JP4195458B2 - インバータ回路診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インバータ回路の平滑コンデンサの劣化度を診断するインバータ回路診断装置に関する。
インバータ回路は、生産性向上、省エネルギー等を目的として、様々な分野で幅広く利用されている。また、インバータ回路の制御技術や該回路に用いられる半導体の急速な進歩により、その性能が大幅に向上し、高信頼性化が進み、保守省力化も図られている。
その一方で、信頼性を保持するためには、定期点検等の適切なメンテナンスを行って、障害の発見と除去を早期に行う必要がある。インバータ回路が故障してから修理するという事後保全よりも、故障する前に回路を診断し、修理や部品交換を行って、回路機能の維持を図る予防保全の方が、生産性維持等の面から経済的でかつ有効である。特に、重要機器にインバータ回路が使用されている場合は、回路の突然の故障により生産に多大な被害を及ぼすことがある。このため、インバータ回路の劣化状況を把握して、回路の故障を未然に防ぐことが望ましい。
一般に、インバータ回路の構成部品のうちでは平滑コンデンサが最も劣化し易く、その寿命が短いため、この平滑コンデンサの劣化状況を診断することが多い。
例えば、特許文献1では、インバータ回路の平滑コンデンサの劣化を判定するときに、平滑コンデンサに抵抗を並列接続し、電圧検出器を平滑コンデンサの端子に接続し、電圧検出器により平滑コンデンサの端子電圧を検出しつつ、平滑コンデンサの放電減衰時間を測定し、この放電減衰時間に基づいて平滑コンデンサの劣化状態を判定している。
また、特許文献2では、インバータ回路の制御動作に際し、平滑コンデンサが設けられる直流側(1次側)の電圧を検出し、この検出電圧の変動に基づいて平滑コンデンサの劣化状態を判定している。
特開平6−165523号公報 特開平11−346476号公報
しかしながら、特許文献1では、インバータ回路を停止させなければ、平滑コンデンサの放電減衰時間を測定することができなかった。実際の現場では、インバータ回路を停止させることが非常に困難であるか不可能であることが多いため、この特許文献1の技術は実用的ではなかった。
また、インバータ回路の平滑コンデンサの端子電圧を直接検出する必要があった。このことは、電圧検出器等をインバータ回路に予め設けておく必要があり、インバータ回路の複雑化もしくはコストの上昇を招いた。
また、特許文献2では、インバータ回路の動作状態で平滑コンデンサの劣化状態を判定することができるものの、やはり平滑コンデンサが設けられる直流側(1次側)の電圧を検出するための電圧検出器等を予め設けておく必要があり、インバータ回路の複雑化もしくはコストの上昇を招いた。
一方、既設のインバータ回路の多くには、その様な電圧検出器等が設けられていない。この様なインバータ回路の平滑コンデンサの劣化状態を正確に判定するには、インバータ回路に内蔵の端子等に電圧測定用のプローブを直接接触させる必要があり、その手間を考えると、実現性が極めて低かった。また、高電圧を扱っている場合は、安全性に問題があった。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、インバータ回路の稼動中であってもかつインバータ回路の外側からでも平滑コンデンサの劣化状態を正確に判定することが可能なインバータ回路診断装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインバータ回路診断装置は、インバータ回路における2次側の複数相の出力ラインから該各相間の差電圧を測定する差電圧測定手段と、差電圧測定手段により測定された各相間の差電圧からリプル電圧を抽出し、このリプル電圧に基づいてインバータ回路の平滑コンデンサの劣化度を解析する解析手段とを備えている。
また、本発明においては、差電圧測定手段は、インバータ回路における2次側の各相の出力ラインの導体とは非接触の状態で該各相間の差電圧を測定している。
更に、本発明においては、差電圧測定手段は、インバータ回路における2次側の各相の出力ラインの導体と接触した状態で該各相間の差電圧を測定している。
また、本発明においては、解析手段は、差電圧測定手段により測定された各相間の差電圧に基づいて該各相の差電圧からリプル電圧を抽出すべきセグメント期間を求め、このセグメント期間の各相の差電圧からリプル電圧を抽出している。
更に、本発明においては、解析手段は、リプル電圧の標準偏差を求め、このリプル電圧の標準偏差に基づいてインバータ回路の平滑コンデンサの劣化度を解析している。
本発明によれば、インバータ回路における2次側の複数相の出力ラインから該各相間の差電圧を測定し、この測定された各相間の差電圧からリプル電圧を抽出し、このリプル電圧に基づいてインバータ回路の平滑コンデンサの劣化度を解析している。各相間の差電圧の測定は、各相の出力ラインの導体とは非接触の状態でも、あるいは接触の状態であっても可能であるため、インバータ回路の外側からでも平滑コンデンサの劣化度を正確に判定することができる。
また、各相間の差電圧に基づいて該各相の差電圧からリプル電圧を抽出すべきセグメント期間を求め、このセグメント期間の各相の差電圧からリプル電圧を抽出している。この様な手順により、リプル電圧を正確に抽出することができ、このリプル電圧に基づいて平滑コンデンサの劣化度を正確に判定することが可能になる。
更に、リプル電圧の標準偏差を求め、このリプル電圧の標準偏差に基づいてインバータ回路の平滑コンデンサの劣化度を解析している。実験により、リプル電圧の標準偏差と平滑コンデンサの容量の標準偏差とが比例関係に近いことが分かっているので、リプル電圧の標準偏差を用いるのが好ましい。
尚、リプル電圧の平均値等を用いて、平滑コンデンサの劣化度を判定することも可能である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明のインバータ回路診断装置の一実施形態を示すブロック図である。本実施形態の診断装置1は、インバータ回路21の平滑コンデンサ22の劣化度を判定するものである。
インバータ回路21の1次側では、直列接続されたダイオード23、24を3組設けて、各組のダイオード23、24を並列接続し、各組のダイオード23、24の中点に3本の入力ライン25a、25b、25cを接続し、平滑コンデンサ22を各組のダイオード23、24に対して並列接続している。また、インバータ回路21の2次側では、それぞれのスイッチング素子S1、S2が挿入された上アーム26と下アーム27を3組設けて、各組の上下アーム26、27を並列接続し、各組の上下アーム26、27の中点に3本の出力ライン28a、28b、28cを接続している。そして、各組の上下アーム26、27を平滑コンデンサ22に対して並列接続している。
このインバータ回路21では、各入力ライン25a、25b、25cを通じて、交流電圧を入力し、この交流電圧を各組のダイオード23、24及び平滑コンデンサ22により整流して、直流電圧を生成し、この直流電圧を各組の上下アーム26、27に供給している。各組の上下アーム26、27のスイッチング素子S1、S2は、該各組別に、一定周期のキャリア信号に同期して、交互にオン、オフされ、A相、B相、及びC相という3相の交流電圧を生成して、この3相の交流電圧を各出力ライン28a、28b、28cを通じてモータMへと供給している。
一方、本実施形態の診断装置1は、3つの非接触プローブ2a、2b、2cと、3つの差動増幅器3a、3b、3cと、演算処理部4と、記憶部5と、表示部6とを備えている。
各非接触プローブ2a、2b、2cは、インバータ回路21の各出力ライン28a、28b、28cの電圧を検出し、この検出出力をそれぞれの差動増幅器3a、3b、3cに加えている。差動増幅器3aは、各出力ライン28a、28bの電圧を入力し、各出力ライン28a、28b間の差電圧を求めて、この差電圧を出力する。また、差動増幅器3bは、各出力ライン28b、28cの電圧を入力し、各出力ライン28b、28c間の差電圧を求めて、この差電圧を出力する。更に、差動増幅器3cは、各出力ライン28c、28aの電圧を入力し、各出力ライン28c、28a間の差電圧を求めて、この差電圧を出力する。
演算処理部4は、各出力ライン28a、28b間の差電圧、各出力ライン28b、28c間の差電圧、及び各出力ライン28c、28a間の差電圧を入力すると、これらの差電圧からリプル電圧を抽出する。
記憶部5には、リプル電圧と平滑コンデンサ22の劣化度との関係を示す劣化度テーブルが予め記憶されている。演算処理部4は、記憶部5内の劣化度テーブルを参照して、各差電圧から抽出したリプル電圧に対応する平滑コンデンサ22の劣化度を求め、この劣化度等を表示部6に表示する。
次に、各非接触プローブ2a、2b、2cを詳しく説明する。各非接触プローブ2a、2b、2cは、図2に示す様に相互に対向配置された検出電極12及び接地電極13と、チャージアンプ14とを備えている。検出電極12及び接地電極13は、例えばポリアミドからなる0.5mm厚のフレキシブルプリント基板11両面に形成されている。
ここで、検出電極12は、接地電極13との間で電荷を生じ、また出力ライン28(28a〜28cに該当する)と静電結合している。検出電極12と接地電極13間の電荷は、出力ライン28の交流電圧に応じて変化する。チャージアンプ14は、検出電極12と接地電極13間の電荷を増幅して、この電荷に対応する電圧を出力する。従って、チャージアンプ14の出力電圧は、出力ライン28の交流電圧に応じて変化し、この交流電圧に対応する。
この様な非接触プローブによる測定では、測定対象の電流が変化しないという利点、及び出力ラインの導体に直接接触せず、安全性が高いという利点がある。本実施形態では、後者の利点に重きをおいて、非接触プローブを採用している。
また、非接触プローブの検出電極と出力ライン間の距離に応じてチャージアンプ14の出力電圧が変化するので、これが測定誤差の原因になり得るが、後の説明で明らかになる様にチャージアンプ14の出力電圧の絶対値ではなく、この出力電圧に含まれるリプル電圧に基づいて平滑コンデンサ22の劣化度を判定するので、その様な出力電圧の絶対値の測定誤差は殆ど問題にならない。このため、出力ラインの絶縁被覆部材の厚みや非接触プローブの配置位置等を限定する必要がなく、出力ラインの取り付けが容易な箇所に非接触プローブが取り付けられれば良い。例えば、両面テープ等を用いて、非接触プローブを出力ラインの任意の箇所に貼り付けても差し支えない。
更に、非接触プローブの検出電極12の面積を十分に広くすれば、インバータ回路数21の出力周波数(40〜60Hz程度)からキャリア信号の周波数(10KHz程度)までの広い周波数帯域を検出することができ、この周波数帯域のリプル電圧を検出することが可能になる。
尚、非接触プローブの検出電極12は、出力ラインを被う形状のものが好ましく、例えば円筒状のものが良い。
次に、各差動増幅器3a、3b、3cによる差電圧の検出を詳しく説明する。各差動増幅器3a、3b、3cは、各非接触プローブ2a、2b、2cにより検出されたそれぞれの出力ライン28a〜28cの交流電圧を選択的に入力し、各出力ライン28a、28b間の差電圧、各出力ライン28b、28c間の差電圧、及び各出力ライン28c、28a間の差電圧を求めて出力する。
ここで、インバータ回路21の複数相の交流出力は、商用電力の複数相の交流電圧とは異なり、いずれの相も対地アースから浮いている。このため、図3の等価回路に示す様に各非接触プローブ2a、2b、2cの容量をca、cb、ccとすると、非接触プローブ毎に、非接触プローブとインバータ回路21内の仮想中点P間の電圧を測定することになり、これにより各出力ライン28a、28b、28cのA相電圧、B相電圧、及びC相電圧が測定される。そして、差動増幅器3aにより各出力ライン28a、28b間の差電圧(=A相電圧−B相電圧、以下AB相電圧と称す)を求め、差動増幅器3bにより各出力ライン28b、28c間の差電圧(=B相電圧−C相電圧、以下BC相電圧と称す)を求め、差動増幅器3cにより各出力ライン28c、28a間の差電圧(=C相電圧−A相電圧、以下CA相電圧と称す)を求めることになる。
次に、演算処理部4による各差電圧からのリプル電圧の抽出処理を詳しく説明する。ここで、差動増幅器3aにより求められたAB相電圧、差動増幅器3bにより求められたBC相電圧、及び差動増幅器3cにより求められたCA相電圧は、例えば図4(a)、(b)、及び(c)に示す様なものである。
図4(a)、(b)、及び(c)から明らかな様にAB相電圧、BC相電圧、及びCA相電圧は、略台形波であり、それらの位相が120°ずつずれている。いずれの相電圧の台形波においても、その上辺及び下辺に相当する箇所にリプル電圧が生じている。これらの相電圧のリプル電圧が平滑コンデンサ22の劣化度を表すので、これらの相電圧のリプル電圧を正確に抽出する必要がある。
本実施形態では、各相電圧の台形波の上辺のリプル電圧を抽出するものとする。
ただし、相電圧の台形波の0クロス近傍を除かなければ、リプル電圧を正確に抽出することができない。また、台形波の上辺に電圧の大変動成分が含まれるので、この電圧の大変動成分を除かなければ、リプル電圧を正確に抽出することができない。
そこで、まず各相電圧のリプル電圧が生じているセグメント期間を求める。このために、演算処理部4は、AB相電圧、BC相電圧、及びCA相電圧を積分して、図5(a)、(b)、及び(c)に示す様なそれぞれの略正弦波を求める。この一階積分により、AB相電圧、BC相電圧、及びCA相電圧のチョッパ成分がキャンセルされる。
更に、演算処理部4は、図5(a)、(b)、及び(c)の略正弦波を積分して、図6(a)、(b)、及び(c)に示す様なそれぞれの略正弦波を求める。この二階積分により、セグメント期間の設定が容易になる。
演算処理部4は、図6(a)、(b)、及び(c)の略正弦波を求めると、AB相電圧、BC相電圧、及びCA相電圧のうちから最も低い電圧値を示す相電圧を選択し、この選択した相電圧が最も低い電圧値を維持し続けている期間をセグメント期間として求める。これにより、図7に示す様なAB相電圧、BC相電圧、及びCA相電圧のセグメント期間Sab、Sbc、Scaが連続的に繰り返し順次求められる。
こうして各相電圧のセグメント期間Sab、Sbc、Scaが求められると、演算処理部4は、セグメント期間SabのときのAB相電圧部分を抽出し、セグメント期間SabのときのBC相電圧部分を抽出し、セグメント期間ScaのときのCA相電圧部分を抽出し、抽出した各相電圧部分を合成する。これにより、図8に示す様な合成電圧波形V1が得られる。この合成電圧波形V1の上側にはリプル電圧が連続的に含まれており、また下側にはチョッパ成分の欠損値が含まれている。
図9は、合成電圧波形V1の電圧成分のヒストグラムを示している。この図9のヒストグラムから明らかな様に欠損値が低電圧成分として含まれ、信号値(リプル電圧を含む)が略300Vの高電圧成分として含まれている。欠損値の方は、リプル電圧を抽出するときに問題となるので除去する必要がある。
そこで、演算処理部4は、合成電圧波形V1の閾値以下の低電圧成分を除去して、合成電圧波形V1の高電圧成分のみを求める。図10は、合成電圧波形V1の高電圧成分を示す波形図である。閾値は、例えば合成電圧波形V1の平均値に0.9を乗算して求められる。
次に、演算処理部4は、合成電圧波形V1の高電圧成分に電圧の大変動成分が含まれていることから、これを除去する。このために、演算処理部4は、合成電圧波形V1の高電圧成分に対して各セグメント間の1次近似を施し、図11に示す様な大変動成分(低周波数成分)L1を求める。そして、演算処理部4は、図11の大変動成分L1に各相電圧のバイアス成分が重畳されているので、セグメント期間毎に、低周波数成分L1と該低周波成分L1の平均値との差を求めて、バイアス成分をキャンセルし(0調整)、図12に示す様な電圧の大変動成分L2を求める。更に、演算処理部4は、図10の合成電圧波形V1の高電圧成分から図12の電圧の大変動成分L2を差し引いて、図13に示す様な電圧の小変動成分(高周波数成分)Hを求める。そして、演算処理部4は、小変動成分Hの周期毎に、その振幅値をリプル電圧Rとして求め、一定期間におけるリプル電圧Rの最大値Max、最小値Min、標準偏差SD、及び平均値等を求める。
こうしてリプル電圧Rの最大値Max、最小値Min、標準偏差SD、及び平均値等が求められると、演算処理部4は、インバータ回路21の稼動周波数及び記憶部5内の劣化度テーブルに基づいて平滑コンデンサ22の劣化度を判定し、この平滑コンデンサ22の劣化度を表示部6に表示する。
記憶部5内の劣化度テーブルは、予備実験で予め求められたものである。この予備実験は、インバータ回路21におけるリプル電圧R及び平滑コンデンサ22の端子電圧を直接測定可能な状況で、平滑コンデンサ22の劣化(容量抜け)を強制的に進行させたときのリプル電圧Rと平滑コンデンサ22の端子電圧の変化特性を求めるというものである。平滑コンデンサ22の劣化に伴い、平滑コンデンサ22の容量Cが低下し、平滑コンデンサ22の端子電圧が変化するので、平滑コンデンサ22の劣化度の指標として平滑コンデンサ22の端子電圧を用いている。また、リプル電圧R及び平滑コンデンサの端子電圧のいずれについても、最大値Max、最小値Min、標準偏差SD、及び平均値を適宜に用いることができる。
また、このリプル電圧Rと平滑コンデンサ22の端子電圧の変化特性は、インバータ回路21の稼動周波数Fwに依存するので、インバータ回路21の幾つかの稼動周波数毎に、劣化度テーブルを求めて設定している。稼動周波数Fwは、図10に示す様に連続する3相のセグメント期間をTとすると、その逆数1/Tで表される。
図14は、劣化度テーブルにおけるリプル電圧(標準偏差)Rと平滑コンデンサの端子電圧(標準偏差)Vcの変化特性を例示するグラフである。この図14のグラフでは、横軸にリプル電圧(標準偏差)Rを示し、縦軸に平滑コンデンサの端子電圧(標準偏差)Vcを示している。稼動周波数は、50Hzである。
図14のグラフから明らかな様に平滑コンデンサ22の端子電圧(標準偏差)Vcは、リプル電圧(標準偏差)Rに略比例している。例えば、リプル電圧(標準偏差)Rが4のときに、平滑コンデンサ22の端子電圧(標準偏差)Vcが3であって、平滑コンデンサ22の容量Cが100%(初期値)であるとすると、リプル電圧(標準偏差)Rが5.5を超えたときには、平滑コンデンサ22の端子電圧(標準偏差)Vcが5.5であって、平滑コンデンサ22の容量Cが50%まで劣化する。
この様な劣化度テーブルによる推定では、リプル電圧(標準偏差)Rと平滑コンデンサ22の端子電圧(標準偏差)Vcとの相関係数が0.99以上であり、高精度の推定が可能である。このため、劣化度テーブルとして、リプル電圧の標準偏差と平滑コンデンサの端子電圧の標準偏差との相関を示すものを用いるのが好ましい。
演算処理部4は、3相のセグメント期間をTとして求めて、その逆数1/Tを稼動周波数Fwとし、記憶部5内の稼動周波数Fwの劣化度テーブルを参照して、平滑コンデンサ22の端子電圧Vcを求め、更に平滑コンデンサ22の容量Cの劣化度を判定し、この平滑コンデンサ22の劣化度を表示部6に表示する。
こうして平滑コンデンサの容量Cの劣化度が表示されれば、インバータ回路21の外側からでも平滑コンデンサ22の劣化度を正確に把握することができる。また、平滑コンデンサ22の容量Cの劣化度の判定は、インバータ回路21の稼動中になされるので、インバータ回路21を停止させる必要がない。
尚、リプル電圧R及び平滑コンデンサ22の端子電圧のいずれについても最大値Max、最小値Min、標準偏差SD、及び平均値の全てを求める必要はなく、記憶部5内の劣化度テーブルにおいて、例えば最大値Maxが用いられるならば、最大値Maxだけを求めれば良い。最小値Min、標準偏差SD、もしくは平均値が用いられる場合も、同様である。
また、劣化度テーブルの代わりに、リプル電圧Rと平滑コンデンサの容量や端子電圧の履歴特性を記録保存しておき、この履歴特性を表示部6に表示し、この履歴特性を参照して、ユーザが平滑コンデンサの劣化度を最終的に判断しても良い。
次に、図15のフローチャートを参照しつつ、本実施形態の診断装置1による平滑コンデンサ22の劣化度の判定処理を整理して説明する。
まず、各非接触プローブ2a、2b、2cをインバータ回路21の各出力ライン28a〜28cに貼り付けて、各非接触プローブ2a、2b、2cによる各出力ライン28a〜28cの交流電圧の検出を行う(各ステップS101、S102)。各オペレーティングアン3a、3b、3cは、各非接触プローブ2a、2b、2cにより検出されたそれぞれの出力ライン28a〜28cの交流電圧を選択的に入力し、各出力ライン28a、28b間のAB相電圧、各出力ライン28b、28c間のBC相、及び各出力ライン28c、28a間のCA相電圧を求める。
演算処理部4は、AB相電圧、BC相、及びCA相電圧を入力すると、各相電圧をそれぞれ2階積分した上で、各相電圧のセグメント期間Sab、Sbc、Scaを連続的に繰り返し順次求める(各ステップS103、S104)。そして、演算処理部4は、各相電圧のセグメント期間Sab、Sbc、Scaを求めると、各セグメント期間Sab、Sbc、ScaのときのAB相電圧部分、BC相電圧部分、CA相電圧部分を抽出し、抽出した各相電圧部分を合成する(ステップS105)。
更に、演算処理部4は、合成電圧波形V1の閾値以下の低電圧成分を除去して、合成電圧波形V1の高電圧成分のみを求め(ステップS106)、合成電圧波形V1の高電圧成分から大変動成分を差し引いて(ステップS107)、小変動成分(高周波数成分)Hを求める。そして、演算処理部4は、小変動成分Hの周期毎に、その振幅値をリプル電圧Rとして求め、一定期間におけるリプル電圧Rを求める(各ステップS108、S109)。
一方、演算処理部4は、稼動周波数Fwは、連続する各セグメント期間Sab、Sbc、ScaをTとして求め、その逆数1/Tを求める(各ステップS110、S111)。そして、演算処理部4は、記憶部5内の稼動周波数Fwの劣化度テーブルを参照して(ステップS112)、平滑コンデンサ22の端子電圧Vcを求め、更に平滑コンデンサ22の容量Cの劣化度を判定し(ステップS113)、この平滑コンデンサ22の劣化度を表示部6に表示する。
尚、本実施形態では、非接触プローブを用いているが、接触プローブを用いても良い。この接触プローブを用いる場合も、出力ラインの電圧を測定するだけであるから、出力ラインに実質的な影響を与えることはない。
本発明のインバータ回路診断装置の一実施形態を示すブロック図である。 図1の診断装置における非接触プローブの構成を概略的に示す図である。 図1の診断装置における非接触プローブとインバータ回路との関係を簡略化して示す等価回路図である。 (a)、(b)、及び(c)は、図1の診断装置により求められたAB相電圧、BC相電圧、及びCA相電圧を示す波形図である。 (a)、(b)、及び(c)は、図4の各相電圧を1階積分して得られるそれぞれの正弦波を示す波形図である。 (a)、(b)、及び(c)は、図4の各相電圧を2階積分して得られるそれぞれの正弦波を示す波形図である。 AB相電圧、BC相電圧、及びCA相電圧のセグメント期間を示す図である。 各セグメント期間の相電圧を合成した合成電圧波形を示す波形図である。 図8の合成電圧波形の電圧成分のヒストグラムを示す図である。 図8の合成電圧波形の高電圧成分を示す波形図である。 図10の合成電圧波形の高電圧成分から抽出された大変動成分を示す波形図である。 図11の大変動成分のバイアス成分をキャンセルした結果を示す図である。 図10の合成電圧波形の高電圧成分から抽出された小変動成分を示す波形図である。 劣化度テーブルにおけるリプル電圧Rと平滑コンデンサの端子電圧Vcの変化特性を例示するグラフである。 図1の診断装置による平滑コンデンサの劣化度の判定処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 インバータ回路診断装置
2a、2b、2c 非接触プローブ
3a、3b、3c 差動増幅器
4 演算処理部
5 記憶部
6 表示部
21 インバータ回路
22 平滑コンデンサ

Claims (4)

  1. インバータ回路における2次側の複数相の出力ラインから該各相間の差電圧を測定する差電圧測定手段と、
    差電圧測定手段により測定された各相間の差電圧に基づいて該各相の差電圧からリプル電圧を抽出すべきセグメント期間を求め、このセグメント期間の各相の差電圧からリプル電圧を抽出し、このリプル電圧に基づいてインバータ回路の平滑コンデンサの劣化度を解析する解析手段とを備えることを特徴とするインバータ回路診断装置。
  2. 差電圧測定手段は、インバータ回路における2次側の各相の出力ラインの導体とは非接触の状態で該各相間の差電圧を測定することを特徴とする請求項1に記載のインバータ回路診断装置。
  3. 差電圧測定手段は、インバータ回路における2次側の各相の出力ラインの導体と接触した状態で該各相間の差電圧を測定することを特徴とする請求項1に記載のインバータ回路診断装置。
  4. 解析手段は、リプル電圧の標準偏差を求め、このリプル電圧の標準偏差に基づいてインバータ回路の平滑コンデンサの劣化度を解析することを特徴とする請求項1に記載のインバータ回路診断装置。
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