JP4187661B2 - 制電性織編物および繊維製品 - Google Patents

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本発明は、優れた制電性を有しかつムレ感やべとつき感の少ない制電性織編物および繊維製品に関するものである。
従来、制電性を有する織編物としては、疎水性合成繊維からなる織編物に後加工方法により制電組成物を含有する処理剤を付与したもの(例えば、特許文献1)や、親水性繊維を用いて織編物を構成したものなどが知られている。
しかるに、前者の後加工方法によるものでは、織編物の柔軟な風合いが損なわれたり、制電性が十分でないという問題があった。また、後者のナイロン繊維に代表される親水性合成繊維や、レーヨン、アセテートなどの化学繊維、さらには綿、シルク、麻、ウールなどの天然繊維を用いて織編物を構成すると、該織編物からなる衣服は制電性に優れ、さらには蒸気状の汗の吸着・発散性に優れ衣服内がムレ難いという長所を有していた。しかしながら、液状の汗に対しては、繊維自身が吸水するため、多量に発汗した際、衣服と肌とが密着しべとつく不快感や冷え感が多いという問題があった。
一方、本発明者らは、特願2003−175788号において、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル吸湿性弾性繊維を提案した。しかしながら、かかるポリエーテルエステル吸湿性弾性繊維を単独で用いて織編物を織編成すると、得られた織編物は、優れた制電性と良好な吸湿性を有するものの、織編物表面に吸湿性繊維が露出しべとつき感の点で十分ではないということが判明した。
特開平10−325076号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、優れた制電性を有しかつムレ感やべとつき感が少ない制電性織編物および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸と非吸湿性合成繊維糸条とを用いて織編物を製編織すると、得られた織編物において、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸は弾性を有するため織編物の厚み方向の中心部に位置しやすいこと、また、かかる織編物は制電性に優れかつムレ感やべとつき感が少ないことを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「温度30℃、湿度90%RH条件における平衡吸湿率が5%以上の吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)とから構成される織編物であって、前記非吸湿性合成繊維糸条(B)が該織編物の表面および裏面に配され、一方前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が該織編物の厚さ方向の内層側に位置し該織編物の表面および裏面に露出しておらず、かつ、前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が、ハードセグメント用のポリブチレンテレフタレートと、ソフトセグメント用の数平均分子量1000〜6000のポリオキシエチレングリコールから形成され、ハードセグメント/ソフトセグメントの重量比率が30/70〜70/30のポリエーテルエステルエラストマーから形成されたポリエーテルエステル繊維であることを特徴とする制電性織編物。」が提供される。
その際、前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)とが引き揃えられて制電性織編物を構成していてもよい。また、織編物が3層構造を有しており、中間層が前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)で構成され、表層と裏層とは前記非吸湿性合成繊維糸条(B)で構成されていてもよい。さらには、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)とが、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が芯部に位置し非吸湿性合成繊維糸条(B)が鞘部に位置してなる複合糸として織編物中に含まれていてもよい。該弾性糸の破断伸度としては300〜900%であることが好ましい。一方、非吸湿性合成繊維糸条(B)はポリエステル繊維で構成されることが好ましい。吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)との重量比としては、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中における吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)の重量をWA、他方、非吸湿性合成繊維糸条(B)の重量をWBとするとき、WA:WBが70:30〜5:95の範囲内であることが好ましい。本発明の制電性織編物の制電性としては、摩擦帯電圧で1000V以下であることが好ましい。かかる織編物は、紳士衣服、婦人衣服、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地、寝装具、カーシートなどに好適に用いることができる。
本発明によれば、優れた制電性を有しかつムレ感やべとつき感が少ない制電性織編物および繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の制電性織編物を構成する吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)の、温度30℃、湿度90%RH条件における平衡吸湿率は5%以上(好ましくは10%以上、より好ましくは13〜30%)である。
ここで、該平衡吸湿率は以下の方法で測定する。すなわち、糸をかせとりして約10g分の試料を採取し、温度30℃、湿度90%RHの環境下で24時間放置したのちの質量を吸湿後の質量とし、下記式により平衡吸湿率を算出する。
平衡吸湿率(%)=((吸湿後の質量)−(絶乾後の質量))/(絶乾後の質量)×100
該平衡吸湿率は高いほどよいが、平衡吸湿率が高くなりすぎると繊維の製造が困難となる恐れがあるので30%以下でよい。
かかる吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)としては、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維が好適に例示される。
上記ポリブチレンテレフタレートは、ブチレンテレフタレート単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。ブチレンテレフタレートの含有率は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。酸成分は、テレフタル酸が主成分であるが、少量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよく、またグリコール成分は、テトラメチレングリコールを主成分とするが、他のグリコール成分を共重合成分として加えてもよい。
テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えばナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸のような芳香族、脂肪族のジカルボン酸成分を挙げることができる。さらに、本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、トリメリット酸、ピロメリット酸のような三官能性以上のポリカルボン酸を共重合成分として用いても良い。
また、テトラメチレングリコール以外のジオール成分としては、例えばトリメチレングリコール、エチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコールのような脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物を挙げることができる。更に、本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような三官能性以上のポリオールを共重合成分として用いてもよい。
一方、ポリオキシエチレングリコールは、オキシエチレングリコール単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。オキシエチレングリコールの含有量は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、オキシエチレングリコール以外にプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリンなどを共重合させても良い。
かかるポリオキシエチレングリコールの数平均分子量としては、400〜8000が好ましく、なかでも1000〜6000が特に好ましい。
前記のポリエーテルエステルエラストマーは、たとえば、テレフタル酸ジメチル、テトラメチレングリコールおよびポリオキシエチレングリコールとを含む原料を、エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させ、ビス(ω−ヒドロキシブチル)テレフタレート及び/又はオリゴマーを形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下で高温減圧下にて溶融重縮合を行うことにより得ることができる。
ハードセグメント/ソフトセグメントの比率は、重量を基準として30/70〜70/30であることが好ましい。
かかるポリエーテルエステル中には、公知の有機スルホン酸金属塩が含まれていると、さらに優れた吸水自己伸張性能が得られ好ましい。
ポリエーテルエステル繊維は、前記ポリエーテルエステルを、通常の溶融紡糸口金から溶融して押し出し、引取速度300〜1200m/分(好ましくは400〜980m/分)で引取り、巻取ドラフト率をさらに該引取速度の1.0〜1.2(好ましくは1.0〜1.1)で巻取ることにより製造することができる。
かかる吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸の破断伸度としては、250%以上(より好ましくは300〜900%)であることが好ましい。破断伸度が250%以上であると、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸と非吸湿性合成繊維糸条とを用いて織編物を製編織する際、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸を容易にドラフトしながら複合することができ、安定的に吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸を織編物の厚さ方向の内層側に位置させることができる。吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸を織編物の内層側に確実に位置させることにより、織編物の表面に該吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸が現れず、衣服と肌とがべとつく恐れがない。該破断伸度が250%より低い場合、明確な芯鞘構造が得られにくい恐れがる。逆に該破断伸度が900%よりも大きいと複合加工が困難となる恐れがある。
一方、本発明の制電性織編物を構成する非吸湿性合成繊維糸条(B)は、前記に定義した平衡吸湿率が5%未満の繊維で構成される。
かかる非吸湿性合成繊維糸条(B)を構成する繊維としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートに代表されるポリエステル、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレンなどの合成繊維が例示される。なかでも、通常のポリエステル繊維が好ましく例示される。
前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)および非吸湿性合成繊維糸条(B)において、繊維を形成するポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。繊維の繊維形態も特に限定されず、長繊維が好ましいが短繊維でもよい。さらには、撚糸や、空気加工、仮撚捲縮加工がほどこされていてもよい。前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)および非吸湿性合成繊維糸条(B)において、繊維の断面形状は特に限定されず、丸、三角、扁平、くびれ付き扁平、花弁、中空など公知の断面形状が採用できる。
前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)の総繊度、単糸繊度、フィラメント数は特に限定されないが、吸湿性の点で、総繊度20〜100dtex、単糸繊度1〜100dtex、フィラメント数1〜10本の範囲が好ましい。
一方、非吸湿性合成繊維糸条(B)の総繊度、単糸繊度、フィラメント数も特に限定されいが、ソフトな風合いを損なわないうえで、総繊度30〜300dtex、フィラメント数10本以上(より好ましくは30本以上、特に好ましくは100〜300本)の範囲が好ましい。
本発明の制電性織編物において、非吸湿性合成繊維糸条(B)が該織編物の表面および裏面に配され、一方前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が該織編物の厚さ方向の内層側に位置し該織編物の表面および裏面に露出していない。ここで、「吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が織編物の表面および裏面に露出していない」とは、図1に模式的に示すように、表面が平坦な平板の上に織編物を静置した際、織編物中の非吸湿性合成繊維糸条(B)のみが平板に接触し、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が該平板に接触しないという意味である。その際、織編物の表面および裏面に配された非吸湿性合成繊維糸条(B)間の空隙から、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)を垣間見ることができてもよい。また、織編物の厚さ方向において吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)は織編物の表面および裏面に露出しない程度に内層側に位置しておればよく、厚さ方向に偏在していてもよい。なお、織編物の1方の面を表面とすれば他方の面が裏面である。
前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)との糸配列は特に限定されないが、下記の糸配列が好適に例示される。
例えば、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)とが引き揃えられて織編物を構成していてもよい。その際、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)を1.1倍以上(好ましくは1.2〜5.0倍)に延伸した後、該弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)とを引き揃えて織編物を織編成することにより、容易に吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)を織編物の厚さ方向の内層側に位置させることができる。
また、3層構造を有する織編物であって、中間層は前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)で構成され、表層と裏層とは前記非吸湿性合成繊維糸条(B)で構成されていてもよい。
さらには、前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)とが、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が芯部に位置し非吸湿性合成繊維糸条(B)が鞘部に位置してなる複合糸として織編物中に含まれいてもよい。その際、複合糸の複合方法としては、インターレース空気加工、カバリング加工、引き揃え仮撚捲縮加工などが例示される。なかでも明確な芯鞘構造を形成する上でカバリング加工が好ましい。
複合糸が明確な芯鞘構造を有していると、該複合糸を用いて織編物を織編成した際、複合糸の芯部に位置する吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が織編物の表面および裏面に露出しにくく好ましい。なお、複合加工の際、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)を1.1倍以上(好ましくは1.2〜5.0倍)に延伸した後、該弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)とを引き揃えて複合加工することにより、明確な芯鞘構造を形成することができ好ましい。
本発明の制電性織編物において、織編物の組織は特に限定されず、通常の方法で製編織されたものでよい。例えば、織物の織組織としては、平織、斜文織、朱子織等の三原組織、変化組織、変化斜文織等の変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。編物の種類は、よこ編物であってもよいしたて編物であってもよい。よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。
本発明の制電性織編物において、前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)との重量比としては、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中における吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)の重量をWA、他方、非吸湿性合成繊維糸条(B)の重量をWBとするとき、WA:WBが70:30〜5:95の範囲内であることが好ましい。
なお、本発明の制電性織編物には、常法の吸汗加工、撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
本発明の制電性織編物には、織編物の厚さ方向の中心部に配された吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)により制電性が付与される。その際、該制電性としては、摩擦帯電圧が1000V以下(好ましくは10〜500V)であることが好ましい。同時に、該吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)によりムレ感が低減される。また、織編物の表面および裏面には、前記非吸湿性合成繊維糸条(B)が配されており、該非吸湿性合成繊維糸条は、繊維自身が吸水することもないので、多量に発汗した際、天然繊維のように衣服と肌とが密着しべとつく不快感や冷え感を感じることも少ない。
本発明の制電性織編物は、優れた制電性を有しかつムレ感やべとつき感が少ないので、紳士衣服、婦人衣服、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地、寝装具、カーシートなどの繊維製品に好適に使用することができる。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<糸の吸湿性>
糸をかせとりし、約10g分の試料を採取し、温度30℃、湿度90%RHの環境下で24時間放置したのちの質量を吸湿後の質量とし、下記式により吸湿率を算出した。なお、n数は3で平均値を算出した。
吸湿率(%)=((吸湿後の質量)−(絶乾後の質量))/(絶乾後の質量)×100
<織編物の吸湿性(むれ感)>
むれ感の代用特性として織編物の吸湿性を測定した。織編物から、経緯の方向が織編物と同じになるようたて20cm、よこ20cmの正方形のサンプルを採取し、温度30℃、湿度90%RHの環境下で24時間放置したのちの質量を吸湿後の質量とし、下記式により吸湿率を算出した。なお、n数は3で平均値を算出した。
吸湿率(%)=((吸湿後の質量)−(絶乾後の質量))/(絶乾後の質量)×100
<破断伸度>
JIS L 1013−1998 伸び率標準試験に従って測定した。なお、n数は3で平均値を算出した。
<制電性>
JIS L 1094−1997に準じて、試験環境条件:20℃、40%RHの条件下で摩擦帯電圧(V)をn数3で経方向と緯方向について測定し平均値を算出した。
<べとつき感>
特許第321992号公報に記載のべとつき感の測定方法に従って測定した。すなわち、表面を研磨した直経8cmの金属ローラに、長さ15cm、幅6cmの測定しようとする布帛(試料)を載せ、一端をストレス・ストレイン・ゲージ(Uゲージ)に取り付け、下端には、布帛2を緊張させるために荷重98mN(10gf)のクリップを取り付ける。
次に、金属ローラをUゲージと反対の方向に7cm/secの表面速度で回転させながら、注射器で金属ローラと布帛の間に正確に1ccの水を静かに注入する。この際、布帛にかかる張力(mN)をUゲージを介して測定し、記録計で記録して、その最大値をもって湿潤摩擦力と定義し、べとつき力の客観計測値として用いることにした。なお、n数は3で平均値を算出した。
[実施例1]
ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートを49.8重量部、ソフトセグメントとして数平均分子量4000のポリオキシエチレングリコール50.2重量部からなるポリエーテルエステルを、230℃で溶融し、所定の紡糸口金より吐出量3.05g/分で押出した。このポリマーを2個のゴデットロールを介して705m/分で引取り、さらに750m/分(巻取りドラフト1.06)で巻取り、44デシテックス/1フィラメントの弾性を有する吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)を得た。この弾性糸の吸湿率は16%、破断伸度は816%であった。
一方、非吸湿性合成繊維糸条(B)として、吸湿率が0.7%の通常のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント(84デシテックス/24フィラメント)を準備した。
次いで、28ゲージのシングル丸編機を用いて、上記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)をドラフト率50%(1.5倍)でドラフトさせながら上記非吸湿性合成繊維糸条(B)と同時に該丸編機に給糸することにより、47コース/2.54cm、40ウエール/2.54cmの編密度を有する天竺組織の丸編物を編成し、ついで、該丸編物に常法の染色加工を施すことにより制電性織編物として編物を得た。得られた編物において、非吸湿性合成繊維糸条(B)が該編物の表面および裏面に位置し、一方吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が該編物の厚さ方向の中心部に位置し該編物の表面および裏面に露出していなかった。該編物について、吸湿性、べとつき感、摩擦帯電圧を測定したところ、吸湿性5.2%、べとつき感764.4mN(78gf)、摩擦帯電圧387Vと、該編物は吸湿性(ムレ感)、べとつき感、制電性に優れていた。
[比較例1]
ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートを90.0重量部、ソフトセグメントとして数平均分子量4000のポリオキシエチレングリコール10.0重量部を含有したポリエーテルエステルを、実施例1の吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と同様にして44デシテックス/1フィラメントの弾性を有するポリエーテルエステル弾性糸を得た。この弾性糸の吸湿率は2.5%、破断伸度は240%であった。
次いで、28ゲージのシングル丸編機を用いて、該ポリエーテルエステル弾性糸をドラフト率20%(1.2倍)でドラフトさせながら実施例1と同じ非吸湿性合成繊維糸条(B)と同時に該丸編機に給糸することにより、47コース/2.54cm、40ウエール/2.54cmの編密度を有する天竺組織の丸編物を編成し、ついで、該丸編物に常法の染色加工を施すことにより編物を得た。得られた編物において、非吸湿性合成繊維糸条(B)が該編物の表面および裏面に位置し、一方ポリエーテルエステル弾性糸が該編物の厚さ方向の中心部に位置し該編物の表面および裏面に露出していなかった。該編物について、吸湿性、べとつき感、摩擦帯電圧を測定したところ、吸湿性1.3%、べとつき感1234.8mN(126gf)、摩擦帯電圧2830Vと、該編物は吸湿性(ムレ感)と制電性の点で不十分であった。
[比較例2]
実施例1において、上記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)をドラフトせずに非吸湿性合成繊維糸条(B)と同時に該丸編機に給糸すること以外は実施例1と同様にして編物を得た。得られた編物において、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が編物の表面および裏面から露出していた。該編物について、吸湿性、べとつき感、摩擦帯電圧を測定したところ、吸湿性6.8%、べとつき感3136.0mN(320gf)、摩擦帯電圧121Vと、該編物はべとつき感の点で不十分であった。
本発明によれば、優れた制電性を有しかつムレ感やべとつき感が少ない制電性織編物および繊維製品(紳士衣服、婦人衣服、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地、寝装具、カーシートなど)が提供され、その工業的価値は極めて大である。
本発明にかかる制電性織編物において、非吸湿性合成繊維糸条(B)が該織編物の表面および裏面に配され、一方吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が該織編物の内側に配されて表面および裏面に露出していないことを説明するための説明図である。
符号の説明
1−1,1−2 吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)
2−1,2−2 非吸湿性合成繊維糸条(B)
3 織編物の厚さ方向の断面
4 平板

Claims (9)

  1. 温度30℃、湿度90%RH条件における平衡吸湿率が5%以上の吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)とから構成される織編物であって、前記非吸湿性合成繊維糸条(B)が該織編物の表面および裏面に配され、一方前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が該織編物の厚さ方向の内層側に位置し該織編物の表面および裏面に露出しておらず、かつ、前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が、ハードセグメント用のポリブチレンテレフタレートと、ソフトセグメント用の数平均分子量1000〜6000のポリオキシエチレングリコールから形成され、ハードセグメント/ソフトセグメントの重量比率が30/70〜70/30のポリエーテルエステルエラストマーから形成されたポリエーテルエステル繊維であることを特徴とする制電性織編物。
  2. 前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)とが引き揃えられて制電性織編物を構成してなる請求項1に記載の制電性織編物。
  3. 3層構造を有する織編物であって、中間層は前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)で構成され、表層と裏層とは前記非吸湿性合成繊維糸条(B)で構成される請求項1に記載の制電性織編物。
  4. 前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)とが、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が芯部に位置し非吸湿性合成繊維糸条(B)が鞘部に位置してなる複合糸として織編物中に含まれる請求項1に記載の制電性織編物。
  5. 吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)の破断伸度が300〜900%である請求項1に記載の制電性織編物。
  6. 非吸湿性合成繊維糸条(B)がポリエステル繊維で構成される請求項1〜5のいずれかに記載の制電性織編物。
  7. 温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中において、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)の重量をWA、他方、非吸湿性合成繊維糸条(B)の重量をWBとするとき、WA:WBが70:30〜5:95の範囲内である請求項1〜6のいずれかに記載の制電性織編物。
  8. 摩擦帯電圧が1000V以下である請求項1〜7のいずれかに記載の制電性織編物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の織編物で構成される、紳士衣服、婦人衣服、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地、寝装具、カーシートの群より選ばれる繊維製品。
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