JP4182582B2 - 送信装置および送信方法、並びに受信装置および受信方法 - Google Patents
送信装置および送信方法、並びに受信装置および受信方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信装置および送信方法、並びに受信装置および受信方法に関し、特に、ディジタル放送サービスにおいて、EMD(Electronic Music Distribution)放送と非EMD放送を混在させ、EMDのオン・オフモードに基づいて、音声データまたは画像データを入手することができるようにした送信装置および送信方法、並びに受信装置および受信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットや衛星ディジタル放送等を利用して音楽コンテンツを配信する、いわゆるEMD(電子音楽配信)サービスが開始されている。
【0003】
従来、EMDサービスを受けようとする場合、ユーザは、EMDの専用チャンネルにアクセスし、そのチャンネルからEMDサービスの提供を受けていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放送局がEMDの専用チャンネルで、ユーザにEMDサービスを提供しようとすると、様々な制約から、ユーザが満足する多様な番組を提供することは難しいという課題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ディジタル放送サービスにおいて、EMDのオン・オフモードに基づいて、様々な番組を提供することができるようにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面の送信装置は、ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、放送信号の種類を設定する設定手段と、前記設定手段による設定に基づいて、放送用曲データと、前記放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および前記放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、前記放送用曲データと、前記アクセス情報、前記識別情報、および前記曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、前記放送用曲データと、前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれか1つを前記放送信号とし、前記放送用曲データが送信されている間に前記データ放送データの送信が終了するように、前記放送信号における前記放送用曲データと前記データ放送データとの同期を調整する同期調整手段と、前記同期調整手段により同期が調整された前記放送信号を送信する送信手段とを備える。
【0007】
本発明の第1の側面の送信方法は、ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、放送信号の種類を設定する設定ステップと、前記設定ステップにおける設定に基づいて、放送用曲データと、前記放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および前記放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、前記放送用曲データと、前記アクセス情報、前記識別情報、および前記曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、前記放送用曲データと、前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれか1つを前記放送信号とし、前記放送用曲データが送信されている間に前記データ放送データの送信が終了するように、前記放送信号における前記放送用曲データと前記データ放送データとの同期を調整する同期調整ステップと、前記同期調整ステップにおいて同期が調整された前記放送信号を送信する送信ステップとを含む。
【0008】
本発明の第2の側面の受信装置は、放送信号を受信する受信装置であって、少なくとも、放送用曲データと、前記放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される前記放送信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記放送信号の前記識別情報に基づいて、前記放送信号が、前記放送用曲データと、前記放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、前記放送用曲データと、前記アクセス情報、前記識別情報、および前記曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、前記放送用曲データと、前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれであるかを識別する識別手段と、前記識別手段により識別された前記放送信号に対して所定の信号処理を施す信号処理手段とを備える。
【0009】
前記受信装置には、インターネット上のサーバとの通信を制御し、前記識別手段により識別された前記放送信号が、前記第1の信号である場合、ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、前記サーバからの前記曲対応データの受信を制御させる通信制御手段をさらに設けることができる。
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【0010】
前記受信装置には、インターネット上のサーバとの通信を制御し、前記識別手段により識別された前記放送信号が、前記第2の信号である場合、ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、前記サーバからの前記圧縮暗号化データを復号するための復号情報の受信を制御させる通信制御手段をさらに設けることができる。
【0011】
本発明の第2の側面の受信方法は、放送信号を受信する受信装置の受信方法であって、少なくとも、放送用曲データと、前記放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される前記放送信号を受信する受信ステップと、前記受信手段が受信した前記放送信号の前記識別情報に基づいて、前記放送信号が、前記放送用曲データと、前記放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理を、インターネットを介して行うためのアクセス情報、および前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、前記放送用曲データと、前記アクセス情報、前記識別情報、および前記曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、前記放送用曲データと、前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれであるかを識別する識別ステップと、前記識別手段により識別された前記放送信号に対して所定の信号処理を施す信号処理ステップとを含む。
【0012】
本発明の第1の側面においては、ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、放送信号の種類が設定され、設定に基づいて、放送用曲データと、放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、放送用曲データと、アクセス情報、識別情報、および曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、放送用曲データと、識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれか1つが放送信号とされ、放送用曲データが送信されている間にデータ放送データの送信が終了するように、放送信号における放送用曲データとデータ放送データとの同期が調整され、同期が調整された放送信号が送信される。
【0013】
本発明の第2の側面においては、少なくとも、放送用曲データと、放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される放送信号が受信され、受信された放送信号の識別情報に基づいて、放送信号が、放送用曲データと、放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、放送用曲データと、アクセス情報、識別情報、および曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、放送用曲データと、識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれであるかが識別され、識別された放送信号に対して所定の信号処理が施される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、特許請求の範囲に記載の発明の各手段と、以下の実施の形態との対応関係を明らかにするために、各手段の後の括弧内に、対応する実施の形態(但し一例)を付加して本発明の特徴を記述すると、次のようになる。但し、勿論この記載は、各手段を記載したものに限定することを意味するものではない。
【0015】
即ち、請求項1に記載の送信装置は、ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、放送信号の種類を設定する設定手段(例えば、図8の入力部62)と、設定手段による設定に基づいて、放送用曲データと、放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、放送用曲データと、アクセス情報、識別情報、および曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、放送用曲データと、識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれか1つを放送信号とし、放送用曲データが送信されている間にデータ放送データの送信が終了するように、放送信号における放送用曲データとデータ放送データとの同期を調整する同期調整手段(例えば、図8の同期調整回路55)と、同期調整手段により同期が調整された放送信号を送信する送信手段(例えば、図4の送信機)とを備える。
【0016】
請求項3に記載の受信装置は、放送信号を受信する受信装置であって、少なくとも、放送用曲データと、放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される放送信号を受信する受信手段(例えば、図6の受信制御部33)と、受信手段により受信された放送信号の識別情報に基づいて、放送信号が、放送用曲データと、放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、放送用曲データと、アクセス情報、識別情報、および曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、放送用曲データと、識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれであるかを識別する識別手段(例えば、図9の EMD モード受信部71)と、識別手段により識別された放送信号に対して所定の信号処理を施す信号処理手段(例えば、図6の信号処理部39)とを備える。
【0017】
図1は、本発明を適用したブックマークラジオ(BMR(Book Mark Radio))システムの一実施の形態の構成を示している。
【0018】
送信装置1は、例えば、ディジタルラジオ放送の放送局として機能し、伝送媒体2としての、例えば、地上波を介して、ディジタルラジオ放送を行う。
【0019】
送信装置1が行うディジタルラジオ放送は、本放送とデータ放送とから構成されており、本放送によるデータ(以下、適宜、本放送データという)には、一般の番組として放送される曲のデータ(放送用曲データ)や、スポンサの広告(いわゆるコマーシャル)のデータなどが含まれている。また、データ放送によるデータ(以下、適宜、データ放送データという)には、後述するサンプル音声やジャケット写真のデータ、テキストデータ、EMDリンク、圧縮暗号化データ、静止画クーポンのデータなどが含まれている。これらの本放送データおよびデータ放送データは、EMDモードに応じて送信され、ユーザ端末3で受信される。
【0020】
ユーザ端末3は、例えば、携帯型または据え置き型のラジオ受信機や、車載用のラジオ受信機(いわゆるカーオーディオ機器)などで構成され、送信装置1からの本放送データが受信されて、音声で出力される。また、ユーザ端末3では、データ放送データが受信され、必要に応じて、音声で出力、あるいは表示される。
【0021】
即ち、データ放送データには、本放送データで放送されている曲の、例えば、始まりの部分や、いわゆるさびの部分などの、ユーザに対してサンプルとして提供されるサンプル音声が含まれている。また、データ放送データには、本放送データで放送されている曲が記録された、例えば、CDなどのジャケット写真や、その曲を歌っている歌手の写真(アーティスト写真)、さらには、その曲のタイトル、歌手名、レコード会社(制作会社)の会社名としてのテキストデータが含まれている。
【0022】
さらに、データ放送データには、放送用曲データに対応する正式曲データを圧縮し、暗号化した圧縮暗号化データも含まれている。
【0023】
ユーザ端末3では、そのようなデータ放送データが受信され、ユーザの操作に応じて、ジャケット写真、曲のタイトル、歌手名などが表示され、あるいはサンプル音声などが出力される。
【0024】
ユーザは、本放送による放送用曲データを聴き、興味をもったとき、いわゆるブックマークを付けるように(本にしおりをはさむように)、ユーザ端末3を操作する。さらに、その放送用曲データを聴いている最中や、それを聴き終わった後、サンプル音声などを聴いて、その曲の正式曲データを欲するとき、圧縮暗号化データを復号するための復号キーを要求するように、ユーザ端末3を操作する。ユーザ端末3は、その要求に応じて、正式曲データを管理、配信しているEMDサービス業者のEMDサーバ5に対して、復号キーを要求する。
【0025】
即ち、データ放送データに含まれるEMDリンクは、正式曲データを提供している提供場所にアクセスするのに用いられるアクセス情報としての、例えば、EMDサーバ5のIP(Internet Protocol)アドレスやURL(Uniform Resource Locator)などを含んでいる。ユーザ端末3は、このEMDリンクに基づき、インターネット4を介して、EMDサーバ5にアクセスし、圧縮暗号化データを復号するための復号キーを要求する。
【0026】
EMDサーバ5は、ユーザ端末3から、復号キーの要求を受信すると、必要な課金処理を行い、復号キーを、インターネット4を介して、ユーザ端末3に送信する。ユーザ端末3は、EMDサーバ5からの復号キーを受信し、その復号キーを用いて、圧縮暗号化データを、正式曲データ(が圧縮されたもの)に復号する。これにより、ユーザは、正式曲データを入手することができる。
【0027】
一方、EMDサーバ5は、上述したように、正式曲データを管理しており、ユーザ端末3に対して、復号キーを提供する他、放送局(送信装置1)に対して、本放送データとして送信される曲のデータや、その圧縮暗号化データを提供する。また、EMDサーバ5は、復号キー(最終的には、正式曲データ)の提供の対価の徴収のための課金処理を行う。この課金処理により、後日、ユーザの銀行口座や、クレジット会社から、正式曲データの購入の代金の引き落としが行われる。また、課金は、プリペイドカードなどを利用して行われる場合もある。
【0028】
尚、データ放送用データには、伝送媒体2の伝送容量の関係から、上述した全てのデータを含めることができないこともあり、この場合、圧縮暗号化データは、データ放送用データに含めないようにすることができる。データ放送用データに圧縮暗号化データを含めない場合には、ユーザ端末3には、復号キーとともに、その復号キーによって復号される圧縮暗号化データを、EMDサーバ5に要求させるようにし、EMDサーバ5には、復号キーおよび圧縮暗号化データをユーザ端末3に送信させるようにすることができる。
【0029】
また、データ放送用データには、いわゆるクーポン券として扱われる静止画クーポンのデータを含めることができる。この静止画クーポンは、例えば、ユーザ端末3から、復号キーを要求するときに、その要求とともに、EMDサーバ5に送信することができる。そして、EMDサーバ5において、復号キーの要求とともに、静止画クーポンを受信した場合には、課金処理の際に、代金の割引が行われる。
【0030】
さらに、上述の場合には、EMDサーバ5に課金処理を行わせるようにしたが、課金処理は、図1において、点線で示すように、課金処理を行う専用の課金サーバ6を設け、その課金サーバ6に行わせるようにすることが可能である。
【0031】
また、データ放送用データに圧縮暗号化データを含めない場合には(含めている場合であっても構わない)、例えば、レコード店や、ビデオショップ、コンビニエンスストア、駅の売店などの販売店その他の場所に、圧縮暗号化データおよび復号キーの転送を行う転送装置を設置しておくようにすることが可能である。この場合、ユーザは、転送装置が設置している場所まで行けば、代金と引き替えに、圧縮暗号化データおよび復号キーを入手することができる。
【0032】
さらに、EMDリンクには、本放送で放送された曲が記録されたCD等を販売している販売店(例えば、その販売店の店名、さらには支店名など)を記述しておくようにすることができる。この場合、ユーザ端末3において、EMDリンクを表示(出力)するようにすることで、ユーザは、欲する曲が記録されたCDを販売している販売店を認識し、そのCDを購入しに行く(販売店にアクセスする)ことができる。さらに、その販売店では、そのCDが、どこの棚に存在するか端末機を用いて分かるようにすることができる。
【0033】
図2は、送信装置1により送信される本放送データおよびデータ放送データの伝送パケット(フレーム)のフォーマットを示している。
【0034】
本放送データは、MPEG(Moving Picture Experts Group) AAC(Advanced Audio Coding)で、128kbps乃至144kbps程度のステレオ信号に圧縮されて送信される。また、データ放送データのうち、圧縮暗号化データは、正式曲データをATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)2で圧縮し、その後、所定の方式で暗号化したものとされており、その伝送レートは、250kbps程度とされている。
【0035】
図2に示すように、伝送パケット(204バイト)は、188バイトのMPEG2 TSP(Transmission Stream Packet)と16バイトの誤り訂正符号(ECC(Error Correcting Code))用パリティから構成されている。また、MPEG2 TSPは、同期をとるためのシンク(1バイト)とMPEG2 TSPデータ(187バイト)から構成されている。さらに、MPEG2 TSPデータは、識別情報(3バイト)とコンテンツデータ(184バイト)から構成されている。識別情報には、伝送パケットの番号を表すパケットナンバー(2バイト)、EMDのモードを表すEMDモード(4ビット)、およびリザーブ(4ビット)が含まれる。EMDモードは、非EMDモードのとき、“0000”に設定され、EMDモード(EMDリンクのみ送信)のとき、“0001”に設定され、EMDモード(EMDリンクおよび圧縮暗号化データを送信)のとき、“0010”に設定される。
【0036】
次に、図3は、本放送データおよびデータ放送データのデータフォーマットを示している。
【0037】
本放送データおよびデータ放送データは、所定のフレーム単位で、各フレームは、時間同期をとって送信される。ここで、以下、適宜、本放送データまたはデータ放送データのフレームを、それぞれ音楽フレームまたはデータフレームという。
【0038】
いま、ある曲の送信開始から、その送信終了までを、1の番組とすると、1の番組の本放送データは、ヘッダの後に、必要な数の音楽フレームが配置され、最後に、EOF(End Of File)が配置されて構成される。また、その番組のデータ放送データは、本放送データを構成する音楽フレームと同一数のデータフレームが配置され、最後に、EOFが配置されて構成される。そして、音楽フレームと、それに対応するデータフレームとは、同期をとって同時に送信される。
【0039】
データフレームは、その先頭から、データフレームの検出に用いられるシンク(同期信号)、EMDのモードを表す識別情報、1の番組放送内に、周期的に送信されるデータが配置される1フレームサイクリックブックマーク部(以下、適宜、ブックマーク部という)、基本的に複数のデータフレームが集まって完結するデータが配置される複数フレーム完結部(以下、適宜、完結部という)、誤り訂正または検出のためのECC(Error Correcting CodeまたはError Checking Code)用パリティが順次配置されて構成されている。
【0040】
ブックマーク部には、本放送で放送されている曲の正式曲データを入手するために必要な情報(入手情報)が配置される。即ち、ブックマーク部には、本放送で放送されている曲の正式曲データに固有に付されたユニークな固有情報としての、例えば、60ビットのISRC(International Standard Recording Code)などが配置される。また、ブックマーク部には、本放送で放送されている曲の正式曲データの内容を認識するのに役立つ認識情報としての、例えば、その曲の曲名(タイトル)や歌っている歌手の歌手名(アーティスト名)、その歌手が所属するレコード会社(制作会社)の会社名(レコード会社名)なども配置される。さらに、ブックマーク部には、本放送で放送されている曲の正式曲データを提供している提供場所(図1に示したEMDサーバ5や、正式曲データが記録されたCDを販売している販売店など)にアクセスするのに用いられるアクセス情報としてのEMDリンク(EMD Link)も配置される。
【0041】
1の番組を構成する各データフレームのブックマーク部には、同一の情報が配置されるようになされており、従って、ブックマーク部に配置される情報は、本放送の番組が極端に短い時間で終了しない限り、複数回、周期的に送信される。
【0042】
完結部には、例えば、次のような音声データ、画像データ、テキストデータ、その他のデータが配置される。
【0043】
即ち、音声データとしては、例えば、上述した正式曲データを圧縮して暗号化した圧縮暗号化データや、サンプル音声が配置される。さらに、音声データとしては、DJ(ディスクジョッキ)音声や、ジングルデータなどが配置される場合もある。
【0044】
画像データとしては、例えば、正式曲データが記録されたCDなどのジャケット写真や、その曲を歌っている歌手の写真(アーティスト写真)、静止画クーポンのデータなどが配置される。
【0045】
テキストデータとしては、例えば、正式曲データの内容を認識するのに役立つ、その曲のタイトルや歌手名、レコード会社名、さらには、その歌手のエピソード、最新情報などが配置される。従って、本実施の形態では、多少冗長ではあるが、曲のタイトルや、歌手名などは、ブックマーク部と完結部との両方に配置される場合がある。
【0046】
その他のデータとしては、宣伝のためのセールスプロモーションに関するデータや広告のためのデータなどが配置される。
【0047】
ここで、ブックマーク部または完結部に配置されるデータを、以下、適宜、それぞれブックマークデータまたはデータ放送用コンテンツという。
【0048】
尚、図3では、データ放送のためのチャンネルを1チャンネルとしてあるが、データ放送のためのチャンネルを2チャンネルとし、そのうちの1チャンネルでブックマーク部に配置されるデータを、他の1チャンネルで完結部に配置されるデータ放送用コンテンツを、それぞれ同時に送信するようにすることも可能である。
【0049】
また、図3では、識別情報にEMDモードを配置するようにしたが、本放送またはデータ放送のヘッダ部分に配置することも可能である。
【0050】
図4は、図1の放送局を構成する送信装置1の構成例を示している。
【0051】
マイクロフォン11には、アナウンサの音声(DJ(ディスクジョッキ)音声)が入力されるようになされており、そのDJ音声は、電気信号としての音声信号に変換され、信号処理部13に供給される。また、信号処理部13には、ストレージ12に記憶されたデータも供給される。
【0052】
即ち、ストレージ12には、EMDサーバ5から、本放送に用いる曲のデータ(正式曲データである場合もある)や、データ放送に用いる圧縮暗号化データ、ジャケット写真などが供給されて記憶されるようになされており、信号処理部13には、それらのデータが、必要に応じて供給される。
【0053】
さらに、信号処理部13には、本放送で放送される広告や宣伝の音声(いわゆるコマーシャル)(広告音声)なども供給される。
【0054】
信号処理部13では、そこに供給されるデータが信号処理され、これにより、本放送データが配置された音楽フレームとデータ放送データが配置されたデータフレームとが生成される。この本放送データの音楽フレームまたはデータ放送データのデータフレームは、ECCエンコーダ14または15にそれぞれ供給され、ECCが付加されて、MUX(マルチプレクサ)16に供給される。
【0055】
MUX16では、本放送データとデータ放送データとが多重化され、その結果得られる多重化データが、ディジタル変調回路17に供給される。ディジタル変調回路17では、MUX16からの多重化データに対して、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)などのディジタル変調処理が施され、その結果得られる変調信号が、送信機18に供給される。送信機18では、ディジタル変調回路17からの変調信号に対して、増幅その他の必要な処理が施され、アンテナ19から電波として送信される。
【0056】
図5は、送信装置1の他の構成例を示している。
【0057】
図5では、信号処理部13で処理されたデータがMUX20に供給される。MUX20は、供給されたデータを多重化し、その多重化データをECCエンコーダ21に供給する。ECCエンコーダ21は、供給された多重化データにECCを付加し、ECCを付加した多重化データをディジタル変調回路17に供給する。それ以外の構成については、図4の送信装置1と同じであるので、その説明は省略する。
【0058】
図6は、図1のユーザ端末3の構成例を示している。
【0059】
上述したようにして、送信装置1から送信されてくる電波は、アンテナ31で受信され、その受信信号は、ディジタルラジオチューナ32に供給される。ディジタルラジオチューナ32は、アンテナ31からの受信信号を受信し、受信制御部33の制御に従って、所定のチャンネルの受信信号を検波して、ディジタル復調回路34に供給する。ディジタル復調回路34は、ディジタルラジオチューナ32の出力をディジタル復調し、その結果得られる多重化データを、DMUX(デマルチプレクサ)35に出力する。
【0060】
DMUX35は、ディジタル復調回路34からの多重化データを、本放送データとデータ放送データとに分離する。本放送データまたはデータ放送データは、ECCデコーダ36または37にそれぞれ供給される。ECCデコーダ36または37それぞれは、本放送データまたはデータ放送データに対して、誤り検出または訂正処理を施し、信号処理部39に供給する。
【0061】
ここで、ECCデコーダ37は、DMUX35からのデータ放送データを、RAM38に一時記憶させてから処理を行うようになされている。そして、RAM38は、例えば、少なくとも、1つのデータフレーム(図3)のデータを記憶することができるだけの記憶容量を有しており、また、DMUX35から新たなデータフレームを受信するごとに、最も古いデータフレームを消去する(最も古いデータフレームを、新たなデータフレームに更新する)ようになされている。
【0062】
例えば、ユーザが、ユーザ端末3を携帯している場合や、また、ユーザ端末3が自動車に搭載されている場合には、トンネル内などで、送信装置1からの電波の受信が一時的に途切れることがある。このような場合であっても、ユーザ端末3において、データフレームのブックマーク部のデータを利用することができるように、RAM38は、一時、データ放送データを記憶するようになされている。さらに、そのような場合であっても、データフレームのブックマーク部のデータには、誤り検出または訂正処理が施されるから、誤りのないものを利用することができる。
【0063】
ここで、送信装置1からの電波の受信が一時的に途切れたかどうかは、例えば、EOF(図3)を受信したかどうか、あるいは、電波のレベルなどに基づいて判定することができる。
【0064】
また、上述の場合においては、RAM38に、DMUX35からのデータ放送データを一時記憶させてから、ECCデコーダ37において、その誤り検出または訂正処理を行うようにしたが、RAM38には、ECCデコーダ37によって誤り検出または訂正処理が施された後のデータ放送データを一時記憶させるようにすることも可能である。
【0065】
信号処理部39では、ECCデコーダ36または37それぞれからの本放送データまたはデータ放送データに、所定の信号処理が施される。そして、本放送データは、D/A(Digital/Analog)変換器40に供給され、D/A変換された後、スピーカ41に供給されて出力される。
【0066】
また、データ放送データのうち、音声として出力可能なデータも、必要に応じて、本放送データと同様にして、スピーカ41から出力される。さらに、データ放送データのうち、表示可能なデータは、必要に応じて、表示装置42に供給されて表示される。
【0067】
操作部43は、所定の場合に、ユーザによって操作される。操作部43の操作に対応した操作信号は、信号処理部39に供給され、信号処理部39は、この操作信号に対応して所定の処理を行う。即ち、例えば、操作部43が、復号キーを要求するように操作された場合には、信号処理部39は、モデム44を操作することにより、インターネット4を介して、EMDサーバ5とのリンクを確立させ、復号キーを要求する。さらに、信号処理部39は、その要求に応じて、EMDサーバ5から送信されてくる復号キーを、モデム44を介して受信する。
【0068】
図7は、ユーザ端末3の他の構成例を示している。
【0069】
図7では、ディジタル復調回路34から出力される多重化データは、ECCデコーダ45に供給される。ECCデコーダ45は、多重化データに対して、誤り検出または訂正処理を施し、DMUX46に供給する。DMUX46は、供給されたデータを本放送データとデータ放送データとに分離し、本放送データを信号処理部39に供給し、データ放送データをRAM47に供給する。RAM47は、データ放送データを信号処理部39に供給する。それ以外の構成については、図6のユーザ端末3と同じであるので、その説明は省略する。
【0070】
図8は、図4の送信装置1における信号処理部13の構成例を示している。
【0071】
アンプ51には、マイクロフォン11(図4)からのDJ音声が供給されるようになされており、アンプ51は、その音声信号を増幅して、A/D(Analog/Digital)変換器52に供給する。A/D変換器52は、アンプ51からのアナログの音声信号をA/D変換することにより、ディジタルの音声データとし、ミキサ53に供給する。ミキサ53には、DJ音声の他、本放送データを構成する曲や、広告、ジングルなどのデータ(ここでは、ディジタルデータ)も供給されるようになされており、ミキサ53は、それらの音声をミキシングすることにより、本放送データを構成し、データ圧縮部54に供給する。データ圧縮部54は、ミキサ53の出力を、例えば、MPEG方式によって圧縮し、同期調整回路55に供給する。
【0072】
同期調整回路55には、データ圧縮部54から本放送データが供給される他、ブックマークデータと、MUX61の出力も供給される。そして、同期調整回路55は、ブックマークデータとMUX61の出力とから、データ放送データを構成する。さらに、同期調整回路55は、本放送データを配置した音楽フレームと、データ放送データを配置したデータフレームを構成し、それらの同期をとって出力する。
【0073】
尚、同期調整回路55は、メモリ55Aを有しており、メモリ55Aは、1の番組(曲)についてのブックマークデータを一時記憶する。同期調整回路55は、ある番組のデータ放送データのデータフレームには、メモリ55Aに記憶された、その番組についてのブックマークデータを配置することで、その番組を構成する各データフレームのブックマーク部に、同一のブックマークデータを配置する。
【0074】
EMDモード制御部56は、入力部62で設定されるEMDモード(EMDモード/非EMDモード)に基づいて、スイッチ57および音声データ選択回路58の制御を行う。即ち、入力部62でEMDモード(“0001”または“0010”)が設定された場合、EMDモード制御部56は、スイッチ57を“ON”にするとともに、音声データ選択回路58のスイッチをEMD用音声データ側に切り替える。これにより、EMDモードが設定された場合には、ブックマークデータが同期調整回路55に供給され、EMD用音声データがデータ圧縮部59に供給される。また、入力部62で非EMDモード(“0000”)が設定された場合、EMDモード制御部56は、スイッチ57を“OFF”にするとともに、音声データ選択回路58のスイッチを非EMD用音声データ側に切り替える。これにより、非EMDモードが設定された場合には、ブックマークデータは同期調整回路55に供給されず、非EMD用音声データがデータ圧縮部59に供給される。
【0075】
データ圧縮部59には、データ放送用コンテンツのうちの音声データ(EMD用音声データまたは非EMD用音声データ)が供給されるようになされており、データ圧縮部59は、そこに供給される音声データを、例えば、ATRAC2方式などで圧縮し、MUX61に供給する。尚、音声データのうち、例えば、圧縮暗号化データは、既に、ATRAC2方式などで圧縮されており、このように既に圧縮されている音声データは、データ圧縮部59をスルーして、そのままMUX61に供給される。
【0076】
データ圧縮部60には、データ放送用コンテンツのうちの画像データ(例えば、ジャケット写真や、アーティスト写真、静止画クーポンのデータなど)が供給されるようになされており、データ圧縮部60は、そこに供給される画像データを、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式などで圧縮し、MUX61に供給する。
【0077】
MUX61には、データ圧縮部59および60の出力の他、データ放送用コンテンツのうちのテキストデータおよびその他のデータも供給されるようになされており、MUX61は、そこに供給されるデータ放送用コンテンツを多重化して、同期調整回路55に供給する。尚、テキストデータやその他のデータについても、その圧縮を行ってから、MUX61に供給するようにすることが可能である。
【0078】
図9は、図6のユーザ端末3における信号処理部39の構成例を示している。
【0079】
ECCデコーダ36(図6)からの本放送データは、データ伸張部72に供給されるようになされており、データ伸張部72は、その本放送データを伸張し、D/A変換器40(図6)に供給する。
【0080】
EMDモード受信部71は、本放送データまたはデータ放送データからEMDモードを抽出し、EMDモードであるか非EMDモードであるかを表示装置42に表示させる。また、EMDモードであるか非EMDモードであるかは、音声で出力することも可能である。
【0081】
ECCデコーダ37(図6)からのデータ放送データは、DMUX73に供給される。DMUX73は、データ放送データからEMDモード受信部71で抽出したEMDモードに対応したデータを抽出する。EMDモードの場合、DMUX73は、データ放送データを、ブックマークデータと、データ放送用コンテンツとに分離する。さらに、DMUX73は、データ放送用コンテンツを、表示可能なデータ(以下、適宜、表示データという)、サンプル音声、圧縮暗号化データなどに分離し、ブックマークデータとともに、セレクタ74に供給する。非EMDモードの場合、DMUX73は、非EMD用音声データをセレクタ74に供給する。
【0082】
セレクタ74は、メモリ74Aを有しており、そのメモリ74Aに、DMUX73の出力を一時記憶する。さらに、セレクタ74は、操作部43(図6)の操作に従って、メモリ74Aに記憶されたデータのうちのいずれかを選択し、データ伸張部82を介して表示装置42(図6)に供給したり、データ伸張部83を介してD/A変換器40に供給したり、スイッチ75を介してストレージ76に供給したりする。尚、スイッチ75は、EMDモード受信部71で抽出されるEMDモードに基づいてON/OFFされる。即ち、EMDモードの場合、スイッチ75はONされ、非EMDモードの場合、スイッチ75はOFFされる。また、表示装置42には、基本的に、表示データ(例えば、曲のタイトル(曲名)や、アーティスト名(歌手名)、ジャケット写真など)が、ストレージ76には、基本的に、ブックマークデータやサンプル音声、圧縮暗号化データなどがそれぞれ供給される。
【0083】
ストレージ76は、セレクタ74から供給されるブックマークデータやサンプル音声、圧縮暗号化データなどを記憶する。さらに、ストレージ76は、ダウンロード処理部77から供給される復号キーなども記憶する。ここで、ストレージ76は、ユーザ端末3に内蔵させることも可能であるが、容易に着脱可能な、例えば、メモリカードなどで構成することも可能である。ストレージ76をメモリカードなどとした場合には、図1で説明したように、そのメモリカードを、販売店に持っていって、圧縮暗号化データおよびその復号キーの提供を受けるようなときに、携帯に便利である。
【0084】
ダウンロード処理部77は、操作部43が、復号キーや圧縮暗号化データのダウンロードを要求するように操作されたときに、モデム44(図6)を制御し、インターネット4を介して、EMDサーバ5に対し、そのダウンロードの要求を行う。個人情報記憶部78は、復号キーや圧縮暗号化データのダウンロードの際に行われる課金処理に必要なユーザの個人情報としての、ユーザの氏名や住所、電話番号、クレジットカードの番号あるいは銀行口座の番号などを記憶している。この個人情報は、ダウンロード処理部77が復号キーや圧縮暗号化データのダウンロードの要求を行うときに、その要求とともに送信される。
【0085】
再生制御部79は、ストレージ76に記憶されたデータを再生し、復号器80に供給する。復号器80は、再生制御部79から圧縮暗号化データと復号キーが供給されたとき、その復号キーを用いて、圧縮暗号化データを復号し、その結果得られる、圧縮された正式曲データを、データ伸張部81に供給する。また、復号器80は、再生制御部79からサンプル音声が供給されたとき、そのサンプル音声を、そのままデータ伸張部81に供給する。
【0086】
データ伸張部81は、復号器80から供給される正式曲データやサンプル音声が圧縮されているとき、その圧縮された正式曲データやサンプル音声を伸張して、D/A変換器40(図6)に供給する。データ伸張部82は、セレクタ74から供給される表示データが圧縮されているとき、その圧縮された表示データを伸張して、表示装置42に供給する。尚、データ伸張部81、82、および83は、そこに供給されるデータが圧縮されていないときは、そのデータをそのまま出力する。
【0087】
図10は、図4の送信装置1における信号処理部13の他の構成例を示している。尚、図中、図8における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図10の信号処理部13は、ミキサ91、スイッチ92、データ圧縮部93、暗号化部94、およびデータ圧縮部95が新たに設けられている他は、基本的に、図8における場合と同様に構成されている。
【0088】
ミキサ91には、本放送データに含められる正式曲データ以外の、正式曲データにとって雑音となるジングルや広告音声、A/D変換器52が出力するDJ音声などが、生成用データとして入力される。ミキサ91では、そこに供給される生成用データがミキシングされ、出力される。EMDモード制御部56は、設定されたEMDモードに基づいて、スイッチ92をON/OFFさせる。即ち、EMDモード(“0010”)のとき、EMDモード制御部56は、スイッチ92を“ON”にし、それ以外のときは、EMDモード制御部56は、スイッチ92を“OFF”にする。データ圧縮部92では、生成用データが圧縮され、暗号化部94に供給される。暗号化部94では、データ圧縮部93が出力する生成用データが暗号化され、MUX61に供給される。
【0089】
そして、図10の信号処理部13では、EMDモード(“0010”)のとき、データ放送データ(のデータ放送用コンテンツ)に、圧縮暗号化データに替えて、暗号化部94が出力する生成用データが配置されることを除けば、図8で説明した場合と同様にして、本放送データおよびデータ放送データが構成されて出力される。
【0090】
尚、図10の信号処理部13では、図8の信号処理部13とは異なり、EMD用音声データと非EMD用音声データは、別々に圧縮される。
【0091】
図11は、データ放送データに、上述した生成用データが含まれる場合における、ユーザ端末3(図6)の信号処理部39の構成例を示している。尚、図中、図9における場合と同様に構成される部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図11の信号処理部39は、スイッチ101、メモリ102、データ伸張部103、データ伸張部104、および演算器105が設けられている他は、基本的に、図9における場合と同様に構成される。
【0092】
EMDモード受信部71は、受信したEMDモードに基づいて、スイッチ101をON/OFFさせる。即ち、EMDモードのとき、EMDモード受信部71は、スイッチ101を“ON”にし、非EMDモードのとき、EMDモード受信部71は、スイッチ101を“OFF”にする。メモリ102は、データ伸張部72が出力する本放送データを一時記憶する。尚、メモリ102は、その記憶容量がなくなると、例えば、最も古い本放送データに上書きする形で、最新の本放送データを記憶する。但し、メモリ102において、本放送データの記憶および消去は、1曲(番組)単位で行われる。
【0093】
一方、DMUX73では、そこに供給されるデータ放送データが、ブックマークデータと、データ放送用コンテンツとに分離される。さらに、DMUX73では、データ放送用コンテンツが、表示データ、サンプル音声、生成用データなどに分離され、ブックマークデータとともに、セレクタ74に供給される。
【0094】
セレクタ74は、DMUX73からのデータを、メモリ74Aに一時記憶し、以後、その記憶内容を、DMUX73から新たに供給されるデータに、順次更新していく。
【0095】
そして、操作部43がブックマーク操作されると、セレクタ74は、上述したように、メモリ74Aに記憶されたブックマークデータおよびサンプル音声を読み出し、スイッチ75を介して、ストレージ76に供給して記憶させる。また、セレクタ74は、圧縮暗号化データの替わりにデータ放送用コンテンツに含められた生成用データも、メモリ74Aから読み出し、スイッチ75を介して、ストレージ76に供給して記憶させる。さらに、セレクタ74は、操作部43がブックマーク操作されたときに、メモリ102への記憶を行っていた本放送データを、その曲が終了するのを待って(1曲分の本放送データがメモリ102に記憶されるのを待って)読み出し、スイッチ75を介して、ストレージ76に供給して記憶させる。
【0096】
その後、操作部43がダウンロード操作されると、ダウンロード処理部77は、図9における場合と同様に、ストレージ76に記憶されたブックマークデータの中のEMDリンクに基づき、EMDサーバ5にアクセスし、ストレージ76に記憶された生成用データを復号するための復号キーを要求する。EMDサーバ5は、この要求に応じて、復号キーを送信し、その復号キーは、ダウンロード処理部77で受信され、ストレージ76に記憶される。尚、ここでは、図10の暗号化部94で暗号化されたデータを復号するための復号キーが、EMDサーバ5に記憶されているものとする。
【0097】
そして、操作部43が再生操作されると、再生制御部79は、ストレージ76から、そこに記憶された生成用データと復号キーを読み出し、復号器80に供給する。復号器80は、再生制御部79からの復号キーを用いて、同じく再生制御部79からの生成用データを復号し、その復号データを、データ伸張部81に供給する。データ伸張部81では、復号器80からの復号データが、生成用データに伸張され、演算器105に供給される。
【0098】
また、再生制御部79は、ストレージ76から、そこに記憶された本放送データも読み出し、演算器105に供給する。演算器105は、再生制御部79から供給された本放送データから、データ伸張部81から供給された生成用データが減算されることにより、正式曲データが生成される。この正式曲データは、D/A変換器40を介して、スピーカ41に供給され、これにより、スピーカ41からは、例えば、CDを再生した場合と同様の曲が出力される。
【0099】
尚、本実施の形態において、EMDモードを2種類(“0001”または“0010”)としたが、勿論、1種類としてもよいし、3種類以上としてもよい。
【0100】
また、本明細書中において、上記処理を実行するコンピュータプログラムをユーザに提供する提供媒体には、磁気ディスク、CD-ROMなどの情報記録媒体の他、インターネット、ディジタル衛星放送などのネットワークによる伝送媒体も含まれる。
【0101】
さらに、本明細書中において、EMDモードはEMD(電子音楽配信)のモードとして記載したが、EMDのみならず、EVD(Electronic Video Distribution)、EPD(Electronic Picture Distribution)、EBD(Electronic Book Distribution)など電子データ配信全般を含むモードである。
【0102】
さらに、本明細書中において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0103】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1に記載の送信装置および請求項2に記載の送信方法によれば、ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、放送信号の種類を設定し、設定に基づいて、放送用曲データと、放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、放送用曲データと、アクセス情報、識別情報、および曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、放送用曲データと、識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれか1つを放送信号とし、放送用曲データが送信されている間にデータ放送データの送信が終了するように、放送信号における放送用曲データとデータ放送データとの同期を調整し、同期が調整された放送信号を送信するようにしたので、ユーザに多様な番組を提供することが可能となる。
【0104】
請求項3に記載の受信装置および請求項6に記載の受信方法によれば、少なくとも、放送用曲データと、放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される放送信号を受信し、受信手段により受信された放送信号の識別情報に基づいて、放送信号が、放送用曲データと、放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、放送用曲データと、アクセス情報、識別情報、および曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、放送用曲データと、識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれであるかを識別し、識別手段により識別された放送信号に対して所定の処理を施すようにしたので、ユーザは多様な放送サービスを享受することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したブックマークラジオシステムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の送信装置1により送信される伝送パケットのフォーマットを説明するための図である。
【図3】本放送データおよびデータ放送データのデータフォーマットを説明するための図である。
【図4】図1の送信装置1の構成例を示す図である。
【図5】図1の送信装置1の他の構成例を示す図である。
【図6】図1のユーザ端末3の構成例を示す図である。
【図7】図1のユーザ端末3の他の構成例を示す図である。
【図8】図4の信号処理部13の構成例を示す図である。
【図9】図6の信号処理部39の構成例を示す図である。
【図10】図4の信号処理部13の他の構成例を示す図である。
【図11】図6の信号処理部39の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 送信装置, 2 伝送媒体, 3 ユーザ端末, 4 インターネット,5 EMDサーバ, 6 課金サーバ, 11 マイクロフォン, 12,76ストレージ, 13 信号処理部, 14,15,21 ECCエンコーダ, 16,20,61 MUX, 17 ディジタル変調回路, 18 送信機, 19,31 アンテナ, 32 ディジタルラジオチューナ, 33 受信制御部, 34 ディジタル復調回路, 35,46,73 DMUX, 36,37,45 ECCデコーダ, 38,47 RAM, 39 信号処理部, 40 D/A変換器, 41 スピーカ, 42 表示装置, 43 操作部, 44 モデム,51 アンプ, 52 A/D変換器, 53,91 ミキサ, 54,59,60,93,95 データ圧縮部, 55 同期調整回路, 55A,74A,102 メモリ, 56 EMDモード制御部, 57,75,92,101 スイッチ, 58 音声データ選択回路, 62 入力部, 71 EMDモード受信部, 72,81,82,83,103,104 データ伸張部, 74 セレクタ, 77 ダウンロード処理部, 78 個人情報記憶部, 79 再生制御部, 80 復号器, 94 暗号化部, 105 演算器
Claims (6)
- ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、放送信号の種類を設定する設定手段と、
前記設定手段による設定に基づいて、放送用曲データと、前記放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および前記放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、前記放送用曲データと、前記アクセス情報、前記識別情報、および前記曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、前記放送用曲データと、前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれか1つを前記放送信号とし、前記放送用曲データが送信されている間に前記データ放送データの送信が終了するように、前記放送信号における前記放送用曲データと前記データ放送データとの同期を調整する同期調整手段と、
前記同期調整手段により同期が調整された前記放送信号を送信する送信手段と
を備える送信装置。 - ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、放送信号の種類を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにおける設定に基づいて、放送用曲データと、前記放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および前記放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、前記放送用曲データと、前記アクセス情報、前記識別情報、および前記曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、前記放送用曲データと、前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれか1つを前記放送信号とし、前記放送用曲データが送信されている間に前記データ放送データの送信が終了するように、前記放送信号における前記放送用曲データと前記データ放送データとの同期を調整する同期調整ステップと、
前記同期調整ステップにおいて同期が調整された前記放送信号を送信する送信ステップと
を含む送信方法。 - 放送信号を受信する受信装置において、
少なくとも、放送用曲データと、前記放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される前記放送信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記放送信号の前記識別情報に基づいて、前記放送信号が、前記放送用曲データと、前記放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理をインターネットを介して行うためのアクセス情報、および前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、前記放送用曲データと、前記アクセス情報、前記識別情報、および前記曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、前記放送用曲データと、前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれであるかを識別する識別手段と、
前記識別手段により識別された前記放送信号に対して所定の信号処理を施す信号処理手段と
を備える受信装置。 - インターネット上のサーバとの通信を制御し、前記識別手段により識別された前記放送信号が、前記第1の信号である場合、ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、前記サーバからの前記曲対応データの受信を制御する通信制御手段をさらに備える
請求項3に記載の受信装置。 - インターネット上のサーバとの通信を制御し、前記識別手段により識 別された前記放送信号が、前記第2の信号である場合、ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、前記サーバからの前記圧縮暗号化データを復号するための復号情報の受信を制御する通信制御手段をさらに備える
請求項3に記載の受信装置。 - 放送信号を受信する受信装置の受信方法において、
少なくとも、放送用曲データと、前記放送信号の種類を識別するための識別情報を含むデータ放送データとから構成される前記放送信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記放送信号の前記識別情報に基づいて、前記放送信号が、前記放送用曲データと、前記放送用曲データに対応する曲対応データの取得に関わる処理を、インターネットを介して行うためのアクセス情報、および前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第1の信号、前記放送用曲データと、前記アクセス情報、前記識別情報、および前記曲対応データが圧縮暗号化された圧縮暗号化データを含むデータ放送データとから構成される第2の信号、並びに、前記放送用曲データと、前記識別情報を含むデータ放送データとから構成される第3の信号のうちのいずれであるかを識別する識別ステップと、
前記識別手段により識別された前記放送信号に対して所定の信号処理を施す信号処理ステップと
を含む受信方法。
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