JP4199494B2 - 露光装置のマスク板固定治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、露光装置のマスク板固定治具に関し、詳しくは、PDP(プラズマディスプレイパネル)等の大型基板を露光する際に、マスク板のサイズが相違していても同じマスク板支持装置を利用して露光ができ、負圧吸着によるマスク板の自重を打ち消すことができる露光装置のマスク板固定治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDP、液晶パネル等の表示パネルの製造においては、透明板にパターンを描いたマスク板を原板として、感光材が塗布されたガラス基板に原板の映像を投影露光してパターンを複写する工程がある。この種の露光装置としては、特開平3−272127号、特開平4−5659号、特開平7−134426号等を挙げることができる。
図6は、後者の特開平7−134426号に示された露光装置におけるマスク板支持装置の要部の平面図およびマスク板支持部分を中心とする側面図であって、液晶パネルに対する露光装置である。
図6(a)において、マスク板1の外径と同一の寸法の4辺7a,7b,7c,7dにより、平面性が良好なフレーム7を構成し、各辺にエア吸着溝Grを設けて吸着面とする。これにエア吸着されたマスク板1は良好な平行度で保持される。
【0003】
次に、フレーム7の1辺7aの中央部と、この対向辺7cの両端付近の対称的な2箇所とに、図6(b)に示す、L形金具81と、先端にスチールボールSを有する調整ねじ82よりなる支持具8をそれぞれ取り付ける。各調整ねじ82を回転して、3個の各スチールボールSの位置がフレーム7の下面に対して同一距離となるように調整し、3個の各スチールボールSを支持部材3の水平部3aに搭載してフレーム7を3点支持する。
次に、1辺7aの両端付近の対称的な2箇所と対向辺7cの中央部とに、(c)に示す、L形金具91と取り付け具92およびこれらを結合する結合ピン93よりなる結合具9をそれぞれ設ける。支持部材3の水平部3aにL形金具91を、フレーム7に取り付け具92をそれぞれ固定すると、支持部材3に対してフレーム7がフレキシブルに結合される。
以上により、小型のマスク板1は湾曲せず、またフレーム7も歪曲することなく、マスク板1は支持部材3に良好な平行度で固定され、焦点調整の精度が向上して正確な露光が可能となる。
【0004】
ところで、マスク板1の下側には被露光板の載置台(ガラス板チャックステージ)が配置されていて、プロキシミティ方式の露光に際しては、マスク板1とこの載置台に乗せられたガラス基板とのギャップがプロキシミティギャップ、すなわち、平行で微小なギャップΔg(例えば、50〜100μm)に調整される。この調整においては、載置台を下降させてガラス基板を載置した後、上昇させてマスク板1に接近させ、複数のギャップ測定器により、通常、3点でマスク板1とガラス基板とのギャップが測定される。測定された3点のギャップを参照して、3個のチルト機構により、載置台の3箇所をそれぞれ上昇または下降させてマスク板1とガラス基板とが均一のギャップΔgとなるように調整される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記は小型の液晶パネルの例である。一方、最近では、PDPは、30インチを越えるような大型のTVに使用される。その関係で、液晶パネルよりも大きな基板が使用され、かつ、そのサイズも種々のものがあって、さらに大型化が進んでいる。そのため、そのマスク板も大型化してきている。
そこで、図6に示すような液晶パネルのマスク板支持機構では、30インチを越えるような大型のマスク板の露光はできない。その理由は、自重のたわみが発生してガラス基板とのギャップΔgを均一に保持できないからである。
従来、この自重たわみを補正するために2つの方式が提案されている。
その1つは、マスク板の対向する2辺を支持する際にたわみとは逆方向にモーメントを掛ける2辺矯正方式であり、他の1つは、マスク板の上部を密閉空間にして内部を負圧にすることでマスク板の自重を打ち消す方式である。
前者の2辺矯正方式は、基板の大きさに限界があって、基板が大きくなればなるほど均一な矯正をすることが難しい。後者の自重を打ち消す方式は、密閉空間を形成する関係からマスク板のサイズごとにマスクホルダを設けることが必要になる。そのためこのマスクホルダを支持する露光装置側に固定される支持機構を含めたマスク板支持装置をマスクサイズ対応に設けなければならず、マスク板等の搬送ロボットもそれに対応させる必要がある。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、PDP等の大型基板を露光する際に、マスク板のサイズが相違していても同じマスク板支持装置を利用して露光ができ、負圧吸着によるマスク板の自重を打ち消すことができる露光装置のマスク板固定治具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成する第1の発明の露光装置のマスク板固定治具の特徴は、露光光を透過させる窓を有するマスクホルダベースに設けられた吸着孔を介して着脱可能に吸着保持されてマスクホルダを形成する露光装置のマスク板固定治具であって、
外形が吸着孔をカバーするものであり、その内径は、装着される矩形のマスク板のサイズに合わせて開けられた矩形の開口により形成され、開口の周囲にはマスク板を保持するために矩形の各辺に対応して複数個設けられた複数のクランパを有し、開口に合うサイズのマスク板の各辺が複数のクランパにより保持され、マスクホルダベースにこのマスク板固定治具が吸着保持されかつマスク板とマスクベースとの間の空間のエアーが吸引されることでこの空間が負圧室となるものであって、このマスク板固定治具の面密度がマスク板の面密度と等しくなるようにその板厚が選択されているものである。
また、前記の目的を達成する第2の発明の露光装置のマスク板固定治具の特徴は、露光光を透過させる窓を有するマスクホルダベースに着脱可能に保持されてマスクホルダを形成する露光装置のマスク板固定治具であって、
外形が吸着孔をカバーするものであり、その内径は、装着されるマスク板のサイズに合わせて形成された開口により形成され、開口の周囲にはマスク板を吸着する吸着孔とマスク板を保持するためのクランプ機構とが設けられた板状部材であり、開口に合うサイズのマスク板が開口の周囲に設けられた吸着孔により吸着されてマスク板が保持され、マスクホルダベースにこのマスク板固定治具が吸着保持されることでマスクベースとの間で負圧室となる空間が形成され、マスク板が吸着保持されていないときにはマスク板がクランプ機構により保持され、このマスク板固定治具の面密度がマスク板の面密度と等しくなるようにその板厚が選択されているものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の構成のように、第1および第2の発明にあっては、マスク板固定治具がマスクホルダに着脱可能に吸着保持されるマスクアタッチメントとなっていて、第1の発明にあっては、開口の周囲に矩形のマスク板を保持するために矩形の各辺に対応して複数個、クランパを設けているので、このクランパにより面精度の高い矩形のマスク板の各辺をを保持することで、気密状態に近い状態で吸着されたこのマスク板固定治具を介してマスク板をマスクホルダベースに装着することが可能になる。そこで、マスク板とマスクベースとの間の空間のエアーを吸引することでこの空間が負圧室となり、マスク板をマスクベースに密着させることができる。
また、第2の発明にあっては、このマスク板固定治具がマスクホルダベースに保持されていないときには、クランプ機構によりマスク板を保持するので、マスク板固定治具にマスク板を装着した状態でこれらを一体的に取り扱うことができる。
これら第1,第2の発明にあっては、マスク板固定治具を介してマスク板をマスクホルダベースに装着するようにしているので、マスク板固定治具の内径を決める開口の大きさに応じたマスク板を選択的にマスクホルダベースに装着することができる。
このように、マスク板固定治具の外形サイズが一定しているので、マスクサイズに関係なく、種々の形状のマスク板をもつ同一形状のマスクホルダを用意することができ、マスク板固定治具の搬送処理等も容易になる。さらに、マスクホルダベースとマスク板固定治具とにより負圧室が形成されるので、マスク板の自重を負圧により打ち消すことができ、自重によるたわみを防止することができる。その結果、PDP等の大型基板を露光する際に、マスク板のサイズが相違していても同じマスク板支持装置を利用して露光することができる。
【0008】
【実施例】
図1は、この発明のマスク板固定治具を用いたマスク板支持機構の説明図であって、(a)は、マスク板支持装置の断面図、(b)は、マスク板固定治具を用いたマスクアタッチメントの斜視図、図2は、クランパが相違する他のマスク板固定治具の実施例の平面図、図3は、さらに他のマスク板固定治具の平面図、図4は、さらに他のマスク板固定治具の平面図、図5は、図4のマスク板固定治具にマスク板を装着した状態の斜視図である。なお、図6と同様な構成要素は同一の符号で示し、それらの説明を割愛する。
図1(a)において、マスク板支持装置10は、マスクホルダベース2とマスクアタッチメントプレート11とからなるマスクホルダと、このマスクホルダを支持する図6に示した支持部材3とからなる。そして、マスクアタッチメントプレート11は、マスク板1とこれが装着されるマスク固定治具13とで構成されている。
マスクホルダベース2は、図6のフレーム7に対応するものであり、フレーム7の場合と同様に結合具9と支持具8の3個のスチールボールSを介して支持部材3に支持される。マスクホルダベース2は、マスク板の露光最大エリアに対応する矩形の開口4aを有する額縁状のフレーム5を有し、これには開口4aの露光光を受ける上面にはマスク板1と同じ材質のウインドー板5aが接着剤により固定され、装着されたマスク板1とともに開口4aの空間を気密状態に保持している。これにより開口4aの空間が負圧室6を形成している。
【0009】
フレーム5の開口4aの下面には、マスクアタッチメントプレート11が真空吸着により固定されている。そのために、フレーム5とマスクアタッチメントプレート11との当接面には矩形の辺に沿って矩形溝が二重に形成されていて、それが図1(a)に示すように、吸着孔4b,4bとして設けられている。これらの吸着孔4b,4bは、ポート6aを介してエアー吸引されてマスクアタッチメントプレート11がフレーム5の下面に負圧吸引される。
また、フレーム5の開口4aにより形成される負圧室6を負圧にするためにポート6aとは反対側に負圧室6に連通するポート6bが開けられていて、このポート6bを介して負圧室6のエアーが吸引されて負圧に保持され、マスク板1の自重を打ち消し、それが自重でたるむのを防止している。
マスクアタッチメントプレート11は、図1(a)および(b)に示すように、マスク板1とこのマスク板1の大きさより一回り小さい矩形の開口12aを有する額縁状のマスク固定治具13とからなり、このマスク固定治具13の下面に開口12aに適合する大きさのマスク板1が吸着固定され、さらにマスク固定治具13の下面に設けられた12個のクランパ(クランプ機構)14,14,…14によりマスク板1が開口12aに合わせて固定されている。ここでは、矩形の開口12aにより形成される空間は、開口4aに連続して負圧室6の一部となっている。
【0010】
クランパ14は、図1(b)に示すように、マスク固定治具13の各辺に対応して3個ずつ均等間隔で設けられていて、マスク固定治具13の下面に沿ってスライドして中心部に向かって進退する。なお、クランパ14,14,…14がスライドする溝は図では現れていないが、マスク固定治具13の下面に直線状に刻まれていて、これに逆山型の突起が嵌合することで下面から落ちることなく、スライドする。クランパ14がマスク板1の内側に(中心に)向かって前進したときには、先端側に段部として形成された爪部分14aがマスク板1の下面と当接係合することで、マスク板1の各辺を保持する。また、クランパ14が後退したときにはマスク板1の下面から先端側の爪部分14aが外れてマスク板1の吸着が解除されているときにマスク固定治具13の下面からマスク板1を取外すことができる。なお、爪部分14aの係合面は、前進方向にマスク固定治具13の下面との間隔が少し広がるように微少な角度の傾斜面となっている。
このクランパ14は、手動で進退させ、このクランパ14によりマスク板1の下面を保持する。このことでマスク板1が装着されたマスク固定治具13(マスクアタッチメントプレート11)を搬送するときに、あるいはマスク板1をマスクアタッチメントプレート11に吸着するときにマスク板1が落下しないで済む。
【0011】
マスク固定治具13の下面には、マスク板1との当接面に矩形の辺に沿って矩形溝が形成され、それが吸着孔12bとして設けられている。この吸着孔12bは、ポート12cを介してエアー吸引されてマスク板1がマスク固定治具13の下面に負圧吸引される。この吸引保持によりマスク板1は、マスク固定治具13と密着し、これによりマスク固定治具13とマスク板1との位置と厚さ方向の精度が確保される。一方、マスクアタッチメントプレート11もマスクホルダベース2と密着してマスクアタッチメントプレート11に同様に高精度に位置決め保持される。
ポート6aとポート6b、そしてポート12cは、これらの端部開口に真空パッド(図示せず)が押し当てられ、エアーが吸引されることで、マスク板1とマスク固定治具13、そしてマスクアタッチメントプレート11とマスクホルダベース2とのそれぞれの吸着が行われる。したがって、このような吸着を解除すれば、マスク板1とマスク固定治具13、そしてマスクホルダを構成するマスクアタッチメントプレート11とマスクホルダベース2との分離は容易にでき、マスク板1の着脱も容易にできる。
15は、被露光板の載置台(ガラス板チャックステージ)であって、マスク板1の下側に配置され、XYZステージ16により上下移動とともに左右に移動する。載置台15には、被露光板としてPDPのガラス基板17が載置されている。このとき、ギャップΔgは、50〜100μmにXYZステージ16により調整される。
【0012】
ここで、マスクアタッチメントプレート11のマスク固定治具13は、露光に使用するマスク板1の大きさに応じてそれに対応する開口12aを持つものが用意される。もちろん、このとき、開口12aは、マスク固定治具13に装着されるマスク板1の外形より少し小さいが、開口12aの大きさにほぼ対応している。
マスクホルダベース2の開口4aの大きさは、最大露光範囲に対応しているので、マスク固定治具13としては、これよりも小さい種々の大きさの開口12aを持ち、外形が同じものを多数用意する。これにより、マスクホルダベース2に対するマスクアタッチメントプレート11の取り付は、マスク板1の大きさが変わってもマスク固定治具13の枠が吸着孔4b,4bをカバーする外形寸法(サイズ)であればよく、等しい外形とすることができる。
【0013】
ここで、マスクアタッチメントプレート11のマスク固定治具13の材質は、CFRP(カーボン・ファイバグラス・リインフォースド・プラスチック)、いわゆる炭素繊維強化プラスチックであり、これにより形成され、その表面にはポリイミドフィルム13aがコーティングされている。炭素繊維強化プラスチックは、強度が高く、その比重がガラス板の比重の半分程度であるので、厚さDをマスク板1の2倍か、それ以上にすることができる。これによりマスク板1を含めてマスクアタッチメントプレート11のたわみ強度を増加させる。また、ポリイミドフィルム13aのコーティングは、紫外線に対して炭素繊維強化プラスチック製マスク固定治具13の劣化防止機能とマスク洗浄の際の耐薬品性を向上させる機能がある。
【0014】
マスク固定治具13の板厚D(図1(b)参照)によるこの板の面積当たりの重さ(面密度)は、装着されるマスク板1の面積当たりの重さ(面密度)に対応している。そこで、装着されるマスク板1の大きさに応じてマスク固定治具13の開口12aが増減しても、それによるマスク固定治具13の枠幅の減増がマスク板1の大きさの変化による重さの増減を打ち消すことができ、マスク板1を装着したマスクアタッチメントプレート11全体としての重さは、マスク板1のサイズが変化しても、その重量に変化がほとんどないようになっている。
すなわち、マスク固定治具13の板厚Dによりこれの面密度を装着されるマスク板1の面密度と合わせることで、マスクアタッチメントプレート11全体の重量がマスク板のサイズに関わらずほぼ一定になるように選択することができる。このようにすることで、マスク板交換時やマスクアタッチメントプレート11の搬送時に重量の変化を最小限に抑えてかつ外形を等しくして、マスクアタッチメントプレート11の搬送を安全で確実な状態で行うことができる。
以上により、大型のマスク板1であっても自重による湾曲はせず、またマスクアタッチメントプレート11もマスクホルダベース2も歪曲することなく、マスク板1は、マスク板支持装置10に良好な平行度で固定されて正確な露光が可能となる。
【0015】
図2は、他のマスク固定治具130の平面図であり、マスク固定治具13のスライド型のクランパ14に換えて、根本を回動中心としたL字型のレバーによりLの先端側を爪としてこれを回動して先端側を出し入れするクランパ140を設けたものである。クランパ140は、長辺に4個、短辺に2個の合計で12個設けられている。141a,141b,141c,141dは、それぞれ対向する辺に対応して設けられたマスク位置決めピンであり、141dのみ角に設けられていて、このピンは移動可能である。142は、搬送用のロボットの指が接触する位置に対応して設けられた当接円板(座面)であり、143は、吊下げ金具である。
なお、吸着孔12bは、この例では、細長い独立溝となっていて、短辺に1個、長辺に2個、それぞれの辺に沿って設けられている。そして、それぞれの溝に連通するようにポート12cがそれぞれに対応して設けられている。
マスク固定治具130の外形形状は、マスク固定治具13と同じであり、例えば、その外形は、1500mm×1900mmであり、マスク板1を装着する開口12aは、1050mm×1250mmの大きさである。これに装着されるマスク板1は、横長のものである。
図3は、他のマスク固定治具131の平面図であり、その外形は、マスク固定治具131と同じ、1500mm×1900mmであるが、開口12aは、1250mm×750mmであり、これに装着されるマスク板1は、図2とは逆に縦長の基板になる。また、吸着孔12bを構成する細長い独立溝は、図2とは逆に短辺に2個、長辺に1個、それぞれの辺に沿って設けられている。
【0016】
図4は、さらに他のマスク固定治具132の平面図であり、クランパ140を各辺に4個づつ合計で16個設けたものである。
吸着孔12bは、細長い独立溝となっていて、各辺に2個づつ辺に沿って設けられている。また、それぞれの溝に連通するようにポート12cがそれぞれ設けられている。
マスク固定治具132の外形は、マスク固定治具131と同じ、1500mm×1900mmであるが、開口12aは、1500mm×1650mmとなっていて、これに装着されるマスク板1a(図5参照)は図2のマスク板1よりも短辺,長辺ともに長いものになっている。
【0017】
図5は、そのマスク板1aを装着した状態の斜視図であって、これら図4,図5において、マスク固定治具132の3辺には、マスク板1aの治具への装着をガイドする円錐状のガイドポール144が設けられている。残りの1辺にはマスク板1aを落とし込むためのマスク装填ガイド145が設けられている。マスク装填ガイド145は、マスク板1aを指が入る間隙をもって一時的に係支する回転式の一時係支機構である。これは、回転レバー146が頭部に水平に固定された円錐状のポールであり、回転可能にマスク固定治具132に軸支されている。そして、マスク装填ガイド145の側面には螺旋のフランジ147が設けられていて、このフランジ147の高い位置にマスク板1aの1辺が載ることで、マスク板1aをマスク固定治具132に装着したときに、マスク固定治具132の上面とマスク板1aとの間に指が入るだけの隙間をその一部に確保する。
これにより指を挟み込むことなく間隙をもってマスク固定治具132上にマスク板1aを一時的に載置することができる。
次に、マスク装填ガイド145の回転レバー146を手動で回転していけば、螺旋のフランジ147に沿ってマスク板1aの係支された1辺をフランジの螺旋に沿って降下していき、マスク固定治具132の上面に落ち込む。ここで、クランパ140でマスク板1aをクランプすることで、マスク固定治具132にマスク板1aを安全に装着することができる。
【0018】
ところで、マスク板1aが大型になると、マスク固定治具132へのマスク板1aの装着は難しくなり、指を挟むことのほかに、マスク板の変形や周辺欠けなどの不具合が発生し易い。しかし、前記のような構成を採ることで、安全に誰でも容易にマスク板1aをマスク固定治具132へ装着することができる。
【0019】
以上説明してきたが、実施例では、プロキシミティ方式の露光装置の例を中心としてマスク板固定治具の説明をしているが、この発明は、密着方式の露光装置のマスク板固定治具としても使用できることはもちろんである。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、この発明にあっては、マスク板固定治具がマスクホルダに着脱可能に保持されるマスクアタッチメントとなっていて、マスク板固定治具を介してマスク板をマスクホルダベースに装着するようにしているので、マスク板固定治具の内径を決める開口の大きさに応じたマスク板を選択的にマスクホルダベースに装着することができる。
その結果、PDP等の大型基板を露光する際に、マスク板のサイズが相違していても同じマスク板支持装置を利用して露光することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明のマスク板固定治具を用いたマスク板支持機構の説明図であって、(a)は、マスク板支持装置の断面図、(b)は、マスク板固定治具を用いたマスクアタッチメントの斜視図である。
【図2】図2は、クランパが相違する他のマスク板固定治具の実施例の平面図である。
【図3】図3は、さらに他のマスク板固定治具の平面図である。
【図4】図4は、さらに他のマスク板固定治具の平面図である。
【図5】図5は、図4のマスク板固定治具にマスク板を装着した状態の斜視図である。
【図6】図6は、特開平7−134426号に示された露光装置におけるマスク板支持装置の要部の平面図およびマスク板支持部分を中心とする側面図である。
【符号の説明】
1,1a…マスク板、2…マスクホルダベース、
3…支持部材、4a,12a…開口、
4b,4b,12b…吸着孔、
5…フレーム、5a…ウインドー板、
6…負圧室、6a,6b,12c…ポート、
7…フレーム、7a,7b,7c,7d …フレーム、
8…支持具、81…L形金具、82…調整ねじ、
9…結合具、91…L形金具、92…取り付け具、93…結合ピン、
10…マスク板支持装置、11…マスクアタッチメントプレート、
13,131,132…マスク固定治具、14,140…クランパ、
14a…爪、
141a,141b,141c,141d…マスク位置決めピン、
142…座面、
143…吊り下げ金具、144…ガイドポール、
145…マスク装填ガイド、146…回転レバー、
147…螺旋状にフランジ、
15…載置台(ガラス板チャックステージ)、
16…XYZステージ、17…ガラス基板、
Gr …エア吸着溝、S…スチールボール。
Claims (4)
- 露光光を透過させる窓を有するマスクホルダベースに設けられた吸着孔を介して着脱可能に吸着保持されてマスクホルダを形成する露光装置のマスク板固定治具であって、
外形が前記吸着孔をカバーするものであり、その内径は、装着される矩形のマスク板のサイズに合わせて開けられた矩形の開口により形成され、前記開口の周囲には前記マスク板を保持するために前記矩形の各辺に対応して複数個設けられた複数のクランパを有し、前記開口に合うサイズの前記マスク板の各辺が前記複数のクランパにより保持され、前記マスクホルダベースにこのマスク板固定治具が吸着保持されかつ前記マスク板と前記マスクベースとの間の空間のエアーが吸引されることでこの空間が負圧室となるものであって、
このマスク板固定治具の面密度が前記マスク板の面密度と等しくなるようにその板厚が選択されている露光装置のマスク板固定治具。 - 露光光を透過させる窓を有するマスクホルダベースに設けられた吸着孔を介して着脱可能に吸着保持されてマスクホルダを形成する露光装置のマスク板固定治具であって、
外形が前記吸着孔をカバーするものであり、その内径は、装着されるマスク板のサイズに合わせて形成された開口により形成され、前記開口の周囲には前記マスク板を吸着する吸着孔と前記マスク板を保持するためのクランプ機構とが設けられた板状部材であり、
前記開口に合うサイズの前記マスク板が前記開口の周囲に設けられた吸着孔により吸着されて前記マスク板が保持され、前記マスクホルダベースにこのマスク板固定治具が吸着保持されることで前記マスクベースとの間で前記負圧室となる空間が形成され、前記マスク板が吸着保持されていないときには前記マスク板が前記クランプ機構により保持され、このマスク板固定治具の面密度が前記マスク板の面密度と等しくなるようにその板厚が選択されている露光装置のマスク板固定治具。 - 前記マスク板と前記マスクホルダとは矩形であって、前記マスク板固定治具は、炭素繊維強化プラスチック製でかつ矩形である請求項2記載の露光装置のマスク板固定治具。
- 前記クランプ機構は、矩形の各辺に複数個設けられたクランパからなり、前記各辺の少なくとも3辺には、前記マスク板の装着をガイドする円錐状のガイドポールが設けられ、残りの1辺には、指が入り込む隙間でマスク板を一時的に係支し、前記マスク板の係支を解除する一時係支機構が設けられている請求項3記載の露光装置のマスク板固定治具。
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