JP4201654B2 - 磁気式ポテンショメータ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気式ポテンショメータに関し、特にシャフトに対する磁石の取り付け構造に係るものである。
【０００２】
【従来の技術】
先ず、図１を参照して磁気式ポテンショメータの構造について説明する。
このポテンショメータは、シャフト１を回転操作することにより、それに応じた電気的出力が得られるものである。シャフト１はケース２の内部に軸受３及び４を介して回転可能に軸支されており、その一端部がケースから突出して操作部１ａとなされている。
【０００３】
ケース２の内部においてシャフト１には磁石５が取り付けられており、これに対応して磁気抵抗素子やホール素子などの磁気検出素子６がケース２の側部に固定されている。さらにケース２には電気回路基板７が組み込まれており、この電気回路基板７に上記磁気検出素子６がフレキシブル配線板８を介して電気的に接続されていると共に、この電気回路基板７から出力部であるコード９が導出されている。尚、１０は上記の構成部品を組み込んだ状態でケース２に被せられるキャップである。
【０００４】
そしてこのように構成されるポテンショメータは、シャフト１の操作部１ａを回転操作することにより、シャフト１と一体に磁石５が回転し、この磁石５の回転を磁気検出素子６が検出して、シャフト１の回転に応じた出力信号がコード９から出力されるものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
このような磁気式のポテンショメータにおいて、高精度の出力を得るためには、磁石５を正確に位置決めしてシャフト１に取り付ける必要がある。ここで上記の例では、シャフト１に設けられた切り欠き状の凹部１１に磁石５を嵌め込んで接着するようにしていたが、この場合、磁石の位置決めを目視で行なって中央に固定するか、あるいは特別な治具を用いて固定する方法を採っていた。
【０００６】
図２はこの磁石の位置決めを簡単に行なえる手段としてガイドホルダー２０を用いた例を示す。即ちこのガイドホルダー２０は、周面に開口２１を有する筒状の部材であり、このガイドホルダー２０をシャフト１の軸方向から凹部１ｂに合わせて装着し、その状態で開口２１から磁石５を挿入してシャフト１の凹部１ｂに嵌め込み、接着剤で接着するものである。
【０００７】
しかしながら、このガイドホルダーを用いた場合でも、磁石を接着する際、磁石が完全に動かなくなるまでは何らかの方法で固定する必要があるので、そのために手間を要する問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、磁気式ポテンショメータにおいて、磁石の位置決めと固定を同時に行なえる取り付け構造を実現することを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の磁気式ポテンショメータは、ケースに回転または移動可能に軸支されるシャフトと、該シャフトに取り付けられる磁石と、この磁石に対応してケースに固定される磁気検出素子と、シャフトに嵌合固定されるホルダーと、を備えてなる磁気式ポテンショメータであって、このホルダーは、磁石の両端部に当接する一対の抱持アームと、抱持アームの間に磁石と係合して、該磁石を所定の取り付け位置に固定するための係合爪と、を備えることを特徴としている。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
図３(Ａ)は本発明の第１の実施例、(Ｂ)は第２の実施例を示す。これらの実施例は何れも図１の磁気式ポテンショメータにおける磁石５の取り付け部の構造を示しており、ここではシャフト１に嵌合固定されるプラスチック製のホルダー３０，４０を設け、このホルダー３０，４０によって磁石５を抱時してシャフト１に位置決め固定する構造となっている。
【００１０】
このホルダー３０，４０は何れもその周面の一部分を切り欠いたような変形円筒状に形成されており、これをシャフト１に横方向(シャフト１の軸方向と直交する方向)から嵌合して固定するものである。
【００１１】
図３(Ａ)の第１の実施例では、先ず磁石５をシャフト１の凹部１１に嵌め込み、その状態で磁石５の反対側からホルダー３０をシャフト１に嵌合させて組み付けるようにする。この場合、ホルダー３０には先端内側に係合爪３１ａ，３２ａを有する一対の抱持アーム３１，３２が設けられており、ホルダー３０がシャフト１に嵌合した状態ではこの抱持アーム３１，３２の係合爪３１ａ，３２ａが磁石５に係合することによって磁石５が凹部１１内で固定保持される。
【００１２】
また図３(Ｂ)の第２の実施例では、磁石５をシャフト１の凹部１１に嵌め込むと共に、この磁石５を覆うようにホルダー４０をシャフト１に嵌合させて組み付けるようにする。この場合、ホルダー４０には一対の抱持アーム４１，４２が設けられており、ホルダー４０がシャフト１に嵌合した状態ではこの抱持アーム４１，４２が磁石５の両側部に当接することによって磁石５が凹部１１内で固定保持される。
【００１３】
このように上記実施例においては、シャフト１に嵌合固定されるホルダー３０，４０によって磁石５を抱持する構造としたことにより、磁石５の位置決めと固定を同時に行なうことができる。従って、ポテンショメータの組み立て工程において磁石の取り付けに手間を要することがなく、磁石を正確な位置に簡単に固定することができるものである。
【００１４】
尚、上記実施例では、図１に示した如き回転操作型の磁気式ポテンショメータに本発明を適用した場合を示したが、本発明はこれに限ることなく直線移動操作型の磁気式ポテンショメータにも適用が可能である。
【００１５】
【発明の効果】
以上に説明した如く本発明は、ケースに回転または移動可能に軸支されるシャフトと、このシャフトに取り付けられる磁石と、この磁石に対応してケースに固定される磁気検出素子と、を備えてなる磁気式ポテンショメータにおいて、シャフトに嵌合固定されるホルダーを設け、このホルダーによって磁石を所定の取り付け位置で抱持する構造としたことにより、磁石の位置決めと固定を同時に行なうことができるので、ポテンショメータの組み立て工程において磁石の取り付けに手間を要することがなく、その結果、組み立て作業性の良いポテンショメータを実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明が適用される磁気式ポテンショメータの分解斜視図である。
【図２】磁石の取り付け部において磁石の位置決めにガイドホルダーを用いた従来例の説明図である。
【図３】本発明の実施例を示す磁石の取り付け部の分解斜視図で、(Ａ)は第１の実施例、(Ｂ)は第２の実施例である。
【符号の説明】
１…シャフト、２…ケース、５…磁石、６…磁気検出素子、３０，４０…ホルダー

Claims (1)

1. ケースに回転または移動可能に軸支されるシャフトと、
   該シャフトに取り付けられる磁石と、
   前記磁石に対応してケースに固定される磁気検出素子と、
   前記シャフトに嵌合固定されるホルダーと、を備えてなる磁気式ポテンショメータであって、
   前記ホルダーは、前記磁石を両端部に当接する一対の抱持アームと、
   該抱持アームの間に前記磁石と係合して、該磁石を所定の取り付け位置に固定するための係合爪と、を備えることを特徴とする磁気式ポテンショメータ。

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