JP4174662B2 - 内燃機関用回転方向反転制御方法及び装置 - Google Patents

内燃機関用回転方向反転制御方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2サイクル内燃機関の回転方向を反転させるための制御を行う内燃機関用回転方向反転制御方法及びこの方法を実施するために用いる内燃機関用回転方向反転制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スクータ、スノーモビル、バギーカー等のように、簡便であることを重視する乗り物においては、駆動源として、小形の2サイクル内燃機関が用いられており、内燃機関の出力を駆動輪に伝達する動力伝達装置としては、遠心クラッチ式などの無段変速機が多く用いられている。この種の乗り物は、小形、軽量、安価で、かつ操作が簡便であることを重視するため、無段変速機としては、バック(後退)ギアが組み込まれていないものを用いることが多い。
【0003】
上記のように、バックギアを備えていない変速機を用いた乗り物は、バックをすることができないため、狭い場所で走行方向を反転させることが必要になったときに、車体全体を持ち上げるなどしてその向きを変える必要があり、操作性が悪かった。
【0004】
そこで、特許文献1に示されているように、正逆いずれの方向にも回転させることができるという2サイクル内燃機関の特徴に着目して、必要なときに内燃機関の回転方向を切り替えることにより走行方向を切り換えるようにした回転方向反転制御装置が提案された。
【0005】
特許文献1に示された反転制御装置は、内燃機関の回転方向を反転させる際に操作される回転方向切換スイッチと、回転方向切換スイッチが操作されたときに機関の回転方向を反転させるための過程を行う回転方向反転制御手段と、内燃機関の回転方向が反転したことが確認されたときに回転方向が反転した状態での点火位置で内燃機関を点火する反転時点火制御手段とを備えたもので、回転方向反転制御手段は、内燃機関を失火させることによりその回転速度を低下させる減速過程と、この減速過程により回転速度が設定値未満に低下させられた状態で内燃機関を過進角した点火位置で点火する過進角制御過程と、過進角した点火位置での点火により内燃機関の回転方向が反転したか否かを判定する回転方向判定過程とからなる反転制御を行うように構成される。
【0006】
特許文献1に示された回転方向反転制御装置では、2サイクル内燃機関の回転方向を反転させる指令が与えられたときに、先ず点火装置の動作を停止させることにより機関を失火させてその回転速度を低下させる。次いで機関の回転速度が十分に低下してピストンの慣性が小さくなったたところで、機関の点火位置(機関を点火する時のクランク角位置)を過進角位置(定常運転時の点火位置の適正な最大進角位置よりも更に進角した位置)まで進角させる。
【0007】
このように機関の慣性が小さくなった状態で機関を過進角位置で点火すると、点火により生じる爆発力が機関の慣性に打ち勝って、上死点に向けて移動しているピストンを押し戻すため、機関の回転方向が反転する。機関の回転方向が反転したことが確認された後、その回転方向での適正な点火位置で機関を点火すれば、回転方向が反転した状態で機関を運転することができる。
【0008】
また出願人は、特許文献2において、内燃機関の特定のクランク角位置でパルス信号を発生する1つの信号発生器の出力と、内燃機関により駆動される磁石発電機の出力波形とから反転制御における機関の回転方向の判定を簡単に行うことができるようにした回転方向反転制御装置を提案した。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第5,036,802号明細書及び図面
【0010】
【特許文献2】
特開2001−304034号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、機関の回転速度を低下させた状態で、過進角した点火位置で機関を点火することにより機関の回転方向を反転させるようにした場合、過進角位置での点火により必ず回転方向の反転に成功するとは限らない。過進角位置での点火により行われる気筒内での燃焼の状態によっては、回転方向の反転に失敗することがある。
【0012】
車両等を後退させる際の操作性を良好にするためには、回転方向の反転に成功する確率をできるだけ高くすることが望ましいが、従来の回転方向反転制御装置においては、回転方向の反転に成功する確率を高くするための工夫は特になされておらず、回転方向切替スイッチが操作されたときに過進角位置での点火を1回行った結果、回転方向の反転に失敗したときには、回転速度を上昇させて、回転方向切替スイッチの操作を再度要求したり、機関を停止させたりしていた。
【0013】
特に、2以上の気筒が設けられている多気筒内燃機関の場合には、気筒毎に燃焼状態や空燃比が異なる場合があるため、たまたま燃焼状態が回転方向の反転に適合している気筒で過進角位置での点火が行われた場合には回転方向の反転に成功するが、回転方向の反転に適合していない燃焼状態にある気筒で過進角位置での点火が行われた場合には、回転方向の反転に失敗する確率が高くなる。
【0014】
本発明の目的は、機関の回転方向の反転に成功する確率を従来よりも高くすることができるようにした内燃機関用回転方向反転制御方法、及びこの方法を実施するために用いる反転制御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2サイクル多気筒内燃機関の回転方向を反転させる指令が与えられたときに内燃機関の回転速度を低下させる減速過程とこの減速過程により回転速度が設定値未満に低下させられた状態で内燃機関を過進角した点火位置で点火する過進角点火過程と過進角した点火位置での点火により内燃機関の回転方向が反転したか否かを判定する回転方向判定過程とを行わせ、回転方向判定過程で内燃機関の回転方向が反転したと判定されたときに回転方向が反転した状態での内燃機関の点火位置で内燃機関を点火して、回転方向が反転した状態での内燃機関の運転を行わせる内燃機関用回転方向反転制御方法を対象とする。
【0016】
本発明においては、内燃機関の1つの気筒に対して過進角点火過程を行った後、回転方向判定過程で内燃機関の回転方向が反転していないと判定されたときに、内燃機関の回転速度を設定値未満に低下させたままの状態で、続いて他の気筒に対しても過進角点火過程と回転方向判定過程とを行うようにした。
【0017】
上記の回転方向反転制御方法を実施するために用いる回転方向反転制御装置は、機関の回転方向を反転させる際に操作される回転方向切換スイッチと、回転方向切替スイッチが操作されたときに機関を減速する減速過程を行う減速制御手段と、減速制御手段により機関の回転速度が設定値未満に低下させられた状態で機関を過進角した点火位置で点火する過進角点火過程を行う過進角点火手段と、過進角した点火位置での点火により内燃機関の回転方向が反転したか否かを判定する回転方向判定過程を行う回転方向判定手段と、回転方向判定手段により内燃機関の回転方向が反転したと判定されたときに回転方向が反転した状態での内燃機関の点火位置で内燃機関を点火する反転時点火制御手段と、過進角点火手段による過進角点火過程を内燃機関の1つの気筒に対して行った結果回転方向判定手段により内燃機関の回転方向が反転していないと判定されたときに続いて他の気筒に対して過進角点火手段による過進角点火過程と回転方向判定手段による回転方向判定過程とを反復させる過進角点火反復制御手段とを備えた構成とする。
【0018】
上記のように、1つの気筒に対して過進角位置での点火を行った結果、回転方向の反転に失敗した場合に、他の気筒に対して過進角位置での点火を行うようにすると、気筒によって燃焼状態に差がある場合でも回転方向の反転に成功する確率を高めることができる。
【0019】
また本発明を2サイクル多気筒内燃機関に適用する場合には、内燃機関の回転速度を設定値未満に低下させた状態で過進角点火過程及び回転方向判定過程をすべての気筒に対して行っても回転方向判定過程で内燃機関の回転方向が反転した判定されなかったときに、内燃機関の回転速度を所定の速度まで上昇させる増速過程と減速過程と過進角点火過程及び回転方向判定過程と回転方向が反転しなかったときに過進角点火過程及び回転方向判定過程を設定回数反復させる過程とからなる反転制御過程を少なくとも1回行わせ、この反転制御過程を設定された繰り返し回数だけ行っても回転方向が反転しなかったときに内燃機関を停止させるようにするのが好ましい。
【0020】
このように構成すると、回転方向が反転する機会を増やして、回転方向の反転に成功する確率を高めることができる。また、機関が反転し難い状態にあるときに機関を停止することができるため、反転制御が異常に長い時間の間繰り返されるのを防ぐことができる。
【0021】
なお内燃機関の回転方向の判定は、本出願人が先に、特開2001−304034号(特許文献2)において提案した制御装置で用いられている方法と同様の方法により行うことができる。特開2001−304034号において提案した制御装置では、内燃機関の1回転当り2nサイクル(nは1以上の整数)の交流出力電圧を発生するように構成されて、交流出力電圧のいずれかの零クロス点が内燃機関の逆回転時の低速時点火位置に一致するように交流出力電圧の位相が設定された交流磁石発電機と、内燃機関の回転に同期して一方の極性のパルス信号と他方の極性のパルス信号とを発生するように構成されて、内燃機関の正回転時に一方の極性のパルス信号及び他方の極性のパルス信号がそれぞれ内燃機関の正回転時の低速時点火位置及び該低速時点火位置よりも進角した位置で発生し、かつ一方の極性のパルス信号が発生した時の磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性と他方の極性のパルス信号が発生した時の磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性とが同一となるように各パルス信号の発生位置が設定された信号発生器とが設けられ、磁石式交流発電機の出力と信号発生器の出力パルスとの関係から機関の回転方向が判定される。
【0022】
すなわち、上記のように磁石発電機と信号発生器とを設けると、機関が正回転しているときと、逆回転しているときとで、信号発生器が各パルス信号を発生したときの磁石発電機の出力電圧の半波の極性が相違するため、信号発生器が各パルス信号を発生したときに磁石発電機の出力電圧の半波の極性を見ることにより、機関の回転方向を判定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係わる内燃機関用回転方向反転制御装置の一実施形態のハードウェアの構成を示したもので、このハードウェアの構成自体は、出願人が先に特開2001−304034号において提案したものと同様である。
【0024】
図1において1は、スノーモビル等の乗り物を駆動する図示しない2サイクル内燃機関に取りつけられた交流磁石発電機、2は内燃機関の特定のクランク角位置でパルス信号を発生する信号発生器、3は内燃機関を点火する点火装置、5は点火装置3を制御するマイクロコンピュータである。この例では、2サイクル内燃機関が2つの気筒を有しているものとする。
【0025】
磁石発電機1は、機関の回転軸(通常はクランク軸)に取りつけられた多極のフライホイール磁石回転子と、該回転子の磁極に対向する多極の磁極部を有する電機子鉄心に発電コイルを巻装して構成した固定子とを備えた周知のもので、固定子は、機関のケース等に設けられた取付け部に固定されている。磁石発電機1内には、点火装置3に点火エネルギを与える発電コイルであるエキサイタコイルEXの外に、ランプ負荷等を駆動する発電コイルやバッテリを充電する発電コイル(いずれも図示せず。)が設けられている。この磁石発電機は、その固定子側に設けられた発電コイルが、機関の回転軸が1回転する間に2n(nは1以上の整数)サイクルの交流電圧を発生するように構成される。図示の磁石発電機は、その回転子及び固定子が12極に構成されていて、エキサイタコイルEXは、図2(A),(C)に示すように、機関の回転軸が1回転する間に6サイクルの交流出力電圧Veを発生する。図2の横軸のθは、機関の回転軸の回転角度を示している。また図2(A)は機関が正回転しているときのエキサイタコイルの出力電圧波形を示し、図2(C)は機関が逆回転しているときのエキサイタコイルの出力電圧波形を示している。これらの図から明らかなように、機関の回転方向が反転すると、エキサイタコイルの出力電圧の位相が反転する。磁石発電機が12極に構成されているため、エキサイタコイルの出力電圧の各半波の期間に相当する回転角度(機械角)は30度となる。
【0026】
本明細書では、乗り物を前進させるときの機関の回転方向を正回転とし、乗り物を後進させるときの機関の回転方向を逆回転としている。
【0027】
信号発生器2は、機関と同期回転するように設けられたロータに形成されたリラクタ(突起または凹部からなる誘導子磁極部)を検出してパルス信号を発生する周知のもので、機関のケース等に取りつけられてロータに対向させられる。
【0028】
この種の信号発生器は、リラクタに対向する磁極部を先端に有する鉄心と該鉄心に巻回された信号コイルSGと該鉄心に磁気結合された永久磁石とを備えたもので、鉄心の磁極部がロータに設けられたリラクタに対向し始める際及び該対向を終了する際にそれぞれ生じる磁束の変化により、信号コイルSGに極性が異なるパルス信号が誘起する。リラクタを設けるロータは、磁石発電機の回転子のヨークを構成するフライホイールを利用して構成することが多いが、フライホイールと別個に設けられていてもよい。
【0029】
信号発生器2は、機関の低速時の点火位置(点火時期に対応するクランク角位置)を定めるためのパルス信号と、機関の点火位置の計測を開始するタイミングを定めるためのパルス信号とを得るために設けられている。図示の例では、内燃機関が2つの気筒を有していて、それぞれの気筒に対して機関の低速時の点火位置を定めるためのパルス信号と、点火位置の計測を開始するタイミングを定めるためのパルス信号とを必要とするため、信号発生器2のロータに180度間隔で2個のリラクタが設けられている。
【0030】
図2(B)は機関が正回転しているときに信号発生器2が発生するパルス信号を示しており、図2(D)は機関が逆回転しているときに信号発生器2が発生するパルス信号を示している。図2において、θ10及びθ20はそれぞれ機関の第1気筒及び第2気筒のピストンの上死点位置(ピストンが上死点に対応するクランク角位置)である。
【0031】
信号発生器2は、機関が正回転しているときに、図2(B)に示すように、機関の第1気筒の上死点位置θ10よりも僅かに(この例では機械角で5°)進角した位置に設定された正回転時の第1気筒の低速時の点火位置(ハードウェア的に決まる点火位置という意味で、この点火位置をハード点火位置と呼ぶ。)θ11で正の極性(一方の極性)のパルス信号Vsa1 を発生し、該正回転時のハード点火位置θ11よりも十分に進角したクランク角位置θ12で負の極性(他方の極性)のパルス信号Vsb2 を発生する。この例では、信号発生器2が検出するリラクタの角度幅(円弧角)が60°に設定されている。したがって上記第1気筒用のハード点火位置θ11とクランク角位置θ12との間の角度が60°に等しくなっている。ここで、クランク角位置θ12は、マイクロコンピュータにより演算される(ソフトウェア的に求められる)第1気筒の点火位置(このようにソフトウェア的に決められる点火位置をソフト点火位置と呼ぶ。)の計測を開始する第1気筒用ソフト点火基準位置として用いられる。
【0032】
信号発生器2はまた、機関が正回転しているときに、図2(B)に示したように、機関の第2気筒の上死点位置θ20よりも僅かに(この例では機械角で5°)進角した位置に設定された正回転時の第2気筒の低速時の点火位置であるハード点火位置θ21で正の極性(一方の極性)のパルス信号Vsa2 を発生し、該正回転時のハード点火位置θ21よりも十分に進角したクランク角位置θ22で負の極性(他方の極性)のパルス信号Vsb2 を発生する。クランク角位置θ22は、マイクロコンピュータにより演算された第2気筒のソフト点火位置の計測を開始する第2気筒用ソフト点火基準位置として用いられる。
【0033】
信号発生器2はまた、機関が逆回転しているときに、図2(D)に示すように、機関の第1気筒の上死点位置θ10よりも僅かに(この例では機械角で5°)遅角したクランク角位置θ11で負の極性(他方の極性)のパルス信号Vsb1 ´を発生し、該クランク角位置θ11よりも更に遅角したクランク角位置θ12で正の極性(一方の極性)のパルス信号Vsa1 ´を発生する。
【0034】
信号発生器2は更に、機関が逆回転しているときに、図2(D)に示すように、機関の第2気筒の上死点位置θ20よりも僅かに(この例では機械角で5°)遅角したクランク角位置θ21で負の極性(他方の極性)のパルス信号Vsb2´ を発生し、該クランク角位置θ21よりも更に遅角したクランク角位置θ22で正の極性(一方の極性)のパルス信号Vsa2´を発生する。
【0035】
本実施形態では、機関の逆転時に、パルス信号Vsa2´が発生するクランク角位置θ22及びパルス信号Vsa1´が発生するクランク角位置θ12をそれぞれ機関の第1気筒の点火時期の計測を開始するための基準位置及び第2気筒の点火時期の計測を開始するための基準位置として用いる。
【0036】
図示の例では、機関が正回転しているときにも、逆回転しているときにも、一方の極性のパルス信号が発生した時の磁石発電機1の交流出力電圧Veの半波の極性と、他方の極性のパルス信号が発生した時の磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性とが同一となるように、パルス信号の発生位置が設定されている。図示の例では、信号発生器2が正回転時に正極性のパルス信号Vsa1,Vsa2及び負極性のパルス信号Vsb1,Vsb2をそれぞれ発生したときに磁石発電機1が正極性の半波の電圧を発生し、信号発生器2が逆回転時に正極性のパルス信号Vsa1´,Vsa2´及び負極性のパルス信号Vsb1´,Vsb2´が発生した時に磁石発電機1が負極性の半波の電圧を発生しているように、信号発生器2の出力と磁石発電機1の出力との位相関係が設定されている。
【0037】
したがって、信号発生器が正極性のパルス信号Vsa1,Vsa2 またはVsa1´,Vsa2を発生した時の磁石発電機1の出力電圧の半波の極性、または信号発生器が負極性のパルス信号Vsb1,Vsb2またはVsb1´,Vsb2´を発生した時の磁石発電機の出力電圧の半波の極性を見ることにより、機関の回転方向を判定することができる。本実施形態では、このように、信号発生器2の出力パルスと磁石発電機1の出力電圧との関係を利用して、機関の回転方向を判定する。
【0038】
本実施形態においてはまた、磁石発電機1の交流出力電圧Veのいずれかの零クロス点が、内燃機関の逆回転時の低速時点火位置(ハード点火位置)に一致するように、交流出力電圧の位相が設定される。図示の例では、図2(D)に示したように、機関の逆回転時に信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa2´ を発生した後、4回目に生じる磁石発電機の零クロス点θ13が機関の逆回転時の第1気筒のハード点火位置(上死点前5°の位置)となり、信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa1´ を発生した後、4回目に生じる磁石発電機の零クロス点θ23が機関の逆回転時の第2気筒のハード点火位置(上死点前5°の位置)となるように、磁石発電機1の出力電圧の位相と機関のクランク角位置との間の関係が設定されている。
【0039】
図2(D)に示した逆回転時の第1気筒用のハード点火位置θ13を検出するには、例えば、交流出力電圧Veの零クロス点の内、該交流出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際に生じる零クロス点を特定の零クロス点として検出し得るようにしておいて、機関の逆回転時に信号発生器がクランク角位置θ22で正極性のパルス信号Vsa2´を発生した後、2回目に生じる特定の零クロス点をハード点火位置θ13として検出するようにすればよい。同様に、機関の逆回転時にクランク角位置θ12で信号発生器が正極性のパルス信号Vsa1´ が発生した後、2回目に生じる特定の零クロス点を第2気筒用のハード点火位置θ23として検出することができる。
【0040】
図1に示した点火装置3は、機関の第1気筒及び第2気筒をそれぞれ点火することを指令する点火指令信号が与えられた時に、機関の第1気筒及び第2気筒にそれぞれ取りつけられた点火プラグP1 及びP2 に点火用の高電圧を与えるもので、この点火装置は、点火コイルIGと、内燃機関の点火位置で該点火コイルの一次電流に急激な変化を生じさせる一次電流制御回路とにより構成される。
【0041】
図示の例では、点火装置3として、2つの気筒の点火プラグに同時に点火用の高電圧を与えて、両気筒の点火プラグに同時に点火火花を発生させる周知の同時発火型のコンデンサ放電式点火装置が用いられている。
【0042】
図示の点火装置は、一次コイルの一端が接地された点火コイルIGと、該点火コイルの一次側に設けられて、エキサイタコイルEXの出力でダイオードD1 を通して図示の極性に充電される点火用コンデンサC1 と、導通した際にコンデンサC1 の電荷を点火コイルIGの一次コイルを通して放電させるように設けられたサイリスタTh1と、コンデンサC1 の充電電流が順方向に流れる向きにして点火コイルIGの一次コイルに対して並列に接続されたダイオードD2 とを備えている。点火コイルIGの二次コイルの一端と接地間及び他端と接地間にそれぞれ機関の第1気筒及び第2気筒に取りつけられた点火プラグP1 及びP2 が接続されている。
【0043】
図示の例では、エキサイタコイルEXの一端がダイオードD1 を通して点火用コンデンサC1 に接続され、該エキサイタコイルEXの一端及び他端と接地間にダイオードD3 及びD4 がそれぞれのアノードを接地側に向けて接続されている。
【0044】
上記の点火装置は以下のような動作をする。エキサイタコイルEXが図示の実線矢印方向の正の半サイクルの電圧を誘起すると、エキサイタコイルEX−ダイオードD1 −コンデンサC1 −ダイオードD2 及び点火コイルIGの一次コイル−ダイオードD4 −エキサイタコイルの経路で(コンデンサ充電回路を通して)電流が流れて、点火用コンデンサC1 が図示の極性に充電される。この状態でサイリスタTh1のゲートに点火指令信号Vi が与えられると、該サイリスタが導通してコンデンサC1 の電荷を点火コイルIGの一次コイルを通して放電させる。これにより点火コイルの二次コイルに点火用高電圧が誘起し、該高電圧が点火プラグP1 及びP2 に同時に印加される。点火用高電圧が点火プラグP1 及びP2 に印加されると、両点火プラグで同時に火花放電が生じ、第1気筒及び第2気筒の内、点火時期が到来している気筒で混合気に点火が行なわれる。点火時期が到来していない他の気筒は、排気工程の終期にあるため、該他の気筒で同時に火花放電が生じてもなんら支障を来さない。
【0045】
図1において、4はエキサイタコイルEXの負の半波の出力を一定の直流電圧に変換する電源回路で、この電源回路は、エキサイタコイルEXの図示の破線矢印方向の負の半波の出力電圧でダイオードD5 を通して充電されるコンデンサC2 と、導通した際にダイオードD5 を通して流れるコンデンサC2 の充電電流を該コンデンサC2 から側路するように設けられたサイリスタTh2と、コンデンサC2 の両端に接続された抵抗R1 及びR2 の直列回路からなる電圧検出回路と、抵抗R1 及びR2 の接続点とサイリスタTh2のゲートとの間にアノードをサイリスタTh2側に向けて接続されたツェナーダイオードZD1 と、サイリスタTh2のゲートカソード間に接続された抵抗R3 とにより構成されている。
【0046】
この電源回路においては、エキサイタコイルEXの負の半波の出力電圧によりコンデンサC2 が図示の極性に充電される。コンデンサC2 の両端の電圧が設定値に達すると、ツェナーダイオードZD1 が導通してサイリスタTh2にトリガ信号が与えられるため、該サイリスタTh2が導通してコンデンサC2 の充電を阻止する。したがって、機関がある程度の回転速度以上の速度で回転していて、エキサイタコイルEXの出力電圧の波高値が設定値以上になる機関の定常運転状態では、コンデンサC2 の両端の電圧Eが一定値に保たれる。コンデンサC2 の両端の電圧はレギュレータ(電圧調整器)Regに入力され、該レギュレータから出力される5[V]の電圧が制御装置の各部に電源電圧として印加されるようになっている。
【0047】
図1において、点火装置3を制御するマイクロコンピュータ5は、電源回路4からレギュレータRegを通して5[V]の電源電圧が与えられて動作する。マイクロコンピュータ5には、信号発生器2の出力パルスが波形整形回路6を通して入力されるととともに、エキサイタコイルEXの出力電圧の位相を検出する位相検出回路7の出力と、機関の回転方向を反転させる際に操作される回転方向切換スイッチ8から与えられる信号とが入力されている。マイクロコンピュータ5にはまた点火指令信号出力回路9と、機関が逆回転していることを報知する逆転報知回路10とが接続されている。
【0048】
波形整形回路6は、信号発生器2が発生するパルス信号をマイクロコンピュータが認識し得る波形の信号に変換する回路で、トランジスタTR1 ないしTR3 と、抵抗R4 ないしR9 と、コンデンサC3 及びC4 と、ダイオードD6 ないしD8 とからなっている。この波形整形回路のトランジスタTR3 のコレクタに得られる信号及びトランジスタTR1 のコレクタに得られる信号がそれぞれマイクロコンピュータ5のポートA1 及びA2 に割込み信号INT1及びINT2として入力されている。
【0049】
図示の波形整形回路6においては、信号発生器2が発生する負極性のパルス信号Vsb1 ,Vsb2 ,Vsb1 ´,Vsb2 ´がコンデンサC4 の両端の電圧(しきい値)を超えた時に、信号コイルSG−ダイオードD8 −抵抗R5 −ダイオードD7 −信号コイルSGの経路で電流が流れる。この電流によりダイオードD8 の両端に生じる電圧降下によってトランジスタTR2 のベースエミッタ間が逆バイアスされるため、トランジスタTR2 がオフ状態になり、トランジスタTR3 がオン状態になる。このように、負極性のパルス信号Vsb1 ,Vsb2 ,Vsb1´ ,Vsb2´ がしきい値を超えると、波形整形回路6のトランジスタTR3 がオン状態になるため、該トランジスタTR3 のコレクタの電位が低下する。マイクロコンピュータ5は、このトランジスタTR3 のコレクタの電位の低下を認識することにより、信号発生器2が負極正のパルス信号を発生したことを検出する。
【0050】
また信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa1 ,Vsa2 ,Vsa1´ ,Vsa2´ を発生して、これらのパルス信号がコンデンサC3 の両端の電圧(しきい値)を超えると、信号コイルSGから抵抗R4 を通してトランジスタTR1 にベース電流が与えられるため、トランジスタTR1 がオン状態になり、該トランジスタTR1 のコレクタの電位が低下する。マイクロコンピュータ5はこのトランジスタTR1 のコレクタの電位の低下を認識したときに、信号発生器2が正極性のパルス信号を発生したことを検出する。
【0051】
位相検出回路7は、コレクタがマイクロコンピュータ5のポートA3 及びA4 に接続され、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR4 と、トランジスタTR4 のベースと電源回路4の出力端子間及びトランジスタTR4 のベースエミッタ間にそれぞれ接続された抵抗R10及びR11と、トランジスタTR4 のベースとエキサイタコイルEXの他端との間にカソードをエキサイタコイルEX側に向けて接続されたダイオードD9 とからなっている。
【0052】
この位相検出回路においては、エキサイタコイルEXが負の半波の出力電圧を発生しているときに、レギュレータRegから抵抗R10を通してトランジスタTR4 にベース電流が与えられて該トランジスタTR4 がオン状態になる。エキサイタコイルEXが正の半波の出力電圧を発生すると、コンデンサC1 の充電電流によってダイオードD4 の両端に生じる電圧降下により、エキサイタコイルEXの他端が接地電位に対して負電位(−0.7 [V]程度)になるため、それまでトランジスタTR4 に流れていたベース電流がほとんどエキサイタコイルEX側に流れ、トランジスタTR4 がオフ状態になる。
【0053】
このように、トランジスタTR4 は、エキサイタコイルEXが負の半波の出力電圧を発生しているときにオン状態になり、正の半波の出力電圧を発生しているときにオフ状態になるため、トランジスタTR4 のコレクタには、エキサイタコイルEXの出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際の零クロス点で立ち上がり、該出力電圧が正の半波から負の半波に移行する際の零クロス点で立ち下がる矩形波信号Vq が得られる。マイクロコンピュータは、この矩形波信号の立ち上がり及び立下がりを認識することにより、エキサイタコイルの出力電圧の各零クロス点を検出する。
【0054】
この例では、図2(C)に示すように、エキサイタコイルEXの出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際の零クロス点を特定の零クロス点zとして、マイクロコンピュータ5がトランジスタTR4 のコレクタに得られる矩形波信号の立ち上がりを認識することにより該特定の零クロス点zを検出し、機関の逆回転時に、信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa2´ を発生した後、2回目に検出された特定の零クロス点zを、機関の逆回転時の第1気筒の低速時点火位置θ13としている。また、信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa1´ を発生した後、2回目に検出された特定の零クロス点zを、機関の逆回転時の第2気筒の低速時点火位置θ23としている。
【0055】
点火指令信号出力回路9は、エミッタが電源回路4の出力端子に接続され、ベースが抵抗R12を通してマイクロコンピュータのポートA5 に接続されたPNPトランジスタTR5 と、該トランジスタのコレクタに抵抗R13を通してアノードが接続されたダイオードD10とからなっていて、ダイオードD10のカソードが点火指令信号出力回路9の出力端子として点火装置3のサイリスタTh1のゲート(点火指令信号入力端子)に接続されている。
【0056】
後記するように、マイクロコンピュータ5は内燃機関の点火位置が検出されたときに、ポートA5 の電位をほぼ接地電位まで低下させる。これにより、トランジスタTR5 がオン状態になるため、電源回路4からトランジスタTR5 のエミッタコレクタ間と抵抗R13とダイオードD10とを通して点火装置3に点火指令信号Vi が与えられる。
【0057】
回転方向切換スイッチ8は、オフ状態とオン状態とに切り換えられる手動スイッチからなっていて、マイクロコンピュータ5のポートA6 と接地間に接続されている。マイクロコンピュータ5のポートA6 は抵抗14を通して電源回路4の出力端子に接続されている。マイクロコンピュータ5は、スイッチ8の状態により、内燃機関を正回転させる指令が与えられているか、逆回転させる指令が与えられているかを判定する。この例では、スイッチ8がオフ状態にあるときに、内燃機関を正回転させ、スイッチ8がオン状態にあるときに、内燃機関を逆回転させるものとする。
【0058】
逆転報知回路10は、エミッタが接地され、ベースが抵抗R15を通してマイクロコンピュータのポートA7 に接続されたNPNトランジスタTR6 と、トランジスタTR6 のベースエミッタ間に接続された抵抗R16と、電源回路4の非接地側の出力端子とトランジスタTR6 のコレクタとの間に接続された報知手段としてのリバースランプLとからなっている。なおリバースランプLは発光ダイオード等の他の発光素子により置き換えてもよく、ブザー等の発音体からなる報知手段で置き換えてもよい。また発光素子と発音体との双方を報知手段として用いるようにしてもよい。
【0059】
前述のように、本発明が対象とする回転方向反転制御方法では、2サイクル内燃機関の回転方向を反転させる指令が与えられたときに内燃機関の回転速度を低下させる減速過程とこの減速過程により回転速度が設定値未満に低下させられた状態で内燃機関を過進角した点火位置で点火する過進角点火過程と過進角した点火位置での点火により内燃機関の回転方向が反転したか否かを判定する回転方向判定過程とを行わせ、回転方向判定過程で内燃機関の回転方向が反転したと判定されたときに回転方向が反転した状態で内燃機関を運転するのに適した点火位置で内燃機関を点火して、回転方向が反転した状態で機関の運転を行わせる。
【0060】
マイクロコンピュータ5は、回転方向切換スイッチが操作されたとき(反転指令が与えられたとき)に上記減速過程と、過進角点火過程と、回転方向判定過程と、回転方向反転時の点火位置で点火を行わせる過程とを行うようにプログラムされる。
【0061】
従来の回転方向反転制御方法では、反転指令が与えられたときに、過進角点火過程を1回だけ行うようにしていたが、本発明においては、内燃機関の回転速度を設定値未満に低下させた状態で、内燃機関の1つの気筒に対して過進角点火過程を行った結果、回転方向判定過程で内燃機関の回転方向が反転していないと判定されたときに他の気筒に対しても過進角点火過程と回転方向判定過程とを行うようにする。
【0062】
また本実施形態では、内燃機関の回転速度を設定値未満に低下させた状態で過進角点火過程及び回転方向判定過程をすべての気筒に対して行っても回転方向判定過程で内燃機関の回転方向が反転したとの判定が行われなかったときに、内燃機関の回転速度を所定の速度まで上昇させる増速過程と機関を減速する減速過程と機関の回転速度が設定値まで低下したときに過進角した点火位置で機関を点火する過進角点火過程と過進角した点火位置での点火により回転方向が反転したか否かを判定する回転方向判定過程と回転方向が反転しなかったときに過進角点火過程及び回転方向判定過程を設定回数反復させる過程とからなる反転制御過程を少なくとも1回行わせ、この反転制御過程を設定された繰り返し回数だけ行っても回転方向が反転しなかったときに内燃機関を停止させるようにしている。
【0063】
上記の制御方法を実施するために、マイクロコンピュータ5に実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートの一例を図3に示した。
【0064】
図3に示したルーチンは、回転方向反転制御を行うために一定の時間間隔で実行されるものである。このルーチンが開始されると、先ずステップ1で回転方向切換スイッチ8が操作されたか否か(反転要求があるか否か)を判定する。その結果、反転要求がないと判定された場合には、図示しないメインルーチンに戻る。ステップ1において反転要求があると判定されたときには、ステップ2に進んで反転制御繰り返し回数m(初期値=0)を1だけインクリメントし、ステップ3に進んで減速制御を行わせる。この減速制御は、点火装置3への点火指令信号Viの供給を停止して点火動作を停止させたり、点火時期を遅角させたりすることにより行う。次いでステップ4に移行して機関の回転速度Nと、過進角点火を行わせる回転速度領域の上限値を与える過進角点火回転速度Nsと比較して、回転速度Nが過進角回転速度Ns以下であるか否かを判定する。その結果、回転速度Nが過進角回転速度Ns以下になっていないと判定されたときには、ステップ5に移行して過進角位置での点火を中止し、減速制御を続ける。ステップ4において回転速度Nが過進角回転速度Ns以下になっていると判定されたときには、ステップ6に移行して過進角位置での点火を行わせ、ステップ7で過進角点火回数n(初期値=0)を1だけインクリメントする。次いでステップ8において回転方向の反転に成功したか否かを判定する。機関の回転方向の判定は、前述のように、信号発生器2がいずれかの極性のパルス信号を発生したときのエキサイタコイルEXの出力電圧の極性(位相検出回路7の出力)を見ることにより行い、判定された回転方向が反転要求により要求されている回転方向に合致しているときに反転に成功していると判定する。
【0065】
ステップ8において回転方向の反転に成功したと判定された場合には、ステップ9に移行して過進角点火回数n及び反転制御繰返し回数mを0に戻し、ステップ10で反転制御を終了するための処理(例えば回転方向が反転した状態での点火を許可するための処理)を行ってメインルーチンに戻る。
【0066】
ステップ8において回転方向の反転に失敗したと判定されたときには、ステップ11に移行して過進角点火回数nが設定値(この例では2)に等しいか否かを判定し、過進角点火回数nが設定値に等しくない場合には、ステップ6に戻って再度過進角位置での点火を行わせる。
【0067】
本実施形態では、一方の気筒に対して過進角位置での点火を行った後、ステップ8で回転方向の反転に失敗したと判定され、ステップ11でn=2でないと判定されたときに、ステップ6において他方の気筒に対して過進角位置での点火を行わせる。
【0068】
上記のように、内燃機関が2気筒である場合に、過進角点火回数nを気筒数2に等しく設定しておくと、内燃機関の1つの気筒に対して過進角点火過程(ステップ6)を行った後、回転方向判定過程(ステップ8)で内燃機関の回転方向が反転していないと判定されたときに、内燃機関の回転速度を設定値未満に低下させたままの状態で、続いて他の気筒に対しても過進角点火過程と回転方向判定過程とを行わせることができる。
【0069】
機関の両気筒で過進角位置での点火を行わせてもステップ8において回転方向の反転に失敗したと判定された場合には、ステップ11においてn=2であると判定されるため、ステップ12に移行して反転制御繰り返し回数mが設定回数ms 以上であるか否かを判定する。その結果反転制御繰り返し回数mが設定回数ms 以上でない(反転制御がms 回行われていない)と判定されたときには、ステップ13に進んで過進角点火回数nを0とし、ステップ14で内燃機関の回転速度を上昇させるための制御を行わせる。この制御では、機関を正常に点火するとともに、機関への燃料の供給量を増加させて回転速度を上昇させる。次いでステップ15で機関の回転速度が設定値まで上昇したか否かを判定し、回転速度が設定値まで上昇したと判定されたときにステップ2に戻って反転制御繰り返し回数mを1だけインクリメントし、再度ステップ3の減速制御以降の過程を繰り返す。その結果ステップ8において回転方向の反転に成功したと判定されたときには、ステップ9を行った後ステップ10に移行して反転制御を終了する。
【0070】
2回の過進角点火を含む反転制御をms 回繰り返してもステップ8で反転に失敗したと判定されたときには、ステップ11でn=2であると判定され、ステップ12でm≧ms であると判定されるため、ステップ16に移行して過進角点火回数n及び反転制御繰り返し回数mを0に戻し、ステップ17に移行して内燃機関を停止する処理を行う。内燃機関の停止は、点火装置の点火動作の停止及び(または)機関への燃料の供給の停止により行う。
【0071】
マイクロコンピュータ5は、上記のルーチン以外に、機関を運転するために必要な処理を行うための各種のルーチンを実行する。例えば、メインルーチンでは、電源投入時の各部のイニシャライズや、割込の許可、或いは回転速度演算手段により演算されている回転速度に対する機関の点火位置の演算等を行う。また信号発生器2が負極性のパルス信号Vsb1 及びVsb2 またはVsb1´及びVsb2´を発生してマイクロコンピュータ5に割込信号INT1が与えられる毎に実行される割込ルーチンにおいて、機関の回転速度の演算と、点火タイマに演算された点火時期を計測するための計測値をセットする処理などを行う。更に、信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa1 及びVsa2 またはVsa1´及びVsa2´を発生してマイクロコンピュータに割込信号INT2が与えられたときに実行される割込ルーチンにおいては、機関の正回転時にハード点火を行わせるための処理、機関の逆回転時にソフト点火位置の計測を開始させるための処理、或いは機関の逆回転時に割込信号INT3による割込が行われるのを許可するための処理などを行う。また割込信号INT3による割込が許可されている状態で、エキサイタコイルEXの出力が負の半波から正の半波に移行する際の零クロス点が位相検出回路7により検出されて、マイクロコンピュータ5に割込信号INT3が与えられたときに実行される割込ルーチンで、機関の逆回転時のハード点火位置として用いる零クロス点を検出して、その零クロス点で逆回転時のハード点火を行わせるための処理などを行う。
【0072】
図3に示したアルゴリズムにより反転制御を行わせる場合には、ステップ3において、回転方向切換スイッチが操作されたときに内燃機関の回転速度を低下させる減速過程が行われ、ステップ6において、減速過程により回転速度が設定値未満に低下させられた状態で内燃機関を過進角した点火位置で点火する過進角点火過程が行われる。またステップ8において、過進角した点火位置での点火により内燃機関の回転方向が反転したか否かを判定する回転方向判定過程が行われる。
【0073】
即ち、ステップ3により、回転方向切換スイッチが操作されたときに内燃機関を減速する減速過程を行う減速手段が構成され、ステップ6により、減速手段により回転速度が設定値未満に低下させられた状態で内燃機関を過進角した点火位置で点火する過進角点火過程を行う過進角点火手段が構成される。またステップ8により、過進角した点火位置での点火により内燃機関の回転方向が反転したか否かを判定する回転方向判定過程を行う回転方向判定手段が構成される。
【0074】
更に、機関の回転方向が反転した状態で、ハード点火を行わせる過程(図示せず。)により、回転方向判定過程で内燃機関の回転方向が反転したと判定されたときに回転方向が反転した状態での点火位置で内燃機関を点火する反転時点火制御手段が構成される。
【0075】
また図3のステップ7,9,10及び11により、内燃機関の回転速度を設定値未満に低下させた状態で過進角点火手段による過進角点火過程と回転方向判定手段による回転方向判定過程とをn回(nは2以上の整数からなる設定値)を限度として内燃機関の回転方向が反転するまで反復させる過進角点火反復制御手段が構成される。
【0076】
更に図3のステップ2,9,12,13及び16により、過進角点火反復制御手段が、過進角制御手段による過進角点火過程と回転方向判定手段による回転方向判定過程とをn回反復させても内燃機関の回転方向が反転しないときに、内燃機関を設定速度まで増速させる増速過程と減速制御手段による減速過程と過進角反復制御過程により反復される過進角点火過程及び回転方向判定過程とからなる反転制御過程を、繰り返し回数が設定回数を超えない範囲で内燃機関の回転方向が反転するまで繰り返す反転制御繰り返し制御手段が構成される。
【0077】
またステップ17により、反転制御繰り返し制御手段が反転制御過程を設定回数繰り返しても内燃機関の回転方向が反転しないときに内燃機関を停止させるための処理を行う機関停止手段が構成される。
【0078】
図1に示した内燃機関制御装置の動作を示す波形図を図4に示した。図4は、機関が正回転している状態で、回転方向切換スイッチ8が閉じられた後、回転方向が反転するまでの間の各部の波形の変化を、横軸にクランク角θをとって示したものである。
【0079】
図4(A)は磁石発電機1のエキサイタコイルEXが出力する交流電圧の波形を示し、同図(B)は信号発生器2が発生するパルス信号Vsa1,Vsb1,Vsa2,Vsb2,及びVsa2等の波形を示している。また図4(C)は点火用コンデンサC1の両端の電圧Vcの波形を示している。
【0080】
前述のように、回転方向切換スイッチ8が閉じられると、減速過程(図3のステップ3)が行われる。本実施形態では、この減速過程で、点火装置3への点火指令信号Viの供給を停止させることにより機関を失火させて、減速するようにしている。従って、回転方向切換スイッチ8が閉じられると、図4(C)の左端に示すように、点火用コンデンサC1 の両端の電圧Vcが高レベルの状態を保持する状態になる。
【0081】
マイクロコンピュータは、信号発生器2が一方の極性のパルス信号、例えば正極性のパルス信号(図示の例では正回転時の第1気筒の低速時点火位置を定める正極性パルス信号Vsa1 )を発生したときに、エキサイタコイルEXの出力電圧の半波の極性が負であることから機関の回転方向が正方向であることを認識する。
【0082】
機関が失火させられたことにより、図3のステップ4において、機関の回転速度が設定値(例えば500rpm)未満になったことが検出されると、マイクロコンピュータは、図3のステップ6において、信号発生器2が第1気筒用のソフト点火基準位置θ12で負極性のパルス信号Vsb1 を出力したときに、第1気筒の過進角点火位置θi1の計測値(機関のクランク軸が負極性のパルス信号Vsb1の発生位置から過進角点火位置まで回転するのに要する時間)を点火用タイマにセットし、その計測を開始させる。
【0083】
過進角点火位置は、例えば、機関の上死点前40°(BTDC)の位置に設定される。セットした過進角点火位置θi1が計測されると点火装置3に点火指令信号Viが与えられるため、点火用コンデンサC1 に蓄積された電荷が点火コイルの一次コイルを通して放電し、点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させる。この高電圧は機関の第1気筒及び第2気筒の点火プラグP1及びP2に印加されるため、これらの点火プラグで同時に火花が生じる。これにより、点火時期にある第1気筒で点火動作(燃料への着火)が行なわれる。このとき第2気筒は排気行程の終期にあるため、点火プラグP2で火花が生じても点火されない。コンデンサC1 の放電により、その両端の電圧Vcが零になる。
【0084】
図示の例では、過進角点火位置θi1での第1回目の点火により機関の回転方向を反転させることに失敗している。そのため、マイクロコンピュータは、クランク角θ11の位置で信号発生器が正極性のパルス信号Vsa1を発生したときに、エキサイタコイルの出力電圧が負極性の半波にあることから機関が依然として正回転していること(回転方向の反転に失敗したこと)を検出する(図3のステップ8)。
【0085】
このときマイクロコンピュータは、図3のステップ11を実行して過進角点火回数nが2であるか否かを判定する。今回はステップ7によりnが1にされているため、ステップ6が再度実行され、第2気筒用のソフト点火基準位置θ22で第2気筒の過進角点火位置θi2を計測するための計測値が点火タイマにセットされる。点火タイマが過進角点火位置θi2でセットされた計測値の計測を完了すると、点火装置3に点火指令信号Viが与えられる。これにより点火プラグP1及びP2に同時に火花が生じ、点火時期にある第2気筒で2回目の過進角点火が行われる。
【0086】
図示の例では、この2回目の過進角点火により機関の回転方向の反転に成功している。そのため、クランク角θ22の位置で信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa1´を発生したときに機関が逆転していることを認識し、図3のステップ8で回転方向の反転に成功したと判定される。またクランク角θ22´の位置(第1気筒用の点火基準位置)で逆転時の第1気筒のハード点火位置θ13を検出するための零点(前述のように、本実施形態ではエキサイタコイルの出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際の零点)の計数を開始させる。次いでステップ9でn及びmが0に戻され、ステップ10で回転方向が反転した状態での正規の点火位置で点火を行うことを許可して反転制御を終了する。
【0087】
クランク角θ22´の位置から、エキサイタコイルの出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際の零点を2個計数したときに、ハード点火位置θ13が検出されるため、このハード点火位置で点火装置3に点火指令信号Viが与えられる。これにより点火プラグP1及びP2で火花が生じ、点火時期にある第1気筒で点火が行われる。これにより回転方向が反転した状態での機関の回転が維持される。
【0088】
上記のようにして機関の回転方向が反転した後、車両等を走行させるために機関の回転速度を上昇させる際には、正回転時と同様に、マイクロコンピュータにより演算した点火位置で機関を点火するようにして、必要に応じて回転速度の上昇に伴って点火位置を進角させる。
【0089】
上記の例では、2サイクル2気筒内燃機関に本発明を適用したが、単気筒の2サイクル内燃機関にも本発明を適用することができる。単気筒の内燃機関に本発明を適用する場合には、信号発生器が正または負の極性のパルス信号を発生してから再び正または負極性のパルス信号を発生するまでの回転角度が360°であるため、機関の逆回転時の点火位置の計測開始位置として信号発生器がパルス信号を発生する位置を用いることができない。したがってこの場合には、エキサイタコイルの出力の特定の零クロス点を点火位置の計測開始位置とする。
【0090】
上記の例では、磁石発電機内に設けられたエキサイタコイル(点火装置を駆動するコイル)の出力電圧の特定の零クロス点を、逆回転時の低速時の点火位置としたり、点火位置の計測開始位置としたりするようにしたが、エキサイタコイル以外の発電コイルの出力電圧の零クロス点を逆回転時の低速時点火位置としたり、点火位置の計測開始位置としたりすることもできる。磁石発電機の出力に余裕があり、固定子の1つの極に巻かれた発電コイルを制御装置専用の発電コイル(負荷に電力を供給しない発電コイル)として用いることができる場合には、該発電コイルの出力電圧の零クロス点を低速時の点火位置や、点火位置の計測開始位置として用いるのが好ましい。このように負荷を駆動しない発電コイルの出力電圧の零クロス点を低速時の点火位置や、点火位置の計測開始位置とするようにすれば、電機子反作用の影響を受けることなく、低速時の点火位置や、点火位置の計測開始位置を正確に定めることができる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、1つの気筒に対して過進角位置での点火を行った結果、回転方向の反転に失敗した場合に、他の気筒に対しても過進角位置での点火を行うようにしたので、気筒によって燃焼状態に差がある場合でも回転方向の反転に成功する確率を高めることができる。
【0092】
更に本発明において、内燃機関の回転速度を設定値未満に低下させた状態で過進角点火過程及び回転方向判定過程をすべての気筒に対して行っても、回転方向判定過程で内燃機関の回転方向が反転したと判定されなかったときに、内燃機関の回転速度を所定の速度まで上昇させる増速過程と減速過程と過進角点火過程及び回転方向判定過程と回転方向が反転しなかったときに過進角点火過程及び回転方向判定過程を設定回数反復させる過程とからなる反転制御過程を少なくとも1回繰り返すようにした場合には、機関の回転方向の反転に成功する確率を更に高くすることができる。
【0093】
また上記反転制御過程を設定回数繰り返しても機関の回転方向を反転させることができなかった場合に、機関を停止させるようにした場合には、機関が反転し難い状態にあるときに反転制御が異常に長い時間の間繰り返されるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる内燃機関用回転方向反転制御方法を実施するために用いる反転制御装置のハードウェアの構成例を示した回路図である。
【図2】 図1に示された磁石発電機の出力電圧の波形と、信号発生器が発生するパルス信号の波形とを機関の正回転時と逆回転時とについて示した波形図である。
【図3】 図1の制御装置において反転制御を行わせるためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図4】 正回転している内燃機関を逆回転させる際の動作を示す波形図である。
【符号の説明】
1…磁石発電機、2…信号発生器、3…点火装置、5…マイクロコンピュータ、6…波形整形回路、7…位相検出回路、8…回転方向切換スイッチ、9…点火指令信号出力回路、10…逆回転報知回路。

Claims (4)

  1. 2サイクル多気筒内燃機関の回転方向を反転させる指令が与えられたときに前記内燃機関の回転速度を低下させる減速過程と前記減速過程により前記回転速度が設定値未満に低下させられた状態で前記内燃機関を過進角した点火位置で点火する過進角点火過程と前記過進角した点火位置での点火により前記内燃機関の回転方向が反転したか否かを判定する回転方向判定過程とを行わせ、前記回転方向判定過程で前記内燃機関の回転方向が反転したと判定されたときに回転方向が反転した状態での前記内燃機関の点火位置で前記内燃機関を点火して、回転方向が反転した状態での前記内燃機関の運転を行わせる内燃機関用回転方向反転制御方法において、
    前記内燃機関の1つの気筒に対して前記過進角点火過程を行った後、前記回転方向判定過程で前記内燃機関の回転方向が反転していないと判定されたときに、前記内燃機関の回転速度を前記設定値未満に低下させたままの状態で、続いて他の気筒に対しても過進角点火過程と回転方向判定過程とを行うことを特徴とする内燃機関用回転方向反転制御方法。
  2. 前記内燃機関の回転速度を前記設定値未満に低下させた状態で前記過進角点火過程及び回転方向判定過程をすべての気筒に対して行っても回転方向判定過程で内燃機関の回転方向が反転したと判定されなかったときに、前記内燃機関の回転速度を所定の速度まで上昇させる増速過程と前記減速過程と前記過進角点火過程及び回転方向判定過程と回転方向が反転しなかったときに過進角点火過程及び回転方向判定過程を設定回数反復させる過程とからなる反転制御過程を少なくとも1回行わせ、前記反転制御過程を設定された繰り返し回数だけ行っても回転方向が反転しなかったときに前記内燃機関を停止させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用回転方向反転制御方法。
  3. 2サイクル多気筒内燃機関の回転方向を反転させる際に操作される回転方向切換スイッチと、前記回転方向切替スイッチが操作されたときに前記内燃機関を減速する減速過程を行う減速制御手段と、前記減速制御手段により前記内燃機関の回転速度が設定値未満に低下させられた状態で前記内燃機関を過進角した点火位置で点火する過進角点火過程を行う過進角点火手段と、前記過進角した点火位置での点火により前記内燃機関の回転方向が反転したか否かを判定する回転方向判定過程を行う回転方向判定手段と、前記回転方向判定手段により前記内燃機関の回転方向が反転したと判定されたときに回転方向が反転した状態での前記内燃機関の点火位置で前記内燃機関を点火する反転時点火制御手段とを備えた内燃機関用回転方向反転制御装置において、
    前記過進角点火手段による過進角点火過程を前記内燃機関の1つの気筒に対して行った結果前記回転方向判定手段により前記内燃機関の回転方向が反転していないと判定されたときに続いて他の気筒に対して前記過進角点火手段による過進角点火過程と前記回転方向判定手段による回転方向判定過程とを反復させる過進角点火反復制御手段を具備してなる内燃機関用回転方向反転制御装置。
  4. 2サイクル多気筒内燃機関の回転方向を反転させる際に操作される回転方向切換スイッチと、前記回転方向切替スイッチが操作されたときに前記内燃機関を減速する減速過程を行う減速制御手段と、前記減速制御手段により前記内燃機関の回転速度が設定値未満に低下させられた状態で前記内燃機関を過進角した点火位置で点火する過進角点火過程を行う過進角点火手段と、前記過進角した点火位置での点火により前記内燃機関の回転方向が反転したか否かを判定する回転方向判定過程を行う回転方向判定手段と、前記回転方向判定手段により前記内燃機関の回転方向が反転したと判定されたときに回転方向が反転した状態での前記内燃機関の点火位置で前記内燃機関を点火する反転時点火制御手段とを備えた内燃機関用回転方向反転制御装置において、
    前記過進角点火手段による過進角点火過程を前記内燃機関の1つの気筒に対して行った結果前記回転方向判定手段により前記内燃機関の回転方向が反転していないと判定されたときに続いて他の気筒に対して前記過進角点火手段による過進角点火過程と前記回転方向判定手段による回転方向判定過程とを反復させる過進角点火反復制御手段と、
    前記過進角点火反復制御手段が、前記過進角制御手段による過進角点火過程と回転方向判定手段による回転方向判定過程とを前記内燃機関のすべての気筒に対して行っても前記内燃機関の回転方向が反転しないときに、前記内燃機関を設定速度まで増速させる増速過程と前記減速制御手段による減速過程と前記過進角反復制御過程により反復される過進角点火過程及び回転方向判定過程とからなる反転制御過程を、繰り返し回数が設定された回数を超えない範囲で、内燃機関の回転方向が反転するまで繰り返す反転制御繰り返し制御手段と、
    前記反転制御繰り返し制御手段が前記反転制御過程を前記設定された回数繰り返しても前記内燃機関の回転方向が反転しないときに前記内燃機関を停止させるための処理を行う機関停止手段と、
    を具備してなる内燃機関用回転方向反転制御装置。
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