JP4182324B2 - 芳香族アミン製造触媒の製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族ニトリルを水素化することにより芳香族アミンを製造する際に用いられる触媒の製法に関する。芳香族アミンは、硬化剤、合成樹脂、イソシアネート等の製造原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ニトリルの水素化には、種々の金属を用いた触媒系が提案されている。例えば、特開昭51−101930号公報には、ベンゾニトリルからベンジルアミンおよびジベンジルアミンを製造する方法が記載されている。このとき触媒には、ラネーニッケルペレット、珪藻土錠剤上に担持させたジルコニウム助触媒還元ニッケルおよびアルミナ錠剤上に担持させた白金が用いられる。特開昭62−129257号公報には、アンモニア共存下においてラネーニッケルもしくはラネーコバルトを用いてベンゾニトリルを水素化するベンジルアミンの製法が記載されている。また、特開平5−97776号公報では、実施例に、コバルト−アルミナ触媒を用いてベンゾニトリルを水素化してベンジルアミンを得る方法が記載されている。特開平9−40630号公報および特開平10−204048号公報には、ニッケルおよび/またはコバルトを含有するラネー触媒を用いて芳香族ジニトリルの2つのニトリル基の一方のみを水素化し、芳香族シアノメチルアミンを製造する方法が記載されている。
【0003】
これらの方法は、芳香族アミンの収率が高いという利点があるが、何れの触媒も反応中に生成した高沸点副生物が触媒に付着し、目的アミン収率は低下する。また、活性低下後に行う賦活再生操作としての水素化分解により、急激なメタンの発生、および液体アンモニアの蒸発に起因する触媒の崩壊が発生し、そのため反応差圧が上昇し、触媒の寿命は非常に短い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、活性低下後に行う賦活再生操作としての水素化分解により、急激なメタンの発生、および液体アンモニアの蒸発に起因する崩壊がなく、長期間使用が可能な芳香族アミン製造触媒の製法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を鋭意検討した結果、金属成分および担体の可溶性塩の水溶液をアルカリ水溶液に添加して得られた沈殿物を濾過後、乾燥させずにそのまま成形して調製された触媒が、活性低下後に行う賦活再生操作としての水素化分解による急激なメタンの発生、および液体アンモニアの蒸発に起因する崩壊がない触媒であることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、金属成分としてのNiおよび/またはCo、および担体としてのシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニアおよび/またはジルコニアの可溶性塩の混合水溶液をアルカリ水溶液に添加して得られた沈殿物、または金属成分と担体のそれぞれの可溶性塩水溶液を別々にアルカリ水溶液に添加して得られた沈殿物の混合物を濾過し、得られた含水率30〜90重量%の沈殿物を乾燥させずにそのまま成形し、乾燥、焼成後、水素還元することを特徴とする芳香族アミン製造触媒の製法に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の触媒の金属成分としては、Niおよび/またはCoが用いられる。
更に追加の活性成分として、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Ca、Ba、Ti、Cu、Cr、Zn、Mn、Mg、Fe、Ga、Ge、Nb、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Bi、Al、Si、In、Sr、CeおよびMoよりなる群から選ばれた少なくとも一種以上の金属成分を用いることができる。
【0007】
本発明の金属成分の可溶性塩としては、酸性塩が好適に用いられる。例えば、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、酢酸塩およびギ酸塩等が用いられるが、好ましくは硝酸塩が用いられる。
【0008】
本発明の担体としては、容易にゲルを形成する担体、例えばシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニアおよびそれらを組み合わせたものが用いられ、これらは可溶性塩の形で触媒調製に供される。
【0009】
本発明のアルカリ水溶液には、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムの水酸化アルカリ、炭酸アルカリおよび炭酸水素アルカリが用いられる。
【0010】
本発明の触媒は、金属成分および担体の可溶性塩の混合水溶液をアルカリ水溶液に添加して得られた沈殿物、または金属成分と担体のそれぞれの可溶性塩水溶液を別々にアルカリ水溶液に添加して得られた沈殿物の混合物を濾過し、得られた含水率30〜90重量%の沈殿物を乾燥させずにそのまま成形することで製造される。含水率がこれより大きいと、成形の際に触媒形状を保てず、これより少ないと担体の結合力を保持することができず、十分強固な触媒を得ることができないため、活性低下後に行う賦活再生操作としての水素化分解による急激なメタンの発生、および液体アンモニアの蒸発に起因する触媒崩壊が発生する。
乾燥させずに成形することにより、担体の結合力が保たれ、強固な触媒を得ることができる。乾燥後、バインダーもしくは水を添加して成形した場合、担体の結合力が保持されず、十分強固な触媒を得ることができないため、活性低下後に行う賦活再生操作としての水素化分解による急激なメタンの発生、および液体アンモニアの蒸発に起因する触媒崩壊が発生する。
【0011】
本発明において触媒中の担体の割合は20〜80重量%の範囲にある。担体の割合がこの範囲より少ないと、活性低下後に行う賦活再生操作としての水素化分解による急激なメタンの発生、および液体アンモニアの蒸発に起因する触媒の崩壊が発生し、多いと活性成分の量の減少により、十分なアミン収率が得られなくなる。
【0012】
本発明において触媒は共沈法もしくは各成分の沈殿の混練法により製造される。例えば、Niをジルコニア担体に担持させた触媒を調製する場合には、硝酸ニッケルおよび硫酸ニッケルなどのニッケル塩水溶液を炭酸水素アンモニウム水溶液に注下して炭酸ニッケルスラリーを得て、そのスラリーに硝酸ジルコニウムおよび硫酸ジルコニウムなどのジルコニウム塩水溶液と炭酸水素アンモニウム水溶液を同時に注下して炭酸ジルコニウムを沈着することにより、沈殿スラリーを得る。この沈殿スラリーを濾過して沈殿物を得る。
【0013】
本発明の触媒は、工業的に実用化されている湿式での造粒法で成形できる。例えば、ケミカルエンジニヤリング臨時増刊 工場操作シリーズ(造粒編)(化学工業社昭和43年発行)の18〜32項に記載の方法での押し出し成型品や押し出し成型品を解砕整粒機または球形整粒機で整粒した成形品などが用いられる。沈殿物を濾過後、含水率30〜90重量%の沈殿物をそのまま成形し、30〜150℃で乾燥後、焼成する。触媒の洗浄は、沈殿スラリーの濾過後もしくは乾燥後の何れでも行うことができる。
【0014】
焼成は成形した乾燥品を200〜500℃、好ましくは250〜450℃で空気雰囲気下、数時間以上実施する。上記方法で得られた成形体を水素還元する。還元は200〜600℃、好ましくは200〜500℃、SV=100〜1000Hr−1の1〜80%、好ましくは1〜60%水素ガス(残りは窒素ガス等不活性ガス)気流中で数時間行う。
【0015】
本発明の触媒は芳香族ニトリル化合物を水素化して芳香族アミンを製造する際に好適に使用できる。
芳香族ニトリル化合物は、芳香環上にシアノ基を一個あるいは複数個有するベンゾニトリル、フタロニトリル、イソフタロニトリル、テレフタロニトリルなどのような芳香族ニトリルである。原料の芳香族ニトリル化合物には反応に関与しない置換基を含んでいてもよい。反応に関与しない置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基などがある。芳香族ニトリルの水素化反応においては、芳香環上の置換基によって反応性が大きく変化するが、本発明の触媒を用いると、これらの置換基を有するものにおいても、効率よく反応が進行する。
反応は、回分式および流通式の何れの方法を用いることもできる。反応温度は、20〜200℃であり、好ましくは40〜180℃の範囲である。該範囲より反応温度が低いと原料ニトリル類の転化率が低く、一方、該範囲より高いと目的アミン類の高沸物の生成が増加するので、目的生成物の収率は低下する。
反応液と触媒との接触時間は、原料の種類、原料、溶媒および水素の仕込み組成、反応温度および反応圧力によって異なるが、通常0.1〜5.0時間の範囲である。
本発明において、反応生成物は、公知の方法を用いて溶媒と分離、回収される。例えば、反応系から気体成分と液成分を分離後、液成分を回収しそれを蒸留して回収される。
【0016】
【実施例】
次に実施例及び比較例により、本発明を更に具体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
【0017】
実施例1
(触媒調製)炭酸水素アンモニウムNH4HCO3 251.6gを純水1.8kgに溶解し、よく撹拌しながら、40℃に昇温し保持した。硝酸ニッケル6水和物Ni(NO3)2・6H2O 255.1g、硝酸銅3水和物Cu(NO3)2・3H2O 15.0g、硝酸クロム9水和物Cr(NO3)3・9H2O30.3gおよびZrO2として25wt%含有する硝酸ジルコニウム水溶液189.3gを1.5kgの40℃の純水に溶解し、混合金属水溶液を調合した。この40℃に保持された混合金属水溶液を炭酸水素アンモニウム水溶液によく撹拌しながら加えて、沈殿スラリーを調合した。このスラリーを80℃まで昇温し、30分同温度で保持した。この沈殿スラリーを濾過洗浄し、含水率70重量%の沈殿物を得た。この沈殿物を3.0mmφで押し出し成形後110℃で1晩乾燥し、380℃18時間空気雰囲気下で焼成した。この成形品を水素気流中400℃で還元した。
【0018】
(触媒の崩壊試験)100mlのオートクレーブに上記触媒50個および液体アンモニア10gを仕込み、120℃に加熱して18時間放置した。その後触媒を抜き出したところ触媒の亀裂および割れは認められなかった。
【0019】
(触媒の活性試験)100mlのオートクレーブにイソフタロニトリル3.2g、メシチレン10.4g、液体アンモニア10.0gおよび上記触媒2.0gを仕込み、水素で10.8MPa(ゲージ)に加圧した。このオートクレーブを120℃で圧力の変化が認められなくなるまで振とうした。この生成液を分析したところ、イソフタロニトリル転化率は、99.3mol%、メタキシリレンジアミン収率は78.6mol%であった。
【0020】
実施例2
(触媒の活性試験)100mlのオートクレーブにテレフタロニトリル3.2g、メシチレン10.4g、液体アンモニア10.0gおよび実施例1で調製した触媒2.0gを仕込み、水素で10.8MPa(ゲージ)に加圧した。このオートクレーブを120℃で圧力の変化が認められなくなるまで振とうした。この生成液を分析したところ、テレフタロニトリル転化率は、99.4mol%、パラキシリレンジアミン収率は81.2mol%であった。
【0021】
実施例3
(触媒調製)炭酸ナトリウムNa2CO3 168.7gを純水1.4kgに溶解し、よく撹拌しながら、40℃に昇温し保持した。硝酸ニッケル6水和物Ni(NO3)2・6H2O 255.1g、硝酸銅3水和物Cu(NO3)2・3H2O 15.0g、硝酸クロム9水和物Cr(NO3)3・9H2O 30.3gおよびZrO2として25wt%含有する硝酸ジルコニウム水溶液189.3gを1.5kgの40℃の純水に溶解し、混合金属水溶液を調合した。この40℃に保持された混合金属水溶液を炭酸ナトリウム水溶液によく撹拌しながら加えて、沈殿スラリーを調合した。このスラリーを80℃まで昇温し、30分同温度で保持した。この沈殿スラリーを濾過洗浄し、含水率74重量%の沈殿物を得た。この沈殿物を3.0mmφで押し出し成形後110℃で1晩乾燥し、380℃18時間空気雰囲気下で焼成した。この成形品を水素気流中400℃で還元した。
【0022】
(触媒の崩壊試験)100mlのオートクレーブに上記触媒50個および液体アンモニア10gを仕込み、120℃に加熱して18時間放置した。その後触媒を抜き出したところ触媒の亀裂および割れは認められなかった。
【0023】
(触媒の活性試験)100mlのオートクレーブにイソフタロニトリル3.2g、メシチレン10.4g、液体アンモニア10.0gおよび上記触媒2.0gを仕込み、水素で10.8MPa(ゲージ)に加圧した。このオートクレーブを120℃で圧力の変化が認められなくなるまで振とうした。この生成液を分析したところ、イソフタロニトリル転化率は、99.0mol%、メタキシリレンジアミン収率は77.3mol%であった。
【0024】
実施例4
(触媒の活性試験)100mlのオートクレーブにテレフタロニトリル3.2g、メシチレン10.4g、液体アンモニア10.0gおよび実施例3で調製した触媒2.0gを仕込み、水素で10.8MPa(ゲージ)に加圧した。このオートクレーブを120℃で圧力の変化が認められなくなるまで振とうした。この生成液を分析したところ、テレフタロニトリル転化率は、99.7mol%、パラキシリレンジアミン収率は80.6mol%であった。
【0025】
実施例5
(触媒調製)炭酸水素アンモニウムNH4HCO3 47.84gを純水1.0kgに溶解し、よく撹拌しながら、40℃に昇温し保持した。硝酸ニッケル6水和物Ni(NO3)2・6H2O 160.0gを1.0kgの40℃の純水に溶解し、金属水溶液を調合した。この40℃に保持された金属水溶液を炭酸水素アンモニウム水溶液によく撹拌しながら加えて、炭酸ニッケルの沈殿スラリーを調合し40℃で保持した。また、SiO2として56.0wt%およびNa2Oとして20.0wt%含有するケイ酸ナトリウム57.68gを40℃の純水608gに溶解しケイ酸ナトリウム水溶液を調合した。さらに、61.0wt%硝酸HNO338.21gを40℃の純水344gに溶解し硝酸水溶液を調合した。このケイ酸ナトリウム水溶液および硝酸水溶液を炭酸ニッケルの沈殿スラリーに同時に注下し、シリカを沈着させた。このスラリーを80℃まで昇温し、30分同温度で保持した。この沈殿スラリーを濾過洗浄し、含水率87重量%の沈殿物を得た。この沈殿物を3.0mmφで押し出し成形後110℃で1晩乾燥し、380℃18時間空気雰囲気下で焼成した。この成形品を水素気流中400℃で還元した。
【0026】
(触媒の崩壊試験)100mlのオートクレーブに上記触媒50個および液体アンモニア10gを仕込み、120℃に加熱して18時間放置した。その後触媒を抜き出したところ触媒の亀裂および割れは認められなかった。
【0027】
(触媒の活性試験)100mlのオートクレーブにイソフタロニトリル3.2g、メシチレン10.4g、液体アンモニア10.0gおよび上記触媒2.0gを仕込み、水素で10.8MPa(ゲージ)に加圧した。このオートクレーブを120℃で圧力の変化が認められなくなるまで振とうした。この生成液を分析したところ、イソフタロニトリル転化率は、98.7mol%、メタキシリレンジアミン収率は79.6mol%であった。
【0028】
実施例6
(触媒の活性試験)100mlのオートクレーブにテレフタロニトリル3.2g、メシチレン10.4g、液体アンモニア10.0gおよび実施例5で調製した触媒2.0gを仕込み、水素で10.8MPa(ゲージ)に加圧した。このオートクレーブを120℃で圧力の変化が認められなくなるまで振とうした。この生成液を分析したところ、テレフタロニトリル転化率は、99.9mol%、パラキシリレンジアミン収率は81.2mol%であった。
【0029】
比較例1
(触媒調製)実施例1で調合した沈殿スラリーを濾過洗浄後、含水率20重量%となるように吸引濾過を行った。この沈殿物を3.0mmφで押し出し成形後110℃で1晩乾燥し、380℃18時間空気雰囲気下で焼成した。この成形品を水素気流中400℃で還元した。
【0030】
(触媒の崩壊試験)100mlのオートクレーブに上記触媒50個および液体アンモニア10gを仕込み、120℃に加熱して18時間放置した。その後触媒を抜き出したところ35個の触媒に亀裂および割れがみられた。
【0031】
(触媒の活性試験)100mlのオートクレーブにイソフタロニトリル3.2g、メシチレン10.4g、液体アンモニア10.0gおよび上記触媒2.0gを仕込み、水素で10.8MPa(ゲージ)に加圧した。このオートクレーブを120℃で圧力の変化が認められなくなるまで振とうした。この生成液を分析したところ、イソフタロニトリル反応率は、99.3mol%、メタキシリレンジアミン収率は78.3mol%であった。
【0032】
比較例2
(触媒の活性試験)100mlのオートクレーブにテレフタロニトリル3.2g、メシチレン10.4g、液体アンモニア10.0gおよび比較例1で調製した触媒2.0gを仕込み、水素で10.8MPa(ゲージ)に加圧した。このオートクレーブを120℃で圧力の変化が認められなくなるまで振とうした。この生成液を分析したところ、テレフタロニトリル転化率は、99.8mol%、パラキシリレンジアミン収率は82.3mol%であった。
【0033】
比較例3
(触媒調製)実施例1で調合した沈殿スラリーを濾過洗浄後、含水率10重量%となるまで乾燥した。この乾燥品に水を添加し、含水率70重量%とした。この沈殿物を3.0mmφで押し出し成形後110℃で1晩乾燥し、380℃18時間空気雰囲気下で焼成した。この成形品を水素気流中400℃で還元した。
【0034】
(触媒の崩壊試験)100mlのオートクレーブに上記触媒50個および液体アンモニア10gを仕込み、120℃に加熱して18時間放置した。その後触媒を抜き出したところ20個の触媒に亀裂および割れがみられた。
【0035】
(触媒の活性試験)100mlのオートクレーブにイソフタロニトリル3.2g、メシチレン10.4g、液体アンモニア10.0gおよび上記触媒2.0gを仕込み、水素で10.8MPa(ゲージ)に加圧した。このオートクレーブを120℃で圧力の変化が認められなくなるまで振とうした。この生成液を分析したところ、イソフタロニトリル反応率は、99.0mol%、メタキシリレンジアミン収率は79.2mol%であった。
【0036】
比較例4
(触媒の活性試験)100mlのオートクレーブにテレフタロニトリル3.2g、メシチレン10.4g、液体アンモニア10.0gおよび比較例3で調製した触媒2.0gを仕込み、水素で10.8MPa(ゲージ)に加圧した。このオートクレーブを120℃で圧力の変化が認められなくなるまで振とうした。この生成液を分析したところ、テレフタロニトリル転化率は、99.9mol%、パラキシリレンジアミン収率は81.1mol%であった。
【0037】
【発明の効果】
芳香族アミンの製造を行う際に、本発明の触媒を用いることにより、賦活再生操作としての水素化分解に起因する触媒崩壊が抑制され、触媒を長期間用いることができる。
従って、本発明の触媒を用いることにより、極めて経済的に芳香族ニトリルから芳香族アミンを製造でき、本発明の工業的意義は大きい。
Claims (3)
- 金属成分としてのNiおよび/またはCo、および担体としてのシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニアおよび/またはジルコニアの可溶性塩の混合水溶液をアルカリ水溶液に添加して得られた沈殿物、または金属成分と担体のそれぞれの可溶性塩水溶液を別々にアルカリ水溶液に添加して得られた沈殿物の混合物を濾過し、得られた含水率30〜90重量%の沈殿物を乾燥させずにそのまま成形し、乾燥、焼成後、水素還元することを特徴とする芳香族アミン製造触媒の製法。
- 金属成分が(1)Niおよび/またはCo、および(2)Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Ca、Ba、Ti、Cu、Cr、Zn、Mn、Mg、Fe、Ga、Ge、Nb、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Bi、Al、Si、In、Sr、CeおよびMoよりなる群から選ばれた少なくとも一種以上である請求項1に記載の芳香族アミン製造触媒の製法。
- 金属成分の可溶性塩が酸性塩である請求項1または2に記載の芳香族アミン製造触媒の製法。
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