JP4194670B2 - アクリルインサートフィルムとインサート成形品とその製造方法 - Google Patents

アクリルインサートフィルムとインサート成形品とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車の外装部品または内装部品の加飾などに好適なアクリルインサートフィルムとインサート成形品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐光性かつ加工性に優れたアクリルフィルムを使用して図柄層を印刷し、アクリルインサートフィルムを得、これを射出成形と同時に成形品の上に一体化するインサート成形法があった。インサート成形法は、印刷によって直接図柄を形成することが困難な形状の成形品であっても、図柄を容易に形成することができるという特長を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のアクリルインサートフィルムには、以下の問題点があった。
【0004】
つまり、アクリルフィルムが、その硬質のマトリックス成分であるポリメチルメタクリートのみからなるものであると、アクリルフィルムは脆く破れやすくなるため、印刷によって図柄を形成できない。また、アクリルフィルムが、その軟質のゴム成分であるアクリルゴムのみからなるものであると、アクリルフィルムの硬度が低く、車の部品として要求される耐性などの特性が得られない。
【0005】
そこで、アクリルインサートフィルムに用いるアクリルフィルムとして、硬質のマトリックス成分であるポリメチルメタクリートと軟質のゴム成分であるアクリルゴムを適度な比率で混合したものを選定することが考えられる。しかし、それでも有機溶剤に侵されやすく、印刷後のフィルムの機械的強度が極度に落ちるという問題があった。また、高温環境下では、塩化ビニル製品などの可塑剤を含む製品にアクリルフィルムが融着したり、アクリルフィルムの表面が侵されたりするという問題があった。
【0006】
したがって、この発明は、上記のような問題点を解消し、化学的・機械的な耐性に優れ、塩化ビニルの可塑剤などに侵されることがない耐薬品性に優れたアクリルインサートフィルムとインサート成形品とその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明のアクリルインサートフィルムとインサート成形品とその製造方法は、以上の目的を達成するために、つぎのように構成した。
【0008】
つまり、この発明のアクリルインサートフィルムは、アクリルフィルムの片面に少なくとも図柄層が形成されたアクリルインサートフィルムにおいて、アクリルフィルムが、軟化点が90℃以上のマトリックス成分と軟化点が56.3℃以上88.4℃以下のアクリルゴムと紫外線吸収剤とからなり、マトリックス成分とアクリルゴムの重量比が90:10から75:25であり、紫外線吸収剤を0.03〜3.0重量%含有するように構成した。
【0009】
上記の発明において、アクリルフィルムが、軟化点が90℃以上のマトリックス成分と軟化点が80℃以上のアクリルゴムと紫外線吸収剤とからなるように構成してもよい。
【0010】
また、上記の発明において、アクリルフィルムが、マトリックス成分とアクリルゴムの重量比が90:10から80:20であるように構成してもよい。
【0011】
また、この発明のインサート成形品の製造方法は、請求項1〜3に記載のアクリルインサートフィルムを金型内に配置し、成形樹脂を射出成形するのと同時に成形品の表面にアクリルインサートフィルムを一体化するように構成した。
【0012】
また、この発明のインサート成形品は、上記の発明のアクリルフィルムを最表面に積層するように構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0014】
図1は、この発明のインサート成形品の一実施例を示す断面図である。図中、1はアクリルインサートフィルム、2はアクリルフィルム、3は図柄層、4は成形材料、5はインサート成形品である。
【0015】
この発明のアクリルインサートフィルム1は、アクリルフィルム2の片面に少なくとも図柄層3が形成されたアクリルインサートフィルム1において、アクリルフィルム2が、軟化点が90℃以上のマトリックス成分と軟化点が56.3℃以上88.4℃以下のアクリルゴムと紫外線吸収剤とからなり、マトリックス成分とアクリルゴムの重量比が90:10から75:25であり、紫外線吸収剤を0.03〜3.0重量%含有するものである。
【0016】
アクリルフィルム2のマトリックス成分とは、アクリルフィルム2の母体であり、ポリメチルメタクリレートなどの硬質のアクリル樹脂成分をいう。アクリルフィルム2のマトリックス成分の軟化点や含有比率は、アクリルフィルム2の耐汚染性や耐薬品性、耐熱性の特性に大きく影響を与える。つまり、マトリックス成分はアクリルフィルム2中の含有成分のほとんどを占めるため、アクリルフィルム2自身の特性をもっとも左右する。したがって、マトリックス成分の軟化点がアクリルフィルム2全体の軟化点にほぼ相当する。アクリルフィルム2の軟化点が高ければ耐熱性が上がり、機械特性が上がり、耐薬品性が向上する。マトリックス成分は、ゴム成分と比較すると、あらゆる点で諸物性が優れているが、硬くて脆いので単独では使用できない。
【0017】
また、ゴム成分の軟化点や含有比率は、アクリルフィルム2の硬度や柔軟性、印刷作業性の特性に大きく影響を与える。つまり、ゴム成分の軟化点が低すぎると、図柄層3の印刷乾燥時の熱でその部分のみが軟化してフィルムにしわやたるみが発生し、アクリルフィルム2が破れる。乾燥温度を低くすれば、図柄層3のインキ中の有機溶剤が完全に飛散せず、残留してアクリルフィルム2全体を侵して引っ張り強度を低下させる。ゴム成分は基本的に硬度が低く(鉛筆硬度2B〜4B)、ゴム成分のみでは自動車部品の要求特性(通常、鉛筆硬度HB以上)を満足できない。ゴム成分を少なくすれば硬度は高くなるが、ゴム成分が有する弾性が失われ、アクリルフィルム2が脆くなる。
【0018】
したがって、アクリルフィルム2としては、硬質のマトリックス成分とその中に均一に軟質のゴム成分が分布し、マトリックス成分の軟化点が90℃以上で、かつアクリルゴムの軟化点が56.3℃以上88.4℃以下で、かつマトリックス成分とアクリルゴムの重量比が90:10から75:25であり、かつ、マトリックス成分およびアクリルゴムの合計に対して紫外線吸収剤が0.05〜3.0重量%添加されているものを用いる。
【0019】
アクリルフィルム2の硬質のマトリックス成分としては、ポリメチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステルやアクリル酸エステル、アクリルアミドなどがある。軟質のゴム成分としては、アクリル酸エステルとブタジエンまたはアクリロニトリル、クロロエチルビニルエーテルなどの共重合体であるポリアクリレートなどがある。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾールなどがある。また、アクリルフィルム2の厚みは、50〜200μmが好ましい。
【0020】
アクリルフィルム2のマトリックス成分の軟化点が90℃より低いと、夏の締め切った車内に免許証ケースなどの塩化ビニル製品を置いた場合のように、高温環境下で塩化ビニルの可塑剤と触れたときに、アクリルフィルム2に融着したり、アクリルフィルム2の表面が白く侵されたりする。ゴム成分の軟化点が50℃より低いと、アクリルフィルム2に図柄層3を印刷法により形成するとき、インキを乾燥させるために加熱するとアクリルフィルム2が歪んで見当が合わなくなるので、十分にインキを乾燥させることができない。したがって、有機溶剤が図柄層3中に残留し、印刷後のアクリルインサートフィルム1の機械的強度が極度に落ちることになる。また、マトリックス成分の重量比が90より大きいと、アクリルフィルム2が脆くなり、印刷作業時に破れることがある。また、ゴム成分の重量比が25より大きいと、表面硬度や耐磨耗性が極度に低下し、最終製品で傷がつきやすくなる。
【0021】
特に、アクリルフィルム2が、軟化点が90℃以上のマトリックス成分と軟化点が80℃以上のアクリルゴムと紫外線吸収剤とからなるのが好ましい。また、マトリックス成分とアクリルゴムの重量比が90:10から80:20であるのが好ましい。この場合、見当精度が必要な多色刷りを行って図柄層3を形成しても、アクリルフィルム2に熱によるしわが発生しない。また、このアクリルフィルム2を用いて得たアクリルインサートフィルム1によるインサート成形品5は、直射日光が常時当たるような環境においても優れた耐熱性・耐候性を有する。
【0022】
また、紫外線吸収剤の含有比率は、アクリルフィルム2の透明性や印刷層の耐侯性の特性に大きく影響を与える。印刷層を構成する顔料や樹脂バインダーは、長期にわたる日光の紫外線によって化学構造が変化し、変色や脱色を起こす。これを防ぐために、印刷層を保護するアクリルフィルム2に紫外線吸収剤を入れると紫外線を遮断し、印刷層に到達する紫外線の量を減少させることができる。その効果は、ある一定の割合までは紫外線吸収剤の含有量に比例する。紫外線吸収剤を一定割合以上含有させると、紫外線吸収剤自身が純粋の無色透明ではなく黄色味を帯びているものが多いため、アクリルフィルム2が黄色くなる。したがって、この発明では、紫外線吸収剤を0.03〜3.0重量%の割合で添加するように構成した。紫外線吸収剤の含有量が3.0重量%より大きいと、アクリルフィルム2が黄色くなって透明性が低下し(光線透過率92%以下)、また、コストも上昇する。紫外線吸収剤の含有量が0.03重量%より小さいと、紫外線遮断効果が低下し、印刷インキの脱色や変色が起こることがある。
【0023】
図柄層3は、アクリルフィルム2の上に、有機溶剤を含むインキで印刷し加熱乾燥することにより形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。印刷層は、表現したい図柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。
【0024】
また、図柄層3は、印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜層は金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用する。部分的な金属薄膜層を形成する場合の一例としては、金属薄膜層を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。この場合によく用いる溶剤は、水または水溶液である。また、別の一例としては、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層を除去する方法がある。なお、金属薄膜層を設ける際に、他の層と金属薄膜層との密着性を向上させるために、前アンカー層や後アンカー層を設けてもよい。前アンカー層および後アンカー層の材質としては、2液性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂樹脂などを使用するとよい。前アンカー層および後アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0025】
接着層は、成形品に上記の各層を接着する層である。接着層としては、成形樹脂に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、成形樹脂がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。接着層の乾燥膜厚は、0.5〜10μmとするのが一般的である。
【0026】
なお、上記のアクリルインサートフィルム1の層構成は、アクリルインサートフィルム1の一例であり、このほかの層構成であってもよい。たとえば、図柄層3が接着層の機能を兼ね備えている場合には、接着層を省略することができる。
【0027】
アクリルインサートフィルム1を利用してインサート成形品5を得るには、次のようにするとよい。
【0028】
アクリルインサートフィルム1を、インサートフィルム送り装置などを使用して、成形樹脂射出口を有するコア型と、凹部を有するキャビティ型との間に配置し、クランプなどの手段でキャビティ型の周囲に固定する。次に、熱源によりアクリルインサートフィルム1を加熱軟化させるとともにキャビティ型側から真空吸引してキャビティ型の表面に密着させる。キャビティ型とコア型を型締めし、アクリルインサートフィルム1とコア型との間に密閉空間を形成する。この空間に溶融した成形樹脂を射出する。成形樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂などを用いるとよい。キャビティ型とコア型を型開きすれば、アクリルインサートフィルム1と成形樹脂とが一体化されたインサート成形品5を得ることができる。
【0029】
また、次のようにしてインサート成形品5を得ることができる。まず、アクリルインサートフィルム1を、凹部を有する予備成形型にクランプなどの手段で固定し、次に、熱源によりアクリルインサートフィルム1を加熱軟化させるとともに予備成形型側から真空吸引して予備成形型の表面に密着させる。次いで真空吸引を解除し、予備成形型からアクリルインサートフィルム1を取り出す。このようにして、予備成形したアクリルインサートフィルム1を得ることができる。次いで、予備成形したアクリルインサートフィルム1を、成形樹脂射出口を有するコア型と、凹部を有するキャビティ型との間に配置し、クランプなどの手段でキャビティ型の周囲に固定する。次に、キャビティ型とコア型を型締めし、アクリルインサートフィルム1とコア型との間に密閉空間を形成する。この空間に溶融した成形樹脂を射出し、キャビティ型とコア型を型開きすれば、アクリルインサートフィルム1と成形樹脂とが一体化されたインサート成形品5を得ることができる。
【0030】
【実施例】
実施例1
下記の組成にてTダイ製膜法によって製造された厚さ125μmのポリメタクリル酸メチルフィルムをアクリルフィルムとし、下記組成のインキを用い、木目模様となる黒、茶、黄の各色の図柄層をグラビア印刷法で順次形成した。
【0031】
Figure 0004194670
【0032】
図柄層用インキ
バインダー ポリ塩化ビニル樹脂 60重量%
顔料 黒、茶、黄の各色 40重量%
【0033】
このようにして得たアクリルインサートフィルムを金型内に配置し、成形樹脂温度220〜250℃、金型温度40〜60℃の条件において、茶色のアクリロニトリルブタジエンポリスチレン共重合体樹脂を成形樹脂としてインサート成形を行った。
【0034】
このようにして得たインサート成形品は、鉛筆硬度H〜2Hであり、耐薬品性試験(塩化ビニルフィルムを載せ80℃、72時間放置)、耐熱性試験(80℃、400時間放置)、促進耐候性試験(BP83℃、1000時間放置)でも異常がなく、テーパースクラッチテストでもアクリルフィルムに破れが生じない優れた物性を有するものであった。
【0035】
実施例2〜8、比較例1〜4
実施例2〜8および比較例1〜4として、表1に示す組成にてアクリルフィルムを得、他は実施例1と同様にしてインサート成形品を得た。なお、評価のうち○は適当なもの、×は不適当なもの、△はその中間で製作が可能な限界を示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004194670
【0037】
【発明の効果】
この発明は、前記した構成からなるので、次のような効果を有する。
【0038】
この発明のアクリルインサートフィルムは、アクリルフィルムが、軟化点が90℃以上のマトリックス成分と軟化点が56.3℃以上88.4℃以下のアクリルゴムと紫外線吸収剤とからなり、マトリックス成分とアクリルゴムの重量比が90:10から75:25であり、紫外線吸収剤を0.03〜3.0重量%含有するので、光学特性、機械特性、表面強度、耐候性、耐熱性などの化学的・機械的な耐性に優れ、かつ耐薬品性に優れたものである。
【0039】
また、この発明のインサート成形品は、成形樹脂の表面に、少なくとも図柄層が積層され、その上にこの発明のアクリルフィルムが最表面になるように積層されたので、夏の締め切った車内に免許証ケースなどの塩化ビニル製品を置いたりしても融着したり表面が白く侵されたりすることなく、また表面硬度が高く傷が付きにくく、耐汚染性や耐熱性などの化学的・機械的な耐性に優れ、かつ耐薬品性に優れたものである。
【0040】
また、この発明のインサート成形品の製造方法は、請求項1〜3に記載のアクリルインサートフィルムを金型内に配置し、成形樹脂を射出成形するのと同時に成形品の表面にアクリルインサートフィルムを一体化するので、化学的・機械的な耐性に優れ、かつ耐薬品性に優れたインサート成形品を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインサート成形品の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 アクリルインサートフィルム
2 アクリルフィルム
3 図柄層
4 成形材料
5 インサート成形品

Claims (5)

  1. アクリルフィルムの片面に有機溶剤を含むインキで印刷し加熱乾燥することにより図柄層が少なくとも形成されたアクリルインサートフィルムにおいて、アクリルフィルムが、軟化点が90℃以上のマトリックス成分と軟化点が56.3℃以上88.4℃以下のアクリルゴムと紫外線吸収剤とからなり、マトリックス成分とアクリルゴムの重量比が90:10から75:25であり、紫外線吸収剤を0.03〜3.0重量%含有することを特徴とするアクリルインサートフィルム。
  2. アクリルフィルムが、軟化点が90℃以上のマトリックス成分と軟化点が80℃以上のアクリルゴムと紫外線吸収剤とからなる請求項1記載のアクリルインサートフィルム。
  3. アクリルフィルムが、マトリックス成分とアクリルゴムの重量比が90:10から80:20である請求項1記載のアクリルインサートフィルム。
  4. 請求項1〜3に記載のアクリルインサートフィルムを金型内に配置し、成形樹脂を射出成形するのと同時に成形品の表面にアクリルインサートフィルムを一体化することを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  5. 請求項1に記載のアクリルフィルムが最表面になるように積層されたことを特徴とするインサート成形品。
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