JP4172772B2 - 根管模型製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、根管形状を可視化できる根管模型の製造装置、そのような根管模型の製造方法、そのような根管模型、歯科用手用器具の調整方法、及び歯科用手用器具の調整装置に関する。このような根管模型は、根管を拡大し根管を治療する際に、根管拡大用模型として有効に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、歯科において根管治療の重要性が再認識されつつある。例えば、歯髄炎を起した根管などには、根尖部歯周組織まで炎症が波及する事態を防ぐために根管治療が行われている。根管が直線的な形状を有している場合であっても、根管治療には多くの労力と時間とが必要とされる。特に根管の形状が湾曲している場合は、その根管治療に更なる困難性が伴うこととなる。根管の湾曲形状は、根尖部にのみ湾曲があるもの、歯根全体に緩やかな湾曲があるもの、歯根全体に著しい湾曲があるもの、鎌形に湾曲しているもの、銃槍状に湾曲しているもの(二重湾曲根)と湾曲根管に分類される。一般的に、後者になるほど根管治療が困難となる。
【0003】
これまで根管治療の精度を向上させるために、肉眼では見ることのできない顎骨の内部や、歯根を明確にするレントゲン写真が用いられてきた。しかしながら、レントゲン写真は、根管部分を含む断面写真であり、根管部分の立体形状は必ずしも把握できない。そこで、根管の立体形状を把握するために複数枚のレントゲン写真を撮影し、術者が根管の立体形状を想定していた。そして、想定した根管の立体形状を踏まえて、歯科用手用器具の形を調整した上で、根管治療などを施術していた。しかしながら、複数枚のレントゲン写真によっても、必ずしも根管の立体形状は明らかとはならないという問題があった。また、レントゲン撮影回数が増えることによって患者の被爆量が増大するという問題があった。
【0004】
また、湾曲根管を拡大すると種々の破折や、穿孔などの問題を生じるおそれがある。そこで、プレカーブ法などにより歯科用手用器具の形状が調整されている。プレカーブ法は、根管治療の際に用いる歯科用リーマーや歯科用ファイルなどの歯科用手用器具の形状を、根管形状や施術の際の変化などを踏まえて予め曲げておく方法である。また、歯科医師らは、手用機器の先端を根尖孔の形状に近づけるように調整して、根管治療を行っている。しかしながら、歯科医師らは、根管を映写したレントゲン写真など根管の断面写真に基づいて、根管の立体形状を想定し、手用機器の先端形状を調整するため、必ずしも根管治療に適したように調整することができないという問題があった。すなわち、歯科医師らにとって、根管治療に適した歯科用手用器具が必ずしも得られず、根管治療を行うためには熟練が必要とされるという問題があった。
【0005】
根管治療は、患者が直視してなされる治療ではないため、患者は不安になりがちであり、また患者からの理解を得ることが難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、根管形状を可視化できる根管模型の製造装置、根管模型、根管模型の製造方法を提供することを第1の目的とする。
【0007】
本発明は、根管治療の際に歯科用手用器具に要求される根管形状からのずれを考慮した根管模型の製造装置、そのような根管模型、そのような根管模型を用いた歯科用手用器具の形状調整方法を提供することを第2の目的とする。
【0008】
本発明は、根管治療の際に歯科用手用器具に要求される根管形状及び根管形状からのずれなどを考慮した歯科用手用器具の形状調整装置、及びそのような装置を含む歯科用手用器具の製造装置を提供することを第3の目的とする。
【0009】
本発明は、根管治療の際に歯科用手用器具に要求される根管形状及び根管形状からのずれなどを考慮した歯科用手用器具の製造装置を提供することを第4の目的とする。
【0010】
本発明は、根管治療の際に歯科用手用器具に要求される根管形状及び根管形状からのずれなどを考慮して形状が調整された歯科用手用器具、または根管治療の際に歯科用手用器具に要求される根管形状及び根管形状からのずれなどを考慮して製造された歯科用手用器具を用いた根管治療方法を提供することを第5の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記発明の少なくともひとつ以上は、下記の発明により解決される。
すなわち、本発明の第1の態様に係る発明は、「根管を含む画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、根管を立体化する処理を行う画像処理手段と、少なくとも前記画像処理手段によって立体化処理された根管の立体像を表示する表示手段と、前記画像処理手段によって処理された根管の立体像に従って、根管の立体的模型を製造する模型製造手段とを含む根管模型製造装置」である。このような根管模型製造装置によれば、患者の根管形状と同様または所定の変化が加わった形状の根管模型を作成することができる。歯髄炎や、根管が感染した場合に、根管を拡大して、清掃する。これは根管治療と呼ばれる治療である。この根管治療には、針状をしていて、先がやすりとなっている、リーマーや、Kファイル、Hファイルといった根管拡大器具(歯科用手用器具)が用いられる。根管は、直線状でなく、殆どの場合湾曲しており、さらに2回以上彎曲ているものもある。そこで、術者は、根管の形状に合わせて、針状の根管拡大器具の先端を変形して用いる。本発明の根管模型は根管を拡大する根管治療において、特に有効に用いられる。また、複数回レントゲン撮影を行う場合に比べ、本発明においては、例えば1回、または2回のレントゲン撮影で根管形状を立体化できる。したがって、患者の被爆量を軽減できる。また、本発明によれば、解剖学的に撮影することのできない後方からの像などの立体像も得ることができる。
【0012】
本発明の第2の態様に係る発明は、「根管を含む画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、根管を立体化する処理を行う画像処理手段と、少なくとも前記画像処理手段によって立体化処理された根管の立体像を表示する表示手段と、前記画像処理手段によって処理された根管の立体像に従って、根管の立体的模型を製造する模型製造手段とを含む根管模型製造装置であって、前記画像処理手段は、前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、形状変化演算に従って形状変化を施した根管の立体像を形成する立体化処理を行う、根管模型製造装置」である。このような根管模型製造装置によれば、患者の根管形状に所定の変化が加わった形状の根管模型を作成することができる。この根管模型は根管を拡大する根管治療において、特に有効に用いられる。
【0013】
本発明の第3の態様に係る発明は、「根管を含む画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、根管を立体化する処理を行う画像処理手段と、少なくとも前記画像処理手段によって立体化処理された根管の立体像を表示する表示手段と、前記画像処理手段によって処理された根管の立体像情報に従って、歯科用手用器具の形状を調整する形状調整手段と、を含む歯科用手用器具形状調整装置」である。
本発明の第3の態様に係る発明は、好ましくは「画像処理手段が、前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、形状変化演算に従って形状変化を施した根管の立体像を形成する立体化処理を行う、歯科用手用器具形状調整装置」である。このような歯科用手用器具形状調整装置によれば、歯科用手用器具の形状を、患者一人一人の根管治療に望ましい形状に調整できることとなる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る発明は、「根管を含む画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、根管を立体化する処理を行う画像処理手段と、少なくとも前記画像処理手段によって立体化処理された根管の立体像を表示する表示手段と、前記画像処理手段によって処理された根管の立体像情報に従って、歯科用手用器具を製造する歯科用器具製造手段とを含む歯科用手用器具製造装置」である。このような歯科用手用器具製造装置によれば、患者一人一人の根管治療に望ましい形状の歯科用手用器具を製造できることとなる。
【0015】
本発明の第5の態様に係る発明は、上記の歯科用手用器具形状調整装置を用いて形状が調整された歯科用手用器具を用いた根管治療方法、及び上記の歯科用手用器具製造装置を用いて製造された歯科用手用器具を用いた根管治療方法である。この根管治療方法によれば、患者一人一人の根管治療に望ましい形状の歯科用手用器具を用いて行うことができるため、根管治療を比較的円滑に行うことができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の第1の実施形態に係る根管模型製造装置の概略図を示す。図1に示されるように、第1の実施形態に係る根管模型製造装置1は、画像読取部2と、画像処理部3と、模型製造部4と、表示部5とを具備する。根管模型製造装置は、画像読取部、表示部と接続できる接続部を有していれば、画像処理部3と、模型製造部4とのみからなるものであってもよい。
【0017】
画像読取部2は、本発明における画像読取手段として機能する。画像読取手段としては、根管を含む画像を読み取ることのできるものであれば、公知の画像読取手段を用いることができ、特に限定されることはない。このような画像読取手段としては、公知のスキャナ、デジタルカメラ、CCDカメラなどが挙げられる。例えば、患者の根管を含むレントゲン写真をこれらの画像読取手段によって読み取り、デジタル化して蓄積してもよい。また、レントゲン写真装置そのものが画像読取手段として機能しても良い。なお、本明細書において、「根管を含む画像」としては、患者の根管を含むレントゲン写真などが挙げられる。レントゲン写真において、根管部は、通常周囲の部分に比べ色が濃く表れる。このため、肉眼によっても、レントゲン写真から根管部の平面形状を把握できる。
【0018】
画像読取部が読み取った根管を含む画像は、例えば、画像読取部に含まれるA/D変換器によりデジタル化され、画像処理部に送られる。
【0019】
図2は、本発明の根管模型製造装置における画像処理部3と模型製造部4のブロック図である。画像処理部3及び模型製造部4は、それぞれ画像処理手段3及び模型製造手段4として機能する。
【0020】
図2に示されるように、画像処理部3は、(1)画像読取部が読み取った根管を含む画像に関する情報から根管部分を識別する根管識別部31と、(2)根管識別部31が識別した根管部分の形状から根管の立体像を形成する立体像形成部32と、(3)画像読取部から伝えら得た根管に関する画像情報や根管識別部が識別した根管部分の形状に関する情報、立体像形成部が形成した立体像に関する情報などを記憶する画像情報記憶部33と、(4)画像処理部3と、模型製造部4、図示しない表示部、図示しない入力手段、図示しない周辺機器(出力装置、ルータなど)と接続する接続部34と、(5)画像処理部全体の動作を制御する画像処理制御部35とを具備する。
【0021】
根管識別部31としては、例えば、画像読取部が読み取った根管を含む画像に関する情報から、各ピクセルにおける濃淡情報をもとに根管部分を識別する濃淡識別回路を含むものが挙げられる。根管識別部が識別する精度や閾値については、予め根管識別部に含まれるROMやRAMなどの記憶手段に記憶されていても良い。また、根管識別部が識別する精度や閾値については、例えば、接続部34と連結され、図示しない入力手段により入力され、画像処理制御部35などにより制御されるものであっても良い。根管識別部31が識別した根管形状に関する情報は、好ましくは画像処理制御部35を介して画像情報記憶部33に記憶される。
【0022】
根管識別部31が認識した根管部分については、好ましくは、接続部34に連結され図示しない表示部によって表示される。このようにすれば、患者の根管部分の平面形状を目視することができる。また、根管部分の形状に関する情報を画像情報記憶部33が記憶していれば、レントゲン写真等を廃棄しても、いつでも根管部分を確認できることとなり、管理等の利便性が向上するとともに、省スペース化を図ることができる。
【0023】
立体像形成部32は、根管識別部31が識別した根管部分の形状から根管の立体像を形成する。立体像形成部32は、根管識別部31が識別した根管部分の形状をもとに、接続部34に接続された入力手段により入力されたポリゴン(立体多角形等)情報に基づき、複数の立体多角形等からなる根管の立体像を形成するものが挙げられる。このような立体形成部としては、例えば、メタ・クリエーション(Meta Creations)社のキャノマ(Canoma)など公知の3次元コンピュータ支援デザイン(CAD)ソフト、特にイメージ支援モデリングソフトなどをインストールしたコンピュータを利用することができる。イメージ支援モデリングソフトとは、平面形状写真等から、その立体形状を想定して、立体形状化するソフトをいう。なお、本明細書において、「立体多角形等」とは、円柱、円錐、円錐台、四角柱・三角柱などの多角柱、四角錐・三角錐などの多角錐、球などが挙げられるが、好ましくは円柱、円錐、円錐台のみからなるものである。
【0024】
立体像形成部としては、好ましくは1枚または2枚の根管を含む画像に由来する画像情報から根管の立体像を形成できるものである。すなわち、立体像形成部としては、1つの根管を含む画像情報から、その立体像を予測して、根管の立体像を形成するものであってもよいし、異なる断面から撮影した根管を含む画像を用いて根管の立体像を予測して根管の立体像を形成するものであってもよい。なお、根管を含む画像が多いほど、より精確な根管の立体像を得ることができるため、本発明において用いられる根管を含む画像は1枚または2枚に限定されることはなく、3枚、4枚またはそれ以上であってもよい。しかしながら、根管を含む画像を多くすることは、例えば根管を含む画像がレントゲン写真などである場合、患者の被爆量を増加させることにつながるため好ましくない。
【0025】
先に説明したように、根管治療は、患者が直視してなされる治療ではないため、患者は不安になりがちであり、また患者からの理解を得ることが難しい。本発明のように、患者の根管形状そのままの根管模型を作成すれば、患者へのインフォームドコンセント、根管治療の困難性や根管治療を行うためにかかる時間などの情報を、より的確に説明することができることとなる。また、根管形状を立体的に容易に把握できるため、術者自身の根管治療への負担が軽減されることとなる。
【0026】
立体像形成部32が、根管識別部31が識別した根管部分の形状をもとに、根管部分の外郭を把握し、この外郭に複数の立体多角形等を当てはめ、複数の立体多角形等からなる根管の立体像を形成するものは、本発明の好ましい別の実施態様である。特に、立体像形成部32が、根管識別部31が識別した根管部分の形状のをもとに、根管部分の外郭を把握し、この外郭に複数の円錐台を当てはめ、複数の円錐台からなる根管の立体像を形成するものは、本発明の好ましい別の実施態様であり、この実施態様において円錐台の数が好ましくは2個〜100個であり、より好ましくは2個〜10個であり、更に好ましくは3個〜8個であり、特に好ましくは3個〜5個である。円錐台など立体多角形の数が多いほどより精確な立体像を作成できるが、あまりに多くなると立体化処理が複雑となるためである。
【0027】
立体像形成部32が、予め根管部分の立体形状に関する複数のデータを記憶したROMなどの記憶手段を有しており、根管識別部31が識別した根管部分の形状から、自動的に根管の立体像を形成するものは、本発明の好ましい別の実施形態である。また、立体像形成部32が、根管識別部31が識別した根管部分の形状から、自動的に根管を拡大した立体像を形成するものは、本発明の好ましい別の実施形態である。
【0028】
立体像形成部32には、プレカーブに関する情報を記憶するプレカーブ記憶手段と、根管の立体形状に関する情報を用い、プレカーブ記憶手段に記憶されたプレカーブに関する情報を参照することにより、プレカーブを考慮した根管の立体像を形成するものは、本発明の好ましい別の実施形態である。なお、プレカーブ記憶手段には、根管の2次元、または3次元座標データと、好ましい歯科用リーマーの形状などのプレカーブを考慮した形状を複数記憶したデータベースとして構成されていてもよい。このようにすれば、プレカーブを考慮した根管模型を製造することができ、術者は、歯科用リーマーなどの歯科用手用器具をこの根管模型の形状に合わせて制御すればよいことになる。
【0029】
立体像形成部32には、根管形状の曲率を考慮し術者の知見を反映した所定の変化を加えることによりプレカーブを考慮した根管の立体像を形成する立体像演算部があり、この演算部によって演算されたプレカーブを考慮した根管の立体像を形成するものは、本発明の好ましい別の実施形態である。このようにすれば、プレカーブを考慮した根管模型を製造することができ、術者は、歯科用リーマーなどの歯科用手用器具をこの根管模型の形状に合わせて制御すればよいことになる。このような術者の知見としては、例えば後述の形状変化演算に見られるように、根管形状をその根管形状と相似形状に拡大させるものや、根管をできるだけ直線化するように拡大するものが挙げられる。
【0030】
形状変化演算における形状変化としては、根管形状と相似形状に拡大させるように形状変化させるものが挙げられる。このような形状変化は、根管形状をそのまま拡大する根管治療の際に特に有効である。根管形状の拡大率としては、ある辺の長さを1.01倍〜1.5倍、好ましくは1.05倍〜1.3倍、より好ましくは1.1倍〜1.2倍にするものが挙げられる。このように根管形状を相似形状に拡大する演算は、例えば根管の像を認識した後に、その像の形状を拡大させる形状変化演算により容易に行うことができる。
【0031】
形状変化演算における別の形状変化としては、湾曲した根管をできるだけ円錐形に近づけるように湾曲内面側に湾曲度を強くするように形状変化させるものが挙げられる。このような形状変化は、根管の湾曲をできるだけ少なくする根管治療の際に特に有効である。このように根管形状を変化させる演算は、例えば根管の像を認識した後に、その像の形状全体について曲率を把握し、その曲率を増大させる形状変化演算により容易に行うことができる。この場合における、曲率の増大率としては、1.01倍〜3倍が挙げられ、好ましくは1.1倍〜2倍であり、より好ましくは1.3倍〜1.5倍である。
このように根管形状を変化させる演算は、また根管の像を認識した後に、その像の湾曲内面の形状を増大させる形状変化演算により容易に行うことができる。
【0032】
画像情報記憶部33は、画像読取部から伝えられた根管に関する画像情報や根管識別部が識別した根管部分の形状に関する情報、立体像形成部が形成した立体像に関する情報などを記憶する。画像情報記憶部33は、例えば、ROM、RAMなどの公知の記憶手段を具備するものが挙げられる。また、画像情報記憶部33が記憶した各種情報は、好ましくはリレーショナルデータベースなどにより管理され記憶されている。
【0033】
接続部34は、画像処理部3と模型製造部4などを接続することができるものであれば、コネクタなど公知の接続手段を用いることができる。なお、接続部34は、好ましくは図示しない表示部、図示しない入力手段、図示しない周辺機器(出力装置、ルータなど)などのうち少なくともひとつ以上と接続されている。
【0034】
画像処理制御部35は、画像処理部全体の動作を制御する。画像処理制御部35は、公知のコンピュータのCPUがその機能を果たすことができる。また、画像処理部3は、ハードウェアによりその機能が具備されていても良いし、またコンピュータを上記の各機能を果たす手段を含むプログラムをコンピュータなどにインストールさせることにより機能させるものでも良い。
【0035】
図2に示されるように、模型製造部4は、(1)被切削体を切削し根管模型を製造する切削部41と、(2)切削部41に対し、切削部が被切削体を切削する部位や深さに関する指令を送る切削指令部42と、(3)画像処理部3から伝えられた立体像形成部が形成した立体像に関する情報や、切削材料の形状、材質、硬度などを記憶する切削情報記憶部43と、(4)模型製造部4と画像処理部3などとを接続する接続部44と、(5)模型製造部全体の動作を制御する模型製造部制御部45とを具備する。模型製造部4として、ローランド・ディー・シー社のMODELAシリーズなど公知の3次元形状切削装置を用いてもよい。
【0036】
切削部41は、被切削体を切削し、根管模型を製造する部位である。被切削体の材質としては、エポキシ、アクリル、メタクリル、ポリカーボネート、ポリビニルなど公知のエンジニアリングプラスチックを1種または2種以上混合して用いることができ、好ましくはエポキシが挙げられる。被切削体の色としては、無色透明、有色透明なものが挙げられるが、好ましくは無色透明である。透明であれば、作成した根管部分を様々な角度から目視できるからである。被切削体の形状としては、円柱状、半割円柱状、四角柱状、六角柱状など公知の立体形状が挙げられるが、好ましくは半割円柱状、または円柱状である。半割円柱状の被切削体を用いれば、根管形状の断面図を含む立体的な根管形状の模型を得ることができ、円柱状の被切削体を用いれば、様々な方向から根管形状を目視できる根管形状の模型を得ることができる。
【0037】
切削指令部42は、切削部41に対し、切削部が被切削体を切削する部位や深さに関する指令を出す機能を有する。
【0038】
切削情報記憶部43は、画像処理部3から伝えられた立体像形成部が形成した立体像に関する情報や、切削材料の形状、材質、硬度などを記憶する。切削情報記憶部43としては、例えば、ROM、RAMなどの公知の記憶手段を具備するものが挙げられる。また、切削情報記憶部43が記憶した各種情報は、好ましくはリレーショナルデータベースなどにより管理され記憶されている。
【0039】
接続部44は、模型製造部4と画像処理部3などとを接続することができるものであれば、コネクタなど公知の接続手段を用いることができる。
【0040】
模型製造部制御部45は、模型製造部全体の動作を制御する。模型製造部制御部45は、公知のコンピュータのCPUがその機能を果たすことができる。模型製造部制御部45と、画像処理制御部35とは、別に設けられていても良いし、一体に設けられていても良い。また模型製造部4は、ハードウェアによりその機能が具備されていても良いし、またコンピュータを上記の各機能を果たす手段を含むプログラムをコンピュータなどにインストールさせることにより機能させるものでも良い。
【0041】
表示部としては、画像処理部3により処理される根管形状などを可視化することのできる表示手段として機能できるものであれば特に限定されない。表示部としては、CRT、液晶モニター、有機ELモニター、プラズマディスプレーパネルなど公知の表示手段が挙げられる。
【0042】
図3に従って、本発明における根管模型の製造工程の例を説明する。なお、図3中、Sはステップ(工程)を表す。
根管模型を製造するに当り、画像読取手段が、根管を含む画像を読み取る(S1)。
【0043】
画像読取手段によって読み取られた根管を含む画像に関する情報は、例えば、画像読取手段に内蔵されているA/D変換器によってデジタル情報に変換され、画像処理部に伝達される(S2)。
【0044】
画像処理部に伝達された根管を含む画像に関する情報は、画像情報記憶部に記憶される(S3)。
【0045】
根管識別部は、画像処理部に伝達された、根管を含む画像に関する情報に基づいて、画像中から根管部分を識別する(S4)。この識別された根管部分に関する情報が、画像情報記憶部に記憶されることは本発明の好ましい実施態様である。また、この識別された根管部分に関する情報が、接続部34に連結され、図示しない表示部によって表示されることは本発明の好ましい実施態様である。
【0046】
立体像形成部は、根管識別部が識別した根管部分の形状をもとに、接続部に接続された入力手段により入力されたポリゴン(立体多角形等)情報に基づき、複数の立体多角形等からなる根管の立体像を形成する(S5)。
【0047】
なお、立体像形成部が、根管識別部が識別した根管部分の形状をもとに、根管部分の外郭を把握し、この外郭に複数の立体多角形等を当てはめ、複数の立体多角形等からなる根管の立体像を形成するものは、本発明の別の好ましい実施態様である。また、立体像形成部が、予め根管部分の立体形状に関する複数のデータを記憶したROMなどの記憶手段を有しており、根管識別部が識別した根管部分の形状から、自動的に根管の立体像を形成するものは、本発明の好ましい別の実施形態である。
【0048】
立体形状形成工程により形成された根管の立体的形状は、表示手段により表示される(S6)。表示手段に表示された根管の平面形状や、立体形状に基づいて、立体多角形等を当てはめ、または当てはめなおし、根管の立体形状を得、修正された立体的形状を表示手段が表示することは、本発明の別の実施態様である。なお、立体形状形状形成工程により形成された根管の立体形状に関する情報や、立体多角形等に関する情報は、好ましくは画像情報記憶部に記憶される。
【0049】
立体形状形状形成工程により形成された根管の立体形状に関する情報などは、模型製造部に伝えられ、被切削体を切削するための情報にするための処理がなされる(S7)。模型製造制御部が、切削指令部に根管の立体形状に関する情報と被切削体の形状等に関する情報などから、被切削体を切削する位置、深さ、スピードなどの切削指令情報を伝える。
【0050】
切削指令部によって、切削部の動作が制御され、被切削体が切削される(S8)。模型製造部に、好ましくは、被切削体の切削された部分を検知するCCDカメラなどの切削部分検知手段が設けられ、切削部分検知手段が検知した切削部分の情報が模型製造制御部にフィードバックされる。このようなフィードバック機構が設けられていれば、切削部分を当初予定していたものそれほどずれることなく被切削体を切削できることとなる。
【0051】
このようにして、切削された被切削体は、例えば、透明な角柱状、または半割円柱状のエポキシ樹脂に根管部分が切削されたものとして製造される。このようにして、根管模型を得ることができる。
【0052】
本発明の歯科用手用器具形状調整装置は、特に図示しないが、例えば画像読取部2と、画像処理部3と、表示部5と、形状調整部6とを具備する。また、歯科用手用器具形状調整装置は、画像読取部と表示部とに接続できる接続部を有するものであれば、画像処理部3と形状調整部6とからなるものであってもよい。
【0053】
画像読取部2は、本発明における画像読取手段として機能する。画像読取手段としては、根管を含む画像を読み取ることのできるものであれば、公知の画像読取手段を用いることができ、特に限定されることはない。このような画像読取手段としては、先に説明したように、公知のスキャナ、デジタルカメラ、CCDカメラなどが挙げられる。例えば、患者の根管を含むレントゲン写真をこれらの画像読取手段によって読み取り、デジタル化して蓄積してもよい。また、レントゲン写真装置そのものが画像読取手段として機能してもよい。
【0054】
画像読取部が読み取った根管を含む画像は、例えば、画像読取部に含まれるA/D変換器によりデジタル化され、画像処理部に送られる。
【0055】
図4は、本発明の歯科用手用器具の調整装置における画像処理部3と形状調整部6のブロック図である。画像処理部3及び形状調整部6は、それぞれ画像処理手段及び形状調整手段として機能する。
【0056】
図4に示されるように、画像処理部3は、(1)画像読取部が読み取った根管を含む画像に関する情報から根管部分を識別する根管識別部31と、(2)根管識別部31が識別した根管部分の形状から根管の立体像を形成する立体像形成部32と、(3)画像読取部から伝えら得た根管に関する画像情報や根管識別部が識別した根管部分の形状に関する情報、立体像形成部が形成した立体像に関する情報などを記憶する画像情報記憶部33と、(4)画像処理部3と、模型製造部4、図示しない表示部、図示しない入力手段、図示しない周辺機器(出力装置、ルータなど)と接続する接続部34と、(5)画像処理部全体の動作を制御する画像処理制御部35とを具備する。
【0057】
根管識別部31としては、例えば、画像読取部が読み取った根管を含む画像に関する情報から、各ピクセルにおける濃淡情報をもとに根管部分を識別する濃淡識別回路を含むものが挙げられる。根管識別部が識別する精度や閾値については、予め根管識別部に含まれるROMやRAMなどの記憶手段に記憶されていても良い。また、根管識別部が識別する精度や閾値については、例えば、接続部34と連結され、図示しない入力手段により入力され、画像処理制御部35などにより制御されるものであっても良い。根管識別部31が識別した根管形状に関する情報は、好ましくは画像処理制御部35を介して画像情報記憶部33に記憶される。
【0058】
根管識別部31が認識した根管部分については、好ましくは、接続部34に連結され図示しない表示部によって表示される。このようにすれば、患者の根管部分の平面形状を目視することができる。また、根管部分の形状に関する情報を画像情報記憶部33が記憶していれば、レントゲン写真等を廃棄しても、いつでも根管部分を確認できることとなり、管理等の利便性が向上するとともに、省スペース化を図ることができる。
【0059】
立体像形成部32は、根管識別部31が識別した根管部分の形状から根管の立体像を形成する。立体像形成部32は、根管識別部31が識別した根管部分の形状をもとに、接続部34に接続された入力手段により入力されたポリゴン(立体多角形等)情報に基づき、複数の立体多角形等からなる根管の立体像を形成するものが挙げられる。このような立体形成部としては、例えば、メタ・クリエーション(Meta Creations)社のキャノマ(Canoma)など公知の3次元コンピュータ支援デザイン(CAD)ソフト、特にイメージ支援モデリングソフトなどをインストールしたコンピュータを利用することができる。イメージ支援モデリングソフトとは、平面形状写真等から、その立体形状を想定して、立体形状化するソフトをいう。
【0060】
立体像形成部32が、予め根管部分の立体形状に関する複数のデータを記憶したROMなどの記憶手段を有しており、根管を含む画像に関する情報を解析し、予め記憶されたか、入力手段による入力を受けた、形状変化演算に従って、根管の立体形状を変化させ、自動的に立体形状を変化させた根管の立体像を形成するものは、本発明の好ましい別の実施形態である。このようにすれば、歯科用手用器具の好ましい形状を用意に得ることができる。
【0061】
立体像形成部32には、根管形状と歯科用手用器具の変形に関する情報を記憶する変形情報記憶手段と、根管の立体形状に関する情報を用い、変形情報記憶手段に記憶された歯科用手用器具の変形に関する情報を参照することにより、望ましい歯科用手用器具の先端形状と根管形状との差を考慮した根管の立体像を形成するものは、本発明の特に好ましい別の実施形態である。なお、変形情報記憶手段には、根管の2次元、または3次元座標データと、好ましい歯科用リーマーの形状などを複数記憶したデータベースとして構成されていてもよい。このようにすれば、歯科用リーマーなどの歯科用手用器具の好ましい形状が、容易に得られることとなる。
【0062】
立体像形成部32には、根管形状の曲率を考慮し術者の知見を反映した所定の変化を加えることにより施術の際の変形を考慮した根管の立体像(歯科用手用器具の形状)を形成する立体像演算部があり、この演算部によって演算された施術の際の変形を考慮した根管の立体像を形成するものは、本発明のもっとも好ましい別の実施形態である。このようにすれば、プレカーブを考慮した立体形状を得ることにより、歯科用リーマーなどの歯科用手用器具の形状を好ましく調整することができることとなる。このような術者の知見としては、例えば後述の形状変化演算に見られるように、根管形状をその根管形状と相似形状に拡大させるものや、根管をできるだけ直線化するように拡大するものが挙げられる。
【0063】
形状変化演算における形状変化としては、根管形状と相似形状に拡大させるように形状変化させるものが挙げられる。このような形状変化は、根管形状をそのまま拡大する根管治療の際に特に有効である。根管形状の拡大率としては、ある辺の長さを1.01倍〜1.5倍、好ましくは1.05倍〜1.3倍、より好ましくは1.1倍〜1.2倍にするものが挙げられる。このように根管形状を相似形状に拡大する演算は、例えば根管の像を認識した後に、その像の形状を拡大させる形状変化演算により容易に行うことができる。
【0064】
形状変化演算における別の形状変化としては、湾曲した根管をできるだけ円錐形に近づけるように湾曲内面側に湾曲度を強くするように形状変化させるものが挙げられる。このような形状変化は、根管の湾曲をできるだけ少なくする根管治療の際に特に有効である。このように根管形状を変化させる演算は、例えば根管の像を認識した後に、その像の形状全体について曲率を把握し、その曲率を増大させる形状変化演算により容易に行うことができる。この場合における、曲率の増大率としては、1.01倍〜3倍が挙げられ、好ましくは1.1倍〜2倍であり、より好ましくは1.3倍〜1.5倍である。
このように根管形状を変化させる演算は、また根管の像を認識した後に、その像の湾曲内面の形状を増大させる形状変化演算により容易に行うことができる。
【0065】
画像情報記憶部33は、画像読取部から伝えられた根管に関する画像情報や根管識別部が識別した根管部分の形状に関する情報、立体像形成部が形成した立体像に関する情報などを記憶する。画像情報記憶部33は、例えば、ROM、RAMなどの公知の記憶手段を具備するものが挙げられる。また、画像情報記憶部33が記憶した各種情報は、好ましくはリレーショナルデータベースなどにより管理され記憶されている。
【0066】
接続部34は、画像処理部3と模型製造部4などを接続することができるものであれば、コネクタなど公知の接続手段を用いることができる。なお、接続部34は、好ましくは図示しない表示部、図示しない入力手段、図示しない周辺機器(出力装置、ルータなど)などのうち少なくともひとつ以上と接続されている。
【0067】
画像処理制御部35は、画像処理部全体の動作を制御する。画像処理制御部35は、公知のコンピュータのCPUがその機能を果たすことができる。また、画像処理部3は、ハードウェアによりその機能が具備されていても良いし、またコンピュータを上記の各機能を果たす手段を含むプログラムをコンピュータなどにインストールさせることにより機能させるものでも良い。
【0068】
図4に示されるように、形状調整部6は、(1)被切削体を切削し根管模型を製造する調整部41と、(2)調整部41に対し、調整部が歯科用手用器具の先端部の形状を調整する形状に関する指令を送る調整指令部42と、(3)画像処理部3から伝えられた立体像形成部が形成した立体像に関する情報や、歯科用手用器具の形状、材質、硬度などを記憶する調整情報記憶部43と、(4)形状調整部6と画像処理部3などとを接続する接続部44と、(5)形状調整部部全体の動作を制御する模型製造部制御部45とを具備する。
【0069】
調整部41は、歯科用手用器具の先端形状などを調整し、歯科用手用器具を好ましい形状とするための部位である。歯科用手用器具としては、歯科用バー、歯科用リーマー、Kファイル、Hファイル、Kフレックスファイル、Sファイル、トリプルファイルなどの歯科用ファイル、歯科用ドリル、 歯科用根管スプレッダ、根管プラガ、歯科用マンドレル、歯科技工用バー、歯科技工用マンドレル、医療用穿孔器などが挙げられる。これらの中でも、本発明によりその先端形状が調整される歯科用手用器具として、好ましくは歯科用リーマーやKファイル、Hファイルである。
【0070】
調整部41としては、歯科用手用器具の先端形状などを調整しうるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、歯科用手用器具を挟む2つの挟持部位と、当該2つの挟持部位の少なくとも一方に圧力を加える加圧手段とを含み、挟持部位が歯科用手用器具を挟んだ状態で、加圧手段が挟持部位の少なくとも一方の一部/または全体に圧力を加えることで歯科用手用器具の形状を調整するものが挙げられる。
【0071】
調整指令部62は、調整部61に対し、調整部が歯科用手用器具の形状を調整する部位や程度などに関する指令を出す機能を有する。
【0072】
調整情報記憶部63は、画像処理部3から伝えられた立体像形成部が形成した立体像に関する情報や、歯科用手用器具の形状、材質、硬度などを記憶する。調整情報記憶部63としては、例えば、ROM、RAMなどの公知の記憶手段を具備するものが挙げられる。また、調整情報記憶部63が記憶した各種情報は、好ましくはリレーショナルデータベースなどにより管理され記憶されている。
【0073】
接続部64は、形状調整部6と画像処理部3などとを接続することができるものであれば、コネクタなど公知の接続手段を用いることができる。
【0074】
形状調整部制御部65は、形状調整部全体の動作を制御する。形状調整制御部65は、公知のコンピュータのCPUがその機能を果たすことができる。形状調整制御部45と、画像処理制御部35とは、別に設けられていても良いし、一体に設けられていても良い。また形状調整部6は、ハードウェアによりその機能が具備されていても良いし、またコンピュータを上記の各機能を果たす手段を含むプログラムをコンピュータなどにインストールさせることにより機能させるものでも良い。
【0075】
本発明の歯科用手用器具形状調整装置を用いて先に説明した根管模型製造装置による根管模型製造工程と同様にして歯科用手用器具の形状を調整することができる。すなわち、特に図示しないが、画像読取部が読み取り、画像処理部が立体化した根管像に基づいて、歯科用手用器具の形状が調整される。この際、好ましくは画像処理部が歯科用手用器具の変形に関する情報を記憶し、この情報に基づく形状変化演算に従って根管像を変化させる。そうすることで、歯科用手用器具の形状を根管形状と略一致させるだけではなく、根管治療に望ましい形状に変化させることができることとなる。
【0076】
本発明の歯科用手用器具形状調整装置を含む歯科用手用器具製造装置によれば、例えば、市販されている歯科用手用器具の形状を調整し、根管治療に望ましい歯科用手用器具を製造することができる。
【0077】
本発明の歯科用手用器具形状調整装置を用いて形状が調整された歯科用手用器具は、その形状が根管治療に望ましい形状に調整されている。したがって、このように歯科用手用器具の形状を望ましい形状とし、その上で治療を行う根管治療方法は、困難を伴う根管治療の一助となる。
【0078】
特に図示しないが、本発明の別の実施態様にかかる歯科用手用器具製造装置は、根管を含む画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、根管を立体化する処理を行う画像処理手段と、少なくとも前記画像処理手段によって立体化処理された根管の立体像を表示する表示手段と、前記画像処理手段によって処理された根管の立体像情報に従って、歯科用手用器具を製造する歯科用器具製造手段とを含む。なお、歯科用手用器具製造装置は、根管を含む画像を読み取る画像読取手段と表示手段とに接続可能な接続手段と、前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、根管を立体化する処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段によって処理された根管の立体像情報に従って、歯科用手用器具を製造する歯科用器具製造手段とを含む歯科用手用器具製造装置であっても構わない。
【0079】
画像読取手段、画像処理手段、表示手段、接続手段については、先に説明したと同様のものを用いることができる。
【0080】
歯科用器具製造手段は、画像処理手段によって処理された根管の立体像情報に従って、歯科用手用器具を製造することのできる手段であれば特に限定されることはなく、公知の歯科用手用器具製造手段を応用して用いることができる。
【0081】
歯科用手用器具は、例えば、インゴットなどの円柱状の金属材から回転と医師を用いて製造される(例えば、特開平10-211217号公報参照。)。この製造方法において、歯科用手用器具は、金属材を、回転砥石車に対してある送り速度で移動させ製造される。歯科用器具製造手段としては、金属材を保持し、金属材を移動させる金属材保持手段と、回転砥石車など金属材を研削、切削する研削・切削手段と、画像処理手段によって処理された根管の立体像情報に従って、回転砥石車などと接触する金属材の動作を制御する金属材動作制御手段を有しているものが挙げられる。画像処理手段によって処理された根管の立体像情報に従って、金属材のうち研削される部位を制御することにより、望ましい形状を持った歯科用手用器具を製造できる。
【0082】
【実験例】
[実験例1]
本発明の根管模型製造装置が有用であることを確証するために以下の実験を行った。この実験例は、本発明の根管模型製造装置が有用であることを確証するためのものである。そこで、患者の根管を用いずに、根管モデルを作成し、それと近似した根管模型を再現できることを確認することとした。
【0083】
(根管モデルの作成)
まず、円筒状の容器に、エポキシ樹脂及び造影剤として炭酸カルシウムを入れ樹脂組成物を用意した。また、根管の形状に似せ、3次元的に2度曲げた歯科用スプレッダを用意した。この歯科用スプレッダを、前記樹脂組成物中に入れ硬化させた。硬化した樹脂から歯科用スプレッダを取り除いた。取り除いた歯科用スプラッダが、根管に相当する。このようにして、根管部分の除かれた透明な根管モデルを作成した。
【0084】
(立体像形成)
このようにして製造した根管モデルを、垂直方向0°、−30°、60°のそれぞれについて、水平方向−60°、−30°、0°、30°、60°の合計15方向から、デジタルカメラを用いて撮影した。撮影した根管モデルを、Canomaをインストールしたパーソナルコンピュータにより分析し、立体多角形を当てはめた。その結果、垂直方向に−30°、水平方向に60°から撮影したもの、および垂直方向に−60°、水平方向に−60°から撮影した2方向からのものが、根管モデルを精確に立体化できた。
【0085】
これら2つのデジタルカメラによって撮影した画像情報を用いて、ローランド・ディー・シー社製MODELAにより、半割円筒状のエポキシ樹脂に対して、切削処理を行った。その結果、得られた根管模型は、根管モデルと同様の形状を呈していた。これにより、本発明の根管模型製造装置により、根管形状を再現できることが確認された。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、根管形状を可視化できる根管模型の製造装置、根管模型、根管模型の製造方法を提供することができる。本発明によれば、患者の根管形状そのままの根管模型を作成できるので、患者へのインフォームドコンセントなどの情報をより的確に説明することができることとなる。また、根管形状を立体的に容易に把握できるため、根管治療への負担が軽減されることとなる。また、複数回レントゲン撮影を行う場合に比べ、本発明においては、例えば1回、または2回のレントゲン撮影で根管形状を立体化できる。したがって、患者の被爆量を軽減できる。また、本発明によれば、解剖学的に撮影することのできない後方からの像などの立体像も得ることができる。
【0087】
本発明によれば、根管治療の際に歯科用手用器具に要求される根管形状からのずれを考慮した根管模型の製造装置、そのような根管模型、そのような根管模型を用いた歯科用手用器具の形状調整方法を提供することができる。この根管模型によれば、根管治療に望ましい歯科用手用器具の形状(特に先端部分の形状)を得ることができる。また、この根管模型によれば、根管治療により歯科用手用器具の形状(特に先端部分の形状)が変化しても、この根管模型を参照することにより歯科用手用器具の形状を容易に望ましい形状に回復することができる。
【0088】
本発明によれば、根管治療の際に歯科用手用器具に要求される根管形状からのずれを考慮した歯科用手用器具の形状調整装置、そのような装置を用いた歯科用手用器具の形状製造装置を提供することができる。この形状調整装置などによれば、根管治療に望ましい歯科用手用器具の形状(特に先端部分の形状)を得ることができる。また、この形状調整装置によれば、根管治療により歯科用手用器具の形状(特に先端部分の形状)が変化しても、この形状調整装置を用いることにより歯科用手用器具の形状を容易に望ましい形状に回復することができる。
【0089】
本発明によれば、根管治療の際に歯科用手用器具に要求される根管形状からのずれを考慮した歯科用手用器具製造装置、そのような装置を用いた歯科用手用器具の製造方法を提供することができる。この歯科用手用器具製造装置などによれば、根管治療に望ましい形状(特に先端部分の形状)をもった歯科用手用器具を製造できる。
【0090】
本発明によれば、歯科用手用器具は、その形状が根管治療に望ましい形状に調整されるか、根管治療に望ましいように製造される。したがって、このように歯科用手用器具の形状を望ましい形状とし、その上で治療を行う根管治療方法は、困難を伴う根管治療の一助となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施形態に係る根管模型製造装置の概略図である。
【図2】 図2は、第1の実施形態における根管模型製造装置の画像処理部3と模型製造部4のブロック図である。
【図3】 図3は、本発明における根管模型の製造工程の例を説明するフローチャートである。
【図4】 図4は、本発明における歯科用機器先端部調整装置の画像処理部3と模型製造部4のブロック図である。
【符号の説明】
1 根管模型製造装置
2 画像読取部
3 画像処理部
4 模型製造部
5 表示部
6 形状調整部
31 根管識別部
32 立体像形成部
33 画像情報記憶部
34 接続部
35 画像処理制御部
41 切削部
42 切削指令部
43 切削情報記憶部
44 接続部
45 模型製造部制御部
61 調整部
62 調整指令部
63 調整情報記憶部
64 接続部
65 形状調整制御部

Claims (6)

  1. 根管を含む画像を読み取る画像読取手段と、
    前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、根管を立体化する処理を行う画像処理手段と、
    少なくとも前記画像処理手段によって立体化処理された根管の立体像を表示する表示手段と、
    前記画像処理手段によって処理された根管の立体像に従って、根管の立体的模型を製造する模型製造手段と、
    を含むみ、
    前記根管を含む画像は、
    レントゲン撮影により得られたものであり、
    前記画像処理手段は、
    1枚または2枚の根管を含む画像から、根管を立体化する処理を行うことができるものである、
    根管模型製造装置。
  2. 根管を含む画像を読み取る画像読取手段と表示手段とに接続可能な接続手段と、
    前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、根管を立体化する処理を行う画像処理手段と、
    前記画像処理手段によって処理された根管の立体像に従って、根管の立体的模型を製造する模型製造手段と、
    前記根管を含む画像は、
    レントゲン撮影により得られたものであり、
    前記画像処理手段は、
    1枚または2枚の根管を含む画像から、根管を立体化する処理を行うことができるものである、
    を含む根管模型製造装置。
  3. 請求項1または2に記載の根管模型製造装置であって、
    前記画像処理手段は、前記画像読取手段が読み取った根管を含む画像に関する情報を解析し、形状変化演算に従って形状変化を施した根管の立体像を形成する立体化処理を行う、根管模型製造装置。
  4. 前記根管模型の外形は、半割円柱状、または角柱状である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の根管模型製造装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の根管模型製造装置を用いた根管模型の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の根管模型製造装置を用いて製造され、
    外形は半割円柱状、または角柱状であり、
    根管部分が凹部として形成され、
    無色透明、または有色透明である根管模型。
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