JP4194073B2 - 光回折構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光回折構造体に関し、特に、偽造防止用に用いられるホログラム、回折格子等の光回折構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ホログラムは優れた意匠性、及び、カラー複写機においても容易に複製できず偽造・変造が困難なことから、各種金券類及びIDカード等の個人認証書、保証書、証明書等に数多く利用されてきた。しかし、近年、ホログラムの偽造が増えてきており、ホログラムの偽造抑止効果は低下してきている。
【0003】
なお、特許文献1において、屈折率異方性を持つ層を用い、ある偏光方向においては反射機能を持ち、直交する他の偏光方向では積層時に屈折率差を生じず、光が透過する特徴を持つ「多層光学フィルム」が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特表平10−511322号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、普通に見ると透明なフィルムに見えるが、直線偏光板を介して見ると、光回折構造体による像が視認できる光回折構造体を提供することである。
【0006】
本発明のもう1つの目的は、普通に見ると反射タイプ又は透明タイプの光回折構造の像が視認でき、直線偏光板を介して見ると、それに加えて新たな別の光回折構造による像を視認することができる光回折構造体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明による光回折構造体は、異なる特性の2つの層が交互に少なくとも2層以上積層されてなり、その中の1つの層は屈折率異方性を持ち、その屈折率異方性を持つ層に隣接する隣接層は、その屈折率異方性を持つ層の特定方向の屈折率と略等しい屈折率を持ち、特定方向と直交する方向の屈折率とは異なる屈折率を持っている構成の光回折構造形成層を備え、前記光回折構造形成層に微細な凹凸形状からなる光回折構造が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
この場合、その光回折構造形成層は、特定方向と直交する方向に直線偏光した入射光に対して、少なくとも100nmの波長帯域にわたり50%以上の平均反射率を有し、かつ、特定方向に直線偏光した入射光に対して、少なくとも100nmの波長帯域にわたり50%未満の平均反射率を有することが望ましい。
【0009】
また、その光回折構造形成層に、透明媒体からなる第2光回折構造形成層が設けられてなり、第2光回折構造形成層に微細な凹凸形状からなる第2光回折構造が設けられており、第2光回折構造上に反射層が設けられてなるものとすることもできる。
【0010】
その場合に、第2光回折構造形成層の透明媒体の屈折率が、光回折構造形成層の屈折率異方性を持つ層の特定方向の屈折率と略等しいことが望ましい。
【0011】
また、反射層としては、第2光回折構造形成層の透明媒体の屈折率と異なる屈折率を持つ透明媒体の層から構成しても、金属反射層から構成してもよい。
【0012】
本発明においては、異なる特性の2つの層が交互に少なくとも2層以上積層されてなり、その中の1つの層は屈折率異方性を持ち、その屈折率異方性を持つ層に隣接する隣接層は、その屈折率異方性を持つ層の特定方向の屈折率と略等しい屈折率を持ち、特定方向と直交する方向の屈折率とは異なる屈折率を持っている構成の光回折構造形成層を備え、前記光回折構造形成層に微細な凹凸形状からなる光回折構造が設けられているので、通常の自然光下ではその光回折構造による像は明確に視認できず、直線偏光板を介して見るときその光回折構造による像を明確に視認することができ、偽造防止効果を向上させ、さらに、意匠性にも優れた光回折構造体を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による光回折構造体のいくつかの実施形態を説明する。
【0014】
所定波長(中心波長)に対し異なる屈折率を有する2層を積層し、その波長の光を入射すると、入射光の角度に応じた反射率を持つ。これら2層それぞれの厚み、屈折率を所定波長に合わせて選定し、交互に積層して多層構成とすることにより、その所定波長を含むある帯域の波長域に対し、一定以上の反射率を持つ反射層を実現することができる。この技術は、誘電体ミラー、波長フィルター等として利用されている。
【0015】
本発明においては、少なくとも1つの光回折構造形成層に、特許文献1において知られている多層光学フィルムを用いるものである。
【0016】
すなわち、図1に断面を示すように、多層光学フィルム10は、異なる特性の2つの層11、12が交互に少なくとも2層以上積層されてなり、その中の1つの層11は屈折率異方性を持ち、その屈折率異方性を持つ層11は常光線屈折率n1 、異常光線屈折率n2 であってn1 ≠n2 を持つ材料からなり、かつ、屈折率異方性を持つ層11に隣接する隣接層12との屈折率差が、偏光面によって異なる特性を持っており、例えば隣接層12は屈折率異方性を持つ層11の常光線屈折率n1 と同じ屈折率n1 を持つ材料からなっている。その反対に異常光線屈折率n2 と同じ屈折率n2 を持つ材料からなっていてもよい。なお、図1の場合は、屈折率異方性を持つ層11と隣接層12は交互に4層設けられているが、2層以上の何層でもよい。
【0017】
このような多層光学フィルム10に異常光線の向きの直線偏光成分の入射光21が入射すると、多層光学フィルム10の層11と層12の間に屈折率差(|n1 −n2 |)が存在するため、図1(a)に示すように多層光学フィルム10から反射光23が生じる。他方、多層光学フィルム10に常光線の向きの直線偏光成分の入射光22が入射すると、多層光学フィルム10の層11と層12の間に屈折率差が存在しないので、図1(b)に示すように多層光学フィルム10を透過する透過光24となる。
【0018】
したがって、このような多層光学フィルム10をその入射側から直線偏光板を介して見ると、ある方向では光を透過して透明となるが、偏光板の向きを回転させて行くと光が反射するようになり、鏡面が形成されているように見える。
【0019】
このような多層光学フィルム10は、これら2つの層11、12の屈折率と厚み、屈折率差、積層数を所定波長に合わせて選定することにより、反射帯域幅、反射率が所望のものを構成できるが、例えば異常光線の向きの直線偏光成分の入射光に対して、少なくとも100nmの波長帯域にわたり50%以上の平均反射率を有し、かつ、常光線の向きの直線偏光成分の入射光に対して、少なくとも100nmの波長帯域にわたり50%未満の平均反射率を有するものとすることができる。
【0020】
本発明においては、このような多層光学フィルム10にエンボス加工を施して微細な凹凸形状を形成すると、図2に示すように、各層にその凹凸形状が生じて光回折構造15が形成される。ここで、微細な凹凸形状とは、ホログラムや回折格子のレリーフパターン等である。
【0021】
多層光学フィルム10のこのような微細な凹凸形状の回折構造15によって形成される回折光25、透過光24も、図1の場合と同様に、偏光面に依存した特性を持つことになる。
【0022】
したがって、図1(a)に示すように、多層光学フィルム10からなる光回折構造形成層にこのような光回折構造15を形成してなる光回折構造体1においては、異常光線の向きの直線偏光成分の入射光21に対しては反射回折光25が生じ、光回折構造15からのこの反射回折光25によってその光回折構造15による像を視認することができる。
【0023】
他方、常光線の向きの直線偏光成分の入射光22に対しては反射回折光が生じず、透過光24となって透過し、したがって、この光回折構造15による像も視認できない。
【0024】
そのため、光回折構造15が形成された光回折構造形成層10を直線偏光板を介して見ると、ある角度では透明だが、直線偏光板を90°回転させていくと、背景が鏡面となり、さらに、光回折構造15による像が見えてくる。よって、判定対象物に貼付されたこの光回折構造体1を直線偏光板を介して見ることにより、光回折構造体1の真偽を判定することができ、対象物の真偽判定手段として用いることができる。
【0025】
また、本発明による別の光回折構造体2は、図3(a)に断面図を示すように、図1の構成の光回折構造体1における光回折構造形成層10を第1光回折構造形成層10とし、また、その第1光回折構造形成層10に形成される光回折構造を第1光回折構造15とし、その第1光回折構造形成層10の下に第2光回折構造形成層16を設け、その第2光回折構造形成層16にエンボス加工を施して別の微細な凹凸形状の第2光回折構造18を形成し、その第2光回折構造形成層16に反射層17を設ける。
【0026】
ここで、第2光回折構造形成層16としては、必ずしも屈折率異方性を持つ必要はないが、第1光回折構造形成層10を透過する向きの偏光方向の光を透過させる必要があるため、第2光回折構造形成層16のその偏光方向の屈折率は、第2光回折構造形成層16が接している第1光回折構造形成層10のその偏光方向の屈折率と略同じであることが好ましい。
【0027】
また、反射層17はAl等の金属反射層、あるいは、TiO2 等の第2光回折構造形成層16と屈折率が異なる透明層(n3 ;n3 ≠n1 )を使用する。
【0028】
この本発明による別の光回折構造体2においては、図3(b)に示すように、通常の自然光の入射光26は任意の偏光成分の光が含まれているため、このような入射光26となる自然光下で光回折構造体2を見ると、第2光回折構造形成層16の第2光回折構造18からの反射回折光27による像は視認できるが、第1光回折構造形成層10の第1回折構造15からの反射回折光25は、第1光回折構造形成層10を透過し、反射層17で反射回折光27となった光や基材からの反射光等に紛れてしまい、明確に視認することはできない。
【0029】
しかし、異常光線と同じ偏光方向の向きに直線偏光板を観察側に配置して、その偏光板を透過してきた反射回折光25を見ることにより、明確に第1光回折構造形成層10の第1回折構造15からの反射回折光25を視認することができる。同時に、この状態では第1光回折構造形成層10が反射層として機能するため、第2光回折構造形成層の第2光回折構造18からの像や下地の絵柄は見えなくなる。その結果、自然光下で見えていた第2光回折構造18からの反射回折光27による像から、第1光回折構造形成層10の第1回折構造15による新たな像に切り替わったように見える。そのため、従来の反射型ホログラムあるいは反射型回折格子に対し、偽造防止効果を向上させ、さらに、意匠性にも優れた光回折構造体を提供することができる。
【0030】
次に、上記光回折構造形成層(第1光回折構造形成層)10に使用される多層光学フィルムとしては、特許文献1に示される偏光子等を使用することができる。
【0031】
また、第1光回折構造15、第2光回折構造18としては、ホログラムや回折格子のパターン等種々のものが使用可能であり、従来、この分野で使用されているものと同様なパターンであってよく、いかなるパターンでもよい。パターン自体は、実物の撮影以外に、ホログラム回折格子を計算で求めたり、デジタルカメラで取り込んだデジタル画像やコンピュータグラフイックスから得られる2次元あるいは3次元の画像データから、ホログラフィックステレオグラム技術等の適宜な手段により作成できる。
【0032】
また、第1光回折構造15、第2光回折構造18のエンボス加工としては、光回折構造の凹凸をメッキ等によって写し取った平版型の凹凸型を使用した平プレス法、若しくは、ロール上の凹凸型を用いたロールプレス法により、光回折構造形成層(第1光回折構造形成層10、第2光回折構造形成層16)を凹凸型に接触させて加熱及び加圧して行うことができる。
【0033】
また、第2光回折構造形成層16に使用可能な材料として、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、アクリレート等の熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、あるいは、上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することができ、さらに、ラジカル重合不飽和基を有する熱成形性物質、あるいは、これらにラジカル重合性不飽和単量体を加え、電離放射線硬化性としたもの等を使用することができる。
【0034】
また、反射層17は、その見栄えにより、次の2タイプに分けることができる。
【0035】
a)シルバータイプ
反射層は鏡面となる。光反射層の材質としては、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、セレン(Se)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、テルル(Te)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)等の単体金属、若しくは、それらの合金がある。
【0036】
光反射層の薄膜の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の薄膜形成法があげられる。薄膜は、色調、デザイン、用途等に応じて適切な条件を設定すればよいが、50Å〜1μmの範囲が好ましく、さらには、100〜1000Åがより好ましい。透明性を有する着色光反射層を設けたい場合は、膜厚を200Å以下にするのが好ましい。また、隠蔽性を有する着色光反射層を設けたい場合は、膜厚を200Å以上にするのが望ましい。薄膜は、上記のように、光回折構造体の用途、トータルデザインを考慮し、色調、隠蔽性あるいは透明性等の必要に応じて設定することができる。
【0037】
b)透明タイプ
その透明層に光回折構造による像が浮かび上がるように見える。透明蒸着層を形成するための材料は、従来公知のもの、例えば、ZnS、TiO2 、SiO2 、Cr2 3 等の金属酸化物や硫化物等を使用することができ、特に限定されない。また、その形成方法も、真空蒸着法、スパッタリング法等の従来と同様の方法で形成することができる。膜厚としては、50〜500Åの範囲が好ましく、100〜400Åの範囲が特に好ましい。
【0038】
以下、本発明の光回折構造体の具体例を説明する。
(具体例1)
特許文献1の実施例1に示される手順により光回折構造形成層を作製し、レリーフホログラムの微細凹凸を表面に有するホログラム型の凹凸面を上記のフィルム状の光回折構造形成層に当て、加熱加圧して、ホログラムの凹凸形状を付与した。
【0039】
このようにして得られた光回折構造体は、この状態では、ホログラム像は見えなかったが、直線偏光板を介して眺めることにより、ホログラム像を顕像化して見ることができた。
(具体例2)
特許文献1の実施例1に示される手順により光回折構造形成層を作製し、レリーフホログラムの微細凹凸を表面に有するホログラム型の凹凸面を上記のフィルム状の光回折構造形成層に当て、加熱加圧して、ホログラムの凹凸形状を付与した。
【0040】
その凹凸形成後、形成された凹凸の面にポリメチルメタクリレート(PMMA)(屈折率n=1.51)を厚みが2μmになるよう形成した。
【0041】
さらに、上記のポリメチルメタクリレート(PMMA)の面に、同様な方法で第2のホログラムの凹凸形状を付与し、その凹凸の面にアルミニウムを厚みが30nmになるように形成した。
【0042】
このようにして得られた光回折構造体は、この状態では、第2のホログラム像のみ明確に見え、直線偏光板を介して眺めることにより、第1のホログラム像が顕像化され第1のホログラム像のみを見ることができた。
【0043】
ところで、本発明の光回折構造体が適用される被着体としては、ID(本人確認)用のカード、例えば、銀行等の預貯金カード、クレジットカード、身分証明書(学生証若しくは社員証)、カード形式ではないが、ID用である受験票、パスポート等がある。銀行等の預貯金カード若しくはクレジットカードが不正に使用されれば、正当な保持者(又は契約者)、及び、取引金融機関、商店、クレジット会社等に損害を与えるものである。
【0044】
本発明の光回折構造体は、紙幣、商品券、株券、若しくは、証券等に適用できる。これらは不正に使用されると、額面金額、時には投機的な価値に基づく損失を生むものである。運転免許証、カード型の証書、例えば、防火、消毒、若しくは、防火等の保安、衛生上の資格若しくは等級を示すものにも、本発明の光回折構造体は適用可能である。これらは、本来資格のない者が関与することを防止するものであるにも係わらず、不正な使用により、危険を招いたり、犯罪につながることがあるものである。宝くじ、競馬・競輪等の勝馬投票券・車券等も、競技終了の後、当りの券には金銭的価値が備わり、偽造や変造は詐欺行為につながるので、それらの防止に本発明の光回折構造体の適用は有効である。
【0045】
そして、本発明の図2の構成の光回折構造体は透明であるため、顔写真、IDナンバー等、特に変造されると損失が大きい情報が付与されている部分に、本発明の光回折構造体を貼付することにより、より有効性を高めることができる。また、被着体に示されている絵柄、文字等と本発明の光回折構造体に形成される絵柄等に関連性を持たせることにより、判定精度の向上、意匠性の向上等の付加価値を加えることもできる。
【0046】
また、本発明の図3の構成の光回折構造体の場合、反射層17を透明タイプにすると、常に被着体の絵柄を視認することができるので、顔写真、IDナンバー等、特に変造されると損失が大きい情報が付与されている部分に本発明の光回折構造体を貼付することにより、より有効性を高めることができる。また、被着体に示されている絵柄、文字等と本発明の光回折構造体に形成される絵柄等に関連性を持たせることにより、判定精度の向上、意匠性の向上等の付加価値を加えることもできる。
【0047】
これらに加えて、高級腕時計、宝飾品、貴金属、若しくは、骨董品等の箱、ケース、若しくは、袋等にも、本発明の光回折構造体は、その製造の困難性、確認手段の秘匿性が高いことを利用して貼付等により適用することができる。また、磁気的記録媒体若しくは光学的記録媒体に、音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、若しくは、ゲームソフト等のソフトを記録させた複製物も、正規の著作権許諾を受けることなく不正に複製されれば、著作権者や出版元の被る金銭的損失が大きく、このような記録媒体、又は、その箱、若しくは、ケース等に本発明の光回折構造体を適用することができる。
【0048】
上記したように、本発明の光回折構造体は、種々の用途に適用でき、被着体の形状、素材も様々である。種々の用途に適用できるよう、接着剤層を有する貼付け用ラベルの形態であるか、若しくは、転写用の転写シートであることが好ましい。なお、被着体は、不透明なものに限ることなく、透明な物であってもよい。
【0049】
なお、本発明の真正性識別体(光回折構造体)をラベル状に形成した場合、ラベルを構成する何れかの層を引張り強度の弱い層としておき、剥がそうとするとその層から破壊してしまう脆性ラベルとしてもよい。あるいは、ラベル本体と接着剤層との接着強度を部分的に変化させ、一旦貼り付けられたラベルを剥がそうとすると、接着剤層の一部が被着体上に残ってしまい、また、剥がした方のラベルを別の被着体に貼ろうとすると(大抵、不正な意図であることが多い。)、接着剤層の一部が欠落しているために円滑な貼付けができないばかりか、接着剤層の有無による凹凸が生じたり、ラベル上から眺めた際の接着剤層の不均一性が明らかになるよう構成してもよい。
【0050】
以上、本発明の光回折構造体をその原理と実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の光回折構造体によると、異なる特性の2つの層が交互に少なくとも2層以上積層されてなり、その中の1つの層は屈折率異方性を持ち、その屈折率異方性を持つ層に隣接する隣接層は、その屈折率異方性を持つ層の特定方向の屈折率と略等しい屈折率を持ち、特定方向と直交する方向の屈折率とは異なる屈折率を持っている構成の光回折構造形成層を備え、前記光回折構造形成層に微細な凹凸形状からなる光回折構造が設けられているので、通常の自然光下ではその光回折構造による像は明確に視認できず、直線偏光板を介して見るときその光回折構造による像を明確に視認することができ、偽造防止効果を向上させ、さらに、意匠性にも優れた光回折構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となる多層光学フィルムの構成と作用を説明するための図である。
【図2】本発明による第1の光回折構造体の構成と作用を説明するための図である。
【図3】本発明による別の光回折構造体の構成と作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1…光回折構造体
2…光回折構造体
10…多層光学フィルム(光回折構造形成層、第1光回折構造形成層)
11…屈折率異方性を持つ層
12…隣接層
15…光回折構造(第1光回折構造)
16…第2光回折構造形成層
17…反射層
18…第2光回折構造
21…異常光線の向きの直線偏光成分の入射光
22…常光線の向きの直線偏光成分の入射光
23…反射光
24…透過光
25…反射回折光
26…自然光の入射光
27…反射回折光

Claims (5)

  1. 異なる特性の2つの層が交互に少なくとも2層以上積層されてなり、その中の1つの層は屈折率異方性を持ち、その屈折率異方性を持つ層に隣接する隣接層は、その屈折率異方性を持つ層の特定方向の屈折率と略等しい屈折率を持ち、前記特定方向と直交する方向の屈折率とは異なる屈折率を持っている構成の光回折構造形成積層層を備え、前記光回折構造形成積層層にエンボス加工を施してその各層に微細な凹凸形状が形成されてなる光回折構造が設けられていることを特徴とする光回折構造体。
  2. 前記光回折構造形成積層層に、透明媒体からなる第2光回折構造形成層が設けられてなり、前記第2光回折構造形成層に微細な凹凸形状からなる第2光回折構造が設けられており、前記第2光回折構造上に反射層が設けられてなることを特徴とする請求項記載の光回折構造体。
  3. 前記第2光回折構造形成層の透明媒体の屈折率が、前記光回折構造形成積層層の屈折率異方性を持つ層の前記特定方向の屈折率と略等しいことを特徴とする請求項記載の光回折構造体。
  4. 前記反射層が前記第2光回折構造形成層の透明媒体の屈折率と異なる屈折率を持つ透明媒体の層からなることを特徴とする請求項又は記載の光回折構造体。
  5. 前記反射層が金属反射層からなることを特徴とする請求項又は記載の光回折構造体。
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