JP4186553B2 - 車両用油圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用油圧制御装置に係り、特に、パワーステアリング装置および自動変速機用の作動油を共通の電動式オイルポンプを用いて圧送する際のその電動式オイルポンプの制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用自動変速機は、変速制御などのために油圧アクチュエータを備えているとともに、その油圧アクチュエータを制御するための油圧制御装置が設けられており、その油圧制御装置の油圧源として電動モータにより回転駆動される電動式オイルポンプが用いられる場合がある。そして、この電動式オイルポンプの回転速度制御によって、必要油圧、リーク分を含む必要流量、ポンプ効率などを考慮して、電動モータの回転速度が必要最低限に決定され、これをもってオイルポンプの回転速度が制御されることにより、電動モータの消費電力や騒音が必要最小限とされる。たとえば、特開平2000−27992号公報に記載された油圧制御装置がそれである。
【0003】
一方、ステアリングホイールの回転操作時(操舵時)に作動油によりアシスト力を加えるパワーステアリング装置が近年多用されているが、そのパワーステアリング装置に必要な作動油についても、上記自動変速機用の電動式オイルポンプを用いて圧送するようにしたものがある。すなわち、操舵時以外は主として自動変速機の制御に必要な作動油量や油圧に応じて求められたモータ回転速度となるように、オイルポンプの電動モータをフィードバック制御し、操舵時には、自動変速機およびパワーステアリング装置の両方に必要な作動油量や油圧に応じて求められたモータ回転速度となるように、オイルポンプの電動モータをフィードバック制御するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電動モータのフィードバック制御のゲインは、自動変速機に対する作動油供給に基づいて定められていたため、パワーステアリング装置に対しては必ずしも適合せず、例えば急操舵などでパワーステアリング装置の油圧負荷が急に大きくなった場合に十分な応答性が得られず、作動油不足でステアリングホイールの回転操作時に引っ掛かり感を生じることがあった。パワーステアリング装置に対する応答性を考慮してゲインを高くすると、非操舵時における自動変速機の油圧特性が敏感になって制御系が不安定になり、外乱などで油圧が低下した時にクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素がスリップしたり、ベルト式無段変速機の場合にベルト滑りが発生したりする可能性がある。このようなベルト滑りなどを回避するためにマージンを大きくすると、定常的にオイルポンプの回転速度が過大になるため、電力消費や燃費の点で好ましくない。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、パワーステアリング装置および自動変速機に必要な作動油を共通の電動式オイルポンプを用いて圧送する油圧制御装置において適切な応答性が得られるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、パワーステアリング装置の作動に用いられる作動油と、自動変速機の作動に用いられる作動油とを、共通の電動式オイルポンプを用いて供給する車両用油圧制御装置であって、(a) 前記パワーステアリング装置および前記自動変速機の作動状態に基づいて、前記電動式オイルポンプの目標回転速度を決定する目標回転速度決定手段と、(b) 前記電動式オイルポンプの実際の回転速度が前記目標回転速度と一致するようにフィードバック制御するポンプ制御手段と、(c) 前記パワーステアリング装置の作動時には、そのパワーステアリング装置の非作動時に比べて前記フィードバック制御のゲインを大きくするゲイン変更手段と、を有し、且つ、 (d) そのゲイン変更手段は、前記パワーステアリング装置の作動時にはステアリングホイールの操舵角または角速度をパラメータとして前記ゲインを変更し、そのパワーステアリング装置の非作動時には車速をパラメータとして前記ゲインを変更することを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明の車両用油圧制御装置において、 (a) 前記電動式オイルポンプは、前記パワーステアリング装置用および前記自動変速機用の一対のオイルポンプを共通の電動モータにより同時に回転駆動して作動油を圧送するもので、(b) 前記目標回転速度決定手段は、前記自動変速機の作動に必要な作動油量を供給できるパワートレーン側目標回転速度と、前記パワーステアリング装置の作動に必要な作動油量を供給できるパワステ側目標回転速度とを比較して、大きい方の回転速度を前記目標回転速度として選択するもので、(c) 前記ポンプ制御手段は、前記電動モータの実際の回転速度が前記目標回転速度と一致するように、前記ゲイン変更手段によって定められたゲインを用いてその電動モータをフィードバック制御することを特徴とする。
【0008】
【発明の効果】
このような車両用油圧制御装置においては、パワーステアリング装置および自動変速機に作動油を圧送する電動式オイルポンプの回転速度を目標回転速度と一致させるフィードバック制御のゲインが、パワーステアリング装置の作動状態に基づいて変更されるため、パワーステアリング装置の作動時、非作動時における油圧制御の応答性をそれぞれ適切に制御することができる。すなわち、パワーステアリング装置の作動時すなわち操舵時には、フィードバック制御のゲインが相対的に大きくされるため、制御の応答性が高くなり、急操舵時でも十分な作動油が供給されるようになり、ステアリングホイールを回転操作する際の引っ掛かり感を低減できる。また、パワーステアリング装置の非作動時すなわち非操舵時には、フィードバック制御のゲインが相対的に小さくされるため、制御の安定性が高くなり、油圧変化に起因するベルト式無段変速機のベルト滑りなどを防止できるとともに、ベルト滑り等を回避するために電動モータの回転速度を定常的に大きくする場合に比較して電力消費や燃費が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
ここで、前記自動変速機としては、有効径が可変な一対の可変プーリに伝動ベルトが巻きかけられ、変速用油圧アクチュエータによって一方の可変プーリの有効径が変化させられることにより変速比が連続的に変更され、挟圧用油圧アクチュエータによって他方の可変プーリの有効径が変化させられることによりベルト挟圧力が調整されるベルト式無段変速機が好適に用いられるが、遊星歯車式等の有段変速機やその他の自動変速機を採用することもできる。
【0010】
パワーステアリング装置としては、作動油によってステアリングホイールの回転操作(操舵)がアシストされるとともに、その操舵時(パワーステアリング装置の作動時)と非操舵時(非作動時)とで必要な作動油量が変化するものであれば、種々の形態のものを採用できる。
【0011】
電動式オイルポンプは、例えば単一の電動モータによって単一のオイルポンプを回転駆動するように構成されるが、複数のオイルポンプを単一の電動モータで同時に回転駆動したり、複数の電動モータを作動させてオイルポンプを回転駆動したりするなど、パワーステアリング装置用および自動変速機用の作動油を同じ油圧回路を通して供給する種々の態様が可能である。
【0012】
目標回転速度決定手段は、例えばパワーステアリング装置および自動変速機に必要な作動油量をそれぞれ求め、それ等を加算した作動油量を供給できる目標回転速度を算出するように構成されるが、パワーステアリング装置用および自動変速機用の一対のオイルポンプを同時に回転駆動して作動油を圧送する場合には、それ等に必要な作動油量をそれぞれ求めて多い方の作動油量を供給できる目標回転速度を求めるなど、種々の態様が可能である。
【0014】
パワーステアリング装置の作動状態は、ステアリングホイールの操舵角や角速度から判断できるが、ステアリングホイールの回転操作(操舵)に伴ってパワーステアリング装置の油圧回路の油圧が変化するとともに、その油圧変化に伴って電動式オイルポンプの回転速度も変化するため、それ等の油圧変化や回転速度変化からパワーステアリング装置の作動の有無を判断することもできる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である車両用油圧制御装置を備えている車両用駆動装置10の骨子図である。この車両用駆動装置10は、所謂ハイブリッド車両用のもので、燃料の燃焼で動力を発生する内燃機関等のエンジン12、電動モータおよび発電機として用いられるモータジェネレータ14、ダブルピニオン型の遊星歯車装置16、および自動変速機18を備えて構成されており、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などに横置きに搭載されて使用される。エンジン12およびモータジェネレータ14は駆動力源として機能し、遊星歯車装置16を経て自動変速機18に動力が伝達されるとともに、その自動変速機18の出力軸26からカウンタ歯車32、リングギヤ34、差動装置36を介して左右の駆動輪38に動力が伝達される。
【0016】
遊星歯車装置16のサンギヤ16sにはエンジン12が連結され、キャリア16cにはモータジェネレータ14が連結され、リングギヤ16rは第1ブレーキB1を介して位置固定のケース(変速機ハウジング)20に連結されるようになっている。また、互いに噛み合い且つ上記リングギヤ16rおよびサンギヤ16sに噛み合う1対のピニオン(遊星ギヤ)16pを回転可能に支持するキャリア16cは第1クラッチC1を介して自動変速機18の入力軸22に連結され、リングギヤ16rは第2クラッチC2を介して入力軸22に連結されるようになっている。クラッチC1、C2および第1ブレーキB1は、何れも油圧によって摩擦係合させられる湿式多板式の油圧式摩擦係合装置で、ソレノイド弁などにより油圧回路が切り換えられて係合、解放状態が変更されることにより、図2に示すように図示しないシフトレバーの操作位置(レバーポジション)に応じて複数の走行モードを成立させる。図2の「○」は係合で、「×」は解放を意味している。上記遊星歯車装置16は歯車式の動力合成分配装置或いは電気トルコンとして機能している。
【0017】
前記自動変速機18は、本実施例ではベルト式無段変速機であり、入力軸22に設けられた有効径が可変の入力側可変プーリ24と、出力軸26に設けられた有効径が可変の出力側可変プーリ28と、それら入力側可変プーリ24および出力側可変プーリ28に巻き掛けられた伝動ベルト30とを備えている。そして、図示しない変速用油圧アクチュエータによって入力側可変プーリ24の有効径が変化させられることにより変速比γ(=入力軸22の回転速度NIN/出力軸26の回転速度NOUT )が制御され、図示しない挟圧用油圧アクチュエータによって出力側可変プーリ28の有効径が変化させられることにより伝動ベルト30の張力すなわち挟圧力が、ベルト滑りを生じない必要かつ十分な大きさに制御されるようになっている。
【0018】
図3は、上記車両に設けられた油圧制御装置40の構成を説明する図である。この油圧制御装置40は、本発明の一実施例である車両用油圧制御装置に相当し、パワーステアリング装置すなわちパワーステアリング用油圧制御回路42、パワートレーン用(変速、ベルト挟圧、および走行モード切換用)油圧制御回路44、およびそれ等の油圧制御回路42、44に対して作動油を圧送する共通の電動式オイルポンプ46を備えている。電動式オイルポンプ46は、単一の電動モータ50によって回転駆動されるパワーステアリング用の第1ポンプ52、パワートレーン用の第2ポンプ54を備えており、それ等のポンプ52、54は例えばベーン式ポンプなどで構成されている。
【0019】
第1ポンプ52は、オイルタンク56内へ還流した作動油をライン油路58へ圧送し、第2ポンプ54もオイルタンク56内へ還流した作動油を逆止弁60を介してライン油路58へ圧送する。ライン圧調圧弁62は、リリーフ弁形式の弁であり、例えば電子制御装置からの指令に従って逃がし油量を調節することにより、所定のライン油圧PLを発生させる。潤滑油調圧弁64は、ライン圧調圧弁62から流出させられた余剰分の作動油の圧力を潤滑油として送ることができる予め設定された圧に調圧し、この調圧のために流出させた余剰作動油を第1戻し油路66を通して第2ポンプ54の吸入ポートに還流させる。上記ライン圧調圧弁62と潤滑油調圧弁64との間には、潤滑油を冷却させるための第2戻し油路68が接続され、その第2戻し油路68に設けられたオイルクーラー70を通しても作動油がオイルタンク56内へ還流させられるようになっている。上記潤滑油調圧弁64或いはライン圧調圧弁62とオイルクーラー70との間には、絞り72およびクーラーコントロール(バイパス)弁74が並列に設けられており、そのクーラーコントロール弁74が開閉されることにより、オイルクーラー70の流量が切り換えられるようになっている。
【0020】
前記パワーステアリング用の油圧制御回路42は、上記ライン油路58を通して供給される作動油を、ステアリングホイール80により操作されるロータリバルブ82を用いて、前輪の操舵を助勢するステアリングアシストシリンダ84へ供給し、ステアリングホイール80に加えられる操舵力に応じた駆動力(アシスト力)を発生させる。また、パワートレーン用油圧制御回路44は、同じくライン油路58を通して供給される作動油に基づいて、前記自動変速機18を変速したりベルト挟圧力を制御したりするとともに、前記クラッチC1、C2および第1ブレーキB1の作動状態を切り換えて所定の走行モードを成立させるもので、油圧回路を電気的に切り換えたり油圧を調整したりするソレノイド弁、リニアソレノイド弁などを備えている。
【0021】
図4は、本実施例の車両用駆動装置10が備えている制御系統の要部を示すブロック線図で、自動変速機用電子制御装置100およびハイブリッド用電子制御装置102は、何れもCPU、RAM、ROM、入出力インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータから構成されている。自動変速機用電子制御装置100には、車速センサ104、レバーポジションセンサ106、アクセル操作量センサ108、入力軸回転速度センサ110、出力軸回転速度センサ112、油温センサ114などから、車速V、シフトレバーのレバーポジションPSH、アクセルペダルの操作量θACC 、入力軸回転速度NIN、出力軸回転速度NOUT 、油圧制御回路42、44の作動油の油温TOIL などの信号が入力される。そして、自動変速機用電子制御装置100は、予め記憶されたプログラムに従って入力信号を処理することにより、良好な燃費が得られるように予め求められた関係からアクセル操作量θACC および車速Vに基づいてそれらが大きくなる程大きい値となる目標変速比γM を決定し、自動変速機18の実際の変速比γがその目標変速比γM と一致するように、変速用油圧アクチュエータに供給する油圧をリニアソレノイド弁などにより制御する。また、上記変速比γやエンジン12のスロットル弁開度、モータジェネレータ14のモータトルクなどに基づいて、ベルト滑りが生じない必要且つ十分なベルト挟圧力を求め、そのベルト挟圧力が得られるように挟圧用油圧アクチュエータに供給する油圧をリニアソレノイド弁などにより制御する。
【0022】
ハイブリッド用電子制御装置102は、上記自動変速機用電子制御装置100との間で通信回線を介して接続されており、必要な情報が相互に授受されるようになっているとともに、操舵角センサ116、ライン油圧センサ118、SOCセンサ120、モータ回転速度センサ122などから、ステアリングホイール80の回転操作量である操舵角θST、前記ライン油圧PL、バッテリ124の蓄電量(残量)SOC、電動モータ50の回転速度NOPなどの信号が入力される。このハイブリッド用電子制御装置102は、予め記憶されたプログラムに従って入力信号を処理することにより、図2の走行モードの何れかをシフトレバーの操作位置、バッテリ124の蓄電量SOC、アクセル操作量θACC などに基づいて選択し、選択した走行モードが成立するようにソレノイド弁などにより油圧回路を切り換える。上記モータ回転速度NOPは、第1ポンプ52および第2ポンプ54の回転速度すなわち電動式オイルポンプ46の回転速度と同じである。また、モータ回転速度センサ122は、例えばホール素子を用いて構成される。
【0023】
ハイブリッド用電子制御装置102はまた、油圧制御装置40の油圧源として機能する電動式オイルポンプ46の回転速度、すなわち電動モータ50の回転速度NOPを必要かつ十分な大きさに制御する。インバータ126は、ハイブリッド用電子制御装置102からの指令に従って、回生制御により前記モータジェネレータ14から出力された電気エネルギを用いてバッテリ124を充電するとともに、電動モータ50の回転速度NOPを制御するためにたとえば数百ボルトの3相交流の駆動電流を電動モータ50へ供給する。
【0024】
図5は上記ハイブリッド用電子制御装置102の制御機能の要部、すなわちパワーステアリング用の油圧制御回路42において必要とされる作動油量、およびパワートレーン用油圧制御回路44において必要とされる作動油量を、少ない電力消費によって必要かつ十分に確保するための制御機能を説明する機能ブロック線図で、パワートレーン側目標回転速度演算手段130、パワステ側目標回転速度演算手段132、目標回転速度決定手段134、ポンプ制御手段136、操舵中判定手段138、およびゲイン変更手段140を機能的に備えている。
【0025】
上記パワートレーン側目標回転速度演算手段130は、予め記憶された関係から、実際の自動変速機(ベルト式無段変速機)18の変速比γや、入力トルク(ライン油圧PLなど)、油温TOIL 、レバーポジションPSHなどに基づいて、自動変速機18の作動や走行モードの切換などパワートレーン用油圧制御回路44に必要な作動油量が得られるパワートレーン側目標回転速度Nopacm を算出する。また、パワステ側目標回転速度演算手段132は、予め記憶された関係から、油温TOIL や操舵角θST、操舵角θSTの角速度(変化速度)ΔθSTなどにに基づいて、パワーステアリング用油圧制御回路42の作動に必要な作動油量が得られるパワステ側目標回転速度Nopbcm を算出する。
【0026】
そして、目標回転速度決定手段134は、自動変速機18などパワートレーン用の油圧制御回路44で必要とされる作動油量が得られるように上記パワートレーン側目標回転速度演算手段130で求められたパワートレーン側目標回転速度Nopacm と、パワーステアリング用の油圧制御回路42で必要とされる作動油量が得られるように上記パワステ側目標回転速度演算手段132で求められたパワステ側目標回転速度Nopbcm とを比較して、大きい方の回転速度を目標回転速度NOP * として選択し、その目標回転速度NOP * をポンプ制御手段136に出力する。ポンプ制御手段136は、モータ回転速度センサ122から供給される実際のモータ回転速度NOPが目標回転速度NOP * と一致するように、ゲイン変更手段140から供給されるフィードバックゲインGFBを用いて、電動モータ50のモータ電流をフィードバック制御し、これにより油圧制御回路42、44で必要な作動油量が電動式オイルポンプ46から出力される。
【0027】
一方、操舵中判定手段138は、ステアリングホイール80が所定の操舵中すなわちパワーステアリング用油圧制御回路42により油圧によるアシストが行われる程度の操舵中か否かを判断するもので、例えば図6のフローチャートに従って信号処理を行う。図6のステップS1では操舵角センサ116から操舵角θSTを読み込み、ステップS2ではその操舵角θSTの角速度(変化速度)ΔθSTを算出する。そして、ステップS3では、その角速度ΔθSTが予め定められた操舵判定値α以上か否かを判断し、ΔθST≧αの場合はステップS4で操舵中である旨の判定を行い、そのことをゲイン変更手段140に出力する一方、ΔθST<αの場合はステップS5で操舵中でない旨の判定を行う。操舵判定値αは一定値であっても良いが、車速Vやライン油圧PLなどをパラメータとして異なる値が設定されるようにしても良い。
【0028】
ゲイン変更手段140は、操舵中か否かによってフィードバックゲインGFBを切り換えるもので、操舵中の場合はフィードバックゲインGFBを大きくして制御の応答性を高くし、急操舵時でも十分な量の作動油がパワーステアリング用油圧制御回路42に速やかに供給されるようにする。これにより、操舵に伴って目標回転速度NOP * が上昇した時には、実際のモータ回転速度NOPがその目標回転速度NOP * に追従して速やかに上昇させられ、操舵力のアシストに必要な十分な量の作動油がパワーステアリング用油圧制御回路42に速やかに供給される。また、目標回転速度NOP * が略一定の状態でも、ステアリングホイール80の操作でパワーステアリング用油圧制御回路42の油圧が上昇し、電動モータ50の回転速度NOPが低下した場合には、回転速度NOPが目標回転速度NOP * に速やかに復帰させられることにより、パワーステアリング用油圧制御回路42に十分な量の作動油が速やかに供給されるようになる。一方、操舵中でない場合は、フィードバックゲインGFBを小さくして制御の安定性を高め、外乱等に起因するライン油圧PLの変動で自動変速機18がベルト滑りなどを発生することを防止する。
【0029】
なお、操舵中の場合のフィードバックゲインGFBは、角速度ΔθSTやライン油圧PLなどをパラメータとしてマップや演算式などによりきめ細かく設定され、操舵中でない時のフィードバックゲインGFBは、車速Vやライン油圧PLなどをパラメータとしてマップや演算式などによりきめ細かく設定される。
【0030】
このように、本実施例の油圧制御装置40は、パワーステアリング用の油圧制御回路42およびパワートレーン用の油圧制御回路44に作動油を圧送する電動式オイルポンプ46の回転速度NOPを目標回転速度NOP * と一致させるように電動モータ50をフィードバック制御する際のフィードバックゲインGFBが、操舵中か否かによって切り換えられ、操舵中の時にはフィードバックゲインGFBが大きくされて制御の応答性が高められるため、急操舵時でも十分な作動油がパワーステアリング用油圧制御回路42に速やかに供給されてステアリングホイール80の操舵時の引っ掛かり感が低減される。また、操舵中でない時にはフィードバックゲインGFBが小さくされて制御の安定性が高められるため、外乱などによるライン油圧PLの変化に起因して自動変速機18がベルト滑りなどを生じることが防止されるとともに、ベルト滑り等を回避するために電動モータ50の回転速度NOPを定常的に大きくする場合に比較して電力消費や燃費が向上する。
【0031】
なお、上記実施例では操舵角θSTに基づいて操舵中か否かを判定するようになっていたが、例えば図7に示すようにライン油圧PLの変化速度ΔPLやモータ回転速度NOPの変化速度ΔNOPに基づいて操舵中か否かを判定することもできる。すなわち、ステアリングホイール80が回転操作されると、ロータリバルブ82の回転でパワーステアリング用油圧制御回路42の油圧やライン油圧PLが上昇し、ライン油圧PLが上昇すると電動モータ50の負荷が大きくなってモータ回転速度NOPが一時的に低下するため、それ等のライン油圧PL、モータ回転速度NOPの変化速度ΔPL、ΔNOPに基づいて、所定の操舵中か否かを判定することができるのである。
【0032】
図7のステップR1では上記ライン油圧PLの変化速度ΔPLを算出し、ステップR2ではモータ回転速度NOPの変化速度ΔNOPを算出する。そして、ステップR3では、変化速度ΔPLが予め定められた操舵判定値β1以上で且つ変化速度ΔNOPが予め定められた操舵判定値β2以下か否かを判断し、両方とも満足する場合はステップR4で操舵中である旨の判定を行い、何れか一方でも満足しない場合はステップR5で操舵中でない旨の判定を行う。操舵判定値β1、β2は、それぞれ一定値が定められても良いが、車速Vやライン油圧PLなどをパラメータとして異なる値が設定されるようにしても良い。なお、上記変化速度ΔPLおよびΔNOPの何れか一方のみを用いて操舵中か否かの判定を行うこともできる。
【0033】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用油圧制御装置を備えている車両用駆動装置の骨子図である。
【図2】図1の車両用駆動装置の走行モードと油圧式摩擦係合装置の作動との対応関係を説明する図である。
【図3】図1の車両用駆動装置が備えている油圧制御装置の概略構成を説明する油圧回路図である。
【図4】図1の車両用駆動装置が備えている制御系統を説明するブロック線図である。
【図5】図4のハイブリッド用電子制御装置が備えている機能の一部を説明するブロック線図である。
【図6】図5の操舵中判定手段による信号処理の内容を具体的に説明するフローチャートである。
【図7】図5の操舵中判定手段の別の態様を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
18:自動変速機 40:油圧制御装置 42:パワーステアリング用油圧制御回路(パワーステアリング装置) 46:電動式オイルポンプ 50:電動モータ 52:第1ポンプ(オイルポンプ) 54:第2ポンプ(オイルポンプ) 80:ステアリングホイール 102:ハイブリッド用電子制御装置 134:目標回転速度決定手段 136:ポンプ制御手段 140:ゲイン変更手段 NOP:モータ回転速度 NOP * :目標回転速度 opacm :パワートレーン側目標回転速度 N opbcm :パワステ側目標回転速度FB:フィードバックゲイン

Claims (2)

  1. パワーステアリング装置の作動に用いられる作動油と、自動変速機の作動に用いられる作動油とを、共通の電動式オイルポンプを用いて供給する車両用油圧制御装置であって、
    前記パワーステアリング装置および前記自動変速機の作動状態に基づいて、前記電動式オイルポンプの目標回転速度を決定する目標回転速度決定手段と、
    前記電動式オイルポンプの実際の回転速度が前記目標回転速度と一致するようにフィードバック制御するポンプ制御手段と、
    前記パワーステアリング装置の作動時には、該パワーステアリング装置の非作動時に比べて前記フィードバック制御のゲインを大きくするゲイン変更手段と、
    を有し、且つ、
    該ゲイン変更手段は、前記パワーステアリング装置の作動時にはステアリングホイールの操舵角または角速度をパラメータとして前記ゲインを変更し、該パワーステアリング装置の非作動時には車速をパラメータとして前記ゲインを変更する
    ことを特徴とする車両用油圧制御装置。
  2. 前記電動式オイルポンプは、前記パワーステアリング装置用および前記自動変速機用の一対のオイルポンプを共通の電動モータにより同時に回転駆動して作動油を圧送するもので、
    前記目標回転速度決定手段は、前記自動変速機の作動に必要な作動油量を供給できるパワートレーン側目標回転速度と、前記パワーステアリング装置の作動に必要な作動油量を供給できるパワステ側目標回転速度とを比較して、大きい方の回転速度を前記目標回転速度として選択するもので、
    前記ポンプ制御手段は、前記電動モータの実際の回転速度が前記目標回転速度と一致するように、前記ゲイン変更手段によって定められたゲインを用いて該電動モータをフィードバック制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用油圧制御装置。
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