JP4190107B2 - 給紙装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小新聞等の中入れ紙を含む新聞広告を重ね、台紙を2つ折りにして重ねた枚葉紙を挟み込んだ形態の集合紙(以下、セット広告という)を2つ折りの新聞の中に自動的に挿入するに好適な給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、新聞等に広告を自動的に挿入するために、給紙装置(インサータ)が種々使用されている。しかし、セット広告は形態が特殊なため、新聞本紙への挟み込みの自動化が遅れている。セット広告の形態は通常B4サイズ程度の大きさの広告を2つ折りにし、この広告の間に他の種々の広告を挟み込んで一束としているものである。通常、このセット広告は2つ折りの新聞の中に手作業で挿入しているが、この作業は新聞本紙が新聞販売店に届く深夜から早朝にかけて行われ、しかも最終配達時間との関係から制約された短い時間で処理しなければならない。
【0003】
また、広告紙の集合体、即ち、セット広告を自動的に新聞本紙に挟み込む場合には、セット広告の給紙装置では複数部のセット広告を重ねてセット広告給紙台に収容し、この給紙台から1部づつ吸着パッドによりセット広告を取り出し、セット広告を搬送ローラ対により給送する。
【0004】
ところで、セット広告の外側を形成する2つ折り枚葉紙(以下、親紙という)は紙質又は印刷状態により紙面が滑りやすい状態又は逆に滑りにくい状態となる。特に、給送されるセット広告の親紙の外側と次に給送されるセット広告の親紙の外側とが滑りにくく、セット広告の親紙の内側とそれに接する親紙との間が滑りやすい場合、又は、先行するセット広告の親紙の外側が滑りにくく、セット広告の親紙の内側に接する親紙の間が滑りやすい場合、先行するセット広告の親紙の上面に接する次のセット広告の親紙の下面側が給送方向に共連れして引き出され、その部分にたるみが発生する。このため、次のセット広告の取出しの際に、吸着パッドが親紙を確実に吸着して取り出すことができず、ミスフィードしてしまうという問題点がある。
【0005】
上述の問題点の一部を解決するため、種々の給紙装置が提案されている(特許第2639475号公報等)。
【0006】
特許第2639475号公報には、複数の親紙を重ね、外被紙を2つ折にして、重ねた親紙を挟み込んだ形態のセット広告とし、この外被紙の二つ折り側をセット広告の給送方向にして積み重ねるストッカと、このストッカ内に積み重ねたセット広告の底部から一部づつ取出すサッカーと、このサッカーにより取出されたセット広告を給紙する固定側と可動側のローラ対からなるフィードローラとを備え、サッカーにより取出されて、先行するセット広告とストッカ内にある後続のセット広告の夫々の外被紙が重なり合っている間に差し込まれる分離プレートと、この分離プレートを案内するプレートガイド部と、この分離プレートの動きをフィードローラの可動側ローラに同期させる作動機構とを設けた給紙装置が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、新聞の中に挿入される広告枚数は日によって異なり、少ない場合には広告の枚数は2乃至3枚、多い場合には広告の枚数は数十枚にもなる。即ち、日によってセット広告の厚さが変わる。セット広告が厚くなればなるほど、セット広告下面とセット広告上面との湾曲に違いが生じるため、上部セット広告の下面を引張り出してしまい、次のセット広告を取出す際に、吸着パッドが確実に紙を吸着して取り出すことができず、ミスフィードしてしまうという問題点がある。
【0008】
また、特許第2639475号公報に開示されている給紙装置では、分離プレートをセット広告の間に差し込んでいるので、セット広告が厚くなるとセット広告下面とセット広告の上面との湾曲に違いが生じるため、分離プレートを円滑に差し込むことができないという虞がある。また、セット広告の外被紙の摩擦の状態によっては分離プレートを円滑に差し込むことができないという虞がある。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、日によって新聞に挟み込まれる新聞広告の厚さ及び外被紙の性質が異なっても円滑に給紙することができる給紙装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る給紙装置は、新聞広告を二つ折り新聞の中に折り込む給紙装置において、前記新聞広告が複数部積載される給紙台と、前記給紙台の底部から前記新聞広告を一部づつ取出す吸着パッドと、前記吸着パッドにより取り出された前記新聞広告を給送する搬送ローラ対と、前記吸着パッドにより取出された最下部の第1の新聞広告と前記第1の新聞広告の直上に積載された第2の新聞広告との間に進入して前記第1の新聞広告はその給送方向に前記第2の新聞広告はその逆方向に摩擦力を付与するように回転する分離部材と、前記分離部材を前記第1の新聞広告と前記第2の新聞広告との間に進出退避移動させる分離部材駆動機構と、前記分離部材が前記第1の新聞広告と前記第2の新聞広告との間に進出したときに前記搬送ローラ対を回転させる作動機構とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明においては、吸着パッドにより吸着され、搬送ロール対により給送される新聞広告のうち、吸着パッドにより吸着され取り出された最下部に位置する第1の新聞広告とこの第1の新聞広告の直上に積載された第2の新聞広告との間に、第1の新聞広告の給送方向に摩擦力を付与し、第2の新聞広告に対して給送方向とは逆方向に摩擦力を付与するように回転する分離部材を進入させると、作動機構により搬送ローラ対が回転し、第1の新聞広告は円滑に搬送ローラ対により給送される。一方、第2の新聞広告には給送方向とは反対の方向に摩擦力が付与されるため、第2の新聞広告の下面に対して引張る力が作用し、第2の新聞広告に発生した弛みを戻すことができるので、第2の新聞広告の空送りがなくなり、安定した新聞広告の給送を行うことができる。このため、安定した給紙性能を得ることができる。
【0012】
この場合、前記分離部材駆動機構は、前記給紙台に向けて進出退避移動する作動板と、前記作動板の先端側に設けられた弾性部材からなる分離部材支持板と、前記分離部材支持板の先端部に設けられた支持軸とを有し、前記支持軸には1又は複数の前記分離部材が回転自在に取り付けられていることが好ましい。
【0013】
また、前記分離部材はコロ又はベアリングであることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に係る給紙装置について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施例に係る給紙装置を示す模式図であり、図2は本発明の実施例に係る給紙装置を示す平面図であり、図3は本発明の実施例に係る給紙装置を示す側面図である。
【0015】
本実施例の給紙装置においては、図1に示すように、新聞供給装置1とセット広告供給装置60とが操作パネル5を挟んで架台4の上に並設されている。セット広告供給装置60に隣接してスタッカ装置210が配置されている。
【0016】
架台4の上部には新聞供給装置1の1対の側板2、3とセット広告供給装置60の1対の側板61、62とが夫々地面に対して垂直になるように配置されている。また、架台4の下部には移動用のタイヤ200及び固定脚201が設けられている。更に、側板2、3の上部には新聞給紙機構部10が配置されている。
【0017】
図2に示すように、側板2、3には給紙台ベース19が取り付けられている。給紙台ベース19の上面には新聞Nを積載する給紙台20が配置されている。
【0018】
給紙台20の前側には先端ガイドベース12が取り付けられている。先端ガイドベース12の右端付近にはサイド基準ガイド15が設けられている。また、先端ガイドベース12の左端付近にはサイド移動ガイド13が設けられている。サイド基準ガイド15とサイド移動ガイド13との間には適切な間隔で複数の用紙先端ガイド14が設けられている。用紙先端ガイド14には給紙台20に積載された新聞Nの先端部を支持し、新聞Nが給送されるとき、1部づつ捌いて給送するための爪17が設けられている。
【0019】
サイド移動ガイド13及び複数の用紙先端ガイド14のうち、1つはガイド支持板16を介して先端ガイドベース12に設けられている。また、ガイド支持板16には長穴16aが形成されている。セットネジ18によりガイド支持板16が先端ガイドベース12に固定されている。セットネジ18を緩めてガイド支持板16、即ち、サイド移動ガイド13をM方向に移動させることにより、給紙台20に積載される新聞Nの幅に合わせてサイド基準ガイド15とサイド移動ガイド13との間隔が調整可能である。
【0020】
また、給紙台20の上面には用紙後端ガイド21が設けられている。用紙後端ガイド21には1対の長穴21aが形成されている。長穴21aには1対のセットネジ23が挿通され、用紙後端ガイド21が給紙台20に固定されている。セットネジ23を緩めて用紙後端ガイド21をM方向に移動させることにより、給紙台20に積載された新聞Nの長さに合わせて、用紙先端ガイド14と用紙後端ガイド21との間隔が調整可能になっている。
【0021】
給紙台20と先端ガイドスペース12との間の下方には、新聞Nを1部づつ取り出すための複数の吸着パッド25が配置されている。
【0022】
新聞給紙機構部10の新聞Nの給送方法の下流側(シート流れ方向の下流側)には、新聞縦搬送機構部30が設けられている。また、新聞縦搬送機構部30の下方には新聞搬送部40が配置され、新聞搬送部40に隣接して新聞開き機構部50が設けられている。
【0023】
新聞縦搬送機構部30には吸着パッド25で取り出された新聞を搬送するため、位置が固定された搬送ローラ31と位置が可動する従動ローラ32とからなる搬送ローラ対が設けられている。搬送ローラ31はホイール形状をしており、搬送軸31aに適長間隔空けて、例えば、5個取り付けられている。また、搬送ローラ31の間に位置するように、吸着パッド25が設けられている。搬送ローラ対の下部には下ガイド板33、34及び上ガイド板36が配置されている。搬送ローラ対により搬送された新聞Nはこれらの上ガイド板36及び下ガイド板33、34に案内されて新聞搬送部40に搬送される。
【0024】
下ガイド板34の下方には横搬送ベース45が架台4と平行に側板3と側板62との間に取り付けられている。横搬送ベース45の上面には、例えば、4個のスプロケット43が配置されている。スプロケット43にはチェーン44が巻き掛けられている。チェーン44には次段の新聞開き機構部50へ新聞を搬送するために、所定間隔でブロック41が例えば、5個取り付けられている。また、横搬送ベース45の上面前方には、新聞を新聞開き機構部50及びセット広告挟み込み部に横搬送するとき、新聞をガイドするための架台4と同じ長さの横搬送ガイド板42が配置されている。搬送ローラ対から搬送されてきた新聞Nは横搬送ベース45の上面に搬送される。新聞Nは下ガイド板34と横搬送ガイド板42に案内されながらブロック41により次段の新聞開き機構部50に搬送される。
【0025】
また、下ガイド板34には角穴34aが形成されている。角穴34a内にはジョグ板46が設けられている。ジョグ板46は駆動機構(図示せず)によりブロック41の移動タイミングに合せて方向Fに移動可能に配置されている。ジョグ板46が移動することにより、横搬送ベース45の上面に到達した新聞Nは一端部を整合しながら搬送され、横搬送ベース45の次段の新聞開き機構部50へ搬送するためのブロック41と交代する。
【0026】
下ガイド板34のシート流れ方向の下流側には下ガイド板34と連続して同一平面でガイド板51が配置されている。このガイド板51には角穴51aが形成されている。角穴51a内には無端の穴付き吸引ベルト55がガイド板51の表面から僅かに出る位置に配置されている。
【0027】
また、穴付き吸引ベルト55の上方にはロータブラケット57が配置されている。ロータブラケット57には回転自在なロータ軸(図示せず)を介してロータ54が取り付けられている。ロータ軸は駆動系(図示せず)と連結されている。更に、ロータ54には吸着パッド53が取り付けられている。なお、吸着パッド53はロータ54を通じて真空系(図示せず)に接続されている。
【0028】
吸着パッド53は新聞Nを開くため、適当な位置(停止位置)に停止している。ブロック41により搬送されてくる新聞Nが適当な位置に来たときに、駆動系によりロータ54を回転させ、真空系も作動させ、搬送されてくる新聞Nの上面の適当な位置に接触させて吸着パッド53により吸引し、2つ折りされている新聞Nの搬送方向の先端側を開く。
【0029】
なお、ガイド板51の新聞Nの給送方向の下流側には、ガイド板51に同一平面になるように、連続してガイド板170が配置されている。
【0030】
図3に示すように、ガイド板170の上方には上ガイド板166が配置され、上ガイド板166はガイド支持板160に取り付けられている。ガイド支持板160は側板61、62に固着された支柱161に回動自在に取り付けられている。上ガイド板166のセット広告Lの給送方向の先端部はガイド板170に対して反対方向に垂直に曲げられている。上ガイド板166の先端部の曲げ高さHは新聞Nの流れ方向の下流側に向かうに伴い徐々に高くなっている。上ガイド板166の吸引ベルト55側の上面には開きガイド165が取り付けられている。開きガイド165には下ガイド板51側に吸引ベルト55まで延びた曲げ部が形成されている。また、開きガイド165の曲げ部の先端には下ガイド板51に対して吸引ベルト55により吸引され、2つ折りにされた新聞Nが通過できる適当な間隔が設けられている。
【0031】
また、ガイド支持板160にはサブガイド164が上ガイド板166の上方に取り付けられている。
【0032】
新聞開き機構部50で開かれた新聞Nは、更にブロック41により次段のセット広告挟み込み部に搬送される。
【0033】
吸着パッド53と穴付き吸引ベルト55との相互作用により、2つ折りされている新聞Nは搬送方向の先端側が開かれ、適当なタイミングで吸着パッド53に接続されている真空系の作動を停止させることにより、新聞Nの一方は開きガイド165の曲げ部に案内され、上ガイド板166の曲げ部とサブガイド164とに案内されながら搬送される。また、2つ折りされている新聞Nの他方は開きガイド165の曲げ部先端と、下ガイド板51との隙間を通過し、ガイド板170の上面に沿って搬送される。即ち、2つ折りされている新聞Nの一方が上ガイド板166の曲げ部に沿って搬送され、2つ折りされている新聞Nの他方がガイド板170の上面に沿って搬送されることにより、2つ折りされている新聞は完全に開かれる。
【0034】
図1に示すように、セット広告供給装置60の側板61、62の上部にはセット広告給紙機構部70が配置されている。セット広告給紙機構部70の下方にはセット広告搬送機構部120が設けられている。
【0035】
図2に示すように、側板61、62には給紙台ベース80が取り付けられている。給紙台ベース80の上面にはセット広告Lを積載する給紙台81が設けられている。
【0036】
給紙台81の両端には長穴81aが1対形成されている。給紙ベース80と給紙台81とは長穴81aに挿通したセットネジ83によりM方向に動くように取り付けられている。
【0037】
先端ガイドベース72が給紙台81の前側に位置するように側板61、62に取り付けられている。先端ガイドベース72の一端付近にはサイド基準ガイド75が固定されている。また、先端ガイドベース72の他端付近にはサイド移動ガイド73が設けられている。
【0038】
先端ガイドベース72のサイド基準ガイド75とサイド移動ガイド73との間には適切な間隔で複数の用紙先端ガイド74が設けられている。用紙先端ガイド74には給紙台81に積載されたセット広告Lの先端部を支持し、セット広告が給送されるとき、1部づつ捌いて給送するための爪77がベースプレート(図示せず)を介して配置されている。
【0039】
図4はセット広告給紙機構部を示す側面図である、図5はセット広告給紙機構部を示す正面図であり、図6はセット広告搬送機構部を示す平面図であり、図7はセット広告分離機構駆動部を示す平面図である。
【0040】
図4に示すように、先端ガイドベース72の下部にはアングル85が取り付けられている。アングル85には調整ネジ86が設けられている。調整ネジ86を動かすことにより、爪77を移動させることができる。
【0041】
図2に示すように、サイド移動ガイド73と複数の用紙先端ガイド74のうち、1つはガイド支持板76を介して先端ガイドベース72に配置されている。ガイド支持板76には長穴76aが形成されている。セットネジ88により先端ガイドベース72にガイド支持板76が固定されている。セットネジ88を緩め、ガイド支持板76、即ち、サイド移動ガイド73をM方向に移動させることにより、給紙台81に積載されたセット広告の幅に合わせ、サイド基準ガイド75とサイド移動ガイド73との間隔が調整可能になっている。
【0042】
図5に示すように、給紙台81の上面には用紙後端ガイド71が配置されている。用紙後端ガイド71には長穴71aが1対形成されている。夫々の長穴71aに挿通される1対のセットネジ78により用紙後端ガイド71は給紙台81に固定されている。このセットネジ78を緩めて用紙後端ガイド71をM方向に移動させることにより、給紙台81に積載されたセット広告の長さに合わせて用紙先端ガイド74と用紙後端ガイド71との間隔が調整可能になっている。また、用紙後端ガイド71の給紙方向側にはマクラ82が設けられている。
【0043】
図4に示すように、給紙台81と先端ガイドベース72との間の下方には、セット広告を1部づつ取り出すため複数のヤマクチ形吸着パッド79が配置されている。セット広告給紙機構部70のセット広告の流れ方向の下流側には、セット広告搬送機構部120が配置されている。
【0044】
図5及び6に示すように、セット広告搬送機構部120においては、1対の側板61、62には分離部材105の下方にハウジング124が取り付けられている。ベアリング123を介して搬送軸122がハウジング124に回転自在に取り付けられている。搬送軸122には円板状(ホイール状)の搬送ローラ121が例えば、5個適長間隔を設けて取り付けられている。搬送ローラ121の間に位置するように、ヤマクチ形吸着パッド79が配置されている。即ち、セット広告搬送機構部120には、ヤマクチ形吸着パッド79で取り出されたセット広告を搬送するため固定の搬送ローラ121と可動の従動ローラ125とからなる搬送ローラ対が配置されている。搬送ローラ対により搬送されたセット広告をセット広告挟み込み部に搬送するための搬送下ガイド板169が上ガイド板166とガイド板170との間に配置されている。
【0045】
円筒形状の従動ローラ125は搬送ローラ121の表面に接するように配置されている。従動ローラ125の中心にはローラ軸128が挿通されている。ローラ軸128の一端側にはベアリング126が圧入され、他端側にはワンウェイクラッチ127が圧入されている。これにより、従動ローラ125は一方向に回転することができる。
【0046】
基部133cと1対のアーム部133a、133bとからなるコ字形状のブラケットベース133がヤマクチ形吸着パッド79の前方に設けられている。ブラケットベース133の基部133cにL字形の従動ローラブラケット129が1対のアーム部133a、133b側の方向に曲げ部が配置されるように取り付けられている。また、基部133cには従動ローラブラケット129とL字形のベース板109とが取り付けられている。従動ローラブラケット129の曲げ面の下面側には1対のローラ支持板129aが設けられている。1対のローラ支持板129aには夫々ベアリング132が取り付けられている。また、ベアリング132には従動ローラ125のローラ軸128が回転自在に取り付けられている。ローラ軸128の一端部は側板62まで延設されており、ブラケットベース133のアーム部133bにベアリング137を介して支持されている。
【0047】
アーム部133bの先端部付近にはローラ軸128と平行に支軸136が固定されている。なお、支軸136は側板62の外まで延設されている。作動軸134がアーム部133aにローラ軸128と同心軸上に固定されている。また、アーム部133aには支軸136と同心軸上に支軸136と同一形状の支軸135が配置されている。なお、支軸135は側板62の外まで延設されている。
【0048】
ベース板109の曲げ面は従動ローラブラケット129の曲げ面と反対方向であり、更に同一平面になるように配置されている。ベース板109の曲げ面及び従動ローラブラケット129の曲げ面の上部には作動板102が設けられている。作動板102の先端側(従動ローラ125側)には、例えば、薄板のバネ材の弾性部材からなる分離部材支持板103が設けられている。分離部材支持板103の先端部(給紙台20側)には分離部材支持軸104が設けられている。分離部材支持軸104には分離部材105として、例えば、ベアリングが4個の適切な間隔で取り付けられている。
【0049】
図5及び図7に示すように、作動板102の中央にはセット広告の給送方向と長軸方向が同一である長穴102aが形成されている。長穴102aにはフランジ付のベアリング108が遊嵌されている。ベアリング108はベース板109の曲げ面に支軸107により取り付けられている。また、作動板102には長穴102aに対して長軸方向が垂直方向に形成された長穴102bが長穴102aを挟んで形成されている。
【0050】
セット広告給紙装置側の側板61、62には夫々平板のステー110が設けられている。作動板102とステー110との間には1対のリンク112が夫々配置されている。リンク112の一端は支柱111を介してステー110により回動自在に取り付けられている。一方、リンク112の他端は下面に適当な高さの座を有する支軸113に固定されている。支軸113にはフランジ付のベアリング114が作動板102に形成された長穴102bに遊嵌されて取り付けられている。また、1対のリンク112の中央部近傍には長手方向に長軸が向いている長穴112aが形成されている。長穴112aにはフランジ付のベアリング116が遊嵌されている。フランジ付のベアリング116はベース板109に固着された支軸115に取り付けられている。なお、リンク112の他端側がベース板109の方に移動したとき、干渉しないようにリンク112の他端側の下方に設けられたベース板109には適当な幅で切欠が形成されている。
【0051】
図3及び7に示すように、側板61、62には夫々1対のガイドレール対142、143が配置されている。このガイドレール対142、143は上ガイドレール142a、143aと下ガイドレール142b、143bとを有している。上ガイドレール142a、143aと下ガイドレール142b、143bとの間を移動できるように、ローラ軸128、支軸135、136及び作動軸134には夫々ベアリング138、139、140、141が取り付けられている。即ち、ブラケットベース133が側板61、62に対して移動できるように支持されている。また、側板61、62の外側には支柱150が取り付けられている。支柱150の一端にはベアリング152を圧入したレバー149が接続回転自在に接続されている。また、レバー149の他端側には長穴149aが形成されている。
【0052】
図3及び図5に示すように、側板62側ではローラ軸128に取り付けられているベアリング146が長穴149aに嵌合されている。また、側板61側では作動軸134に取り付けられたベアリング147が長穴149aに嵌合されている。ローラ軸128に取り付けられたベアリング137、138、146のスラスト方向の位置を規制するカラー144がアーム部133bとレバー149との間のローラ軸128の外周に取り付けられている。また、作動軸134に取り付けられたベアリング140、147のスラスト方向の位置を規制するカラー145がレバー149の外側の作動軸134に取り付けられている。
【0053】
レバー149の中央付近には柱155を介してカムフロアー154が取り付けられている。また、レバー149には柱156が固着されている。柱156と側板61、62に取り付けられた柱175との間にバネ176が掛けられている。即ち、レバー149は柱175側に付勢されている。
【0054】
カム軸158は搬送軸122に平行で側板61、62に外側に夫々取り付けられたハウジング171内に配置されたベアリング172により回転自在に設けられている。従動ローラ駆動カム157は側板61、62の外側に突き出たカム軸158の両端に設けられている。このカム軸158が回転して従動ローラ駆動カム157が回転すると、レバー149が動き、このレバー149の長穴149aに接続された従動ローラ125が搬送ローラ121に近接すると共に、作動板103が給紙台81方向に進入し、分離部材105が搬送ローラ121側に移動する。カム軸158が1回転すると初めの位置に戻る。また、分離部材105は用紙先端ガイド74よりも搬送ローラ121の反対側の方向に退避することができる。なお、レバー149は常にバネにより搬送ローラ121側に付勢されているので、従動ローラ125及び分離部材105の移動は円滑に行うことができる。
【0055】
セット広告挟み込み部に搬送されてくる新聞の搬送タイミングに合せて搬送ローラ121、125及びヤマクチ形吸着パッド79が作動する。このヤマクチ形吸着パッド79が作動すると、給紙台81から1部のセット広告が取り出された搬送ローラ対に送り込まれる。セット広告挟み込み部へ送り出され、新聞本体にセット広告を挟み込む。セット広告挟み込み部で新聞本体内にセット広告が挟み込まれた新聞はスタッカ装置210に搬送される。
【0056】
次に、サッカー作動機構部について詳細に説明する。図3及び図6に示すように、側板61、62の外側には搬送軸122の上方に支柱182が取り付けられており、支柱182には夫々レバー181の一端部が回動自在に取り付けられている。
【0057】
レバー181の他端部には支軸183が固定されている。この支軸183にはスライドスペーサ184内に一部分が圧入されたベアリング185が取り付けられている。また、支軸183にはスライドスペーサ184とカラー188との間にL字形の揺動レバー186が回動自在に取り付けられ、この揺動レバー186は垂直方向に延びる一辺側と水平方向に延びる他辺側とからなる。
【0058】
1対の側板61、62の外側には夫々支柱187が取り付けられている。支柱187にはL字形の揺動レバー186が回動自在に取り付けられている。
【0059】
揺動レバー186の一辺側の端部には長穴186aが形成されている。長穴186aにはレバー181に取り付けられているベアリング185が嵌合されている。なお、ベアリング185は抜け止めされている。
【0060】
揺動レバー186の他辺端の側板61、62側面(裏面)にはバネ掛け189が夫々固定されている。また、揺動レバー186の支柱187とバネ掛け189との間の中央付近には支軸190を介してカムフロアー191が取り付けられている。
【0061】
1対の側板61、62の外側に取り付けられたハウジング194内に配置されたベアリング195を介して、カム軸193が搬送軸122に平行に回転自在に取り付けられている。カム軸193は1対の側板61、62の外まで延出している。カム軸193の両端にはサッカー駆動カム196が夫々設けられている。サッカー駆動カム196は揺動レバー186のカムフロアー191が接触して連動するように配置されている。
【0062】
揺動レバー186のバネ掛け189にはバネ197が掛けられている。即ち、カムフロアー191が常にサッカー駆動カム196側に付勢されている。
【0063】
レバー181の中間付近にはサッカーステー198が取り付けられている。サッカーステー198にはサッカー199が例えば、4個取り付けられている。サッカー199には夫々ヤマクチ形吸着パッド79が、例えば、2個取り付けられている。このカム軸196が回転してサッカー駆動カム196が回転すると、揺動レバー186が動いてサッカー199が上下し、1回転すると、ヤマクチ形吸着パッド79が広告の下面に吸着し、広告を取り出す一連の動作を行う。また、揺動レバー186は常にバネによりサッカー駆動カム196側に付勢されているので、サッカー199の広告下面側への移動は速やかに行われる。
【0064】
次に、セット広告給紙機構部70の動作について図1乃至図7に加えて、添付の図面を参照して詳細に説明する。図8はセット広告給紙機構部の動作を工程順を示す模式図、図9は図8の次の工程を示す模式図、図10は図9の次の工程を示す模式図、図11は図10の次の工程を示す模式図である。
【0065】
先ず、図8に示すように、給紙台81の上にセット広告Lが複数部積載されており、最下部のセット広告L1の下面には分離部材105が接触している。
【0066】
次に、図9に示すように、従動ローラ駆動カム157を回転させて、分離部材105を用紙先端ガイド74よりも搬送ローラ121の逆方向側に退避させ、サッカー駆動カム196を回転させてサッカー199を回転させ、ヤマクチ形吸着パッド79を最下部のセット広告L1の下面に吸着させる。
【0067】
次に、図10に示すように、更にサッカー駆動カム196を回転させて、サッカー199を回転させ、最下部のセット広告L1を給紙台81から取り出し、最下部のセット広告L1を搬送ローラ121に乗せる。
【0068】
次に、図11に示すように、更に従動ローラ駆動カム157を回転させて、最下部のセット広告L1と次のセット広告L2との間に、最下部のセット広告L1は給紙方向に摩擦力を付与するように、次のセット広告L2は給紙方向とは反対側の方向に摩擦力を付与するように回転する分離部材105を進入させると共に、搬送ローラ121に従動ローラ125を近接させ、最下部のセット広告L1を搬送ローラ121と従動ローラ125との間に挟み込んで、更に、搬送ローラ121を回転させ、最下部の広告L1をセット広告挟み込み部へ送り出す。なお、分離部材105が最下部のセット広告L1の給紙方向に摩擦力を付与するように回転し、次のセット広告L2に対して用紙後端ガイド71方向に摩擦力が付与するように回転するので、次のセット広告L2は用紙後端ガイド71側に摩擦力を受け、次のセット広告L2の下面に発生した弛みが戻される。即ち、次のセット広告L2の下面の弛みが引張られる。
【0069】
上述の構成にすることにより、新聞供給装置1の給紙台20に積載された2つ折りの新聞Nが吸着パッド25により取り出され、搬送ローラ対により搬送されて、上ガイド板36及び下ガイド板33、34に案内されて新聞搬送部40に搬送される。搬送ローラ対から搬送されてきた新聞Nは横搬送ベース45の上面に搬送され、新聞Nは下ガイド板34と横搬送ガイド板42に案内されながらブロック41により次段の新聞開き機構部50に搬送される。ブロック41により搬送される新聞Nが適当な位置にきたときに、駆動系によりロータ54を回転させ、真空系も作動させ、新聞Nの上面の適当な位置で吸着パッド53により2つ折り新聞Nの一方を吸引し、吸着パッド53と穴付き吸引ベルト55との相互作用により、2つ折りされている新聞Nの搬送方向の先端側を開き、適当なタイミングで吸着パッド53に接続されている真空系の作動を停止させることにより、新聞Nの一方は開きガイド165の曲げ部に案内され、上ガイド板166の曲げ部とサブガイド164とに案内されながら搬送される。また、2つ折りされている新聞Nの他方は開きガイド165の曲げ部先端と、下ガイド板51との隙間とを通過し、ガイド板170の上面に沿って搬送される。即ち、2つ折りされている新聞Nの一方が上ガイド板166の曲げ部に沿って搬送され、2つ折りされている新聞Nの他方がガイド板170の上面に沿って搬送されることにより、2つ折りされている新聞は完全に開かれる。更に、新聞開き機構部50で開かれた新聞Nはブロック41により次段のセット広告挟み込み部に搬送される。
【0070】
一方、セット広告挟み込み部に搬送されてくる新聞Nの搬送タイミングに合せて搬送ローラ121、125及びヤマクチ形吸着パッド79を作動させ、給紙台81から最下部のセット広告L1をヤマクチ形吸着パッド79により吸着させ、分離部材105を最下部のセット広告L1と次のセット広告L2との間に進入させ、最下部のセット広告L1を取り出し搬送ローラ対に送り込む。最下部のセット広告L1を搬送ローラ対によりセット広告挟み込み部へ送り出し、新聞N本体にセット広告Lを挟み込ませ、スタッカ装置210に搬送する。これにより、2つ折りの新聞Nにセット広告Lを折り込むことができる。
【0071】
本実施例においては、従動ローラ駆動カム157を回転させることにより、給紙される最下部のセット広告L1と次のセット広告L2との間に最下部のセット広告L1は給送方向に、次のセット広告L2は給送方向の逆方向に摩擦力が作用するように回転させて分離部材105を進入させると、作動機構により従動ローラ125が搬送ローラ121に近接して搬送ローラ121が回転し、取り出された最下部のセット広告L1が従動ローラ125と搬送ローラ121との間に挟まれて給送されるので、次のセット広告L2の下面の湾曲部に隙間を設け、最下部のセット広告L1を給送することができ、また、次のセット広告L2は分離部材105が進入する方向、即ち、用紙後端ガイド71方向に摩擦力を受け、次のセット広告L2の下面に発生した弛みを戻すことができる。このため、次のセット広告L2の空送りがなく、安定した給紙性能を得ることができる。
【0072】
また、本実施例においては、分離部材105はベアリングに限定されるものではなく、コロとしてもよい。なお、本実施例においては、吸着パッド25、ヤマクチ形吸着パッド79又は分離部材105等の数は特に、限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、吸着パッドにより吸着され、搬送ロール対により給送される新聞広告のうち、吸着パッドにより吸着され取り出された最下部に位置する第1の新聞広告とこの第1の新聞広告の直上に積載された第2の新聞広告との間に、第1の新聞広告の給送方向に摩擦力を付与し、第2の新聞広告に対して給送方向とは逆方向に摩擦力を付与するように回転する分離部材を進入させると、作動機構により搬送ローラ対が回転し、第1の新聞広告は円滑に搬送ローラ対により給送される。一方、第2の新聞広告には給送方向とは反対の方向に摩擦力が付与されるため、第2の新聞広告の下面に対して引張る力が作用し、第2の新聞広告に発生した弛みを戻すことができるので、第2の新聞広告の空送りがなくなり、安定した新聞広告の給送を行うことができる。このため、安定した給紙性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る給紙装置を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例に係る給紙装置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施例に係る給紙装置を示す側面図である。
【図4】セット広告給紙機構部を示す側面図である。
【図5】セット広告給紙機構部を示す正面図である。
【図6】セット広告搬送機構部を示す平面図である。
【図7】セット広告分離機構駆動部を示す平面図である。
【図8】セット広告給紙機構部の動作を工程順を示す模式図である。
【図9】図8の次の工程を示す模式図である。
【図10】図9の次の工程を示す模式図である。
【図11】図10の次の工程を示す模式図である。
【符号の説明】
1;新聞供給装置
2、3;側板
4;架台
5;操作パネル
10;新聞給紙機構部
20;給紙台
25;吸着パッド
30;新聞縦搬送機構部
40;新聞横搬送部
50;新聞開き機構部
61、62;側板
70;セット広告給紙機構部
79;ヤマクチ形吸着パッド
81;給紙台
102;作動板
103;分離部材支持板
104;分離部材支持軸
105;分離部材
120;セット広告搬送機構部
121;搬送ローラ
122;搬送軸
149;レバー
157;従動ローラ駆動カム
160;ガイド支持板
186;揺動レバー
199;サッカー
200;タイヤ
201;固定脚
210;スタッカ装置
L;セット広告
L1;最下部のセット広告
L2;次のセット広告
N;新聞
Claims (4)
- 新聞広告を二つ折り新聞の中に折り込む給紙装置において、前記新聞広告が複数部積載される給紙台と、前記給紙台の底部から前記新聞広告を一部づつ取出す吸着パッドと、前記吸着パッドにより取り出された前記新聞広告を給送する搬送ローラ対と、前記吸着パッドにより取出された最下部の第1の新聞広告と前記第1の新聞広告の直上に積載された第2の新聞広告との間に進入して前記第1の新聞広告はその給送方向に前記第2の新聞広告はその逆方向に摩擦力を付与するように回転する分離部材と、前記分離部材を前記第1の新聞広告と前記第2の新聞広告との間に進出退避移動させる分離部材駆動機構と、前記分離部材が前記第1の新聞広告と前記第2の新聞広告との間に進出したときに前記搬送ローラ対を回転させる作動機構とを有することを特徴とする給紙装置。
- 前記分離部材駆動機構は、前記給紙台に向けて進出退避移動する作動板と、前記作動板の先端側に設けられた弾性部材からなる分離部材支持板と、前記分離部材支持板の先端部に設けられた支持軸とを有し、前記支持軸には1又は複数の前記分離部材が回転自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
- 前記分離部材はコロであることを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。
- 前記分離部材はベアリングであることを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。
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