JP4192769B2 - 金型又は粗形材の形状モデルの創成方法 - Google Patents

金型又は粗形材の形状モデルの創成方法 Download PDF

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Description

本発明は金型や金型成型品(粗形材)の形状(モデル)の創成方法に関する。
今日では、金型成型品などの粗形材の三次元形状を表す粗形材モデルやその成型に用いる金型の三次元形状を表す金型モデルは、三次元CADにて創成されるのが一般的となっている。従来、CAD上にこれらモデルを創成する場合、まず予め創成した製品の原形モデル(フィレット面なし、抜き勾配なし)を創成する原形モデル創成処理を行い、次にこの原形モデル(フィレット面なし、抜き勾配なし)の面である原形面(フィレット面なし、抜き勾配なし)を金型成型特に加工や抜きの容易性を考えて複数の分割面(通常は同じツールの連続的動作により加工可能)に分割する面分割処理を実行し、次に角度が異なる二つの分割面間の境界部にこれらの分割面に滑らかに連なる連接面(フィレット面)を形成するフィレット面形成処理を実行し、更に抜き勾配が必要な分割面に抜き勾配を設ける抜き勾配形成処理を実行し、粗形材の形状を示す粗形材モデルやそれを成型する金型の形状を示す金型モデルを創成していた。CADを用いたフィレット面創成方法としてはたとえば下記の特許文献1などが提案されている。
特許第2638852号公報
しかしながら、上記した従来のCADによる粗形材モデルや金型モデルの創成作業特にそのフィレット面や抜き勾配面の創成作業では、CAD上での各フィレット面必要領域ごとにフィレット面創成演算や抜き勾配面創成演算を行う必要があり、CADモデル創成のための時間と手間の負担が大きく、更に作業者の好みのばらつきなどによりフィレット面や抜き勾配面の形状が統一されないおそれも生じた。
そのうえ、上記したCAD上に創成された粗形材モデルの成型面に対応する金型モデルのキャビティ面をNC加工データに変換して金型加工を行う場合、金型加工装置は上記フィレット面や抜き勾配面を忠実に再現する加工動作を当然行うが、これらCAD上に創成された複雑なフィレット面や抜き勾配面の処理のためNC加工データ作成に時間がかかるうえ、このNC加工データを用いた実際のNC加工も複雑となり、最終的に金型コストの増大を招いていた。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、たとえばフィレット面や抜き勾配面をもつ金型又は金型成型品の形状設計並びに金型製造作業を従来より簡素化可能な金型又は粗形材のモデルの創成方法を実現することをその目的すなわち課題としている。
第一発明のモデル創成方法は、粗形材又は金型の基本的な三次元形状を表す原形面からなる原形モデルを準備し、所定の加工ツールで前記原形面を創成するものとしてNC加工データを作成し、前記加工ツール又は前記加工ツールと類似形状の加工ツールで前記NC加工データに基づいて前記原形面を加工する加工シミュレーションを行い、前記加工シミュレーション時に前記加工ツールの形状により前記原形モデルに新たに付与される前記原形モデルにない新規面を取得し、前記新規面を前記原形モデルの元の形状に加えることにより完成モデルを創成することを特徴としている。このようにすれば、特定形状を有するツールを用いての加工シミュレーションの実施によりツール形状により新しく創成される新規面をCAD上の原形モデルにフィードバックするので、CAD上での面創成作業を簡素化するとともに、実際の加工では、この新規面は原形モデルの原形面加工により自動的に創成できるので、実際の加工作業も簡素化することができる。
また、この発明にて用いる加工シミュレーションを利用して金型加工に要する時間や金型あるいは粗形材の製作に要する費用を簡単かつ高精度に推定することができるため、設計者は自己に課せられた製品製造コストやその内の金型製作コストとして許される範囲内へそれらの実コストを収斂させるための設計変更の繰り返しを効率良く実施することができるという効果も奏することができる。
第二発明のモデル創成方法によれば、凹状に隣接する隣接二面間の境界部にフィレット面が形成されていない粗形材又は金型の基本的な三次元形状を表す原形モデルを準備し、前記原形モデルを所定の回転加工ツールで創成するものとしてNC加工データを作成し、前記回転加工ツールと等径で先端部が丸い半球状先端部付き回転加工ツールを用いて前記NC加工データに基づいて、前記原形モデルの前記各境界部のうち所定の又はすべての境界部において前記境界部に連なる前記二面の少なくとも一方を加工する加工シミュレーションを行うことにより、前記加工シミュレーション時の前記半球状先端部表面の軌跡面として前記境界部に前記フィレット面としての凹R面を創成し、創成された前記凹R面を前記原形モデルの元の形状に加えることにより、フィレット面付きモデルである完成モデルを創成することを特徴としている。
ここで言う「凹状に隣接する隣接二面」とは、面と面との間の空間中において、二つの面間の空間角度が所定角度未満(少なくとも180度未満)である隣接二面を言う。この隣接二面のうちのどちらか一面を半球状先端部付き回転加工ツールの回転側面で加工して創成する際に、半球状先端部の先端R形状により境界部が加工できずに凹R面として残留する。なお、原形モデルが金型の原形モデルである場合、この金型モデルの凹R面により、この金型モデルにより成型される粗形材モデルにはフィレット面としての凸R面が創成される。原形モデルが粗形材モデルである場合、この粗形材モデルの凹R面により、この粗形材モデルを成型するための金型モデルには、フィレット面としての凸R面が創成される。
ここで言う「創成された凹R面を原形モデルの元の形状に実質的に加える」とは、原形モデルの元の形状の該当境界部を創成された凹R面に変更する場合の他、上記加工シミュレーションにより得たモデルすなわち形状をすべて取得する場合であってもよい。
たとえば、この発明では、CAMシステム上に創成されたフィレット面処理なしの原形モデルをCAMシステム(CAMプログラム)によりNC加工データに変換し、このNC加工データをシミュレータ(シミュレーションプログラム)によりたとえばボールエンドミルのような先端R形状のツールで仮想加工する。上記模擬加工は、原形モデルのすべて加工が必要なすべての面に対して行ってもよく、あるいはフィレット面を創成すべき境界部に連なる面に対してのみ行ってもよい。この結果、境界部にはツールの先端部の加工残りとして凹R面が形成されるので、この凹R面をフィレット面として利用することができる。
このようにすれば、ほとんどのフィレット面に対する面形状要求はそれほど厳密ではないため、フィレット面を必要とする原形モデルのすべての部位をCAD画面上に呼び出し、部位を指定して従来のフィレット面創成プログラムによるフィレット面創成処理を一々実行する必要がなく、更に各フィレット面の形状を統一することができ、モデル創成作業を簡素化、高速化することができる。また、フィレット面創成のための実際の金型加工も簡単となるため、金型加工作業の容易化と加工時間の短縮も可能となる。なお、特別のフィレット面を創成する必要がある部位は、それを選択して従来のフィレット面創成のためのCADプログラムを実行すればよいが、このようなケースは通常のケースでは実際にはほとんど必要ではない。
また、この発明にて用いる加工シミュレーションを利用して金型加工に要する時間や金型あるいは粗形材の製作に要する費用を簡単かつ高精度に推定することができるため、設計者は自己に課せられた製品製造コストやその内の金型製作コストとして許される範囲内へそれらの実コストを収斂させるための設計変更の繰り返しを効率良く実施することができるという効果も奏することができる。
好適態様において、粗形材モデルに上記凹R面を形成するのに用いる半球状先端部付き回転加工ツールと、この粗形材モデルを成型するための金型に上記凹R面を形成するのに用いる半球状先端部付き回転加工ツールとは同一のものを用いることが好ましい。このようにすれば、実際に製造される粗形材モデルのフィレット面である凸R面と凹R面とが近似するため、美観に優れる。
好適態様において、前記フィレット面に要求される形状を満足するサイズをもつ前記半球状先端部付き回転加工ツールを選択し、前記完成モデルの実際の創成に際して前記タイプの半球状先端部付き回転加工ツールを指定する。これによりフィレット面は、実際には特別の加工を行うことなく、単にこのフィレット面に連接する面の加工の際に自動的に形成されることができる。
第三発明のモデル創成方法によれば、抜き勾配必要面に抜き勾配が形成されていない金型の基本的な三次元形状を表す原形モデルを準備し、前記原形モデルを所定の回転加工ツールで創成するものとしてNC加工データを作成し、前記回転加工ツールと略等径で所定のテーパ面をもつテーパ付き回転加工ツールを用いて前記NC加工データに基づいて、前記抜き勾配必要面を加工する加工シミュレーションを行うことにより、前記加工シミュレーション時の前記テーパ面の軌跡面として前記抜き勾配必要面に抜き勾配面を創成し、創成された前記抜き勾配面を前記原形モデルの元の形状に加えることにより、抜き勾配面付きモデルである完成モデルを創成することを特徴としている。
ここで言う抜き勾配必要面とは、金型モデルである原形モデルを加工する回転加工ツールの軸心方向に対して平行な面を言う。回転加工ツールは、その軸心と平行な動きとその軸心と直角な動きとを行う。回転加工ツールの軸心方向すなわち回転加工ツールの姿勢は、少なくともこの抜き勾配必要面の加工に際しては、抜き勾配必要面の抜き勾配がない場合の方向に平行な方向更に言えば金型の抜き方向に一致するように選択される。
ここで言う「創成された抜き勾配面を原形モデルの元の形状に実質的に加える」とは、原形モデルの元の形状の該当抜き勾配必要面を創成された抜き勾配面に変更する場合の他、上記加工シミュレーションにより得たモデルすなわち形状をすべて取得する場合であってもよい。
たとえば、この発明では、CADシステム上に創成された金型モデルの抜き勾配必要面に対してCAMシステムによりテーパ無し回転加工ツールの動き(軌跡)を示すNC加工データを創成する。これにより、この抜き勾配必要面を抜き勾配なしに加工可能とする。次に、このNC加工データを用いてシミュレータにより上記テーパ無し回転加工ツールと略等径でテーパ付きの回転加工ツールで加工シミュレーションを行うことにより、この抜き勾配必要面にツールのテーパを転写して抜き勾配必要面を抜き勾配面に仮想加工する。このようにして取得した抜き勾配面を金型モデルに設けることにより、CAMシステム上の金型モデルの抜き勾配必要面に抜き勾配を設ける処理を一々実行しなくても、一括して抜き勾配必要面に抜き勾配を設けることができ、モデル創成作業を簡素化、高速化することができる。また、抜き勾配面創成のための実際の金型加工も単に回転加工ツールをテーパ付きと指定するだけでよいため金型加工作業の容易化と加工時間の短縮も可能となる。なお、金型モデルの抜き勾配面以外の面のうちこのテーパ付き回転加工ツールで加工可能な面をこのテーパ付き回転加工ツールで加工するように指定することもできる。
また、この発明にて用いる加工シミュレーションを利用して金型加工に要する時間や金型あるいは粗形材の製作に要する費用を簡単かつ高精度に推定することができるため、設計者は自己に課せられた製品製造コストやその内の金型製作コストとして許される範囲内へそれらの実コストを収斂させるための設計変更の繰り返しを効率良く実施することができるという効果も奏することができる。
好適態様において、前記抜き勾配必要面の抜き勾配に相当するテーパをもつ前記テーパ付き回転加工ツールを選択し、前記完成モデルの実際の創成に際して前記タイプのテーパ付き回転加工ツールを指定する。
第四発明のモデル創成方法は、凹状に隣接する隣接二面間の境界部にフィレット面が形成されておらず、かつ前記境界部に連なる前記抜き勾配必要面に抜き勾配が形成されていない金型の三次元形状を表す原形モデルを準備し、前記原形モデルをテーパ無し回転加工ツールで加工するものとしてNC加工データを作成し、前記テーパ無し回転加工ツールと略等径で所定のテーパ面をもつテーパ付き半球状先端部付き回転加工ツールを用いて前記NC加工データに基づいて、前記原形モデルの前記各境界部のうち所定の又はすべての境界部において前記境界部に連なる前記抜き勾配必要面を加工する加工シミュレーションを行うことにより、前記抜き勾配必要面に前記抜き勾配面を、前記境界部に前記抜き勾配面に連なる前記フィレット面としての凹R面を形成し、創成された前記凹R面及び前記抜き勾配面を前記原形モデルの元の形状に加えることにより、抜き勾配面モデルである完成モデルを創成する。このようにすれば、上述の理由により、フィレット面及び抜き勾配の両方を創成するためのモデル処理及び実際加工を簡素、高速とすることができる。
なお、上記した回転加工ツールとしてはエンドミルが好適であるが、エンドミルに限定されるものではない。エンドミルとしては、フラットエンドミルやボールエンドミルを採用することができ、側面にテーパが無いエンドミル(ストレート)や、側面に先細のテーパをもつエンドミル(テーパ)を採用することができる。また、上記加工データへの変換や加工シミュレーションは、原形モデルのすべての面に対して行う以外に、フィレット面の創成が必要な境界部に連なる面又は抜き勾配必要面に対してだけ行ってもよい。
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照して説明する。ただし、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の思想を利用可能な工業製品の表面形状の決定に採用可能であることはもちろんである。なお、この実施例では、金型成型品である粗形材の表面形状である粗形材モデルや、その成型に用いる金型の表面形状である金型モデルとを創成するものとする。ただし、この実施例では、金型モデルは、4つの入子の表面形状である入子モデルに分割されるものとするが、金型モデルとして公知の他の構成を採用することができることは言うまでもない。
(装置構成)
この実施例で用いる装置構成とモデル創成手順とを図1に示す。1はCADシステム、2はCAMシステム、3は加工シミュレータ、4はデータベースであり、これらはデータ高速授受可能に接続されている。CADシステム1、CAMシステム2、加工シミュレータ3はすべて三次元形状を処理するタイプとする。この種のCADシステム1、CAMシステム2、加工シミュレータ3およびデータベース4としては市販のもので十分であり、かつ、もはや周知であるのでその構成などの説明は省略する。また、このようなCADシステム1、CAMシステム2および加工シミュレータ3の本質はソフトウエア処理であるので、これらの装置は、これらのソフトウエア(プログラム)の処理動作やデータ入出力動作や表示動作が遂行可能であれば、他のデータ処理装置を用いてもよいことも当然である。データベース4は、後述するように金型加工に使用可能なツールの形状やその動作に関するデータすわなちツール情報を蓄積しているものとする。この実施例では金型加工に用いるツールは、金型加工はNC機やマシニングセンタなどにより駆動されるボールエンドミルとするがこれに限定されるものではなく、フラットエンドミルや放電加工などの公知の金型加工手段を採用することも可能である。放電加工では、その電極がこの実施例で言うツールに相当する。
(モデル創成手順の詳細)
モデル創成手順の詳細を以下、順次説明する。ただし、成型品(粗形材)の原初的な(基本的な)形状である粗形材原形モデル(本発明で言う原形モデル)はCADデータとして予め作成されているものとする。ただし、この粗形材原形モデルは、フィレット面や抜き勾配を形成されていないものとする。
(面分割工程)
まず、CADシステム1を用いて図2に示すように面分割工程を行う。この面分割工程では、粗形材原形モデル5を入子の抜き方向を考慮して好適な数の分割面に分割し、各分割面を各入子11〜14の成型面(キャビティ面)として各入子モデル(初期)。これら各入子モデル(初期)を総称して金型原形モデルと言うものとする。なお、図1、図11では粗形材原形モデルは、基本モデル(相関形状)又は基本モデルと呼称されている。
(加工データ作成工程1)
次に、CAMシステム2を用いて加工データ作成工程1を行う。この加工データ作成工程1にて、上記した各入子モデル(初期)は、用いるマシニングセンタに適合したNC加工データにそれぞれ変換される。加工データは本質的にツールの決定とツールの動作の決定とを含む。この実施例では、ツールとしてボールエンドミル(ストレート)を用いる。
好適なツール動作のパターンを図3、図4に示す。この加工データの作成は、入子モデル(初期)の凹状に隣接する二つの面間の境界領域にフィレット面を作成することにより、これら二面を円滑に連結するフィレット面作成工程を含む。ただし、この実施例では、すべてのフィレット面の形状は、フィレット面に連なる面を加工する加工データ作成用ツールであるボールエンドミルの形状と動作とによりすべて決定可能とする。もちろん、一部のフィレット面のみを上述したこのフィレット面に連なる面をボールエンドミルの形状と動作とにより決定可能とした変形態様を存在し得る。この場合には、他のフィレット面は、CADシステムのフィレット面創成プログラムにより創成されて他のエンドミルなどの他のツールにて形成される。この実施例では、図3、図4に示すように、各入子モデル(初期)の成型面に創成される各フィレット面のR値に合わせて、ツール(加工データ作成用ツールと呼ぶものとする)としてのボールエンドミル6がNC加工データ作成のために選定される。なお、加工データ作成用ツールとしてボールエンドミル(テーパ)を用いてもよい。
(加工シミュレーション工程1)
次に、加工シミュレータ3を用いて加工シミュレーション工程1を行う。加工シミュレーション工程1を表す概念図を図5に、加工シミュレーション工程1により得られた入子モデル(中間)の一例を図6に示す。この加工シミュレーション工程1では、まず各入子モデル(初期)に適した材料モデル(通常はブロック材)7を定義し、加工データ作成工程1で得た加工データを用いて加工シミュレーションを行う。この加工シミュレーションで用いるボールエンドミル(加工シミュレーションツールと呼ぶものとする)の先端部分のR値(以下、先端R値とも言う)は、加工データ作成工程1で用いたボールエンドミルすなわち加工データ作成用ツールの先端R値と同じ値とする。ただし、加工シミュレーションツールの側面形状は、入子モデルの成型面の側面に抜き勾配を形成するため、抜き勾配に合わせたテーパ角をもつテーパ形状とする。すなわち、加工シミュレーションツールとしてボールエンドミル(テーパ)8が採用される。ただし、ボールエンドミル(テーパ)8の軸心は入子抜き方向に一致させるものとする。
これにより、入子モデルの成型面のフィレット面が必要な面すなわち二面境界部)にツールの先端R値に対応する凹R面がフィレット面として創成され、更に抜き勾配が必要な成型面の側面すなわち抜き勾配必要面にツールのテーパ形状に対応する抜き勾配が創成された入子モデル(中間)9が形成される。
当然、入子モデル(中間)9にツールの先端R値に対応する凹R面が創成されるということは、入子モデル(中間)の表面に対応する後述の粗形材モデル(中間)の対応表面に凸R面がフィレット面として創成されることを意味する。この入子モデル(中間)9の凹R面および抜き勾配は、ボールエンドミル(テーパ)により極めて簡単に形成されることができる。ボールエンドミル(テーパ)8の形状をテーパを誇張して表示した図7に示す。ボールエンドミル(テーパ)8により、入子モデル(中間)9側に抜き勾配と凹R(粗形材モデル側には凸R)が形成されることがわかる。
なお、入子モデルの該当部位が凹R面のみを必要とする場合には、加工シミュレーションにおいてボールエンドミル(ストレート)を用いればよく、抜き勾配だけが必要な場合にはボールエンドミルの代わりにフラットエンドミル(テーパ)を用いてもよい。 (面合成工程)
次に、CADシステム1を用いて面合成工程を行う。この面合成工程では、加工シミュレーション工程で創成された各入子モデル(中間)11〜14の成型面を面データとして抽出し、入子の配置にしたがって組み合わせて粗形材モデル(中間)15を創成する。したがって、この粗形材モデル(中間)15には、上述のように凸Rおよび抜き勾配が形成されるが、後述するように凹Rはまだ形成されていない。面合成工程を示す概念図を図8に示す。
(加工データ作成工程2)
次に、CAMシステム2を用いて加工データ作成工程2を行う。この加工データ作成工程2では、面合成工程で得られた粗形材モデル(中間)15を今回用いるマシニングセンタの加工データに変換される。ただし、この時のツールには、加工データ作成工程1で選択したボールエンドミル(ストレート)が採用される。ただし、加工シミュレーション1で用いたボールエンドミル(テーパ)を採用してもよい。この加工データは、図9に示すように各入子11から14ごとに分割された粗形材モデル(中間)の各表面領域に対して、それぞれの入子の抜き方向に合わせた方向から作成される。
(加工シミュレーション工程2)
次に、加工シミュレータ3を用いて加工シミュレーション工程2を行う。加工シミュレーション工程2を示す概念図を図10に示す。この加工シミュレーション工程2では、まず粗形材モデル(中間)15を包含する材料モデル(ブロック材)16を定義し、加工データ作成工程2で得た粗形材モデル(中間)の加工データを用いて加工シミュレーションを行い、粗形材モデル(最終)を創成する。この時のツールには、加工シミュレーション1で選択したボールエンドミル(テーパ)8が採用される。この粗形材モデル(最終)には、今回の加工シミュレーションにおけるツールの先端Rにより凹Rが加工残りとして創成されることになる。これにより、粗形材モデル(最終)は、実質的に粗形材原形モデルに上記した凸R面、凹R面および抜き勾配面を追加した形状となる。なお、この粗形材モデル(最終)に付与された凹R面は、これに対応する金型モデル(入子モデル)では凸R面となる。その後、これら凸R面、凹R面及び抜き勾配面を抽出して粗形材原形モデルの該当部位の面をこれらの面に置き換え、粗形材完成モデルとする。ただし、図11に示すように、この加工シミュレーション工程2で得た粗形材モデル(最終)を粗形材完成モデルとしてもよい。
上記した各工程のフローを図11に示す。加工データ作成においては、データベース4から加工データ作成に必要なツールの形状や動きに関するデータであるツール情報を取得して行うものとする。
(変形態様)
上記説明した凸R面、凹R面及び抜き勾配面の創成順序は上記の順番に限られるものではなく、適宜変更可能である。
(実施例効果)
上記した実施例では、各入子モデルの加工ツールはすべて共通とする。これにより、モデル創成作業や金型加工作業を一層簡素化、高速化することができる。
実施例で用いる装置構成とモデル創成手順とを示す概念図である。 面分割工程を示す模式図である。 加工データ作成工程1における好適なツール動作の一例を示す模式図である。 加工データ作成工程1における好適なツール動作の他例を示す模式図である。 加工シミュレーション工程1を表す模式図である。 加工シミュレーション工程1により得られた入子モデル(中間)の一例を示す模式図である。 ボールエンドミル(テーパ)の形状を示す模式図である。 面合成工程を示す模式図である。 加工データ作成工程2を示す模式図である。 加工シミュレーション工程2を示す模式図である。 全体工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 CADシステム
2 CAMシステム
3 加工シミュレータ
4 データベース
5 粗形材原形モデル
6 ボールエンドミル(ストレート)
7 材料モデル(ブロック材)
8 ボールエンドミル(テーパ)8
9 入子モデル(中間)
11 入子
12 入子
13 入子
14 入子
15 粗形材モデル(中間)

Claims (6)

  1. 粗形材又は金型の基本的な三次元形状を表す原形面からなる原形モデルを準備し、
    前記原形面を所定の加工ツールで創成するものとしてNC加工データを作成し、
    前記加工ツール又は前記加工ツールと類似形状の加工ツールで前記NC加工データに基づいて前記原形面を加工する加工シミュレーションを行い、
    前記加工シミュレーション時に前記加工ツールの形状により前記原形モデルに新たに付与される前記原形モデルにない新規面を取得し、
    前記新規面を前記原形モデルの元の形状に加えることにより完成モデルを創成することを特徴とするモデル創成方法。
  2. 凹状に隣接する隣接二面間の境界部にフィレット面が形成されていない粗形材又は金型の三次元形状を表す原形モデルを準備し、
    前記原形モデルを所定の回転加工ツールで創成するものとしてNC加工データを作成し、
    前記回転加工ツールと等径で先端部が丸い半球状先端部付き回転加工ツールを用いて前記NC加工データに基づいて、前記原形モデルの前記各境界部のうち所定の又はすべての境界部において前記境界部に連なる前記二面の少なくとも一方を加工する加工シミュレーションを行うことにより、前記加工シミュレーション時の前記半球状先端部表面の軌跡面として前記境界部に前記フィレット面としての凹R面を創成し、
    創成された前記凹R面を前記原形モデルの元の形状に加えることにより、フィレット面付きモデルである完成モデルを創成することを特徴とするモデル創成方法。
  3. 請求項2記載のモデル創成方法において、
    前記フィレット面に要求される形状を満足するサイズをもつ前記半球状先端部付き回転加工ツールを選択し、前記完成モデルの実際の創成に際して前記タイプの半球状先端部付き回転加工ツールを指定するモデル創成方法。
  4. 抜き勾配必要面に抜き勾配が形成されていない金型の三次元形状を表す原形モデルを準備し、
    前記原形モデルを所定の回転加工ツールで創成するものとしてNC加工データを作成し、
    前記回転加工ツールと略等径で所定のテーパ面をもつテーパ付き回転加工ツールを用いて前記NC加工データに基づいて、前記抜き勾配必要面を加工する加工シミュレーションを行うことにより、前記加工シミュレーション時の前記テーパ面の軌跡面として前記抜き勾配必要面に抜き勾配面を創成し、
    創成された前記抜き勾配面を前記原形モデルの元の形状に加えることにより、抜き勾配面付きモデルである完成モデルを創成することを特徴とするモデル創成方法。
  5. 請求項4記載のモデル創成方法において、
    前記抜き勾配必要面の抜き勾配に相当するテーパをもつ前記テーパ付き回転加工ツールを選択し、前記完成モデルの実際の創成に際して前記タイプのテーパ付き回転加工ツールを指定するモデル創成方法。
  6. 凹状に隣接する隣接二面間の境界部にフィレット面が形成されておらず、かつ前記境界部に連なる前記抜き勾配必要面に抜き勾配が形成されていない金型の三次元形状を表す原形モデルを準備し、
    前記原形モデルをテーパ無し回転加工ツールで加工するものとしてNC加工データを作成し、
    前記テーパ無し回転加工ツールと略等径で所定のテーパ面をもつテーパ付き半球状先端部付き回転加工ツールを用いて前記NC加工データに基づいて、前記原形モデルの前記各境界部のうち所定の又はすべての境界部において前記境界部に連なる前記抜き勾配必要面を加工する加工シミュレーションを行うことにより、前記抜き勾配必要面に前記抜き勾配面を、前記境界部に前記抜き勾配面に連なる前記フィレット面としての凹R面を形成し、創成された前記凹R面及び前記抜き勾配面を前記原形モデルの元の形状に加えることにより、抜き勾配面モデルである完成モデルを創成することを特徴とするモデル創成方法。
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