JP4189487B2 - 皮膚、粘膜等の生体モデル作製用組成物 - Google Patents

皮膚、粘膜等の生体モデル作製用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4189487B2
JP4189487B2 JP2003361809A JP2003361809A JP4189487B2 JP 4189487 B2 JP4189487 B2 JP 4189487B2 JP 2003361809 A JP2003361809 A JP 2003361809A JP 2003361809 A JP2003361809 A JP 2003361809A JP 4189487 B2 JP4189487 B2 JP 4189487B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
composition
powder
group
model
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003361809A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005128138A (ja
Inventor
智鶴子 岡崎
直樹 三田
樹里 山下
暁彦 芝原
洋一 尾山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2003361809A priority Critical patent/JP4189487B2/ja
Publication of JP2005128138A publication Critical patent/JP2005128138A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4189487B2 publication Critical patent/JP4189487B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Instructional Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、医学実習等に用い得る生体モデルおよびその製造法、ならびに該生体モデル製造用組成物に関する。
従来より、医学教育実習、手術手技訓練等のために生体モデルが用いられていた。従来は、主にシリコーン樹脂製のモデルが用いられていた。また、ポリウレタンを主成分とする人体擬似モデル(特許文献1参照)、ポリウレタンおよびエポキシ樹脂を主成分とする人体部材モデル(特許文献2参照)についての報告もあった。これらの生体モデルは、成型後モデル相互の接着性が悪く、パーツごとにモデルを作製してもそれを組み合わせることは困難であった。また、他の材料との接着も極めて悪く、また成型後の加工も困難であった。また、シリコーン樹脂は高価であり、生体モデルも安価に供給することはできなかった。生体モデルは、メス等で切開するときの柔軟性、弾力等の性質が実際の生体の器官、組織と同じであることが望ましい。従来の生体モデルでは、切開したときの感触は、実際の生体とはかけ離れていた。また、パーツ毎に作製し、他のパーツと接着し組合わせ多彩なモデルを作製できるのが好ましい。特に、手術の際に最初に切開する皮膚のモデルは、実際の手術と同様の感触(切りごこち)を付与するために必要であった。
特開平6-80758号公報 特表平11-503770号公報
本発明は、軟性、弾力性が動物の皮膚、粘膜、骨膜、軟骨膜等に類似した生体モデルの提供を目的とする。
本発明者等は、軟性(硬さ、柔軟性)、弾力性が動物の皮膚、粘膜、骨膜、軟骨膜等に類似した生体モデルの製造について鋭意検討を行い、以下の化合物を混合することにより、任意に成型が可能であり、軟性、弾力性が動物の皮膚、粘膜、骨膜、軟骨膜等に類似した生体モデル作製用組成物の作製に成功し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 以下の成分(1)から成分(4)を含む生体モデル作製用組成物、
(1)(a)ビニルアセテートのホモポリマーもしくはその部分加水分解物、またはビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸からなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマーもしくはその部分加水分解物を含むポリマー成分、ならびに(b)樹液、果実液、花蜜、蜂蜜および糖類からなる群より選ばれる一種または二種以上を含む成分を含む化合物、を含む組成物、
(2)ゼラチン、または寒天もしくはアガロース、
(3)アクリル樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする組成物、ならびに
(4)エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂を主成分とする組成物
[2] さらに、着色剤および/またはセルロースを主成分とする粉体もしくはデンプンを主成分とする粉体を含む[1]に記載の組成物、
[3] 成分(1)の(b)が白樺樹液である[1]または[2]に記載の組成物、
[4] 該粉体がセルロースパウダー、アズキ皮粉体、ビートパルプ粉体、白樺葉粉体、上新粉、コーンスターチおよび片栗粉からなる群から選択される[2]または[3]に記載の組成物、
[5] 成分(1)、成分(2)および成分(3)を容積比3:0.5〜2:0.5〜2で混合した混合物20gに、成分(4)が0.1から1g含まれる[1]から[4]のいずれかに記載の組成物、
[6] 生体モデルが、皮膚、粘膜、軟骨膜および骨膜からなる群から選択される[1]から[5]のいずれかに記載の組成物、
[7] 以下の成分(1)から成分(4)を含む組成物を混合し、膜状に成型し乾燥させることを含む生体モデルの作製方法、
(1)(a)ビニルアセテートのホモポリマーもしくはその部分加水分解物、またはビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸からなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマーもしくはその部分加水分解物を含むポリマー成分、ならびに(b)樹液、果実液、花蜜、蜂蜜および糖類からなる群より選ばれる一種または二種以上を含む成分を含む化合物、を含む組成物、
(2)ゼラチン、または寒天もしくはアガロース、
(3)アクリル樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする組成物、ならびに
(4)エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂を主成分とする組成物
[8] 該組成物には、さらに、着色剤および/またはセルロースを主成分とする粉体もしくはデンプンを主成分とする粉体が含まれる[7]に記載の生体モデルの作製方法、
[9] 成分(1)の(b)が白樺樹液である、[7]または[8]に記載の生体モデルの作製方法、
[10] 粉体がセルロースパウダー、アズキ皮粉体、ビートパルプ粉体、白樺葉粉体、上新粉、コーンスターチおよび片栗粉からなる群から選択される、[7]から[9]のいずれかに記載の生体モデルの作製方法、
[11] 成分(1)、成分(2)および成分(3)を容積比3:0.5〜2:0.5〜2で混合した混合物20gに、成分(4)を0.1から1g混合することを含む、[7]から[10]のいずれかに記載の生体モデルの作製方法、
[12] 生体モデルが、皮膚、粘膜、軟骨膜および骨膜からなる群から選択される、[7]から[11]のいずれかに記載の生体モデルの作製方法、
[13] [1]から[6]のいずれかに記載の組成物を混合し、これを膜状に成型し、他の生体モデルと組み合わせることを含む、生体モデルの作製方法、
[14] シートに以下の成分(1)、(2)、(3)および(4)を混合したものを塗布し乾燥させ、さらに、その上に該成分(1)、(2)、(3)、および(4)を混合したもの10gにセルロース系粉体0.5gを混合したものを塗布し、乾燥させることを含む、軟骨膜モデルの作製方法、
(1)(a)ビニルアセテートのホモポリマーもしくはその部分加水分解物、またはビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸からなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマーもしくはその部分加水分解物を含むポリマー成分、ならびに(b)樹液、果実液、花蜜、蜂蜜および糖類からなる群より選ばれる一種または二種以上を含む成分を含む化合物、を含む組成物、
(2)ゼラチン、または寒天もしくはアガロース、
(3)アクリル樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする組成物、ならびに
(4)エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂を主成分とする組成物
[15] [8]から[13]のいずれか記載の方法により作製された生体モデル、ならびに
[16] [14]に記載の方法により作製された軟骨膜モデル。
本発明の組成物を用いることにより、色、質感等の外観、軟性、弾力性等の特性が動物の皮膚、粘膜、骨膜、軟骨膜等に酷似し、メス等で切ったときの切りごこちが実際の人体によく似た生体モデルを作製することができる。本発明の生体モデルは、医学生の教育、手術手技訓練や、手術リハーサル等に用いることができ、また、医師と患者におけるインフォームドコンセントの際の説明用モデルに用いることができる。さらに、メス、ピンセ
ット、鉗子等の手術器具の開発等にも用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の生体モデル作製用組成物は、下記(1)から(4)を含むポリマー組成物である。
(1)は成分(a)ビニルアセテートのホモポリマーもしくはその部分加水分解物、また
はビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸からなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマーもしくはその部分加水分解物を含むポリマー成分、ならびに(b)樹液、果実液、花蜜、蜂蜜および糖類からなる群より選
ばれる一種または二種以上を含む成分を含む化合物、を含む組成物である。
(2)ゼラチンまたは寒天もしくはアガロース
(3)アクリル樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする組成物、ならびに
(4)エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂を主成分とする組成物、
さらに、本発明の組成物は、セルロースを主成分とするセルロース系粉体またはデンプンを主成分とするデンプン系粉体を含んでいてもよい。さらに、染料や顔料等の着色剤を含んでいてもよく、着色剤としては限定されない。例えば、アクリル絵具が挙げられ、この場合、成分(4)が着色剤を兼ねることになる。アクリル絵具として、Delta Ceramcoat(登録商標)(Delta Technical Coating, Inc.社製)が挙げられる。
これらの成分を混合することにより、良好な組成物を得ることができる。必要ならば、水を添加してもよい。
成分(1)のビニルアセテートのホモポリマーもしくはその部分加水分解物、またはビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸からなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマーもしくはその部分加水分解物を含むポリマー成分はエマルジョンの状態であることが望ましい。この意味で、本発明の成分(1)中の成分(a)は、水性ラテックスエマルジョンである。ここで、ラテックスとはポリ
マーまたはコポリマー分子を含有する水性分散体をいう。
ビニルアセテートのホモポリマーもしくはコポリマーを含むエマルジョンは、市販品として入手することができる。例えば手芸店などで販売されている以下の製品群が適用できる。「木工用ボンド(コニシ社製、接着剤)」、「モトポジ (MOD PODGE) (PLAID社製、仕上げ剤)」、「ポレア(PLAID社製、仕上げ剤)」、「シャインフィニッシュ(株式会社ジャ
ンティー製、仕上げ剤)」、「ハルグロス(ハルエンタープライズ社製、仕上げ剤)」、「
クリヤポッジ(アメリカンハンディクラフト社製、仕上げ剤)」、「トップコートグロス(
株式会社ジャンティー製仕上げ剤)」、商品名「トランスファーコート(株式会社ジャンティー製、転写液)」、「ハルトランスファー(ハルエンクープライス社製、転写液)」、「
サンフィニッシェ((株)サンユー社製、仕上げ剤)」などが挙げられる。従って、本発明の素材にはこれらの市販品の1つまたは複数を含ませることができる。このうちモトポジが好適に用いられ、PLAID社のカタログのITEM#CS11222、CS11221、CS11220、CS11219、CS11218、CS11217、CS11213、CS11211、CS11201、CS11202、CS11203、CS11204、CS11205、CS11207、CS11301、CS11302、CS11303等のモトポジを用い得る。また、米国特許第3616005記載のラテックスエマルジョンも好適に用い得る。
又、本発明で用いられるビニルアセテートのホモポリマーは、ビニルアセテートモノマーを乳化剤、重合開始剤、触媒、保護安定剤、可塑剤、及び各種添加剤を適宜希釈し、混合して、従来公知の方法で乳化重合させることにより容易に得られる。
ビニルアセテートのコポリマーは、ビニルアセテートモノマーと、それと共重合させるモノマー(コモノマー)を混合して、乳化剤、重合開始剤、触媒、保護安定剤、可塑剤、及び各種添加剤を適宜選択し、混合して、従来公知の方法で乳化重合させることにより容易に得られる。この場合、コモノマーとして利用できるものとして、アクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸、から選ばれる一種または二種以上のモノマーが挙げられる。このうち、得られる組成物を任意形状に容易に造形・加工・成型でき、軟性、粘性および弾力性を調節できるという機能の観点から判断して、好ましいコモノマーは、アクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物及びフマル酸からなる群から選ばれる一種または二種以上のモノマーである。より好ましいコモノマーとしてはアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物からなる群から選ばれる一種または二種以上のモノマーが挙げられる。特に好ましいコモノマーとしては、アクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステルからなる群から選ばれる一種または二種以上のモノマーが挙げられる。
また、該成分(a)はそれ自体水分を含んでいてもよく、例えば、不揮発成分を含む、ビ
ニルアセテートを主成分とし、ジブチルフタレート等の可塑剤または安定剤を含有するコポリマーを含む水性ラテックスを例示することができる。このような水性ラテックスとして、不揮発性成分を含み、ビニルアセテートを主成分とし、アクリレートを副成分として含有するコポリマーにさらにジブチルフタレートを混合したものが挙げられる。
「樹液」とは、植物体の液体成分をいい、松、白樺、メイプル、砂糖キビ、甜菜の樹液が好ましい。これらの植物体から得られる樹液を単独で用いることもできるし、二種以上を混合したものを用いることもできる。樹液は、植物体表面から自然に流出してくるものを用いることもできるし、植物体から種々の方法で抽出したものを用いることもできる。例えば、白樺等の樹の表面に傷をつけて樹液を漏出させたものを用いることができ、また白樺等の幹に適当な太さのチューブを差込み、植物体内を流れる液体を採集して用いることもできる。また、このようにして得られた樹液を例えばフィルター処理して固形成分等を除去して用いてもよい。樹液の成分の一部が含まれている限り本発明の「樹液」に含まれる。例えば、市販の白樺樹液を用いてもよい。白樺樹液の成分として、果糖、ブドウ糖、アミノ酸、リンゴ酸、多糖類(キレラン)、配糖類(シリンガレジノール)およびその他ミネラル類が例示できる。該樹液の主成分を人工的に混合して作製した人工液体も本発明の「樹液」に含まれる。前記白樺樹液の成分は例示であり、地域、季節等により変化し得る。
「果実液」とは、植物の果実の液体成分をいい、ブトウ、モモ、柑橘類、リンゴ、バナナ、スイカ、メロン、チェリー、ナシ、パイナップル、ヤシ、パパイヤ、マンゴー、ドリアン等の果実の液体成分を用いることができる。これらの果実の液体成分を単独で用いることもできるし、二種以上を混合したものを用いることもできる。果実液は、前記果実からミキサー処理等により得ることができる。このようにして得られた果実液を例えばフィルター処理して固形成分等を除去して用いてもよい。果実液の成分の一部が含まれている限り本発明の「果実液」に含まれる。
「蜂蜜」とは、ミツバチが植物の花の蜜腺から多糖類である花蜜を胃(蜜嚢)の中に吸い取って、単糖類に分解しながら吐き出して巣房の中に蓄えたものをいう。レンゲ、トチ、アカシアから得られるものを一種または二種以上含むものを用いることができる。
上記の樹液、果実液、蜂蜜は水分を含んでおり(例えば、白樺樹液は約90〜約95%の水分を含んでおり、最終的に本発明の素材組成物に含ませるべき水分含量に応じて、適宜水で希釈することができるし、また濃縮して水分含量を低下させてもよい。
「糖類」とは、単糖、二糖、多糖を含み、例えばキシリトール、ショ糖、果糖、グルコース、キトサン、キチン、マンナン、グアーガムが例示される。これらの糖を単独で用いることもできるし、二種以上を混合したものを用いることもできる。
上記の本発明の素材組成物の成分(1)として、例えば国際公開公報WO02/24801号に記載の皮膜形成エマルジョン組成物を用いることができる。この皮膜形成用エマルジョン組成物は、国際公開公報WO02/24801号の記載の成分組成を有し、該公報の記載に従って調製することができる。
ゼラチンは、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンいずれも用い得る。また、その由来も限定されずウシ、ブタ等の哺乳類、魚いずれを由来とするゼラチンを用いることができる。
寒天は海藻から抽出されたアガロースを主成分とする物質であり、例えばテングサ、オゴノリ、オバクサ、伊谷草等の紅藻から抽出したものを用いればよく、粉末寒天、フレーク寒天、固形寒天等市販のものを用いることができる。また、寒天の主成分であるアガロースを用いてもよい。
アクリル樹脂は、アクリル酸エステルの重合体、メタクリル酸エステルの重合体、またはそれらの共重合体樹脂をいい、さらに本発明においてはアクリロニトリル、アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド等の共重合体をも含む。また、本発明の組成物の成分(3)はアクリル樹脂を主成分として含む組成物であり、上記アクリル樹脂を重量%で60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上含む化合物である。また、エマルジョンであってもよい。例えば、アクリル絵具を用いることができ、この場合、成分(3)が着色剤を兼ねる。
エポキシ樹脂は、一分子に2個以上のエポキシ環を含有する樹脂をいい、ビスポリフェノールAとエピクロルヒドリロンから作られる、ビスフェノールA-グリシジルエーテル、
ポリオールのグリシジルエーテル型、ポリアシッドのグリシジルエーテル型、ポリアミンのグリシジルアミン型、脂環式エポキシ等がある。本発明の組成物の作製に用いるエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂を25%以上含む組成物でもよく、例えば市販の二液型エポキシ樹脂接着剤やコーティング剤に含まれる主剤をそのまま用いればよい。例えば、限定されないが、EnviroTex Lite(登録商標) pour-on HIGH GLOSS FINISH(Enviromental Technology, Inc.)の主剤、Aristocoat(登録商標) Liquid Glass HIGH GROSS Coating (B.D.CLASSIC ENTERPRISE, INC.社製)の主剤、Rapid Araldite(登録商標)(Ciba社製)の主剤が挙げられる。
セルロース系粉体は、セルロースを主成分とする粉体であり、木材や植物のセルロースを化学的、機械的に処理して微粉化したものである。限定されないが、市販のセルロース粉体、紙を処理して粉体にしたもの、アズキ皮を乾燥させ処理して粉体にしたもの、ビートパルプを乾燥させ処理して粉体にしたもの、白樺葉を乾燥させ処理して粉体にしたもの、玉ねぎ皮を処理して粉体にしたもの等を用いることができる。また、デンプン系粉体は、デンプンを主成分とする粉体であり、限定されないがコムギ粉、上新粉、コーンスターチ、片栗粉等を用いることができる。
本発明の生体モデル作製用組成物は、限定されないが一定の軟性、弾力性を有している
動物の皮膚、軟骨膜、粘膜、骨膜等の生体モデルの作製に用いることができる。それぞれのモデルにより、軟性、弾力性は異なっており、モデルに応じて組成を変えることができる。例えば、粉体を添加することにより軟性は小さくなる。上記粉体のうちセルロース系粉体を添加した場合は、粘膜モデルを作製することができ、デンプン系粉体を添加した場合は、皮膚モデルを作製することができる。また、実際の生体の色彩を再現するためには、上記成分(1)、(2)、(3)および(4)に適宜着色剤を混合すればよい。
上記の成分の配合比を変えることにより、任意の軟性、弾力性を有する生体モデルを作製することができ、メス等の手術器具による切りごこち等を調節することができる。
さらに、本発明の組成物は、力学的、電磁気的特性、X線に対する特性を付与するため
の素材を含んでいてもよい。このような素材として、例えば鉛粉体等の金属粉体などが挙げられる。また、香料等を含んでいてもよい。
また、複雑な構造を有する生体モデルを作製するに当たり、パーツ毎にモデルを作製し、その後パーツ同士を接着する必要がある。また、作製したパーツを適当な位置に固定する場合等、粘着テープ等の他の素材と接着させる必要があることもある。さらに、人体モデル成型後に加工したり、形状を修正する必要があることもある。本発明の組成物は、適当な軟性および弾力性を有しているためこれらの必要に応えることができる。
2.本発明の組成物の製造法
本発明の組成物は、上記の成分を一定の割合で混合することにより製造することができる。
(1)の成分(a)および(b)を含むポリマー組成物は、(a)および(b)にさらに水を混合して製造することができる。例えば、成分(a)、成分(b)および水の混合比は、作製しようとする生体モデルにより適宜決定でき、変えることができるが、例えば容積比で1〜4:1:1〜4であり、好ましくは1〜3:1:1〜3、さらに好ましくは2:1:2である。
この際、成分(a)の組成は上記の組成を有するものならばなんでもよいが、例えば、不
揮発成分55%の、ポリビニルアセテートの水性ラテックスおよびジブチルフタレートの重量%が、それぞれ80〜95%および5〜20%、好ましくは85〜95%および5%〜15%、さらに好ましくは90〜95%および5〜10%含む組成物が例示できる。より具体的には、不揮発性分55%のポリビニルアセテートの水性ラテックス92.5重量%とジブチルフタレート7.5
重量%とを含む組成物が例示できる。
成分(2)のゼラチンは、好ましくは純度70%以上のものを用いる。このようなゼラチンの1から10%の濃度、好ましくは3から7%の濃度(W/V)の溶液を(1)に添加する
。この際の、容積比は、成分(1)が3に対して、ゼラチン溶液が0.5から2、好ましく
は0.75から1.25、特に好ましくは1である。また、寒天は市販の乾燥寒天を水に戻して用いればよい。また、アガロースも市販のものを用いればよい。寒天またはアガロースの混合比はゼラチンと同じでよい。
成分(3)のアクリル樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする組成物は、容積比で成分(1)が3に対して、0.5から2、好ましくは0.75から1.25、特に好ましくは1混合すれ
ばよい。
着色剤を添加する場合は、組成物に所望の着色がなされるように、適当量の着色剤を添加すればよい。例えば、着色剤が市販のアクリル絵具、例えばDelta Ceramcoat(登録商
標)(Delta Technical Coating, Inc.社製)の場合、容積比で、上記の成分(1)および
(2)の混合物4に対して、0.5から2、好ましくは0.75から1.25、特に好ましくは1添
加する。
成分(4)のエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂を主成分とする化合物は、成分(1)、(2)および(3)の混合物あるいは成分(1)、(2)、(3)および着色剤の混合物20gに0.1から1g、好ましくは0.25から0.75g、さらに好ましくは0.4から0.6g、特に好ま
しくは0.5g添加すればよい。
また、粉体を添加する場合、成分(1)、(2)、(3)および(4)の混合物、または成分(1)、(2)、(3)、(4)および着色剤の混合物10gに粉体を0.1から1g、
好ましくは0.25から0.75g、さらに好ましくは0.4から0.6g、特に好ましくは0.5g添加すればよい。
乾燥前および乾燥後の本発明の組成物は、例えば触覚や視覚による官能試験により評価することができる。本明細書において官能試験の結果を官能特性と称する。例えば、数人のパネル(触覚等により評価する人)に本発明の組成物を触らせ、その軟性、弾力性等を一定の基準で(例えば、軟性、弾力性の異なる標準素材を準備しておき、それとの比較で段階評価をする)判定させ、評価することができる。また、軟性、弾力性等を測定するための専用の測定機器を用いてもよい。
3.生体モデルの製造
本発明の生体モデルは、上記のようにして製造した生体モデル作製用組成物から製造することができる。上記組成物を、適当な大きさの容器に厚さ数mmになるように流し込み乾燥させればよい。この際、乾燥後の組成物は乾燥前に比べ収縮するため、所望の生体モデルの厚さより大きい厚さになるように、組成物を流し込む必要がある。組成物の成分や水分含量により異なるが、乾燥後に乾燥前の1/3から1/10、典型的には1/4から1/7、さらに
典型的には1/6に厚さが減じるため、例えば、厚さ1mmの粘膜モデルを作製する場合、組成物を厚さ、2から10mm、好ましくは4から7mm、さらに好ましくは6mmの厚さに流し込んで乾燥させる。乾燥後、必要に応じて別途作製した粘膜や皮膚以外の筋肉組織、骨組織、軟骨組織等の生体モデルに本発明のモデルを貼り付けることにより、実物に近い皮膚や粘膜等の表面組織を有する動物体モデルを作製することができる。この際、本発明の組成物で作製した膜を層状に重ねてもよい。この場合、動物体モデルに直接本発明の組成物を塗布してもよい。
また、本発明の組成物同士あるいは本発明の組成物と他の材料と組み合わせても、より実物に近い、鼻粘膜等の粘膜、皮膚、骨膜、軟骨膜等のモデルを作製することができる。
例えば、軟骨モデルを以下のようにして作製することができる。軟骨には、軟骨膜が付着しており、軟骨膜を粘膜が覆っており、軟骨膜から粘膜にかけて毛細血管が多数存在する。また、軟骨膜と粘膜はその軟性、粘度は異なっている。上記の成分(1)、(2)、(3)および(4)を混合した混合物を、毛細血管様の模様を有するシート上に、やや厚めに塗布し乾燥させ、軟骨膜モデルとする。さらに、その上に上記の成分(1)、(2)および(3)を混合したもの10gに成分(4)のエポキシ樹脂を0.1〜0.5g混合し、さらにセルロース系粉体0.5gを混合したものをやや厚く塗布し、乾燥させる。このようにして、毛細血管系、軟骨膜および粘膜が実物によく似たモデルを作製することができる。この場合、各成分の混合比は適宜変更することができる。また、毛細血管様の模様を有するシートは、ティッシュ、薄い和紙等の長い繊維を用いて作った紙等を用いればよく、上記組成物が塗布しやすいように適当なコーティング剤でコーティングする。コーティング剤は一般に紙等のシートにコーティングし、つやを出したりある程度の撥水性を持たせるのに用いられるコーティング剤ならば限定されず、例えばSBRラテックス、PVA、OPワニス、デンプン糊等を用いればよい。また、市販の和紙状に加工したシートを用いてもよい。このよ
うに加工シートとして、例えば、和紙ヒートシート(ORS製)、和風フィルム(コニシ株
式会社製)等がある。
また、本発明の組成物を所望の厚さを有する膜状に成型し粘膜モデルとし、所望の形に切り、他の素材でできた生体モデルの一部に貼りつけることにより、実物に酷似した粘膜を有する生体モデルを作製することができる。この場合、他の生体モデルの素材は限定されないが、例えば、石膏、シリコーン樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。例えば、鼻粘膜モデルを鼻腔模型の上顎洞自然口に貼りつければよい。また、この際、乾燥前の液体状態の本発明の組成物を他の素材でできた生体モデルの一部に一定の厚さを有するように塗布してもよい。例えば、骨または骨モデルに塗布することにより、粘膜を有する骨のモデルを作製することができる。さらに、スポンジ状あるいはゲル状物質を本発明の組成物でできた膜で包み込んでもよいし、本発明の組成物でできた膜を該物質に層状に貼りつけても、層状になるように塗布してもよい。
さらに、膜状に成型した生体モデル表面に実際の生体の画像を印刷してもよい。または、国際公開公報WO02/24801号に記載の皮膜形成エマルジョン組成物を用いて画像を転写してもよい。
さらに、スポンジ状あるいはゲル状材料に乾燥前の液体状態の本発明の組成物を含浸させてもよい。このような方法により、軟骨等の組織、またはポリープ、膿などの疾患部位を再現したモデルを作製することができる。この際、本発明の組成物を含浸させるスポンジ状材料として、限定はされないが、メラミン樹脂性フォーム、天然ゴム製の多孔性パフ等が挙げられる。
本発明の組成物を用い、他の素材と組合せることにより、鼻腔、血管、心膜、腸間膜、腸などの生体の種々の臓器のモデルを作製することができる。
作製した生体モデルは、例えば触覚や視覚による官能試験により評価することができる。実際の生体と軟性、弾力性等の特性を比較することにより評価できる。この際、手術に用い得る生体モデルという観点から、手術に用いる器具を用いる際の取り扱い易さ等を、実際の生体と比較すればよい。手術に用いる器具としては、ピンセット、鉗子(鋭匙鉗子)、截除鉗子等が挙げられ、それぞれ、ピンセットで押し破って穴を空ける際の感触(ピンセット試験)、鉗子で引っ張ったときの感触(鉗子試験)および截除鉗子等のパンチ様の手術器具で穴を切り開けたときの感触(パンチ試験)により評価することができる。
さらに、本発明の組成物は、生体由来素材でできた食品等のサンプルモデルに用いることができ、該食品サンプルモデルは、形状だけでなく触感、粘り等も実物の食品に似ている。この際、食品の芳香を呈する香料を本発明の組成物に添加することにより、芳香も実物に似ている食品サンプルモデルを作製することができる。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕 粘膜モデルの作製
成分(1)を、モトポジ(MOD PODGE GROSS、PLAID社製カタログ番号Item#CS11201)と白樺樹液と水を4:1:2の容積比または2:1:2の容積比で混合して作製した。それぞれ成分(1)4-1-2および成分(1)2-1-2とする。白樺樹液は、4月の白樺の若葉が芽吹く前に、幹に穴を空けその穴にパイプを取り付けて採取した。
成分(2)としてゼラチン粉末(クックゼラチン(森永製菓株式会社製))2.5gを水
に溶解し、50mlにメスアップしたゼラチン溶液を用いた。また、成分(3)として着色剤を兼ねてアクリル絵具を用いた。用いたアクリル絵具は、Delta Ceramcoat(登録商標)(Delta Technical Coating, Inc.社製、カタログ番号02129、色番号02469)であった。成分(4)のエポキシ樹脂としてEnviroTex Lite(登録商標) pour-on HIGH GLOSS FINISH(Enviromental Technology, Inc.)の主剤をそのまま用いた。さらに、セルロース系粉体とし
てビートパルプを乾燥し、粉末状に粉砕したものを用いた。
成分(1)、成分(2)、成分(3)、成分(4)およびビートパルプ粉末を下記の容積比で混合し、組成物A.からF.を作製した。かっこ内は、成分(1)が成分(1)4-1-2
および成分(1)2-1-2のいずれかを示す。
A.(成分(1)2-1-2)
成分(1):ゼラチン溶液(成分(2)):アクリル絵具(成分(3))を容積比3:1:1で混合したもの20gに対し、エポキシ樹脂(成分(4))0.5gを混合した。
B.(成分(1)2-1-2)
組成物A.10gに対し、ビートパルプ粉末を0.5g混合した。
C.(成分(1)4-1-2)
成分(1):ゼラチン溶液(成分(2)):アクリル絵具(成分(3))を容積比3:1:1で混合したもの20gに対し、エポキシ樹脂(成分(4))0.5gを混合した。
D.(成分(1)4-1-2)
組成物C.10gに対し、ビートパルプ粉末を0.5g混合した。
液体状の組成物を紙製のプレート(230mm×305mm)中に滴下し、1日風乾し、乾燥させ、膜状の生体モデルを作製した。
いずれも、質感、軟性、弾力性がヒト粘膜に類似しており、いずれも生体モデルとして使用可能であった。
〔実施例2〕 各種粉体を用いての生体モデルの作製
上記組成物A.50gに対して、実施例1で使用したエポキシ樹脂を1.25g混合した。さらに、該混合物に片栗粉、上新粉、コーンスターチ、白樺葉、アズキ皮またはビートパルプの粉体を0.5g混合し組成物を作製した。この際、各組成物の混合のし易さを評価した。実施例1と同様に、液体状の組成物0.5mlを紙製のプレート(230mm×305mm)中に滴下し、1
日風乾し、乾燥させ、膜状の生体モデルを作製した。この際、乾燥後の組成物の均一性、プレートからの剥がれやすさを評価した。乾燥後の膜モデルをピンセットで押し破って穴を空ける際の感触(ピンセット試験)、鉗子で引っ張ったときの感触(鉗子試験)およびパンチで穴を切り空けたときの感触(パンチ試験)を実際のヒト粘膜を用いた時の感触と比較した。比較検討は、手術経験の長い耳鼻科の医師が担当した。図1、2および3は、それぞれ試験に用いたパンチ、鉗子およびピンセットを示す。また、図4および5は、それぞれパンチ試験および鉗子試験の方法を示す。
いずれの組成物も均一に混合できた。また、乾燥後の組成物も均一であった。乾燥後のプレートからの剥離性は、粉体として片栗粉およびコーンスターチを用いたものは、他の粉体を用いたものに比較してやや剥がしにくかったが、実用上は問題なかった。
それぞれの粉体を用いたときの各試験の結果は以下の通りであった。
片栗粉
ピンセット試験:実際の粘膜よりもやや弾力性が大きいが、大きな差はなく、粘膜モデルとしての使用には問題はなかった。
鉗子試験:引っ張ったときの伸びが実際の粘膜と近似していた。
パンチ試験:穴を開けたときの抵抗が実際の粘膜と近似していた。
上新粉
ピンセット試験:ピンセットで穴を空けたときの膜の軟性が、実際の粘膜と近似していた。
鉗子試験:引っ張ったときの伸びが実際の粘膜と近似していた。
パンチ試験:穴を開けたときの抵抗が実際の粘膜と近似していた。
コーンスターチ
ピンセット試験:ピンセットで穴を空けたときの膜の軟性が、実際の粘膜と近似していた。
鉗子試験:引っ張ったときの伸びが実際の粘膜と近似していた。
パンチ試験:穴を開けたときの抵抗が実際の粘膜と近似していた。
白樺葉
ピンセット試験:実際の粘膜よりもやや弾力性が大きいが、大きな差はなく、粘膜モデルとしての使用には問題はなかった。
鉗子試験:引っ張ったときの伸びが実際の粘膜と近似していた。
パンチ試験:穴を開けたときの抵抗が実際の粘膜と近似していた。
アズキ皮
ピンセット試験:実際の粘膜よりもやや弾力性が大きいが、大きな差はなく、粘膜モデルとしての使用には問題はなかった。
鉗子試験:引っ張ったときの伸びが実際の粘膜と近似していた。
パンチ試験:穴を開けたときの抵抗が実際の粘膜と近似していた。
ビートパルプ
ピンセット試験:実際の粘膜よりもやや弾力性が大きいが、大きな差はなく、粘膜モデルとしての使用には問題はなかった。
鉗子試験:引っ張ったときの伸びが実際の粘膜と近似していた。
パンチ試験:穴を開けたときの抵抗が実際の粘膜と近似していた。
上記結果が示すようにいずれの粉体を用いても、実物の粘膜に特性が近似した粘膜モデルを作製することができた。
〔実施例3〕 エポキシ樹脂の混合量
上記組成物A.10gに対して、実施例1で使用したエポキシ樹脂を0.10g、0.20g、0.25g、0.30gまたは0.40g混合した。該混合物10gに片栗粉0.5gを混合し、組成物を作製した。実施例1と同様に、液体状の組成物0.5mlを紙製のプレート(230mm×305mm)中に滴下し、
1日風乾し、乾燥させ、膜状の生体モデルを作製した。エポキシ樹脂が0.1gの場合、ピンセット試験ではやや軟性に欠けた。また、0.4gの場合、軟性が粘膜より大きかった。この結果より、エポキシ樹脂の混合量は、成分(1):ゼラチン溶液:アクリル絵具を容積比3:1:1で混合したもの10gに対して0.2から0.4gが望ましいことが判明した。但し、0.1gおよび0.5gの場合も、粘膜モデルとして使用は可能であった。
パンチ試験に用いたパンチの写真である。 鉗子試験に用いた鉗子の写真である。 ピンセット試験に用いたピンセットの写真である。 パンチ試験の方法を示す写真である。 鉗子試験の方法を示す写真である。 粘膜生体モデルの写真である。

Claims (16)

  1. 以下の成分(1)から成分(4)を含む生体モデル作製用組成物。
    (1)(a)ビニルアセテートのホモポリマーもしくはその部分加水分解物、またはビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸からなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマーもしくはその部分加水分解物を含むポリマー成分、ならびに(b)樹液、果実液、花蜜、蜂蜜および糖類からなる群より選ばれる一種または二種以上を含む成分を含む化合物、を含む組成物、
    (2)ゼラチン、または寒天もしくはアガロース、
    (3)アクリル樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする組成物、ならびに
    (4)エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂を主成分とする組成物
  2. さらに、着色剤および/またはセルロースを主成分とする粉体もしくはデンプンを主成分とする粉体を含む請求項1記載の組成物。
  3. 成分(1)の(b)が白樺樹液である請求項1または2記載の組成物。
  4. 該粉体がセルロースパウダー、アズキ皮粉体、ビートパルプ粉体、白樺葉粉体、上新粉、コーンスターチおよび片栗粉からなる群から選択される請求項2または3記載の組成物。
  5. 成分(1)、成分(2)および成分(3)を容積比3:0.5〜2:0.5〜2で混合した混合物20gに、成分(4)が0.1から1g含まれる請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 生体モデルが、皮膚、粘膜、軟骨膜および骨膜からなる群から選択される請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 以下の成分(1)から成分(4)を含む組成物を混合し、膜状に成型し乾燥させることを含む生体モデルの作製方法。
    (1)(a)ビニルアセテートのホモポリマーもしくはその部分加水分解物、またはビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸からなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマーもしくはその部分加水分解物を含むポリマー成分、ならびに(b)樹液、果実液、花蜜、蜂蜜および糖類からなる群より選ばれる
    一種または二種以上を含む成分を含む化合物、を含む組成物、
    (2)ゼラチン、または寒天もしくはアガロース、
    (3)アクリル樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする組成物、ならびに
    (4)エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂を主成分とする組成物
  8. 前記組成物には、さらに、着色剤および/またはセルロースを主成分とする粉体もしくはデンプンを主成分とする粉体が含まれる請求項7記載の生体モデルの作製方法。
  9. 成分(1)の(b)が白樺樹液である、請求項7または8に記載の生体モデルの作製方法。
  10. 該粉体がセルロースパウダー、アズキ皮粉体、ビートパルプ粉体、白樺葉粉体、上新粉、コーンスターチおよび片栗粉からなる群から選択される、請求項8または9に記載の生体モデルの作製方法。
  11. 成分(1)、成分(2)および成分(3)を容積比3:0.5〜2:0.5〜2で混合した混合物20gに、成分(4)を0.1から1g混合することを含む、請求項7から10のいずれか1項に記載の生体モデルの作製方法。
  12. 生体モデルが、皮膚、粘膜、軟骨膜および骨膜からなる群から選択される、請求項7から11のいずれか1項に記載の生体モデルの作製方法。
  13. 請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物を混合し、これを膜状に成型し、他の生体モデルと組み合わせることを含む、生体モデルの作製方法。
  14. シートに以下の成分(1)、(2)、(3)および(4)を混合したものを塗布し乾燥させ、さらに、その上に該成分(1)、(2)、(3)、および(4)を混合したもの10gにセルロース系粉体0.5gを混合したものを塗布し、乾燥させることを含む、軟骨膜モデルの作製方法。
    (1)(a)ビニルアセテートのホモポリマーもしくはその部分加水分解物、またはビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸からなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマーもしくはその部分加水分解物を含むポリマー成分、ならびに(b)樹液、果実液、花蜜、蜂蜜および糖類からなる群より選ばれる一種または二種以上を含む成分を含む化合物、を含む組成物、
    (2)ゼラチン、または寒天もしくはアガロース、
    (3)アクリル樹脂またはアクリル樹脂を主成分とする組成物、ならびに
    (4)エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂を主成分とする組成物
  15. 請求項8から13のいずれか1項に記載の方法により作製された生体モデル。
  16. 請求項14に記載の方法により作製された軟骨膜モデル。
JP2003361809A 2003-10-22 2003-10-22 皮膚、粘膜等の生体モデル作製用組成物 Expired - Lifetime JP4189487B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003361809A JP4189487B2 (ja) 2003-10-22 2003-10-22 皮膚、粘膜等の生体モデル作製用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003361809A JP4189487B2 (ja) 2003-10-22 2003-10-22 皮膚、粘膜等の生体モデル作製用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005128138A JP2005128138A (ja) 2005-05-19
JP4189487B2 true JP4189487B2 (ja) 2008-12-03

Family

ID=34641639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003361809A Expired - Lifetime JP4189487B2 (ja) 2003-10-22 2003-10-22 皮膚、粘膜等の生体モデル作製用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4189487B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100402097C (zh) * 2006-07-24 2008-07-16 暨南大学 琼脂/胶原皮肤创伤修复敷料及其制备方法和应用
JP5289714B2 (ja) * 2007-02-14 2013-09-11 株式会社高研 Esdトレーニングモデル
US8221129B2 (en) 2008-06-03 2012-07-17 Techline Technologies, Inc. Wearable wound simulant
JP2010029650A (ja) * 2008-07-01 2010-02-12 Yoshihiro Kagamiyama 医学用超音波ファントム
JP5311359B2 (ja) * 2010-04-09 2013-10-09 株式会社Frontier Vision 白内障手術練習用模擬水晶体
JP5773146B2 (ja) * 2011-07-06 2015-09-02 株式会社ホソダShc 人体器官の形態および感触を有する縫合練習用模造器官およびその製造方法
WO2016134269A1 (en) * 2015-02-19 2016-08-25 Applied Medical Resources Corporation Simulated tissue structures and methods
JP6685042B2 (ja) * 2015-02-24 2020-04-22 地方独立行政法人青森県産業技術センター 脈管モデルの製造方法
CN114945467A (zh) * 2020-01-16 2022-08-26 富士胶片株式会社 生物体粘膜模型、粘膜保护剂的保持性的评价方法
WO2024034552A1 (ja) * 2022-08-08 2024-02-15 デンカ株式会社 模擬粘液被覆粘膜組織モデル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005128138A (ja) 2005-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4126374B2 (ja) 血管壁、内臓等の生体モデル作製用組成物
JP4189487B2 (ja) 皮膚、粘膜等の生体モデル作製用組成物
JP5311359B2 (ja) 白内障手術練習用模擬水晶体
CN104886038B (zh) 制作动物标本的方法
WO2003013239A3 (de) Verfahren zur devitalisierung natürlicher organe und/oder zur bereitstellung extrazellulärer matrices zum 'tissue-engineering'
Roberts XII. Studies on biogenesis
JP4783897B2 (ja) 軟素材物質を含むインク組成物ならびに該組成物を用いた立体物作製技術及び立体印刷技術
US10290234B2 (en) Simulated bone materials and methods of making same
Barton et al. Elements of Botany, Or, Outlines of the Natural History of Vegetables: Illustrated by Forty Engravings
JP6788932B1 (ja) 人工臓器モデル、その製造方法及び、その人工臓器モデルを用いた手術手技訓練方法
Wu et al. Simulation training in minimally invasive direct coronary artery bypass grafting
Fullaway Monograph of the Gall-Making Cynipidà (CynipinÃ) of California
RU2528958C1 (ru) Способ консервации костных анатомических препаратов
Sedgwick et al. General Biology
CN100498873C (zh) 人体模型及其制造方法
Khan The anatomy of the head-capsule and mouthparts of Dysdercus fasciatus Sign.(Pyrrhocoridae, Hemiptera)
CN107440912A (zh) 牙科修复材料的制备方法
Kapp Centralized vowels in Ālu Kuṟumba
Mayo Lessons on Objects, as Given in a Pestalozzian School, at Cheam, Surrey
Snodgrass XI The Hexapoda
GROSU-BULARDA et al. Optimizing Non-living Models for Effective Microsurgical Training
Poon et al. BASIC BIOLOGICAL SCIENCES II LABORATORY MANUAL (BS2411)
Thongkum A View on Proto-Mjuenic (Yao)
Peabody Laboratory exercises in anatomy and physiology
Steven Practical Pathology: An Introduction to the Practical Study of Morbid Anatomy and Histology

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080819

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4189487

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term