JP4201247B2 - 固体酸化物形燃料電池用燃料極材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体酸化物形燃料電池用燃料極材料に関する。さらに詳述すると、本発明は固体酸化物形燃料電池(SOFC)用のニッケル−安定化ジルコニア燃料極粉体、特に、SOFCの燃料極に用いることによりその長寿命化と高性能化を図ることができる燃料極材料の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体酸化物形燃料電池の燃料極材料としては、酸化ニッケル(NiO、但し燃料電池作動時には金属ニッケルNi)とジルコニア(ZrO2)の微粒子を混合して得たニッケル−ジルコニアサーメットが、高い触媒活性(水素の還元能力)を有し、かつ室温から1000℃までの高温でも導電率(電気抵抗の逆数)が高いことから適していると考えられていた。しかしながら、燃料極中のニッケルの含有量が多いと、熱膨脹係数の違いから熱応力が発生し、セル破壊につながる可能性があり、ニッケルの含有量をあまりふやすことができず、反面、ニッケルの量が少ないと、電極特性はあまり良くなく、電流を取り出すことが困難になり、更に、焼結性が高く緻密化しやすいなどの問題があった。そこで、従来、ジルコニアとして8モル%のイットリアで結晶構造を安定化させたジルコニア(以下8YSZと記する。)を用いたものが採用されるようになってきている。
【0003】
(1)このように、従来の固体酸化物形燃料電池用燃料極材料は、細かい粉末のNiOと8YSZを混合して得られたものであった。しかし、この燃料極は初期特性が優れているものの、発電開始後数十時間で劣化し、発電が不可能な状態になる。この原因を解明したところ、電池動作条件下において、燃料極の緻密化と体積収縮ならびにNi粒子の凝集が原因であることがわかった(非特許文献1参照)。なお、Niの凝集や緻密化については他の報告もある(非特許文献2参照)。
【0004】
(2)さらに、Ni(Mg)O−8YSZを用いることによって、Ni粒子の高分散化と燃料極の長寿命化を図ろうとする報告がある(非特許文献3〜5参照)。
【0005】
(3)また粒径の大きいNiに粒径の小さいYSZを被覆させて、性能の向上を図ろうとした報告もある(非特許文献6参照)。
【0006】
(4)さらに金属ルテニウムにYSZを電気化学蒸着した材料(非特許文献7参照)や、金属Niに気相法にてYSZを付着させた材料についても検討されている(非特許文献8参照)。
【0007】
(5)また、固体酸化物形燃料電池用燃料極材料およびその製造方法において、NiOが10μm程度、8YSZが20〜40μmと0.6μm程度の各粒子粉末を用いたものは既に本件出願人によって開示されている(特許文献1、非特許文献9参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−306361号公報
【非特許文献1】
電力中央研究所報告 W93019「SOFC用燃料極の高性能化に関する研究−カレント・インターラプション法によるSOFCの劣化現象の解明−」,財団法人電力中央研究所,平成6年5月
【非特許文献2】
「電気化学協会第60回大会講演要旨集」,平成5年4月1〜3日,p.269
【非特許文献3】
「第33回電池検討会講演要旨集」,平成4年9月16〜18日,p.35−36
【非特許文献4】
「電気化学協会第59回大会講演要旨集」,平成4年4月2〜4日,p.197
【非特許文献5】
「電気化学協会第60回大会講演要旨集」,平成5年4月1〜3日,p.270
【非特許文献6】
「電気化学協会第59回大会講演要旨集」,平成4年4月2〜4日,p.198
【非特許文献7】
「第18回固体イオニクス討論会講演要旨集」,平成4年10月12〜13日,p.5−8
【非特許文献8】
「電気化学協会第59回大会講演要旨集」,平成4年4月2〜4日,p.199
【非特許文献9】
電力中央研究所報告 W94016「SOFC燃料極の高性能化に関する研究−電極ミクロ構造の改良による長寿命化」,財団法人電力中央研究所,平成7年5月
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)〜(4)の従来技術は、特に燃料極の性能の向上のみが目的であり、長時間作動時の劣化についての検討が不十分であるとともに、製造コストに直接影響する製造工程に関する配慮がなされておらず、あるいは製造工程の複雑さから製造コストが高価になると考えられる。
【0010】
また、(4)の製法の場合は、特殊な雰囲気を必要とするために設備コストが高くなる、原料の歩留まりまたは収率が低い、完全なバッチ処理(連続製造には不向き)を必要とする、等の理由からコストが高くなると考えられる。
【0011】
また、(5)の段階では、簡便な製造技術を用いて、低コストに大量生産出来る作製法を採用しており、さらにSOFCの燃料極に用いた場合では、従来材料と同等の性能を上記(1)に述べられているような劣化を起こさずに維持することが達成されている。しかし、上記(5)の段階では性能向上の可能性が未知数であったため、粒径比の検討によって最も優れた材料を決定することが望まれていた。
【0012】
そこで、本発明は、より一層の高性能化・高出力化と長寿命化を実現でき、しかも製造コストが低廉で済む固体酸化物形燃料電池用燃料極材料を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本願発明者は、SOFC用燃料極材料に用いる各粉末の粒径を変更し、その微細構造を改良するという試験と検討を行った。従来の固体酸化物形燃料電池用燃料極材料は細かいNiOと8YSZとの混合粉体であり、その改善のために開発された材料としては、例えば5〜20μm程度の粒径のNiO、20〜40μm程度の粒径の8YSZ(粗YSZ)、0.1〜1μm程度の粒径の8YSZ(微YSZ)が用いられたもの等がある。これに対し、本願発明者は、さらに各粉末の粒径比を変化させることによって評価項目毎の評価を行って適用可能な粒径比の範囲を明らかにすることを試みた。そして、その結果、粒径比ならびに重量混合比という条件を絞り込み最適化することにより燃料極の性能を長時間維持することが可能となり、かつその性能の向上を達成させ得ることを知見するに至った。
【0015】
さらに、本願発明者は、本材料の原料粉末である粗YSZ粉末、NiO粉末、微YSZ粉末の混合比と各材料の収縮挙動、気孔率、導電率変化、電極性能等で定義した劣化要因との各データを収集した関係解明により、燃料極として適用性の高い混合領域が存在するかどうか種々試験と検討をし、本材料を適用したSOFCの製造時や発電条件下における劣化挙動を把握した。この結果、劣化要因の各許容範囲を例えば収縮率≦5.0%、気孔率≧30.0%、導電率≧100S/cmとした場合において、粗YSZ粉末、NiO粉末、微YSZ粉末を4:6:1の重量比で混合した場合に燃料極性能の長時間維持が可能であると共に最も優れた電極性能(つまり過電圧が最小の状態)を達成出来ることが知見された。例えば、各種YSZ支持形燃料極の過電圧経時変化について試験した結果(図4参照)、重量比4:6:1の場合に最小過電圧となり、尚かつ試験時間2500時間経過の際にも燃料極性能の維持が可能であることが確認された。
【0016】
さらに本願発明者は、本材料を用いたSOFCの一層の高性能化には各原料粉末の粒径比を最適化する必要があると考え、粗YSZ粉末、NiO粒子粉末、微YSZ粉末の重量混合比が上述のように4:6:1であって、粒径が異なる各原料粉末を用いたYSZ支持形燃料極材料について、劣化要因と発電状態における電極性能を評価してSOFC用燃料極として最も適した原料粉末の粒径比を明らかにする試験を行った。ここでは、粒径を制御した粗YSZ、NiO、微YSZの各粒子粉末を混合した34種類の材料をサンプルとし、これら粒径が異なる原料粉末を用いたYSZ支持形燃料極の各劣化要因評価試験を行った。そして、これにより電極微細構造は図1に示すように変化することを知見した。図中の34箇所の○がこれら34種類の材料を表している。ここでの各試料は、プレス成形後に大気中で第一の仮焼温度(1400℃)にて焼成して得られたものである。上述したように、粗YSZ粉末(粗粒相当YSZ粉末)と微YSZ粉末(微粒相当YSZ粉末)とでは仮焼の有無に違いがある。ここでは、粗YSZ、NiO、微YSZの各粉末粒径をa,b,cとし、試料として用いた材料をa−b−cの形で表している。また図1において、粗YSZ粉末〜NiO粉末の辺では、NiOの方に行くに従ってNiO粒径に対する粗YSZ粒径の比が小さくなり、逆に粗YSZの方に行くに従って粗YSZ粒径に対するNiO粒径の比が小さくなる。同様にNiO粉末〜微YSZの辺では、微YSZの方に行くに従って微YSZ粒径に対するNiO粒径の比が小さくなり、逆にNiOの方に行くに従ってNiO粒径に対する微YSZ粒径の比が小さくなる。更に微YSZ〜粗YSZの辺では、粗YSZの方に行くに従って粗YSZ粒径に対する微YSZ粒径の比が小さくなり、逆に微YSZの方に行くに従って微YSZ粒径に対する粗YSZ粒径の比が小さくなる。三角形の各点は、上記の法則に従って三種類の粒子の粒径比を表す。また、これらの中で斜線で示した範囲に入るものが上述した収縮挙動、気孔率、導電率変化から判断される適用可能な材料ということになり、それ以外は適用できない材料であるということがわかった。
このような評価試験の結果、以下のことが明らかになった。
1.劣化要因(図1参照)
(1)1.0 μm以下のNiO・微YSZ粒子粉末は大気中焼成時の収縮が大きく、これらを用いた材料の線収縮率は許容値( 5.0 %)を上回った。一方、還元雰囲気中での線収縮率は全ての材料で 1.0 %以下と小さく、発電時の収縮挙動は劣化に影響しないと考えられた。
(2) 気孔率は、全ての材料で許容範囲( 30.0 %以上)を満足するが、粗YSZ粒径≧ 66.0 μm、NiO≧粒径 34.0 μmを用いた材料は、粗YSZ・微YSZによるYSZ骨格の強度低下によって脆くなる。
(3) 導電率は、NiO粒径= 1.0 μmを用いた材料、およびNiO粒径:微YSZ粒径比がほぼ1:1の材料において許容範囲( 100 S / cm以上)を満たし、経時変化もほとんど生じなかった。
2.電極性能の評価(図2参照)
電極性能評価を実施し、安定性が最も高く、過電圧が最も小さい材料を知見した(図2参照)。つまり、燃料極として適用性が高いと判断された各試料の過電圧(燃料極での電圧損失)は、粗YSZ、NiOおよび微YSZの粒径がそれぞれ 27.0 μm、 1.0 μm、 0.4 μmの粒子粉末を用いた場合に最小となった。なお、図2の説明中のQ H2 、Q air はそれぞれ水素ガス、空気の流量を示している。
以上より、粗YSZ・NiO・微YSZ粒子粉末の重量混合比を4:6:1とした材料では、NiOと微YSZを同一範囲内の粒径にすれば燃料極の劣化要因許容範囲を満足することがわかった。さらに、粗YSZに対するNiO・微YSZ粒径比を30:1(粗YSZ粒径の約1/30)にすると、過電圧が小さく、長期安定性に優れたYSZ支持形燃料極材料が得られることがわかった。なお、ここでいう「同一範囲」とは粒径が一致する場合のみならず、上述した収縮挙動、気孔率、導電率変化から判断される適用可能な材料であって図1の斜線で示した適用可能領域の範囲内に収まる場合をも含む意味である。
請求項1記載の発明はかかる知見に基づくもので、酸化ニッケルNiOと8モル%のイ ットリアで結晶構造を安定化させたジルコニア8YSZとして、造粒及び仮焼が行われた後に分級して得られる粒径27.0μmの8YSZ仮焼粉末粒子から成る粗粒相当YSZ粉末と、粒径0.4μmの8YSZ微粉粒子から成る微粒相当YSZ粉末とが用いられ、NiOには粒径1.0μmのNiO微粉粒子から成るNiO粒子粉末が用いられ、粗粒相当YSZ粉末:NiO粒子粉末:微粒相当YSZ粉末の重量混合比が4:6:1であることを特徴とするものである。この場合、高い電極性能を有する燃料極材料が得られることが確認された。
【0017】
この場合、粗YSZ粉末に相当する8YSZ仮焼粉末粒子と、微YSZ粉末に相当する8YSZ微粉粒子および8YSZ造粒粉末粒子と、NiO粉末であるNiO微粉粒子およびNiO仮焼粉末粒子とが、燃料極としての適用性が高くなる領域において混合されることにより、燃料極性能の長時間維持が可能となると共に過電圧が最小の状態になるという最も優れた電極性能が達成される(図4参照)。8YSZ微粉粒子から8YSZ造粒粉末粒子を造粒するにはスプレードライヤで造粒することが一般的だが特にこの手段に限られることはなく、例えば噴霧熱分解法でも構わない。
【0018】
なお、燃料極材料の最適な粒径を明らかにすることを目的とした今回の試験では、各粉末粒子の粒径を変化させる必要があり、その結果として粗YSZ粒子と微YSZ粒子の粒径が逆転する場合が生じた。ただし、これらの粉末には元々機能(役割)が付加されており、その機能は原料粉末を大気中仮焼温度(例えば1400℃)で仮焼きしているかどうかで決定されることから、このように粒径が逆転したか否かに関わらず本来の粗(微)YSZの範囲に含めるため、本明細書では「粗粒相当YSZ粉末」、「微粒相当YSZ粉末」というように「相当」という用語を用いることとした。
【0019】
また、今回の試験では第一の仮焼温度を1400℃、第二の仮焼温度を1000℃というように最も好ましいと考えられた温度に設定したが、これら温度は好適な一例であってこのような値に限定されるものではない。すなわち、所定の劣化要因許容範囲や電極性能を得るためには最終的に出来上がりの燃料極ミクロ構造を概念通りのものにする必要があり、このような視点からすれば予め行う熱処理温度は特に限定されることがない上、ある程度の誤差が許容される。ただ、ボールミルを用いた粉混ぜ法で作製している以上、特に粗YSZを壊さないようにするにはある程度の熱処理は必要である。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に係る燃料極材料は、比較的大きな粒径を有するジルコニア粗粒子群(すなわち粗粒相当YSZ粉末)と、比較的小さな粒径を有するジルコニア微粒子群(すなわち微粒相当YSZ粉末)と、酸化ニッケルないしニッケル粒子群(すなわちNiO粒子粉末)との混合物からなる。図3は、本発明に係る燃料極材料を用いて、燃料極を形成した場合におけるその微細構造を示す概念図であり、図中符号1はジルコニア粗粒子、符号2は酸化ニッケル粒子、符号3はジルコニア微粒子を示す。
【0028】
図3に示すように、ジルコニア粗粒子1は、燃料極中において骨格をなし、かつ粒子間にできる隙間(粒間細隙)によって気孔4を形成する。これらによって電解質(安定化ジルコニア製)との熱的整合性を図るとともに、焼結の進行による燃料極の収縮ならびに気孔の閉塞を防止する。またジルコニア微粒子3は、粒径の大きいジルコニア粗粒子1どうしをより強固に接着したり、電解質と燃料極の密着性をより良好にしたりする。そして大小のジルコニア粒子1,3によって電極全体の焼結性が制御され、ニッケルの凝集防止と電極反応場の増加が図られる。また、酸化ニッケル粒子2は、粒径の大きなジルコニア粗粒子1の周囲に分散され、電池作動時にニッケルに変化する。これによって、燃料極の電流パスを形成し、かつジルコニア粒子1,3と気孔4との界面において、電極反応を生じる。
【0029】
本発明の燃料極材料は、各種の形態の固体電解質燃料電池の燃料極の作製に好適に用いることができ、燃料電池、あるいは燃料極の形状等に何ら限定されることなく、いずれの場合であっても優れた性能を発揮し得る。
【0030】
本発明の燃料極材料の製造方法としては、特に限定されるものではないが、上述したような各粒子の所定の粒径、殊にジルコニア粗粒子1の粒径を維持して、安定に混合することができるように、ボールミルを用い、乾式条件にて攪拌混合することが望ましい。なおボールミルとしては、ポリ軟こう瓶とナイロン製ボールの組合せといった、比較的軟質の表面を有する装置とすることが望まれる。
【0031】
攪拌混合は、最初に8YSZ粗粒子とNiO粒子とを例えば、48〜60時間程度混合し、次いでこの混合物に8YSZ微粒子群を添加してさらに48時間程度混合することにより行なわれる。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極材料によると、空気中ならびに電池動作雰囲気中においても体積収縮や気孔率の減少といった緻密化が起こりにくいことから、従来の材料に対して長時間の安定性と電極性能が優れている。したがって、この燃料極材料を用いれば、SOFC発電に関してより一層の高性能化・高出力化と長寿命化が可能となる。粉末混合という簡便な方法で作製可能である点においては従来技術と異ならないため余計なコストがかからず、低廉なままで済む。
【0033】
また、種々の試験と検討によって明らかになった知見に基づき、粗YSZ、NiO、微YSZの各粒子粉末を最適な重量比で混合することにより、燃料極性能を長時間維持すると共に、最も優れた電極性能(つまり過電圧が最小であること)を達成することが可能となる。
【0034】
さらに、粗YSZ、NiO、微YSZの各粒子粉末を最適な重量比で混合することに加え、各粉末に最適値の粒径のものを用いることで、より高い電極性能を有する燃料極材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る評価試験に用いた各粉末粒径比、代表的なミクロ構造、SOFC用燃料極としての適用可能領域を示す図である。
【図2】試験に用いた材料の各粒子の粒径分布の測定結果を表すグラフである。
【図3】本発明に係る燃料極材料を固体酸化物形燃料電池に用いた際における燃料極の微細構造を示す概念図である。
【図4】各種YSZ支持形燃料極の過電圧経時変化の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ジルコニア粗粒子(粗粒相当YSZ粉末)
2 酸化ニッケル粒子(NiO粒子粉末)
3 ジルコニア微粒子(微粒相当YSZ粉末)
Claims (1)
- 酸化ニッケルNiOと8モル%のイットリアで結晶構造を安定化させたジルコニア8YSZとして、造粒及び仮焼が行われた後に分級されて得られる粒径27.0μmの8YSZ仮焼粉末粒子から成る粗粒相当YSZ粉末と、粒径0.4μmの8YSZ微粉粒子から成る微粒相当YSZ粉末とが用いられ、前記NiOには粒径1.0μmのNiO微粉粒子から成るNiO粒子粉末が用いられ、前記粗粒相当YSZ粉末:前記NiO粒子粉末:前記微粒相当YSZ粉末の重量混合比が4:6:1であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料極材料。
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