JP4186758B2 - 高分子化合物、正孔注入・輸送材料、有機電界発光素子材料および有機電界発光素子 - Google Patents

高分子化合物、正孔注入・輸送材料、有機電界発光素子材料および有機電界発光素子 Download PDF

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Description

本発明は新規の高分子化合物、およびこれを用いた有機電界発光素子に関するものである。該有機電界発光素子は、有機化合物から成る発光層に電界をかけて光を放出する薄膜型デバイスに関するものである。
従来、薄膜型の電界発光(EL)素子としては、無機材料のII−VI族化合物半導体であるZnS、CaS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子は、
1)交流駆動が必要(50〜1000Hz)、
2)駆動電圧が高い(〜200V)、
3)フルカラー化が困難、
4)周辺駆動回路のコストが高い、
という問題点を有している。
しかし、近年、上記問題点の改良のため、有機薄膜を用いたEL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からのキャリアー注入の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンから成る正孔輸送層と8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体から成る発光層とを設けた有機電界発光素子の開発(Appl. Phys. Lett., 51巻, 913頁,1987年)により、従来のアントラセン等の単結晶を用いたEL素子と比較して発光効率の大幅な改善がなされ、実用化されつつある。
上記の様な低分子材料を用いた電界発光素子の他にも、発光層の材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリフルオレン等の高分子材料を用いた電界発光素子の開発や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に低分子の発光材料と電子移動材料を混合分散した素子の開発も行われている。
ところで、有機電界発光素子の最大の課題は、駆動寿命である。素子の駆動を不安定にする具体的な現象としては、発光輝度の低下、定電流駆動時の電圧上昇、非発光部分(ダークスポット)の発生等が挙げられる。これらの現象の原因はいくつか存在するが、主な原因の一つとして有機層の薄膜形状の劣化が挙げられる。この薄膜形状の劣化は、素子駆動時の発熱による有機非晶質膜の結晶化(または凝集)等に起因すると考えられている。特に、駆動電圧の上昇抑制については陽極と正孔輸送層のコンタクトが重要である。
そこで、陽極と正孔輸送層のコンタクトを向上させるため両層の間に正孔注入層を設け、駆動電圧を低下させることが検討されている。正孔注入層に用いられる材料に要求される条件としては、陽極とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、融点及びガラス転移温度(Tg)が高いこと、具体的には300℃以上の融点と120℃以上のガラス転移温度を有すること好ましい。さらに、イオン化ポテンシャルが低く陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいこと等も重要である。
正孔注入層の材料としても種々のものが検討されており、例えばポルフィリン誘導体やフタロシアニン化合物、スターバースト型芳香族トリアミン、スパッタ・カーボン膜や、
バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化物などが報告されている。
しかしながら、陽極と正孔輸送層の間に正孔注入層を挿入する方法において、ポルフィリン誘導体やフタロシアニン化合物を正孔注入層として用いた場合、これらの膜自体による光吸収のためにスペクトルが変化する、外観上着色して透明でなくなるという問題がある。
また、スターバースト型芳香族トリアミンでは、イオン化ポテンシャルが低く透明性がよいという利点はあるものの、ガラス転移点や融点が低いために耐熱性に難点がある。
一方、共役・非共役の各種高分子化合物を含む正孔注入層も多数提案されている。通常、有機電界発光素子の陽極として用いられるインジウム・スズ酸化物(ITO)は、10nm程度の表面粗さ(Ra)を有するのに加えて、局所的に突起を有することが多く、素子作製時に短絡欠陥を生じるという問題があったが、該陽極上に、高分子化合物を含む溶液を塗布して正孔注入層を設けることにより、該欠陥の低減ももたらされるため好ましい。
しかし、単一の繰り返し単位しか有さないポリマー(ホモポリマー)では、同一の繰り返し単位が主鎖に沿って配列されており、立体科学的な不規則性もないため、ポリマー鎖が折りたたまれて高分子結晶の元となる核が形成されやすく、十分な溶解性が得られない場合があり、また、短絡欠陥を低減させる効果について更なる改善が求められている。
また、例えばポリチエニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリアニリン等の共役系ポリマーの使用が提案されている。しかしこれらは、溶剤への溶解性に問題があり、製造プロセス面での問題がある。
更に、非共役系の直鎖型正孔輸送性ポリマーに電子受容性化合物を混合し、正孔注入層として使用することにより、素子の低電圧駆動が可能なことが開示されているが(特許文献1参照)、ここで開示されるポリマーはガラス転移温度Tgが低く、耐熱性に難点がある。
なお、特許文献2には、例えば実施例10に2種のシロキサン系連結基を含む2種の繰り返し単位を有するポリマーが記載されている。しかし、該ポリマーの連結基の一方は−SiMeMeO−が4つ繰り返されるテトラシロキサン構造であるため、正孔注入・輸送におけるトラップになりやすく、さらに、結晶化の起点になりやすいと考えられる。
ところで、有機電界発光素子においてポリマーを含む層を形成する場合、生産性の面では印刷法を使用することが好ましい。具体的には、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。これらの印刷法にて効率良く層形成する場合、塗布液となるポリマー含有組成物には、ある程度の固形分濃度が必要とされる。このため、ポリマーには溶剤への高い可溶性が要求される。
特開平11−283750号公報 特開平5−249720号公報
このように有機電界発光素子の駆動時における電圧が高く、耐熱性を含めた安定性が低いことは、ファクシミリ、複写機、液晶ディスプレイのバックライト等の光源としては大きな問題であり、特にフルカラーフラットパネル・ディスプレイ等の表示素子としても望ましくない。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、低電圧、高発光効率で駆動させることができ、かつ良好な耐熱性を有し、長期間にわたって安定な発光特性を維持することができ、前述の陽極の表面粗さに起因する素子作製時の短絡欠陥を防止した有機電界発光素子を提供す
るものである。また、印刷法を用いた有機電界発光素子の製造プロセスに適した正孔注入・輸送材料と、この有機電界発光素子の正孔注入・輸送材料に好適な新規高分子化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、p−フェニレン構造を介して主鎖に連なるアリールアミン構造と、m−フェニレン構造を介して連なるアリールアミン構造との共重合体が、充分な正孔注入性・輸送性と、溶剤への溶解性や非晶質性を両立できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位、および下記一般式(II)で表されるくり返し単位を含有する、重量平均分子量が1,000〜1,000,000である高分子化合物、該高分子化合物を含有する正孔注入・輸送材料、該高分子化合物を含有する有機電界発光素子材料およびこれを用いた有機電界発光素子に存する。
Figure 0004186758
(式中、Ar1、Ar2、Ar6およびAr7は各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
Ar3およびAr8は各々独立に、p−フェニレン基、m−フェニレン基、または4,4’−ビフェニレン基を表し、これらはいずれも、置換基を有していてもよい。
環A4、環A5、環A9および環A10は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、および置換基を有していてもよい芳香族複素環基よりなる群から選ばれる1種または2種以上の置換基で置換されていてもよいベンゼン環を示す。
XおよびYは各々独立して、2価の連結基を表す。)
上記一般式(I)および一般式(II)で表される繰り返し単位を含み、通常100℃以上のTgを有する高分子化合物を用いることで、これを用いた有機電界発光素子の発光
特性と耐熱性を同時に改善することを可能とした。
また、本発明の正孔注入・輸送材料の場合、上記高分子由来の利点に加え、電子供与性である本発明の高分子化合物に電子受容性化合物を併用することにより、系内で電荷移動が起こり、結果としてフリーキャリアである正孔が生成し、該材料を用いて形成された層の電気電導度が高くなる。このような層を、例えば有機電界発光素子の発光層と陽極との間に設けることで、発光層と陽極との電気的接合が改善され、駆動電圧が低下すると同時に連続駆動時の安定性も向上する。
しかも有機電界発光素子において、本発明の高分子化合物を主成分とする層を、塗布プロセスにて陽極上に形成することにより、前述の陽極の表面粗さが緩和され、良好な表面平滑化効果が得られ、素子作製時の短絡欠陥が防止されるという効果も奏される。
本発明の高分子化合物は、上記一般式(I)および一般式(II)で表される二種類の繰り返し単位をもち、幾何構造の異なる繰り返し単位がランダムに分布しているため、高分子結晶の元となる核が形成され難いと考えられ、また高分子鎖の規則性がくずれるため、単一の繰り返し単位のみで表される高分子化合物に比べ、非晶質性が高く、種々の有機溶剤に対して高い溶解性を示す。
つまり本発明の高分子化合物は、非晶質性が高いために、素子作製時の短絡欠陥を防止する効果が大きく、また、高い溶解性を示すため、容易に塗布液の固形分濃度を高めることが可能であり、印刷法にて効率良く層形成することが可能である。
なお、本発明の高分子化合物を含む正孔注入・輸送材料または有機電界発光素子材料を用いて形成された層は、通常、正孔輸送性を示す層である。後述するように、例えば有機電界発光素子を構成する層として用いられる場合、該層は陽極と発光層との間であればどこに在っても良く、後掲の図1〜3に示す如く、陽極上に直接設けるものに何ら限定されないが、陽極(無機材料)との電気的接合が良く、耐熱性が高いというこの層の長所を十分に生かすためには、陽極と接する位置に正孔注入層として形成するのが最も有利である。
本発明の高分子化合物を電子受容性化合物と併用する場合には、該高分子化合物のイオン化ポテンシャルから電子受容性化合物の電子親和力を引いた値は0.7eV以下であることが好ましく、また、これらを含有する層中の電子受容性化合物の含有量は、芳香族アミン含有高分子化合物に対して0.1〜50重量%の範囲であることが好ましい。
本発明の高分子化合物は、塗布プロセスに有利な、特定の高分子共重合体と電子受容性化合物を含有する正孔注入層を有するために、低電圧で駆動可能かつ耐熱性の向上した有機電界発光素子を得ることができる。
本発明による有機電界発光素子はフラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、特に、高耐熱性が要求される車載用表示素子としては、その技術的価値は大きいものである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明の高分子化合物について説明する。
本発明の高分子化合物は前記一般式(I)および前記一般式(II)で表されるくり返し単位を有するものである。
一般式(I)におけるAr1およびAr2、並びに一般式(II)におけるAr6および
Ar7は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有
していてもよい芳香族複素環基を表す。
該芳香族炭化水素基および芳香族複素環基として、好ましくは5または6員環の単環または2〜4縮合環が挙げられる。具体的には、
フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ナフタセニル基、ピレニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基
などの芳香族炭化水素環、および
チェニル基、ベンゾチェニル基、ジベンゾチェニル基、フリル基、ベンゾフリル基、ピロリル基、インドリル基、ベンゾインドリル基、イソインドリル基、ベンゾイソインドリル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、ナフトピリジル基、キノキサリニル基、フェナントリジル基、フェナントロリニル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基
などの芳香族複素環が挙げられる。
中でも、溶解性および耐熱性に優れ、かつ、合成が容易であるという理由から、一般式(I)および(II)における窒素原子に結合する部分がベンゼン環である場合、すなわち、一般式(I)で表される繰り返し単位は、後述する一般式(I’)で表される構造である場合が好ましく、同様に、一般式(II)で表される繰り返し単位は、後述する一般式(II’)で表される構造である場合が好ましい。なお、一般式(I)で表される繰り返し単位が一般式(I’)で表される構造であり、かつ一般式(II)で表される繰り返し単位が、一般式(II’)で表される構造である場合がより好ましい。
一般式(I)におけるAr1およびAr2、並びに一般式(II)におけるAr6および
Ar7における、芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が有しうる置換基は、本発明化
合物の性能を損なわない限り、任意の基であってよい。好ましくは、一般式(I’)における環A1及び環A2、並びに一般式(II’)における環A6及び環A7、におけるベンゼン環およびその縮合環が有しうる基として後述する基と同様の基が挙げられる。
一般式(I)におけるAr3、および一般式(II)におけるAr8は、各々独立に、p−フェニレン基、m−フェニレン基、または4,4’−ビフェニレン基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
該置換基は、本発明化合物の性能を損なわない限り、任意の基であってよい。好ましくは、例えばメチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;エチニル基等の炭素数2〜6のアルキニル基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜7のアシル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20の炭素数芳香族炭化水素基;チエニル基、ピリジル基、カルバゾリル基等の5または6員環の単環または2〜4縮合環からなる芳香族複素環基、またはこれらが更に置換されてなる基などが挙げられる。
上記「更なる置換基」としては、後述する置換基群Zから選ばれた1種または2種以上が挙げられる。
一般式(I)におけるAr3、および一般式(II)におけるAr8としては、各種溶剤への溶解性に優れる点、及び該高分子化合物を有機電界発光素子に適用した場合に駆動寿命がより優れると予想される点からは、p−フェニレン基またはm−フェニレン基であることが好ましい。
一般式(I)における環A4及び環A5、並びに一般式(II)における環A9及び環A10は、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化
水素基、および置換基を有していてもよい芳香族複素環基よりなる群から選ばれる1種または2種以上で置換されていてもよいベンゼン環を表す。
より具体的には、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;エチニル基等の炭素数2〜6のアルキニル基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜7のアシル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基;チエニル基、ピリジル基、キノリル基、カルバゾリル基等の5または6員環の単環または2〜4縮合環から成る芳香族複素環基、あるいはこれらが更に置換されてなる基、を有していても良いベンゼン環である。
これら「更なる置換基」としては、例えば後述の置換基群Zの1種または2種以上が挙げられる。
環A4、環A5、環A9および環A10としては、無置換のベンゼン環であるか、或いはメチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;エチニル基等の炭素数2〜6のアルキニル基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜7のアシル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基;チエニル基、ピリジル基、キノリル基、カルバゾリル基等の5または6員環の単環または2〜4縮合環から成る芳香族複素環基がより好ましく、無置換のベンゼン環が特に好ましい。
一般式(I)におけるX、および一般式(II)におけるYは、各々独立に、任意の2価の連結基を表す。XおよびYは、本発明化合物の性能を損なわない限り、特に制限はないが、好ましくは、例えば下記部分構造から選ばれた2価の連結基が挙げられる。
Figure 0004186758
上記式中、Ar11ないしAr20は各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族環、好ましくは置換基を有していてもよい、5または6員環の単独または2〜3縮合環の芳香族環基(芳香族炭化水素環および芳香族複素環)であり、具体的にはベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ピリジン環、キノリン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、インドール環、ベンゾフラン環、カルバゾール環等が挙げられる。
このような芳香族環が有しうる置換基としては、以下にR21およびR22の例として挙げ
るものと同様の基が挙げられる。
21およびR22は各々独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族複素環基を表す。より具体的には、水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;エチニル基等の炭素数2〜6のアルキニル基;ベンジル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜20のアシル基;ジフェニルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、炭素数1〜6のアルキル基および/または芳香族炭化水素基を有するアミノ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基;チエニル基、ピリジル基等の、5または6員環の単環または2〜4縮合環からなる芳香族複素環基、またはこれらが更に置換されて成る基が挙げられる。
これらの「更なる置換基」としては、後述する置換基群Zから選ばれた1種または2種以上が挙げられる。
Ar11ないしAr20の置換基、R21、およびR22として特に好ましいものは、水素原子(即ち、無置換)、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、メトキシ基、フェニル基、トリル基である。
XおよびYとして、好ましくは
Figure 0004186758
であり、特に、
Figure 0004186758
であることが好ましい。なお、R31〜R37は、Ar11〜Ar18が有しうる置換基として前述したものであり、好ましい基についても同様であり、R38はR21、R22の置換基として前述したものである。
本発明の高分子化合物において、一般式(I)で表される繰り返し単位は、下記一般式(I’)で表される構造である場合が好ましく、また一般式(II)で表される繰り返し単位は下記一般式(II’)で表される構造である場合が好ましい。また、一般式(I)で表される繰り返し単位が、下記一般式(I’)で表される構造であり、かつ、一般式(II)で表される繰り返し単位が下記一般式(II’)で表される構造である場合が特に好ましい。
Figure 0004186758
上記式中、環A1、環A2、環A6および環A7は各々独立して、ベンゼン環、或いは任意の環が縮合したベンゼン環であり、このベンゼン環および縮合環は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、および置換基を有していてもよい芳香族複素環基よりなる群から選ばれる1種または2種以上の基で置換されていてもよい。
Ar3およびAr8は各々独立に、p−フェニレン基、m−フェニレン基、または4,4’−ビフェニレン基を表し、これらはいずれも、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、および置換基を有していてもよい芳香族複素環基よりな
る群から選ばれる1種または2種以上の置換基で置換されていてもよい。
環A4、環A5、環A9、環A10、XおよびYは各々、前記一般式(I)および(II)におけると同義である。
一般式(I’)における環A1および環A2、並びに一般式(II)における環A6および環A7は各々独立して、ベンゼン環(フェニル基)、或いは任意の環が縮合したベンゼン環を表す。該ベンゼン環に縮合する環は、芳香族炭化水素環または芳香族複素環が好ましく、これらのうち、5または6員環の単環または2〜3縮合環がより好ましい。中でも、耐熱性および化学的安定性の観点から芳香族炭化水素環が好ましい。
この環A1、環A2、環A6および環A7が有しうる置換基は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、および置換基を有していてもよい芳香族複素環基よりなる群から選ばれる1種または2種以上であり、より具体的にはメチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;エチニル基等の炭素数2〜6のアルキニル基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜7のアシル基;ジフェニルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、炭素数1〜6のアルキル基または芳香族炭化水素基を有するアミノ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基;チエニル基、キノリル基、カルバゾリル基等の5または6員環の単環または2〜4縮合環からなる芳香族複素環基、あるいはこれらが更に置換されてなる基である。
これら「更なる置換基」としては、例えば、下記の置換基群Zから選ばれた1種または2種以上が挙げられる。
[置換基群Z]
メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;エチニル基等の炭素数2〜6のアルキニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数2〜10のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、カルバゾリル基等のジアリールアミノ基;フェニルメチルアミノ基等のアリールアルキルアミノ基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、フッ素原子等のハロゲン原子;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;シアノ基;フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;チエニル基等の芳香族複素環基
環A1、環A2、環A6および環A7の置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;エチニル基等の炭素数2〜6のアルキニル基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜7のアシル基;ジフェニルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、炭素数1〜6のアルキル基または芳香族炭化水素基を有するアミノ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基;チエニル基、キノリル基、カルバゾリル基等の5または6員環の単環または2〜4縮合環からなる芳香族複素環基、あるいはこれらが更に置換されてなるがより好ましく、無置換である場合が更に好ましい。
一般式(I’)のAr3、および一般式(II’)のAr8は、p−フェニレン基、m−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基から選ばれる2価の芳香族基であり、これらはいずれも、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、およ
び置換基を有していてもよい芳香族複素環基よりなる群から選ばれる1種または2種以上の置換基で置換されていてもよい。上記各基の具体例としては、一般式(I)におけるAr3、および(II)におけるAr8の項で述べたものと同様の基が挙げられ、好ましい基も前述と同様である。また、一般式(I)におけるAr3、および(II)におけるAr8の項で述べたと同様に、p−フェニレン基またはm−フェニレン基であることが好ましい。
電子分布が偏りなく非局在化するため電荷移動度に優れることと、合成が容易であるとの理由から、本発明の高分子化合物において、同一分子中のAr1とAr6、およびAr2
とAr7は、各々、同一の構造であることが好ましい。またAr1とAr6が同一の構造で
あり、かつAr2とAr7が同一である場合がより好ましく、Ar1、Ar2、Ar6および
Ar7がいずれも同一の構造である場合が更に好ましい。
同様に、同一分子中に前記一般式(I’)で表される繰り返し単位と、前記一般式(II’)で表される繰り返し単位を含む場合、同一分子中の環A1と環A6、および環A2と環A7は、各々、同一の構造であることが好ましい。また環A1と環A6が同一の構造であり、かつ環A2と環A7が同一である場合がより好ましく、環A1、環A2、環A6および環A7がいずれも同一の構造である場合が更に好ましい。
さらに、同一分子中の環A4と環A5、および環A9と環A10は、各々、同一の構造であることが好ましい。また環A4と環A5が同一の構造であり、かつ環A9と環A10が同一である場合がより好ましく、環A4、環A5、環A9および環A10がいずれも同一の構造である場合が更に好ましい。これは、同一分子中に前記一般式(I’)で表される繰り返し単位と、前記一般式(II’)で表される繰り返し単位を含む場合も同様である。
以下に本発明の高分子化合物の繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれにより限定されるものではない。
Figure 0004186758
Figure 0004186758
本発明の高分子化合物において、一般式(I)で表される繰り返し単位と、一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量比(モル比)は、(I)/(II)=0.2〜5程度であることが好ましい。
更に、本発明の高分子化合物の性能を損なわない範囲で、他の種々のモノマー由来の繰り返し単位を含有していてもよい。他のモノマー由来の繰り返し単位としては、例えば前記一般式(I)における−O−X−O−構造部分、および/または(II)における−O−Y−O−構造部分を、
Figure 0004186758
とした繰り返し単位が挙げられるが、有機電界発光素子の製造に有用な化合物としては、前記一般式(I)または(II)で表される繰り返し単位の含有量合計が、1分子あたり20モル%以上のものが好ましく、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上のものである。
本発明の高分子化合物の中、重量平均分子量が1,000〜1,000,000のものが有機電界発光素子の製造に有用である。また、この高分子化合物を含む層を、塗布法により形成する場合には、溶解性および耐熱性の点から重量平均分子量が10,000以上である場合が好ましく、また200,000以下のものが好ましい。
本発明の高分子化合物は、例えば、先ず4−位にヒドロキシ基を有する芳香族ジアミン化合物と3−位にヒドロキシ基を有する芳香族ジアミン化合物を合成し、それらと、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン等の芳香族二
ハロゲン化物、または、メチルフェニルジクロロシラン等の二ハロゲン化ケイ素化合物と反応させることにより得られる。
本発明の高分子化合物は、適度な正孔輸送性を有するため、正孔注入・輸送材料として電子写真感光体、有機電界発光素子、光電変換素子、有機太陽電池、有機整流素子等に好適に使用できる。
また、各種溶媒への溶解性が高く、結晶化し難く、ガラス転移温度が高くて薄膜形成性に優れるため、耐熱性に優れ、長期間安定に駆動(発光)する有機電界発光素子を提供することが可能であり、有機電界発光素子材料として好適である。
本発明の高分子化合物をこれらの用途に供する場合、電子受容性化合物を併用することにより、電荷注入・輸送のバランスを適切に調整できるため好ましい。
なお、本発明の高分子化合物を電子受容性化合物と併用する場合には、該高分子化合物のイオン化ポテンシャルから電子受容性化合物の電子親和力を引いた値は0.7eV以下であることが好ましく、また、これらを含有する層中の電子受容性化合物の含有量は、芳香族アミン含有高分子化合物に対して0.1〜50重量%の範囲であることが好ましい。該電子受容性化合物の種類および併用割合については、本発明の高分子化合物を有機電界発光素子を構成する層に適用した場合を例に、後に詳述する。
次に、本発明の化合物を用いた有機電界発光素子について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、陽極、陰極、およびこれら両極間に設けられた発光層を有し、該発光層として、または該発光層と陽極又は陰極との間に有する層として、本発明の高分子化合物を含む有機電界発光素子材料を用いて形成された層を有することを特徴とする。
本発明の有機電界発光素子において、同一の層内に2種以上の本発明の高分子化合物が含有されていても良い。また、2以上の層に本発明の高分子化合物が含有されている場合、これらの層に含有される該化合物は同一のものであっても異なるものであってもよい。
本発明の高分子化合物は正孔注入・輸送性に優れるため、発光層と陽極との間に設けられた層中に含まれる場合が好ましく、特に陽極(無機材料)との電気的接合が良く、耐熱性が高いというこの層の長所を十分に生かすためには、後掲の図1〜3に示す如く、陽極と接する正孔注入層として形成するのが最も有利であるが、これに限定されるものではない。
以下に、添付図面を参照して、本発明の高分子化合物(を含む有機電界発光素子材料)を、陽極上に設けられた正孔注入層に含有する場合を例に、本発明の有機電界発光素子の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜3は本発明の有機電界発光素子の実施の形態を示す模式的な断面図であ
り、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は電子輸送層、7は陰極を各々表わす。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が低すぎると、基板を通過する外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板のどちらか片側もしくは両側に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保してもよい。
基板1上には陽極2が設けられるが、陽極2は正孔注入層3への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック等により構成される。陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子等を適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。陽極2は異なる物質で積層して形成することも可能である。陽極2の厚みは、必要とされる透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常、60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、陽極2の厚みは、通常、1000nm以下、好ましくは 500nm以下であり、下限は10nm程度、好ましくは20nm程度である。不透明でよい場合には陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
本発明では、図1の素子構造においては、陽極2の上に正孔注入層3が設けられる。この正孔注入層3に用いられる材料に要求される条件としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが挙げられる。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子にはさらに100℃以上の耐熱性を有することが好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、正孔注入層が前記一般式(I)および(II)で表わされる繰り返し単位を有する高分子化合物を含むことを特徴とする。該高分子化合物のみからなる層であってもよいが、更に、電子受容性化合物をも含有する場合が、より好ましい。
本発明においては、通常、100℃以上のTgを有する高分子化合物と電子受容性化合物を混合して用いることで、素子の発光特性と耐熱性を同時に改善することを可能とした。電子供与性の高分子化合物に電子受容性化合物を混合することにより、電荷移動が起こり、結果としてフリーキャリアである正孔が生成し、正孔注入層の電気電導度が高くなる。発光層と陽極との電気的接合が、本発明による正孔注入層を設けることで改善され、駆動電圧が低下すると同時に連続駆動時の安定性も向上する。また、100℃以上のTgを有する高分子化合物を正孔注入層の母体とすることにより、素子の耐熱性も大きく改善される。
本発明の高分子化合物と組み合わせて用いる電子受容性化合物としては、該高分子化合物との間で電荷移動を起こすものであればよいが、本発明者が鋭意検討した結果、本発明の高分子化合物のイオン化ポテンシャル、IP(ポリマー)、と電子受容性化合物(アクセプタ)の電子親和力、EA(アクセプタ)の2つの物性値が、
IP(ポリマー)−EA(アクセプタ)≦ 0.7eV、
の関係式で表される時に本発明の目的に特に有効であることを見出した。
このことを図4のエネルギー準位図を用いて説明する。一般に、イオン化ポテンシャル及び電子親和力は真空準位を基準として決定される。イオン化ポテンシャルは物質のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、電子親和力は真空準位にある電子が物質のLUMO(最低空分子軌道)レベルに落ちて安定化するエネルギーで定義される。図4に示す高分子化合物のHOMOレベルのイオン化ポテンシャルと、電子受容性化合物のLUMOレベルの電子親和力の差が 0.7eV以下であることが好ましい。イオン化ポテンシャルは光電子分光法で直接測定されるか、電気化学的に測定した酸化電位を基準電極に対して補正しても求められる。後者の方法の場合は、例えば、飽和甘コウ電極(SCE)を基準電極として用いたとき、
イオン化ポテンシャル=酸化電位(vs.SCE)+4.3 eV、
で表される(“Molecular Semiconductors”, Sp
ringer−Verlag, 1985年、98頁)。電子親和力は、上述のイオン化ポテンシャルから光学的バンドギャップを差し引いて求められるか、電気化学的な還元電位から上記の式で同様に求められる。
前記イオン化ポテンシャルと電子親和力の関係式は、酸化電位と還元電位を用いて、
高分子化合物の酸化電位−アクセプタの還元電位≦ 0.7V、
と表現することもできる。
電子受容性化合物の含有量は、本発明の高分子化合物に対して0.1〜50重量%の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜30重量%の濃度範囲が実用特性上望ましい。
このような電子受容性化合物としては、例えば、トリアリールホウ素化合物、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物等が挙げられる。これらの電子受容性化合物は、正孔輸送材料と混合して用いられ、正孔輸送材料を酸化することにより正孔注入層の導電率を向上させることができる。
電子受容性化合物として、トリアリールホウ素化合物としては、下記一般式(III)に
示したホウ素化合物が挙げられる。一般式(III)で表されるホウ素化合物は、ルイス酸
であることが好ましい。また、ホウ素化合物の電子親和力は、通常、4eV以上、好ましく、5eV以上である。
Figure 0004186758
一般式(III)において、Ar41〜Ar43は、各々独立に、置換基を有していてもよい
フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基等の5または6員環の単環、またはこれらが2〜3個縮合及び/または直接結合してなる芳香族炭化水素環基;或いは置換基を有していてもよいチエニル基、ピリジル基、トリアジル基、ピラジル基、キノキサリル基等の5または6員環の単環、またはこれらが2〜3個縮合及び/または直接結合してなる芳香族複素環基を表す。
このような置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基等が挙げられる。
このような置換基として、Ar41ないしAr43の少なくとも1つが、ハメット定数(σおよび/またはσ)が正の値を示す置換基を有する化合物であることが好ましく、Ar41ないしAr43が、いずれもハメット定数(σおよび/またはσ)が正の値を示す置換基を有する化合物であることが特に好ましい。このような、電子吸引性の置換基を有することにより、これらの化合物の電子受容性が向上する。また、Ar41ないしAr43がいずれも、ハロゲン原子で置換された芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す化合物であることがさらに好ましい。
一般式(III)で表されるホウ素化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限
定するものではない。
Figure 0004186758
Figure 0004186758
@0013
Figure 0004186758
@0013
これらの中、以下に示す化合物が特に好ましい。
Figure 0004186758
@0013
また、電子受容性化合物として、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物の具体例として、以下に示す化合物が挙げられる
Figure 0004186758
本発明の高分子化合物と電子受容性化合物から成る正孔注入層3は、通常、公知の湿式成膜法により前記陽極2上に形成される。前記一般式(I)および(II)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物と電子受容性化合物の所定量を、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤とを添加し、溶解して塗布溶液を調製し、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法などの塗布法やインクジェット法など印刷法等の各種湿式成膜法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔注入層3を形成する。
正孔注入層3の膜厚の上限は、通常1000nm程度、好ましくは500nm程度であり、また下限は通常5nm程度、好ましくは10nm程度である。
正孔注入層3の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において陰極7からの注入された電子と正孔注入層3から輸送された正孔を効率よく再結合し、かつ、再結合により効率よく発光する材料から形成される。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ〔h〕キノリンの金属錯体(特開平6−322362号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、同2−222484号公報)、ビススチリルアリーレン誘導体(特開平2−247278号公報)、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの金属錯体(特開平8−315983号公報)、シロール誘導体等が挙げられる。これらの発光層材料は、通常は真空蒸着法により正孔注入層3上に積層される。
素子の発光効率を向上させるとともに発光色を変える目的で、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザ用蛍光色素をドープすること(J. Appl. Phys., 65巻, 3610頁, 1989年)等が行われている。
素子の駆動寿命を改善する目的においても、前記発光層材料をホスト材料として、蛍光色素をドープすることは有効である。例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体をホスト材料として、ルブレンに代表されるナフタセン誘導体(特開平4−335087号公報)、キナクリドン誘導体(特開平5−70773号公報)、ペリレン等の縮合多環芳香族炭化水素環(特開平5−198377号公報)を、ホスト材料に対して 0.1〜10重量%ドープすることにより、素子の発光特性、特に駆動安定性を大きく向上させることができる。発光層のホスト材料に上記ナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体、ペリレン等の蛍光色素をドープする方法としては、共蒸着による方法と蒸着源を予め所定の濃度で混合しておく方法がある。
高分子系の発光層材料としては、先に挙げたポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフェン)等の高分子材料や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に発光材料と電子移動材料を混合した系等が挙げられる。これらの材料は正孔注入層3と同様にスピンコートやディップコート等の方法により正孔注入層3上に塗布して薄膜化される。
発光層5の膜厚の上限は、通常200 nm、好ましくは100 nmであり、下限は通常10nm、好ましくは30nmである。
素子の発光特性を向上させるために、図2に示す様に、正孔輸送層4を正孔注入層3と発光層5との間に設けたり、さらには、図3に示す様に電子輸送層6を発光層5と陰極7の間に設けるなどして機能分離型の有機電解発光素子とすることが行われる。
図2および図3の機能分離型素子において、正孔輸送層4の材料としては、正孔注入層3からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層5と直接接する層であるために、発光を消光する物質が含まれていないことが望ましい。
このような正孔輸送材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(9−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族炭化水素環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin., 72-74巻、985頁、1997年
)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem.Commun., 2175頁
、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth. Metals, 91巻、209頁、1997年)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym. Adv. Tech.,
7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
正孔輸送層4は、上記の正孔輸送材料を塗布法あるいは真空蒸着法により前記正孔注入層3上に積層することにより形成される。
塗布法の場合は、正孔輸送材料の1種または2種以上と、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤とを添加し、適当な溶媒に溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層4を形成する。この場合、バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等を用いることができる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、正孔輸送層4中の割合で50重量%以下が好ましい。
真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合って置かれた、正孔注入層3が形成された基板1上に正孔輸送層4を形成させる。
正孔輸送層4の膜厚の上限は、通常300 nm、好ましくは100 nmであり、下限は通常10nm、好ましくは30nmである。このように薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
有機電界発光素子の発光効率をさらに向上させる方法として、図3に示すように発光層4の上にさらに電子輸送層6を積層することもできる。この電子輸送層6に用いられる化合物には、陰極7からの電子注入が容易で、電子の輸送能力がさらに大きいことが要求される。この様な電子輸送材料としては、既に発光層材料として挙げた8−ヒドロキシキノリンのアルミ錯体、オキサジアゾール誘導体(Appl. Phys. Lett., 55巻, 1489頁, 1989
年) やそれらをポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の樹脂に分散した系、フェナン
トロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。
電子輸送層6の膜厚の上限は、通常200 nm、好ましくは100 nmであり、下限は通常5nm
、好ましくは10nmである。
陰極7は、発光層5に電子を注入する役割を果たす。陰極7の形成材料としては、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。さらに、陰極7と発光層5または電子輸送層6の界面にLiF、MgF2、Li2O等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl. Phys. Lett., 70巻,152頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEE Trans. Electron. Devices,44巻,1245頁,1997年)。
陰極7の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
図1〜3は、本発明で採用される素子構造の一例であって、本発明は何ら図示のものに限定されるものではない。例えば、図1とは逆の構造、即ち、基板上に陰極7、発光層5、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2および図3に示した前記各層構成とは逆の構造に積層することも可能である。また、図1〜3
のいずれの層構成においても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、助9宇述以外の層を有していても良く、また上記複数の層の機能を併有する層を採用することにより、層構成を簡略化する等、適宜変更を加えることができる。
或いはまた、トップエミッション構造や、陰極・陽極共に透明電極を用いることにより、透過型ディスプレイとすることも可能である。
このような本発明の有機電界発光素子は、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにも適用することができる。
次に、本発明を原料合成例、合成例、実施例および比較例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
まず、一般式(I)および(II)で表される繰り返し単位を有する高分子を、以下の原料を用いて合成した。
〔原料合成例〕
(1−1)N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(4−メトキシフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(4−MPP)の合成
Figure 0004186758
N,N′−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン(77.0ミリモル)と4−ヨードアニソール(231ミリモル)とをテトラグライム150ミリリットルに溶かし、銅粉末(154ミリモル)および炭酸カリウム(112ミリモル)の存在下、窒素雰囲気中200℃で8時間反応を行った。その結果、式(M1)で示される4−MPP(34.8g、収率96%)を得た。
(1−2)N,N′−ジフェニル−N,N′−(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(4−HPP)の合成
Figure 0004186758
4−MPP(50.0ミリモル)を360ミリリットルの塩化メチレンに溶かし、窒素雰囲気下、ドライアイス−エタノールバスで系内を−65℃以下に冷やし、これに三臭化ほう素(100ミリモル)の塩化メチレン溶液(100ミリリットル)を滴下した。滴下終了後、冷媒バスを外し2時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出し、シリカゲルカラムクロマトフラフィーによって精製した。その結果、式(M2)で示される4−HPP(16.2g、収率73%)を得た。以下に4−HPPの1H−NMRを示す。
δ(DMSO,400MHz)
9.36 (1H, s)
7.19 (4H, dd, J=8.0, 7.9)
6.94 (4H, dd, J=6.9, 2.1)
6.88 (4H, s)
6.87−6.83 (6H, m)
6.75 (4H, dd, J=6.9, 2.1)
(2−1)N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メトキシフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(3−MPP)の合成
Figure 0004186758
N,N′−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン(38.5ミリモル)と3−ヨードアニソール(100ミリモル)とをテトラグライム50ミリリットルに溶かし、銅粉末(76.9ミリモル)および炭酸カリウム(57.7ミリモル)の存在下、窒素雰囲気中200℃で8時間反応を行った。その結果、式(M3)で示される4−MPP(12.0g、収率66%)を得た。
(2−2)N,N′−ジフェニル−N,N′−(3−ヒドロキシフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(3−HPP)の合成
Figure 0004186758
3−MPP(13.4ミリモル)を360ミリリットルの塩化メチレンに溶かし、窒素雰囲気下、ドライアイス−エタノールバスで系内を−65℃以下に冷やし、これに三臭化ほう素(27ミリモル)の塩化メチレン溶液(27ミリリットル)を滴下した。滴下終了後、冷媒バスを外し2時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出し、シリカゲルカラムクロマトフラフィーによって精製した。その結果、式(M4)で示される3−HPP(5.68g、収率95%)を得た。以下に3−HPPの1H−NMRを示す。
d (DMSO,400MHz)
9.36 (1H, s)
7.19 (4H, dd, J=8.0, 7.9)
6.94 (4H, dd, J=6.9, 2.1)
6.88 (4H, s)
6.87−6.83 (6H, m)
6.75 (4H, dd, J=6.9, 2.1)
〔合成例1〕
Figure 0004186758
4−HPP(6.4ミリモル)と3−HPP(1.6ミリモル)と4,4′−ジフルオロベンゾフェノン(8.0ミリモル)とを80ミリリットルのNMPに溶かし、炭酸カリウム(48ミリモル)の存在下、窒素雰囲気中140℃で20時間、縮合反応させた。放冷後、酢酸4ミリリットルを反応系に加え、メタノール中に放出し、得られたポリマーを水洗いし、無機塩を除いた。60℃で減圧乾燥させた後、ポリマーをクロロホルムに溶か
し、メタノールに放出し再沈殿させた。最後に、アセトンで懸洗することにより、低分子量成分を除き、式(U1)および式(U2)で表される繰り返し単位を有するポリマー(P1)(4.23g,85%)を得た。
このポリマー(P1)のTgは167℃、重量平均分子量(Mw)は16,500、数平均分子量(Mn)6,000であり、分子量はTHF中でGPC測定により、ポリスチレンを標準試料として求めた。
合成例2
Figure 0004186758
4−HPP(3.0ミリモル)と3−HPP(2.0ミリモル)を12ミリリットルのトルエンおよび1.2ミリリットルのピリジン中に溶解させ、窒素雰囲気下、内温65℃に加温し、これに3.0ミリリットルのトルエンで希釈したメチルフェニルジクロロシラン(5.0ミリモル)を滴下した。滴下後、65℃で4時間攪拌し反応させた。得られたポリマーを、ポリマーをクロロホルムに溶かし、メタノールに放出し再沈殿させた。減圧乾
燥した後、もう一度、ポリマーをクロロホルムに溶かし、メタノールに放出し再沈殿させ、式(U3)および式(U4)で表される繰り返し単位を有するポリマー(P2)(1.03g,37%)を得た。
このポリマー(P2)のTgは119℃、重量平均分子量(Mw)は39,100、数平均分子量(Mn)5,900であり、分子量はTHF中でGPC測定により、ポリスチレンを標準試料として求めた。
〔実施例1〕
上記ポリマー(P1)のNMP(N−メチルピロリドン)およびテトラリン(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)に溶解させた。その結果を表3に示す。表3に示すようにポリマー(P1)は対応する単一の繰り返し単位を有するポリマー(P3)に比較して高い溶解性を示した。
〔比較例1〕
上記ポリマー(P1)の繰り返し単位の一つである式(U1)のみが繰り返された下記ポリマー(P3)のNMP(N−メチルピロリドン)およびテトラリン(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)に溶解させた。その結果を表3に示す。
Figure 0004186758
(Mw=17300、Mn=5870)
Figure 0004186758
〔実施例2〕
上記ポリマー(P2)のNMP(N−メチルピロリドン)およびトルエンへに溶解させた。その結果を表4に示す。表4に示すようにポリマー(P2)は対応する単一の繰り返し単位を有するポリマー(P4)に比較して高い溶解性を示した。
〔比較例2〕
上記ポリマー(P2)の繰り返し単位の一つである式(U3)のみが繰り返された下記
ポリマー(P4)のNMP(N−メチルピロリドン)およびトルエンに溶解させた。その結果を表4に示す。
Figure 0004186758
(Mw=10900、Mn=4300)
Figure 0004186758
〔実施例3〕
ガラス基板をアセトンで超音波洗浄、純水で水洗、イソプロピルアルコールで超音波洗浄、乾燥窒素で乾燥、UV/オゾン洗浄を行った後、既述の方法により合成したポリマー(P1)を下記の条件で、上記ガラス基板上にスピンコートした:
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 20.0[mg/ml]
スピナ回転数 1500[rpm]
スピナ回転時間 30[秒]
乾燥条件 100℃−1h
上記のスピンコートにより30nmの膜厚の均一な薄膜が形成された。この薄膜試料のイオン化ポテンシャルを理研計器(株)製の紫外線電子分析装置(AC−1)を用いて測定した値を表5に示す。表5に示すようにポリマー(P1)は対応する単一の繰り返し単位を有するポリマー(P3)とほぼ等しいイオン化ポテンシャルを与えた。
〔比較例3〕
ガラス基板をアセトンで超音波洗浄、純水で水洗、イソプロピルアルコールで超音波洗
浄、乾燥窒素で乾燥、UV/オゾン洗浄を行った後、ポリマー(P3)を下記の条件で、上記ガラス基板上にスピンコートした:
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 20.0[mg/ml]
スピナ回転数 1500[rpm]
スピナ回転時間 30[秒]
乾燥条件 100℃−1h
上記のスピンコートにより30nmの膜厚の均一な薄膜が形成された。この薄膜試料のイオン化ポテンシャルを理研計器(株)製の紫外線電子分析装置(AC−1)を用いて測定した値を表5に示す。
〔実施例4〕
ガラス基板をアセトンで超音波洗浄、純水で水洗、イソプロピルアルコールで超音波洗浄、乾燥窒素で乾燥、UV/オゾン洗浄を行った後、既述の方法により合成したポリマー(P2)を下記の条件で、上記ガラス基板上にスピンコートした:
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 5.0[mg/ml]
スピナ回転数 1500[rpm]
スピナ回転時間 30[秒]
乾燥条件 100℃−1h
上記のスピンコートにより30nmの膜厚の均一な薄膜が形成された。この薄膜試料のイオン化ポテンシャルを理研計器(株)製の紫外線電子分析装置(AC−1)を用いて測定した値を表5に示す。表5に示すようにポリマー(P2)は対応する単一の繰り返し単位を有するポリマー(P4)とほぼ等しいイオン化ポテンシャルを与えた。
〔比較例4〕
ガラス基板をアセトンで超音波洗浄、純水で水洗、イソプロピルアルコールで超音波洗浄、乾燥窒素で乾燥、UV/オゾン洗浄を行った後、既述の方法により合成したポリマー(P4)を下記の条件で、上記ガラス基板上にスピンコートした:
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 20.0[mg/ml]
スピナ回転数 1500[rpm]
スピナ回転時間 30[秒]
乾燥条件 100℃−1h
上記のスピンコートにより30nmの膜厚の均一な薄膜が形成された。この薄膜試料のイオン化ポテンシャルを理研計器(株)製の紫外線電子分析装置(AC−1)を用いて測定した値を表5に示す。
Figure 0004186758
〔実施例5〕
図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を 120nm堆積したもの(ジオマテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω/sq)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
このITOガラス基板上に、本発明の高分子化合物(P2)とPPBの混合物を下記の条件で、上記ITOガラス基板上にスピンコートした:
溶媒 安息香酸エチル
(P2) 20.0[mg/ml]
PPB 2.0 [mg/ml]
スピナ回転数 1500[rpm]
スピナ回転時間 30[秒]
乾燥条件 100℃−1h
上記のスピンコートにより30nmの膜厚の均一な薄膜形状を有する正孔注入層3を形成した。
次に、上記正孔注入層を塗布成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7×10-4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを用いて排気した。上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた以下に示す芳香族ジアミン化合物、4,4′−ビス[N−(1−フェナントリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを加熱して蒸着を行った。蒸着時の真空度は1.3×10-6Torr(約1.7×10-4Pa)、蒸着速度は0.1−0.2nm/秒で、膜厚40nmの膜を本発明の高分子化合物(P2)からなる正孔注入層の上に積層して正孔輸送層4を完成させた。
Figure 0004186758
引続き、発光層5の材料として、以下の構造式に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体、Al(C96NO)3、とルブレンとを同時に蒸着した。アルミニウムの8
−ヒドロキシキノリン錯体に対するルブレンの割合は2.0vol.%になるようにした。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は 275〜285℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は1.2×10-6Torr(約1.6×10-4Pa蒸着速度は0.1−0.2nm/秒であった。またルブレンのるつぼ温度は 240〜250℃の範囲で制御し、蒸着速度は0.002−0.004nm/秒であった。このように蒸着された発光層の膜厚は30nmであった。続いて、電子輸送層(6)としてアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体、Al(C96NO)3、を正孔輸送層と同様にして
蒸着を行った。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は 275〜285℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は1.1×10-6Torr(約1.5×10-4Pa)、蒸着速度は0.1−0.2nm/秒で、蒸着された電子輸送層の膜厚は30nmであった。
Figure 0004186758
なお、上記の正孔輸送層4及び発光層5、電子輸送層6を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層6までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7×10-4Pa)以下になるまで排気した。陰極7として、先ず、フッ化リチウム(LiF)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.02nm/秒、真空度7.0×10-6Torr(約9.3×10-4Pa)で、0.5 nmの膜厚で発光層5あるいは電子輸送層6の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.3nm/秒、真空度1×10-5Torr(約1.3×10-3Pa)で膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極7を完成させた。以上の3層型陰極7の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表6にに示す。表6において、発光輝度は250mA/cm2の電流密度での値、発光効率は100cd/m2での値、輝度/電流は輝度−電流密度特性の傾きを、電圧は100cd/m2での値を各々示す。表6より、対応する単一の
繰り返し単位を有するポリマー(P3)と同等の特性をもつ、駆動電圧の低い、高輝度かつ高発光効率で発光する素子が得られたことが明らかである。
〔比較例5〕
本発明のポリマー(P2)の代わりに、対応する単一の繰り返し単位のみを有するポリマー(P4)を用い、正孔注入層3を形成する際の、ITOガラス基板上へのスピンコートの条件を:
溶媒 安息香酸エチル
(P4) 20.0[mg/ml]
PPB 2.0 [mg/ml]
スピナ回転数 1500[rpm]
スピナ回転時間 30[秒]
乾燥条件 100℃−1h
とした他は、実施例5と同様に素子を作成した。この素子の発光特性を表6に示す。
Figure 0004186758
Figure 0004186758
有機電界発光素子の一例を示した模式断面図。 有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。 有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。 イオン化ポテンシャルと電子親和力の関係を示したエネルギー準位。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 陰極

Claims (12)

  1. 記一般式(I’)で表される繰り返し単位および下記一般式(II’)で表される繰り返し単位を含有する、重量平均分子量が1,000〜1,000,000である高分子化合物。
    Figure 0004186758
    (式中、環A1、環A2、環A6および環A7は各々独立して、ベンゼン環、或いは任意の環が縮合したベンゼン環であり、このベンゼン環および縮合環は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、および置換基を有していてもよい芳香族複素環基よりなる群から選ばれる1種または2
    種以上の基で置換されていてもよい。
    Ar3およびAr8は各々独立に、p−フェニレン基、m−フェニレン基、または4,4’−ビフェニレン基を表し、これらはいずれも、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、および置換基を有していてもよい芳香族複素環基よりなる群から選ばれる1種または2種以上の置換基で置換されていてもよい。
    環A4、環A5、環A9および環A10は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、および置換基を有していてもよい芳香族複素環基よりなる群から選ばれる1種または2種以上の置換基で置換されていてもよいベンゼン環を示す。
    およびYは各々独立に、下記構造式で表される部分構造からなる群より選ばれた2価の連結基である。)
    Figure 0004186758
    (式中、Ar 11 ないしAr 20 は、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、R 21 およびR 22 は、各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。)
  2. 前記一般式(I)で表される繰り返し単位と、前記一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量比(モル比)が、(I)/(II)=0.2〜5である、請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 請求項1または2に記載の高分子化合物を含有する、正孔注入・輸送材料。
  4. さらに、電子受容性化合物を含有する、請求項記載の正孔注入・輸送材料。
  5. 前記高分子化合物のイオン化ポテンシャルから、前記電子受容性化合物の電子親和力を引いた値が0.7eV以下である、請求項記載の正孔注入・輸送材料。
  6. 前記電子受容性化合物の含有量が、前記高分子化合物に対して0.1〜50重量%の範囲である、請求項またはに記載の正孔注入・輸送材料。
  7. 請求項1または2に記載の高分子化合物を含有する、有機電界発光素子材料。
  8. さらに、電子受容性化合物を含有する、請求項記載の有機電界発光素子材料。
  9. 前記高分子化合物のイオン化ポテンシャルから、前記電子受容性化合物の電子親和力を引いた値が0.7eV以下である、請求項記載の有機電界発光素子材料。
  10. 前記電子受容性化合物の含有量が、前記高分子化合物に対して0.1〜50重量%の範囲である、請求項またはに記載の有機電界発光素子材料。
  11. 陽極、陰極、および該両極間に存在する発光層を有する有機電界発光素子であり、請求項ないし10のいずれか一項に記載の有機電界発光素子材料を用いて形成された層を有することを特徴とする、有機電界発光素子。
  12. 該有機電界発光素子材料を用いて形成された層を、発光層と陽極との間に有する、請求項11記載の有機電界発光素子。
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