JP4175118B2 - コンテンツ処理装置及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダウンロードしたコンテンツのセキュリティを確保することができるコンテンツ処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、通信ネットワークを介して取得されるコンテンツについては、対応するアプリケーションにキーワードを入れることで、コンテンツ使用の制限を解除するが、コンテンツ毎にユーザ別の使用権制限をコントロールするのは難しく、ユーザがキーワードを入れることも煩わしいものである。また、ネットワーク上でコンテンツを購入する際、まず試聴用を入手しその後正規データを購入することができるようにしたものが、例えば、特許文献1により、提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−350479号公報
【0004】
しかしながら、試聴用データをダウンロードした後、その制限を解除するためには、正規データをフルにダウンロードし直さなければならず、時間的にも作業的にもトラフィック的にも面倒であるという不都合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の主たる目的は、このような不都合に鑑み、簡単な方式で各ユーザ毎にコンテンツ利用上のサービスを容易にコントロールし、所要のセキュリティを確保することができるコンテンツ処理システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の主たる特徴に従うと、夫々に複数種類のコンテンツ要素(D1,D2,…)を含む複数のコンテンツ(PK2,PK3,…)、これらコンテンツの夫々の使用権を管理するコンテンツ管理ファイル(CML)、各コンテンツ(PK2,PK3,…)に含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)の種類に対応して当該コンテンツ要素を実行するためのプラグインモジュール(PL1,PL2,…)、及び、各プラグインモジュール(PL1,PL2,…)毎に実行可能な動作機能を定義するプラグイン管理ファイル(PML)を記憶するコンテンツ情報記憶手段(4)であって、コンテンツ管理ファイル(CML)は各コンテンツ毎に備えられ、プラグイン管理ファイル(PML)はこのコンテンツ処理装置(PC)に一つ備えられるもの(4)と、実行すべきコンテンツ(PKa)に含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)の種類に基づいて、当該コンテンツ要素を実行するためのプラグインモジュール(PL1,PL2,…)を設定するプラグイン設定手段(PP1)と、このコンテンツ(PKa)に対応するコンテンツ管理ファイル(CML)から、当該コンテンツ(PKa)の実行について制限されている動作を認識する動作認識手段(PP2)と、当該コンテンツ(PKa)に関する動作の実行を指示する実行指示手段(PP3=YES)と、実行指示手段(PP3=YES)により実行が指示された動作について、プラグイン設定手段(PP1)により設定されたプラグインモジュール(PL1,PL2,…)の機能のうち、動作認識手段(PP2)により制限されていると認識された動作に該当しない機能であり、かつ、プラグイン管理ファイル(PML)により定義された実行可能な動作機能を許可するプラグイン機能許可手段(PP4〜PP6)と、プラグイン機能許可手段(PP4〜PP6)により許可されたプラグインモジュールの機能に従って当該コンテンツ(PKa)に含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)を実行するコンテンツ実行手段(PP7)とを具備するコンテンツ処理装置(PC)〔請求項1〕、並びに、夫々に複数種類のコンテンツ要素(D1,D2,…)を含む複数のコンテンツ(PK2,PK3,…)、これらコンテンツの夫々の使用権を管理するコンテンツ管理ファイル(CML)、各コンテンツ(PK2,PK3,…)に含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)の種類に対応して当該コンテンツ要素を実行するためのプラグインモジュール(PL1,PL2,…)、及び、各プラグインモジュール(PL1,PL2,…)毎に実行可能な動作機能を定義するプラグイン管理ファイル(PML)を記憶するコンテンツ情報記憶手段(4)であって、コンテンツ管理ファイル(CML)は各コンテンツ毎に備えられ、プラグイン管理ファイル(PML)はこのコンテンツ処理装置(PC)に一つ備えられるもの(4)を具備し、コンテンツ処理装置として機能するコンピュータ(PC)に、実行すべきコンテンツ(PKa)に含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)の種類に基づいて、当該コンテンツ要素を実行するためのプラグインモジュール(PL1,PL2,…)を設定するプラグイン設定ステップ(PP1)と、このコンテンツ(PKa)に対応するコンテンツ管理ファイル(CML)から、当該コンテンツ(PKa)の実行について制限されている動作を認識する動作認識ステップ(PP2)と、当該コンテンツ(PKa)に関する動作の実行を指示する実行指示ステップ(PP3=YES)と、実行指示ステップ(PP3=YES)で実行が指示された動作について、プラグイン設定ステップ(PP1)で設定されたプラグインモジュール(PL1,PL2,…)の機能のうち、動作認識ステップ(PP2)で制限されていると認識された動作に該当しない機能であり、かつ、プラグイン管理ファイル(PML)により定義された実行可能な動作機能を許可するプラグイン機能許可ステップ(PP4〜PP6)と、プラグイン機能許可ステップ(PP4〜PP6)で許可されたプラグインモジュールの機能に従って当該コンテンツ(PKa)に含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)を実行するコンテンツ実行ステップ(PP7)とから成る手順を実行させるためのコンテンツ処理プログラム〔請求項6〕が提供される。なお、括弧書きは、理解の便のために、対応する実施例の参照記号等であり、以下においても同様である。
【0007】
また、このコンテンツ処理装置(PC)は、さらに、プラグイン管理ファイル(PML)を更新する更新手段を具備する〔請求項2〕ように構成することができる。
【0008】
さらに、コンテンツ管理ファイル(CML)は、通信ネットワーク(CN)を通して取得される〔請求項3〕ように構成したり、書換え可能であり、対応するコンテンツ(PK2,PK3,…)とは独立して取得される〔請求項4〕ように構成することができる。また、各コンテンツ(PK2,PK3,…)は、対応するコンテンツ管理ファイル(CML)無しには使用することができず、さらに、各コンテンツに含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)は、当該コンテンツ要素の種類に対応するプラグインモジュール(PL1,PL2,…)の動作機能がプラグイン管理ファイル(PML)で実行可能に定義されること無しには実行することができない〔請求項5〕ように構成することができる。
【0009】
〔発明の作用〕
この発明によるコンテンツ処理システムでは(請求項1,6)、複数のコンテンツ(PK2,PK3,…)は、それぞれ、複数種類のコンテンツ要素(D1,D2,…)を含んでおり、これらコンテンツの夫々にコンテンツ使用権を与えるコンテンツ管理ファイル(CML)に、コンテンツ実行上制限すべき動作(動作制限情報)を規定しておく。また、各コンテンツ(PK2,PK3,…)に含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)の種類に対応して当該コンテンツ要素を実行するためのプラグインモジュール(PL1,PL2,…)については、プラグイン管理ファイル(PML)により各プラグインモジュール毎に機能性(実行可能な動作機能)を定義して、各プラグインモジュールの振舞いをも使用権に含めておく。そして、任意のコンテンツ(PKa)と、これに対応するコンテンツ管理ファイル(CML)を取り込んで、複数のプラグインモジュール(PL1,PL2,…)を含むコンテンツ利用プログラムに従い、プラグイン管理ファイル(PML)を参照してコンテンツを実行する。この際、まず、実行すべきコンテンツ(PKa)に含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)の種類に応じたプラグインモジュールを設定し(PP1)、当該コンテンツ(PKa)に対応したコンテンツ管理ファイル(CML)から種々の動作制限情報を認識する(PP2)。次に、当該コンテンツ(PKa)に関する動作の実行指示があると(PP3=YES)、実行指示された動作について、コンテンツ管理ファイル(CML)及びプラグイン管理ファイル(PML)により実行可能な動作を二重に管理してプラグインモジュールの動作機能を許可する(PP4〜PP6)。すなわち、設定したプラグインモジュールの動作機能のうち、コンテンツ管理ファイル(CML)から認識した動作制限情報に該当しない機能であり(PP4=NO)、かつ、プラグイン管理ファイル(PML)に規定された実行可能な動作機能である(PP5=NO)ことをチェックした上、許可すべきプラグインの動作機能を特定する(PP6)。そして、プラグインモジュール(PL1,PL2,…)の許可された動作機能に従って当該コンテンツ(PKa)に含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)を実行する(PP7)。
【0010】
この発明によると、上述のように、ユーザの所有する複数のコンテンツ(PK2,PK3,…)はそれぞれ複数種類のコンテンツ要素を含み、コンテンツ毎にコンテンツ使用権を与えるコンテンツ管理ファイル(CML)を用いて、その動作制限情報により限定された利用許可範囲を各コンテンツに設定し、各コンテンツに含まれるコンテンツ要素の種類に対応するプラグインモジュール(PL1,PL2,…)の動作機能をこの範囲内でのみ利用可能としているので、簡単な方式で各ユーザ毎にコンテンツ利用上のサービスを容易にコントロールし、所要のセキュリティを確保することができる。さらに、コンテンツ(PKa)を実行する際には、実行が指示された動作について、当該コンテンツ(PKa)の動作を管理するコンテンツ管理ファイル(CML)を用いて動作機能の制限をチェックするだけではなく、各コンテンツ要素(D1,D2,…)の種類に対応するプラグインモジュール(PL1,PL2,…)毎に動作機能を管理するプラグイン管理ファイル(PML)を用いて実行可能な動作機能であることを更にチェックした上で、動作機能を許可するようにしているので、両管理ファイル(CML,PML)により二重の動作管理を行い、確実にセキュリティを確保することができる。
【0011】
この発明によるコンテンツ処理装置において、プラグイン管理ファイル(PML)は、サーバ(SV)から通信ネットワーク(CN)を通して更新可能であり、プラグインモジュールの増減に併せて変更することができるので、柔軟性をもってセキュリティを確保することができる(請求項2)。
【0012】
また、コンテンツ処理装置(ユーザ端末PC)からの要請に応じて、サーバ(SV)に記憶されたコンテンツ管理ファイル(CML)を通信ネットワーク(CN)を通して取得することができる(請求項3)。この場合、コンテンツ管理ファイル(CML)は、対応するコンテンツデータ(PK2,PK3,…)と共に、或いは、単独でコンテンツに対応つけた形でユーザ端末(PC)に転送される。このコンテンツ管理ファイル(CML)は、ユーザ端末(PC)では、コンテンツに組み込まれて扱われてもよいし、また、コンテンツから切り離して各コンテンツに対応付けて管理されてもよい。
【0013】
ユーザ端末(PC)毎のプラグイン管理ファイル(PML)及びコンテンツ毎のコンテンツ管理ファイル(CML)は、書換え可能であって種々の動作制御情報が記述されるので、コンテンツ(PK2,PK3,…)自体のダウンロードをやり直すことなく、各管理ファイル(PML,CML)のみを書き換えるだけでコンテンツの利用に変化を与えることができる(請求項4)。また、ユーザの使用勝手を落とさずに、ユーザのライセンスに応じて限定されたコンテンツ利用サービスを実現することができる。
【0014】
また、コンテンツ(PK2,PK3,…)は、その使用権情報であるコンテンツ管理ファイル(CML)が用意されていなければ、全く使用することはできず、また、各コンテンツに含まれるコンテンツ要素(D1,D2,…)は、当該コンテンツ要素の種類に対応するプラグインモジュール(PL1,PL2,…)の所要の動作機能がプラグイン管理ファイル(PML)で「実行可能」に定義されていなければ、その動作機能に従い実行させることはできない(請求項5)。そして、これら管理ファイル(CML,PML)は、ライセンスをもつユーザ端末(PC)に固有の情報で容易に暗号化されるので、他のユーザ端末でのコンテンツ利用を阻止し著作権保護を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0016】
〔システム構成〕
図1は、この発明の一実施例によるコンテンツ処理装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。このコンテンツ処理装置は、“ユーザ端末”と呼ばれ(或いは、クライアント端末、ローカルなどとも呼ばれる)、通信機能及び各種コンテンツ情報処理機能を有する任意の情報処理装置が用いられるが、図1の例では、通信機能及び各種メディア情報処理機能を有するパーソナルコンピュータPCがコンテンツ処理装置に用いられる。しかしながら、パーソナルコンピュータなどの汎用情報処理装置に限らず、電子楽器などの種々の形態の情報処理装置に同様の機能を付加することによって、これら情報処理装置をコンテンツ処理装置として用いることができる。なお、以下の実施例においては、コンテンツ処理装置自体が画像及び音響出力機能を有するものについて説明する。
【0017】
図2において、このコンテンツ処理装置PCは、中央処理装置(CPU)1、ランダムアクセスメモリ(RAM)2、読出専用メモリ(ROM)3、外部記憶装置4、検出回路5、表示回路6、音源回路7、効果回路8、印刷回路9、通信インターフェース(通信I/F)10、データインターフェース(データI/F)11などを備え、これら装置1〜11はバス12を介して互いに接続される。
【0018】
装置全体を制御するCPU1は、所定の制御プログラムに従って各種のコンテンツ処理を実行し、プログラム実行中の時間を計測するタイマ13を備え、タイマ13は、例えば、コンテンツ利用プログラムの実行時に、コンテンツ情報の試用期間を判定するための計時に用いられる。書込可能なRAM2は、各種コンテンツ処理を実行するのに必要な種々の情報を一時的に記憶するための各種レジスタ、フラグなどを含むワーキングメモリとして機能する。また、ROM3には、CPU1にコンテンツ処理などを実行させる制御プログラムや各種データ、テーブル等が記憶されており、これらCPU1、タイマ13、RAM2及びROM3は信号処理システムを形成する。
【0019】
外部記憶装置4は、ハードディスク(HD)や、コンパクトディスク・リード・オンリィ・メモリ(CD−ROM)、フレキシブルディスク(FD)、光磁気(MO)ディスク、ディジタル多目的ディスク(DVD)、メモリカード等の記憶媒体を用いた記憶手段である。制御プログラムやデータなどは、ROM3に制御プログラムが記憶されていなくても、HDやCD−ROMなどの外部記憶装置4に制御プログラムを記憶させておいてそれをRAM2に読み込むことで、ROM3に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。例えば、コンテンツ処理に関するコンテンツ利用プログラムやコンテンツデータなどの各種コンテンツ情報(図3参照)をHDにインストールすることによって、所望のコンテンツ処理装置を実現することができ、また、制御プログラムの追加やバージョンアップ等を容易に行うことができる。
【0020】
検出回路5は、これに接続される操作子装置14の各種操作子の操作内容を検出してシステム内に導入する。操作子装置14は、文字キーボードやポインチングデバイス(マウス等)などの操作子を備え、これらの操作子を用いて、例えば、各種アプリケーションの立ち上げや種々の機能の実行指示を行なうことができる。また、操作子装置14の所定の操作子に演奏楽音入力機能を割り当てて、コンテンツ実行時のガイド機能に従い実際の演奏を行うことも可能である。
【0021】
表示回路6は、これに接続されるディスプレイ(インジケータを含む)15の表示内容をCPU1からの指令に従って制御し、ディスプレイ15には、例えば、各種アプリケーションにおける各種設定画面などを表示する設定表示機能のみならず、コンテンツ実行時の出力画面(楽譜表示、ビデオ表示、各種パラメータ表示などの画面)を表示する画像出力機能を有する。
【0022】
音源回路(音源モジュールを含む)7、効果(付与)回路8、及び、効果回路8に接続されるサウンドシステム16は、音響出力機能部即ち発音システムを構成する。つまり、音源回路7は、記憶手段3,4から読み出される楽曲情報に対応する楽音波形情報を効果回路8に出力し、DSP等で構成される効果(付与)回路8は、この楽音波形情報や記憶手段3,4からの音波形情報(オーディオ情報)を所望の音響データに変換し、D/A変換器やアンプ、スピーカから成るサウンドシステム16は、効果回路8からの音響データをアナログ化した後に増幅して発音する。また、印刷回路9は、これに接続されるプリンタ17からプリントアウトされる内容をCPU1からの指令に従って制御し、コンテンツ利用プログラムによるコンテンツ実行時などに必要なデータを紙出力する。
【0023】
通信I/F10は、インターネットや電話回線などの通信ネットワークCNに接続されるインターフェース(I/F)であり、サーバコンピュータ(以下、Wevサーバ又はサーバという)SV等の外部情報処理装置との間でデータのやりとりを可能とする。例えば、ROM3や外部記憶装置4に必要な制御プログラムや各種データが記憶されていない場合、通信ネットワークCNを介してサーバSVから、制御プログラム〔コンテンツ利用プログラム(メインプログラム及び種々のプラグインモジュール)等〕や制御データ(プラグイン管理ファイル、コンテンツ管理ファイル等)、コンテンツデータ(コンテンツパッケージ等)などの諸データを取得して、外部記憶装置4にダウンロードすることができる。
【0024】
また、データI/F11は、演奏データの送受信を行うためのインターフェース(I/F)であり、MIDIや、USB、IEEE1394などの専用I/F(ケーブル)であってもよい。このデータI/F11により、MIDI機器や他の演奏データ処理装置などを含む外部機器EDと、MIDIなどの楽曲情報(MIDI情報)や他の各種演奏情報〔オーディオ情報(音波形情報)、ビデオ情報、楽譜情報等〕を授受することができる。
【0025】
サーバSVは、図1と同様の内部構成を有しており、上述のように、各コンテンツ処理装置即ち各ユーザ端末PCにプログラムやコンテンツ等の各種データを提供することができる。つまり、外部記憶装置4内のハードディスク(HD)には種々の情報が蓄積されており、各ユーザ端末PCが要求する種々のコンテンツ情報を配信することができる。
【0026】
〔サーバ及びユーザ端末の記憶内容〕
図2及び図3は、この発明の一実施例によるコンテンツ処理システムにおけるサーバ及びユーザ端末の記憶内容を説明するための図である。サーバSVのハードディスク(HD)には、例えば、図2左欄に示すように、ユーザ情報に続いて、コンテンツデータ、コンテンツ管理ファイル〔コンテンツ管理(マネージメント)リストとも呼ばれる〕CML、コンテンツ利用プログラム、プラグイン管理ファイル〔プラグイン管理(マネージメント)リスト〕PMLから成るコンテンツ情報と、各ユーザ端末PCに提供可能な他の種類の制御プログラムや種々のメディアデータなど、多数のデータを含む「その他」の情報が記憶されている。
【0027】
ユーザ情報は、このサーバSVに登録されている個々のユーザA,B,…に関する個人情報であり、図2中欄の最上段に示すように、各ユーザA,B,…別に記憶される。つまり、各ユーザA,B,…別のユーザ情報は、図2右欄の最上段に示すように、ユーザID、ユーザパスワード、PC固有情報、購入登録情報及びその他情報から成る。ここで、ユーザID(ログインID)は、各コンテンツ処理装置(ユーザ端末)PCを使用するユーザを識別するための非機密性情報であり、ユーザパスワードは、サーバSVへのアクセス或いはコンテンツ利用時に当該ユーザを正式に認証するための機密性情報である。
【0028】
また、機器固有情報(PC固有情報)は、ユーザが使用するパーソナルコンピュータ(ユーザ端末)PCに固有の特徴情報であり、MACアドレス(Media Access Control address)、HDのID番号、ビデオカード番号、等々、ネットワークに接続されるユーザ端末PCを特定することができる固有の番号なら何でもよい。なお、この例では、PC固有情報は、ユーザの使用装置の数の分だけ存在し、例えば、使用装置数が“1”台なら図示のように「PC固有情報“1”」のみである。また、PC固有情報は、各ユーザ端末PCに送られるプラグイン管理ファイルPMLやコンテンツ管理ファイルCMLなどのコンテンツ情報を暗号化/復号化(解錠)するのに用いられる。
【0029】
購入登録情報は、各種コンテンツ情報の購入・登録状況を各ユーザ毎に管理するための情報であり、コンテンツ情報の購入毎に更新される。例えば、既に当該ユーザにより購入されたコンテンツデータ(コンテンツパッケージ)は楽曲整理番号(コンテンツID番号)で登録され、コンテンツ管理ファイルCML、コンテンツ利用プログラム、プラグイン管理ファイルPMLの購入についても、種別毎に登録される。その他情報は、コンテンツ配信に必要な当該ユーザ個人に関わるその他の情報である。
【0030】
コンテンツデータは、サーバSVが提供可能な多数のコンテンツ…の内容を記録したものであり、この例では、図2中及び右欄の第2段に示すように、各コンテンツは、それぞれ、何種類かのメディア情報をコンテンツ要素としたコンテンツパッケージPK1,PK2,PK3,…で構成される。具体的には、各コンテンツパッケージPKa(a=1,2,…)の内容は、当該コンテンツを特定するための楽曲整理番号(コンテンツパッケージID)PNに続いて、当該コンテンツ中の楽曲の内容をSMF(Standard MIDI File)形式で表わすMIDI楽音情報D1、当該楽曲に対応して再生されるオーディオ情報(音波形情報)D2、静止画像情報D3、動画像情報(ビデオ情報)D4、楽譜表示補助情報(楽譜情報)D5や、レッスン機能などを表わす情報を含む「その他」情報D6などの種々のメディア情報が、コンテンツ要素として含まれる。
【0031】
なお、この例では、便宜上、MIDI楽音情報D1を主たる(メイン)コンテンツ要素として、コンテンツパッケージPKaを特定するための情報PNを楽曲整理番号と称しているが、必ずしもその必要はなく、パッケージによっては、MIDI楽音情報D1がない場合があり、また、他コンテンツ要素D2〜D6についても同様に欠如することがある。
【0032】
コンテンツ管理ファイルCMLは、各コンテンツパッケージPK1,PK2,PK3,…の使用を許可するコンテンツ使用権情報であると共に、各コンテンツパッケージ自体をどういうふうに利用することができるか等、コンテンツ利用上制限される動作を各コンテンツパッケージPK1,PK2,PK3,…毎に定義したものである。例えば、図2中欄の第3段に示すように、各コンテンツパッケージPK1,PK2,PK3,…に対して、「試用版」及び「正規版」というユーザが獲得可能な出版ライセンスを設け、出版ライセンス毎に異なる動作制限情報を与えている。この例では、試用版に、図2右欄の第3段(最下段)に示すように、動作制限情報として、保存許可の有無、印刷許可の有無、変更(編集)許可の有無、その他の制限項目など、物理的乃至時間的な制限によって、各コンテンツを実行する際の動作許可範囲を規定している。
【0033】
より具体的にコンテンツ管理ファイルCMLの内容を例示すると、次の(1)〜(5)がある:
(1)コンテンツ名(番号):テキスト20文字など。
(2)出版ライセンス:試用版/正規版。
(3)ユーザ端末(ローカル)PCの記録先(HD)
(4)プレビュー時の時間制限:OP(オリジナルパブリッシャー)の意思によるので、コンテンツ〔楽曲整理番号(コンテンツID番号)〕毎に異なる〔0(ゼロ)の場合もある〕。一例をあげると、次のとおり。
MIDI再生時間=例えば、20秒/、
Audio再生時間=例えば、20秒/、
Video再生時間=例えば、20秒、
楽譜の表示頁数=例えば、1頁。
(5)アクションセキュリティ:ユーザが獲得した出版ライセンスの条件に従い、各コンテンツパッケージPKaで実行されるアクションを制限することができるようにしたものであり〔アクションに対する制限は、以下の機能に及ぶものとする(ただし、これらに限定されるものではない)。〕、OPの意思により決定されるので、各コンテンツパッケージPKa毎に異なる。一例をあげると、次のとおり:
エディット=Yes(許可)/No(非許可)〔デフォルトは、No〕、
再配布=Yes(許可)/No(非許可)〔デフォルトは、No〕、
閲覧(オーディオ/ビデオ/MIDIなどのレンダリングを含む)=Yes(許可)/No(非許可)〔デフォルトは、No〕、
印刷=Yes(許可)/No(非許可)〔デフォルトは、No〕。
【0034】
なお、上述の例示(4)のプレビュー時間制限は、(2)の出版ライセンスが「試用版」の場合である。ユーザ端末PCにおいて、コンテンツ管理ファイルCMLの「試用版」によりコンテンツパッケージPKaの再生処理を実行するモードは「プレビュー(Preview)モード」と呼ばれる。一方、「正規版」には、このようなプレビュー時間制限がなく、正規版を購入すれば、基本的には、制限なく利用が許可され、印刷回数等を除いて、特に量的な制限なしでフルにコンテンツの利用が可能である。ユーザ端末PCにおいて、コンテンツ管理ファイルCMLの「正規版」によりコンテンツパッケージPKaの再生処理を実行するモードは「フル(Full)モード」と呼ばれる。しかしながら、(5)のアクションセキュリティに関しては、「正規版」でも、OPの事情に応じた制限が加わることがある。例えば、印刷については、ライセンス上の絡みで印刷可能回数を制限する可能性があり、印刷許可があっても回数が制限されることがある。
【0035】
コンテンツ管理ファイルCMLは、購入されるコンテンツパッケージと共にユーザ端末PCにダウンロードしておき、コンテンツ実行時にコンテンツ利用プログラムにより確認されると、当該コンテンツパッケージの使用(RAM2上への読出し等)が可能となり、動作制限情報で限定された範囲内でのみコンテンツ実行が許される。なお、サーバSVからコンテンツをリリースした後に、OPの指示に従ってコンテンツ管理ファイルCMLを書き換えることで、制限される動作が変更されることがあり、最初は許可をしていたものも後で制限されることも逆の場合もある。
【0036】
コンテンツ利用プログラムは、当該サーバSVから提供されるコンテンツを利用するためのソフトウエアプログラムであり、図2中欄の第2段に示すように、コンテンツの利用にかかる全体的な処理を行うメインプログラムMPと、“プラグイン(Plug-in )”と呼ばれる種々のメディア情報専用の再生プログラム(プラグインモジュール)PL1,PL2,…とから成る。メインプログラムMPは、各コンテンツパッケージPKaに含まれる種々のメディア情報(コンテンツ要素)D1,D2,…の再生を単純に指令するシーケンサ機能を有し、また、種々のプラグインモジュールPL1,PL2,…の管理も行なっている。
【0037】
各プラグインモジュール(以下、単に“プラグイン”という)PL1,PL2,…は、各メディア情報(コンテンツ要素)D1,D2,…を再生するのに特化させたメディア種類毎の機能プログラムであり、複数の動作機能を有している。これらの動作機能には、本来の再生処理機能の外に、録音(記録)、保存(転記)、編集、印刷、コピーなどの動作機能がある。各プラグインPL1,PL2,…は、例えば、次の(1)〜(5)のような再生処理を実行する:
(1)プラグインPL1(MIDI楽音情報の自動演奏処理):ユーザが実行対象として選択したコンテンツパッケージPKaのMIDI楽音情報D1を再生(自動演奏)する(MIDI楽音情報D1は、対応する楽音を、例えば、SMFフォーマット0.1で表現するが、他のフォーマットに対応させてもよい。)。
(2)プラグインPL2(オーディオ情報の再生処理)=同コンテンツパッケージPKaのオーディオ情報(音波形情報)D2を再生する〔オーディオ情報D1は、対応するオーディオ波形を、例えば、MP3(MPeg audio layer 3)又はWAV(WAVe file )フォーマットで表現するが、他のフォーマットに対応させてもよい。〕。
(3)プラグインPL3,PL4(静止画像及び動画像情報の表示処理):同コンテンツパッケージPKaの静止画像及び動画像情報D3,D4を再生(表示)する〔静止画像及び動画像情報D3,D4は、対応する静止画像及び動画像を、例えば、JPEG(Joint Photographic Expert Group )又はBMP(BitMaP)フォーマット、及び、MPEG1(Motion Picture Expert Group 1 )又はAVI(Audio Visual Interleaved)フォーマットで表現するが、他のフォーマットに対応させてもよい。〕。
(4)プラグインPL5(楽譜情報の表示処理):同コンテンツパッケージPKaのMIDI楽音情報D1及び対応する楽譜表示補助情報D5を読み出して楽譜画像データを形成し、対応する楽譜画像をディスプレイ15に1頁ずつ表示(再生)する〔楽譜画像データの形成は、例えば、スコーチXFに従うが、他のフォーマットでもよい。〕。
(5)プラグインPL6(レッスン機能等):同コンテンツパッケージPKaのMIDI楽音情報D1に対応するガイド情報(D6)を再生する、等々。
【0038】
プラグイン管理ファイルPMLは、各プラグインPL1,PL2,…の実行を許可するプラグイン使用権情報であり、各プラグイン毎に、実行可能な動作機能(「プラグインの機能性」という)を定義している。例えば、図2中欄の最下段に示すように、プラグインPL1,PL2については、各ユーザ端末PCのHDへの最初の記録動作が可能であるが(「録音」=“○”)、当該ユーザ端末PCのHD以外の他の記録媒体に保存(転記)することはできず(「保存」=“×”)、また、プラグインPL3については、表示回路6への表示出力が可能であるが(「表示」=“○”)、印刷回路9により印刷出力させる動作機能については不許可とされる(「印刷」=“×”)。
【0039】
一方、ユーザ端末PCのハードディスク(HD)のコンテンツ情報格納部には、例えば、図3左欄に示すように、必要情報(ユーザ情報)に続いて、コンテンツ利用プログラム、プラグイン管理ファイルPML、コンテンツデータ及びコンテンツ管理ファイルCMLから成るコンテンツ情報が記憶される。これらのコンテンツ情報は、必要な時期に必要な情報をサーバSVからダウンロードすることができる。また、コンテンツ利用プログラム及びコンテンツデータについては、CD−ROMのような可搬性記録媒体からインストールすることもできる。
【0040】
必要情報は、当該ユーザ端末PCでユーザがコンテンツを利用するに当って必要なユーザの個人情報であり、サーバSVに登録されている個々のユーザ情報に対応し、例えば、図3中欄の最上段に示すように、ユーザID、ユーザパスワード及びその他情報から成る。その他情報には当該ユーザ端末PCのユーザに関する購入登録情報が含まれ、ユーザ端末PCの購入登録情報は、サーバSV又は可搬性記録媒体からコンテンツ情報をダウンロード又はインストールする度に、サーバSVの購入登録情報の更新と同時に更新される。
【0041】
ユーザ端末PCのコンテンツ利用プログラム及びプラグイン管理ファイルPMLは、図3中欄の第2段及び第3段に示すように、図2と同様の構成を有し、サーバSVからダウンロードすることができる。ユーザ端末PCのプラグイン管理ファイルPMLは、ユーザ端末PCの機器(PC)固有情報により暗号化されてHDに記録され、コンテンツの実行に必要なプラグインと共に読み出され、当該PC固有情報で復号化(解錠)されて当該プラグインの機能を有効化するのに利用されるので、各プラグインPL1,PL2,…は、当該ユーザ端末PCでのみ利用可能であり、他のユーザ端末では利用することができない。
【0042】
なお、プラグインPL1,PL2,…は、正規購入の前に、例えば、30日の試用期間などの制限条件付きで無償(又は比較的廉価)で、プラグイン管理ファイルPMLやプレビューコンテンツデータと共に貸与され、このコンテンツデータをプレビューモードで試用することができる(非登録状態)。この場合、インストール時にその旨がユーザ端末PC及びサーバSVの購入登録情報に記録され、インストール日から試用期間が過ぎると、これら貸与物は利用不能となる。
【0043】
ユーザ端末PCのプラグイン管理ファイルPMLは、通信ネットワークCNを介してサーバSVから取得される新規情報により更新可能であり、この更新によって、対応するプラグインPL1,PL2,…の複数の動作機能には、使用可能になったり試用不能となったりする。また、サーバSVから新たに提供されるプラグインの増減と共に、プラグイン管理ファイルPMLにより許可される機能が変更される。
【0044】
ユーザ端末PCのコンテンツデータ及びコンテンツ管理ファイルCMLは、図3中欄の第4段及び最下段並びに右欄に示すように、図2と同様の構成を有し、コンテンツ購入処理に従ってダウンロードすることができる。当該コンテンツパッケージの使用権情報であるコンテンツ管理ファイルCMLは、右欄最下段に示される例では、このユーザ端末PCにはコンテンツパッケージPK2について「試用版」のライセンスが与えられており、このコンテンツパッケージPK2には、動作制限情報として、保存許可はあるが(○)印刷許可が無く(×)、プレビュー時間などの制限がある(図示せず)。コンテンツ管理ファイルCMLも、ユーザ端末PCの機器(PC)固有情報により暗号化されており、各プラグインPL1,PL2,…は、当該ユーザ端末PCでのみ利用可能である。
【0045】
コンテンツ管理ファイルCMLも、ユーザ端末PCからの要請に応じて、サーバSVの記憶手段(HD)から通信ネットワークCNを通して、コンテンツデータと共に、或いは、単独でコンテンツに対応つけた形で、ユーザ端末PCに提供することができる。この場合、コンテンツ管理ファイルCMLは、コンテンツに組み込まれて扱われてもよいし、また、切り離して各コンテンツパッケージに対応付けて管理されていもよい。
【0046】
この発明の一実施例によるコンテンツ処理システムにおいては、ユーザ端末PCで各コンテンツパッケージを実行する際、各ユーザ端末PCに一つ備えられてプラグイン毎に動作機能を管理するプラグイン管理ファイルPMLと、各コンテンツに備えられてコンテンツ毎に動作を管理するコンテンツ管理ファイルCMLが用いられ、両管理ファイルCML,PMLによって、実行可能な動作を二重に管理することができる。なお、「試用版」のコンテンツ管理ファイルCMLを用いるレビューモードでのコンテンツ実行は「試用版コンテンツの実行」と呼ばれ、「正規版」のコンテンツ管理ファイルCMLを用いるフルモードでのコンテンツ実行は「正規版コンテンツの実行」と呼ばれる。
【0047】
両管理ファイルCML,PMLは内容の書換えが可能であり而も種々の動作制御情報が記述されているので、コンテンツパッケージ自体はダウンロードし直すことなく、管理ファイルCML,PMLのみを書き換えることができ、これによって、コンテンツの利用に変化を与えることができる。また、各コンテンツパッケージとコンテンツ管理ファイル(コンテンツ使用権情報)の両方が揃わないと、当該コンテンツパッケージの使用(RAM2上への読出し等)は許可されない。また、各コンテンツ要素の再生処理を実行するプラグインが有する種々の動作機能は、プラグイン管理ファイルCMLが対応していないと有効にならない。
【0048】
〔ユーザ端末での処理フロー例〕
図4及び図5は、ユーザ端末におけるメイン処理の動作例を示すフローチャートである。ユーザ端末PCのメインプログラムMPに従ってメイン処理がスタートすると、CPU1は、当該ユーザ端末PC各部の初期化を行った後(ステップP1)、まず、ディスプレイ15上のコンテンツ案内画面にコンテンツリストを表示する。ユーザがこのコンテンツリストから所望のコンテンツパッケージPKaを指示すると、CPU1は、コンテンツメニュー外部記憶装置(HD)4のコンテンツ情報格納部から当該コンテンツパッケージPKaを指定してRAM2上に読み出すための処理を行う(ステップP2)。
【0049】
次いで、CPU1は、当該コンテンツパッケージPKaに対応するコンテンツ管理ファイルCMLを解錠することができるかどうかをチェックする(ステップP3)。ここで、コンテンツ管理ファイルCMLの解錠ができるときは(P3→YES)、これを解錠して外部記憶装置4のコンテンツ情報格納部(HD)からRAM2上に読み出し、当該コンテンツ管理ファイルCMLがフルアクセスを規定している「正規版」であるか否かを調べる(ステップP4)。ここで、「正規版」であれば(P4→YES)、当該コンテンツパッケージPKaはフルにアクセスし再生することができるので、ユーザの実行指示及びコンテンツの種類D1,D2,…に応じてプラグインPL1,PL2,…を立ち上げ、フルモードでコンテンツを実行する(ステップP5:「正規版コンテンツの実行」ルーチン)。
【0050】
当該コンテンツパッケージPKaのコンテンツをプラグインに従ってフルに実行した後、CPU1は、別のコンテンツパッケージPKb(b=1,2,…。但し、b≠a)を指示する操作があるか否かを検出する(ステップP6)。ここで、別パッケージPKbが指示されていれば(P6→YES)、パッケージ指定ステップ(P2)に戻り、別パッケージの指示がなければメイン処理を終了する。
【0051】
また、CPU1は、コンテンツ管理ファイルCMLの解錠チェックで解錠ができないと判定したときは(P3→NO)、当該ユーザ端末PCに変化があったか、或いは、海賊版のコンテンツを有しているか何れかになるので、ディスプレイ15の表示などにより、サーバSVにアクセスして“オンラインで再登録”することをユーザに促す(ステップP7)。つまり、この場合は、ユーザがユーザ端末PC自体の固有情報を変更したり海賊版コンテンツをもっている状況であるため、ユーザがオンラインに行って、このコンテンツ利用システムに再登録し、新しいコンテンツ管理ファイルCMLを取得する必要があることを伝える。ユーザがこれを実行しなければ、このシステムはコンテンツの使用を許可しない。
【0052】
この催告(P7)の後、CPU1は、オンラインに行くユーザ操作があるか否かを検出し(ステップP8)、オンラインに行く操作があると(P8→YES)、オンラインを活動化してサーバSVにアクセスする(ステップP9)。つまり、このオンライン活動化(P9)によって、サーバSV上のユーザ情報を更新して再登録を行い、新しいコンテンツ管理ファイルCMLをダウンロードすることが試みられる。次いで、この試みの成否を判断し(ステップP10)、この試みが成功したときは(P10→YES)、前述したコンテンツ管理ファイルCMLの「正規版」(フルアクセス)調査ステップ(P4)に進む。
【0053】
一方、オンラインに行く操作がないときは(P8→NO)、オンラインで再登録して新たにコンテンツ管理ファイルCMLを取得すべき旨ユーザに警告した後(ステップP11)メイン処理を終了する。また、再登録に失敗したときには(P10→NO)、その旨及び別途サーバSVの顧客サービスに連絡して必要な登録手続を採る必要がある旨を警告して(P11)、メイン処理を終了する。
【0054】
さて、コンテンツ管理ファイルCMLが「正規版」でないときは(ステップP4→NO)、CPU1は、当該コンテンツパッケージPKaの実行に必要なアプリケーション即ちプラグインが登録されているか否かをチェックする(図5:ステップP12)。ここで、プラグインが登録されていると(P12→YES)、ディスプレイ15の表示などにより、「正規版」コンテンツ管理ファイルCMLを購入してコンテンツを有効化すべきことをユーザに促す(ステップP13)。
【0055】
このようにして、フルモード化した「正規版」コンテンツ管理ファイルCMLの購入を薦めた後(P13)、オンラインに行くユーザ操作があるか否かを検出し(ステップP14)、オンラインに行ったときは(P14→YES)、サーバSVへのオンラインを活動化し、ユーザ操作に従って「正規版」コンテンツ管理ファイルCMLのダウンロードを試みる(ステップP15)。そして、この試みの成否を判断し(ステップP16)、この試みが成功したときは(P16→YES)、前述した「正規版コンテンツの実行」ルーチン(図4:P5)に進む。
【0056】
一方、この試みに失敗したとき(P16→NO)或いはオンラインに行く操作がないときは(P14→NO)、「試用版コンテンツの実行」ルーチンに入り、当該コンテンツパッケージPKaの各コンテンツを、対応する「試用版」コンテンツ管理ファイルCML及びプラグインに従って、プレビューモードで実行する(ステップP17)。そして、「試用版コンテンツの実行」が終了すると、前述した別パッケージ指示の検出ステップ(図4:P6)に進む。
【0057】
また、プラグインが登録されていないときは(P12→NO)、現在、プラグインの試用期間(例えば、30日)内であるか否かをチェックする(ステップP18)。ここで、試用期間内であるときは(P18→YES)、ディスプレイ15の表示などによって、オンラインで本登録(正規版コンテンツ管理ファイルPML及びプラグインPL1,PL2,…の購入)すべきことをユーザに促した後(ステップP19)、前述したユーザ操作の検出ステップ(P14)に進む。
【0058】
また、試用期間内でないときには(P18→NO)、ディスプレイ15の表示などにより、オンラインでプラグインを登録(正規版コンテンツ管理ファイルPML及びプラグインPL1,PL2,…の購入)すべきことをユーザに促した後(ステップP20)、オンラインに行くユーザ操作があるか否かを検出する(ステップP21)。ここで、オンラインに行ったときは(P21→YES)、サーバSVへのオンラインを活動化し、ユーザ操作に従ってプラグイン等のダウンロードを試みる(ステップP22)。そして、この試みの成否を判断し(ステップP23)、この試みが成功したときは(P23→YES)、前述した「正規版コンテンツの実行」ルーチン(図4:P5)に進む。
【0059】
一方、この試みに失敗したとき(P23→NO)或いはオンラインに行く操作がないときは(P21→NO)、“プレビューモードを続けるためにはプラグインなどの登録が必要です”等の警告を行った後(ステップP24)、前述した別パッケージ指示検出ステップ(図4:P6)に進む。
【0060】
そして、この警告ステップ(P24)或いは各コンテンツ実行ルーチン(図4:P5,図5:P17)から別パッケージ指示の検出ステップ(図4:P6)に進んだ場合、別のコンテンツパッケージPKbが指示される毎に(P6→YES)パッケージ指定ステップ(P2)に戻って、新たな別コンテンツパッケージPKbについて、上述してきた処理(P2〜P24)を繰り返し実行し、別パッケージの指示がなくなったときに(P6→NO)、このメイン処理を終了する。
【0061】
〔コンテンツ実行時の動作〕
図6は、この発明の一実施例によるコンテンツ実行時の動作例を表わすフローチャートである。このフローによる「コンテンツの実行」処理は、メイン処理の「正規版コンテンツの実行」(フルモード)ルーチン(図4:P5)及び「試用版コンテンツの実行」(プレビューモード)ルーチン(図5:P17)にて実行される。CPU1は、まず、コンテンツパッケージ指示ステップ(図4:P2)で実行対象として指示されたコンテンツパッケージPKaに含まれるコンテンツ要素D1,D2,…の種類に基づいて、各コンテンツ要素を実行させるためのプラグインPL1,PL2,…を決定し、対応するプラグイン管理ファイルPML(図3中欄の第3段参照)を指定して、コンテンツ実行に必要なプラグイン及びプラグイン管理ファイルの存在を確認する(ステップPP1)。
【0062】
これと同時に、当該コンテンツパッケージPKaに対応するコンテンツ管理ファイルCMLの制限情報を認識した上で、当該コンテンツパッケージPKaの動作メニュー画面をディスプレイ15に表示する(ステップPP2)。ユーザは、この動作メニュー画面の案内表示に従い、コンテンツの実行に関する種々の動作を任意に指示することができ、例えば、当該コンテンツパッケージPKaに含まれるコンテンツ要素D1,D2,…の同時乃至個別再生や、録音、保存、印刷、編集(変更)、転送、コピー、等々の実行を指示することができる。
【0063】
CPU1は、実行すべき所望の動作を指示するユーザ操作があるか否かを検出し(ステップPP3)、何らかの実行指示があると(PP3→YES)、コンテンツ管理ファイルCMLの制限情報を参照して、実行指示された動作について制限があるか否かをチェックする(ステップPP4)。ここで、コンテンツ管理ファイルCMLに制限がないときは(PP4→NO)、さらに、プラグイン管理ファイルPMLを参照し、実行指示された動作に関してプラグインPL1,PL2,…の動作機能に制限があるか否かをチェックする(ステップPP5)。
【0064】
ここで、プラグインPL1,PL2,…に機能制限がないときは(PP5→NO)、実行指示された動作を行うのに必要なプラグインPL1,PL2,…の動作機能を特定する(ステップPP6)。そして、特定された所要のプラグイン動作機能を立ち上げ、立ち上げられたプラグインの動作機能に従い、コンテンツ管理ファイルCMLにより許可されている制限範囲で、ユーザの実行指示に基づくコンテンツ要素D1,D2,…の処理を実行する(ステップPP7)。
【0065】
また、コンテンツ処理の実行(PP7)を開始させた後、ユーザの実行指示に関して、コンテンツ管理ファイルCMLに機能制限があるとき(PP4→YES)或いはプラグイン管理ファイルPMLによる各プラグインPL1,PL2,…の機能制限があるときは(PP5→YES)、この「コンテンツの実行」処理を終了すべき旨のユーザ操作があるか否かを検出し(ステップPP8)、終了指示がなければ(PP8→NO)、実行指示検出ステップ(PP3)に戻って、終了指示があるまで上述した処理(PP3〜PP7)を繰り返す。そして、終了指示があると(PP8→YES)、この「コンテンツの実行」処理を終了し、メイン処理の別パッケージ指示検出ステップ(図4:P6)にリターンする。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ユーザの所有するコンテンツ毎に使用権を与えるコンテンツ管理ファイル(CML)を用いて、その動作制限により限定された利用許可範囲を各コンテンツに設定し、各コンテンツに含まれる複数種類のコンテンツ要素に対するプラグインモジュールの動作機能をこの範囲内で利用可能としているので、各ユーザ毎にコンテンツ利用上のサービスを容易にコントロールし、所要のセキュリティを確保することができる。
【0067】
さらに、プラグイン管理ファイル(PML)によって、コンテンツに含まれる複数種類のコンテンツ要素をそれぞれ実行する各プラグインモジュール毎に機能性(実行可能な動作機能)を定義して各プラグインモジュールの振舞いをも使用権に含め、コンテンツ(PKa)を実行する際には、実行が指示された動作について、当該コンテンツ(PKa)の動作を管理するコンテンツ管理ファイル(CML)を用いて動作機能の制限をチェックするだけではなく、プラグイン毎に動作機能を管理するプラグイン管理ファイル(PML)を用いて実行可能な動作機能であることを更にチェックした上で動作機能を許可するようにしているので、両管理ファイル(CML,PML)により二重の動作管理を行い、確実にセキュリティを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例によるコンテンツ処理装置(ユーザ端末)のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例におけるサーバ側の記憶内容を説明するための図である。
【図3】図3は、この発明の一実施例によるコンテンツ処理装置(ユーザ端末)側の記憶内容を説明するための図である。
【図4】図4は、この発明の一実施例によるコンテンツ処理装置(ユーザ端末)でのメイン処理の動作例を表わすフローチャートの一部である。
【図5】図5は、この発明の一実施例によるコンテンツ処理装置(ユーザ端末)でのメイン処理の動作例を表わすフローチャートの他部である。
【図6】図6は、この発明の一実施例によるコンテンツ実行の処理動作例を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
PK1,PK2,…;PKa,PKb コンテンツ(パッケージ)、
PL1,PL2,… プラグイン(モジュール)、
CML コンテンツ管理ファイル又はリスト、
PML プラグイン管理ファイル又はリスト。
Claims (6)
- 夫々に複数種類のコンテンツ要素を含む複数のコンテンツ、これらコンテンツの夫々の使用権を管理するコンテンツ管理ファイル、各コンテンツに含まれるコンテンツ要素の種類に対応して当該コンテンツ要素を実行するためのプラグインモジュール、及び、各プラグインモジュール毎に実行可能な動作機能を定義するプラグイン管理ファイルを記憶するコンテンツ情報記憶手段であって、コンテンツ管理ファイルは各コンテンツ毎に備えられ、プラグイン管理ファイルはこのコンテンツ処理装置に一つ備えられるものと、
実行すべきコンテンツに含まれるコンテンツ要素の種類に基づいて、当該コンテンツ要素を実行するためのプラグインモジュールを設定するプラグイン設定手段と、
このコンテンツに対応するコンテンツ管理ファイルから、当該コンテンツの実行について制限されている動作を認識する動作認識手段と、
当該コンテンツに関する動作の実行を指示する実行指示手段と、
実行指示手段により実行が指示された動作について、プラグイン設定手段により設定されたプラグインモジュールの機能のうち、動作認識手段により制限されていると認識された動作に該当しない機能であり、かつ、プラグイン管理ファイルにより定義された実行可能な動作機能を許可するプラグイン機能許可手段と、
プラグイン機能許可手段により許可されたプラグインモジュールの機能に従って当該コンテンツに含まれるコンテンツ要素を実行するコンテンツ実行手段と
を具備することを特徴とするコンテンツ処理装置。 - さらに、前記プラグイン管理ファイルを更新する更新手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ処理装置。
- 前記コンテンツ管理ファイルは、通信ネットワークを通して取得されることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ処理装置。
- 前記コンテンツ管理ファイルは、書換え可能であり、対応するコンテンツとは独立して取得可能であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコンテンツ処理装置。
- 各コンテンツは、対応するコンテンツ管理ファイル無しには使用することができず、さらに、各コンテンツに含まれるコンテンツ要素は、当該コンテンツ要素の種類に対応するプラグインモジュールの動作機能がプラグイン管理ファイルで実行可能に定義されること無しには実行することができないことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のコンテンツ処理装置。
- 夫々に複数種類のコンテンツ要素を含む複数のコンテンツ、これらコンテンツの夫々の使用権を管理するコンテンツ管理ファイル、各コンテンツに含まれるコンテンツ要素の種類に対応して当該コンテンツ要素を実行するためのプラグインモジュール、及び、各プラグインモジュール毎に実行可能な動作機能を定義するプラグイン管理ファイルを記憶するコンテンツ情報記憶手段であって、コンテンツ管理ファイルは各コンテンツ毎に備えられ、プラグイン管理ファイルはこのコンテンツ処理装置に一つ備えられるものを具備し、コンテンツ処理装置として機能するコンピュータに、
実行すべきコンテンツに含まれるコンテンツ要素の種類に基づいて、当該コンテンツ要素を実行するためのプラグインモジュールを設定するプラグイン設定ステップと、
このコンテンツに対応するコンテンツ管理ファイルから、当該コンテンツの実行について制限されている動作を認識する動作認識ステップと、
当該コンテンツに関する動作の実行を指示する実行指示ステップと、
実行指示ステップで実行が指示された動作について、プラグイン設定ステップで設定されたプラグインモジュールの機能のうち、動作認識ステップで制限されていると認識された動作に該当しない機能であり、かつ、プラグイン管理ファイルにより定義された実行可能な動作機能を許可するプラグイン機能許可ステップと、
プラグイン機能許可ステップで許可されたプラグインモジュールの機能に従って当該コンテンツに含まれるコンテンツ要素を実行するコンテンツ実行ステップと
から成る手順を実行させるためのコンテンツ処理プログラム。
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