JP4172442B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、筒内に向けて燃料を噴射する第1の燃料噴射手段(筒内噴射用インジェクタ)と吸気通路または吸気ポート内に向けて燃料を噴射する第2の燃料噴射手段(吸気通路噴射用インジェクタ)とを備えた内燃機関の制御装置に関し、特に、燃料蒸発ガスのパージ処理を実行する際の制御に関する。
機関吸気通路内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射弁(背景技術においては、吸気通路噴射用インジェクタ)と、機関燃焼室内に常時燃料を噴射するための第2の燃料噴射弁(背景技術においては、筒内噴射用インジェクタ)とを具備し、機関負荷が予め定められた設定負荷よりも低いときには第1燃料噴射弁(吸気通路噴射用インジェクタ)からの燃料噴射を停止するとともに機関負荷が設定負荷よりも高いときには第1燃料噴射弁(吸気通路噴射用インジェクタ)から燃料を噴射するようにした内燃機関が公知である。この内燃機関では両燃料噴射弁から噴射される燃料の合計である全噴射量が機関負荷の関数として予め定められており、この全噴射量は機関負荷が高くなるほど増大せしめられる。
特開平5−231221号公報(特許文献1)は、このような内燃機関における、吸気通路噴射用インジェクタによる燃料噴射の開始時および停止時に機関出力トルクが変動するのを阻止する燃料噴射式内燃機関を開示する。この燃料噴射式内燃機関は、機関吸気通路内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射弁と、機関燃焼室内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射弁とを具備し、機関の運転状態が予め定められた運転領域内にあるときには第1燃料噴射弁からの燃料噴射を停止するとともに機関の運転状態が上記予め定められた運転領域外となったときには第1燃料噴射弁から燃料を噴射するようにした内燃機関において、第1燃料噴射弁からの燃料噴射が開始されたときに吸気通路内壁面に付着する付着燃料量を推定しかつ第1燃料噴射弁からの燃料噴射が停止されたときに機関燃焼室内に流入する付着燃料の流入量を推定する手段を具備する。第1燃料噴射弁からの燃料噴射が開始されたときに第2燃料噴射弁からの噴射燃料量を上記付着燃料量だけ増量補正するとともに、第1燃料噴射弁からの燃料噴射が停止されたときに第2燃料噴射弁からの噴射燃料量を上記流入量だけ減量補正する。
この燃料噴射式内燃機関によると、第1燃料噴射弁からの燃料噴射が開始されたときに第2燃料噴射弁からの噴射燃料量を付着燃料量だけ増量補正することによって実際に機関燃焼室内に供給される燃料量が要求燃料量となり、第1燃料噴射弁からの燃料噴射が停止されたときに第2燃料噴射弁からの噴射燃料量を流入量だけ減量補正することによって実際に機関燃焼室内に供給される燃料量が要求燃料量となる。その結果、第1燃料噴射弁からの燃料噴射の開始時および停止時に機関出力トルクが変動するのを阻止することができる。
特開平5−231221号公報
一般的に、内燃機関を搭載した車両においては、燃料タンク等からの蒸発燃料(ベーパ)をキャニスター等の捕集装置に一時的に吸着し、内燃機関の運転状態に応じてキャニスター等の捕集装置に吸着されていた燃料蒸発ガスをパージして内燃機関の吸気系に導入することにより、燃料蒸発ガスが大気に放散されることを防止している。
このように、燃料蒸発ガスをパージして内燃機関の吸気系に導入するパージ処理の実行時においては、パージされる燃料蒸発ガスの濃度、いわゆるパージガス濃度とその流量とに依存するパージ燃料量がインジェクタから噴射される燃料量に加えて機関に導入される。この結果、空燃比の変動を生じ燃焼が悪化することから、このようなパージ処理を実行する際には、燃料噴射量の補正を実行して、内燃機関の性能の低下やエミッションの悪化という問題を避けることが要求される。
しかしながら、上記の特許文献1には、このようなパージ処理の実行の際における燃料噴射量の補正についての記載がない。そのため、特許文献1に開示された燃料噴射式内燃機関によると、第1燃料噴射弁からの燃料噴射の開始時および停止時に機関出力トルクが変動することを阻止できても、パージ処理実行時の問題(たとえばデポジットの付着による性能低下、空燃比の変動によるエミッション悪化)を解決し得ない。
特に、車両用の内燃機関は多気筒(多くの場合、4〜8気筒)であり、その構造上、パージ燃料が多く供給される気筒と少なく供給される気筒とが発生し得る。このような場合、パージ燃料量が少ない気筒においては、燃焼室内の混合気がリーンな状態になり、筒内噴射用インジェクタの噴射比率が大きくなり、燃焼変動を誘引する。また、失火する場合もある。特に、ポート噴射比率の小さい運転領域においては、吸気通路噴射用インジェクタからの燃料噴射がパージ燃料に置き換わるため、見込んでいたパージ燃料量を下回る気筒は、大きな影響を受け(著しく吸気ポートからの混合気がリーンになるとともに、筒内噴射用インジェクタからの燃料比率が結果的に大きくなり、混合気の均一性が低下して、燃料変動が発生する)、内燃機関からの発生トルクが変動する等の問題がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、筒内に燃料を噴射する第1の燃料噴射手段と吸気通路に燃料を噴射する第2の燃料噴射手段とで噴射燃料を分担する多気筒の内燃機関において、パージ処理実行の際の内燃機関の性能低下等の悪化を避けることができる、内燃機関の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関の制御装置は、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段と吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段とを備え、燃料蒸発ガスのパージ処理を実行する内燃機関を制御する。この制御装置は、内燃機関に要求される条件に基づいて、第1の燃料噴射手段と第2の燃料噴射手段とで分担して燃料を噴射するように、燃料噴射手段を制御するための制御手段と、パージ処理の実行時に、導入されるパージ燃料量に対応する燃料噴射量の補正を、第1の燃料噴射手段と第2の燃料噴射手段とで分担させるように、燃料噴射手段を制御するためのパージ制御手段とを含む。パージ制御手段は、燃料噴射が第1の燃料噴射手段と第2の燃料噴射手段とで分担されている領域において、第2の燃料噴射手段におけるパージ補正のための減量に制限値を設けるための手段を含む。
第1の発明によると、燃料噴射が第1の燃料噴射手段(たとえば筒内噴射用インジェクタ)と第2の燃料噴射手段(たとえば吸気通路噴射用インジェクタ)とで分担されている領域におけるパージ実行時に、吸気通路噴射用インジェクタのパージ補正のための減量に制限値が設けられる。このようにすると、多気筒の内燃機関であって、気筒間のパージ量に差が発生した場合に、全ての気筒で一律に同じだけ吸気通路噴射用インジェクタからの燃料噴射量をパージ量の分だけ減量させるとパージ量が少ない気筒においては、ポート実噴射量(吸気通路噴射用インジェクタからの燃料噴射量+パージ量)が少なくなり、燃焼室内の混合気の空燃比がリーンになるとともに、直噴比率が上昇して混合気の均一性が下がることがある。このようになると、燃焼状態が発生トルクを悪化させるように変動する。第1の発明においては、吸気通路噴射用インジェクタからの減量を制限したので、パージ量が少ない気筒であっても、安定な燃焼状態を維持できる。その結果、筒内に燃料を噴射する第1の燃料噴射手段と吸気通路に燃料を噴射する第2の燃料噴射手段とで噴射燃料を分担する多気筒の内燃機関において、パージ処理実行の際の内燃機関の性能低下等の悪化を避けることができる、内燃機関の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、パージ制御手段は、導入されるパージ燃料量が気筒間において差がある場合であっても、燃焼変動を発生させないように、制限値を算出するための手段を含む。
第2の発明によると、導入されるパージ燃料量には、気筒間において差が発生することを完全に回避することができない。このため、パージ量の少ない気筒において燃焼変動を発生させないように、制限値を算出するので、パージ量が少ない気筒であっても、安定な燃焼状態を維持できる。
第3の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、パージ制御手段は、第2の燃料噴射手段の基本燃料噴射量に対するパージ補正量の割合に基づいて算出された値が予め定められた値以上であると、第2の燃料噴射手段におけるパージ補正のための減量に制限値を設けるための手段を含む。
第3の発明によると、吸気通路噴射用インジェクタの基本燃料噴射量に対するパージ補正量の比率に、最大限発生が考えられるパージ量の減量分を乗算して算出された値が、予め定められた値以上であると、吸気通路噴射用インジェクタにおけるパージ時の減量補正が制限される。基本燃料噴射量に対するパージ補正量の比率を用いているので、基本燃料噴射量または/およびパージ補正量の絶対値が変動した場合であっても、安定な燃焼状態を維持できる。
第4の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、予め定められた値は、第1の燃料噴射手段および第2の燃料噴射手段の分担比率の関数により算出される。
第4の発明によると、吸気通路噴射用インジェクタからの燃料噴射比率が小さいほど、パージ量の増減による影響をより強く受けるので、吸気通路噴射用インジェクタのパージのための減量補正に制限をより強くするように、予め定められた値を設定することができる。これにより、燃料分担比率が変化されても、安定な燃焼状態を維持できる。
第5の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第4の発明の構成に加えて、関数は、第2の燃料噴射手段の分担比率が小さいほど、予め定められた値が大きくなる関数である。パージ制御手段は、パージ補正量に基づいて算出された第1の値から、第2の燃料噴射手段の基本燃料噴射量に予め定められた値を乗算した第2の値を減算して、第1の燃料噴射手段におけるパージ補正量を算出するための手段を含む。
第5の発明によると、吸気通路噴射用インジェクタの分担比率に応じて、減量補正をより強く制限することができる。すなわち、吸気通路噴射用インジェクタの分担比率が小さいほど、予め定められた値が大きくなり、その値を用いて減算される第2の値が算出されるので、筒内噴射用インジェクタにおけるパージ補正量が大きく、吸気通路噴射用インジェクタのパージ補正量が小さく算出される。すなわち、吸気通路噴射用インジェクタの分担比率が小さいほど、パージの影響を受けやすいので、吸気通路噴射用インジェクタにおけるパージ補正による減量をより強く制限する。
第6の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、パージ制御手段は、第2の燃料噴射手段の分担比率が小さいほど、第2の燃料噴射手段におけるパージ補正のための減量をより強く制限するようにして算出された補正量を用いて、燃料噴射手段を制御するための手段を含む。
第6の発明によると、吸気通路噴射用インジェクタの分担比率が小さいほど、パージ量の影響を受けやすくなるので、吸気通路噴射用インジェクタにおけるパージ補正のための減量をより強く制限して、吸気通路噴射用インジェクタの分担比率が小さくても、安定な燃焼状態を維持できる。
第7の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、パージ制御手段は、制限値を越えた補正量を第1の燃料噴射手段を用いて実現するように、燃料噴射手段を制御するための手段を含む。
第7の発明によると、吸気通路噴射用インジェクタ側で減量補正しきれない分量は、筒内噴射用インジェクタ側で減量補正して、全体としての空燃比制御を良好なものにすることができる。
第8の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1〜7のいずれかの発明の構成に加えて、第1の燃料噴射手段は、筒内噴射用インジェクタであって、第2の燃料噴射手段は、吸気通路用インジェクタである。
第8の発明によると、第1の燃料噴射手段である筒内噴射用インジェクタと第2の燃料噴射手段である吸気通路噴射用インジェクタとを別個に設けて噴射燃料を分担する多気筒の内燃機関において、パージ処理実行の際の内燃機関の性能低下等の悪化を避けることができる内燃機関の制御装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるエンジンECU(Electronic Control Unit)で制御されるエンジンシステムの概略構成図を示す。なお、図1には、エンジンとして直列4気筒ガソリンエンジンを示すが、本発明はこのようなエンジンに限定されるものではない。
図1に示すように、エンジン10は、4つの気筒112を備え、各気筒112はそれぞれ対応するインテークマニホールド20を介して共通のサージタンク30に接続されている。サージタンク30は、吸気ダクト40を介してエアクリーナ50に接続され、吸気ダクト40内にはエアフローメータ42が配置されるとともに、電動モータ60によって駆動されるスロットルバルブ70が配置されている。このスロットルバルブ70は、アクセルペダル100とは独立してエンジンECU300の出力信号に基づいてその開度が制御される。一方、各気筒112は共通のエキゾーストマニホールド80に連結され、このエキゾーストマニホールド80は三元触媒コンバータ90に連結されている。
各気筒112に対しては、筒内に向けて燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタ110と、吸気ポートまたは/および吸気通路内に向けて燃料を噴射するための吸気通路噴射用インジェクタ120とがそれぞれ設けられている。これらインジェクタ110、120はエンジンECU300の出力信号に基づいてそれぞれ制御される。また、各気筒内噴射用インジェクタ110は共通の燃料分配管130に接続されており、この燃料分配管130は燃料分配管130に向けて流通可能な逆止弁140を介して、機関駆動式の高圧燃料ポンプ150に接続されている。なお、本実施の形態においては、2つのインジェクタが別個に設けられた内燃機関について説明するが、本発明はこのような内燃機関に限定されない。たとえば、筒内噴射機能と吸気通路噴射機能とを併せ持つような1個のインジェクタを有する内燃機関であってもよい。
図1に示すように、高圧燃料ポンプ150の吐出側は電磁スピル弁152を介して高圧燃料ポンプ150の吸入側に連結されており、この電磁スピル弁152の開度が小さいときほど、高圧燃料ポンプ150から燃料分配管130内に供給される燃料量が増大され、電磁スピル弁152が全開にされると、高圧燃料ポンプ150から燃料分配管130への燃料供給が停止されるように構成されている。なお、電磁スピル弁152はエンジンECU300の出力信号に基づいて制御される。
一方、各吸気通路噴射用インジェクタ120は、共通する低圧側の燃料分配管160に接続されており、燃料分配管160および高圧燃料ポンプ150は共通の燃料圧レギュレータ170を介して、電動モータ駆動式の低圧燃料ポンプ180に接続されている。さらに、低圧燃料ポンプ180は燃料フィルタ190を介して燃料タンク200に接続されている。燃料圧レギュレータ170は低圧燃料ポンプ180から吐出された燃料の燃料圧が予め定められた設定燃料圧よりも高くなると、低圧燃料ポンプ180から吐出された燃料の一部を燃料タンク200に戻すように構成されており、したがって吸気通路噴射用インジェクタ120に供給されている燃料圧および高圧燃料ポンプ150に供給されている燃料圧が上記設定燃料圧よりも高くなるのを阻止している。
エンジンECU300は、デジタルコンピュータから構成され、双方向性バス310を介して相互に接続されたROM(Read Only Memory)320、RAM(Random Access Memory)330、CPU(Central Processing Unit)340、入力ポート350および出力ポート360を備えている。
エアフローメータ42は吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、このエアフローメータ42の出力電圧はA/D変換器370を介して入力ポート350に入力される。エンジン10には機関冷却水温に比例した出力電圧を発生する水温センサ380が取付けられ、この水温センサ380の出力電圧は、A/D変換器390を介して入力ポート350に入力される。
燃料分配管130には燃料分配管130内の燃料圧に比例した出力電圧を発生する燃料圧センサ400が取付けられ、この燃料圧センサ400の出力電圧は、A/D変換器410を介して入力ポート350に入力される。三元触媒コンバータ90上流のエキゾーストマニホールド80には、排気ガス中の酸素濃度に比例した出力電圧を発生する空燃比センサ420が取付けられ、この空燃比センサ420の出力電圧は、A/D変換器430を介して入力ポート350に入力される。
本実施の形態に係るエンジンシステムにおける空燃比センサ420は、エンジン10で燃焼された混合気の空燃比に比例した出力電圧を発生する全域空燃比センサ(リニア空燃比センサ)である。なお、空燃比センサ420としては、エンジン10で燃焼された混合気の空燃比が理論空燃比に対してリッチであるかリーンであるかをオン−オフ的に検出するO2センサを用いてもよい。
アクセルペダル100は、アクセルペダル100の踏込み量に比例した出力電圧を発生するアクセル開度センサ440に接続され、アクセル開度センサ440の出力電圧は、A/D変換器450を介して入力ポート350に入力される。また、入力ポート350には、機関回転数を表わす出力パルスを発生する回転数センサ460が接続されている。エンジンECU300のROM320には、上述のアクセル開度センサ440および回転数センサ460により得られる機関負荷率および機関回転数に基づき、運転状態に対応させて設定されている燃料噴射量の値や機関冷却水温に基づく補正値などが予めマップ化されて記憶されている。
一方、燃料タンク200に発生する燃料蒸発ガスを捕集する捕集容器であるキャニスタ230が、ベーパ通路260を介して燃料タンク200に接続されており、さらにキャニスタ230はそこに捕集された燃料蒸発ガスをエンジン10の吸気系に供給するためのパージ通路280に接続されている。そして、パージ通路280は、吸気ダクト40のスロットルバルブ70下流に開口されたパージポート290に連通されている。キャニスタ230の内部には、周知のように、燃料蒸発ガスを吸着する吸着剤(活性炭)が充填されており、パージ中にキャニスタ230内に逆止弁を介して大気を導入するための大気通路270が設けられている。さらに、パージ通路280には、パージ量を制御するパージ制御弁250が設けられており、このパージ制御弁250の開度がエンジンECU300によりデューティ制御されることで、キャニスタ230内でパージ処理される燃料蒸発ガス量、ひいてはエンジン10に導入される燃料量(以下、パージ燃料量と記載する。)が制御されるように構成されている。パージ燃料量に対応する補正値が、パージ補正量fpgである。パージ処理時には、このパージ補正量fpgの分だけ減量させる必要がある。
図2および図3を参照して、エンジン10の運転状態に対応させた情報である、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴き分け比率(以下、DI比率(r)とも記載する。)を表わすマップについて説明する。これらのマップは、エンジンECU300のROM320に記憶される。図2は、エンジン10の温間用マップであって、図3は、エンジン10の冷間用マップである。
図2および図3に示すように、これらのマップは、エンジン10の回転数を横軸にして、負荷率を縦軸にして、筒内噴射用インジェクタ110の分担比率がDI比率rとして百分率で示されている。
図2および図3に示すように、エンジン10の回転数と負荷率とに定まる運転領域ごとに、DI比率rが設定されている。「DI比率r=100%」とは、筒内噴射用インジェクタ110からのみ燃料噴射が行なわれる領域であることを意味し、「DI比率r=0%」とは、吸気通路噴射用インジェクタ120からのみ燃料噴射が行なわれる領域であることを意味する。「DI比率r≠0%」、「DI比率r≠100%」および「0%<DI比率r<100%」とは、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120とで燃料噴射が分担して行なわれる領域であることを意味する。なお、概略的には、筒内噴射用インジェクタ110は、出力性能の上昇に寄与し、吸気通路噴射用インジェクタ120は、混合気の均一性に寄与する。このような特性の異なる2種類のインジェクタを、エンジン10の回転数と負荷率とで使い分けることにより、エンジン10が通常運転状態(たとえば、アイドル時の触媒暖気時が、通常運転状態以外の非通常運転状態の一例であるといえる)である場合には、均質燃焼のみが行なわれるようにしている。
さらに、これらの図2および図3に示すように、温間時のマップと冷間時のマップとに分けて、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120のDI分担率rを規定した。エンジン10の温度が異なると、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120の制御領域が異なるように設定されたマップを用いて、エンジン10の温度を検知して、エンジン10の温度が予め定められた温度しきい値以上であると図2の温間時のマップを選択して、そうではないと図3に示す冷間時のマップを選択する。それぞれ選択されたマップに基づいて、エンジン10の回転数と負荷率とに基づいて、筒内噴射用インジェクタ110および/または吸気通路噴射用インジェクタ120を制御する。
図2および図3に設定されるエンジン10の回転数と負荷率について説明する。図2のNE(1)は2500〜2700rpmに設定され、KL(1)は30〜50%、KL(2)は60〜90%に設定されている。また、図3のNE(3)は2900〜3100rpmに設定されている。すなわち、NE(1)<NE(3)である。その他、図2のNE(2)や、図3のKL(3)、KL(4)も適宜設定されている。
図2および図3を比較すると、図2に示す温間用マップのNE(1)よりも図3に示す冷間用マップのNE(3)の方が高い。これは、エンジン10の温度が低いほど、吸気通路噴射用インジェクタ120の制御領域が高いエンジン回転数の領域まで拡大されるということを示す。すなわち、エンジン10が冷えている状態であるので、(たとえ、筒内噴射用インジェクタ110から燃料を噴射しなくても)筒内噴射用インジェクタ110の噴口にデポジットが堆積しにくい。このため、吸気通路噴射用インジェクタ120を使って燃料を噴射する領域を拡大するように設定され、均質性を向上させることができる。
図2および図3を比較すると、エンジン10の回転数が、温間用マップにおいてはNE(1)以上の領域において、冷間用マップにおいてはNE(3)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。また、負荷率が、温間用マップにおいては低回転数領域を除くKL(2)以上の領域において、冷間用マップにおいては低回転数領域を除くKL(4)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。これは、予め定められた高エンジン回転数領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されること、予め定められた高エンジン負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用される領域が多いことを示す。しかしながら、低回転数領域の高負荷領域においては、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料により形成される混合気のミキシングが良好ではなく、燃焼室内の混合気が不均質で燃焼が不安定になる傾向を有する。このため、このような問題が発生しない高回転数領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタの噴射比率を増大させるようにしている。また、このような問題が発生する高負荷領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を減少させるようにしている。これらのDI比率rの変化を図2および図3に十字の矢印で示す。このようにすると、燃焼が不安定であることに起因するエンジンの出力トルクの変動を抑制することができる。なお、これらのことは、予め定められた低回転数領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を減少させることや、予め定められた低負荷領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を増大させることと、略等価であることを確認的に記載する。また、このような領域(図2および図3で十字の矢印が記載された領域)以外の領域であって筒内噴射用インジェクタ110のみで燃料を噴射している領域(高回転側、低負荷側)においては、筒内噴射用インジェクタ110のみでも混合気を均質化しやすい。このようにすると、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料は燃焼室内で気化潜熱を伴い(燃焼室から熱を奪い)気化される。これにより、圧縮端での混合気の温度が下がる。これにより対ノッキング性能が向上する。また、燃焼室の温度が下がるので、吸入効率が向上し高出力が見込める。
図2に示す温間マップでは、負荷率KL(1)以下では、筒内噴射用インジェクタ110のみが用いられる。これは、エンジン10の温度が高いときであって、予め定められた低負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されるということを示す。これは、温間時においてはエンジン10が暖まった状態であるので、筒内噴射用インジェクタ110の噴口にデポジットが堆積しやすい。しかしながら、筒内噴射用インジェクタ110を使って燃料を噴射することにより噴口温度を低下させることができるので、デポジットの堆積を回避することも考えられ、また、筒内噴射用インジェクタの最小燃料噴射量を確保して、筒内噴射用インジェクタ110を閉塞させないことも考えられ、このために、筒内噴射用インジェクタ110を用いた領域としている。
図2および図3を比較すると、図3の冷間用マップにのみ「DI比率r=0%」の領域が存在する。これは、エンジン10の温度が低いときであって、予め定められた低負荷領域(KL(3)以下)では吸気通路噴射用インジェクタ120のみが使用されるということを示す。これはエンジン10が冷えていてエンジン10の負荷が低く吸気量も低いため燃料が霧化しにくい。このような領域においては筒内噴射用インジェクタ110による燃料噴射では良好な燃焼が困難であるため、また、特に低負荷および低回転数の領域では筒内噴射用インジェクタ110を用いた高出力を必要としないため、筒内噴射用インジェクタ110を用いないで、吸気通路噴射用インジェクタ120のみを用いる。
また、通常運転時以外の場合、エンジン10がアイドル時の触媒暖気時の場合(非通常運転状態であるとき)、成層燃焼を行なうように筒内噴射用インジェクタ110が制御される。このような触媒暖気運転中にのみ成層燃焼させることで、触媒暖気を促進させ、排気エミッションの向上を図る。
図4および図5を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU300で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
図4に示すフローチャートは、エンジン10が始動された後、たとえば燃料ゲージの現在の燃料計値とエンジン停止時に記録されていた燃料計値とが比較演算されることによる給油の有無の判断および/またはエンジン停止中の気温の推移などに基づき、キャニスタ230内に捕集されている燃料蒸発ガス量が推定され、パージ処理が必要であるか否かが求められる。そして、パージ処理が必要であり、かつ可能であるとされたときに、図4に示すフローチャートによるパージガス濃度検出およびパージ処理実行制御ルーチンが開始される。このパージ処理が可能であるときとは、たとえばエンジン10の吸入負圧が十分に発生している低速低負荷運転状態を挙げることができる。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)300にて、エンジンECU300は、パージ制御弁250を小開度状態で瞬時開くように制御する。パージ制御弁250が小開度で開かれると、燃料蒸発ガスを含むパージガスがパージ通路280およびパージポート290を介してエンジン10に導入される。
S310にて、エンジンECU300は、空燃比センサ420によりパージガスが導入されたときの燃焼ガスの空燃比(A/F)を検出する。
S320にて、エンジンECU300は、検出された空燃比(A/F)に基づき、パージガス濃度を求める。詳しくは、パージガス導入前の空燃比に対し導入後の空燃比はリッチになるので、そのリッチの度合からパージガス濃度を求める。この両者の関係は、予め実験で求められマップ化されてROM320に記憶されている。そして、求められたこのパージガス濃度は、RAM330に記憶される。
S330にて、エンジンECU300は、RAM330に記憶されたパージガス濃度に基づき、エンジン10に導入されるパージ燃料量が一定となるようにパージ制御弁250の開度を所定時間デューティ制御することにより、パージ制御を実行する。S340にて、エンジンECU300は、S330における処理中においてはパージ制御実行フラグをオン状態にセットする。
なお、パージ燃料量とはパージガス中に含まれる燃料量を意味し、運転状態の変動に伴う吸入負圧の変化にかかわらず一定となるように、パージ制御弁250の開度がデューティ制御されてパージガス流量が制御される。このときのデューティ比についても、パージガス濃度および吸入負圧をパラメータとして、予め実験で求められマップ化されてROM320に記憶されている。
図5を参照して、パージ制御が実行されているときに、筒内噴射用インジェクタ110のパージ補正量fpgdと吸気通路噴射用インジェクタ120のパージ補正量fpgpを算出するプログラムの制御構造について説明する。図5に示す制御プログラムは所定時間ごとまたは所定のクランク角度ごとに実行される。
S400にて、エンジンECU300は、パージ実行フラグがオン状態であるか否かを判断する。このパージ実行フラグは図4のS340でオン状態にされている。パージ実行フラグがオン状態であると(S400にてYES)、処理はS402へ移される。もしそうでないと(S400にてNO)、処理はS404へ移される。
S402にて、エンジンECU300は、パージ補正量fpgに値を取り込む。S404にて、エンジンECU300は、パージ補正量fpgに0を代入する。S402およびS404の処理の後、処理はS410へ移される。
S410にて、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴き分け率(DI比率r)を、図2および図3に示すマップを用いて算出する。S420にて、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110の基本噴射量taudbおよび吸気通路噴射用インジェクタ120の基本噴射量taupbを算出する。このとき、筒内噴射用インジェクタ110の基本噴射量taudbは、
taudb=r×EQMAX×klfwd×fafd×kgd×kpr … (1)
により算出される。また、吸気通路噴射用インジェクタ120の基本噴射量taupbは、
taupb=k×(1−r)×EQMAX×klfwd×fafp×kgp … (2)
として算出される。上記した(1)式および(2)式において、rは噴き分け率(DI比率)であって、EQMAXは最大噴射量であって、klfwdは負荷率であって、fafdおよびfafpはストイキ状態のフィードバック係数であって、kgdは筒内噴射用インジェクタ110の学習値であって、kprは燃圧に応じた変換係数であって、kgpは吸気通路噴射用インジェクタ120の学習値である。
S430にて、エンジンECU300は、DI比率rが1であるか否かを判断する。DI比率rが1であると(S430にてYES)、処理はS440へ移される。もしそうでないと(S430にてNO)、処理はS460へ移される。
S440にて、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110のパージ補正量fpgdにfpgを代入する。このとき、パージ補正量fpgは、
fpg=pgr×fgpg … (3)
により算出される。式(3)において、pgrは目標パージ率(パージ率とは、吸入空気量に対するパージ量の体積比)、fgpgはパージ濃度学習値であって、単位パージ率(1%)あたりのA/Fの影響割合(ずれ量)を示す。
S450にて、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110の最終噴射量taudを算出する。このとき、最終噴射量taudは、
taud=taudb−fpgd … (4)
により算出される。その後、処理は終了する。
S460にて、エンジンECU300は、{(fpg×PGERR)/taupb}≧αであるか否かを判断する。ここで、PGERRは、パージ処理による燃料量のエラーの意味であって1より小さい定数である。すわわち、PGERRは、吸入空気量の気筒間格差、パージ量の気筒間格差として最大どの程度まで見込むのかを表わす定数である。たとえば、パージ処理により燃料が最大40%減る気筒があると考えられればPGERRは0.4となる。αは予め定められた値であって、図6に示すようにDI比率rの関数になっている。DI比率rが大きいほどαが大きく、DI比率rが小さいほどαが小さい。なお、この図6は一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。{(fpg×PGERR)/taupb}≧αであると(S460にてYES)、処理はS480へ移される。もしそうでないと(S460にてNO)、処理はS470へ移される。
S470にて、エンジンECU300は、吸気通路噴射用インジェクタ120のパージ補正量fpgpにfpgを代入して、筒内噴射用インジェクタ110のパージ補正量fpgdに0を代入する。その後、処理はS490へ移される。
S480にて、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110のパージ補正量fpgdに(fpg×PGERR−α×taupb)を代入し、吸気通路噴射用インジェクタ120のパージ補正量fpgpに(fpg-fpgd)を代入する。その後、処理はS490へ移される。
S490にて、エンジンECU300は、筒内噴射用インジェクタ110の最終噴射量taudおよび吸気通路噴射用インジェクタ120の最終噴射量taupを算出する。このとき、最終噴射量taudは、上記した式(4)により算出される。最終噴射量taupは、
taup=taupb−fpgp+tauv … (5)
により算出される。上記した(5)式において、tauvは無効噴射量である。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU300により実行されるエンジン10のパージ処理時の噴き分け制御について説明する。以下の説明では、パージ処理の実行時について説明する。
[DI比率r=1の場合]
噴き分け率(DI比率r)が1の場合には(S430にてYES)、パージ補正は、その全ての補正量を筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射量から減量することにより行なわれる。すなわち、式(3)により算出されたパージ補正量fpgが、筒内噴射用インジェクタ110のパージ補正量fpgdに代入され(S440)、式(4)に示すように、このパージ補正量fpgdが筒内噴射用インジェクタ110の基本噴射量taudbから減算されて、筒内噴射用インジェクタ110の最終噴射量taudが算出される(S450)。
[DI比率r≠1の場合]
噴き分け率(DI比率r)が1でない場合には(S430にてNO)、パージ補正は、パージ量の気筒間格差を見込んで算出され、吸気通路噴射用インジェクタ120のみでは対応できない場合、パージ補正は筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120とで分担される。以下に詳しく説明する。
{(fpg×PGERR)/taupb}≧αであると(S460にてYES)、筒内噴射用インジェクタ110のパージ補正量fpgdが(fpg×PGERR−α×taupb)として算出され、吸気通路噴射用インジェクタ120のパージ補正量fpgpが(fpg-fpgd)として算出される(S480)。これは、{fpg(パージ補正量)×PGERR(パージ量の気筒間格差の最大見込み値)}が所定値{taupb(吸気通路噴射用インジェクタ基本燃料噴射量)×α}以下になるように、吸気通路噴射用インジェクタ120からの燃料噴射量の減量を制限するものである。
ここで、筒内噴射用インジェクタ110のパージ補正量fpgdは(fpg×PGERR−α×taupb)で算出され、図6に示すようにDI比率rが大きいほど(吸気通路噴射用インジェクタ120の噴射割合が小さいほど)、(α×taupb)は小さくなる。このため、吸気通路噴射用インジェクタ120の噴射割合が小さいほど、(fpg×PGERR)が変化しない範囲で、筒内噴射用インジェクタ110のパージ補正量fpgdは大きくなる。一方、吸気通路噴射用インジェクタ120のパージ補正量fpgpは(fpg-fpgd)で算出される。その結果、吸気通路噴射用インジェクタ120の噴射割合が小さいほど、筒内噴射用インジェクタ110のパージ補正量fpgdは大きくなるので、吸気通路噴射用インジェクタ120のパージ補正量fpgpは小さくなる。すなわち、吸気通路噴射用インジェクタ120の噴射割合が小さいほど、パージの影響を受けやすいので、パージによるポート噴射の減量をより制限することになる。
図7に、パージ処理実行時の燃料噴射量の比較を示す。図7の「平均」が、基本的なパージ補正の考え方である。すなわち、吸気通路噴射用インジェクタ120からの燃料噴射量(図7の実ポート噴射量)は、パージ補正量fpgの分を減量して、算出される。このようにすると、図7の「個別」で観察した場合、パージの多い気筒と少ない気筒とで燃焼変動の状態が異なる。パージが多い気筒では、燃焼室内の混合気の空燃比(A/F)が小さく(リッチ)なるとともに、直噴比率が相対的に小さくなる。このため、吸気ポートから燃焼室に吸入される混合気はより均一に混合されることになり、トルク変動は良好な状態になる。一方、パージが少ない気筒では、燃焼室内の混合気の空燃比(A/F)が大きく(リーン)なるとともに、直噴比率が相対的に大きくなる。このため、吸気ポートから燃焼室に吸入される混合気はより均一に混合されないことになり、トルク変動は良好でない状態になる。
このような従来の考え方に対して、本発明においては、パージ量の最大変動値(少なくなる最大量)を見込んでおいて、その分だけパージ量が減ったとしても、良好な燃焼を実現できるように、パージに伴う実ポート噴射燃料の減量を制限している。この良好な燃焼を実現できる実ポート噴射量(吸気通路噴射用インジェクタ110による燃料噴射量とパージ燃料量との合計値)が図7の「本発明」の{taupb×(1−α)}である。すなわち、この{taupb×(1−α)}をポート実噴射量として確保して、良好な燃焼を保証する。
このため、従来はfpg×PGERRまでパージ燃料量が低下した気筒が存在したが、本発明においては、このfpg×PGERRまでパージ燃料量が低下する可能性がある場合を考慮して、fpg×PGERRまで減量させないように制限している。このような場合において、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120とは、以下のように補完しあう。すなわち、図7に示す(fpg×PGERR−α×taupb)分だけ、吸気通路噴射用インジェクタ120から噴射するようにして、それと同じ分だけ、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射量を減量している。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置によると、筒内噴射用インジェクタと吸気通路噴射用インジェクタとで分担されている領域におけるパージ実行時に、吸気通路噴射用インジェクタのパージ補正のための減量に制限値が設けられる。多気筒の内燃機関であって、パージ量が少ない気筒において大きく減量されることを避けることができ、安定な燃焼状態を維持できる。特に、パージの影響を受けやすい吸気通路噴射用インジェクタの分担比率の小さいときに、より制限を強くする。その結果、筒内噴射用インジェクタと吸気通路噴射用インジェクタとで噴射燃料を分担する多気筒エンジンにおいて、パージ処理実行の際の性能低下等の悪化を避けることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置で制御されるエンジンシステムの概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUに記憶される温間時のDI比率マップを表わす図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUに記憶される冷間時のDI比率マップを表わす図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 DI比率と定数αとの関係を示す図である。 パージ処理実行時の燃料噴射量の比較を示す図である。
符号の説明
10 エンジン、20 インテークマニホールド、30 サージタンク、40 吸気ダクト、42 エアフローメータ、50 エアクリーナ、60 電動モータ、70 スロットルバルブ、80 エキゾーストマニホールド、90 三元触媒コンバータ、100 アクセルペダル、110 筒内噴射用インジェクタ、112 気筒、120 吸気通路噴射用インジェクタ、130 燃料分配管、140 逆止弁、150 高圧燃料ポンプ、152 電磁スピル弁、160 燃料分配管(低圧側)、170 燃料圧レギュレータ、180 低圧燃料ポンプ、190 燃料フィルタ、200 燃料タンク、300 エンジンECU、310 双方向性バス、320 ROM、330 RAM、340 CPU、350 入力ポート、360 出力ポート、370,390,410,430,450 A/D変換器、380 水温センサ、400 燃料圧センサ、420 空燃比センサ、440 アクセル開度センサ、460 回転数センサ。

Claims (8)

  1. 筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段と吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段とを備え、燃料蒸発ガスのパージ処理を実行する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関に要求される条件に基づいて、前記第1の燃料噴射手段と前記第2の燃料噴射手段とで分担して燃料を噴射するように、燃料噴射手段を制御するための制御手段と、
    前記パージ処理の実行時に、導入されるパージ燃料量に対応する燃料噴射量の補正を、前記第1の燃料噴射手段と前記第2の燃料噴射手段とで分担させるように、燃料噴射手段を制御するためのパージ制御手段とを含み、
    前記パージ制御手段は、燃料噴射が前記第1の燃料噴射手段と前記第2の燃料噴射手段とで分担されている領域において、前記第2の燃料噴射手段におけるパージ補正のための減量に制限値を設けるための手段を含む、内燃機関の制御装置。
  2. 前記パージ制御手段は、前記導入されるパージ燃料量が気筒間において差がある場合であっても、燃焼変動を発生させないように、前記制限値を算出するための手段を含む、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記パージ制御手段は、前記第2の燃料噴射手段の基本燃料噴射量に対するパージ補正量の割合に基づいて算出された値が予め定められた値以上であると、前記第2の燃料噴射手段におけるパージ補正のための減量に制限値を設けるための手段を含む、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記予め定められた値は、前記第1の燃料噴射手段および前記第2の燃料噴射手段の分担比率の関数により算出される、請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記関数は、前記第2の燃料噴射手段の分担比率が小さいほど、前記予め定められた値が大きく、
    前記パージ制御手段は、パージ補正量に基づいて算出された第1の値から、前記第2の燃料噴射手段の基本燃料噴射量に前記予め定められた値を乗算した第2の値を減算して、前記第1の燃料噴射手段におけるパージ補正量を算出するための手段を含む、請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記パージ制御手段は、前記第2の燃料噴射手段の分担比率が小さいほど、前記第2の燃料噴射手段におけるパージ補正のための減量をより強く制限するようにして算出された補正量を用いて、燃料噴射手段を制御するための手段を含む、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記パージ制御手段は、前記制限値を越えた補正量を前記第1の燃料噴射手段を用いて実現するように、燃料噴射手段を制御するための手段を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記第1の燃料噴射手段は、筒内噴射用インジェクタであって、
    前記第2の燃料噴射手段は、吸気通路用インジェクタである、請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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