JP4185318B2 - 鋳型用粘結剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳造用砂型において使用されるフェノールウレタン系のガス硬化鋳型または自硬化性鋳型を製造するための粘結剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋳造用の鋳型の工業的製造方法としては、その製造に際し加熱を必要としないため、エネルギー消費の点で有利なコールドボックス法により製造されたガス硬化型または触媒等のガスを通気しない自硬化性鋳型が広く知られている。
例として、ガス硬化型のコールドボックス法による鋳型の製造方法について説明する。まず、フェノール樹脂溶液、ポリイソシアネート化合物溶液及び粒状耐火性骨材をミキサーで混合して粘結剤で被覆された粒状耐火性骨材を調製し、これを鋳型製造用の型枠内に吹き込んで成形する。次に、この型枠内に気体またはエアロゾル状第三級アミン硬化触媒を透過させることにより常温で硬化させ脱型して、鋳造用の鋳型を製造する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の方法により製造した鋳造用の鋳型は、型枠から鋳型を脱型した際に、離型性が十分でないため、型枠内に砂等の粒状耐火性骨材が残留する現象(しみつき)が生じ、再び粒状耐火性骨材を型枠内に充填し、硬化させ鋳型を得ようとすると、しみつきのため鋳型の表面が滑らかではなくなるという問題が生じていた。
このため、成形型へのしみつきが生じ易い場合には、離型剤を毎回塗布したり、頻繁に清掃するなどの対応を余儀なくされ、生産性の低下という問題が生じていた。
また、離型剤を予め鋳型の粘結剤に混合した後に粒状耐火性骨材と混ぜて鋳型を得る方法も提案されているが、混ぜる前の粘結剤の形態がフェノール樹脂溶液、ポリイソシアネート化合物溶液、離型剤と3体になり作業性が悪い、あるいは、粘結剤の形態を2体となるように離型剤をフェノール樹脂溶液またはポリイソシアネート溶液の中に混合しようとすると、相溶性が悪く、離型剤とフェノール樹脂溶液またはポリイソシアネート化合物溶液との間で分離が生じ、粒状耐火性骨材とこれらの粘結剤を混練する際に、混合不良による強度低下、離型剤が均一に分散しないために起こるしみつき等の問題が生じていた。
本発明は、前記問題点を解決すべくなされたもので、砂型鋳造で用いる鋳型として必要な強度を有し、成形型への離型性(しみつき)を改善された前記ガス硬化型、自硬性鋳型等のフェノールウレタン系鋳型を製造するための粘結剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は鋳型の粘結剤の構成に、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールを反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを加えることにより、得られる鋳型の強度を損なうことなく、鋳型の成形型へのしみつきを改善することができることを見出した。
すなわち本発明は、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールを反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、水酸基を有するフェノール樹脂とを予め一部又は全部反応させた後に、ポリイソシアネート化合物と反応させて得られる化合物を必須成分として含有すること、を特徴とする鋳型用粘結剤である。
【0005】
本発明において使用されるフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類(好ましくはホルムアルデヒド)とを付加・縮合反応させて得られる有機溶剤に溶解するベンジリックエーテル型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂あるいはノボラック型フェノール樹脂およびこれらの変性フェノール樹脂ならびにこれらの混合物である。
これらの樹脂は、低粘度化、ポリイソシアネート成分との相溶性、粒状耐火性骨材へのコーティング性等の観点から一般に有機溶剤に溶解され、好ましくは有効成分量が約40〜80質量%のフェノール樹脂溶液として調製される。
【0006】
本発明において使用されるポリイソシアネート化合物としては、前記フェノール樹脂の活性水素と反応するイソシアネート基を分子内に2個以上有するイソシアネート化合物である。
ポリイソシアネート化合物としては、公知の芳香族、脂肪族あるいは脂環式のポリイシシアネートを使用することができ、例示すると、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下ポリメリックMDIという)、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’一ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、これらのポリイソシアネート化合物とポリオール(ポリエーテルポリオールを除く)とを反応させて得られるイソシアネート基を有するプレポリマーを挙げることができる。これらは、1種でも良く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのポリイソシアネート化合物も有機溶媒に溶解され有効成分量が好ましくは30質量%以上のポリイソシアネート溶液として使用されるが、ポリイソシアネート原液で使用してもよい。
【0007】
本発明に係るフェノール樹脂またはポリイソシアネート化合物に使用する溶剤としては、鋳物用の粘結剤に使用されている溶剤は、いずれも使用することができる。具体的には、脂肪族炭化水素系、脂環式炭化水素系、芳香族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系、アルコール系等の有機溶剤を単独でまたは混合して使用することができる。
好ましい溶剤としては、エステル系溶剤としてコハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチルおよびアジピン酸ジメチルの混合物が挙げられる。この混合物は、デュポン社製の商品名dibasic ester(DBE)として市販されている。
石油系溶剤としては、C9系芳香族留分を含有する石油系溶剤(丸善石油株式会社製、商品名:スワゾール−1000)、C10系芳香族留分を含有する石油系溶剤(出光石油化学株式会社製、商品名:イプゾール150)が好ましい。
さらに、粘結剤溶液は、所望により、樹脂成分と骨材との接着性の向上を図るため3一グリシドキシプロピルトリメトキンシラン等のシラン化合物、可使時間延長剤としてイソフタル酸クロリドを代表例とする酸クロリドのほか、劣化防止剤、乾燥防止剤、本発明で使用するイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー以外の離型剤等を含むことができる。
【0008】
本発明において使用されるポリイソシアネートとポリエーテルポリオールを反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、過剰のポリイソシアネートとポリオールとの反応よって得られるものであるが、当該プレポリマーのイソシアネートとポリオールとの好ましい反応割合は、ポリオールの水酸基1モルに対して、ポリイソシアネートのイソシアネート基が1.6〜2.2モルの割合で反応させるのがよい。
前記ポリオールの好ましい数平均分子量は、600〜5000の範囲が好ましい。数平均分子量が600〜5000のポリエーテルポリオールを使用すると、粒状耐火性骨材との混合性(混練性)がよく、所望する離型性及び鋳物の強度を保持することができる。
【0009】
当該プレポリマーの一方の原料であるポリエーテルポリオールとしては、分子内にエーテル結合を有するポリオールであれば特に限定はなく、一般的には、活性水素原子を有する開始剤とアルキレンオキサイドとの反応によって得られるポリオールであり、開始剤としては、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、メチルグリコシド、芳香族ジアミン、ソルビトール、シュガー、燐酸等が挙げられる。アルキレンオキシドは、エチレレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、ブチレンオキシド、α−メチルトリメチレンオキシド、3,3’−ジメチルトリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキサミン等が使用される。具体的に例示すると、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシブチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、テトラヒドロフランとエチレンオキシドとの共重合体、テトラヒドロフランとプロピレンオキシドとの共重合体、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランとの共重合体が挙げられる。また、ポリプロピレングリコールまたはポリプロピレントリオール等の末端に、エチレンオキシド等をポリ付加したポリプロピレン−ポリエチレンのブロック共重合体等も使用できる。グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2.6−ヘキサントリオール等を開始剤としてプロピレンオキシドを付加した、水酸基が3個以上のポリプロピレンポリオール等が挙げられる。
【0010】
本発明で使用するイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのもう一方の原料であるポリイソシアネートとしては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物でれば特に限定はなく、例示すると、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、変性MDI、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、P−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート(LDI)、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等挙げられる。
【0011】
前記のポリエーテルポリオールとポリイソシアネートから得られる反応物の中で、トリレンジイソシアネートとポリプロピレンポリオールから得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが好ましく、ポリプロピレンポリオールの水酸基1モルに対して、トリレンジイソシアネートのイソシアネート基が1.6〜2.2モルの割合で得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが更に好ましい。また、前記ポリプロピレンポリオールの数平均分子量が600〜5000の範囲のものが好ましく、ポリプロピレンポリオールに対するポリプロピレングリコールの割合が30質量%以上であるポリプロピレンポリオールを用いて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが最も好ましい。
【0012】
本発明において使用される粒状耐火性骨材は、例えば珪砂、オリビンサンド、ジルコンサンド、クロマイトサンド、アルミナサンド等の特殊砂、微粉状の砂、粘土質の砂、再生砂等を含むあらゆる種類の砂、フェロクロム系のスラグ、フェロニッケル系スラグ、転炉スラグ等のスラグ系粒子、ナイガイセラビーズ(商品名)のような多孔質粒子及びこれらの再生砂ならびにこれらの混合物などが挙げられるが通常の鋳物砂が好ましく、50〜600μm程度の粒度のものが特に好ましい。
【0013】
フェノール樹脂(溶液)、ポリイソシアネート化合物(溶液)各々の粒状耐火性骨材に対する配合割合は、鋳型の硬化性の改善及び強度確保の点から、それぞれ粒状耐火性骨材に対し全て有効成分が0.01〜10質量%の範囲が好ましく、特に0.1〜5.0質量%の範囲が好ましい。イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、フェノール樹脂(固形分)100質量部に対して0.5〜20質量部の範囲の量を使用するのが好ましく、1〜10質量部の範囲の量を使用するのが特に好ましい。
【0014】
粘結剤被覆粒状耐火性骨材の調製は、例えば、フェノール樹脂(溶液)、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(溶液)、ポリイソシアネート化合物(溶液)、から成る粘結剤(溶液)と粒状耐火性骨材とを、好ましくは−10〜50℃の範囲の温度で、ミキサーにより各成分が均一に混合するように十分に混練することによって行うことができる。次いで調製した粘結剤被覆粒状耐火性骨材を、例えば、サンドマガジン内に貯留し、エアーによる吹き込みによってその所望量を鋳型製造用型枠内に導入し、コールドボックス法の場合には、この型枠内に気体またはエアロゾル状第三級アミン硬化触媒を透過させることにより常温で硬化させ、常温自硬化性の場合には、予め粒状耐火性骨材と粘結剤を混練する際に、液状の第三級アミン等の触媒を添加し型枠内で硬化させ、脱型して、鋳造用の鋳型を製造する。
【0015】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明する。以下、「部」は全て「質量部」を意味する。
合成例1(フェノール樹脂の合成)
フェノール100部、パラホルムアルデヒド60部およびナフテン酸亜鉛0.15部を撹拌混合し110℃〜114℃にて3時間反応させた後、速やかに減圧化に脱水し、フェノール樹脂(樹脂固形分98質量%)を得た。この樹脂の質量平均分子量は1500であった。このフェノール樹脂をIRおよびNMRで分析したところ、ベンジリックエーテル基を有するフェノール樹脂であることを確認した。
【0016】
合成例2(イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの合成)
2,4−トリレンジイソシアネートを129.7部仕込み、681.4部のポリプロピレングリコール(数平均分子量2000)と170.4部のポリプロピレントリオール(数平均分子量3000)、(ポリプロピレングリコール/ポリプロピレントリオールの質量比が80/20)を除々に加え、80℃に加熱し攪拌しながら90〜100℃に昇温し、この温度で5時間保ち反応を完結させ、NCO基含有率2.7質量%のイソシアネート基を有するプレポリマー981.5部を調製した。
【0017】
実施例1
合成例1で得たベンジリックエーテル基含有フェノール樹脂50部、二塩基酸メチルエステル混合物(デュポン社製:商品名DBE)20部、石油系溶剤(丸善石油株式会社製スワゾール1000)30部及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシラン0.3部から成る溶液を調製した。この溶液中に前記ベンジリックエーテル基含有フェノール樹脂50部に対して,合成例2で得たイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー3部を添加し、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含むフェノール樹脂溶液を調製した。別に、ポリメリックMDI75部、石油系溶剤(出光石油化学株式会社イプゾール−150)25部及びイソフタル酸クロリド0.5部から成る溶液を調製した。フリーマントル珪砂100部に対して、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含む前記フェノール樹脂溶液と前記ポリイソシアネート溶液とをそれぞれ1.1部の比率で添加し、品川式ミキサーで90秒間混練した。この粘結剤被覆砂のしみつき性をパッドスティッキング法により評価した。
以下パッドスティッキング法により評価した方法について、以下に示した。
前記粘結剤被覆砂をコアシューターに入れ、ついで図1に示したしみつき評価用木型の木枠3に口径15mmの吹き込み口2からブロー圧0.15MPaでブローした。木枠3の底部には、しみつき試験用金属板1を設置してある。
次に、トリエチルアミンガスジェネレーターにより0.02MPaのゲージ圧で2秒間ガッシングし、前記木型内にトリエチルアミンを透過させてキュアリングした後、0.06MPaのゲージ圧で6秒間エアーパージした後、砂型を脱型し図1のしみつき評価用木型のしみつき試験用金属板1を取り外して秤量し、金属板への砂付着量(しみつき量)を測定した。以上、ブロー、ガッシング、キュア、脱型、秤量の操作を繰り返しブロー数と金属板への砂付着量を測定した。ブロー数としみつき量の関係を表1に示した。
【0018】
比較例1
実施例1において、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含まないフェノール樹脂溶液およびポリメリックMDI溶液を使用した以外は、実施例1と同様にしてブロー数としみつき量の関係を測定した。
【0019】
【表1】
【0020】
表1中の数値は毎ブロー回数ごとのしみつき量(グラム)を示す値であり、鋳型製造中の金型の汚れ具合を示す指標である。しみつき量が増えれば、鋳型の離型性を阻害することになり、しみつき量が少ないほど鋳型の離型性が良好である。とくに、しみつき量が0.1グラムを越えると砂型表面が傷つき、ひいては鋳物表面欠陥あるいは鋳肌不良欠陥につながる。
実施例1は20回ブロー造型してもしみつき量は僅か0.05グラムであるが、比較例の場合12ブローで0.1グラムを越え、鋳肌不良となる。
表1より、本発明の鋳型用粘結剤は離型性が著しく改善された。
【0021】
(粘結剤被覆砂の硬化強度の測定)
実施例1のように調製した粘結剤被覆砂を、調製直後、調製後30分、調製後60分経過した粘結剤被覆砂の3つに分け、それぞれ10×30×85(mm)曲げ試験片用金型を取り付けた浪速製作所製V−TOP330Cコールドボックス造型機のサンドマガジン内に入れ、サンドマガジンに0.29MPaの圧力をかけてブローして10×30×85(mm)曲げ試験片用金型に吹き込んだ。つぎにトリエチルアミンジェネレーターにより0.25MPaの圧力で1秒間ガッシングし、金型内にトリエチルアミンを透過させてキュアリングした後、0.29MPaの圧力で3秒間エアパージし、脱型した後、それぞれ表2に示した時間放置し10×30×85(mm)曲げ試験片を得、この砂型の曲げ強さを測定した。
比較例1で調製した粘結剤被覆砂についても同様にして曲げ強さを測定した。結果を表2に示した。
【0022】
【表2】
【0023】
表2より、本発明の粘結剤と骨材である砂とを混練した直後、30分、60分経過したいずれの粘結剤被覆砂を使用して砂型を製造しても、従来の粘結剤を使用した砂型よりも強度が高く、砂型製造1分後から高い強度を有する砂型が得られるため、砂型製造後すぐに取り扱うことが可能となり、砂型の生産性を向上させることができる。
【0024】
(耐熱性試験)
実施例1のように調製した粘結剤被覆砂を10×40×250mmの耐熱試験片用金型を取り付けた浪速製作所製V−TOP330Cコールドボックス造型機のサンドマガジン内に入れ、サンドマガジンに0.29MPaの圧力をかけてブローして10×40×250mm熱変形試験片用金型に吹き込んだ。つぎにトリエチルアミンジェネレーターにより0.25MPaの圧力で1秒間ガッシングし、前記金型内にトリエチルアミンを透過させてキュアリングした後、0.29MPaの圧力で3秒間エアパージし、脱型して10×40×250mm熱変形試験片を製造し、この砂型の熱変形量を測定した。熱変形量の測定方法はBCIRAの方法を用いた。比較例1で調製した粘結剤被覆砂についても同様にして熱変形量を測定した。
【0025】
700℃で10分間加熱した時の実施例1の試験片の変形量は6.7mmであり、比較例1の変形量12.5mmと比べて加熱による変形が少ない結果を得た。
【0026】
【発明の効果】
本発明の粘結剤は、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールを反応して得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを使用することにより、強度等の物性を損なうことなく、フェノール樹脂(溶液)とポリイソシアネート(溶液)を必須とする従来の粘結剤が有する欠点、すなわち鋳型の型枠の表面に骨材が残留する現象、すなわち「しみつき」を減少させることができる。
また、本発明で使用するポリイソシアネートとポリエーテルポリオールを反応して得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを予めフェノール樹脂(溶液)に添加し、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのイソシアネート基とフェノール樹脂の水酸基が1部又は全部反応させたフェノール−ウレタン樹脂溶液(A)と、ポリイソシアネート溶液(B)の2液型の粘結剤を用いて鋳型を製造すると、得られる鋳型は耐熱性が高く、金属を注湯した際の鋳型の変形が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】しみつき性評価用成形木型の縦断面図である。
【符号の説明】
1 金属板
2 吹き込み口
3 試験木型
Claims (3)
- ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールを反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、水酸基を有するフェノール樹脂とを予め一部又は全部反応させた後に、ポリイソシアネート化合物と反応させて得られる化合物を必須成分として含有すること、を特徴とする鋳型用粘結剤。
- 前記のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが、(1)トリレンジイソシアネートと(2)ポリプロピレンポリオールとの反応物であり、ポリプロピレンポリオールの水酸基1モルに対して、トリレンジイソシアネートのイソシアネート基が1.6〜2.2モルの割合で反応させて得られる、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである、請求項1記載の鋳型用粘結剤。
- 前記のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが、(1)トリレンジイソシアネートと(2)数平均分子量600〜5000のポリプロピレンポリオールとを反応させて得られる、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである、請求項1記載の鋳型用粘結剤。
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