JP4193672B2 - ノルボルネン系樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明性、高耐熱性、および有機溶媒への高い溶解性を兼ね備え、複屈折の大きさや波長依存性を特定の置換基によりコントロールすることができる、ノルボルネン系樹脂とその製造方法に関する。
従来、透明樹脂は自動車部品、照明機器、電気部品など通常の透明性が要求される材料として用いられ、特に最近では、光学的性質が重視される光学材料としての応用が進みつつある。このような用途に好適に用いられる透明樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂が知られている。しかし、アクリル系樹脂は透明性に優れているが、耐熱性や耐水性等の点で問題がある。一方、ポリカーボネート系樹脂は、耐熱性や耐水性においてはアクリル系樹脂より優れているが、複屈折が高いなどの問題がある。このため、最近では、透明性、耐水性(低吸水性)、低複屈折性、耐熱性などを兼ね備えている環状オレフィン系樹脂が光学材料用の透明樹脂として用いられ注目されている。このような技術としてはたとえば特許文献1〜6などが挙げられる。
しかしながら、光学機器の機能や用途の高度化に伴い、これらの従来公知の環状オレフィン系樹脂でも、光学材料に求められる特性を十分に満たせない場合が生じてきている。特に、高度化した機能を有する光学機器においては、十分な低複屈折性が非常に重要な物性であり、より優れた低複屈折性を有する透明樹脂の開発が望まれている。
一方、特に最近注目されている光学用フィルム用の樹脂としてみても、上記特性は前記従来の樹脂の問題点を改善できるものであり、このため、環状オレフィン系樹脂からなるフィルムが光学用の各種フィルムとして提案されている。例えば、特許文献7〜10には、環状オレフィン系樹脂のフィルムからなる位相差板が記載されている。また、特許文献11〜13には、環状オレフィン系樹脂のフィルムを偏光板の保護フィルムに使用することが記載されている。さらに、特許文献14には、環状オレフィン系樹脂のフィルムからなる液晶表示素子用基板が記載されている。しかしながら、従来の環状オレフィン系樹脂からなる光学用フィルムは、延伸配向させて得られる透過光に位相差(複屈折)を与える機能が、透過光の波長が長波長になるにつれて透過光の位相差(複屈折)の絶対値が小さくなるという特性を有するため、可視光領域(400〜800nm)全てにおいて、例えば1/4波長等の特定の位相差を透過光に与えることが非常に困難であった。こうした事情は、従来の環状オレフィン系樹脂のみならず、他の樹脂からなる光学用フィルムでも同様であった。
上記に示す高度な光学用途に用いる樹脂は、一般的な光学特性のほかに複屈折の波長依存性、大きさをいかにコントロールするかが大きな課題である。
本発明は、上記課題を達成すべく成されたものであり、鋭意検討した結果、特定のノルボルネン系開環重合体及びその水素添加物は、重合組成比および置換基を選定することにより複屈折の大きさおよび波長依存性をコントロールすることができ、複屈折の特異な波長依存性(長波長になるに従い複屈折が大きくなる)、低複屈折性かつ透明性、非常に高い耐熱性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
特開平1−132625号公報 特開平1-132626号公報 特開平2-133413号公報 特開昭61-120816号公報 特開昭61-115912号公報 特開昭63-218726号公報 特開平4−245202号公報 特開平4−36120号公報 特開平5−2108号公報 特開平5−64865号公報 特開平5−212828号公報 特開平6−51117号公報 特開平7−77608号公報 特開平5−61026号公報
本発明は、所望の複屈折特性および波長依存性を有するとともに、透明性および耐熱性に優れた光学材料を製造し得る、新規なノルボルネン系樹脂およびその製造方法を提供することを課題としている。
本発明のノルボルネン系樹脂は、下記一般式(1)で表される構造単位(1)を有し、かつ、該構造単位(1)が、下記式(A)で表される化合物から導かれる構造単位であることを特徴としている。
Figure 0004193672
(一般式(1)中、cおよびdは0であり、eおよびfは1である。Xは、式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。 1 、R 7 〜R 14 は水素原子を表す。R15は、下記一般式(1−1)で表される基を示す。)
Figure 0004193672
(一般式(1−1)中、16〜R24はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。一般式(1−1)においてgおよびhは0または正の整数である。ただし、g=h=0のときは、R20、R16、R17、R23、およびR24の少なくともいずれか1つに水素以外の置換基を有するか、または、R17とR20またはR24とR20は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成する。
Figure 0004193672
このような本発明のノルボルネン系樹脂は、下記一般式(2)で表される構造単位(2)をさらに有することが好ましく、構造単位(2)の割合が、全構造単位中98モル%以下であることも好ましい。
Figure 0004193672
(一般式(2)中、lおよびmはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、jおよびkはそれぞれ独立に0〜3の整数である。Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH 2 CH 2 −で表される基である。R 33 〜R 42 は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。R 39 とR 40 、またはR 41 とR 42 は一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R 39 またはR 40 とR 41 またはR 42 とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成しても良い。)
本発明のノルボルネン系樹脂では、前記一般式(1)におけるXおよび前記一般式(2)におけるYの合計の90モル%以上が、−CH 2 CH 2 −で表される基であることが好ましい。
本発明のノルボルネン系樹脂の製造方法は、下記一般式(3)で表され、下記式(A)で表される単量体を含むノルボルネン系単量体(3)を、必要に応じて下記一般式(4)で表されるノルボルネン系単量体(4)とともに開環(共)重合することを特徴としている。
Figure 0004193672
(一般式(3)中、cおよびdは0であり、eおよびfは1である。R 1 、R 7 〜R 14 は水素原子を表す。R15は、下記一般式(3−1)で表される基を示す。)
Figure 0004193672
(一般式(3−1)中、16 24 はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。一般式(3−1)においてgおよびhは0または正の整数である。ただし、g=h=0のときは、R20、R16、R17、R23、およびR24の少なくともいずれか1つに水素以外の置換基を有するか、または、R17とR20またはR24とR20は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成する。)
Figure 0004193672
(一般式(4)中、lおよびmはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、jおよびkはそれぞれ独立に0〜3の整数である。R33〜R42は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。R39とR40、またはR41とR42は一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R39またはR40とR41またはR42とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成しても良い。)
このような本発明のノルボルネン系樹脂の製造方法では、前記一般式(3)で表されるノルボルネン系単量体(3)を、必要に応じて前記一般式(4)で表されるノルボルネン系単量体(4)とともに開環(共)重合し、次いで水素添加することが好ましい。
本発明のノルボルネン系樹脂、すなわち開環(共)重合体およびその水素添加物(水添体)は、使用する単量体の種類を選定することにより、複屈折の大きさならびに波長依存性を制御することができる。また、本発明のノルボルネン系樹脂、特に水添体は、複屈折の制御が容易に行えるのみでなく、高耐熱性および高透明性を兼ね備えており、光ディスク、光磁気ディスク、光学レンズ(fθレンズ、ピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、カメラ用レンズ等)眼鏡レンズ、光学フィルム(ディスプレイ用フィルム、位相差フィルム、偏光フィルム、透明導電フィルム等)、光学シート、光ファイバー、導光板、光拡散板、光カード、光ミラー、IC・LSI・LED封止材などに好適に使用できる。
以下、本発明について具体的に説明する。
<ノルボルネン系樹脂>
本発明のノルボルネン系樹脂は、下記一般式(1)で表される構造単位(1)を必須の成分として含み、さらに必要に応じて下記一般式(2)で表される構造単位(2)を含ん
でもよい。このような本発明のノルボルネン樹脂は、通常、後述する特定のノルボルネン系単量体の、開環(共)重合体またはその水素添加物である。なお、本発明において、(共)重合とは、重合または共重合を表す。
Figure 0004193672
(一般式(1)中、a、b、e、およびfはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、cおよびdはそれぞれ独立に0〜2の整数である。Xは、式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。R1〜R14は、それぞれ独立に、水素原子;
ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換もしくは非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表す。R15は、下記一般式(1−1)または一般式(1−2)で表される基を示す。)
Figure 0004193672
(一般式(1−1)および(1−2)において、R16〜R32はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。一般式
(1−1)においてgおよびhは0または正の整数である。ただし、g=h=0のときは、R20、R16、R17、R23、およびR24の少なくともいずれか1つに水素以外の置換基を有するか、または、R17とR20またはR24とR20は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成する。一般式(1−2)においてiは0または1以上の整数である。)
Figure 0004193672
(一般式(2)中、lおよびmはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、jおよびkはそれぞれ独立に0〜3の整数である。Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。R33〜R42は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。R39とR40、またはR41
とR42は一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R39またはR40とR41またはR42とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成しても良い。)
ここで、上記一般式(1)、一般式(1−1)、一般式(1−2)、一般式(2)において、R1〜R14、R33〜R42、およびR16〜R32により表される、水素原子;ハロゲン
原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;ならびに極性基について説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族基などが挙げられる。これらの炭化水素基は置換されていてもよく、置換基としては例えばフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、フェニルスルホニル基、シアノ基等が挙げられる。
このような置換または非置換の炭化水素基は、直接環構造に結合していてもよいし、あるいは連結基(linkage)を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子
数1〜10の2価の炭化水素基(例えば、-(CH2)l-、lは1〜10の整数、で表されるア
ルキレン基);酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含む連結基(例えば、カルボニル基(-CO-)、カルボニルオキシ基(-COO-)、スルホニル基(-SO2-)、スルホニルエステル基(-SO2-O-)、エーテル結合(-O-)、チオエーテル結合(-S-)、イミノ基(-NH-)
、アミド結合(-NHCO-)、シロキサン結合(-Si(R)2O-、Rはメチル、エチル等のアルキル基);あるいはこれらの2種以上が組合さって連なったものが挙げられる。
極性基としては、例えば水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、カルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、シアノ基、アミド基、イミド基、トリオルガノシロキシ基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、アルコキシシリル基、スルホニル基、およびカルボキシル基など挙げられる。さらに具体的には、上記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられ;カルボニルオキシ基としては、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基等のアルキルカルボニルオ
キシ基、およびベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基が挙げられ;アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等が挙げられ;トリオルガノシロキシ基としては例えばトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等が挙げられ;トリオルガノシリル基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基等が挙げられ;アミノ基としては第1級アミノ基が挙げられ、アルコキシシリル基としては例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
上述のように、一般式(1−1)中の、R17とR20およびR20とR24、一般式(2)中の、R39とR40、R41とR42、およびR42とR43、とは各々対になって相互に結合して、炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。このとき形成される炭素環または複素環は芳香環でもよいし非芳香環でもよい。ただし、一般式(1)で表される環構造は除く。
このような構造単位(1)としては、具体的には、後述するノルボルネン系単量体(3)に由来する構造単位、すなわちノルボルネン系単量体(3)を開環(共)重合した際に生じる構造単位またはこれに水素添加して生じる構造単位が挙げられ、構造単位(2)としては、具体的には、後述するノルボルネン系単量体(4)に由来する構造単位、すなわちノルボルネン系単量体(4)を開環(共)重合した際に生じる構造単位またはこれに水素添加して生じる構造単位が挙げられる。
本発明のノルボルネン系樹脂において、構造単位(1)は、一種単独であってもよく、2種以上であってもよい。また、本発明のノルボルネン系樹脂が構造単位(2)有する場合、構造単位(2)は、一種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
本発明のノルボルネン系樹脂は、前記一般式(1)中、c=0かつd=0である構造単位(1)を有することが好ましく、e=1かつf=1である構造単位(1)を有することが好ましく、c=0、d=0、e=1、f=1である構造単位(1)を有することがより好ましい。
また、本発明のノルボルネン系樹脂は、前記一般式(1)において、R15が前記一般式(1−1)で表される基であり、一般式(1−1)中、g=0、h=0であり、かつR16またはR23の少なくとも一方が水素以外の置換基である構造単位(1)を有することが好ましく、R15が前記一般式(1−1)で表される基であり、一般式(1−1)中、g=0、h=0であり、R16またはR23の少なくとも一方が水素以外の置換基であり、かつR17、R20、またはR24の少なくともいずれか一つに水素以外の置換基を有する構造単位(1)を有することがより好ましい。
本発明のノルボルネン系樹脂は、構造単位(2)を、全構造単位中98モル%以下、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下の割合で有するのが望ましい。また、本発明のノルボルネン系樹脂は、構造単位(1)を、全構造単位中2モル%以上、好ましくは5モル%以上の割合で有するのが望ましい。
また、本発明のノルボルネン系樹脂は、前記一般式(1)におけるXおよび前記一般式(2)におけるYの合計の80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95%以上が、−CH2CH2−で表される基であるのが望ましい。このように、XもしくはYとして、−CH=CH−で表される基が少なく、−CH2CH2−で表される基が多い場合には、ノルボルネン系樹脂の反応性の低いため、本発明のノルボルネン系樹脂あるい
はそれからなる成形体が耐熱安定に優れ、熱による着色、変質などが生じにくいので好ましい。
本発明のノルボルネン系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲において、上述の構造単位(1)および構造単位(2)以外の構造単位を有していてもよい。このような構造単位としては、たとえば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィンや1,4−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエンに由来する構造単位などが挙げられる。
このような本発明のノルボルネン系樹脂の分子量などの性状は、特に限定されるものではなく、用途や使用方法等により適宜選択されるが、たとえば光学部品や電気電子材料の分野に用いる場合には、ウッベローデ型粘度計で測定される対数粘度(ηinh)が、通常
0.2〜5.0、好ましくは0.3〜4.0、さらに好ましくは0.35〜2.0程度;ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレン換算)による分子量測定での数平均分子量(Mn)が、通常1000〜50万、好ましくは2000〜30万、さらに好ましくは5000〜30万程度、重量平均分子量(Mw)が、通常5000〜200万、好ましくは1万〜100万、さらに好ましくは3万〜50万程度;ηinhが0.2未満程度であるのが望ましい。
<ノルボルネン系樹脂の製造方法>
本発明のノルボルネン系樹脂の製造方法では、下記一般式(3)で表されるノルボルネン系単量体(3)を、必要に応じて下記一般式(4)で示されるノルボルネン系単量体(4)とともに、開環(共)重合する。また、本発明のノルボルネン系樹脂の製造方法では、下記一般式(3)で表されるノルボルネン系単量体(3)を、必要に応じて下記一般式(4)で示されるノルボルネン系単量体(4)とともに開環(共)重合し、次いで水素添加するのが好ましい。上述した本発明のノルボルネン系樹脂は、このような本発明のノルボルネン系樹脂の製造方法により製造することができる。
Figure 0004193672
(一般式(3)中、a、b、e、およびfはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、cおよびdは独立に0〜2の整数である。R1〜R14は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン
原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換もしくは非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表す。R15は、下記一般式(3−1)または一般式(3−2)で表される基を示す。)
Figure 0004193672
(一般式(3−1)および(3−2)において、R16〜R32はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。一般式(3−1)においてgおよびhは0または正の整数である。ただし、g=h=0のときは、R20、R16、R17、R23、およびR24の少なくともいずれか1つに水素以外の置換基を有するか、または、R17とR20またはR24とR20は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成する。一般式(3−2)においてiは0または1以上の整数である。)
Figure 0004193672
(一般式(4)中、lおよびmはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、jおよびkはそれぞれ独立に0〜3の整数である。R33〜R42は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。R39とR40、またはR41とR42は一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R39またはR40とR41またはR42とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成しても良い。)。
以下、ノルボルネン系単量体(3)および(4)についてさらに具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
ノルボルネン系単量体(3)
本発明で使用されるノルボルネン系単量体(3)は、上記一般式(3)で表される単量体であって、例えば、テトラヒドロフタル酸無水物とシクロペンタジエンまたはジシクロ
ペンタジエンとの反応から得られる6-オキサ-テトラシクロ[9.2.1.02,10.04,8]トリデカ-12-エン-5,7-ジオンのようなノルボルネン酸無水物と芳香族アミンとの
反応で得られるイミド化合物が挙げられ、より具体的には次の化合物を例示できる。
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
などが挙げられる。これらのノルボルネン系単量体(3)は単独で使用することもできるし、2種以上を併用して用いることもできる。
本発明では、これらのうち、一般式(3)のc=0、d=0、e=1、f=1であり、
かつR1〜R14の何れもが水素原子または何れか一つがメチル基であり、さらに、R15
一般式(3−1)もしくは一般式(3−2)で示される基であるノルボルネン系単量体(3)が、得られるノルボルネン系開環重合体もしくはその水素添加物の耐熱性が高く、ま
た、吸水性を低くする上で好ましい。さらに、一般式(3)のc=0、d=0、e=1、
f=1であり、かつR1〜R14の何れもが水素原子または何れか一つがメチル基であり、
さらに、R15が一般式(3−1)もしくは一般式(3−2)で示される基であり、一般式(3−1)のg=h=0、または、一般式(3−2)のi=0である単量体(1)を用いることが有効である。
ノルボルネン系単量体(4)
本発明で必要に応じて使用されるノルボルネン系単量体(4)は、上記一般式(4)で表される単量体であって、具体例としては、次の化合物を例示できる。
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
Figure 0004193672
これらのノルボルネン系単量体(4)は、上述のノルボルネン系単量体(3)と組み合わせて使用することができ、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、得られる共重合体の耐熱性、溶解性および他素材との密着性・接着性等のバランスから、一般式(4)のR39〜R42のうち少なくとも1つが−(CH2nCOOR43で表されるカルボン酸エステル基(ここで、R43は炭素数1〜20の炭化水素基、nは0〜10の整数である。)であるノルボルネン系単量体(4)が好ましく、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8-メチル-8-メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.
2,5.17,10〕−3−ドデセンが、その製造方法が容易な点で特に好ましい。
なお、上記のR43で表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基があげられる。好ましくは、メチル基、エチル基、フェニル基であり、特に
好ましくは、メチル基またはエチル基である。
本発明において、ノルボルネン系単量体(3)とノルボルネン系単量体(4)との使用割合は、モル比で、通常100/0〜2/98、好ましくは100/0〜5/95、さらに好ましくは、100/0〜10/90である。
ノルボルネン系単量体(3)の使用割合が2/98よりも小さい場合、本発明の効果である、複屈折の特異な波長依存性(長波長になるに従い複屈折が大きくなる)や低複屈折性が得られない場合がある。なお、ノルボルネン系単量体(3)およびノルボルネン系単量体(4)以外の共重合可能な単量体も使用する場合には、ノルボルネン系単量体(3)の使用量は、上記本発明の効果を得るために、全単量体に対して2モル%以上使用することが好ましい。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲において、ノルボルネン系単量体(3)および(4)以外の共重合可能な単量体、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィンや1,4−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエンを使用することもできる。
また、本発明においては、上記ノルボルネン系単量体(3)等の開環重合を、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン、エチレン−非共役ジエン重合体、ノルボルネン系単量体の開環(共)重合の未水添物などの存在下で行ってもよい。
重合
以下、本発明における(共)重合の条件をさらに説明する。
開環(共)重合触媒:
本発明の製造方法において、開環(共)重合に用いる触媒は、上述のノルボルネン系単量体(3)および必要に応じて(4)を開環(共)重合できる触媒であればよく、特に限定されるものではないが、たとえば、文献「Olefin, Academic Press 1997」に記載されている触媒が好ましく用いられる。
このような触媒としては、たとえば(a)W、Mo、Re、V、およびTiの化合物か
ら選ばれた少なくとも1種と、(b)Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Cd、Hg、B、Al、Si、Sn、Pdなどの化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなるメタセシス重合触媒があげられる。またこの場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加されたものであってもよい。また、その他の触媒として(d)助触媒を用いない周期表第4族〜8族遷移金属−カルベン錯体やメタラシクロブタン錯体などからなるメタセシス触媒が挙げられる。
上記(a)成分として適当なW、Mo、Re、V、およびTiの化合物の代表例としては、WCl6、MoCl5、ReOCl3、VOCl3、TiCl4など特開平1−2405
17号公報に記載の化合物を挙げることができる。
上記(b)成分の具体例としては、n−C49Li、(C253Al、(C252
lCl、(C251.5AlCl1.5、(C25)AlCl2、メチルアルモキサン、Li
Hなど特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、更に特開平1−240517号公報に示さ
れる化合物を使用することができる。
上記(d)成分の代表例としてはW(=N−2,6−C63 iPr2)(=CHtBu)
(OtBu)2、Mo(=N−2,6−C63 iPr2)(=CHtBu)(OtBu)2、R
u(=CHCH=CPh2)(PPh32Cl2、Ru(=CHPh2)[P(C6113
2Cl2などがあげられる。
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分とノルボルネン系単量体(単量体(3)と単量体(4)との合計)とのモル比で「(a)成分:ノルボルネン系単量体」が、通常1:500〜1:500000となる範囲、好ましくは1:1000〜1:100000となる範囲であるのが望ましい。(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲であるのが望ましい。(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で「(c):(a)」が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲であるのが望ましい。また、触媒(d)の使用量は、(d)成分とノルボルネン系単量体(単量体(3)と単量体(4)との合計)とのモル比で「(d)成分:特定単量体」が、通常1:500〜1:50000となる範囲、好ましくは1:100〜1:10000となる範囲であるのが望ましい。
分子量調節剤:
開環(共)重合で得られる開環(共)重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。ここで、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。分子量調節剤の使用量は、開環(共)重合反応に供されるノルボルネン系単量体(単量体(3)と単量体(4)との合計)1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルの範囲であるのが望ましい。
開環(共)重合反応用溶媒:
開環(共)重合反応において用いられる溶媒(単量体、メタセシス触媒および分子量調節剤を溶解または分散する溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチルなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうちでは、芳香族炭化水素が好ましい。溶媒の使用量としては、「溶媒:ノルボルネン系単量体(重量比)」が、通常1:1〜10:1となる量、好ましくは1:1〜5:1となる量であるのが望ましい。
水素添加
上記の開環(共)重合により得られるノルボルネン系樹脂では、構造単位(1)中のXと構造単位(2)中のYはいずれも-CH=CH-で表されるオレフィン性不飽和基の状態であ
る。係る開環(共)重合体は、そのまま本発明のノルボルネン系樹脂として使用することもできるが、耐熱安定性の観点からさらに水素添加を行うことが望ましく、上記のオレフィン性不飽和基が水素添加されて前記XとYとが-CH2-CH2-で表される基に転換された水
素添加物を本発明のノルボルネン系樹脂として使用することが好ましい。このため本発明のノルボルネン系樹脂の製造方法では、上述の開環(共)重合に続いて、水素添加を行うことが好ましい。
本発明でいう水素添加物とは、上記のオレフィン性不飽和基が水素添加されたものであり、ノルボルネン系単量体(3)もしくは単量体(4)に基づく側鎖の芳香環は実質的に水素添加されていないものである。
なお、水素添加する割合としては、上記XおよびYの少なくとも80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。水素添加する割合が高いほど、得られるノルボルネン系樹脂の熱による着色や劣化が抑制されるため好ましい。
水素添加反応は、ノルボルネン系単量体(3)もしくは他の単量体に基づく側鎖の芳香環が実質的に水素添加されない条件で行われる必要がある。通常は、開環(共)重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、さらに好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が公知である。不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、ノルボルネン系単量体(3)もしくは他の単量体に基づく側鎖の芳香環が実質的に水素添加されないようにするために、その添加量を調整する必要があるが、通常は、「開環(共)重合体:水素添加触媒(重量比)」が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
本発明においては、得られるノルボルネン系樹脂である開環(共)重合体またはその水素添加物の、ウッベローデ型粘度計で測定される対数粘度(ηinh)が、通常0.2〜5
.0、好ましくは0.3〜4.0、さらに好ましくは0.35〜2.0であるのが望ましい。また、ノルボルネン系樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレン換算)による分子量の測定では数平均分子量(Mn)は、通常1000〜50万、好ましくは2000〜30万、さらに好ましくは5000〜30万であり、重量平均分子量(Mw)は、通常5000〜200万、好ましくは1万〜100万、さらに好ましくは3万〜50万であるのが望ましい。ηinhが0.2未満、
Mnが1000未満あるいはMwが5000未満であると、成形物の強度が著しく低下する。一方、ηinhが5.0以上、Mnが50万以上あるいはMwが200万以上であると
、開環重合体またはその水素添加物の溶融粘度あるいは溶液粘度が高くなりすぎて、所望の成形品を得ることが困難になる場合がある。
本発明に係るノルボルネン系樹脂には、公知の各種添加剤を添加することができる。例えば2,6−ジーt−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビス(4−エチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドキシフェニル)プロピ
オネート]、4,4−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,3’,3”、5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a、a’、a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾールなどのフェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤、または例えばトリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどのりん系酸化
防止剤をあげることができ、これらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加することにより、開環(共)重合体またはその水素添加物の酸化安定性を向上することができる。また、紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]などを添加することによって耐光性を向上することができる。また、本発明に係るノルボルネン系樹脂には、加工性を向上させる目的で、滑剤などの添加剤を添加することもできる。
本発明に係るノルボルネン系樹脂は、特異な複屈折の波長依存性、低複屈折および高耐熱性、高度な透明性を有している。このことから本発明に係るノルボルネン系樹脂は、光学部品や電気電子材料などの分野の用途において特に有用であり、例えば、光ディスク、光磁気ディスク、光学レンズ(fθレンズ、ピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、カメラ用レンズ等)、眼鏡レンズ、光学フィルム(ディスプレイ用フィルム、位相差フィルム、偏光フィルム、透明導電フィルム、波長板、光ピックアップフィルム等)、液晶配向膜、光学シート、光ファイバー、導光板、光拡散板、光カード、光ミラー、IC・LSI・LED封止材などの用途が挙げられる。
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例中の各種測定および評価は以下のとおりに行った。
(ガラス転移温度:Tg)
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を用いて、昇温速度を毎分20℃、窒素気流下で測定を行った。
(重量平均分子量および分子量分布)
東ソー株式会社製HLC-8020ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、
テトラヒドロフラン(THF)溶媒を用い、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、分
子量分布(Mw/Mn)を測定した。Mnは数平均分子量を表す。
(構造確認)
核磁気共鳴分光計(NMR)はBruker社製AVANCE500を用い、重水素化クロロホルム中で1H−NMRおよび13C−NMRを測定した。
赤外分光計(IR)は日本分光社製FT/IR−420を用いて測定した。
(位相差、複屈折評価)
ガラス板上に樹脂のトルエンないし塩化メチレン溶液をキャストし、乾燥後、厚さ50〜200μm、残留溶媒0.5〜0.8%の無色透明なフィルムを得た。フィルムのTg+10℃の温度にて1.3〜2.0倍に1軸延伸した。この延伸フィルムをレターデーション測定器(KOBRA21DH:王子計測社製)を用いてレターデーション(Re)を測定した。
合成例
<6-(2、4-ジメトキシフェニル)-6-アザ-テトラシクロ[9.2.1.02,10.04,8] テトラデカ-12-エン-5,7-ジオン(下記構造式(A))の合成>
ステンレス製の密閉容器にテトラヒドロフタル酸無水物(50g、0.33mol)およびジシクロペンタジエン(21.7g、0.16mol)を仕込み、180℃で6時間反応させた。その後、反応系を3mmHgに減圧し、130℃に加熱することにより原料を留去して下記構造式(B)で表される6-オキサ-テトラシクロ[9.2.1.02,10
4,8]トリデカ-12-エン-5,7-ジオンを主成分とする粗生成物24.3gを得た。得られた6-オキサ-テトラシクロ[9.2.1.02,10.04,8]トリデカ-12-エン-5,7-ジオン粗体のGPCで測定した純度は80%であった。
還流管を取り付けた500mL 3口フラスコに構造式(B)で表される6-オキサ-テトラシクロ[9.2.1.02,10.04,8]トリデカ-12-エン-5,7-ジオンを主成分とす
る前述の粗体(24.3g)、2,4‐ジメトキシアニリン(13.5g、 0.088mol)を仕込み、更に溶媒として酢酸200mlを添加した。昇温すると反応系は均一となり、その後3時間還流を行った。反応系を放冷後、酢酸を減圧留去し、得られた個体をメタノールで洗浄して赤褐色固体28.0g(粗収率:90%) を得た。得られた固体
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン)で精製後、さらにメタノールで再結晶し、白色固体11.0g(収率:35%)を得た。得られた6-(2
、4-ジメトキシフェニル)-6-アザ-テトラシクロ[9.2.1.02,10.04,8] テトラデカ-12-エン-5,7-ジオンのIR、1H−NMR、13C−NMRスペクトルを図1、
図2、図3にそれぞれ示す。
Figure 0004193672
Figure 0004193672
<開環重合体とその水素添加物の製造>
ノルボルネン系単量体として、前記構造式Aで表される6-(2、4-ジメトキシフェニル)-6-アザ-テトラシクロ[9.2.1.02,10.04,8] テトラデカ-12-エン-5,7-ジオン 3.8g、および、8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 2.5g、分子量調節剤として1−へキセン
0.07gおよびトルエン 25.0gを、窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加
熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/L)のトルエン溶液 0.23ml、
メタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L) 0.69mlを加え、80℃で3
時間反応させることにより、重量平均分子量(Mw)が15.9x104,分子量分布(Mw/Mn)=3.21の重合体が得られた。
ここで得られた重合体溶液をオートクレーブに入れ、さらにトルエンを300g加えた。水素添加反応触媒であるRuHCl(CO)[P(C6H5)3]3をモノマー仕込み量に対して2500ppm添加し、水素ガス圧を9−10MPa、温度を160−165℃とし、3時間の反応を行った。反応終了後、多量のメタノール溶液に沈殿させることにより水素添加物を得た。得られた水素添加物は、重量平均分子量(Mw)=16.2x104、分子量分布(Mw/Mn)=2
.72、固有粘度(ηinh)=0.88、ガラス転移温度(Tg)=190.3℃であった
。また、NMR測定により求めたこの水素添加物の水素添加率は99.0%以上であり、芳香環残存率は100%であった。6-(2、4-ジメトキシフェニル)-6-アザ-テトラ
シクロ[9.2.1.02,10.04,8] テトラデカ-12-エン-5,7-ジオンに由来する構造単位の割合は34.6mol%であった。得られた開環重合水添添加物のIR、1H−
NMR、13C−NMRスペクトルを図4、図5、図6にそれぞれ示す。
得られた開環重合水添体の溶媒キャスト法で成形したフィルムを延伸した後にレターデーション(Re、位相差)を測定し、フィルムの厚さ(d)から複屈折の評価を行った。測定波長550nmでの複屈折(Re550/d=Δn550)の結果を表1に示す。また、実施例に示す開環共重合水添体のレターデーション(Re)の波長依存性について評価した。各波長のレターデーション(Re)と550nmでのレターデーション(Re550)比の測定結果を表1に示す。
比較例1
ノルボルネン系単量体として下記構造式Cで表される8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを50gと、1−へキ
セン 3.6gおよびトルエン 100gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/L)のトルエン溶液 0.09ml、メ
タノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L) 0.29mlを加え、80℃で3時
間反応させることにより重合体を得た。次いで、実施例1と同様にして水素添加反応を行い、重合体の水素添加物を得た。得られた水素添加物は、ガラス転移温度(Tg)=167℃、重量平均分子量(Mw)=56000、分子量分布(Mw/Mn)=3.2であった。また
、NMR測定によるこの水素添加物の水素添加率は99.0%以上であった。
Figure 0004193672
得られた水素添加物について、実施例1と同様にしてレターデーション(Re、位相差)を測定し、フィルムの厚さ(d)から複屈折の評価を行った。測定波長550nmでの複屈折
(Re550/d=Δn550)の結果を表1に示す。また、実施例と同様にしてレターデーション
(Re)の波長依存性について評価した。各波長のレターデーション(Re)と550nmでのレ
ターデーション(Re550)比の測定結果を表1に示す。
この結果より、比較例1に比べ実施例1では複屈折が低いことがわかった。また、比較例1で得られた水素添加物では、測定波長に対して依存性が小さく、短波長側で若干大きくなるが、実施例1で得られた水素添加物では、長波長側になるに従いレターデーション比が大きくなることがわかった。
Figure 0004193672
図1は、合成例で得た単量体の赤外吸収(IR)スペクトルを示す。 図2は、合成例で得た単量体の1H−NMRスペクトルを示す。 図3は、合成例で得た単量体の13C−NMRスペクトルを示す。 図4は、実施例で得た開環重合体水素添加物の赤外吸収(IR)スペクトルを示す。 図5は、実施例で得た開環重合体水素添加物の1H−NMRスペクトルを示す。 図6は、実施例で得た開環重合体水素添加物の13C−NMRスペクトルを示す。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位(1)を有し、かつ、該構造単位(1)が、下記式(A)で表される化合物から導かれる構造単位であることを特徴とするノルボルネン系樹脂。
    Figure 0004193672
    (一般式(1)中、cおよびdは0であり、eおよびfは1である。Xは、式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。R1、R7〜R14は水素原子を表す。R15は、下記一般式(1−1)で表される基を示す。)
    Figure 0004193672
    (一般式(1−1)中、R16〜R24はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。一般式(1−1)においてgおよびhは0または正の整数である。ただし、g=h=0のときは、R20、R16、R17、R23、およびR24の少なくともいずれか1つに水素以外の置換基を有するか、または、R17とR20またはR24とR20は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成する。)
    Figure 0004193672
  2. 下記一般式(2)で表される構造単位(2)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のノルボルネン系樹脂;
    Figure 0004193672
    (一般式(2)中、lおよびmはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、jおよびkはそれぞれ独立に0〜3の整数である。Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。R33〜R42は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。R39とR40、またはR41とR42は一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R39またはR40とR41またはR42とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成しても良い。)。
  3. 構造単位(2)の割合が、全構造単位中98モル%以下であることを特徴とする請求項2に記載のノルボルネン系樹脂。
  4. 前記一般式(1)におけるXおよび前記一般式(2)におけるYの合計の90モル%以上が、−CH2CH2−で表される基であることを特徴とする請求項2または3に記載のノルボルネン系樹脂。
  5. 下記一般式(3)で表され、下記式(A)で表される単量体を含むノルボルネン系単量体(3)を、必要に応じて下記一般式(4)で表されるノルボルネン系単量体(4)とともに開環(共)重合することを特徴とするノルボルネン系樹脂の製造方法;
    Figure 0004193672
    (一般式(3)中、cおよびdは0であり、eおよびfは1である。R1、R7〜R14は水素原子を表す。R15は、下記一般式(3−1)で表される基を示す。)
    Figure 0004193672
    (一般式(3−1)中、R16〜R24はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。一般式(3−1)においてgおよびhは0または正の整数である。ただし、g=h=0のときは、R20、R16、R17、R23、およびR24の少なくともいずれか1つに水素以外の置換基を有するか、または、R17とR20またはR24とR20は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成する。)
    Figure 0004193672
    Figure 0004193672
    (一般式(4)中、lおよびmはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、jおよびkはそれぞれ独立に0〜3の整数である。R33〜R42は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはケイ素原子を含む連結基を有しても良い置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。R39とR40、またはR41とR42は一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R39またはR40とR41またはR42とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を形成しても良い。)。
  6. 前記ノルボルネン系単量体(3)を、必要に応じて前記一般式(4)で表されるノルボルネン系単量体(4)とともに開環(共)重合し、次いで水素添加することを特徴とする請求項に記載のノルボルネン系樹脂の製造方法。
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