JP4191340B2 - バストパッド及びバストカップ - Google Patents

バストパッド及びバストカップ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ブラジャー、ボディスーツ、フィットスリップ、レオタード等のファンデーションや、カップ付きドレスあるいは水着等のその他の女性用衣料に用いられるバストパッド及びバストカップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記ブラジャー、ボディスーツ、フィットスリップ、レオタード等のファンデーションや、カップ付きドレスあるいは水着等のその他の女性用衣料においては、バストの形状を保持したり、バストの補整効果を高めるために、バストパッド及びこのバストパッドを芯体としたバストカップが使用されている。
【0003】
これらのブラジャー、ボディスーツ等のファンデーションや、カップ付きドレスあるいは水着等の女性用衣料のうち、例えばブラジャー100は、図55に示すように、バスト収容部である左右のバストカップ101、102と、バストカップ101、102以外の人体胸部に当接されるバスト下囲部を形成する身頃体103とから、主に構成されている。上記左右のバストカップ101、102は、図56に示すように、モールド成形等により略バスト形状に対応した椀体形状に形成されたバストパッド104の表裏両面を、表地及び裏地で被覆した状態で縫製し、更に身頃体103との接合周縁部において縫合あるいは接合されて一体に構成されている。
【0004】
上記バストパッド104は、例えば、不織布やウレタン等の発泡体などを素材として用い、これらの不織布やウレタン等の発泡体の一部を切削(スライス)したものをモールド成型することによって、所定の形状に形成される。
【0005】
ところで、上記ブラジャーやボディスーツ等の女性用の衣料に用いられるバストパッドやバストカップに関しては、バストの形状を保持したり、バストの補整効果を高めるため、あるいは着用感を向上させるため、様々な技術が既に提案されており、実際に製品化されてもいる。
【0006】
かかるバストパッドやバストカップに関して、バストの補整効果や着用感を向上させるための技術としては、例えば、実公昭62−20410号公報、特開昭55−158305号公報、実開平2−74312号公報などに開示されているものがある。
【0007】
一方、このように種々の技術が既に提案されている女性用衣料のバストカップ又はバストパッドは、その表面形状は人体美学やファッション美学的な形状曲線を持ち、更にJISのサイズ規格に基づく高さ及び底辺を持つ(A,B,Cカップ等)と共に、外周輪郭形状は製品の目的やデザインの目的等に基づく形状(1/2カップ、3/4カップ、フルカップ等)を前提として構成されている。
【0008】
更に具体的に説明すると、上記バストパッドやバストカップが使用される人体のバストの理想形状は、視覚的に見て正面から見た形状が疑似の真円形状であることから、バストを補整するブラジャー等を含む衣料においては、バストパターンの設計が略真円形状をベースにしてなされる。例えば、上記バストパッドのバストパターンは、図57に示すように、その下側縁が略真円形状の円弧を描くように設計される。
【0009】
特に、モールド成型方式によって製造されるバストパッドのパターン設計は、プレス成型技術、金型製造技術等の面から略円錐体をベースとしてなされている。すなわち、バストパッドを成型するプレス成型機等の金型は、図58に示すように、2つの金型110、111を合わせ面で互いに圧接し、加熱加圧することによってバストパッド104を所定の形状に成型するものであるため、当該プレス成型機等の金型の合わせ面は、必然的に精度良く互いに圧接することができるように平面状に形成される。そのため、上記プレス成型機等の金型の形状は、合わせ面が平面状となるように、略円錐体をベースとして設計され、このプレス成型機等の金型によって製造されるバストパッドの形状も、平面円形状の略円錐体に沿ったものとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記従来のバストパッド等の場合には、人体のバストの理想形状が、視覚的に見て正面から見た形状が疑似真円形状であることから、バストパターンの設計が略真円形状をベースにしてなされる。しかしながら、ブラジャーやボディスーツ等の衣料が着用される人体のバスト部分は、図59に示すように、平面状ではなく、奥行きを持った曲面であるため、人体のバスト部分を視覚的に捉えた円錐体状に形成されたバストパッド及びバストカップを、身頃体103に縫製して如何に立体的に形成しても、底辺に奥行きの無い椀状(円錐体)のバストパッドやバストカップは、図59に示すように、人体に装着したときに、バストカップの底辺の斜線部が曲面を有する人体に馴染まず、醜いしわになってしまうという問題点があった。
【0011】
更に説明すると、従来のバストパッド等の場合には、図57に示すように、その下側縁が略真円形状の円弧を描くように設計されており、当該バストパッドの周縁部は、ほぼ平板状に形成されるか、僅か湾曲されるように形成されている。これに対して、人体のバスト部分は、図59に示すように、平面状ではなく、体の両側部に行くに従って下側に湾曲した形成をなしており、奥行きを持った曲面である。したがって、従来の平面的な周縁部を有するバストパッド等を用いたブラジャー等を着用すると、図59に示すように、バストカップの頂部が外側に開いてしまうばかりか、人体のバスト部分Bの曲面に対応できない部分115が、バストカップの形状を歪めてしまい、バストカップの底辺等の部分に醜いしわが発生してしまうという問題点があった。
【0012】
特に、近年は、女性の体格が向上してきており、バストサイズの大きな女性が増加する傾向にあり、バストカップの底辺等の部分にしわが発生するという問題点は、バスト部分のボリュームが大きい女性において、顕著に露呈するものであった。
【0013】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、バストパッド等の設計思想を根本的に変更し、バストパターンの設計を略真円形状をベースにするのではなく、奥行きを持った曲面である人体のバスト部分をベースにして設計することにより、バストパッド及びバストカップの底辺等の部分にしわが発生することがなく、着用感及び美観的に優れたバストパッド及びバストカップを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の発明は、女性用の衣料に用いられるバストパッド7において、例えば、図1に示すように、前記バストパッド7の人体立位姿勢で頭部方向を上方とした場合における下方の端縁近傍16の形状を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、人体立位姿勢で頭部方向である上方に向けて凹状に湾曲させたことを特徴とするバストパッドである。
【0015】
このバストパッドには、所謂バストパッドと呼ばれるもの以外にも、少なくとも0.5mm厚程度の芯体そのものをも含むものである。
【0016】
請求項2に記載の発明は、女性用の衣料に用いられるバストパッド7であって、前記バストパッド7と当該バストパッド7に隣接する身頃体の一部又は全部を一体的に形成したバストパッド7において、前記バストパッド7の人体立位姿勢で頭部方向を上方とした場合における下方の端縁近傍の形状を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、人体立位姿勢で頭部方向である上方に向けて凹状に湾曲させたことを特徴とするバストパッドである。
【0019】
また、請求項3に記載の発明は、前記バストパッドの頂上部(乳頭部)が人体の内側を向くように配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のバストパッドである。
【0020】
さらに、請求項4に記載の発明は、前記バストパッドの脇下側に位置する側面を、頂上部から下方へ向けて中間部が相対的に厚くなるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のバストパッドである。
【0021】
また更に、請求項5に記載の発明は、前記バストパッドの脇下側に位置する側面部の伸びを押さえるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のバストパッドである。
【0022】
又、請求項6に記載の発明は、女性の体のバスト部分を覆うバストカップにおいて、前記バストカップの人体立位姿勢で頭部方向を上方とした場合における下方の端縁近傍の形状を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、人体立位姿勢で頭部方向である上方に向けて凹状に湾曲させたことを特徴とするバストカップである。
【0023】
更に、請求項7に記載の発明は、女性の体のバスト部分を覆うバストカップであって、前記バストカップと当該バストカップに隣接する身頃体の一部又は全部を一体的に形成したバストカップにおいて、前記バストカップの人体立位姿勢で頭部方向を上方とした場合における下方の端縁近傍の形状を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、人体立位姿勢で頭部方向である上方に向けて凹状に湾曲させたことを特徴とするバストカップである。
【0024】
このバストカップには、バストパッドと、表地と、裏地からなるものや、バストパッドと、表地のみからなるもの、あるいは表地のみからなるものなど、女性の体のバスト部分を覆うもののすべての含むものである。
【0025】
【実施の形態】
以下にこの発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0026】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係るバストパッドを適用したブラジャーを示すものである。
【0027】
図2において、1は女性用の衣料としてのブラジャーを示すものであり、このブラジャー1は、女性の体のバスト部分をそれぞれ覆うバストカップとしての左右のバストカップ体2、3を備えている。これらの左右のバストカップ体2、3は、当該左右のバストカップ体2、3の例えば3/4程度が縫着される身頃体としての下辺連結布4によって、一体的に連結されており、この下辺連結布4の左右両側には、女性の体の背面側で互いに係止される図示しない左右の側布がそれぞれ縫着されている。これら左右の側布の先端部には、フックやアイ等からなる図示しない係止具が、縫着等の手段によって取り付けられている。また、上記左右のバストカップ体2、3の三角形状に形成された上端部には、女性の肩に掛けるストラップ5、6がそれぞれ装着されている。
【0028】
上記左右のバストカップ体2、3は、図3に示すように、モールド成形等により略バスト形状に対応した椀体形状に形成されたバストパッド7の表裏両面を、表地8及び裏地9で被覆した状態で縫製し、更に下辺連結布4との接合周縁部において縫合あるいは接合されて一体に構成されている。なお、図示の実施の形態では、表地8が上下に2つに分割されており、略中央部で互いに縫合されている。
【0029】
上記バストパッド7は、例えば、不織布やウレタン等の発泡体などを素材として用い、これらの不織布やウレタン等の発泡体の一部を切削(スライス)したものをモールド成型することによって、所定の形状に形成される。なお、バストパッド7の素材としては、上記のもの以外にも、ダブルラッセル編による空気層を内部に有するシート体などを用いても良い。
【0030】
ところで、この実施の形態1では、バストパッドの人体立位姿勢で頭部方向を上方とした場合における下方の端縁近傍の形状を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、人体立位姿勢で頭部方向である上方に向けて凹状に湾曲させるように構成されている。
【0031】
ここで、「上方に向けて凹状に湾曲させた」とは、バストパッド7の下端縁近傍16の形状が、上方に向けて凹状に窪んだ状態で湾曲していることを意味する。これは、見方を変えれば、バストパッド7の下端縁近傍16によって仕切られた空間が、上方に向けて凸状に湾曲しているとみることもできる。
【0032】
ところで、本発明が、「バストパッドの下端縁近傍の形状を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、上方に向けて凹状に湾曲させる」構成を採用しているのは、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状は、体側部からバスト方向に向けて凸状に湾曲しているため、バストパッドの下端縁近傍の形状を、人体立位姿勢で頭部方向である上方に向けて凹状に湾曲させることにより、当該バストパッドの下端縁近傍を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部にフィットさせることができるためである。
【0033】
すなわち、上記バストパッド7は、図1及び図4に示すように、その表面形状は人体美学やファッション美学的な形状曲線を持ち、更にJISのサイズ規格に基づく高さ及び底辺を持つ(A,B,Cカップ等)と共に、外周輪郭形状は製品の目的やデザインの目的等に基づく形状(図示例では、3/4カップ)を前提として構成されている。
【0034】
さらに説明すると、上記バストパッド7は、図1及び図5に示すように、女性の体のバスト部分の約3/4を覆う大きさに形成されており、当該バストパッド7のトップ部10を通る水平線Lより上側の端縁部のうち、体の内側に位置する端縁部11は、バストパッド7のトップ部10を通る水平線Lより僅か下方の位置から上方へ向けて、略直線状乃至曲率が小さく湾曲した形状に形成されている。また、上記体の内側に位置する端縁部11の上端近傍部分11aは、図5に示すように、必要に応じて、上方に湾曲した状態で形成されており、その上端部12は、略水平に延びた短い直線状に形成されている。さらに、上記バストパッド7のトップ部10を通る水平線Lより上側の端縁部のうち、体の外側に位置する端縁部13は、バストパッド7のトップ部10を通る水平線Lより若干上方の位置から上方へ向けて、湾曲形状に形成されている。
【0035】
一方、上記バストパッド7は、図1、図5及び図6に示すように、当該バストパッド7のトップ部10を通る水平線Lより下側の端縁部14、15が、下端縁近傍の部分16を除いて略半円形状に形成されている。また、上記バストパッド7の下端縁近傍16は、女性の体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、上方に向けて凹状に湾曲させるように形成されており、当該下端縁近傍16の両端部16a、16bは、バストパッド7の下側端縁部14、15に滑らかに連続するように形成されている。
【0036】
女性の体のバスト部分Bは、図7に示すように、その正面形状は疑似真円形状であるが、女性の体の胴部18は、ヒップ、ウエスト、アンダーバスト、トップバスト、チェストバスト等のそれぞれのラインで断面形状は異なるが、原則として略楕円柱体であることに変わらない。そして、女性の体のバストB下端部近傍に位置する胴部18の断面形状19は、図8に示すように、略楕円柱体となっている。
【0037】
そのため、上記バストパッド7の下端縁近傍16は、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状は、体側部からバスト方向に向けて凸状に湾曲させることによって、結果的に、女性の体のバストB下端部近傍に位置する胴部18の断面形状である、略楕円柱体の形状に略沿うように形成されている。このバストパッド7の凹状部分16は、その湾曲の程度や幅などが、JISのサイズ規格に基づく高さ及び底辺等に応じて適宜設定される。
【0038】
また、上記バストパッド7は、図1に示すように、平板上に載置した状態で、そのトップ部10が人体の内側を向くように構成されており、当該バストパッド7は、女性の体のバスト部分Bに装着した際に、図9に示すように、そのトップ部10が人体の内側又は真正面を向くようになっている。
【0039】
さらに、上記バストパッド7の内面20は、図10に示すように、その脇下側に位置する側面が、トップ部10から下方へ向けて中間部21が相対的に厚くなるように構成されている。この相対的に厚くなるように構成された膨出部21は、バストBを中央部に寄せる効果や、バストアップの効果等を奏するようになっている。なお、上記バストパッド7のトップ部10から脇下側下方へ向けて中間部の表面22は、その表面を平面形状に形成しても良いし、若干凹形状となるように形成しても良い。また、上記バストパッド7は、人体に着用したときの伸び量Aを考慮して、予め伸び量Aだけ幅方向の寸法Wを小さく設定しても良い。
【0040】
このように、上記バストパッド7の肉厚の変化のさせ方は、当該バストパッド7を形成する素材の必要な箇所を厚くスライスしたパッド体を、他部と均等又はそれに準じるレベルに圧縮し、その必要とされる箇所の硬度又は伸長力を高めることにより、バストカップ体2、3の補勢力を適宜設定することができる。
【0041】
なお、この実施の形態1では、図2及び図3に示すように、ブラジャー1のバストカップ体2、3の表面及び裏面が、綿、ナイロン、ポリエステル、アセテート又はこれらの混紡等の織編物や不織布等からなる表地8及び裏地9によって覆われて構成されている。この表地8としては、適宜刺繍等を施した布地を使用することにより、装飾性を高めることができる。このように、ブラジャー1のバストカップ体2、3の表面及び裏面を、表地8及び裏地9で覆うことにより、裏地として肌当たりが良い素材や吸湿性に優れた素材を使用することで、装着感を一層向上させることができる。また、上記バストパッド7としては、パッド本体の表裏両面を布地で被覆したものを用いても勿論よい。この場合、パッド本体の表裏両面を覆う布地は、例えば、接着剤等によってバストパッド7本体の表面及び裏面に固着される。なお、バストパッドは、表裏両面を覆う布地を備えずに、パッド本体そのものから構成されるものであってもよく、又、水着等に適用する場合には、パッド本体の表裏を覆う素材を防水性のものとしても良い。
【0042】
また、上記ブラジャー1のバストカップ体2、3は、その表面のみが、綿、ナイロン、ポリエステル、アセテート又はこれらの混紡等の織編物や不織布等からなる表地8によって覆うように構成してもよく、又、ブラジャー1のバストカップ体2、3の裏面のみを布地で覆うように構成しても勿論よい。さらに、上記ブラジャー1のバストカップ体2、3は、バストパッド7のみから構成しても良い。
【0043】
以上の構成において、上記実施の形態1の場合には、次のようにして、バストパッド及びバストカップの底辺等の部分にしわが発生することがなく、着用感及び美観的に優れたバストパッド及びバストカップを提供することが可能となっている。
【0044】
すなわち、上記実施の形態1に係るブラジャー1の場合には、図1及び図5に示すように、バストパッド7の下端縁近傍16が、女性の体のバストB下端部近傍に位置する胴部18の断面形状に略沿うように、上方に向けて凹状に湾曲させるように形成されている。一方、女性の体のバスト部分B下端部近傍に位置する胴部18は、図7及び図8に示すように、平面状ではなく、胴部18の両側部に行くに従って後部に湾曲した形成をなしており、奥行きを持った曲面となっている。そのため、上記バストパッド7を有するブラジャー1の場合には、図9に示すように、バストカップ体2、3を女性の体のバスト部分Bに着用した際、上方に向けて凹状に湾曲させるように形成されたバストパッド7の下端縁近傍16が、女性の体のバストB下端部近傍に位置する胴部18の断面形状に略沿うので、バストパッド7を含むバストカップ体2、3の形状が歪むことがなく、バストカップ体2、3の底辺等の部分に醜いしわが発生することがなく、着用感及び美観的に優れたものとなっている。
【0045】
実施の形態2
図12はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、バストパッドの肉厚を、トップ部から脇下側に位置する中間部の肉厚を厚く形成するのではなく、バストパッドの脇下側に位置する側面部の伸びを押さえるように構成されている。
【0046】
すなわち、この実施の形態2では、バストパッド7を形成する素材として、ストレッチ性を有するファイバーフィル等の素材を用い、当該バストパッド7をモールド成型する以前の断面形状を、図12に破線で示すように、バストパッド7を構成する材料の脇下側に位置する側面部21を、内側に向けて湾曲するように厚肉に形成し、当該バストパッド7をモールド成型する際に、バストパッド7の脇下側に位置する側面部21の圧縮率を高めて、この側面部21の伸びを押さえるように構成されている。
【0047】
このように、上記バストパッド7を形成する素材として、ストレッチ性のあるファイバーフィル等を使用することにより、バストパッド7の側面部21等の所望の位置の肉厚を圧縮し、バストアンダーからバストサイドをよりハードにすることにより、大きいバストBや重量のあるバストBを補正する機能を持たせることが可能となる。
【0048】
図13は、上記実施の形態2の変形例を示すものであり、この変形例では、バストパッド7の脇下側に位置する側面部21を、通常のバストBの輪部よりバスト脇部23へ延設し、当該バスト脇部23をサポートする機能を持たせるように構成したものである。上記バストパッド7は、モールド成型する以前のバスト脇部23の肉厚を、他の部分よりも厚く設定し、当該バスト脇部23を圧縮することによりサポート力を高めるように構成されている。
【0049】
なお、上記バストパッド7は、図14に示すように、バスト下辺24及び表面22を着用前は直線又は凹形状とし、バストBへの圧力を高めるように構成し、着用した結果、バストBの重量及び圧力によって丸みを帯びるようにしても良い。
【0050】
図15及び図16は、上記実施の形態2の他の変形例を示すものであり、この変形例では、バストパッド7をストレッチ性の高い発泡体又は綿状体からなる素材で構成し、人体への順応性を高めるために、バストパッド7の形状を図15及び図16のように人体周囲長に対して圧縮した状態で形成したものである。このバストパッド7は、バストカップ体2、3を構成するパット体をストレッチ性の高い素材にて構成するものであり、特にバスト用ボーンにてバスト形状を固定化しないタイプにより有効といえる。また、ストレッチ性を活かし、より伸びの必要な部分、全く伸びの不要な部分、更にこの中和を保つ部分等のデザインが可能である。図16において、バストパッド7の表面22は、厚味を圧縮して伸度を押さえ、サポート力を高めるようになっている。
【0051】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0052】
実施の形態3
図17及び図18はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、バストパッドを構成する材料として部分的に異なる素材を使用するように構成されている。
【0053】
すなわち、この実施の形態3は、バストパッド7を形成する素材として、例えば、不織布のブロック体から切り出したパッド体を使用する際に、不織布のブロック体が単一の材質からなるものではなく、異なる材質又は層の構成を積層した不織布のブロック体25を使用するように構成したものである。
【0054】
さらに説明すると、この実施の形態3では、図17に示すように、不織布のブロック25として、密度の異なる複数枚の積層体25a、25b、25cを積層した不織布の大きなブロックからなるものを使用している。上記密度の異なる複数枚の積層体25としては、例えば、互いに密度の異なるソフトな積層体25aと、セミソフトな積層体25bと、ハードな積層体25cとを使用するように構成されている。なお、上記積層体25の数は、3つに限定されるものではなく、2つでもあるいは4つ以上でも良く、又、密度以外にも、不織布の繊維の材質や太さ、あるいは弾性率を異ならせたものなどを使用しても勿論よい。その際、上記積層体としては、図17(b)に示すように、不織布の繊維を縦方向に配向したものが用いられる。そして、上記の如く構成されたブロック25からパッド体を切り出して、例えば、ブラジャー用のバストパッド7であれば、図18に示すように、下方に行くに従って、順にハードな積層体となるようにスライス又はくり抜いてデザインし、成形配置される。尚、不織布以外にも、発泡体等を用いても良いことは勿論である。
【0055】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0056】
実施の形態4
図19はこの発明の実施の形態4を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態4では、バストパッドを装着したバストカップが、バストカップ保形用ボーンを備えており、このバストカップ保形用ボーンは、本発明に係るバストパッドに適したものとなっている。なお、理想とするバスト保形用ボーンには、当該バストカップ外周が正しく人体骨格を構成する身頃体に接続されるための基本形状が求められる。
【0057】
すなわち、この実施の形態4に係るバストパッド7を装着したバストカップ2が有するバストカップ保形用ボーンは、断面偏平形状の弾性線材を用いて形成され、この弾性線材の広幅面側が正面Gとなるようにブレストカップの略下側縁形状に湾曲させて形成されたバストカップ保形用ボーンであり、バスト下部側に位置する中央底部(BD間)とバスト身体中心側に位置する身体中心側立部(AB間)及びバスト腋下側に位置する腋下側立部(DEF間)とが平面上から離れる方向に湾曲した湾曲形状を有すると共に、上記中央底部の略中心(C点)を基準にして少なくとも上記腋下側立部(DEF間)がその始点(D点)から先端(F点)にかけて45〜90°の範囲で正面Gが外側を向く方向に捩じれた捩れ形状を有しており、装身時には、腋下側立部(DEF間)がその捩れ形状に基づいて身体中心側立部(A〜B間)より大きく弾性変形してこれら身体中心側立部先端(A点)と腋下側立部先端(F点)との間が所定の範囲で拡開するバストカップ保形用ボーンである。
【0058】
この実施の形態4において、ボーンを形成する弾性線材としては、それが広幅面と狭幅面とを有する断面偏平形状であればよく、例えば断面長方形であっても、また、断面楕円形であってもよい。また、このボーンを形成する弾性線材の材質は、特に限定されるものではないが、例えば形状記憶合金等の金属製であっても、また、弾性に富む通常の樹脂や形状記憶樹脂等の合成樹脂製であっても、更に、形状記憶合金を芯材としてその周囲に樹脂を一体成形した複合材料であってもよく、付与された形状が長期に渡って維持されることから形状記憶合金やこの形状記憶材料を芯材とする複合材料等が好ましい。
【0059】
そして、この実施の形態4のワイヤーボーンは、好適には、非装身時におけるその正面形状が略々短径に沿って上半分を切除した略縦長半楕円形状であり、装身時には弾性変形により拡開してその正面形状が略半円形状になるものであり、より好ましくは、非装身時から装身時において、その正面形状における身体中心側立.先端と腋下側立部先端との間が0.3〜6cmの範囲で拡開するものがよい。これによって、ワイヤーボーンはその程よい弾力性によって適度なバネ性が付与され、これを衣類のカップ部に組み込んで着用した装身時に、中央底部が無理にバスト下部を圧迫することなく、バストをその両側から挟み込むようにして身体に良くフィットすると共に、優れたバスト保形性が発揮される。
【0060】
また、この実施の形態4においては、ボーンの腋下側立部が、ボーンの中央底部の略中心を基準にして、その始点から先端にかけて45〜90°の範囲で正面が略半円形状の外側を向く方向に捩じれた捩れ形状を、好ましくは中央底部の略中心から腋下側立部の始点にかけて40°以下の範囲で、また、腋下側立部の始点から先端にかけて45〜90°の範囲で連続的に捩じれた捩れ形状を有しており、これによって、衣類のカップ部に組み込んで着用した際にボーンの一端が腋下側に引っ張られて半円形状のボーンの両端が離れる方向に引っ張られて拡がる際に、腋下側立部がその捩れ形状に基づいて優先的に弾性変形して拡開し、また、この腋下側立部がそのほぼ全長に渡ってその広幅面で身体の腋下にフィットし、これによって断面偏平形状の弾性線材が穏やかに弾性変形して強い復元力が発生するようなことがなく、また、歩行や運動等によりバストが動いてもボーンが弾性変形してよく追従し、ボーンの端部やその一部が部分的に当接して食い込むようなことがない。
【0061】
ここで、腋下側立部の捩れ形状における捩れの程度がボーンの中央底部の略中心を基準にして45°より少ないと、着用時に弾性線材の断面偏平形状に基づく強い復元力を緩和しきれずに着用感が損なわれることがあり、反対に、捩れの程度が90°を超えると、人体の表面形状に逆らう形になり、かえってフィット性が悪くなる。同様に、中央底部の略中心から腋下側立部の始点までに40°を超えて捩れを付与した場合もフィット性が低下する。
【0062】
そして、実施の形態4のボーンは、これを平面上に載置してその上方から中央底部、身体中心側立部及び腋下側立部を水平方向移動自由な状態で平面上に押しつけ、このボーンの湾曲形状及び捩れ形状を略平坦にして得られる平坦基本形状が、中央底部を船底部とする偏平な略船底形状であると共に、装身時にボーン又はその先端側延長線が身体の胸囲線と交わる2点の間を結ぶ方向に略一致して長径を有する略半楕円軌跡形状であり、これに上述した湾曲形状と捩れ形状とが付与されてその全体が略半円形状若しくは略々短径に沿って上半分を切除した略縦長半楕円形状になっている。なお、装身時に身体の胸囲線がボーンと交わるか否かはボーンの長さ次第であり、ボーンの長さが短くて胸囲線とボーンとが直接に交わらない場合には、ボーンの一方又は双方の先端側を延長した場合に胸囲線と交わる2点を観念する。
【0063】
ここで、上記略半楕円軌跡形状をなすボーンの平坦基本形状は、好ましくはその長径(DL )と短径(DS )との比(DL /DS )が1.1〜1.5の範囲であるのがよく、これによって、衣類のカップ部に組み込んで着用した際にボーンの一端が腋下側に引っ張られて拡がった際に、人体の形状に良く沿うようになってボーン全体がバストの下側略半分にほぼ均一にフィットするようになり、優れた着用感が生み出される。
【0064】
この実施の形態4のボーンは、例えば合成樹脂で成形する際に、必要な全体の基本形状と共に湾曲形状と捩れ形状とを同時に付与してもよいほか、例えば形状記憶合金からなる弾性線材を金型内にセットし、所定の加熱加圧下に湾曲形状と捩れ形状とを付与する熱処理を行って形成してもよく、更には、その平坦基本形状に略等しい形状に成形された弾性線材に加熱下に所定の湾曲形状と捩れ形状とを付与して形成してもよく、また、平板材から打ち抜きプレスにより形成してもよく、結果的に少なくとも湾曲形状と捩れ形状とが所定の程度に付与されていればよい。
【0065】
なお、この実施の形態4のバストカップ保形用ボーンについては、単にバストの左右片側づつ別個に適用されるタイプに限らず、上述した基本的な形状を維持して、左右のバスト間に跨がって連続した略W形状に形成してもよいほか、ベアトップ型ブラジャー等の衣類に適用するために逆U字形状に形成してもよい。
【0066】
以下にこの実施の形態4について、図面を参照して説明する。
【0067】
図19はこの実施の形態4に係るバストカップ保形用ボーン30が装着されたブラジャー(衣類)を示す正面図であり、バストカップ保形用ボーン30はブラジャー1のバストカップ体2、3の略下側縁形状に沿って組み込まれている。なお、この実施の形態4に係るブラジャー1は、JISL4006(1987)のBカップ体型B70の規格に適合するように設計されており、以下に示すバストカップ保形用ボーン30の大きさ、湾曲形状、捩れ形状等の寸法もこの規格のBカップ体型B70に適するように設計されたものである。
【0068】
このバストカップ保形用ボーン30は、本発明の参考例としての図20、及び図21〜図22に示すように、断面略長方形状の形状記憶合金製弾性線材を用いて形成され(実際には図21に示されているように断面略長円形若しくは略楕円形であるが、図21以外では説明の都合上断面長方形に描かれている)、この弾性線材の広幅面側が正面Gとなるようにバストカップ体2、3の略下側縁形状に沿って湾曲させて形成されている。
【0069】
この実施の形態2において、バストカップ保形用ボーン30の正面形状は、参考例としての図20に詳細に描かれているように、非装身時には略々短径に沿って上半分を切除した略縦長半楕円形状であり、また、装身時には弾性変形により拡開して略半円形状となるように形成されている。そして、このバストカップ保形用ボーン30の大きさは、バストカップ保形用ボーン30が用いられる衣料の種類やそのサイズ等によって大きく異なるが、通常、その身体中心側立部先端(A点)から腋下側立部先端(F点)までの全長が10〜60cm、概ね15〜45cm、標準では15〜20cmであって、非装身時から装身時においてその正面形状における身体中心側立部先端(A点)と腋下側立部先端(F点)との間が概ね0.3〜6cm、好ましくは1.5〜2.5cmの範囲で拡開する。
【0070】
また、このバストカップ保形用ボーン30の湾曲形状は、このボーン30をバスト下部側に位置する中央底部(BD間、角度α:約90〜120°)30aと、バスト身体中心側に位置する身体中心側立部(AB間、角度β:約30〜45°)30bと、バスト腋下側に位置する腋下側立部(DEF間、角度γ:約30〜45°)30cとに分割して考察した場合、B点とD点とが接地し、上記中央底部(B〜D間)30a、身体中心側立部(AB間)30b及び腋下側立部(DEF間)30cが平面上から離れる方向に湾曲した形状になっており、バストカップ保形用ボーン30が用いられる衣料の種類やそのサイズ、また、着用者の体形、胸部骨格、胸囲寸法及びバスト形状等によって大きく異なるが、上記中央底部(BD間)30aの略中心C点での平面からの離間距離Xは概ね0.5〜2cm、好ましくは0.7〜0.8cmであり、A点での離間距離Yは概ね0.1〜1cm、好ましくは0.2〜0.4cmであり、また、E点での離間距離Zは概ね0.3〜1.5cm、好ましくは0.7〜0.8cmである。
【0071】
そして、この実施の形態2のバストカップ保形用ボーン30は、図23から図27に示すように、上記中央底部(BD間)30aの略中心(C点)における正面Gが12°の角度で、身体中心側立部(AB間)30bの始端(B点)における正面Gが28°の角度で、身体中心側立部(AB間)30bの先端(A点)における正面Gが16°の角度で、腋下側立部(DEF間)30cの始点(D点)における正面Gが64°の角度で、また、腋下側立部(DEF間)の先端(F点)における正面Gが75°の角度で、それぞれ略縦長半楕円形状の外側を向く方向に傾斜して捩じれた捩れ形状を有しており、ブラジャー1のバストカップ体2、3に組み込んで身体に装着した際には、腋下側立部(DEF間)30cがその捩れ形状に基づいて身体中心側立部(AB間)30bより大きく弾性変形してこれら身体中心側立部(AB間)より大きく弾性変形してこれら身体中心側立部(AB間)30bの先端(A点)と腋下側立部(DEF間)30cの先端(F点)との間が概ね1.5〜2.5cmの範囲で拡開するようになっている。
【0072】
図28は身体のアンダーバストの位置においてバストカップ保形用ボーン30が変形する様子を模式的に描いたものであり、非装身時のボーン30の各点A〜Fは装身時に弾性変形して拡開し、各点A’〜F’の位置にそれぞれ外側に移動する。このとき、C点はほとんど位置の移動がなく、脇下側立部(DEF間)30c側の変位量(DF−D’F’)は身体中心側立部(AB間)の変位量(AB−A’B’)に比べて大きく変位している。
【0073】
この実施の形態4のバストカップ保形用ボーン30を組み込んだブラジャー1は、これを上方からみた場合、図29(a)の右図に示すように、左右一対のバストカップ保形用ボーン30が形成する面が平面的ではなくて立体的になり、バストカップ体2、3の脇下側立部が捩れ形状の大きさに応じて立ち上がって平らにならず、身頃部が平面上に置けない姿形状になる。なお、図29(a)は、本発明の特徴が明確となるように、従来ライプのボーンを使用した状態(イ)と、本実施の形態のバストカップ保形用ボーンを使用した状態(ロ)とを対比して図示したものである。これに対して、図29(b)及び(c)は、従来タイプのバストカップ保形用ボーン30’及び30”を組み込んだブラジャー1’及び1”を示すものである。
【0074】
そして、この実施の形態4のバストカップ保形用ボーン30は、参考例としての図30に示すように、これを平面上に載置してその上方から中央底部(BD間)、身体中心側立部(AB間)及び脇下側立部(DEF間)を水平方向移動自由な状態で平面上に押しつけ、このボーン30の湾曲形状及び捩れ形状を略平坦にして得られる平坦基本形状が、装身時にボーン又はその先端側延長線が胸囲線と交わる2点〔この実施の形態2の場合は、身体中心側立部(AB間)の先端(A点)と脇下側立部(DEF間)の交点(E点)である〕の間を結ぶ方向に略一致して長径を有する略半楕円軌跡形状となっており、中央底部(B〜D間)を船底とする偏平な略船底形状となっている。
【0075】
この実施の形態4において、上記略半楕円軌跡形状をなすバストカップ保形用ボーン30の平坦基本形状は、その長径(DL 、すなわち長さAOE)と短径(DS 、すなわち長さOCの2倍)との比(DL /DS )が1.1〜1.5であり、バストカップ保形用ボーン30の製造時には形状記憶合金の弾性線材で先ずこの平坦基本形状を形成し、次いでこの形状記憶合金を加熱下に所定の湾曲形状と捩れ形状とを付与して形成されるもので、この形状記憶合金の材質と付与された湾曲形状及び捩れ形状とが相まって優れた弾性変形をする。なお、この実施の形態4では、C点が長さABCDEの中間点に位置しているが、長さABと長さDEとが必ずしも一致しているとは限らないので、このC点は必ずしも長さABCDEの中間点に位置するとは限らない。
【0076】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0077】
実施の形態5
図31はこの発明の実施の形態5を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態5では、弾力性のある不織布、発泡体等よりなり、中心点が高く、周縁部にわたり湾曲した凹凸状をなすブラジャー等のバストパッドにおいて、外側部の中心点を通るほぼ水平位置部分から下方部を経て内側部の斜め下方部分に至る間の、周縁部から中心点に至る部分を徐々に厚手に形成し、中心点を過ぎた位置における内側部の斜め下方部分から上方部及び外側部のほぼ中心点を通る水平位置部分に至る間を、周縁部に至るに従い徐々に薄手に形成したものである。
【0078】
図31〜図35は本発明の実施例を示す。図31は向かって右側のバストカップを外面から見た正面図、図32は図31のA〜B断面、図33は図31のC〜D断面、図34は図1のE〜F断面図、図35は図1のG〜H断面図である。
【0079】
さて図31において、7はブラジャー等のバストパッドで、弾力性があり軽いポリエステル系繊維による不織布又はポリウレタン系の低密度の発泡体(嵩高性大)等よりなり、中心点Oが高く、周縁部にわたり湾曲した凹凸状をなしており、外側部(胸部脇方向)の中心点を通るほぼ水平位置O〜B部分から、下方部を経て内側部(胸部中心線方向)の斜め下方部分O−Cに至る間の、周縁部から中心点に至る部分、即ちO−B、O−G、O−E、O−C部分を徐々に厚手に形成し、中心点Oを過ぎた部分における内側部の斜め下方部分O−Cから上方部を経て外側部のほぼ中心点を通る水平位置O−B部分に至る部分、即ちO−C、O−A、O−H、O−F、O−D、O−B部分を、周縁部に至るに従い徐々に薄手に形成してなるものである。
【0080】
参考例としての図36は3/4カップのバストパッド7の厚みの変化を等高線で模式的に示した正面図で、実際には図32乃至図35に示すように連続的に厚みが変化するものであり、a〜eに向けて肉厚が厚いことを示している。eは厚さの最大値(5〜30mmm)部分、aは最低値(0.5〜3mmm)部分であり、材質及び密度は必要とする厚さ及びサポート力に基づいて適宜設定するものとする。
【0081】
上記バストパッド7の素材としては、例えば、ソフト性をべースとするものは、軽さと弾力性のあるポリエステル系繊維による不織布、ポリウレタン系の低密度の発泡体(嵩高性大)等を用いる。
【0082】
また、コントロール性をベースとするものは、前記素材のうち嵩高性を押さえた密度の高いものを用い、かつ硬度を適宜設定する。
【0083】
次に、製造方法について説明すると、不織布のシート性又は発泡体のブロック等を切削又はくり抜き形状としたり、またはこれをモールド加工により成形する。更に、雄雌金型を用いて充填又は充填発泡によって成形する。
【0084】
また、表裏を形成する材料に、サポート力、弾力性、保形性を高める目的として、合成繊維、合成樹脂、形状記憶合金、アモルファス合金等を用いた繊維布、メッシュフィルム、或いは保温性、血行性を高める目的で、磁性、電磁波等をもった素材の単独又はこれらを組合わせて芯材としたものを介在させることができる。
【0085】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0086】
参考例1
図37はこの発明の参考例1を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この参考例1では、ブラジャー等に使用されるバストパッドにおいて、中心点が高く周縁部にわたり湾曲した凹凸状をなし、前記中心点から上方部および内側部に至るに従って徐々に薄手に形成され、前記中心点から下方部および外側部に至る部分は厚手の状態を維持するとともに、端縁部に至り薄手に収斂して形成された軟質の機能芯体の内部に、やや剛性の高い補整芯体が埋設されるように構成したものである。
【0087】
図37はこの発明の参考例1を示すもので、図37(A)はブラジャー等のトップの正面から見た斜視図、図37(B)はトップの左側(図面向かって右側)のカップ体の芯体を正面から見た図、図37(C)は図37(B)のA−B断面図、図37(D)は図37(B)のC−D断面図、図37(E)は図37(B)のE−F断面図、図37(F)は図37(B)のG−H断面図である。
【0088】
図37(A)に示すように、ブラジャー、水着、ボデイスーツ、カップ付ドレス等におけるトップ41として、バスト収容部である左右のカップ体42、43及びバスト以外の人体胸部に当接されるバスト下囲部を形成する身頃体44とから構成される。前記カップ体42、43は、布体あるいはモールド成形により略バスト形状に対応した椀形形状に形成され、該カップ体の下縁部が布体あるいはモールド成形により形成された前記身頃体との対応接合周縁部において縫合あるいは接合されて一体に構成されている。かく構成された芯体(右カップ体の芯体)の表裏に図示省略の表布と裏布が縫合等により接合配置される。さて、図37(B)において、45はブラジャー等トップのカップ体を構成する芯体(バストパッド)のうちの機能芯体で、モールド成形等により略バスト形状に対応した椀形形状に形成され、弾力性があり軽いポリウレタン系の低密度の発泡体(嵩高性大)スポンジ等からなり、該機能芯体45の断面形状は、図37(C)〜(F)に示すように、中心点Oが高く、周縁部にわたり湾曲した凹凸状をなしており、外側部(胸部脇方向)の中心点を通るほぼ水平位置O−B部分から、下方部を経て内側部(胸部中心線L−L方向)の斜め下方部分O−Cに至る部分、即ちO−B、O−G、O−E、O−Cは厚手部分を端縁部付近まで維持し、端縁部を薄手に収斂する。また、中心点Oを過ぎた部分における内側部の斜め下方部分O−Cから上方部を経て外側部のほぼ中心点を通る水平位置O−B部分に部分、即ち、O−C、O−A、O−H、O−F、O−D、O−B部分を、中心点Oから周縁部に至るに従い徐々に薄手に形成してなるものである。なお、厚手部分の厚さは、5〜30mm、薄手部分の厚さは0.5〜3mmに形成される。また、また、機能芯体は、モールド加工の他、雄雌金型を用いて射出、充填または充填発泡によって成形しても良い。
【0089】
このように、中心点から下方部及び外側部に至る部分は厚手の状態を維持せしめたことにより、バストを引き寄せる意図とバストのボリュームアップ効果をもたせしめるものである。さらに、前記中心点から下方部および外側部に至る部分についての密度を高くすることによって着用時のバストへの圧力を高めることによってバスト寄せ及びバストアップ効果を高めることもできる。なお、機能芯体のカップ体としての形状は、商品設計や目的に応じて種々の形態が採用でき、図示の例に限定されない。次に、本発明では、かく形成した機能芯体の内側に、少し薄手のウレタンやポリエステル系繊維による不織布あるいはゴム等からなる前記機能芯体に比較してやや剛性の高い補整芯体を埋設したものである。その埋設形態は、補整芯体が機能芯体中に完全に埋設されて機能芯体のどの表面からもみえない(表面から所定距離内に埋設された)状態が好ましいものである。かくて、機能芯体に埋設されたやや剛性の高い補整芯体のバックアップによって前記機能芯体によるバスト引寄せとボリュームアップ効果を充分に引き出すことを可能にするという顕著な効果を奏することとなった。なお、前記機能芯体に埋設されたやや剛性の高い補整芯体は、身頃体に縫製等により接合される際に、カップ体と身頃体との接合部に一体化することによってバストの補整機能をより効果的に高めることができる。
【0090】
図38は3/4カップ体に採用された芯体の他の参考例を示した正面図で、前記参考例1のものでは、前記機能芯体をモールド成形等により略バスト形状に対応した椀形形状に形成しているのに対して、本参考例では機能芯体を以下のようにして形成したものである。図38(A)において、45a〜45eは2〜数枚積層した弾力性があり軽いポリウレタン系の低密度の発泡体よりなるシート状片で、相互に接着されており、aからeに向け厚さ方向の全体としての肉厚が厚いことを示している。eは厚さの最大値(5〜30mm)部分、aは最低値(0.5〜3mm)部分であり、各シート状片の材質及び密度は必要とする厚さ及びサポート力に基づいて適宜設定するものである。例えば、ソフト性をベースとするものとして、軽量で弾力性のあるポリエステル系ファイバーによる不織布(綿状布)やポリウレタン等の低密度の発泡体等(嵩高いもの)が採用され、コントロール性をベースとして嵩高性を抑えた密度の高い上記素材にて硬度を適宜に設計するものである。前記の如くシート状片を接着して厚手部分を形成する他、シート状または発泡体のブロック体を切削又はくり抜き形状とする。さらに、中心点から下方部および外側部に至る部分についての密度を高くすることによって着用時のバストへの圧力を高めることによってバスト寄せ及びバストアップ効果を高めることができるのは前記実施の形態と同様である。また、図示が省略されたところの、芯体の表裏に縫合等により接合されるべき表裏を形成する材料に、サポート力、弾性力、保形性を高める等の目的で、各種織り編みファイバー、合成繊維、合成樹脂、形状記憶合金、アモルファス合金等を用いた編織布、メッシュフィルム、或いは保温性、血行性を高める目的で磁性、電磁波等をもった素材の単独又はこれらを組み合わせたものを介在させることもできる。
【0091】
図38(B)に示すように、シート状片を接着して厚手部分を形成した機能芯体には、シート体あるいは切削もしくはくり抜きによる2〜3枚構成にて形成し、さらにモールド成形等した補整芯体が埋設形成される。図38(C)に示したものは、図38(B)の45aに相当する厚さおよび大きさのシート状片に相当する厚さ及び大きさのシート状片との間に45dの厚さおよび大きさの補整芯体としてのシート状片を挟持して積層したものである。シート状片は積層して形成されたものではなく、モールド等により一体成形された点が図38(A)、(B)のものと異なる。シート状片における1点鎖線は、厚さの等高線を表している。また、前記機能芯体は、2枚のシート状片の間にシート状片の厚さ及び大きさの補整芯体としてのシート状片を挟持して積層したりして、適宜の組み合わせによって形成することが可能であり、さらに、シート状片についても上下2つのパーツを接合によって得ることもできる。これによって機能芯体を適宜の材質および厚さのシート状片を自在に切り取ることによって所定の部分において目的とする厚さを簡単に得ることができて、設計の自由度が増すことになる。なお、一般的な常着としてのブラジャー等のカップ体またはパッド部材は、基本的な通気性に富むと同時に吸汗性を高めるような材質を用いるか、加工が施されることが望ましい。
【0092】
図39はカップ体に採用された芯体の更に他の参考例を示した正面図(図39(A))およびA−B断面図(図39(B))で、本参考例では、機能芯体自身は前記実施の形態と同様に形成するものであるが、該機能芯体の内部に埋設されるところの、補整芯体の中心点Oから下方部および外側部に至る部分についても、図39(C)に示したように、前記機能芯体と同様に所定厚さ、所定材質のシート状片あるいはフィルム状片を複数枚積層することによって、補整芯体の中心点から下方部および外側部に至る部分についての厚手の状態を維持して形成することが可能である。また、図39(D)に示すように、補整芯体をフィルム状片を積層してダイアフラム状に形成したものは、特に、カップ体がアームピット部まで延設された形状のものに効果的であり、中心点から下方部および外側部に至る部分について厚く、すなわち剛性が高くされる。かく構成したので、補整芯体の中心点から下方部および外側部に至る部分についても厚手の状態が維持され、この部分での剛性が高くなり、バストアップおよびバスト寄せ効果をより高めることができる。
【0093】
図40はカップ体に採用された芯体の更に他の参考例を示した図で、本参考例でも、機能芯体自身は前記実施の形態と同様に形成するものであるが、該機能芯体の内部に埋設されるところの、補整芯体は図40(A)に示されるように、少なくともバストアップ及びバスト寄せを効果的に行える部分である中心点から下方部および外側部に至る部分についてのみ埋設されるものであり、必要最小限の部分にのみ補整芯体を設けて軽量化されながらも、バストアップおよびバスト寄せを効果的に行うことができる。なお、詳述はしないが、本参考例の芯体は、ブラジャー等トップに限ることなく、ボトムのヒップパッド体、肩パッド類にも採用できるものである。また、本参考例の芯体は、本件出願人がさきに提案した実願平6−15959号に記載された考案のリフトアップ機能付きトップにおける芯体として剛性を異にする複数の芯体を積層した多重構成体に採用することもできる。さらに、補整芯体としては、形状記憶性の生地又は樹脂シートを用いるのが望ましい。
【0094】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、カップ体および身頃体の形状、材質、各カップ体における下縁部へのワイヤーボーンの設置(例えば、補整芯体の下縁部に沿って断面円形のビードを形成させてワイヤーボーンの代用をさせても良い。)、補整芯体及び機能芯体の厚さ、断面形状材質(例えば、補整芯体を形状記憶材により構成して体温付近にて適切な補整機能が得られるようにする。)、層数、芯体と機能芯体との間の接合等の埋設形態等については適宜選択できるものである。
【0095】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0096】
実施の形態6
図41はこの発明の実施の形態6を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態6では、ブラジャー等のバストパッドにおいて、適当な厚さと形状を有する通常の通気性ウレタンフォーム又はファイバーよりなるパッド本体の表面に、湾曲形成された薄手の無黄変ウレタンフォームを重ねて一体化したものであり、必要に応じて、前記パッド本体と無黄変ウレタンフォームの間に、サポート力を高めるための通気性の芯体を介在させて一体化するように構成される。
【0097】
図41、図42はこの発明の実施の形態6に係るバストパッドを示すものである。図において、51は通常のウレタンフォーム又はファイバーよりなるパッド本体で、下方に必要な厚みをもたせ、上方は薄手になるように形成されている。この際熱プレス前のウレタンフォームをカットにより成形してもよい。52はパッド本体の外面に配設された無黄変ウレタンフォームで、湾曲された下縁53から両側縁54、54にわたりパッド本体と同形状であり、上端55はパッド本体51より上方に伸びている。この無黄変ウレタンフォーム52は、独立気泡で通気性がないため、多数の小孔56を設ける。また、当該の現況無黄変ウレタンフォーム52は高価なため、コスト面から必要最小限の厚さとする。なお、当然のことながら、今後の開発により連続気泡体が開発されればこの限りではない。また、独立気泡体をサンドイッチ構造として構成されたパッド体は、逆に透水性がないため水着に適している。さらに、この無黄変シート体は、これに限定されるものではなく、パッドの弾性を高めるために、発泡密度の高いシート体でも良く、保形性を高めるために、硬質の発泡シート体でも良い。また、このシート体に限らず、ダブルラッセルによる空気層を持ったシート体でも良い。57はサポート力を高めるために、パッド本体51と無黄変ウレタンフォーム52の間に介在させた通気性を有する芯体であり、三者を重合し熱プレスして一体化するか、接着剤を用いて一体化する。
【0098】
図43〜図46は、外面の無黄変ウレタンフォーム52の湾曲形状と、通常のウレタンフォーム又はファイバーよりなるパッド本体の成形及び両者の一体化等を説明するそれぞれ異なる実施例を示すものである。先ず図3において、52a、52bは外面の無黄変ウレタンフォーム52を構成する上下2枚の分割片で、その対接縁58を互いに反対方向に湾曲させてあり、該対接縁58、58を縫着59させることにより湾曲させるものである。通常のウレタンフォーム又はファイバーは、ブロック体よりカット体51’を形成し、これを熱成形によりパッド本体51の形状に形成するものである。また、下ワイヤの分割片52bに、成形された通状のウレタンフォーム又はファイバーよりなるパッド本体51を貼り合わせた後、上側の分割片52aと縫着して湾曲成形してなるものである。これに対し図44の場合は、無黄変ウレタンフォーム52を湾曲成形した後、通常のウレタンフォーム又はファイバーよりなるパッド本体51を一体化してなる場合で、樹脂等の接着剤により接着するか、接着剤を施して熱セットすることにより、一体化してなるものである。図45は無黄変ウレタンフォーム52をモールド成形により湾曲成形した場合である。図46は無黄変ウレタンフォームのシート52’と、通常のウレタンフォーム又はファイバーのカット体51’を貼り合わせ、モールド成形と同時に接着した場合である。通状のウレタンフォーム又はファイバーには裏地を接着してもよい。
【0099】
ところで、無黄変ウレタンフォーム52は、軽量性、緩衝性、耐熱性、耐薬品性、加工性が容易であるという種々の特性を有し、中でも紫外線により黄変しない点が最大の特徴である。
【0100】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0101】
なお、図47及び48は、この発明の他の実施の形態を示すものであり、この実施の形態では、バストパッド7のパッド本体7aと、表地8及び裏地9とを、モールド成形方式により一体的に成形するように構成したものであり、こうすることによって、上述したような当該バストパッド7の本来の形状を忠実に実現することが可能となる。
【0102】
また、図49乃至52は、この発明の更に他の実施の形態を示すものであり、この実施の形態では、バストパッド7を構成する素材として、例えば、図49に示すようなハニカム(ラブルラッセルの3層構造)の素材を用い、この素材を用いることにより、バストパッド7そのものからなるバストカップ体2、3と、身頃体の一部(図50)、又は身頃体の全部(図51、52)とを、モールド成形等によって一体的に構成したものである。こうすることによって、三次元形状を持ったバスト基底と身頃とを接続する高度な技術を省略することができる。なお、上記のごとく、バストカップ体2、3と身頃体とを一体的に形成する場合、その素材は、図49に示すようなハニカム(ラブルラッセルの3層構造)の素材に限定するものではなく、他の一層や二層構造、あるいは三層以上の多層構造の成形性に優れた素材を用いても良いことは勿論である。
【0103】
また、図49乃至52は、この発明の更に他の実施の形態(図50、52は参考例)を示すものであり、この実施の形態では、バストパッド7を構成する素材として、例えば、図49に示すようなハニカム(ラブルラッセルの3層構造)の素材を用い、この素材を用いることにより、バストパッド7そのものからなるバストカップ体2、3と、身頃体の一部(図50)、又は身頃体の全部(図51、52)とを、モールド成形等によって一体的に構成したものである。こうすることによって、三次元形状を持ったバスト基底と身頃とを接続する高度な技術を省略することができる。なお、上記のごとく、バストカップ体2、3と身頃体とを一体的に形成する場合、その素材は、図49に示すようなハニカム(ラブルラッセルの3層構造)の素材に限定するものではなく、他の一層や二層構造、あるいは三層以上の多層構造の成形性に優れた素材を用いても良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)(b)はこの発明の実施の形態1に係るバストパッドを平板上に載置した状態をそれぞれ示す平面図及び正面図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係るバストパッドを適用したブラジャーを示す要部斜視図である。
【図3】 図3(a)(b)はバストカップ体の断面構成をそれぞれ示す構成図である。
【図4】 図4はこの発明の実施の形態1に係るバストパッドを示す外観斜視図である。
【図5】 図5はこの発明の実施の形態1に係るバストパッドを示す平面図である。
【図6】 図6はこの発明の実施の形態1に係るバストパッドを示す正面図である。
【図7】 図7は人体のバスト部分を示す正面説明図である。
【図8】 図8は人体のバスト部分を示す断面説明図である。
【図9】 図9は人体のバスト部分を示す断面説明図である。
【図10】 図10はこの発明の実施の形態1に係るバストパッドを示す正面図である。
【図11】 図11はこの発明の実施の形態1に係るバストパッドを示す断面図である。
【図12】 図12はこの発明の実施の形態2に係るバストパッドを示す断面図である。
【図13】 図13(a)(b)はこの発明の実施の形態2に係るバストパッドの変形例をそれぞれ示す平面図及び正面図である。
【図14】 図14はこの発明の実施の形態5に係るバストパッドを示す正面図である。
【図15】 図15はこの発明の実施の形態2に係るバストパッドの変形例を示す平面図である。
【図16】 図16はこの発明の実施の形態2に係るバストパッドの変形例を示す正面図である。
【図17】 図17(a)(b)はこの発明の実施の形態3に係るバストパッドの素材をそれぞれ示す断面図及び斜視図である。
【図18】 図18(a)(b)はこの発明の実施の形態3に係るバストパッドをそれぞれ示す平面図である。
【図19】 図19(a)(b)はこの発明の実施の形態4に係るバストパッドを適用したブラジャーと従来のブラジャー、及びこの発明の実施の形態4に係るバストパッドと従来のバストバッドとをそれぞれ示す平面図である。
【図20】 図20は参考例1に用いられるボーンとバストパッドを示す平面図である。
【図21】 図21は同実施の形態4に用いられるボーンとバストパッドを示す斜視図である。
【図22】 図22は同実施の形態4に用いられるボーンとバストパッドを示す正面図である。
【図23】 図23は同ボーンを示す断面図である。
【図24】 図24は同ボーンを示す断面図である。
【図25】 図25は同ボーンを示す断面図である。
【図26】 図26は同ボーンを示す断面図である。
【図27】 図27は同ボーンを示す断面図である。
【図28】 図28は同ボーンを使用した状態を示す説明図である。
【図29】 図29(a)〜(c)はこの発明の実施の形態4に係るブラジャーと従来のブラジャーをそれぞれ示す説明図である。
【図30】 図30は参考例1に用いられるボーンを示す平面説明図である。
【図31】 図31(a)(b)はこの発明の実施の形態5に係るバストパッドを示す平面図及び正面図である。
【図32】 図32は同断面図である。
【図33】 図33は同断面図である。
【図34】 図34は同断面図である。
【図35】 図35は同断面図である。
【図36 】 図36は参考例のパッドを示す説明図である。
【図37】 図37はこの発明の参考例に係るバストパッドを適用したブラジャーを示す正面図である。
【図38】 図38は同パッドをそれぞれ示す説明図である。
【図39】 図39は同パッドをそれぞれ示す説明図である。
【図40】 図40は同パッドをそれぞれ示す説明図である。
【図41】 図41はこの発明の実施の形態6に係るバストパッドを示す正面図である。
【図42】 図42は同パッドを示す断面図である。
【図43】 図43は同パッドを示す説明図である。
【図44】 図44は同パッドを示す説明図である。
【図45】 図45は同パッドを示す説明図である。
【図46】 図46は同パッドを示す説明図である。
【図47】 図47はバストパッドを適用したブラジャーの他の例を示す斜視図である。
【図48】 図48はバストパッドを示す構成図である。
【図49】 図49(a)(b)はバストパッドの他の素材をそれぞれ示す構成図である。
【図50】 図50はバストパッドの他の参考例を示す斜視図である。
【図51】 図51はバストパッドの他の例を用いたブラジャーを示す斜視図である。
【図52】 図52はバストパッドの他の参考例を用いたブラジャーを示す斜視図である。
【図53】 図53は人体の胴部を示す説明図である。
【図54】 図54は人体の胴部を示す説明図である。
【図55】 図55は従来のバストパッドを用いたブラジャーを示す斜視図である。
【図56】 図56は同カップ部を示す構成図である。
【図57】 図57は従来のバストパッドを示す構成図である。
【図58】 図58は従来のバストパッドを製造する金型を示す断面図である。
【図59】 図59は従来のバストパッドを適用したブラジャーを着用した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1:ブラジャー、2、3:左右のバストカップ体、4:下辺連結布、7:バストパッド、8:表地、9:裏地、16:バストパッド7の下端縁近傍。

Claims (7)

  1. 女性用の衣料に用いられるバストパッドにおいて、
    前記バストパッドの人体立位姿勢で頭部方向を上方とした場合における下方の端縁近傍の形状を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、人体立位姿勢で頭部方向である上方に向けて凹状に湾曲させたことを特徴とするバストパッド。
  2. 女性用の衣料に用いられるバストパッドであって、前記バストパッドと当該バストパッドに隣接する身頃体の一部又は全部を一体的に形成したバストパッドにおいて、
    前記バストパッドの人体立位姿勢で頭部方向を上方とした場合における下方の端縁近傍の形状を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、人体立位姿勢で頭部方向である上方に向けて凹状に湾曲させたことを特徴とするバストパッド。
  3. 前記バストパッドの頂上部が人体の内側を向くように配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のバストパッド。
  4. 前記バストパッドの脇下側に位置する側面を、頂上部から下方へ向けて中間部が相対的に厚くなるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のバストパッド。
  5. 前記バストパッドの脇下側に位置する側面部の伸びを押さえるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のバストパッド。
  6. 女性の体のバスト部分を覆うバストカップにおいて、
    前記バストカップの人体立位姿勢で頭部方向を上方とした場合における下方の端縁近傍の形状を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、人体立位姿勢で頭部方向である上方に向けて凹状に湾曲させたことを特徴とするバストカップ。
  7. 女性の体のバスト部分を覆うバストカップであって、前記バストカップと当該バストカップに隣接する身頃体の一部又は全部を一体的に形成したバストカップにおいて、
    前記バストカップの人体立位姿勢で頭部方向を上方とした場合における下方の端縁近傍の形状を、人体のバスト下端部近傍に位置する胴部断面形状に略沿うように、人体立位姿勢で頭部方向である上方に向けて凹状に湾曲させたことを特徴とするバストカップ。
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