JP4201485B2 - 水性頭髪スタイリング補助剤 - Google Patents

Description

【０００１】
（発明の分野）
本発明は、揮発性シリコーンを含有し、頭髪をより強力にかつ持続的に固定し、官能的感触にも優れた水性頭髪スタイリング補助剤、特に頭髪スタイリングムースに関する。
【０００２】
（発明の背景及び従来技術）
頭髪スタイリングムースのような頭髪スタイリング補助剤はヒトの頭髪を一時的に固定し、水またはシャンプーによって除去することができる。頭髪スタイリング補助剤は、樹脂またはガムの薄膜を頭髪に塗布することによって隣合う頭髪を互いに接着し、塗布時の特定の形状または髪形を維持する機能を果たす。
【０００３】
従来の頭髪スタイリングムースは典型的には、頭髪スタイリングポリマーと水と界面活性剤と噴射ガスとを使用しており、美化剤、香料及び頭髪コンディショニング剤のような添加剤を任意に含む。使用されるコンディショニング剤はシリコーン型材料であった。
【０００４】
欧州特許ＥＰ０５２３３８８は、不揮発性シリコーン化合物またはその他の水不溶性乳化性コンディショニング剤を含有する水性頭髪スタイリング補助剤またはムース組成物を開示している。好ましい不揮発性シリコーン化合物は、低分子量ポリジメチルシロキサン流体と高分子量ポリジメチルシロキサンガムとの３：１混合物である。
【０００５】
欧州特許ＥＰ０２０５３０６は、スタイリングムース中に高分子量シリコーン材料を使用することを開示している。これらは、少なくとも１００，０００ｃｓｔの粘度をもつポリジオルガノシロキサンであると定義されている。高分子量シリコーンはエアゾール容器に充填する前のプロペラント相に溶解される。
【０００６】
問題は、頭髪手入れ用途でコンディショニング剤として典型的に使用されているシリコーン材料が頭髪を過度に柔軟にするので髪形の形成及び保持が難しいことである。
【０００７】
カナダ特許ＣＡ１２１４１０６は、エタノール基剤のエアゾール式ヘアスプレー組成物中に環状シリコーン流体を使用することで、ヘアスプレー樹脂の可塑剤としてシリコーングリコールを含有する配合物に比べて、より大きい保持力及びより柔軟な感触を与えると記載している。しかしながら該特許の対象はエタノール基剤の系だけであり、開示されたどの配合物も水を全く含まない。ヘアスプレーの揮発性有機物含量が法律で規制されるようになったので、比較的含水量の多い系を配合することが望まれるようになっている。
【０００８】
欧州特許ＥＰ０６５７１５７Ａ１は、低揮発性有機物含量に適応するスタイリング補助剤配合物中の水の一部を特定の直鎖状または環状の揮発性アルキルメチルシリコーンで代替し、該アルキルメチルシリコーンと水とエタノールとの３成分を規定された範囲内で併用することによって相溶性の系を形成し得ると開示している。該特許は特に、メチル基及び６、７または８個の炭素原子を有しているアルキル基を分子中に有しているアルキルメチルシリコーンを使用している。
【０００９】
本発明の発明者らは意外にも、水性頭髪スタイリングムース中の頭髪スタイリング樹脂によって与えられる髪形固定力及び持続性が、直鎖状及び環状のジメチルシルコーンから選択されたある種の揮発性シリコーンを配合物に混在させることによって有意に増加することを知見した。本発明の頭髪スタイリングムースはまた、優れた官能的感触を示すという利点を有している。
【００１０】
（発明の概要）
本発明は、（ｉ）一般式（Ｉ）：
〔−（ＣＨ_３）_２Ｓｉ−Ｏ−〕_ｎ （Ｉ）
〔式中、ｎ＝３−７〕を有する環状シリコーンと、一般式（ＩＩ）：
（ＣＨ_３）_３Ｓｉ−Ｏ−〔Ｓｉ（ＣＨ_３）_２Ｏ〕_ｍＳｉ（ＣＨ_３）_３ （ＩＩ）
〔式中、ｍ＝１−７〕を有する短鎖直鎖状シリコーンとから選択された、全重量を基準として０．１−１０重量％の揮発性シリコーンと、
（ｉｉ）全重量を基準として０．１−１０重量％のｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１１、ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１６、ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−４６及びその混合物からなる群より選択される頭髪スタイリングポリマーと、
（ｉｉｉ）全重量を基準として０．０１−１重量％の界面活性剤と、
（ｉｖ）全重量を基準として少なくとも５重量％の水と、
（ｖ）全重量を基準として０−３０重量％のエアゾールプロペラントとから成り、
（ｉ）：（ｉｉ）の重量比が２：１から１：４の範囲であり、
但し、組成物が全重量を基準として２重量％の量のシクロメチコーンを含有するときは、組成物が全重量を基準としてそれぞれ１．５重量％、０．３重量％、８重量％及び８０．０５重量％のｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１１（高分子量）、ポリエチレングリコール（９）ノニルフェニルエーテル、プロパン／ブタンプロペラント及び水を含有しないことを特徴とする水性頭髪スタイリング補助剤を提供する。
【００１１】
（詳細な説明）
揮発性シリコーン
本文中で使用された“揮発性”なる用語は、問題の材料が測定可能な蒸気圧を有することを意味する。
【００１２】
揮発性シリコーンの粘度は一般に２５℃で１０ｍｍ^２／秒（１０ｃｓｔ）未満である。粘度は、１９７０年７月２０日のＤｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ Ｃｏｒｐｏｒａｔｅ Ｔｅｓｔ Ｍｅｔｈｏｄ ＣＴＭ００４に更に詳細に記述されているガラス毛管粘度計を使用して測定できる。
【００１３】
好ましい環状シリコーンは、ジメチルシロキサン環状テトラマー（一般式（Ｉ）のｎ＝４）及びジメチルシロキサン環状ペンタマー（一般式（Ｉ）のｎ＝５）である。
【００１４】
好ましい短鎖直鎖状シリコーンは一般に２５℃で５ｍｍ^２／秒（５ｃｓｔ）未満の粘度を有している。
【００１５】
上記の種類のシリコーンは多方面から入手でき、例えば、Ｄｏｗ ＣｏｒｎｉｎｇからＤＣ２４４、２４５、３４４、３４５及び２００の流体として、Ｕｎｉｏｎ ＣａｒｂｉｄｅからＳｉｌｉｃｏｎｅ ７２０２及び７１５８として、Ｓｔａｕｆｆｅｒ ＣｈｅｍｉｃａｌからＳＷＳ−０３３１４として入手できる。
【００１６】
揮発性シリコーンの量は全組成物の重量の０．１−１０重量％、好ましくは０．５−５重量％の範囲でよい。
【００１７】
頭髪スタイリングポリマー
本発明組成物中に使用される頭髪スタイリングポリマーは、頭髪スタイリング組成物の揮発性成分の蒸発後に薄膜を形成し使用者の頭髪を位置保持できる能力を有していなければならない。
【００１８】
頭髪スタイリングポリマーは公知の市販製品であり、ポリマーをカチオン性、アニオン性、両性または非イオン性にする部分を含むこのようなポリマーは数多く市販されている。
【００１９】
ポリマーの量は全組成物の重量の０．５−１０重量％、好ましくは０．７５−６重量％の範囲でよい。
【００２０】
アニオン性頭髪スタイリングポリマーの例を以下に示す。
−酢酸ビニルとクロトン酸とのコポリマー、
−酢酸ビニルとクロトン酸とネオデカン酸ビニルのようなアルファ分枝をもつ飽和脂肪族モノカルボン酸のビニルエステルとのターポリマー、
−メチルビニルエーテルと無水マレイン酸（モル比約１：１）とのコポリマーであって、エタノールまたはブタノールのような１−４個の炭素原子を含む飽和アルコールによって５０％エステル化されたコポリマー、
−アニオン基含有部分であるアクリル酸またはメタクリル酸と他の相溶性モノマーとのアクリルコポリマー、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸と、１−２２個の炭素原子を有する１つまたは複数の飽和アルコールとのエステル（例えば、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ｎ−ブチルアクリレート、ｔ−ブチルアクリレート、ｔ−ブチルメタクリレート、ｎ−ブチルメタクリレート、ｎ−ヘキシルアクリレート、ｎ−オクチルアクリレート、ラウリルメタクリレート及びベヘニルアクリレート）；１−６個の炭素原子を有するグリコールとのエステル（例えば、ヒドロキシプロピルメタクリレート及びヒドロキシエチルアクリレート）；スチレン；ビニルカプロラクタム；酢酸ビニル；アクリルアミド；アルキル基に１−８個の炭素原子を有するアルキルアクリルアミド及びメタクリルアミド（例えば、メタクリルアミド、ｔ−ブチルアクリルアミド及びｎ−オクチルアクリルアミド）；その他の相溶性不飽和モノマー。
【００２１】
頭髪スタイリングポリマーはまた、ポリジメチルシロキサンのようなグラフト重合シリコーンを含有し得る。
【００２２】
適当なアニオン性頭髪スタイリングポリマーの例を以下に示す。
−ＲＥＳＹＮ（登録商標）２８−２９３０、Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｒｃｈの製品（酢酸ビニル／クロトン酸／ネオデカン酸ビニルコポリマー）、
−Ｕｌｔｒａｈｏｌｄ（登録商標）８、ＢＡＳＦの製品（ＣＴＦＡ名称はアクリレート／アクリルアミドコポリマー）、
−Ｇａｎｔｒｅｚ（登録商標）ＥＳシリーズ、ＩＳＰ ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎの製品（メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのエステル化コポリマー）。
【００２３】
その他の適当なアニオン性頭髪スタイリングポリマーはカルボキシル化ポリウレタンである。カルボキシル化ポリウレタン樹脂は、カルボキシル側基を有しておりヒドロキシルで終結した直鎖状コポリマーである。これらは、少なくとも１つの末端基がエトキシル化及び／またはプロポキシル化されていてもよい。カルボキシル基は、カルボン酸基でもエステル基でもよく、該エステル基のアルキル部分は１−３個の炭素原子を含む。カルボキシル化ポリウレタン樹脂はまた、ＰＶＰ／ポリカルバミルポリグリコールエステルというＣＴＦＡ名称のポリビニルピロリドンとポリウレタンとのコポリマーでもよい。適当なカルボキシル化ポリウレタン樹脂は欧州特許ＥＰ０６１９１１１Ａ１及び米国特許第５，０００，９５５号に開示されている。別の適当な親水性ポリウレタンは米国特許第３，８２２，２３８号、第４，１５６，０６６号、第４，１５６，０６７号、第４，２５５，５５０号及び第４，７４３，６７３号に開示されている。
【００２４】
ｔ−ブチルアミノエチルメタクリレートのようなモノマーから誘導されたカチオン基及びアクリル酸またはメタクリル酸のようなモノマーから誘導されたカルボキシル基を含有し得る両性ポリマーも本発明に使用し得る。両性頭髪スタイリングポリマーの特定例は、Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｒｃｈ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから販売されているＡｍｐｈｏｍｅｒ（登録商標）（オクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー）である。
【００２５】
非イオン性頭髪スタイリングポリマーの例は、Ｎ−ビニルピロリドンのホモポリマー、Ｎ−ビニルピロリドンと酢酸ビニルのような相溶性非イオン性モノマーとのコポリマーである。種々の重量平均分子量のＮ−ビニルピロリドンを含有する非イオン性ポリマーはＩＳＰ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから市販されている。このような材料の特定例は、ＰＶＰ Ｋ−９０という名称で販売されている平均分子量約６３０，０００を有するＮ−ビニルピロリドンのホモポリマー、及び、ＰＶＰ Ｋ−１２０という名称で販売されている平均分子量約１，０００，０００を有するＮ−ビニルピロリドンのホモポリマーである。
【００２６】
その他の適当な非イオン性頭髪スタイリングポリマーは、架橋シリコーンの樹脂またはガムである。特定例は、欧州特許公開ＥＰ−Ａ−２４０３５０に記載されているような硬質シリコーンポリマー及び国際特許ＷＯ９６／３１１８８に記載されているような架橋シリコーンガムである。
【００２７】
カチオン性頭髪スタイリングポリマーの例は、低級アルキルアミノアルキルアクリレートのようなアミノ官能性アクリレートモノマー、または、ジメチルアミノエチルメタクリレートのようなメタクリレートモノマーと、Ｎ−ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、アルキルメタクリレート（例えばメチルメタクリレート及びエチルメタクリレート）、アルキルアクリレート（例えばエチルアクリレート及びｎ−ブチルアクリレート）のような相溶性モノマーとのコポリマーである。
【００２８】
適当なカチオン性コポリマーの特定例を以下に示す。
−Ｎ−ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー、ＩＳＰ ＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎからＣｏｐｏｌｙｍｅｒ ８４５、Ｃｏｐｏｌｙｍｅｒ ９３７及びＣｏｐｏｌｙｍｅｒ ９５８として販売；
−ビニルピロリドンとジメチルアミノプロピルアクリルアミドまたは−メタクリルアミドとのコポリマー、ＩＳＰ ＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎからＳｔｙｌｅｚｅ ＣＣ１０として販売；
−Ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１１（ジエチルスルフェートとビニルピロリドン／ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマーとの反応によって形成される）、ＩＳＰからＧａｆｑｕａｔ（登録商標）７３４、７５５及び７５５Ｎとして、ＢＡＳＦからＬｕｖｉｑｕａｔ（登録商標）ＰＱ１１として販売；
−Ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１６（メチルビニルイミダゾリウムクロリドとビニルピロリドンとから形成される）、ＢＡＳＦからＬｕｖｉｑｕａｔ（登録商標）ＦＣ３７０、ＦＣ５５０、ＦＣ９０５及びＨＭ−５５２として販売；
−Ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−４６（ビニルカプロラクタム及びビニルピロリドンとメチルビニルイミダゾリウムメトスルフェートとの反応によって調製される）、ＢＡＳＦからＬｕｖｉｑｕａｔ（登録商標）Ｈｏｌｄとして販売。
【００２９】
本発明組成物中の好ましい頭髪スタイリングポリマーは、Ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１１、Ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１６、Ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−４６及びその混合物から成るグループから選択される。
【００３０】
上記ポリマーの幾つかについては、溶解／分散を促進するために幾つかの酸性基を中和することが必要であろう。適当な中和剤の例は、２−アミノ−２−メチル−１，３−プロパンジオール（ＡＭＰＤ）；２−アミノ−２−エチル−１，３−プロパンジオール（ＡＥＰＤ）；２−アミノ−２−メチル−１−プロパノール（ＡＭＰ）；２−アミノ−１−ブタノール（ＡＢ）；モノエタノールアミン（ＭＥＡ）；ジエタノールアミン（ＤＥＡ）；トリエタノールアミン（ＴＥＡ）；モノイソプロパノールアミン（ＭＩＰＡ）；ジイソプロパノール−アミン（ＤＩＰＡ）；トリイソプロパノールアミン（ＴＩＰＡ）；及びジメチルステアラミン（ＤＭＳ）である。米国特許第４，８７４，６０４号に記載されているように、ラウラミドプロピルジメチルアミンのような長鎖アミン中和剤も使用し得る。上記中和剤のいずれかの混合物も使用し得る。中和剤の量は全組成物の重量の約０．００１−約１０重量％の範囲であろう。
【００３１】
重量比
本発明組成物中で、揮発性シリコーン対頭髪スタイリングポリマーの重量比は２：１から１：４、最適には１：１から１：２の範囲であろう。
【００３２】
界面活性剤
揮発性シリコーン及び頭髪スタイリングポリマーに加えて、本発明の水性頭髪スタイリング補助剤はまた、全重量を基準として０．０１−１重量％、最も好ましくは０．０２−０．８重量％の範囲の量の界面活性剤を含有する。
【００３３】
界面活性剤は一般に、水性溶液中のイオン挙動に従って、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性または双性に分類され得る。
【００３４】
非イオン性界面活性剤の例は、直鎖状または分枝状の脂肪族（Ｃ_８−Ｃ_１８）の第一または第二アルコールまたはフェノールと、アルキレンオキシド、通常はエチレンオキシド、一般に６−５０個のエチレンオキシド基を有しているエチレンオキシドとの縮合物である。特定例は、ｓｔｅａｒｅｔｈ−４０、ｓｔｅａｒｅｔｈ−５０、ｃｅｔｅａｒｅｔｈ−３０、ｃｅｔｅａｒｅｔｈ−４０、ｃｅｔｅａｒｅｔｈ−５０及びその混合物である。市販されているこれらの材料の好適例は、Ｕｎｉｃｏｌ ＳＡ−４０（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｐｒｅｓｅｒｖ−Ａ−Ｃｈｅｍ）、Ｅｍｐｉｌａｎ ＫＭ５０（Ａｌｂｒｉｇｈｔ ａｎｄ Ｗｉｌｓｏｎ）、ＮＯＮＩＯＮ ＰＳ−２５０（Ｎｉｐｐｏｎ Ｏｉｌｓ ＆ Ｆａｔｓ）、Ｖｏｌｐｏ ＣＳ５０（Ｃｒｏｄａ Ｉｎｃ）及びＩｎｃｒｏｐｏｌ ＣＳ−５０（Ｃｒｏｄａ Ｉｎｃ）である。
【００３５】
他の適当な非イオン性界面活性剤は、ソルビトールのエステル、無水ソルビタンのエステル、プロピレングリコールのエステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールの脂肪酸エステル、エトキシル化エステル及びポリオキシエチレン脂肪エーテルホスフェートである。特定例は、ポリオキシエチレン（９）ノニルフェニルエーテル、Ｐｏｌｙｓｏｒｂａｔｅ ２０、Ｐｏｌｙｓｏｒｂａｔｅ ８０及びその混合物である。
【００３６】
アニオン性界面活性剤の例は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルカリールスルホネート、アルカノイルイセチオネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、Ｎ−アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート及びアルファ−オレフィンスルホネート、特にそれらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウム並びにモノ−、ジ−及びトリエタノールアミン塩である。アルキル基及びアシル基は一般に８−１８個の炭素原子を有しており、不飽和でもよい。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは１分子あたり１−１０個のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位、好ましくは１分子あたり２−３個のエチレンオキシド単位を含有し得る。
【００３７】
カチオン性界面活性剤の例は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、タロウトリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド（及び対応するその水酸化物）、及び、Ｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−５、Ｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−３１及びＱｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１８というＣＴＦＡ名称の界面活性剤である。
【００３８】
両性及び双性の界面活性剤の例は、アルキル基及びアシル基が８−１９個の炭素原子を有するアルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン（スルタイン）、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレート及びアシルグルタメートである。好ましい両性界面活性剤は、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカンホプロピオン酸ナトリウム及び特にコカミドプロピルベタインである。
【００３９】
本発明組成物中の界面活性剤は最も好ましくは、１種または複数の非イオン性界面活性剤から選択される。アニオン性、カチオン性、両性及び双性の界面活性剤から選択された界面活性剤は、例えば泡立ちの力及び／または泡の安定性を改善するためにこれらの非イオン性界面活性剤と適宜併用し得る。
【００４０】
水
本発明組成物はまた、ポリマー及び他の成分の溶媒または担体として水（好ましくは蒸留水または脱イオン水）を含有するであろう。水は典型的には、全重量を基準として３０−９８重量％、好ましくは６０−９５重量％、最も好ましくは８０−９５重量％の範囲の量で存在するであろう。
【００４１】
アルコールはスタイリング組成物の性能を増進させることができるので、本発明組成物中で助溶媒として任意に使用し得る。適当なアルコールは２個から約４個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の脂肪族一価アルコールである。イソプロパノール及び特にエタノールが好ましい。アルコールの適正レベルは全重量を基準として２０重量％以下、好ましくは５−１５重量％である。
【００４２】
製品形態
本発明組成物はエアゾール形態が特に好適であろう。特に好ましい製品形態はエアゾール型ヘアムースである。エアゾール型ヘアムース組成物は、エアゾール容器から泡として放出され、この泡を普通は指または頭髪スタイリング器具で頭髪になじませた後、頭髪に残すかまたは濯ぎ落とす。
【００４３】
本発明のエアゾール形態の組成物は、他の材料を容器から放出すべく作用し、ムース組成物の発泡成分を形成するエアゾールプロペラントを含むであろう。本発明のスタイリング組成物に含まれるエアゾールプロペラントはエアゾール容器に従来から使用されている任意の液化ガスでよい。適当なプロペラントの例は、ジメチルエーテル、並びに、プロパン、ｎ−ブタン及びイソブタンのような炭化水素プロペラントである。プロペラントは単独で使用してもよく混用してもよい。水不溶性のプロペラント、特に炭化水素は、撹拌されるとエマルジョン液滴を形成し適当な泡密度のムースを生じるので特に好ましい。
【００４４】
プロペラントの使用量はエアゾール業界で公知の標準的な要因に基づいて調節される。ムースの場合、プロペラントのレベルは組成物の全重量を基準として一般に３０重量％以下、好ましくは２−３０重量％、最も好ましくは３−１５重量％である。ジメチルエーテルのようなプロペラントが蒸気圧抑制剤（例えばトリクロロエタンまたはジクロロメタン）を含むとき、重量％の計算値において抑制剤の量はプロペラントに含まれる。
【００４５】
本発明の頭髪スタイリングムース組成物の製造方法は慣用のエアゾール充填手順に従う。組成物の成分（プロペラント非含有成分）を適当な加圧性容器に入れ、容器をシールし、次いで慣用の技術に従ってプロペラントを充填する。
【００４６】
本発明組成物はまた、頭髪スタイリング用のクリームまたジェルのような非発泡性の製品形態を有し得る。このようなクリームまたはジェルは全重量を基準として典型的には０．１−１０重量％、好ましくは０．５−３重量％の構造化剤または増粘剤を含有するであろう。
【００４７】
適当な構造化剤または増粘剤は、カルボキシビニルポリマーのような高分子増粘剤である。カルボキシビニルポリマーは、オレフィン系不飽和カルボン酸モノマーから成るモノマー混合物と全モノマーの約０．０１−約１０重量％の多価アルコールのポリエーテルとのインターポリマーである。カルボキシビニルポリマーは液体揮発性有機炭化水素に実質的に不溶性であり、空気に触れても寸法安定性である。カルボキシビニルポリマーの適当な分子量は少なくとも７５０，０００、好ましくは少なくとも１，２５０，０００、最も好ましくは少なくとも３，０００，０００である。好ましいカルボキシビニルポリマーは、米国特許第２，７９８，０５３号に記載されているようなポリアリルスクロースで架橋されたアクリル酸のコポリマーである。これらのポリマーはＢ．Ｆ．Ｇｏｏｄｒｉｃｈ Ｃｏｍｐａｎｙから例えばＣＡＲＢＯＰＯＬ ９３４、９４０、９４１及び９８０で提供されている。構造化剤または増粘剤として使用できるその他の材料は、水溶性またはコロイド状に水溶性のポリマーのような組成物にゲル様粘度を与え得る材料である。例えば、セルロースエーテル（例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース）、グアーガム、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルグアーガム、デンプン及びデンプン誘導体、及びその他の増粘剤、粘度調整剤、ゲル化剤、などである。また、ベントナイトまたはラポナイトクレーのような無機増粘剤の使用も可能である。
【００４８】
本発明の水性頭髪スタイリング補助剤は、組成物の美感を改善するために、または、容器から製品を放出するときなどの使い易さを助けるために、必須でない様々な成分を任意成分として含有し得る。このような慣用の任意成分は当業界で公知であり、例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニルウレアのような保存剤、セテアリルアルコール、セチルアルコール及びステアリルアルコールのような脂肪アルコール、クエン酸、コハク酸、水酸化ナトリウム及びトリエタノールアミンのようなｐＨ調整剤、ＦＤ＆ＣまたはＤ＆Ｃ染料のような着色剤、香油、エチレンジアミン四酢酸のようなキレート化剤、グリセリン及びプロピレングリコールのようなポリマー可塑剤がある。
【００４９】
本発明はまた、上記のような水性頭髪スタイリング補助剤を頭髪に塗布することから成る頭髪スタイリング方法を提供する。
【００５０】
以下の実施例は本発明の好ましい実施態様を更に説明する。他の指示がない限り、すべてのパーセンテージは重量％である。
【００５１】
実施例
実施例１及び比較実施例Ａ
以下の表に示すような成分を有する頭髪スタイリングムースを調製した。
【００５２】
【表１】

^（１）Ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１６（水溶液、有効成分４０％）、ＢＡＳＦ製
^（２）プロパン／ブタン
^（３）Ｐｏｌｙｓｏｒｂａｔｅ ８０、ＩＣＩ Ｓｕｒｆａｃｔａｎｔｓ製
^（４）シクロメチコーン、Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ製。
【００５３】
パネリストによる官能特性評価では、本発明の実施例１は、濡れた髪のスタイリング、濡れた髪の感触、乾いた髪の感触などについて、比較実施例Ａよりも卓越していた。
【００５４】
実施例２及び３
以下の実施例は本発明による別の頭髪スタイリングムースを示す。
【００５５】
【表２】

^（５）０．６％の架橋を含む乳化重合ジメチコノール、５５％水性エマルジョン、Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ製。

Claims (10)

1. （ｉ）一般式（Ｉ）：
   〔−（ＣＨ_３）_２Ｓｉ−Ｏ−〕_ｎ （Ｉ）
   〔式中、ｎ＝３−７〕を有する環状シリコーンと、一般式（ＩＩ）：
   （ＣＨ_３）_３Ｓｉ−Ｏ−〔Ｓｉ（ＣＨ_３）_２Ｏ〕_ｍ−Ｓｉ（ＣＨ_３）_３ （ＩＩ）
   〔式中、ｍ＝１−７〕を有する短鎖直鎖状シリコーンとから選択された、全重量を基準として０．１−１０重量％の揮発性シリコーンと、
   （ｉｉ）全重量を基準として０．１−１０重量％のｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１１、ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１６、ｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−４６及びその混合物からなる群より選択される頭髪スタイリングポリマーと、
   （ｉｉｉ）全重量を基準として０．０１−１重量％の界面活性剤と、
   （ｉｖ）全重量を基準として少なくとも５重量％の水と、
   （ｖ）全重量を基準として０−３０重量％のエアゾールプロペラントとから成り、
   （ｉ）：（ｉｉ）の重量比が２：１から１：４の範囲であり、
   但し、組成物が全重量を基準として２重量％の量のシクロメチコーンを含有するときは、組成物が全重量を基準としてそれぞれ１．５重量％、０．３重量％、８重量％及び８０．０５重量％のｐｏｌｙｑｕａｔｅｒｎｉｕｍ−１１（高分子量）、ポリエチレングリコール（９）ノニルフェニルエーテル、プロパン／ブタンプロペラント及び水を含有しないことを特徴とする水性頭髪スタイリング補助剤。
2. 揮発性シリコーンが、ジメチルシロキサン環状テトラマーとジメチルシロキサン環状ペンタマーとから選択された環状シリコーンであることを特徴とする請求項１に記載の水性頭髪スタイリング補助剤。
3. 揮発性シリコーン対頭髪スタイリングポリマーの重量比が１：１から１：２の範囲であることを特徴とする請求項１または２に記載の水性頭髪スタイリング補助剤。
4. 界面活性剤が非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の水性頭髪スタイリング補助剤。
5. 水の量が、全重量を基準として３０−９８重量％の範囲であることを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の頭髪スタイリング補助剤。
6. 水の量が、全重量を基準として６０−９５重量％の範囲であることを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の頭髪スタイリング補助剤。
7. 水の量が、全重量を基準として８０−９５重量％の範囲であることを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の頭髪スタイリング補助剤。
8. エアゾール頭髪スタイリングムースの形態であり、ジメチルエーテル、炭化水素プロペラント及びその混合物から成るグループから選択されたエアゾールプロペラントを含むことを特徴とする請求項１から７のいずれか一項に記載の水性頭髪スタイリング補助剤。
9. 頭髪スタイリング用のクリームまたはジェルの形態であり、構造化剤または増粘剤を含むことを特徴とする請求項１から７のいずれか一項に記載の水性頭髪スタイリング補助剤。
10. 構造化剤または増粘剤がカルボキシビニルポリマーであることを特徴とする請求項９に記載の水性頭髪スタイリング補助剤。