JP4199325B2 - 紫外線硬化性樹脂組成物並びにフォトソルダーレジストインク - Google Patents

紫外線硬化性樹脂組成物並びにフォトソルダーレジストインク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン性不飽和基とカルボキシル基を併有するセルロース誘導体系化合物を含んでなる希アルカリ水溶液で現像可能な紫外線硬化性樹脂組成物であって、エッチングレジストインク、めっきレジストインク等のプリント配線板製造用フォトレジストインク、並びにカラーフィルターの保護膜や画素子に好適に用いられるものに関する。この紫外線硬化性樹脂組成物は微細・高密度の導体パターンを有するプリント配線板の製造に好適に用いられるフォトソルダーレジストインクとして最適なものである。
【0002】
【従来の技術】
民生用及び産業用の各種プリント配線板の導体パターンの微細・高密度化に対応するために、ソルダーレジスト形成においても解像性及び寸法精度等に優れた現像可能な液状のフォトレジストインク等が好んで用いられている。この液状のフォトソルダーレジストインクとしては、例えば特開昭61−243869号公報に開示されるように、一般的には希アルカリ水溶液に可溶な紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤及びエポキシ化合物からなる希アルカリ水溶液で現像可能なものが用いられる。
【0003】
上記される紫外線硬化性樹脂には、アルカリ水溶液による現像を可能とするに十分な量のカルボキシル基が導入されている。また、これらのインク中に配合される熱硬化性エポキシ化合物はその重合あるいはソルダーレジスト中に存在するカルボキシル基との反応によりソルダーレジストの架橋密度を向上させることで最終的に形成されるソルダーレジストを熱的、化学的に安定させる効果を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記レジストインク中にエポキシ化合物を配合する場合、紫外線硬化性樹脂等の中に存在するカルボキシル基との反応による熱硬化が予備乾燥条件下においても起こるため、現像工程での現像不良及び解像性不良等を生じ易かった。このため、エポキシ化合物の使用量はこれらの問題を生じない範囲に限定されてしまい、形成されるレジストの耐熱性及び耐電蝕性などの被膜物性向上には一定の限界があった。したがって、現状では希アルカリ水溶液で現像可能な液状のフォトソルダーレジストインクは従来から用いられてきた熱硬化型のソルダーレジストに比べて半田耐熱性、耐電蝕性等の物性面で若干劣る点があり、これらの改良が望まれていた。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、解像性、感度及び半田耐熱性等に優れ、また優れた基板密着性、耐薬品性、耐電蝕性及び電気特性並びに特に優れた半田耐熱性等を示すソルダーレジストを基板上に形成することができる希アルカリ水溶液で現像可能なフォトソルダーレジストインクを調製することができるセルロース誘導体系化合物を用いた紫外線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
また本発明は、解像性、感度及び半田耐熱性等に優れると共に、優れた基板密着性、耐薬品性、耐電蝕性及び電気特性並びに特に優れた半田耐熱性等を示すソルダーレジストを基板上に形成することができる希アルカリ水溶液で現像可能なフォトソルダーレジストインクを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基を有するセルロース誘導体(a)に、分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(b)と飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)を反応させて生成されるセルロース誘導体系化合物
(B)エチレン性不飽和結合を持つ紫外線硬化性樹脂
(D)光重合開始剤
(E)希釈剤
を含有して成ることを特徴とするものであり、紫外線硬化性とアルカリ可溶性を兼ね備え、セルロース骨格によってフレキ性が付与されていると推測されるセルロース誘導体系化合物(A)及び紫外線硬化性樹脂(B)を含むことで、光硬化性の調整、及び硬化膜の物性の調整を行うことができる。
【0009】
また本発明の請求項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基を有するセルロース誘導体(a)に、分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(b)と飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)を反応させて生成されるセルロース誘導体系化合物
(C)多官能エポキシ化合物
(D)光重合開始剤
(E)希釈剤
を含有して成ることを特徴とするものであり、フレキ性を付与されたセルロース誘導体系化合物(A)を含有させることによって、形成される硬化被膜のフレキ性、硬度、耐熱性、及び基材への密着性に優れたものとし得るものである。
【0010】
また本発明の請求項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基を有するセルロース誘導体(a)に、分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(b)と飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)を反応させて生成されるセルロース誘導体系化合物
(B)エチレン性不飽和結合を持つ紫外線硬化性樹脂
(C)多官能エポキシ化合物
(D)光重合開始剤
(E)希釈剤
を含有して成ることを特徴とするものであり、フレキ性を付与されたセルロース誘導体系化合物(A)及び紫外線硬化性樹脂(B)を併有させることによって、形成される硬化被膜のフレキ性、硬度、耐熱性、及び基材への密着性に優れたものとし得ると共に、その解像性、現像性を優れたものとし得るものである。
【0011】
また本発明の請求項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物は、請求項1又は3の構成に加えて、(B)エチレン性不飽和結合を持つ紫外線硬化性樹脂の酸価が25〜150mgKOH/gであることを特徴とするものである。
また請求項に記載のフォトレジストインクは請求項1乃至4のいずれか1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物からなるものであり、プリント配線板製造用インクとして回路のエッジ部分のカバーリングに優れ、これにより形成されるソルダーレジストの密着、感度及び半田耐熱性等の物性を良好なものとし得るもである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるセルロース誘導体系化合物(A)は、カルボキシル基を有するセルロース誘導体(a)に、分子内に一つのエポキシ基を有する不飽和単量体(b)と飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるものである。(a)成分のカルボキシル基を有するセルロース誘導体は、特に限定されないが例えば、下記の一般式で表されものが挙げられる。
【0013】
【化1】
Figure 0004199325
【0014】
そしてRの組み合わせによって、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート等を挙げることができ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0015】
(b)成分の分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体は、上記カルボキシル基を有するセルロース誘導体(a)に、分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加することで、エチレン性不飽和二重結合による光硬化性を付与することを目的として配合される。従ってセルロース誘導体系化合物(A)の光硬化性は、分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(b)からくる構成単位の含有率に直接支配されることになる。尚、エチレン性不飽和単量体(b)にエポキシ基が二個以上あると、セルロース誘導体化合物が高分子化してしまう可能性があるので好ましくない。
【0016】
分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(b)としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類や、アクリレート又はメタクリレートの脂環エポキシ誘導体、及びβ−メチルグリシジルアクリレート又はβ−メチルグリシジルメタクリレート等を挙げることができこれらは単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、汎用されて入手が容易なグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを用いるのが好ましい。
【0017】
上記飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)は、セルロース誘導体系化合物(A)に酸価を与え、希アルカリ溶液による再分散、再溶解性をもたせることを主たる目的として使用される。その使用量は、該飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)を付加してなるセルロース誘導体系化合物(A)の酸価が25〜150mgKOH/gの範囲になるように選択することが好ましい。酸価が25より少ないと現像性不良となり、またこれが150より大きいと、熱硬化後のレジスト中の残存カルボキシル基に起因して、形成されるべきソルダーレジストの電気特性、耐電蝕性及び耐水性等の低下の問題を生じる。尚、特に酸価が40〜100mgKOH/gである場合に最適な効果が得られる。
【0018】
また飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)としては、例えば、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物、及び無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等の三塩基酸以上の酸無水物が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0019】
上記分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(b)及び飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)の付加反応は、例えば以下のように行うことができる。まずカルボキシル基を有するセルロース誘導体(a)を分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(b)及び飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)と反応しない溶剤に溶解させ、このカルボキシル基を有するセルロース誘導体(a)の溶液に、分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(b)を加えると共に、熱重合禁止剤としてハイドロキノンもしくはハイドロキノンモノメチルエーテル等及び触媒としてベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類もしくはトリフェニルスチビン等を加え撹拌混合し、常法により、好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃の反応温度で反応させる。次に、これに飽和又は不飽和多塩基酸無水物(c)を加え、上記と同様の方法で付加反応を行うようにする。
【0020】
本発明に使用する紫外線硬化性樹脂(B)としては、特に限定はされないが、例えば以下のような公知の紫外線硬化性樹脂が挙げられる。
(1)少なくとも二個のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタンベースの多官能エポキシ樹脂等にエチレン性不飽和モノカルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸等及び不飽和又は飽和の多塩基酸無水物、例えば無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等を付加して得られるもの。
【0021】
(2)無水マレイン酸等の不飽和多塩基酸無水物とスチレン等のビニル基を有する芳香族炭化水素又はビニルアルキルエーテル等との共重合体に、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の如く、分子中に一個のヒドロキシル基及び一個の光反応性のエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られるもの。
【0022】
(3)カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和単量体、例えばアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等のエチレングリコールエステル系(メタ)アクリレート等とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等とからなる共重合体中のカルボキシル基の一部を、エポキシ基を一個のみ有するエチレン性不飽和化合物、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等を反応して得られるもの。
【0023】
(4)エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等を重合単位として含む重合体又は共重合体にエチレン性不飽和モノカルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸等及び不飽和又は飽和の多塩基酸無水物、例えば無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等を付加して得られるもの。
【0024】
尚、紫外線硬化性樹脂(B)の酸価は本発明の紫外線硬化性樹脂組成物の希アルカリ溶液による良好な現像性を確保するため25〜150mgKOH/gであることが望ましい
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物には、樹脂成分としてセルロース誘導体系化合物(A)を単独で、或いは紫外線硬化性樹脂(B)と合わせて用いることができる。この場合、使用するセルロース誘導体系化合物(A)と紫外線硬化性樹脂(B)の配合量の合計は、インクの良好な感度及び作業特性並びに最終的に形成されるレジストの良好な物性を確保するために、同時に配合される希釈剤(E)中の有機溶剤を除外したインク成分全量中で10〜80重量%であることが望ましい。また、セルロース誘導体系化合物(A)と紫外線硬化性樹脂(B)の配合比はA:B=100:0〜1:99であることが望ましい。
【0025】
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物に多官能エポキシ化合物(C)を配合する場合には、多官能エポキシ化合物(C)としては溶剤難溶性エポキシ化合物、汎用の溶剤可溶性エポキシ化合物等を用いることができ、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000(油化シェルエポキシ社製)、ソルビトールポリグリシジルエーテル、N−グリシジル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(例えばダイセル化学工業社製「EHPE−3150」)、ポリオールポリグリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、N−グリシジル型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタンベースの多官能エポキシ樹脂(日本化薬社製EPPN−502H、並びにダウケミカル社製タクテックス−742及びXD−9053等)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂及びエポキシ基を有するビニル重合ポリマー等が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂等が望ましい。
【0026】
レジストインク中における多官能エポキシ化合物(C)の配合量は、同時に配合される希釈剤(E)中の有機溶剤を除外したインク成分全量中で0.1〜50重量%であることが望ましく、特に0.1〜30重量%の範囲において最適な効果を得られる。
光重合開始剤(D)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類、及びアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類、及び2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類、及び2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等のチオキサントン類、及びアセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、及びベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルペルオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類又はキサントン類、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンゾイル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、4,4’−ビス−ジエチルアミノベンゾフェノン等の窒素原子を含むもの、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられ、これらは安息香酸系又はp−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤及び増感剤等と併用しても良い。これらの光重合開始剤は各々単独で又は適宜互いに組み合わせて配合される。
【0027】
尚、例えばレーザ露光法用増感剤として7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン等のクマリン誘導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等を適宜選択することもでき、また本発明の紫外線硬化性樹脂組成物を可視光又は近赤外線硬化性のものとすることができるが、紫外線硬化性を有する限りにおいてこれらを用いたものも含まれる。紫外線硬化性樹脂組成物中における光重合開始剤(D)の配合量は、光硬化性と得られる紫外線硬化性樹脂組成物の物性の良好なバランスを得るために、同時に配合される希釈剤(E)中の有機溶剤を除外したインク成分全量中で0.1〜30重量%であることが望ましい。
【0028】
希釈剤(E)としては、光重合性単量体又は有機溶剤を単独で又は併せて使用することができる。上記光重合性単量体として、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルモルフォリン、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、及びジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、シクロペンタニルモノ(メタ)アクリレート、シクロペンテニルモノ(メタ)アクリレート、シクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、シクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、及び多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそれ以上のポリエステル等、及びポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート単量体等が挙げられる。光重合性単量体は各々単独であるいは適宜互いに組み合わせて使用することができる。
【0029】
また、上記有機溶剤としては、例えばエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−ブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級あるいは多価のアルコール類、及びメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤及びセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、及びカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、及びプロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類、及びジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられ、これらは各々単独であるいは適宜互いに組み合わせて使用することができる。
【0030】
上記光重合性単量体は、セルロース誘導体系化合物(A)、紫外線硬化性樹脂(B)等を希釈し、塗布し易い状態にすると共に酸価を調整し、光重合性を与える。また、上記有機溶剤は、セルロース誘導体系化合物(A)、紫外線硬化性樹脂(B)を溶解、希釈し、液状として塗布可能にすると共に乾燥により造膜させる。
【0031】
尚、上記希釈剤(E)として光重合性単量体等の光重合性を有する成分はレジストインクに必ずしも配合する必要はないが、配合する場合におけるその合計量は、希釈剤(E)として同様に配合されている有機溶剤を除外したインク成分全量中で50重量%以下であることが望ましい。これを50重量%を越えて配合した場合は乾燥塗膜の表面粘着性が強くなり過ぎ、パターンを描いたネガマスクを乾燥した塗膜表面に直接当てがって露光するときにネガマスクの汚損等の問題を生じ易い。
【0032】
一方、上記光重合性単量体と同様に希釈剤(E)として用いられる有機溶剤は本発明の希アルカリ溶液で現像可能なフォトソルダーレジストインクの必須成分であり、予備乾燥時に速やかに揮散し、乾燥塗膜に残存しないように選択する必要がある。レジストインク中における有機溶剤の配合量は、インク成分全量中で5%以上配合することが望ましく、これより少ない場合はインクの塗布が困難となり易い。尚、その好適な配合量は塗布方法により異なるので、該塗布方法に応じて適宜調節する必要がある。
【0033】
本発明のフォトソルダーレジストインクには、上記各成分の他に、例えばカプロラクタム、オキシム、マロン酸エステル等でブロックされたトリレンジイソシアネート、モルホリンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系のブロックドイソシアネート、及びn−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化メラミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂等の熱硬化成分、及び紫外線硬化性エポキシアクリレート又は紫外線硬化性エポキシメタクリレート、例えばビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型等エポキシ樹脂にアクリル酸又はメタクリル酸を付加したもの、並びにスチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の高分子化合物を加えることができる。
【0034】
また上記レジストインクには、必要に応じて、さらにイミダゾール誘導体、ポリアミン類、グアナミン類、3級アミン類、4級アンモニウム塩類、ポリフェノール類、多塩基酸無水物等のエポキシ樹脂硬化剤及び硬化促進剤類、及び硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー、炭酸カルシウム等の充填剤及び着色剤、及びシリコンやアクリレート共重合体、フッ素系界面活性剤等のレベリング剤、及びシランカップリング剤等の密着性付与剤、アエロジル等のチクソトロピー剤、及びハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤、ハレーション防止剤、難燃剤、消泡剤、酸化防止剤等の各種添加剤及び分散安定性を向上させるための界面活性剤や高分子分散剤等を加えても良い。
【0035】
本発明のフォトソルダーレジストインクは、例えば、各配合成分及び添加剤等を三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって調製される。
上記レジストインクを使用して基板上へレジストパターンを形成する方法は特に限定されない。その中で最も一般的な方法を例示すれば以下の通りである。
【0036】
例えば、基板上にレジストインクを浸漬法、スプレー、スピンコーター、ロールコーター、カーテンコーター又はスクリーン印刷等により塗布した後、希釈剤たる有機溶剤を揮発させるために例えば60〜120℃で予備乾燥を行なう。次にパターンを描いたネガマスクを乾燥した塗膜表面に直接又は間接的に当てがい、ケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等を用いて紫外線を照射した後、現像によりパターンを形成し、さらに例えば120〜180℃で30〜90分程度の加熱によりエポキシ化合物を硬化させることでレジストの被膜強度、硬度及び耐薬品性等を向上させるのである。
【0037】
上記現像工程で使用されるアルカリ溶液としては、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などを例示することができる。このアルカリ溶液の溶媒としては、水又は水とアルコール系等の親水性のある有機溶媒の混合物を用いることができる。
【0038】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下に使用される「部」及び「%」は、特に示さない限り、全て重量基準である。また、「重量平均分子量」は、下記測定条件に基づきGPCにより測定されたものである。
【0039】
各試料を固型分について10mg/ミリリットルとなる様にTHF溶液を調製し、各々インジェクション量100マイクロリットルにて測定した。
測定条件
GPC測定装置:昭和電工社製SHODEX SYSTEM 11
カラム :SHODEX KF−800P、KF−805、KF−803及びKF−801の4本直列
移動層 :THF
流 量 :1ミリリットル/分
カラム温度 :45℃
検出器 :RI
換 算 :ポリスチレン
〔合成例1〕
還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(信越化学工業社製 AS−L)40部、カルビトールアセテート160部、ハイドロキノン0.05部、グリシジルメタクリレート8.7部、ジメチルベンジルアミン0.2部を加え、100℃で15時間付加反応を行い続いてテトラヒドロ無水フタル酸9.3部、カルビトールアセテート14.8部を加えて、100℃で3時間反応させ、セルロース誘導体系化合物の25%溶液(25%セルロース誘導体系化合物(A−1)溶液)を得た。
【0040】
上記溶液の溶媒を除去して生成物(セルロース誘導体系化合物(A−1))を得た。セルロース誘導体系化合物(A−1)のGPCチャートを図1に、セルロース誘導体系化合物(A−1)の赤外線吸収スペクトルを図2に示す。セルロース化合物(A−1)のGPCピーク1の重量平均分子量は452,000、酸価は59mgKOH/gであった。尚、GPCの測定は以下の全ての合成例とも上記の条件で行い、生成物の赤外線吸収スペクトルの測定は、NaCl法にて行った。
〔合成例2〕
グリシジルメタクリレートの代わりにCYCLOMER M−100(商品名、ダイセル化学工業社製)12部、テトラヒドロ無水フタル酸の代わりにヘキサヒドロ無水フタル酸9.5部を用いた以外は、合成例1と同様の方法により、セルロース誘導体系化合物の25%溶液(25%セルロース誘導体系化合物(A−2)溶液)を得た。
【0041】
上記溶液の溶媒を除去して生成物(セルロース誘導体系化合物(A−2))を得た。セルロース誘導体系化合物(A−2)のGPCチャートを図3に、セルロース誘導体系化合物(A−2)の赤外線吸収スペクトルを図4に示す。セルロース誘導体系化合物(A−2)のGPCピーク1の重量平均分子量は268,000、酸価は56mgKOH/gであった。
〔合成例3〕
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートの代わりにヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート(信越化学工業社製
HPMCHHP)を用い、グリシジルメタクリレートを10.3部、テトラヒドロ無水フタル酸を11.0部とし、カルビトールアセテート45部を加えた以外は、合成例1と同様の方法により、セルロース誘導体系化合物の25%溶液(25%セルロース誘導体系化合物(A−3)溶液)を得た。
【0042】
上記溶液の溶媒を除去して生成物(セルロース誘導体系化合物(A−3))を得た。セルロース誘導体系化合物(A−3)のGPCチャートを図5に、セルロース誘導体系化合物(A−3)の赤外線吸収スペクトルを図6に示す。セルロース誘導体系化合物(A−3)のGPCピーク1の重量平均分子量は205,000、酸価は135mgKOH/gであった。
〔合成例4〕
還流冷却器、温度計、窒素導入用ガラス管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート70部、メチルメタクリレート10部、t−ブチルメタクリレート20部、カルビトールアセテート100部、ラウリルメルカプタン0.3部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加えて、窒素気流下に加熱し、75℃において5時間重合を行い、50%共重合体溶液を得た。
【0043】
上記50%共重合体溶液に、ハイドロキノン0.05部、アクリル酸37部、ジメチルベンジルアミン0.2部を加え、105℃で24時間付加反応を行い、続いてテトラヒドロ無水フタル酸38部及びカルビトールアセテート72部を加えて、100℃で3時間反応させ、重量平均分子量が22,000の50%紫外線硬化性樹脂(B−1)溶液を得た。またこれの酸価は80mgKOH/gであった。
〔合成例5〕
テトラヒドロ無水フタル酸5部及びカルビトールアセテート42部を加えた以外は、合成例4と同様の方法により、重量平均分子量が23,000の50%紫外線硬化性樹脂(B−2)溶液を得た。またこれの酸価は13mgKOH/gであった。
〔合成例6〕
テトラヒドロ無水フタル酸152部及びカルビトールアセテート190部を加えた以外は、合成例4と同様の方法により、重量平均分子量が23,000の50%紫外線硬化性樹脂(B−3)溶液を得た。またこれの酸価は194mgKOH/gであった。
〔参考例1〕
還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(信越化学工業社製 AS−L)40部、カルビトールアセテート150部、ハイドロキノン0.05部、グリシジルメタクリレート8.7部、ジメチルベンジルアミン0.2部を加え、100℃で15時間付加反応を行い、セルロース樹脂の25%溶液(25%セルロース樹脂(F−1)溶液)を得た。
【0044】
上記合成例で生成されたセルロース誘導体系化合物(A−1)乃至(A−3)溶液、紫外線硬化性樹脂(B−1)乃至(B−3)溶液及びセルロース樹脂(F−1)溶液に、表1に示す配合量で一分子中に二個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を配合して実施例1乃至6及び比較例1乃至3の紫外線硬化性樹脂組成物(フォトソルダーレジストインク)を得た。尚、表1中の「エピクロンN−695」(商品名)は大日本インキ化学工業社製のクレゾールノボラックエポキシ樹脂であり、「イルガキュアー907」(商品名)はチバガイギー社製光重合開始剤であり、また「カヤキュアーDETX−S」(商品名) は日本化薬社製光重合開始剤であり、また「モダフロー」(商品名)はモンサント社製レベリング剤である。また「DPHA」はジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
【0045】
【表1】
Figure 0004199325
【0046】
〔レジストインクの性能評価〕
−残存ステップ段−
実施例1乃至6及び比較例1乃至3のレジストインクを厚み35μmの銅箔のガラスエポキシ基材からなる銅張積層板の全面にスクリーン印刷により塗布し、溶剤を揮発させるために80℃で乾燥時間20分の乾燥条件で予備乾燥を行ない、膜厚20μmの乾燥塗膜を有する試験片を各インクについて作成した。その後、ORC HMW680GW(オーク製作所製減圧密着型両面露光機)にて、ステップタブレットPHOTEC21段(日立化成工業社製の露光テスト用マスク)を乾燥塗膜に直接当てがうと共に減圧密着させ、各々50及び150mJ/cm2 の紫外線を照射し、次に1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として現像することにより現像後の残存ステップ段数を求め、露光感度の目安とした。
〔プリント配線板の性能評価〕
次に、各レジストインクにより製造されるプリント配線板の性能を確認するため、順次下記(I) から(V) の工程を経ることによりテストピースを作成した。
(I) <塗布工程> 液状フォトソルダーレジストインクを、厚み35μmの銅箔のガラスエポキシ基材からなる銅張積層板及びこれを予めエッチングしてパターンを形成しておいたプリント配線基板の全面にスクリーン印刷により塗布し、基板表面にレジストインク層を形成させた。
(II)<予備乾燥工程> 塗布工程の後、基板表面のレジストインク層中の溶剤を揮発させるために80℃で予備乾燥を20分行ない、膜厚20μmの乾燥塗膜を得た。
(III) <露光工程> その後、パターンを描いたマスクを乾燥塗膜表面に直接当てがうとともに各レジストインクにおける最適露光量の紫外線を照射し、基板表面上の乾燥塗膜の選択的露光を行った。
(IV)<現像工程> 露光工程後の乾燥塗膜において、選択的に未露光となっている部分を、1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として現像することにより除去し、基板上に露光硬化された乾燥塗膜のパターンを形成させた。
(V) <ポストベーク工程> 現像工程で得られた、露光硬化された乾燥塗膜のパターンが形成されている基板を150℃で30分間加熱し、乾燥塗膜の硬化を行い、テストピースを得た。
【0047】
上記工程で得られたテストピースについて以下の評価を行った。
−解像性−
線幅及び線間が共に40μmの同心円で構成されるマスクパターンによって形成されるパターンの形成状態を観察した。
解像性の評価方法は次の通りである。
×:パターンが形成されなかった。
△:パターンは一応形成されるものの、その一部が欠落していた。
○:シャープなパターンを得ることができた。
−半田耐熱性−
フラックスとしてLONCO 3355−11(ロンドンケミカル社製の水溶性フラックス)を用い、まずテストピースにフラックスを塗布し、次いでこれを260℃の溶融半田浴に15秒間浸漬し、その後水洗した。このサイクルを1回又は5回おこなった後の表面白化の程度を観察した。また、クロスカットによるセロハン粘着テープ剥離試験をJIS D 0202に準拠して行い、密着状態の変化を観察した。
【0048】
表面白化の評価方法は次の通りである。
×:著しく白化した。
△:僅かに白化が認められた。
○:異常を生じなかった。
また密着性の評価方法は次の通りである。
×:クロスカット試験をするまでもなく、レジストの膨れ又は剥離を生じた。
△:テープ剥離時にクロスカット部分に一部剥離を生じた。
○:クロスカット部分の剥離を生じなかった。
−その他の試験項目−
鉛筆硬度をJIS K 5400に準拠して測定して評価し、その他の項目は常法により評価した。
【0049】
【表2】
Figure 0004199325
【0050】
表2から明らかなように、実施例1乃至6では、解像性や鉛筆硬度半田耐熱性が比較例1乃至3よりも高くなった。
【0051】
【発明の効果】
上記のように本発明で用いるセルロース誘導体系化合物は、カルボキシル基を有するセルロース誘導体に、分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を反応させて生成されるので、解像性、感度及び半田耐熱性等に優れ、また優れた基板密着性、耐薬品性、耐電蝕性及び電気特性並びに特に優れた半田耐熱性等を示すソルダーレジストを基板上に形成することができる希アルカリ水溶液で現像可能なフォトソルダーレジストインクを調製することができるものである。
【0052】
本発明の請求項1、2、3に記載の発明は、上記のセルロース誘導体系化合物と、エチレン性不飽和結合を持つ紫外線硬化性樹脂あるいは多官能エポキシ化合物と、光重合開始剤と希釈剤とを含有するので、解像性、感度及び半田耐熱性等に優れ、また優れた基板密着性、耐薬品性、耐電蝕性及び電気特性並びに特に優れた半田耐熱性等を示すソルダーレジストを基板上に形成することができる希アルカリ水溶液で現像可能なフォトソルダーレジストインクを調製することができるものである。
【0053】
また本発明の請求項に記載の発明は、エチレン性不飽和結合を持つ紫外線硬化性樹脂の酸価が25〜150mgKOH/gであるので、希アルカリ溶液による良好な現像性を確保することができるものである。
また本発明の請求項に記載の発明は、請求項乃至のいずれか1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物からなるので、解像性、感度及び半田耐熱性等に優れると共に、優れた基板密着性、耐薬品性、耐電蝕性及び電気特性並びに特に優れた半田耐熱性等を示すソルダーレジストを基板上に形成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成例1で生成したセルロース誘導体系化合物(A−1)のGPCチャートである。尚、矢印で示したピークがピーク1であり、下部の目盛りはリテンションタイム(単位:分)を表す。
【図2】本発明の合成例1で生成したセルロース誘導体系化合物(A−1)の赤外線吸収スペクトルのチャートである。
【図3】本発明の合成例2で生成したセルロース誘導体系化合物(A−2)のGPCチャートである。尚、矢印で示したピークがピーク1であり、下部の目盛りはリテンションタイム(単位:分)を表す。
【図4】本発明の合成例2で生成したセルロース誘導体系化合物(A−2)の赤外線吸収スペクトルのチャートである。
【図5】本発明の合成例3で生成したセルロース誘導体系化合物(A−3)のGPCチャートである。尚、矢印で示したピークがピーク1であり、下部の目盛りはリテンションタイム(単位:分)を表す。
【図6】本発明の合成例3で生成したセルロース誘導体系化合物(A−3)の赤外線吸収スペクトルのチャートである。

Claims (5)

  1. (A)カルボキシル基を有するセルロース誘導体に、分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を反応させて生成されるセルロース誘導体系化合物
    (B)エチレン性不飽和結合を持つ紫外線硬化性樹脂
    (D)光重合開始剤
    (E)希釈剤
    を含有して成ることを特徴とする紫外線硬化性樹脂組成物
  2. (A)カルボキシル基を有するセルロース誘導体に、分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を反応させて生成されるセルロース誘導体系化合物
    (C)多官能エポキシ化合物
    (D)光重合開始剤
    (E)希釈剤
    を含有して成ることを特徴とする紫外線硬化性樹脂組成物。
  3. (A)カルボキシル基を有するセルロース誘導体に、分子内に一つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を反応させて生成されるセルロース誘導体系化合物
    (B)エチレン性不飽和結合を持つ紫外線硬化性樹脂
    (C)多官能エポキシ化合物
    (D)光重合開始剤
    (E)希釈剤
    を含有して成ることを特徴とする紫外線硬化性樹脂組成物。
  4. (B)エチレン性不飽和結合を持つ紫外線硬化性樹脂の酸価が25〜150mgKOH/gであることを特徴とする請求項1又は3に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物からなるフォトソルダーレジストインク
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