閉は任意の特定周波数について設定可能であるが、本実施例ではアイドリング時の周波数で開くように設定し、第2オリフィス通路47をアイドルオリフィスとしている。なお、駆動部42の開閉はこのように負圧を利用するだけでなく、電磁式等公知の種々方法が可能である。
【0036】
このようにして弾性コントロール機構40を設けると、アイドリング時に駆動部42を下げて、開閉部51を出口49から離して第2オリフィス通路47を連通させることにより、アイドル領域の動バネ定数を急激に下げて低動バネにすることができ、中高周波デバイス17の使用とも相まって、低周波域、中周波域並びに高周波域のほぼ全領域において低動バネ化を実現できる。
【0037】
下カップ状部材52は、底部中央に大きな開口が形成されたカップ状金具57と、その側面下半部から底部を覆い、連結管56を一体形成した樹脂部58とで構成され、カップ状金具57の周壁部内側に駆動部42を固定するための固定リング60が圧入で嵌合されている。
【0038】
図7は図5における駆動部42の断面を拡大した図であり、駆動部42は、略倒伏カップ状をなし、その下部に形成されたフランジ部54bと固定リング60の間をゴム等の弾性部材からなる駆動部弾性体61で連結されている。この駆動部弾性体61は駆動部42の動作に影響を及ぼす程のバネ弾性を有していない。
【0039】
固定リング60へ被覆一体化された駆動部弾性体61の一部は、固定リング60の上部に形成された小径部60aの上端部を被覆する上端被覆部61bをなし、さらにここから外周側へ回り込んで被覆する外周被覆部61aをなす。外周被覆部61a及び上端被覆部61bは全周に形成され、これらは本願発明における弾性被覆部材を構成する。
【0040】
外周被覆部61aの外周面に径方向へ突出する第1シールリップ62aが一体形成されている。また固定リング60下端部内側における駆動部弾性体61の下端部からも第2シ−ルリップ62bが下方へ突出形成されている。これらのシールリップ62a及び62bはそれぞれ全周に形成されている。
【0041】
図1,3,4及び6に明らかなように、筒状外被金具8の一部をなして本体弾性部材3よりも長く図の下方へ延出する下方延出部8aは、大径部8bを有し、ここにオリフィス部42を収容するとともに、大径部8bの下端部に形成された第1カシメ部63により仕切部材10を固定している。
【0042】
大径部8bと上カップ状部材43の周壁部との間には、位置決めリング64の上端部側が挟持されている。位置決めリング64は上カップ状部材43の下方で段部65をなし、ここから下方がカップ状金具57の内周と同程度の外径をなす小径部になっている。
【0043】
この段部65の内側にダイアフラム9の外周端部及び上カップ状部材43の底部外周部を支持するとともに、その外側から前記第1カシメ部63でカシメられ、これにより、段部65がダイアフラム9の外周部を上カップ状部材43の底部へ密着させるので、副液室12並びに主液室11の液密が保たれる。
【0044】
位置決めリング64の下端部は内側へ屈曲するフランジ部66をなし、駆動部弾性体61の一部であって、固定リング60の上端部を覆う上端被覆部61bへ弾性的に押し当てられることにより位置決めされている。
【0045】
一方、カップ状金具57の上端部も段部65の近傍まで延出し、ここで外側へ屈曲するフランジ部67をなし、このフランジ部67に対して、大径部8bに設けられた第2のカシメ部68により固定されている。カップ状金具57のフランジ部67と第1カシメ部63との間には若干の間隙69(図3)が形成されている。
【0046】
図6は駆動部42と結合する前の筒状外被金具8の側面形状を図2のY矢示方向から示した図であり、筒状外被金具8は本体弾性部材3等の上部構造を一体化した状態で、かつ大径部8bの下部には第1及び第2の結合突部63a及び68aが略爪状に下方へ突出して設けられている。
【0047】
第1及び第2の結合突部63a及び68aは、各下端部を屈曲することによって第1及び第2のカシメ部63及び68を形成するための部分であり、それぞれは大径部8bの下端部における下方突出量を異ならせることにより高さを変えてあり、かつ周方向へ適当間隔で交互に形成されている。
【0048】
図8は図3のF部を拡大した図であり、この図に明らかなように、固定リング60の下部外径はカップ状金具57の内径よりも小さく、両部材の間には若干の隙間70が設けられている。
【0049】
固定リング60の上端を覆う上端被覆部61bには径方向の通気溝71が周方向へ適当間隔で形成され、この近傍のカップ状金具57に貫通形成された大気開放孔72を介して、駆動部42とダイアフラム9(本図ではいずれも見えない、図1、3及び4参照)に挟まれた内部空間76と外気を連通している。
【0050】
上端被覆部61bへ重なる位置決め部材64のフランジ部66近傍部分は、さらに小径化されてカップ状金具57の内周との間に若干の間隙73を形成する段部74をなし、ここに貫通穴75が設けられ、この貫通穴75を介しても、駆動部42とダイアフラム9に挟まれた前記内部空間76と大気開放孔72とを連通している。大気開放孔72の下部は通気溝71よりも低い位置に設けられている。
【0051】
次に、本実施例の作用を説明する。図1は本体部20と付加部30の組立方を示し、まず、仕切部材10を大径部8b内へ収容して第1カシメ部63でカシメる。これにより液封マウント部が小組一体化され、以後の取り扱い時に液漏れが生じなくなる。
【0052】
続いて、駆動部42を仕切部材10の下に重ね、フランジ部66を固定リング60の上端へ当接させてから、フランジ部67へ第2カシメ部68をカシメると、全体が組み立てられる。
【0053】
このとき、位置決めリング64は、仕切部材10に対する駆動部42の取付位置を決めることができるとともに、上端被覆部61bを介して弾性的に固定リング60側へ押し当てられ、かつ第1カシメ部63とカップ状金具57のフランジ部67との間には間隙69があるため、若干の寸法公差があっても容易にこれを吸収できる。
【0054】
さらに、本実施例では、液体が封入されている仕切部材10側と、負圧によりバルブを作動させる駆動部42とを分離し、別工程で個々に固定できるようにしたので組立作業が容易になる。同時に、封入された液体が駆動部42側へ侵入し、その内部さらには負圧タンク等の駆動中枢部へ到達することを確実に防止でき、その結果、品質向上を計ることができる。
【0055】
そのうえ、大径部8bに設けた2種類の第1及び第2の結合突部63a及び68aによる第1カシメ部63と第2カシメ部68で、仕切部材10及び駆動部42を固定できるので、部品点数の削減並びに固定構造及び組立工程の簡素化を計ることができる。
【0056】
このとき、カップ状金具57のフランジ部67と第1カシメ部63との間に間隙69が形成され、かつ位置決めリング64下端部のフランジ66が弾性のある上端被覆部61bへ押し当てられるから、高さ方向(中心線Cと平行な組付方向)における寸法公差を吸収できる。
【0057】
なお、位置決めリング64は、仕切部材10に対する駆動部42の取付位置を決めることができる。したがって、寸法管理を従来よりもラフにでき、かつ組立作業が容易になり、そのうえコストダウンも可能になる。
【0058】
また、駆動部42を固定する固定リング60の下部とカップ状金具57の内面との間に若干の隙間70を設け、外周被覆部61aの弾性を介して固定リング60をカップ状金具57の内面へ嵌合するようにしたので、固定リング60をカップ状金具57内へ嵌合するとき、低荷重で嵌合できる。
【0059】
このため、圧入機に関する設備投資を削減できるとともに、固定リング60は上部の外周被覆部61aが弾性的にカップ状金具57の内面へ接触し、かつ前記間隙70の存在と相まって径方向の寸法公差を吸収できるので、やはり、寸法管理を従来よりもラフにでき、かつ組立作業が容易になり、そのうえコストダウンも可能になる。
【0060】
さらに、固定リング60は、第1シールリップ62aでカップ状金具57の内面へ押しつけられ、第2シ−ルリップ62bでカップ状金具57の底部へ押しつけられるので、固定リング60がカップ状金具57に対して2重のシール構造を有することになり、負圧のかかる密閉空間53内の気密性を高め、作動精度を向上させることができる。
【0061】
さらにまた、通気溝71及び貫通孔75が全周に形成される間隙73を介して大気開放孔72と連通しているので、駆動部42とダイアフラム9との間における内部空間76内における空気を外気へ逃がすことができる。
【0062】
このため、ダイアフラム9の動きをスムーズにしてオリフィス共振効果を最大限に発揮でき、また、内部空間53内における空気の熱膨張や収縮が生じても大気圧を維持するので、温度変化による特性に対す影響を少なくして性能を安定化させることができる。しかも、大気開放孔72の下部は通気溝71よりも低い位置に設けられるから、大気開放孔72から入った水が通気溝71や貫通孔75の中に溜まりにくくなる。
【0063】
そのうえ、固定リング60及び位置決めリング64は、それぞれカップ状金具57に対して周方向でいずれの位置にあっても、通気溝71及び貫通孔75が間隙73を介して大気開放孔72と連通できる。このため、固定リング60及び位置決めリング64をそれぞれカップ状金具57に対して周方向で相対位置を自由にできるので、組立性が向上する。
【0064】
なお、本願発明は上記実施例に限定されず種々応用可能であり、例えば、付加部30を任意の別構造のものに変更できる。すなわち、前実施例の弾性コントロール機構を内蔵した付加部30に代えて、単なるカップ状の付加部を第2カシメ部68で取付ければ、この付加部に対して外付けされる弾性コントロール機構により第2のオリフィス47を開閉でき、液封構造をそのままにして弾性コントロール機構を変更できる。
【0065】
そのうえさらに、弾性コントロール機構有無に関係なく、付加部のみを形状等がことなるものに種々変更することができ、この場合には、液封構造の本体部側を組立後に付加部を組立できるので、本体部のみを見込み生産しておくことが可能になり、留量産性が増す。
【0066】
また、仕切部材10を、単にオリフィス通路を設けただけのもの、もしくは弾性変形自在な弾性膜部材を備えた弾性仕切部材に変更して第1のカシメ部63で固定するとともに、付加部として前記単純なカップ状等をなすダイアフラムガードを第2カシメ部68で取付けるようにしてもよい。
【0067】
このようにすれば、ダイアフラム及び仕切部材を除く本体部の多くを共通化したままで、種々の異なる形式を有するエンジンマウントを製造化できるので、部品の共通化を図り、製造コストを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係るエンジンマウントの組立方を示す図
【図2】 このエンジンマウントの平面図
【図3】 図2の3−3線に相当する全体断面図
【図4】 同3−4線に相当する前断面図
【図5】 オリフィス通路の平面視形状を示す図
【図6】 本体部の側面図
【図7】 駆動部の断面図
【図8】 図3のF部拡大断面図
【符号の説明】
1:第1の支持部材、2:第2の支持部材、3:本体弾性部材、4:円錐部、7:薄肉部、8:筒状外被金具、10:仕切部材、14:オリフィス通路、17:中高周波デバイス、20:本体部、30:付加部、40:弾性コントロール機構、41:オリフィス通路、42:駆動部、54:押し当て部、60:固定リング、61:駆動部弾性体、63:第1のカシメ部、63a:第1の結合突部、64:位置決めリング、68:第2のカシメ部、68a:第2の結合突部

Claims (5)

  1. 少なくとも一部が凹部空間を有する本体弾性部材により構成された主液室と、少なくとも一部をダイアフラムにより構成された副液室を、仕切壁により離隔しかつオリフィス通路で連通した液封マウントにおいて、
    前記本体弾性部材、仕切壁及びダイアフラムを含む本体部と、そのダイアフラム側へ取付けられる付加部とを備えるとともに、前記主液室の周囲を覆う筒型外被金具に、突出長さの異なる第1及び第2の結合突部を設け、第1の結合突部にて前記仕切壁とダイアフラムを結合し、第2の結合突部にて前記付加部を前記本体部へ結合したことを特徴とする液封マウント。
  2. 前記付加部は、前記ダイアフラムの外側を覆うカップ状部材を備え、このカップ状部材の開口縁部を前記第1の結合突部による固定部と所定の間隙をもって前記第2の結合突部で前記本体部へ固定するとともに、前記本体部に対して付加部を位置決めするため、前記筒型外被金具側から位置決めリングを突出させ、その突出端部を前記カップ状部材内へ入れて予め前記カップ状部材の内部に設けられている弾性部材に押し当てたことを特徴とする請求項1に記載した液封マウント。
  3. 前記付加部は、前記オリフィス通路の副液室側開口部を前記ダイアフラムにより開閉させるための弾性コントロール機構における駆動部を備えるものであることを特徴とする請求項1に記載した液封マウント。
  4. 前記付加部は、前記オリフィス通路の副液室側開口部を前記ダイアフラムにより開閉させるための弾性コントロール機構における駆動部を備えるとともに、位置決めリングの一部にカップ状部材内周面との間で全周の間隙を形成する小径部を設け、この間隙を介してカップ状部材に設けられた大気開放孔と、ダイアフラムと前記駆動部との間の空間とを連通したことを特徴とする請求項2に記載した液封マウント。
  5. 前記ダイアフラムの外側を覆う前記カップ状部材は、前記駆動部を収容するとともに、前記駆動部は、前記ダイアフラムに当接する押し当て部と、この押し当て部の移動を許容するべく押し当て部の外周部に内周側が一体化された駆動弾性部と、この駆動弾性部の外周側が一体化された固定リングとを備え、
    この固定リングの外周側の少なくとも一部を駆動弾性部と連続する弾性被覆部で覆うとともに、この弾性被覆部に固定リングの外周側へ突出してカップ状部材の内周面へ押しつけられる第1のシールリップと、カップ状部材の底部へ押しつけられる第2のシールリップを備えたことを特徴とする請求項4に記載した液封マウント。
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