JP4199163B2 - レーザ照射を伴うアーク溶接のアーク開始方法、該方法を行なう溶接装置及び制御装置 - Google Patents

レーザ照射を伴うアーク溶接のアーク開始方法、該方法を行なう溶接装置及び制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ照射を伴うアーク溶接の技術に関し、特に、同溶接におけるアーク開始方法と、同方法を実行する装置及び同方法を制御する装置に関する。
レーザ溶接とアーク溶接を組み合わせたハイブリッド溶接が近年普及し始めている。ハイブリッド溶接によれば、これら2つの溶接手法を組み合わせることにより、アーク溶接では達成できなかった高速溶接が可能になる、レーザ溶接では実行できなかったギャップ溶接が可能になる等のメリットが得られる。
しかしながら、レーザ溶接にはなかった問題、アーク溶接にはなかった問題も生じてくる。先ず、アーク溶接を伴うことにより、レーザ溶接では存在しなかった、「アークスタートミス」という問題が発生する。このアークスタートミスは、母材(被溶接物)と溶接ワイヤの先端状態により、溶接ワイヤと母材の間でうまくアークが発生しないことで起るもので、自動化ラインにおいて、自動化率を下げる厄介な問題として従来から知られている。
アークスタートミスの回避法としては、母材の汚れを落とす、アークスタート前にワイヤをカットする等の手法が知られているが、完全には解決できていない。
ところで、ハイブリッド溶接の場合、レーザ照射を受けるレーザ照射部にプラズマを発生させることができるため、そのレーザ照射部にアークが誘導され、アークが発生しやすい状況が生まれることが知られている。この現象により、アークスタート性の向上が期待される。
その一方、レーザを照射することにより弊害も発生する。即ち、レーザの照射とアーク放電の開始を同時に指令した場合、アーク放電側ではアーク発生のメカニズムから、溶接ワイヤが母材に接触するまでに若干の時間を要する。この時間は、ワイヤの突き出し長さによって変化するため、いつも一定ではない。一方、レーザ側は指令伝達による遅延のみで照射が開始され、それに要する時間は極めて短い。そのため、一般に、レーザ照射の方がアーク放電に比べて早く開始されてしまう。
もしもこのタイミングのずれが大きく、アークが発生せずにレーザ照射のみが起る時間が長くなった場合、溶接品質に問題を生じる。特に、薄板溶接では、溶接開始位置でいわゆる「溶け落ち」が発生する危険性が大きくなる。この問題を回避するために、下記特許文献1では、リトラクトスタートメカニズムにレーザ照射開始タイミングを同期させることにより、レーザ照射のみとされる期間を最小限に抑える工夫が提案されており、事態の改善が報告されている。しかしながら、この提案に係る手法を適用するには、リトラクトスタートという特殊な方式が実現可能となるアーク溶接電源との連動が必要となる。
特開2004−017059号公報
そこで本発明の目的は、ハイブリッド溶接における上記溶け落ちの問題を簡単な手法により解決し、レーザ照射を伴うアーク溶接における溶接品質の向上を図ることにある。
本発明は、アークが未放電(アーク放電開始前)で且つレーザのみ照射されている期間については、アーク放電開始後とは異なったレーザ照射パワー制御を行なうことで、溶け落ちが発生しないようにするものである。即ち、アークが検出されるまでは、溶け落ちが発生しないように、レーザ照射パワー値を予め設定された比較的低い値(一定値、レーザ照射パワー推移パターンに従って推移する値)で指令しておき、アーク検出後、加工条件に適したパワー指令に変更することで、アークミスを防止しつつ、溶け落ちの発生を回避する。なお、アーク放電の開始前/開始後の識別は、一般のアーク溶接電源に備わっているアーク検出信号により簡単に実行可能であり、そのために特別の手段を追加する必要はない。
より具体的に言えば、請求項1及び請求項に係る各発明は、溶接対象母材上の溶接開始位置又はその近傍にレーザを照射すると共に、ワーク溶接ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を行うことにより、前記溶接対象母材と前記アーク溶接ワイヤとの間にアークを発生させる、レーザ照射を伴うアーク溶接のアーク開始方法に係るものであり、請求項1は各発明に共通する基本的特徴を規定している。
即ち、請求項1が定める発明においては、アークの発生が検出されるまでは、放電開始前のために予め定められた第1種のレーザ照射パワー指令を出力し、アークの発生を検出後には、前記第1種のレーザ照射パワー指令とは異なる、放電開始後のために予め定められた溶接に適した第2種のレーザ照射パワー指令を出力すそして、溶接対象母材の材質、板厚、シールドガスの種類、及びアーク溶接ワイヤの種類の内、少なくとも一つの設定に対応して、前記第1種のレーザ照射パワー指令におけるレーザ照射パワー指令値、又はレーザ照射パワー推移パターンが選択又は変更される。
ここで、レーザ照射がパルス状に行なわれるようにするものであっても良い(請求項
そして本発明は、これら請求項1または請求項に記載のレーザ照射を伴うアーク溶接のアーク開始方法を実行する手段を備えた溶接装置(請求項)及びこれら請求項1または請求項に記載のレーザ照射を伴うアーク溶接のアーク開始方法におけるアーク開始を制御する手段を備えた制御装置を併せて提供する(請求項〜請求項)。
請求項に記載された発明に係る溶接装置は、溶接対象母材上の溶接開始位置又はその近傍にレーザを照射すると共に、ワーク溶接ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を行うことにより、前記溶接対象母材と前記アーク溶接ワイヤとの間にアークを発生させるアーク開始手段を備えた、レーザ照射を伴うアーク溶接を行なう溶接装置であって、前記アーク開始手段が、請求項1または請求項に記載のアーク開始方法を実行する手段であることを特徴とする。
また、請求項に記載された発明に係る制御装置は、溶接対象母材上の溶接開始位置又はその近傍にレーザを照射すると共に、ワーク溶接ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を行うことにより、前記溶接対象母材と前記アーク溶接ワイヤとの間にアークを発生させる、レーザ照射を伴うアーク溶接におけるアーク開始を制御する制御装置であって、アークの発生が検出されるまでは、放電開始前のために予め定められた第1種のレーザ照射パワー指令を出力する手段と、アークの発生を検出後には、前記第1種のレーザ照射パワー指令とは異なる、放電開始後のために予め定められた溶接に適した第2種のレーザ照射パワー指令を出力する手段とを備え、溶接対象母材の材質、板厚、シールドガスの種類、及びアーク溶接ワイヤの種類の内、少なくとも一つの設定に対応して、前記第1種のレーザ照射パワー指令におけるレーザ照射パワー指令値、又はレーザ照射パワー推移パターンが選択又は変更されることを特徴とする。
ここで、レーザ照射がパルス状に行なわれるようにするものであっても良い(請求項
なお、溶接対象母材に対してレーザ照射及びアーク溶接を行なう加工ヘッド部をロボットに搭載し、同ロボットを制御する制御装置を、請求項4または請求項に記載の制御装置として、ハイブリッド溶接ロボットの制御装置とすることもできる(請求項)。
本発明により、レーザ照射を伴うアーク溶接において、溶接開始位置に溶け落ちが発生することが回避され、溶接品質が向上する。
図1(a)は、本発明を、レーザ照射を伴うアーク溶接(ハイブリッド溶接)をロボットを用いて行うアプリケーションに適用した実施形態における全体構成の概要を表わしている。同図に示したように、ロボット制御装置1にロボット(ハイブリッド溶接ロボットの機構部)2、アーク溶接装置3、レーザ発振機4が接続されている。アーク溶接装置3、レーザ発振機4はそれぞれ自体は周知のものである。即ち、アーク溶接装置3は溶接電源部、アーク発生検出部、ワイヤ送り出し部(いずれも周知なので個別図示省略)等を有している。また、レーザ発振機4としてここではYAGレーザ発振機が用いられており、そのレーザ光出力部には周知の態様でシャッタ(図示省略)が設けられ、後述するように、ロボット制御装置1から指令に応じて開閉制御される。
符号10で示した加工ヘッド部は、ロボット2のアーム先端付近に搭載されており、アーク溶接トーチ11とレーザ照射ノズル14を備えている。ロボット2の適所(例えば前腕の基部付近)にワイヤ送給装置5が設置され、溶接装置3の溶接ワイヤ引出部(図示省略)から引き出された溶接ワイヤ(但し、送給配管内挿通)7はワイヤ送給装置5を経てアーク溶接トーチ11に送給されるようになっている。また、レーザ発振機4のレーザ光出力部(図示省略)と照射ノズル14まで光ファイバ6で結ばれている。
加工ヘッド部10を拡大して図1(b)に示したように、本例ではアーク溶接トーチ11は母材(溶接対象物)20の表面に対して傾斜した姿勢をとり、その先端から送り出される溶接ワイヤ(導体が露出)12の先端13と母材20の表面との間でアークを発生させてアーク溶接を行なうものである。一方、レーザ照射ノズル14は、溶接ワイヤ12の先端13が母材20と接触する位置とほぼ同位置に垂直方向からレーザ照射を行なうように取付けられている。符号21はアーク溶接開始位置21を表わしており、後述する手順によりアークが発生し、アーク溶接が開始された後は、通常、加工プログラムで指定される加工ラインに沿ったロボット移動に従って溶接箇所も移動する。
本実施形態におけるロボット制御装置1は、システム全体を統括制御するハイブリッド溶接ロボットの制御装置であるが、後述する処理を実行するためのソフトウェアが装備されていることを除けば、制御装置1自体の内部構成と基本的な機能は通常の周知のものと特に変わらないので説明は省略する。レーザ発振機4の動作(発振オン/オフ、シャッタ開閉、パワー増減等)は同制御装置1からに送られる諸指令aによって制御されるようになっており、アーク発生に関連する処理で送られる指令の具体的な内容については後述する。
また、アーク溶接装置3に送られる諸指令bによって溶接ワイヤ送給装置5を含む溶接装置3の動作の制御(溶接電圧の制御、溶接電流の制御、ワイヤ送給速度の制御等)が行なわれるとともに、溶接装置3のアーク発生検出部からはアーク発生/非発生の状況を表わす信号cがロボット制御装置1に随時(例えばロボット制御装置1からのリクエスト時または短周期で繰り返し)送られるようになっている。
さて、上記の構成と機能を用いてハイブリッド溶接を開始する際には、前述したように、アーク発生前にレーザ照射を先行させ、アーク発生後にレーザ照射を伴うアーク溶接を実質的にスタートさせることになる。本実施形態では、この間に図2に概要を示した処理をロボット制御装置1を用いて行う。また、同処理を実行するに先だって、同処理に関連する諸パラメータ、設定データ等がロボット制御装置1内のメモリに記憶される。これらデータには、図3に例示したパターンIDのデータ、図4に例示したレーザ照射パワー推移パターンのデータ、及びレーザ照射パワー推移の進行に関連する待機時間ΔT(下記に述べるステップS10参照)が含まれる。各ステップの要点を記せば次のようになる。
ステップS1;
先ずレーザ発振機4にレーザ照射準備指令を出力する。これにより、レーザ発振機4の励起源(例えば励起ランプ)等が立ち上がり、レーザ照射のスタンドバイ状態となる。但し、この時点ではシャッタは閉まっており、レーザ照射ノズル14からレーザ光の照射は行なわれない。
ステップS2/S3/S4;
溶接装置3にアーク開始備指令、アーク電圧指令及びワイヤ給送指令を出力する。これにより、溶接装置3の電源が立ち上がり、溶接ワイヤ12に溶接電圧指令に従って溶接電圧が印加される。また、ワイヤ給送指令が指定する給送速度で溶接ワイヤ7の送給が開始される。ここで溶接電圧指令が指定する溶接電圧は、後述するレーザ照射と組み合わせてアーク発生を誘起させるに適した値とされ、アーク発生後の溶接時の値と同じとは限らない。
また、ワイヤ給送指令が指定する給送速度は、一般に、アーク発生後の溶接時の給送速度より低速とされることが多い。なお、周知のように、溶接装置3が持つ電源部の種類によってはワイヤ送給速度を指定する指令の代わりに、それと等価な関係を持つ電流指令を出力することもある。また、パルスアーク溶接電源等の場合には、電圧、ワイヤ送給指令(電流指令)以外に、周波数やべ一ス電流などの指令も必要となる場合があることは言うまでもない。
ステップS5;
溶接対象母材の材質、板厚、シールドガスの種類、及びアーク溶接ワイヤの種類等に関連させて予め設定されている複数のパターンIDの中でどれが今回のアーク発生処理において選択/指定されているかを読み取る。この指定は、例えば加工開始前に予めユーザが指定しても良く、一部のデータ(例えば厚みのデータ)を流れ作業の上流側の機器から外部信号で受け取って最終的にIDが選択されるようにしても良い。
図3は用意されるパターンIDの一例を示している。この例では、各IDは、溶接対象母材の材質、板厚、シールドガスの種類、及びアーク溶接ワイヤの材質の組み合わせで指定されており、例えばID=1は溶接対象母材は鉄で板厚は0.8mm、シールドガスはアルゴン、アーク溶接ワイヤは鉄製で0.9mmφ(径)のものであるということを表わし、ID=2は溶接対象母材は鉄で板厚は1.0mm、シールドガスはアルゴン、アーク溶接ワイヤは鉄製で1.2mmφ(径)のものであるということを表わしている。以下、必要に応じていくつものIDが用意され、加工条件に即して選択される。
ステップS6;
レーザ照射のパワー推移の進行に関連する指標(読み取りカウンター)IをI=0(初期値)に設定する。
ステップS7;
予め設定されている複数のレーザ照射パワー推移パターンの中から今回のアーク発生処理において選択/指定されるものを読み取る。ここで、選択/指定は、ステップS5で読み取ったパターンIDに対して一意的にレーザ照射パワー推移パターンを自動選択する形で実行される。例えばIDがID=1〜ID=20まである時に、ID=1〜8ならパターン1、ID=9〜15ならパターン2、ID=15〜20ならパターン3というような対応付けルールに従がってレーザ照射パワー推移パターンを自動的にロボット制御装置1内で決定する。なお、このような方式に代え、ユーザが任意にレーザ照射パワー推移パターンを強制指定できるモードを用意しておいても良いことは言うまでもない。
図4(a)〜(c)は、本実施形態で用意されるレーザ照射推移パターンの例を示している。これらパターンの内、パターン1(a)はパワー漸減型の連続照射の例、(b)はパワー漸減型のパルス状照射の例、(c)はパワー一定型の連続照射の例をそれぞれ表わしている。なお、一般に、これらパターンで定められる推移におけるレーザ照射パワーは、母材20の溶け落ちが起きないような範囲で定められる。従って、アーク発生後に適用される溶接加工用のパワー(パルスの場合は1周期時間平均を考える)に比して低いパワーが選ばれる。特に、レーザ照射を開始すれば母材20の温度は徐々に上昇するので、時間経過とともに溶け落ちが起き易くなるのでパターン1、2に見られる如く、漸減傾向を持つ推移が好ましい。
ステップS8;
ステップS7で読み取られたパタ−ンで指定されている指標Iに対応条件で、レーザ照射を行なう。第1回目の処理周期では、指標I=0である。従って、例えばステップS7で読み取られたパタ−ンがパタ−ン2(図4(b)参照)であれば、ハイレベル500W、ローレベル100W、デューティ比50%の条件でレーザ照射が開始される。
ステップS9;
溶接装置3のアーク検出部からの信号に基づき、アーク発生の有無をチェックする。アーク未発生であればステップS10へ進み、アークが発生していればステップS15へ進む。
ステップS10;
予め設定された時間ΔTの間待機する。時間ΔTはパワー推移の緩急を調整するパラメータで、例えば0.0秒〜0.5秒の範囲で適当な値を事前に設定しておく。ΔT=0(待機なし)の場合もあり得る。
ステップS11;
指標(読み取りカウンター)Iを1アップする。
ステップS12;
指標(読み取りカウンター)が予め定めた上限Imax を越えていないかどうかチェックする。もしも越えていればステップS13へ進む。越えていなければステップS7へ戻る。なお、2回目のステップS7での読み取りではI=1であるから、例えばステップS7で読み取られるパタ−ンがパタ−ン2(図4(b)参照)であれば、ハイレベル490W、ローレベル100W、デューティ比50%の条件にレーザ照射条件が変更される。
ステップS13/S14;
アーク未発生アラームとして、レーザ照射を停止し、処理を終了する。
ステップS15;
アーク発生を検出したならば、レーザパワー指令読み取りループから抜け出て、レーザ照射、アークの各々の指令を、加工用の指令に変更する。既述の通り、加工用の指令では、アーク発生前に比してレーザパワーは大きい方向に変更される。
以上の処理によりアークスタートを実行した場合の過程をタイミングチャートで示せば例えば図5のようになる。
(i)ロボット制御装置1から、レーザ照射開始指令(準備指令)が、アーク発生前のレーザパワー指令条件とともに、レーザ発振機に対して指令される(上記ステップS1、S5〜S11参照)。
ここで、レーザパワー指令(*1)のケースは、上述のパターン3(図4(c)参照)を選択したケースに対応する。また、レーザパワー指令(*2)のケースは、上述のパターン2で入熱量を抑えるケースに対応する。更に、レーザパワー指令(*3)のケースは、レーザパワー指令を徐々に落とすパターンにより、入熱量を抑えるケースに対応している。なお、(*2)と(*3)を例えば交互に行うパターンも効果があることは言うまでもない。
(ii)アーク溶接開始指令は、溶接電圧、ワイヤ送給速度指令とともに、アーク溶接電源に対して指令される(上記ステップS2〜S4参照)。
ここで、既述の通り、ワイヤ送給速度指令の代わりに、等価の関係を持つ電流指令をインタフェースとして持つアーク溶接電源もあることや、パルスアーク溶接電源等の場合には、電圧、ワイヤ送給指令(電流指令)以外にも、周波数やべ一ス電流などの指令も必要となることは周知である。
(iii)アーク溶接指令がなされ、ワイヤが母材に接触するまでは、無付加電圧となる。また、既述の通り、ワイヤ送給速度は、アークが発生するまでは、アーク溶接電源において加工用に指示された指令条件より遅い速度でワイヤ送給機に指令される場合が多い。本タイミングチャートはその例を示している。
(iv)ワイヤ12の先端13(図1(b)参照)が母材20に接触し、アークが発生すると、それをアーク溶接電源が検出し、アーク発生検出情報がロボット制御装置1に入力される。ロボット制御装置1は、アーク発生検出情報を受信すると、レーザパワー指令条件を加工用の条件に変更する(上記ステップS9、S12参照)。
なお、以上説明した実施形態では、アーク発生検出情報をロボット制御装置に伝えてレーザ発振機を制御しているが、アーク発生検出情報を直接レーザ発振機に入力し、レーザ発振機内でレーザパワー条件を変更しても、情報の流れが変わるだけで、上記実施形態と同様の作用効果が得られることも説明を要しないであろう。
本発明を、レーザ照射を伴うアーク溶接(ハイブリッド溶接)をロボットを用いて行うアプリケーションに適用した実施形態について説明する図で、(a)は全体構成の概要を示し、(b)は加工ヘッド部とその周辺を示している。 実施形態において実行される溶接開始の処理について説明するフローチャートである。 実施形態において設定されるパターンIDの例を示したものである。 実施形態において設定されるレーザ照射パワー推移パターンの例を示したもので、(a)はパワー漸減型の連続照射の例、(b)はパワー漸減型のパルス状照射の例、(c)はパワー一定型の連続照射の例をそれぞれ表わしている。 実施形態において実行される溶接開始の過程を説明するタイミングチャートである。
符号の説明
1 ロボット制御装置(ハイブリッド溶接ロボットの制御装置)
2 ロボット(ハイブリッド溶接ロボット)
3 アーク溶接装置
4 レーザ発振機(TYAGレーザ発振機)
5 溶接ワイヤ送給装置
6 光ファイバ
7 溶接ワイヤ(送給配管内挿通)
10 加工ヘッド部
11 アーク溶接トーチ
12 溶接ワイヤ(導体露出)
13 溶接ワイヤの先端
20 母材(溶接対象物)
21 溶接開始位置

Claims (6)

  1. 溶接対象母材上の溶接開始位置又はその近傍にレーザを照射すると共に、アーク溶接ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を行うことにより、前記溶接対象母材と前記アーク溶接ワイヤとの間にアークを発生させる、レーザ照射を伴うアーク溶接のアーク開始方法において、
    アークの発生が検出されるまでは、放電開始前のために予め定められた第1種のレーザ照射パワー指令を出力し、
    アークの発生を検出後には、前記第1種のレーザ照射パワー指令とは異なる、放電開始後のために予め定められた溶接に適した第2種のレーザ照射パワー指令を出力し、
    溶接対象母材の材質、板厚、シールドガスの種類、及びアーク溶接ワイヤの種類の内、少なくとも一つの設定に対応して、前記第1種のレーザ照射パワー指令におけるレーザ照
    射パワー指令値、又はレーザ照射パワー推移パターンが選択又は変更されることを特徴とする、レーザ照射を伴うアーク溶接のアーク開始方法。
  2. 前記第1種のレーザ照射パワー指令は、レーザ照射がパルス状に行なわれるようにするものである、請求項1に記載のレーザ照射を伴うアーク溶接のアーク開始方法。
  3. 溶接対象母材上の溶接開始位置又はその近傍にレーザを照射すると共に、アーク溶接ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を行うことにより、前記溶接対象母材と前記アーク溶接ワイヤとの間にアークを発生させるアーク開始手段を備えた、レーザ照射を伴うアーク溶接を行なう溶接装置であって、
    前記アーク開始手段は、請求項1または請求項2に記載のアーク開始方法を実行する手段であることを特徴とする、溶接装置。
  4. 溶接対象母材上の溶接開始位置又はその近傍にレーザを照射すると共に、アーク溶接ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を行うことにより、前記溶接対象母材と前記アーク溶接ワイヤとの間にアークを発生させる、レーザ照射を伴うアーク溶接におけるアーク開始を制御する制御装置であって、
    アークの発生が検出されるまでは、放電開始前のために予め定められた第1種のレーザ照射パワー指令を出力する手段と、
    アークの発生を検出後には、前記第1種のレーザ照射パワー指令とは異なる、放電開始後のために予め定められた溶接に適した第2種のレーザ照射パワー指令を出力する手段とを備え、
    溶接対象母材の材質、板厚、シールドガスの種類、及びアーク溶接ワイヤの種類の内、少なくとも一つの設定に対応して、前記第1種のレーザ照射パワー指令におけるレーザ照射パワー指令値、又はレーザ照射パワー推移パターンが選択又は変更されることを特徴とする、制御装置。
  5. 前記第1種のレーザ照射パワー指令は、レーザ照射がパルス状に行なわれるようにするものである、請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記制御装置が、溶接対象母材に対してレーザ照射及びアーク溶接を行なう加工ヘッド部を搭載したロボットを制御する制御装置である、請求項4または請求項5に記載の制御装置。
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