JP4174457B2 - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの燃料供給装置に係り、詳しくは、エンジンを長期保管する場合に、気化器のフロート室を簡便にドレン操作できるようにしたエンジンの燃料供給装置に関するものである。
従来、農機等におけるエンジンの燃料供給装置は、フロート室を有したエンジン用気化器と、燃料タンクと、負圧式構造等による燃料ポンプと、経路切換手段とを備えて構成されている。具体的には、気化器と燃料タンクとを接続する燃料給排経路に、燃料ポンプと経路切換手段とを接続し、経路切換手段の切換操作により、燃料ポンプの作動によって燃料タンクからの燃料を気化器に供給する運転状態と、燃料ポンプの作動によってフロート室の残留燃料を燃料タンクに戻す還流状態とが切換自在に構成されている。このような技術としては、特許文献1において開示されたものが知られている。尚、燃料供給装置において、気化器内に溜まっている燃料を燃料タンクに戻す還流状態が行えるようにしてあるのは、次のような理由による。
管理機や田植機等の農業機械は、その稼動期間は比較的短く、農閑期には長期に亘って倉庫等に保管されることとなる。従って、農業機械のようにシーズン性の強い機械に搭載されているエンジンでは、シーズンオフ中に気化器(キャブレター)におけるフロート内に貯留されている燃料が劣化(揮発成分が抜けてガム化したり、燃焼に適合しない状態になったりする)してしまい、次シーズンにおいて始動不良、ハンチング等を引起す不具合がある。この不具合を防止するために、不使用時にはフロート室に設けられたドレン口から残留燃料を抜き取るよう、ユーザーに指導並びにお願いしているが、その操作が煩わしいとか、操作し忘れるといったことから、殆ど行われていないのが実情である。
そこで、これを解決するべく、前述の特許文献1において開示されたように、前記運転状態と前記還流状態とが切換えられる経路切換手段を燃料給排経路に設けることにより、長期に亘る使用停止時には、経路切換手段を還流状態に切換えてフロート室内の残留燃料を燃料タンクに戻すことにより、気化器内における燃料の劣化を防止して、次シーズンにおける始動不良等の不具合が防止できるのである。また、残留燃料を燃料タンクに戻すので、外部に排出する手段に比べて無駄が無く、経済的である点も望ましい。
特開平7−317619号公報
前述の特許文献1に示された技術の採用により、経路切換手段(流路切換え具)の切換操作により、操作簡単にして気化器内の残留燃料を燃料タンクに戻すこととができる便利なものとなったのである。しかしながら、前記従来技術では、還流状態に切換えても燃料を還流仕切れない箇所のあることが分かってきた。即ち、前記特許文献1の図2を参照して説明すると、経路切換手段である流路切り換え具8と気化器4のフロート室入口5aとを結ぶ燃料供給路6に存在する燃料は燃料タンク1に戻せないのである。これは、還流状態では、流路切り換え具8における燃料供給路6に繋がる第一流路10が閉じているため、燃料ポンプ3の吸出し作用が燃料供給路6には及ばない状態になってしまっていることが原因である。
故に、還流状態に切換えて残留燃料を燃料タンクへ戻すようにしても、流路切り換え具と気化器とを結ぶ燃料供給路内には依然として燃料が残存しており、これがシーズンオフ中に劣化して、やはり次シーズンに前述した不具合が生じる原因となるおそれがあるため、さらなる改善の余地が残されているものであった。
このような実情に鑑みることにより、本発明の目的は、エンジンを動かすための状態である運転状態と、気化器内の燃料を抜いて燃料タンクに戻すための還流状態とが切換え選択できる便利な燃料供給装置を、還流状態においては少しの残存燃料も生じない状態にできるようにして、より高い効果が得られるよう改善されたものとして提供する点にある。
請求項1の構成は、フロート室4を有したエンジン用気化器3と燃料タンク1とを接続する燃料給排経路2に、燃料ポンプ5Bと経路切換手段5Aとを接続し、前記経路切換手段5Aの切換操作により、前記燃料ポンプ5Bの作動によって前記燃料タンク1からの燃料を前記気化器3に供給する運転状態と、前記燃料ポンプ5Bの作動によって前記フロート室4の残留燃料を前記燃料タンク1に戻す還流状態とが切換自在に構成されているエンジンの燃料供給装置において、
前記運転状態においては、前記燃料ポンプ5Bから吐出された燃料が前記経路切換手段5A及びこれと前記気化器3とを繋ぐ供給路h1を経て前記フロート室4に供給され、かつ、前記還流状態においては、前記経路切換手段5A及びこれと前記気化器3とを繋ぐ排出路h2を介して前記フロート室4の残留燃料が前記燃料ポンプ5Bに吸込まれるように構成するとともに、前記経路切換手段5Aに、前記還流状態においてのみ前記供給路h1を大気開放状態とするための大気開放路40が設けられていることを特徴とする。
請求項2の構成は、請求項1に記載のエンジンの燃料供給装置において、前記経路切換手段5Aは、切換移動自在な可動弁体16を有した弁体ブロック15と、前記供給路h1に連通する第一給排ポートp1、前記前記排出路h2に連通する第ニ給排ポートp2、及び、前記燃料ポンプ5B及び前記燃料タンク1に対応する複数の給排ポートp3〜p6が形成された弁通路ブロック17とから構成されるとともに、前記大気開放路40は、前記可動弁体16が還流状態に切換えられたときにのみ前記第一給排ポートp1に開口するように、前記可動弁体16の所定箇所に形成された外部連通孔であることを特徴とする。
請求項3の構成は、請求項2に記載のエンジンの燃料供給装置において、前記複数の給排ポートp3〜p6は、前記燃料タンク1に連通される第3及び第4給排ポートp3,p4と、前記燃料ポンプ5Bの吐出口21に連通される吐出ポートp5と、前記燃料ポンプ5Bの吸入口22に連通される吸込ポートp6とから構成され、
前記可動弁体16を運転位置に切換えると、前記第4給排ポートp4と前記吸込ポートp6とが連通され、かつ、前記第1給排ポートp1と前記吐出ポートp5とが連通される前記運転状態が得られるとともに、前記可動弁体16を還流位置に切換えると、前記吸込ポートp6と前記第2給排ポートp2とが連通され、かつ、前記吐出ポートp5と前記第3給排ポートp3とが連通される前記還流状態が得られるように構成されていることを特徴とする。
請求項1の構成によれば、還流状態においてのみ供給路を大気開放状態とするための大気開放路を経路切換手段に設けたので、還流状態では、経路切換手段と気化器とを繋ぐ供給路(前述の燃料供給路に相当)に大気が入り込み可能になっており、これによってフロート室を介して燃料ポンプの吸入作用を供給路にも及ばせることができる。そして、運転状態では、大気開放路は影響を及ぼさないので、燃料タンクの燃料を支障なく良好に気化器に供給することができる。その結果、従来では抜け切れなかった供給路内に存在する燃料も燃料タンクに還元させることが可能になり、還流状態においては少しの残存燃料も生じない状態にできて、次シーズンに良好なエンジン始動が行える効果を、より高い次元で得られるエンジンの燃料供給装置を提供することができる。
請求項2や3の構成によれば、詳しくは実施例において説明するが、経路切換手段が、燃料タンク、気化器、及び燃料ポンプが接続される弁通路ブロックと弁体ブロックとで成る切換弁構造に構成されている場合には、供給路に接続される第一給排ポートに還流状態でのみ連通する状態の外部連通孔を可動弁体に形成するだけで良く、部品の追加無く、かつ、構造簡単に燃料の抜き残しの無いエンジンの燃料供給装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、管理機等の農機用ガソリンエンジンの燃料供給装置に適用した場合について図面に基づいて説明する。図1はエンジンの燃料供給装置を示す概略の系統図であり、図2〜図4は燃料の流れを示す切換手段付ポンプの分解斜視図であり、ス2は運転状態、図3は還流状態、図4は遮断状態を夫々示す。図5,6は切換手段付ポンプの正面図、側面図、図7,8は切換手段付ポンプの取付構造とその操作構造を示す正面図、側面図である。
実施例1によるエンジンの燃料供給装置Aは、図1に示すように、ガソリンエンジンEと、燃料タンク1とを接続する燃料給排経路2に装備されている。即ち、フロート室4を有したエンジン用キャブレター(気化器)3と、燃料タンク1とを接続する燃料給排経路2に、燃料ポンプ5Bと経路切換手段5Aとを一体化して成る切換手段付ポンプ5を接続して構成されている。キャブレター3とエンジンEとはインテークマニホールド11を介して連結されており、キャブレター3のインテークマニホールド11装着側と反対の側にはエアクリーナ33(図7,8参照)が連結される。尚、6は点火プラグ、7は点火回路、8はメインキー(図示省略)によって回動操作自在なイグニッションスイッチである。
燃料給排経路2は、切換手段付ポンプ5の第一給排口k1とフロート室4の上端部に形成されている燃料入口4aとを接続する第一配管(供給路の一例)h1と、切換手段付ポンプ5の第二給排口k2とフロート室4の下端部に形成されているドレン口4bとを接続する第二配管(排出路の一例)h2と、燃料タンク1の底面に形成された排出口1aと切換手段付ポンプ5の第三給排口k3とを接続する単一の第三配管h3とから構成されている。第三給排口k3は、図1に仮想線で示すように、両方向型のフィルタ12を有したフィルタ経路13を通るものとしても良い。
切換手段付ポンプ5は、図1〜図6に示すように、燃料ポンプ5Bと経路切換手段5Aとが一体化されたものとして構成されている。即ち、燃料ポンプ5Bとして機能するポンプブロック14、切換移動自在な可動弁体16を有した弁体ブロック15、及び、燃料タンク1及びキャブレター3に対する複数の給排口k1〜k3と、ポンプブロック14及び弁体ブロック15に対応する複数の給排ポートp1〜p6とが形成された弁通路ブロック17から成る弁構造のものに構成されている。より詳しくは、ポンプブロック14と弁体ブロック15との間に弁通路ブロック17を挟んで一体化してあるとともに、弁体ブロック15の外側には、操作ノブ19用の軸孔18a(図6参照)が形成されたカバープレート18が重ねられて一体化されている。また、弁体ブロック15と弁通路ブロック17との間には、薄板状のガスケット20が介装されている。
弁体ブロック15は、図2〜図5に示すように、偏平な筒状を呈する可動弁体16を軸心X回りで回動自在に収容する段付き円孔(符記省略)を有した角ブロック体で構成されている。可動弁体16は、図5及び図6(a),(b)に示すように、段付き円筒状の本体部16Aと、本体部16Aに一体形成された軸部16aと回動範囲を規制するべく、カバープレート18のストップ部18bと協働するための***部16bから構成されている。本体部16Aの背面側には、周方向に延びる円弧穴状の第1及び第2ランドr1、r2が回動軸心Xに関する点対称となる状態で形成されている。
軸部16aは、カバープレート18の軸孔18aを貫通して外部に突出されており、この軸部16aの先端部に、円板状の鍔部19aと摘み部19bとから成る操作ノブ19が嵌合装着する構造としても良く、その場合には、摘み部19bを手指で捩り操作することにより、可動弁体16を回動操作自在となる(図1等参照)。尚、図6(a)においては、***部16bは運転位置と還流位置との2位置切換型に形成されているが、形状変更により、図1に示す遮断位置を加えた3位置切換型とすることも自在である。
弁通路ブロック17は、図2〜図6(a)に示すように、弁体ブロック15に向く弁体側面17aに第1〜第6給排ポートp1〜p6が形成され、底面17bに第1及び第2給排口k1,k2が、勝つ、横側面17cに第三給排口k3が夫々形成されている。上側の左右に配置される第3、第4給排ポートp3,p4は、共に第三給排口k3に連通接続され、下側の第1給排ポートp1は第1給排ポートp1に、かつ、下側の第2給排ポートp2は第2給排ポートp2に夫々連通接続される。上下中間の第5,第6給排ポートp5、p6は弁通路ブロック17を貫通して、ポンプブロック14に向くポンプ側面17dに臨んでおり、燃料ポンプ5Bの吐出口21と吸入口22に夫々連通接続される。また、この弁通路ブロック17には、切換手段付ポンプ5をエンジンEに取付固定するべく、ナット部を有した上部台座17nと、ボルト用孔を有した側方取付部17hとが張出し形成されている。
つまり、給排口k1〜k3は、キャブレター3の燃料入口4aに連通される第一給排口k1と、キャブレター3のドレン口4bに連通される第二給排口k2と、燃料タンク1に連通される第三給排口k3とから構成され、給排ポートp1〜p6は、第一給排口k1に連通される第1給排ポートp1と、第二給排口k2に連通される第2給排ポートp2と、第三給排口k3に連通される第3及び第4給排ポートp3、p4と、ポンプブロック14の吸入口22に連通される第6給排ポート(吸込ポートの一例)p6と、ポンプブロック14の吐出口21に連通される第5給排ポート(吐出ポートの一例)p5とから構成されている。尚、図示は省略するが、ガスケット20にも第1〜第6給排ポートp1〜p6に相当する計六箇所の孔が形成されている。
ポンプブロック14は、図2〜図6に示すように、燃料ポンプ5Bが装備されたブロック体で構成されており、弁通路ブロック17に向く弁通路側面14aには、燃料ポンプ5Bの吐出口21と吸入口22とが形成されている。燃料ポンプ5Bは、図示は省略するが、エンジンEにおいて生じる脈動を伝達する圧力ホース23を設けて、その脈動によって動作する負圧ポンプ(フィードポンプ)に構成されている。
ところで、経路切換手段5Aの一部である可動弁体16には、図1、図5、図6に示すように、還流状態においてのみ第一配管h1を大気開放状態とするための大気開放路40が設けられている。即ち、大気開放路40は、図3に示す還流状態においてのみ、第一給排ポートp1に連通するように可動弁体16の本体部16Aに、これを内外に貫通する状態に形成された径の極小さい孔である外部連通孔40として構成されている。この例では、図6に示すように、第1ランドr1の下側で近接した角度位置に外部連通孔40が貫通形成されている。次に、切換手段付ポンプ5の機能について説明する。
切換手段付ポンプ5は、図1に示すように、操作ノブ19を運転位置「運」に回動操作して得られる運転状態と、還流位置「還」に回動操作して得られる還流状態と、遮断位置「遮」に回動操作して得られる遮断状態とが切換選択自在に構成されている。通常のエンジン運転時には運転状態に切換え、トラックに積載する等の運搬時には遮断状態に切換える。また、シーズンオフ等によって長期に亘ってエンジン停止する際には、還流状態にするように操作される。
運転状態は、図2に示すように、操作ノブ19を「運」位置に回動操作することで得られる。即ち、この運転状態では、第1給排ポートp1と第5給排ポートp5とが第1ランドr1によって連通され、かつ、第6給排ポートp6と第4給排ポートp4とが第2ランドr2によって連通されることとなる。従って、燃料ポンプ5Bの作動により、燃料の移動経路は、燃料タンク1の排出口1a→第三配管h3→第三給排口k3→第4給排ポートp4→→第2ランドr2→第6給排ポートp6→吸入口22→燃料ポンプ5B→吐出口21→第5給排ポートp5→第1ランドr1→第1給排ポートp1→第一給排口k1→第一配管h1→燃料入口4aとなり、燃料タンク1内のガソリンがキャブレター3のフロート室4に供給される。
故に、農場等の圃場において農機を動かす等、通常のエンジン運転時には、切換手段付ポンプ5を運転状態に操作しておき、燃料タンク1内のガソリンが燃料ポンプ5Bによって良好にキャブレター3に供給される状態とすることができる。
還流状態は、図3に示すように、操作ノブ19を「還」位置に回動操作することで得られる。即ち、この還流状態では、第5給排ポートp5と第3給排ポートp3とが第1ランドr1によって連通され、かつ、第6給排ポートp6と第2給排ポートp2とが第2ランドr2によって連通されるとともに、第1給排ポートp1が外部連通孔40に連通されている。つまり、この還流状態では、第一配管h1の経路切換手段5A側端が大気開放されており、自由に空気が入り込めることとなっている。
従って、燃料ポンプ5Bを作動させると、燃料の移動経路は、ドレン口4b→第二配管h2→第二給排口k2→第2給排ポートp2→第2ランドr2→第6給排ポートp6→吸入口22→燃料ポンプ5B→吐出口21→第5給排ポートp5→第1ランドr1→第3給排ポートp3→第三給排口k3→第三配管h3→排出口1aとなり、フロート室4内に溜まっている残留ガソリンが燃料タンク1内に還元される。加えて、第一配管h1内に燃料が存在する場合には、その残存燃料は重力で、或いは燃料ポンプ5Bの吸込み作用によってフロート室4に流れるので、そこからは前述したようにドレン口4bを経て燃料タンク1へと還元されるようになる。これにより、燃料配管系の燃料は全て燃料タンク1に戻される。尚、外部連通孔40は、この還流状態以外の切換え位置では弁通路ブロック17側端が遮断されており、悪影響は及ぼさない。
故に、所定の作業が終了して農機のシーズンオフになった場合には、切換手段付ポンプ5が運転状態に操作されてエンジンが運転(回転)している状態において、操作ノブ19を「運」位置から「還」位置に回動して切換える。すると、フロート室4に溜まっているガソリンが燃料ポンプ5Bによって強制的に燃料タンク1に戻される同時に、回転し続けるエンジンEにも供給されるので、フロート4内の残留燃料は急速に排出され、超希薄燃料状態となって数秒(3〜5秒)程度でエンジン停止するようになる。エンジンが停止すると燃料ポンプ5Bも止まるが、エンジンの燃焼室における爆発が停止してからも慣性によって僅かの間エンジンが回転するので、その惰性回転によって燃料ポンプが作動し、フロート室4に残った極僅かな燃料も燃料タンク1内に還元されるようになる。つまり、切換手段付ポンプ5を遮断状態に切換操作するだけで、エンジンEが停止するとともに、フロート室4内にはガソリンが残らない状態が得られる。
その結果、エンジンEの回転が止まったときには、フロート室4内、及び供給路h1が完全に空になった状態になり、長期に亘る不使用により、キャブレター3内(フロート室4内)や供給路h1に溜まっている燃料が劣化(変質)することによる不都合(次回のエンジン始動不良や始動不能、或いはハンチング等)を回避することができる。
遮断状態は、図4に示すように、操作ノブ19を「遮」位置に回動操作することで得られる。即ち、この遮断状態では、第1ランドr1は第1給排ポートp1のみに開口し、かつ、第2ランドr2は第4給排ポートp4にのみ開口する状態となり、その結果、第1〜第6給排ポートp1〜p6が全て閉鎖されることとなり、燃料の流れが全く生じない状態が齎される。
例えば、管理機や田植機等の農機をトラック荷台に積載して移動運搬する場合には、走行振動等によって積載されている農機が、即ちキャブレター3が揺れ動くので、切換手段付ポンプ5の操作ノブ19が「運」位置に操作されていると、フロート室4内のガソリンが、インテークマニホールドやエアクリーナ側通路等のフロート室以外のキャブレター3の内部に染み出したり漏れ出るおそれがある。例えば、ガソリンがインテークマニホールドに漏れると、エンジンに供給されるが混合気が濃くなり、次回のエンジン始動時に始動不良(所謂、エンジンが「かぶる」状況)を招く不都合がある。また、エアクリーナ側通路に漏れると、そこを伝ってエアクリーナエレメントにガソリンが染み込み、やはり次回始動時に混合気が濃くなって始動不良を招くこととなる。
従って、エンジンが停止している状態で農機を移動運搬させるようなときには、操作ノブ19を「遮」位置に操作して切換手段付ポンプ5を遮断状態にしておけば、キャブレター3に関しては、燃料入口4aもドレン口4bも塞がれた状態になるので、走行振動や悪路走行等によって積荷である農機が揺れ動いても、フロート室4からキャブレター3内部へのガソリン漏れが確実に防止され、前述の不都合が解消される効果が得られる。
ところで、図示は省略するが、エンジンを始動して作業するためのON位置と、エンジン停止させるためのOFF位置とを有するイグニッションスイッチ8が切換操作されるに伴って、操作ノブ19を(切換手段付ポンプ5を)回動操作する連動機構を設けておいても良い。即ち、連動機構は、エンジンEを回して農機の稼動状態を得るべくイグニッションスイッチ8をON位置に操作するに伴って、操作ノブ19が「運」位置に回動操作され、エンジン停止すべくイグニッションスイッチ8をOFF位置に操作するに伴って、操作ノブ19が「遮」位置に回動操作され、また、長時間エンジン停止すべくイグニッションスイッチ8を第2のOFF位置(図示省略)に操作するに伴って、操作ノブ19が「還」位置に回動操作されるように機能するものである。つまり、イグニッションスイッチ8の操作を行えば切換手段付ポンプ5が自動的に所望状態に操作されるので、さらに便利なものとなる。
参考に、運転位置と還流位置との2位置切換型とされた切換手段付ポンプ5のエンジンEへの取付構造、並びに切換操作構造を概略説明する。図7、図8に示すように、可動弁体16は、その軸部16aに取付けられた操作アーム30と、この操作アーム30の先端側に枢支連結された操作バー31とで切換操作される構造とされている。即ち、線材で成る操作バー31を手指によって押し引きすることにより、操作アーム30を揺動させて可動弁体16を回動移動させて、切換手段付ポンプ5を、運転状態と還流状態とに択一的に切換操作することができる。
切換手段付ポンプ5は、エンジンEの上部にボルト止めされた支持プレート32を用いて固定取付されるとともに、操作バー31は、エアクリーナ33の上部にボルト止めされた板金製のブラケット34により、良好に押し引き操作できるようにガイドされている。具体的には、屈曲形状の支持プレート32の先端側に、弁通路ブロック17の上部台座17nと側方取付部17hをボルト止めしてあるとともに、支持プレート32の先端折曲げ部32aが、操作アーム30の回動筒部30aに外嵌支持する状態に構成されている。エアクリーナ33は、キャブレタ3を介してエンジンEに取付けられている。
以上説明したように、本発明によるエンジンの燃料供給装置Aにおいては、経路切換手段5Aに、還流状態においてのみ供給路h1を大気開放状態とするための大気開放路40が設けられているので、従来では抜け切れなかった供給路h1内に存在する燃料も燃料タンク1に還元させることが可能になり、還流状態においては少しの残存燃料も生じない状態にできて、次シーズンに良好なエンジン始動が行える効果を、より高い次元で得ることができる。
エンジンの燃料供給装置の概略構造を示す系統図 運転状態における燃料の流れを示す切換手段付ポンプの分解斜視図 還流状態における燃料の流れを示す切換手段付ポンプの分解斜視図 遮断状態における燃料の流れを示す切換手段付ポンプの分解斜視図 切換手段付ポンプの概略構造を示す一部切欠きの側面図 (a)は切換手段付ポンプの正面図、(b)は可動弁体の背面図 切換手段付ポンプの概略の取付構造を示す正面図 切換手段付ポンプの概略の取付構造を示す側面図
符号の説明
1 燃料タンク
2 燃料給排経路
3 気化器
4 フロート室
4a 燃料入口
4b ドレン口
5 切換手段付ポンプ
5A 経路切換手段
5B 燃料ポンプ
14 ポンプブロック
15 弁体ブロック
16 可動弁体
17 弁通路ブロック
40 大気開放路
k1 第一給排口
k2 第二給排口
k3 第三給排口
p1 第1給排ポート
p2 第2給排ポート
p3 第3給排ポート
p4 第4給排ポート
p5 吐出ポート
p6 吸入ポート
A 燃料供給装置

Claims (3)

  1. フロート室(4)を有したエンジン用気化器(3)と燃料タンク(1)とを接続する燃料給排経路(2)に、燃料ポンプ(5B)と経路切換手段(5A)とを接続し、前記経路切換手段(5A)の切換操作により、前記燃料ポンプ(5B)の作動によって前記燃料タンク(1)からの燃料を前記気化器(3)に供給する運転状態と、前記燃料ポンプ(5B)の作動によって前記フロート室(4)の残留燃料を前記燃料タンク(1)に戻す還流状態とが切換自在に構成されているエンジンの燃料供給装置であって、
    前記運転状態においては、前記燃料ポンプ(5B)から吐出された燃料が前記経路切換手段(5A)及びこれと前記気化器(3)とを繋ぐ供給路(h1)を経て前記フロート室(4)に供給され、かつ、前記還流状態においては、前記経路切換手段(5A)及びこれと前記気化器(3)とを繋ぐ排出路(h2)を介して前記フロート室(4)の残留燃料が前記燃料ポンプ(5B)に吸込まれるように構成するとともに、前記経路切換手段(5A)に、前記還流状態においてのみ前記供給路(h1)を大気開放状態とするための大気開放路(40)が設けられているエンジンの燃料供給装置。
  2. 前記経路切換手段(5A)は、切換移動自在な可動弁体(16)を有した弁体ブロック(15)と、前記供給路(h1)に連通する第一給排ポート(p1)、前記前記排出路(h2)に連通する第ニ給排ポート(p2)、及び、前記燃料ポンプ(5B)及び前記燃料タンク(1)に対応する複数の給排ポート(p3)〜(p6)が形成された弁通路ブロック(17)とから構成されるとともに、前記大気開放路(40)は、前記可動弁体(16)が還流状態に切換えられたときにのみ前記第一給排ポート(p1)に開口するように、前記可動弁体(16)の所定箇所に形成された外部連通孔である請求項1に記載のエンジンの燃料供給装置。
  3. 前記複数の給排ポート(p3)〜(p6)は、前記燃料タンク(1)に連通される第3及び第4給排ポート(p3),(p4)と、前記燃料ポンプ(5B)の吐出口(21)に連通される吐出ポート(p5)と、前記燃料ポンプ(5B)の吸入口(22)に連通される吸込ポート(p6)とから構成され、
    前記可動弁体(16)を運転位置に切換えると、前記第4給排ポート(p4)と前記吸込ポート(p6)とが連通され、かつ、前記第1給排ポート(p1)と前記吐出ポート(p5)とが連通される前記運転状態が得られるとともに、前記可動弁体(16)を還流位置に切換えると、前記吸込ポート(p6)と前記第2給排ポート(p2)とが連通され、かつ、前記吐出ポート(p5)と前記第3給排ポート(p3)とが連通される前記還流状態が得られるように構成されている請求項2に記載のエンジンの燃料供給装置。
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