JP4190756B2 - 磁気テープアレイ制御装置及びこれによる書き込みデータの復旧方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気テープアレイ制御装置に関し、特に短時間で書き込みデータの復旧が可能な磁気テープアレイ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気テープアレイ制御装置(以下テープアレイ制御装置という)において、複数の磁気テープ装置(以下テープ装置という)に対して、ホストから転送されるデータを書き込んでいるときに、テープ装置や磁気テープ媒体(以下テープ媒体という)に障害が発生すると、以下に説明する2つの動作のいずれかを行うようになっている。まず、1つ目の動作は、ホストに対して書き込みエラーを報告して書き込み処理を停止する。そして、テープ装置やテープ媒体を交換した後、ホストから書き込み処理を再実行する、というもの。
【0003】
続いて、2つ目の動作は、テープアレイ制御装置が書き込みエラーを認識して正常なテープドライブで書き込み処理を継続する。正常なテープドライブでの書き込み処理が終了し、テープドライブやテープ媒体を交換された後、テープアレイ制御装置が、正常に書き込まれたテープ媒体からデータを読みながら失ったデータを復元し、交換したテープ媒体にデータを書き込む、いうものである。
【0004】
ここで、具体的に従来のテープアレイ制御装置について説明する。図3は、従来のテープアレイ制御装置の一例を示す構成図であり、図4は、図3の従来例の動作を説明する図である。
【0005】
まず、図3を参照すると、従来のテープアレイ制御装置は、テープアレイ制御装置5と複数のテープ装置311,テープ装置312及びテープ装置313とから構成される。なお、従来例では3台のテープ装置が接続されているものとする。
【0006】
テープアレイ制御装置5は、ホストI/F10を介してホスト1と接続され、さらに、テープI/F301,テープI/F302及びテープI/F303を介してテープ装置311,312及び313とそれぞれ接続される。そして、テープアレイ制御装置5は、ホストI/F10を介してホスト1とのデータ転送を制御するI/F制御部11と、テープI/F301,302及び303を介してテープ装置311,312及び313とのデータ転送をそれぞれ制御するテープ制御部14,テープ制御部15及びテープ制御部16と、I/F制御部11及びテープ制御部14,15,16の間にあってホスト1とテープ装置311,312及び313との間で転送されるデータの分割及び結合処理を行うアレイ制御部12と、テープ制御部14,15及び16から出力されるエラー信号を検出しアレイ制御部12に対して障害の発生を報告するエラー検出部13とから構成されている。
【0007】
続いて、従来のテープアレイ制御装置の動作について、図3,4を参照して説明する。
【0008】
まず、ホスト1からテープ装置311,312に装填されているテープ媒体に対して、ミラー構成(RAIT−1)でデータを書き込むものとする。ホスト1で書き込みデータが準備されると、ホスト1からホストI/F10を介してI/F制御部11に対してデータ転送の開始を指示する。I/F制御部11は、データ転送の準備が整うとホスト1に対してデータ転送準備完了で応答する。ホスト1から転送されたデータは、I/F制御部11を経由してアレイ制御部12に送られる。
【0009】
アレイ制御部12は、テープ装置311,312にミラー構成で書き込むため、I/F制御部11から送られたデータをテープ制御部14,15の両方に送る。テープ制御部14は、テープ装置311を制御しアレイ制御部12から送られたデータを書き込む。同様に、テープ制御部15は、テープ装置312を制御しアレイ制御部12から送られたデータを書き込む。このようにして、テープ装置311,312に装填されているテープ媒体へのデータ書き込みが開始される(図4(a)に示す通常動作,図4(b)に示す障害動作の各開始地点)。
【0010】
次に、この後に行われる通常動作及び障害動作について説明する。まず、通常動作について説明する。
【0011】
ホスト1からテープ装置311,312に装填されているテープ媒体へのデータ書き込みが終了すると、テープ制御部14,15は、それぞれアレイ制御部12に対して、データ書き込みの終了を報告する。アレイ制御部12は、テープ制御部14と15の両方からデータ書き込み終了の報告を受けた時点で、I/F制御部11を介してホスト1に対してテープ装置の書き込み終了を報告する。これで、通常のテープ装置311,312への書き込みが終了する(図4(a)に示す通常動作の終了地点)。
【0012】
続いて、障害動作について説明する。まず、テープ装置311に装填されているテープ媒体で障害が発生したと仮定すると、テープ装置311は、テープ媒体の障害をテープ制御部14に対して通知する。テープ制御部14は、テープ媒体障害を認識してエラー信号を上げる。
【0013】
エラー検出部13は、テープ制御部14から送られたエラー信号を検出し、アレイ制御部12に対してテープ装置311での障害発生を報告する。アレイ制御部12は、エラー検出部13から送られた障害発生の報告を認識してテープ制御部14に対して、書き込みデータの転送を中止する。これにより、テープ装置311への書き込み動作が停止する(図4(b)に示す障害動作の障害発生地点)。このとき、テープ装置312へのデータ書き込みは継続している。
【0014】
ホスト1からテープ装置312に装填されているテープ媒体へのデータ書き込みが終了すると、テープ制御部15は、アレイ制御部12に対してデータ書き込みの終了を報告する。アレイ制御部12は、テープ制御部15から、データ書き込み終了の報告を受けたとき、I/F制御部11を介してホスト1に対してテープ装置の書き込み終了を報告する。これで、テープ装置312への書き込みが終了する(図4(b)に示す障害動作の終了地点)。
【0015】
次に、障害動作後に続くテープ装置311に装填されている障害テープ媒体を交換したときに、実施される復旧動作について説明する。
【0016】
まず、テープ装置311に装填されていた障害発生のテープ媒体を交換すると、テープ装置311は、新しいテープ媒体が装填されたことを認識してテープ制御部14にテープ媒体の装填を通知する。テープ制御部14は、テープ媒体の装填を認識してエラー信号の出力を下げる。エラー検出部13は、テープ制御部14からのエラー信号が下げられたことを検出してテープ装置311での障害発生がなくなったことをアレイ制御部12に報告する。
【0017】
アレイ制御部12は、エラー検出部13からの報告により、テープ装置14に装填されていたテープの媒体障害がなくなったことを認識する。アレイ制御部12は、テープ装置312に復旧時に読み出すべきテープが準備されていることをテープ制御部15に問い合わせる。テープ制御部15は、テープ装置312に装填されているテープを認識し、アレイ制御部12に対してテープが準備されていることを報告する。
【0018】
アレイ制御部12は、テープ装置312のテープ媒体に格納されるデータを先頭から読み出しながらテープ装置311のテープ媒体に書き込むデータを作成し、テープ制御部14を介してテープ装置311の新しいテープ媒体にデータの書き込みを開始する(図4(c)に示す復旧動作の開始地点)。
【0019】
テープ装置312からアレイ制御部12を介してテープ装置311に装填されているテープ媒体にデータ書き込みが終了すると、テープ制御部14はアレイ制御部12に対してデータ書き込みの終了を報告する。アレイ制御部12は、テープ装置311へのデータ書き込みが終了したことを認識する(図4(c)に示す復旧動作の終了地点)。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した1つ目及び2つ目の動作の場合でも、障害発生後に交換されたテープ媒体にデータを書き込むには、さらに正常な書き込みと同じ時間が掛かり、その結果、長時間に渡ってテープアレイ制御装置が利用できないという問題がある。
【0021】
本発明の目的は、かかる課題に鑑みてなされたもので、ホストからテープアレイ制御装置に対して書き込みが行われているとき、テープ装置やテープ媒体に障害が発生しても、短時間で書き込みデータの復旧が可能なテープアレイ制御装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ホストとホストI/Fにより接続され複数のテープ装置の動作を制御するテープアレイ制御装置であって、ホストとの間で行われるデータ転送を制御するI/F制御部と、複数のテープ装置とのデータ転送をそれぞれ制御する複数のテープ制御部と、I/F制御部及びテープ制御部の間にあってホストと複数のテープ装置との間で転送されるデータに対してデータの分割及び結合処理を行うアレイ制御部と、複数のテープ制御部からそれぞれ出力されるエラー信号を検出しアレイ制御部に対して障害の発生を報告するエラー検出部とを備えるテープアレイ制御装置において、データを格納するハードディスクドライブ(HDD)と、HDDとのデータ転送を制御しI/F制御部から送られたデータをHDDに書き込むHDD制御部と、エラー検出部から報告される障害の内容に基づいてHDD制御部を介してHDDに格納されているデータを読み込みかつ読み込んだデータから新しいデータを作成するデータ作成部と、データ作成部からの指示により複数のテープ制御部の中から1つを選択しかつ選択されたテープ制御部に対してデータ作成部からのデータを転送する制御選択部とを備え、前記エラー検出部は、障害発生のテープが交換され新しいテープ媒体が装填されるとテープ装置での障害がなくなったことを前記データ作成部に報告し、前記データ作成部は、媒体障害がなくなったことを認識するとHDD制御部に対してHDDに格納されているデータを先頭アドレスから順次読み出すよう指示する手段を有することを特徴とする。
【0023】
すなわち、本発明のテープアレイ制御装置は、ホストから転送される書き込みデータを複数のテープ装置に書き込みながら、HDD制御部を介してハードディスクドライブ(HDD)にも格納する。テープ装置やテープ媒体に障害が発生したとき、テープ装置やテープ媒体を交換後にデータ作成部が直ちにHDDからデータを読み出して、交換されたテープに書き込むデータを作成する。そして、作成されたデータは制御選択部によって複数のテープ制御部の中から1つが選択され、交換された新しいテープ媒体を装填したテープ装置にデータが転送され、テープ媒体に書き込まれるものであって、従来のテープアレイ制御装置に、HDD制御部,HDD,データ作成部,制御選択部を新たに追加し、書き込み障害のデータ復旧を速やかに行う点に特徴がある。
【0024】
また、本発明の磁気テープアレイ制御装置による書き込みデータの復旧方法は、テープ装置に装填されているテープ媒体で障害が発生したとき、次のステップを有することを特徴とする。
(1)テープ装置がテープ媒体の障害をテープ制御部に対して通知するステップ。(2)テープ制御部がテープ媒体障害を認識しエラー信号を上げるステップ。(3)エラー検出部がテープ制御部から送られたエラー信号を検出しアレイ制御部とデータ作成部に対してテープ装置での障害発生を報告するステップ。(4)アレイ制御部がエラー検出部から送られた障害発生の報告を認識して、テープ媒体障害を認識したテープ制御部に対し書き込みデータの転送を中止するステップ。(5)データ作成部がエラー検出部からの報告によりテープ装置での障害発生を認識するステップ。
【0025】
次に、テープ装置に装填されていた障害発生のテープ媒体を交換するとき、次のステップを有することを特徴とする。
(1)テープ装置が新しいテープ媒体が装填されたことを認識してテープ制御部にテープ媒体の装填を通知するステップ。(2)テープ制御部がテープ媒体の装填を認識してエラー信号の出力を下げるステップ。(3)エラー検出部がテープ制御部からのエラー信号が下げられたことを検出し、テープ装置での障害発生がなくなったことをデータ作成部に報告するステップ。(4)データ作成部がエラー検出部からの報告によりテープ装置に装填されていたテープの媒体障害がなくなったことを認識し、HDD制御部に対してHDDに格納されているデータを読み出すよう指示するステップ。(5)データ作成部が制御選択部に対してテープ制御部を選択するよう指示するステップ。(6)データ作成部がエラー検出部から報告された内容に基づいてHDDから読み出したデータをテープ装置に装填された新しいテープ媒体に書き込むデータを作成して制御選択部に転送するステップ。(7)選択制御部が複数のテープ制御部の中からテープ制御部を選択し、データ作成部からデータを転送するステップ。(8)テープ制御部がテープ装置に装填されている新しいテープ媒体にデータの書き込みを開始するステップ。
【0026】
続いて、ホストからテープ装置に装填されているテープ媒体へのデータ書き込みが終了したとき、次のステップを有することを特徴とする。(1)テープ制御部がアレイ制御部に対してデータ書き込みの終了を報告するステップ。(2)アレイ制御部がI/F制御部を介してホストに対してテープ装置の書き込み終了を報告するステップ。
【0027】
さらに、HDDからテープ装置に装填されているテープ媒体へのデータ書き込みが終了したとき、テープ制御部がテープ装置のデータ書き込みの終了をアレイ制御部に報告するステップを有することを特徴とする。
【0028】
次に、テープ装置に障害が発生したとき、次のステップを有することを特徴とする。(1)テープ制御部がテープ装置の障害を認識しエラー信号を上げるステップ。(2)エラー検出部がテープ制御部から送られたエラー信号を検出しアレイ制御部とデータ作成部に対してテープ装置での障害発生を報告するステップ。(3)アレイ制御部がエラー検出部から送られた障害発生の報告を認識して、テープ装置の障害発生を認識したテープ制御部に対し書き込みデータの転送を中止するステップ。(4)データ作成部がエラー検出部からの報告によりテープ装置での障害発生を認識するステップ。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態を示す構成図であり、図2は、図1の実施例の動作を説明する図である。
【0030】
まず、図1を参照すると、本発明のテープアレイ制御装置は、テープアレイ制御装置2と複数のテープ装置311,テープ装置312及びテープ装置313から構成される。テープアレイ制御装置2は、ホストI/F10によりホスト1と接続され、テープI/F301,テープI/F302及びテープI/F303により、テープ装置311,312及び313とそれぞれ接続される。
【0031】
なお、本実施例では3台のテープ装置が接続されているものとする。また、図1において、図3に示す従来例と同様の機能を有する構成部については同じ符号を用いた。
【0032】
テープアレイ制御装置2は、ホストI/F10を介してホスト1とのデータ転送を制御するI/F制御部11と、テープI/F301,302及び303を介してテープ装置311,312及び313とのデータ転送をそれぞれ制御するテープ制御部14,テープ制御部15及びテープ制御部16と、I/F制御部11及びテープ制御部14,15,16の間にあってホスト1と複数のテープ装置311,312及び313との間で転送されるデータの分割及び結合処理を行うアレイ制御部12と、テープ制御部14,15及び16から出力されるエラー信号を検出しアレイ制御部12に対して障害の発生を報告するエラー検出部13と、データを格納するハードディスクドライブ(HDD)19と、HDD19とのデータ転送を制御しI/F制御部11から送られたデータをHDD19に書き込むHDD制御部18と、エラー検出部13から報告される障害の内容によってHDD制御部18を介してHDD19に格納されたデータを読み込みかつ読み込んだデータから新たなデータを作成するデータ作成部17と、データ作成部17からの指示により複数のテープ制御部14,15及び16から1つを選択しかつ選択されたテープ制御部に対してデータ作成部17からのデータを転送する制御選択部20とから構成されている。
【0033】
次に、本実施例の動作について説明する。図1,2を参照すると、まず、ホスト1からテープ装置311,312に装填されているテープ媒体に対して、ミラー構成(RAIT−1:Redundant Array of Independent Tapes)でデータを書き込むものとする。ホスト1で書き込みデータが準備されると、ホスト1からホストI/F10を介して、I/F制御部11に対しデータ転送の開始を指示する。I/F制御部11は、データ転送の準備が整うとホスト1に対してデータ転送準備完了で応答する。
【0034】
ホスト1から転送されたデータは、I/F制御部11を経由してアレイ制御部12とHDD制御部18に送られる。HDD制御部18は、I/F制御部11から送られたデータをHDD19に書き込む。一方、アレイ制御部12は、テープ装置311,312にミラー構成で書き込むため、I/F制御部11から送られたデータをテープ制御部14,15の両方に送る。
【0035】
テープ制御部14は、テープ装置311を制御し、アレイ制御部12から送られたデータを書き込む。同様に、テープ制御部15は、テープ装置312を制御しアレイ制御部12から送られたデータを書き込む。これで、テープ装置311,312に装填されているテープ媒体へのデータ書き込みが開始される(図2に示す開始Aの地点)。
【0036】
その後、テープ装置311に装填されているテープ媒体で障害が発生したとする。テープ装置311は、テープ媒体の障害をテープ制御部14に対して通知する。テープ制御部14は、テープ媒体障害を認識しエラー信号を上げる。
【0037】
エラー検出部13は、テープ制御部14から送られたエラー信号を検出し、アレイ制御部12とデータ作成部17に対してテープ装置311での障害発生を報告する。アレイ制御部12は、エラー検出部13から送られた障害発生の報告を認識して、テープ制御部14に対し書き込みデータの転送を中止する。これにより、テープ装置311への書き込み動作が停止する。データ作成部17は、エラー検出部13からの報告によりテープ装置311での障害発生を認識する(図2に示す障害発生Bの地点)。
【0038】
次に、テープ装置311に装填されていた障害発生のテープ媒体を交換すると、テープ装置311は新しいテープ媒体が装填されたことを認識して、テープ制御部14に新しいテープ媒体が装填されたことを通知する。テープ制御部14は、テープ媒体の装填を認識してエラー信号の出力を下げる。エラー検出部13は、テープ制御部14からのエラー信号が下げられたことを検出して、テープ装置311での障害発生がなくなったことをデータ作成部17に報告する。
【0039】
データ作成部17は、エラー検出部13からの報告により、テープ装置311に装填されていたテープの媒体障害がなくなったことを認識し、HDD制御部18に対してHDD19に格納されているデータを先頭アドレスから順次読み出すよう指示する。また、データ作成部17は、制御選択部20に対してテープ制御部14を選択するよう指示する。
【0040】
データ作成部17は、エラー検出部13から報告された内容(テープ装置311の障害解除)に基づいて、HDD19から読み出したデータからテープ装置311に装填された新しいテープ媒体に書き込むデータを作成して制御選択部20に転送する。選択制御部20は、複数のテープ制御部の中から、テープ制御部14を選択して、データ作成部17からデータを転送する。テープ制御部14は、テープ装置311に装填されている新しいテープ媒体にデータの書き込みを開始する(図2に示す交換復旧Cの地点)。
【0041】
次に、ホスト1からテープ装置312に装填されているテープ媒体へのデータ書き込みが終了すると、テープ制御部15はアレイ制御部12に対してデータ書き込みの終了を報告する。アレイ制御部12は、I/F制御部11を介してホスト1に対してテープ装置312の書き込み終了を報告する。
【0042】
これと同時に、HDD制御部18を介して行われてきたHDD19へのデータ書き込みも終了する。この時点では、テープ装置311に装填されている新しいテープ媒体への書き込みは継続している(図3に示す終了Dの地点)。
【0043】
次に、HDD19からテープ装置311に装填されているテープ媒体へのデータ書き込みが終了すると、テープ制御部14は、テープ装置311のデータ書き込みの終了をアレイ制御部12に報告する。これと同時に、HDD制御部18,データ作成部17,制御選択部20を介して行われたHDD19からのデータ読み出しも終了する。これで、テープ装置311に新しく装填されたテープ媒体に対して、データが復旧されたことになる(図3に示す終了Eの時点)。
【0044】
以上の説明した動作によって、ホストからテープアレイ制御装置に対して、ミラー構成のテープ装置にデータの書き込みが行われているとき、テープ媒体に障害が発生しても、ホストからの書き込み処理が中断されることがなく、さらに、障害のテープ媒体を交換後、ホストから転送された書き込みデータを格納したHDDからデータを読み出して新しいテープ媒体に書き込みを行うことができる。
【0045】
なお、テープアレイ制御装置の構成が、RAIT−0(ストライピング)やRAIT−3と呼ばれているミラー構成以外の場合でも、本発明では同様の動作が可能である。
【0046】
また、テープ装置に障害が発生した時も、テープ媒体に障害が発生した時と同様に、ホストからの書き込み処理が中断されることなく、さらに、テープ装置を交換後、HDDからのデータを読み出して、新しいテープ装置に書き込みが行えることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ホストからテープアレイ制御装置に対して書き込みが行われているとき、テープ装置やテープ媒体に障害が発生しても、ホストからの書き込みデータをテープアレイ制御装置内のHDDに格納するようにしたので、障害が発生したテープ装置やテープ媒体を交換した後、直ちに交換されたテープ媒体に対してデータの書き込みが行えるようになり、従来よりも短時間で書き込みデータを復旧できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1の実施例の動作を説明する図である。
【図3】従来のテープアレイ制御装置の一例を示す構成図である。
【図4】図3の従来例の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 ホスト
2,5 テープアレイ制御装置
10 ホストI/F
11 I/F制御部
12 アレイ制御部
13 エラー検出部
14,15,16 テープ制御部
17 データ作成部
18 HDD制御部
19 HDD
20 制御選択部
301,302,303 テープI/F
311,312,313 テープ装置
Claims (2)
- ホストとホストI/Fにより接続され複数の磁気テープ装置の動作を制御する磁気テープアレイ制御装置であって、ホストとの間で行われるデータ転送を制御するI/F制御部と、複数の磁気テープ装置とのデータ転送をそれぞれ制御する複数の磁気テープ制御部と、前記I/F制御部及び前記磁気テープ制御部の間にあって前記ホストと前記複数の磁気テープ装置との間で転送されるデータに対してデータの分割及び結合処理を行うアレイ制御部と、前記複数の磁気テープ制御部からそれぞれ出力されるエラー信号を検出し前記アレイ制御部に対して障害の発生を報告するエラー検出部とを備える磁気テープアレイ制御装置において、データを格納するハードディスクドライブ(HDD)と、前記HDDとのデータ転送を制御し前記I/F制御部から送られたデータを前記HDDに書き込むHDD制御部と、前記エラー検出部から報告される障害の内容に基づいて前記HDD制御部を介して前記HDDに格納されているデータを読み込みかつ読み込んだデータから新しいデータを作成するデータ作成部と、前記データ作成部からの指示により前記複数の磁気テープ制御部の中から1つを選択しかつ選択されたテープ制御部に対して前記データ作成部からのデータを転送する制御選択部とを備え、前記エラー検出部は、障害発生のテープが交換され新しいテープ媒体が装填されるとテープ装置での障害がなくなったことを前記データ作成部に報告し、前記データ作成部は、媒体障害がなくなったことを認識するとHDD制御部に対してHDDに格納されているデータを先頭アドレスから順次読み出すよう指示する手段を有することを特徴とする磁気テープアレイ制御装置。
- 請求項1記載の磁気テープアレイ制御装置による書き込みデータの復旧方法であって、テープ装置に装填されていた障害発生のテープ媒体を交換するとき、次のステップを有することを特徴とする磁気テープアレイ制御装置による書き込みデータの復旧方法。
(1)テープ装置が新しいテープ媒体が装填されたことを認識してテープ制御部にテープ媒体の装填を通知するステップ。
(2)テープ制御部がテープ媒体の装填を認識してエラー信号の出力を下げるステップ。
(3)エラー検出部がテープ制御部からのエラー信号が下げられたことを検出し、テープ装置での障害発生がなくなったことをデータ作成部に報告するステップ。
(4)データ作成部がエラー検出部からの報告によりテープ装置に装填されていたテープの媒体障害がなくなったことを認識し、HDD制御部に対してHDDに格納されているデータを読み出すよう指示するステップ。
(5)データ作成部が制御選択部に対してテープ制御部を選択するよう指示するステップ。
(6)データ作成部がエラー検出部から報告された内容に基づいてHDDから読み出したデータをテープ装置に装填された新しいテープ媒体に書き込むデータを作成して制御選択部に転送するステップ。
(7)選択制御部が複数のテープ制御部の中からテープ制御部を選択し、データ作成部からデータを転送するステップ。
(8)テープ制御部がテープ装置に装填されている新しいテープ媒体にデータの書き込みを開始するステップ。
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