JP4191394B2 - 着色硅砂の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、砂入り人工芝の充填砂(目土)として好適に使用できる着色硅砂の製造方法に関し、更に詳しくは、硅砂の周囲に可撓性の厚膜着色皮膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
人工芝の芝目内に硅砂を充填した砂入り人工芝は、クッション性に優れ、急ブレーキがかかることなくスライド性に優れ、足の負担を軽減するため、近年急速に普及しているが、以下のような欠点が問題となっている。
【0003】
1)運動等の荷重・衝撃による硅砂同士の摩擦により、粒子が破壊、粉砕されて雨等の水分で固化する、いわゆるセメント化現象を起こして衝撃吸収性、クッション性が無くなり硬くなって、危険である。
【0004】
2)硅砂が粉砕し、小さくなった粒子、粉末が周囲に飛散し、公害源となる。
【0005】
3)運動等の荷重・衝撃により、硅砂が人工芝パイルと摩擦する状態となるので、人工芝パイルが擦り切れ易く、最終的には摩滅してちぎれてなくなってしまい、外観が極端に悪くなる。
【0006】
4)上記1)〜3)の現象は、使用頻度の激しい部分、例えばテニスコートのベースライン付近では5年程度で発生し、寿命の短さが大きな欠点となっている。また、砂の入れ替えには多大の費用がかかるし、人工芝は部分的な補修が出来ないため、かなり大きな面積を切り取って補修する必要があるのみならず、切り取られた人工芝は産業廃棄物となるため、補修コストがかさむ。
【0007】
5)砂にゴム粉末、ゴムチップ等の弾性体を混入する方法も多数提案されているが、日本は降雨が多く、大降りの時は弾性体が流れて外部に排出し、環境を汚染する危険がある。
【0008】
6)硅砂が淡いベージュ色であるため、人工芝の色がかすむと共に、白色のラインを引いた場合、ラインが見にくい。
【0009】
かかる問題を解決する手段として、硅砂等の表面をゴム・プラスチックで被覆する方法が種々提案されている。
【0010】
例えば、特開平1−131705号公報には、砂入り人工芝用の下層に充填する砂として、ブタジエン系合成ゴム、ポリオレフィン系体、ポリウレタン等の弾性体の溶媒、溶液の吹付け、ディッピングにより被覆することが記載されているが、該公報には、実施例に「粒子径0.5〜1.0mmの硅砂にポリウレタンを0.5mmに被覆した弾性粒子」との記載があるだけで、具体的な被覆技術については何ら記載されていない。
【0011】
また、特開平6−15065号公報、特開平6−235206号公報には、シリコーン系、ポリウレタン系、酢酸ビニル系などの合成樹脂及び/又はシリコーンオイル等のオイルからなる成分をミキサーで混合後、長時間放置して砂入り人工芝用の充填砂を製造する方法が記載されている。
【0012】
しかしながら、これらの公報では、樹脂の皮膜への使用量が規定されておらず、実施例では硅砂400部にポリウレタン樹脂エマルジョン8部(固形分50%としても実質4部)であり、着色皮膜は非常に薄いもので、セメント化現象の抑制、人工芝パイルの磨り減り抑制等、上記硅砂の致命的欠点を改良するには被覆厚みが非常に薄いものである。また、エマルジョンを使用するため、乾燥工程が必要で、工程が複雑で高価であり、しかも非反応性のオイルを大量に含むので環境への排出が懸念される。
【0013】
更に、特開昭61−103417号公報には、砂を落下させながら下まで落下するまでの間にコーティングする材料の溶液をスプレーさせて被覆する方法が記載されている。
【0014】
しかし、このような方法ではスプレー飛沫が落下粒子に衝突する確率が低いので付着量に比べて材料のロス量が大きく非常に非経済的であり、衝突場所も限られており、裏側には塗布されず厚みも偏りがある。これを数回行っても偏りは解消できるとは考えにくく、落下したまま乾燥するとしても乾燥不十分で粒子同士凝集してしまい、現実的でない。また有機溶剤の使用は加熱乾燥時危険であり、この分がロスになるのでコストアップとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題に鑑み、複雑な工程を要することなく厚い着色皮膜を形成でき、微粉化しにくく、人工芝パイルを摩滅させにくい着色硅砂を安価に得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、驚くべきことに、厚い皮膜を形成すべく、硅砂が凝集するほど多量のポリウレタン樹脂を用いても、ポリウレタン樹脂のゲル化が始まって硅砂が凝集し始めた後も撹拌混合を続けることにより、該凝集を解除できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
即ち、本発明の着色硅砂の製造方法は、粒径0.5〜1.5mmの硅砂100重量部に、少なくとも、液状から120秒以上でゲル化し、この過程を経て硬化する1液または2液性のポリウレタン樹脂5〜60重量部と、顔料を含有する皮膜形成材料を添加して攪拌混合し、該ポリウレタン樹脂のゲル化が始まって該硅砂が凝集し始めた後も撹拌混合を続け、前記硅砂の凝集を解除する工程を有し、前記凝集が解除した時点で、無機又は有機の粉体を添加することを特徴とする。
また、本発明の着色硅砂の製造方法は、粒径0.5〜1.5mmの硅砂100重量部に、少なくとも、液状から120秒以上でゲル化し、この過程を経て硬化する1液または2液性のポリウレタン樹脂5〜60重量部と、顔料を含有する皮膜形成材料を添加して攪拌混合し、該ポリウレタン樹脂のゲル化が始まって該硅砂が凝集し始めた後も撹拌混合を続け、前記硅砂の凝集を解除する工程を有し、前記ポリウレタン樹脂のゲル化が始まって硅砂が凝集し始めた時点で、無機又は有機の粉体を添加することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明においては、硅砂と、ポリウレタン樹脂、顔料その他充填材を含有する皮膜形成材料を添加して攪拌混合すると、はじめのうち低粘度なので流動状態にあるが空気中の湿気との反応の進行により粘度が上昇していき流動しにくくなり、徐々にゲル化して樹脂がゼリー状になり全体が凝集しはじめて大きな集団のまま、かろうじて流動している状態になる。なおも継続して混合を続けると、次第にいくつかの中くらいの集団に分解し、つづいて粘着が少なくなり最終的に硅砂が単体に分解分離してばらばらにほぐされた状態になるのでミキサーの回転を中止して、着色皮膜の形成された硅砂を得る。
【0020】
硅砂が離合集散を繰り返して短時間に凝集が解け、攪拌を止めるので、硅砂表面の皮膜は比較的均一である。
【0021】
この後も撹拌を続けると、硅砂の表面に被覆された皮膜がこすれてとれてしまい、皮膜厚の均一性が損なわれるため、過剰の撹拌は好ましくない。
【0022】
ポリウレタン樹脂が液状の状態から最終的に弾性体になるまでの架橋反応の進行により、流動性ある液体→粘度が増加→流動性が少しあるが粘稠性の強いゲル化状態(ゼリー状)→流動性の殆どない粘稠性の弱いゲル化状態→指触乾燥状態→見かけ硬化→弾性体のプロセスを経て最終硬化の状態に至る。硅砂と皮膜形成樹脂であるウレタン樹脂に顔料を添加して混合を続けると、増粘し、やがてゲル化が始まって樹脂がゼリー状になるとともに全体が凝集をはじめ、大きな集団に凝集してひとつの塊状になり、かろうじて流動できる状態であるが、なおもこのまま攪拌を強制的に続けるとゼリー状から次第に粘稠の少ない脆い状態に移行し、粒子単体の重みで互いに離れはじめていき、全ての粒子が単体に分離する。即ち、「流動性が少しあるが粘稠性の強いゲル化状態(ゼリー状)」の段階で攪拌を強行し、「流動性の殆どない粘稠性の弱いゲル化状態」の段階になり粒子の自重で単体に分離できるのが本発明の大きな特徴である。
【0023】
単体に分離する時に粒子が相互に被覆皮膜を一体にしたり離れたりしながら、硬化の進行によりある時点で独立した単体となり、ミキサーの回転を速やかに止めるので比較的均一な厚みの皮膜が得られると考えられる。
【0024】
塗布皮膜の変化する様子を実験で確認した。即ち、25℃×50%RH中の環境で、ポリウレタン樹脂(「サーファムF−9」、横浜ゴム(株)製、速硬化タイプ1液湿気硬化型ウレタンプレポリマー)に、硬化促進触媒(「DABCO33LV」、エアープロダクツ(株)製、3級アミン触媒)を1wt%を加え、均一に撹拌した後、ステンレス板上に0.8mm厚に塗布し、状態の変化を時間を追って観察すると表1に示す通りであった。
【0025】
【表1】
Figure 0004191394
【0026】
表1より、ステップEの段階で全体が凝集して大きな集団になり、なおも混合を続けている間にステップFで集団が小さくなって、ついには粒子単体にまで離れて凝集が解除される。従ってステップF→Gへの時間が短いほど均一な厚みの皮膜が得られる。粒子単体相互間も全く粘着がなくなり、再び凝集することはないが、念のため少量の粉末をまぶしても良い。被覆された皮膜も急激に強度が立ち上がり、もはや皮膜が削れたり、とれてちぎれる事がない。
【0027】
また、後述するようにポリウレタン樹脂のゲル化が始まって硅砂が凝集し始めた時点で、無機又は有機の粉体を添加する場合についても、考察した。ゲル化が始まった時点で無機又は有機の粉体を添加すると、全体が非常に粘稠の強い凝集状態になる前にミキサーに負担をかけず、より早く凝集を解除できる利点がある。
【0028】
表1より、ステップD〜Eの間で有機又は無機の粉体を加えると、はじめはウレタン樹脂皮膜の中に粉体が練り込まれていき、硬いゲル化状態になると被膜中に入りにくくなって、表面にまぶされた状態になる。この時点で凝集気味であった粒子の集団が突然バラバラになり、粒子単体相互間も全く粘着がなくなり、再び凝集することはない。被覆された皮膜も急激に強度が立ち上がり、もはや皮膜が削れたり、とれてちぎれることがない。
【0029】
ステップD以前の段階で粉体を加えてもステップEを過ぎる時点まで粉体を加え続けなければ凝集を解くことができず、皮膜の中に粉体が入りすぎて皮膜物性がもろくなり好ましくない。
【0030】
本発明で使用する硅砂としては、川砂、海砂等の天然砂の他、岩石を粉砕時に発生する砂及びガラス、セラミック等無機の粒状体で粒径が0.5〜1.5mmのものが使用できる。
【0031】
1液又は2液のポリウレタン樹脂としては、液状から120秒以上でゲル化し、この過程を経て硬化するものであれば、ゴムチップ系弾性舗装材に従来使用されているバインダー、ウレタンポリマー、エラストマー用樹脂が使用できる。
【0032】
ゲル化に至るまでの時間は120秒以上が皮膜形成可能の範囲で、120秒より短くなると、凝集から硬化に至る時間が短すぎて、一部が凝集状態のまま団子状に残り、凝集を解除出来る収率が低下し、生産性が悪くなる。また、ポリウレタン樹脂のゲル化に至るまでの時間が長すぎると、ゲル化した不安定な中間状態も長いので、硅砂の集団をばらばらにほぐした後、ミキサーを止めると再び凝集する危険があるし、処理時間が長くなり、皮膜が削られて皮膜厚が低下し、厚みの均一性を損なう可能性がある。従って、適正なゲル化までの時間は、好ましくは60分以内、より好ましくは10〜60分である。もしこの範囲外にある場合は加熱、冷却により、又触媒量の調節、水その他の添加により調節すれば良い。
【0033】
1液型ポリウレタン樹脂としては、例えば、湿気硬化型のウレタンプレポリマーでポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール等のポリオールに過剰のトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネートまたはこれらのウレタン変性体、カルボジイミド変性体などの変性イソシアネートを反応して得られる室温で液状のウレタンプレポリマーで、そのイソシアネート基含有率が3〜15%であるものが挙げられる。
【0034】
硬化を促進するためには、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の3級アミン、鉛、錫等の有機金属塩が触媒として使用することが好ましい。また、イソシアネート基の硬化剤であるジアミン類例えばo−ジクロロジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4−及び2,6−ジアミノトルエン等を添加しても良い。
【0035】
また、後述するように、ゲル化促進のために、ゲル化前に霧状の水を噴霧する場合には、水がイソシアネート基と反応するが、この反応の代わりに、例えばオキサゾリジン環を有する潜在性硬化剤を予めバインダーに添加しておき、水を散布した時に水と反応してオキサゾリジン環が開環しアミンとアルコール基がイソシアネート基と反応することによりゲル化、硬化に至らしめることも出来る。
【0036】
2液型ポリウレタン樹脂としては、例えば、主剤は上記1液性のウレタンプレポリマーを使用し、硬化剤としてポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール等のポリオール及び前記ジアミン類が単独で、もしくは混合物で使用される。硬化を促進するために鉛、錫等の有機金属塩が触媒として使用することが好ましい。但し、後述するように、ゲル化促進のために、ゲル化前に霧状の水を噴霧する場合には、イソシアネート基が1部反応するので硬化剤は少な目の設定が良い。
【0037】
ポリウレタン樹脂は、硅砂100重量部に対し、5〜60重量部、好まくは15〜40重量部使用する。粒径が異なると表面積も異なるので樹脂量を考慮する必要があるが(粒径が大きいと樹脂量は少なくてすみ、粒径が小さいと多くの樹脂量を必要とする)、必要な皮膜厚を得るためには、上記範囲が好ましい。
【0038】
樹脂量が下限未満では、皮膜厚が薄くなり、磨耗により着色皮膜が比較的早期に摩滅してしまい、充分な効果が得られない。また、樹脂量が上限を越えると、製造時に凝集した状態から単体に解除、分離することが困難となり部分的に分離できないものが残り、収率が極端に悪くなって製造条件の設定が困難になる。また、全ての樹脂が皮膜にならず、ミキサーの羽根等で削られて、皮膜の厚みが低下し、厚みも不均一になる。
【0039】
顔料としては、色により異なるが、例えばレンガ色、茶色、黄色の場合には鉄の酸化物、緑色の場合には酸化クロム、フタロシアニン系有機顔料、黒の場合にはカーボンブラック、白の場合には酸化チタンが使用され、その他の顔料を組み合わせて種々の色が調合出来る。
【0040】
本発明の皮膜形成材料には、必要に応じて、その他の配合剤を含有させても良い。
【0041】
例えば、更に耐侯性、耐オゾン性、耐水性、耐熱性を向上させる為に、イルガノックス1010(チバガイギー社製)、ヨシノックスBHT(吉富製薬社製)等のフェノール系、チヌビンP−327等のベンゾトリアゾール系・トミソープ800等ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤等の老化防止剤を添加することが出来る。
【0042】
また、用途によっては、予め適当な可塑剤に分散させて、ジンクピリチオン、ジンク2−ピリジンチオール−1オキサイド等の抗菌、防かび剤を添加し細菌、かびの発生を抑制することができる。
【0043】
また、凝集が解除した時点で、無機又は有機の粉体を添加することにより、分離した硅砂相互の粘着が無くなり、撹拌混合を止めても再凝集することがなく好ましい。
【0044】
また、ポリウレタン樹脂のゲル化が始まって硅砂が凝集し始めた時点で、即ち、反応の進行により粘度が上昇していき、ある時点から徐々にゲル化を伴って硅砂が凝集しはじめて団子状になっていく比較的初期の時点(団子状になり始めた時点)に、無機又は有機の粉体を添加しても良い。有機又は無機の粉体を投入し始め、少しずつ投入を続けていると、数十秒以内に凝集しかけていた硅砂が突然一瞬にしてばらばらにほぐされた状態になる。
【0045】
但し、この場合には、ミキサーの攪拌効率、攪拌速度を一回当りの生産量(バッチサイズ)に合せて入念に検討しないと、凝集を解除しにくく、歩留まりが落ちる可能性がある。
【0046】
有機又は無機の粉体は、物性を補強する要素は少なく、粘着を防止して、硅砂の凝集を解除することが主目的であるため、なるべくコストの安い物が好ましく、有機の粉体としては、例えばゴム、プラスチックの粉体等が挙げられ、無機の粉体としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、カオリン粉等の無機質の粉体等で通常ゴム、プラスチックの充填材として使用されるものが挙げられる。また、有機又は無機の粉体の粒径は0.5〜50μmのものが好ましい。
【0047】
また、ポリウレタン樹脂のゲル化前に、霧状の水を噴霧することが好ましい。ゲル化前に霧状の水を少量噴霧することにより、ゲル化までの時間、ゲル化から見かけ硬化までの時間も大幅に短縮出来るので、硅砂の凝集を解除した後の少しの攪拌の時間の間に、せっかく均一な厚みに被覆できた皮膜を粒が擦りあって、又はミキサーの羽根と接触して凹んだり、削られたりすることがより少なくなるので、より厚みのある均一な皮膜が得られる。
【0048】
水の噴霧は、少量あればポリウレタン樹脂のゲル化を推進するのに充分である。具体的には当量の約30〜40%あれば充分で、多すぎると皮膜内部での発泡、過剰水分を除去するための乾燥工程の必要性等が発生して好ましくない。従ってNCO含有量が10%のプレポリマーであれば1kgあたり7g〜9gが適量である。霧の大きさは小さい程、ポリウレタン樹脂への接触面積が大きくなるので好ましい。
【0049】
本発明に使用できるミキサーとしては、攪拌羽根と容器底面及び壁面の付着物を掻き落すスクレーパーの付いたものが好ましい。攪拌羽根の回転速度は、硅砂の周囲の充分に硬化していない皮膜を削ったり、剥がしたりしない程度の低速のほうが好ましい。
【0050】
また、攪拌容器の上部はオープンになってゲル化状態を目視で確認出来、水の噴霧、有機又は無機の粉体の投入をできるものが好ましい。また、硬化時間(ゲル化時間)を調節出来るよう容器周囲に蒸気又は温水を通して加温できるものが良い。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。尚、実施例における「部」は「重量部」を意味する。
【0052】
(使用材料)
硅砂:5号硅砂、20〜70メッシュ、六路屋工業(株)製、粒径約1mm
ポリウレタン樹脂:「サーファムF−9」、横浜ゴム(株)製、速硬化タイプ1
液湿気硬化型ウレタンプレポリマー
硬化促進触媒:「DABCO33LV」、エアープロダクツ(株)製、3級アミン触媒
顔料:酸化クロム、日本化学工業(株)製
無機粉体:炭酸カルシウム粉体、丸尾カルシウム(株)製、軽質炭酸カルシウム、粒径0.5μm
ウレタンエマルジョン:「スーパーフレックス750」、第一工業製薬(株)製、アニオン系、固形分40%
人工芝:テニスコート用砂入り人工芝タイプ、ポリプロピレン製パイル長さ19mm、泉州敷物(株)製
【0053】
<実施例1>
攪拌容器に5号硅砂400部を入れ攪拌羽根を回転させながら、予め触媒1%を事前に混合したポリウレタン樹脂60部、顔料6部を投入、常温でほぼ15分経過してポリウレタン樹脂が徐々に増粘してゲル化が始まり全体が凝集し始めたら無機粉体45部を少しずつ加える。5号硅砂粒がばらばらになり、硅砂単体に離れている事を確認して攪拌を中止する。
【0054】
均一に緑色に着色されたウレタンゴム皮膜を有する硅砂が得られた。
【0055】
<比較例1>
攪拌容器に5号硅砂400部を入れ攪拌羽根を回転させながら、ウレタンエマルジョン8部、顔料5部を投入し、15分混合して若干の水分を飛ばし、硅砂がエマルジョンと凝集することなく全体がさらさらした状態であったが、無機粉体20部を添加、更に5分混合して攪拌を中止した。これを80度オーブンにいれて4時間乾燥した。
【0056】
5号硅砂の元々の生地の色が薄く見え、ばらつきはあるが薄く緑色に着色された硅砂が得られた。
【0057】
(評価方法)
以下の方法により、実施例1,比較例1の硅砂の特性を評価した。また、併せて、着色皮膜を形成していない硅砂についても同様の評価を行った。
【0058】
(1)硅砂衝撃粉砕試験
図1に示す試験機を用いて、硅砂衝撃粉砕試験を行い、結果を表2に示した。
【0059】
即ち、直径110mmの円筒容器1に、厚さ2cmになるよう硅砂2を入れ、この上から、落下荷重1.5kg、落下高さ20cm、落下底面φ=6.5cmの鉄製円盤3に、厚さ3mm、硬さ60のゴム板4を貼り付けたものを、1分間50サイクルで自由落下により6時間衝撃を与え、試験前と試験後の粒度分布を測定した。
【0060】
粒度分布は、試料を各粒度に篩い分けして各粒度毎に重さを計量し、それを試料全質量に対する%で表示した。
【0061】
また、試験前後で同一粒度内で重なっている粒度のパーセンテージの数字を残留率として各粒度毎に表示した。
【0062】
【表2】
Figure 0004191394
【0063】
表2より、残留率の合計(試験前と試験後で初めの各粒度範囲に残留している比率を合計したもの)は、エマルジョン被覆硅砂の比較例1では5号硅砂に比べ11ポイントの向上であるのに対し、実施例1では5号硅砂に比べ51ポイントの向上で、大部分が元の粒度範囲に残っている。
【0064】
また、実施例1では、大きい粒度側での残留率が多く、0.5mm以上の粒度に残っている比率は、88%で非常に優秀である。逆に5号硅砂は50%以上が0.3mm以下の非常に細かい粉末に粉砕されて、衝撃に弱い結果となっている。
【0065】
(2)人工芝擦切れ試験
図1に示す試験機を用いて、人工芝擦切れ試験を行い、結果を表3に示した。
【0066】
即ち、円筒容器1に、裏側を両面接着剤で固定したパイル長さ19mmの人工芝を敷き、この上にほぼ芝目が隠れるように硅砂2を入れ、硅砂衝撃粉砕試験と同条件で16時間衝撃を与え、試験前と試験後のパイル厚みを測定した。尚、試験中、硅砂がほぼ芝目が隠れるように充填されているように、適宜硅砂を補充した。
【0067】
パイル厚みの測定は、衝撃を与えた部分のパイルを10本引き抜き、水洗して付着している粉末を洗浄して乾燥し、ダイヤルゲージで測定して最も薄い厚みを採用し、10本の平均値を計算した。なお、この人工芝のパイルの初期厚みは同様の測定で78μmである。
【0068】
【表3】
Figure 0004191394
【0069】
表3より、実施例1の着色硅砂を充填した場合、5号硅砂、比較例1の着色硅砂を充填した場合に比べ、パイル厚みの変化が少なく、硅砂との摩擦によっても摩滅しにくく、人工芝の耐すり切れ性を著しく向上できることが分かる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明のように、本発明によれば、凝集を解除する際に、多少攪拌効率の悪いミキサーを使用しても解除効率が非常に良好なので均一な厚みの被覆が得られ、しかもコーティングに使用するポリウレタン樹脂が、固形分100%で有機溶剤を含まないので、加熱しても工程上安全で問題がなく、水も含まないので別工程での乾燥が不要であり、工程が簡略で短時間でできるので、製造費用が非常に安価である。
【0071】
また、本発明により得られた着色硅砂は、以下のような特徴を有し、テニスコート、サッカー、野球、その他の球技場、ゴルフ場、ホッケー場、競馬場、学校グランド等の砂入り人工芝の充填砂として好適に使用できる。
【0072】
1)弾性皮膜が衝撃を吸収し、非常に粉砕されにくくなって、硬化現象を起こしにくいので長期に弾力性のある状態を持続できると共に、公害源となりにくい。
【0073】
2)人工芝パイルが、硬い硅砂と直接摩擦することなく、弾性皮膜と摩擦するのでパイルの傷みが少なく、長期に亘って良好な外観を維持し、例えばテニスボール等のバウンド性なども変化しにくい。
【0074】
3)比重が砂と大きな差がないので雨で外部に流出することが少ない。
【0075】
4)砂入り人工芝の長寿命化を図れる。
【0076】
5)硅砂を緑色に着色すると、人工芝の色が鮮やかになり、ラインの視認性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた試験機の概略図である。
【符号の説明】
1 円筒容器
2 硅砂
3 鉄製円盤
4 ゴム板

Claims (3)

  1. 粒径0.5〜1.5mmの硅砂100重量部に、少なくとも、液状から120秒以上でゲル化し、この過程を経て硬化する1液または2液性のポリウレタン樹脂5〜60重量部と、顔料を含有する皮膜形成材料を添加して攪拌混合し、該ポリウレタン樹脂のゲル化が始まって該硅砂が凝集し始めた後も撹拌混合を続け、前記硅砂の凝集を解除する工程を有し、前記凝集が解除した時点で、無機又は有機の粉体を添加することを特徴とする着色硅砂の製造方法。
  2. 粒径0.5〜1.5mmの硅砂100重量部に、少なくとも、液状から120秒以上でゲル化し、この過程を経て硬化する1液または2液性のポリウレタン樹脂5〜60重量部と、顔料を含有する皮膜形成材料を添加して攪拌混合し、該ポリウレタン樹脂のゲル化が始まって該硅砂が凝集し始めた後も撹拌混合を続け、前記硅砂の凝集を解除する工程を有し、前記ポリウレタン樹脂のゲル化が始まって硅砂が凝集し始めた時点で、無機又は有機の粉体を添加することを特徴とする着色硅砂の製造方法。
  3. 前記ゲル化前に、霧状の水を噴霧することを特徴とする請求項1または2に記載の着色硅砂の製造方法。
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