JP4172213B2 - ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、探索情報出力方法及びプログラム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、探索情報出力方法及びプログラムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、ＧＰＳ（グローバルポジショニングシステム）によって現在の位置、すなわち、現在地が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部のディスプレイに地図画面が形成され、該地図画面に、現在地及び周辺の地図が表示されるようになっている。したがって、操作者は現在地を認識することができるだけでなく、周辺の情況を認識することができる。
【０００３】
また、ナビゲーション装置によって検出された現在地に基づいて出発地から目的地まで所定の経路を移動することができる。
【０００４】
例えば、移動用端末としてのＰＤＡ（個人用携帯情報端末）にナビゲーション装置が搭載されている場合、操作者が出発地及び目的地を入力すると、探索処理が行われて経路が探索され、探索された経路、すなわち、探索経路が、出力装置によって出力され、例えば、出力装置が表示部である場合、表示部に形成された地図画面に表示される。したがって、操作者は、ＰＤＡを保持しながら、ナビゲーション装置によって検出された現在地、及び表示された探索経路に従って出発地から目的地まで歩行することができる。
【０００５】
また、例えば、車両にナビゲーション装置が搭載されている場合、操作者である運転者が出発地及び目的地を入力すると、探索処理が行われて経路が探索され、探索経路が出力装置によって出力され、例えば、出力装置が表示部である場合、表示部に形成された地図画面に表示される。したがって、運転者は、ナビゲーション装置によって検出された現在地、及び表示された探索経路に従って出発地から目的地まで車両を走行させることができる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、あらかじめ設定された探索条件、例えば、出発地から目的地までの距離を表す経路長に従って経路が探索されるので、探索経路が必ずしも操作者にとって好ましいものであるかどうか分からない。
【０００７】
すなわち、探索経路上に相対的に高度の異なる地点が存在していると、操作者は最も高度の低い地点と最も高度の高い地点との間を移動する必要が生じるので、相対的に高度の異なる地点間を移動する条件、すなわち、昇降条件によっては、仮に、経路長が短い経路が探索経路とされても、操作者にとって好ましい探索経路ではない場合がある。
【０００８】
例えば、出発地から目的地まで歩行するに当たり、相対的に高度の異なる地点間において、階段等の昇降路を昇降して移動する必要があるかどうか、降坂路、登坂路等を移動する必要があるかどうか、エレベータ、エスカレータ等の昇降機械を使用して移動することができるかどうか、大きな荷物等を保持して移動する必要があるかどうか等の昇降条件によって、得られた探索経路が操作者にとって好ましいものであるかどうかの判断は異なる。
【０００９】
また、出発地から目的地まで車両を走行させるに当たり、相対的に高度の異なる地点間において、高速道路、有料道路等の高速・有料道を使用して移動する必要があるかどうか、例えば、山岳地帯において雪道等を移動する必要があるかどうか、幅員が十分にある道路を移動することができるかどうか等の昇降条件によって、得られた探索経路が操作者にとって好ましいものであるかどうかの判断は異なる。
【００１０】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、操作者にとって好ましい探索経路を確実に得ることができるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、探索情報出力方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のナビゲーションシステムにおいては、案内開始点及び案内終了点を設定する案内条件設定処理手段と、前記案内開始点、案内終了点、及び地点の高度データを含むナビデータに基づいて探索経路を探索する探索処理手段と、前記探索経路の高度分布を出力する出力処理手段とを有する。
そして、前記探索処理手段は、前記高度データに基づいて得られる、経路内の互いに隣接する各地点間の高度差の絶対値の累積値を用いて道路コストを変更することによって前記探索経路を探索する。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、第１の移動用端末としてのＰＤＡ（個人用携帯情報端末）に搭載されたナビゲーション装置について説明するが、車両に搭載されたナビゲーション装置に適用することもできる。
【００２１】
図１は本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの機能ブロック図である。
【００２２】
図において、９１は案内開始点及び案内終了点を設定する案内条件設定処理手段、９２は、前記案内開始点、案内終了点、及び地点の高度データを含むナビデータに基づいて探索経路を探索する探索処理手段、９３は前記探索経路の高度分布を出力する出力処理手段である。
【００２３】
図２は本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの概念図である。
【００２４】
図において、６１は第２の利用者端末としてのパソコン、６２は情報提供者としての情報センタであり、前記パソコン６１、情報センタ６２等はネットワーク４３を介して接続される。また、１４はＰＤＡに搭載されたナビゲーション装置であり、該ナビゲーション装置１４は、ナビゲーション処理部１７、データ記録部１６等を備える。
【００２５】
前記パソコン６１、サーバ６３、ナビゲーション処理部１７等は、それぞれ単独に、又は二つ以上を組み合わせることによって、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。前記ナビゲーション装置１４、ネットワーク４３、パソコン６１、情報センタ６２等によってナビゲーションシステムが構成される。
【００２６】
前記パソコン６１は、演算装置及び制御装置としてのＣＰＵ７１、操作者に対して各種の情報を出力する出力装置としての表示部７２、操作部７３、記録装置７４、通信部７５等を備える。本実施の形態においては、前記演算装置及び制御装置としてＣＰＵ７１が使用されるようになっているが、ＣＰＵ７１に代えてＭＰＵ等を使用することもできる。また、前記表示部７２としては、ＣＲＴディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイを使用することができる。本実施の形態においては、出力装置として表示部７２が使用されるようになっているが、該表示部７２に代えて操作者に対して音声で各種の情報を出力する音声出力装置を使用することもできる。
【００２７】
また、操作部７３としては、キーボード、マウス等を使用することができるほかに、前記ディスプレイに形成されたタッチパネルを使用することもできる。また、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック等を使用することもできる。前記タッチパネルにおいては、ディスプレイに各種のキー、スイッチ、ボタン等の操作部領域が形成され、該操作部領域をタッチ（押下）することによって入力を行うことができる。
【００２８】
また、前記記録装置７４には、ＲＡＭ、ＲＯＭ、フラッシュメモリ等の図示されない内部記憶装置が内蔵されるほかに、ハードディスク、メモリカード等の外部記憶装置が選択的に配設される。なお、前記ハードディスクによって第１の記録媒体が、メモリカードによって第２の記録媒体が構成される。また、前記外部記憶装置として、ハードディスク及びメモリカードのほかに、磁気テープ、磁気ドラム、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＭＤ、ＤＶＤ、光ディスク、ＭＯ、ＩＣカード、光カード等を配設することができる。なお、前記外部記憶装置を使用するためには、記録装置７４に、外部記憶装置に記録されたデータを読み出すための読出装置、及びデータを記録するための書込装置が配設される。
【００２９】
本実施の形態においては、前記利用者端末としてパソコン６１が使用されるようになっているが、該パソコン６１に代えて電子手帳、携帯電話、携帯端末、テレビ電話、ゲーム機等のような、前記ネットワーク４３に接続することができ、双方向の通信を行うことができるものを使用することもできる。また、本実施の形態においては、移動用端末としてＰＤＡが使用されるようになっているが、該ＰＤＡに代えて電子手帳、携帯電話、携帯端末、テレビ電話、ゲーム機等のような、移動させながら双方向の通信を行うことができるものを使用することもできる。
【００３０】
そして、前記情報センタ６２は、サーバ６３、該サーバ６３に接続され、ナビデータを記録するためのナビデータデータベース（ＤＢ）６４等を備える。該ナビデータデータベース６４は、地図を表示するための地図データが記録された地図データファイル、経路を探索するための探索データが記録された探索データファイル、各種の施設に関する施設データが記録された施設データファイル等から成る。前記地図データファイルに、道路データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、施設データファイル等のデータファイルが形成され、道路データファイルに各道路（道路リンク）の情報を表す道路データが、交差点データファイルに各交差点の情報を表す交差点データが、ノードデータファイルに、各道路に沿って設定されたノード点の情報を表すノードデータ、施設データファイルに所定の施設のランドマークを表すデータ、すなわち、ランドマークデータがそれぞれ記録される。なお、ランドマークデータは、施設の位置を表す座標、施設の名称、ランドマークを描画するためのイメージ等から成る。また、地図データ、探索データ、施設データ等によってナビデータが構成される。
【００３１】
そして、前記道路データとして、道路状態に関して、幅員、勾（こう）配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り、道路上のノード点に対応させて設定された地点の位置、地点の高度（高さ）等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、Ｔ字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路、山岳路等を表すデータ、歩道橋、地下道、階段等の昇降路を表すデータ等のほかに、エレベータ、エスカレータ等の昇降機械を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速道路、都市高速道路、有料道路等の高速・有料道を表すデータがそれぞれ記録される。さらに、高速・有料道に関して、入口及び出口の取付道（ランプウェイ）、料金所等を表すデータが記録される。
【００３２】
また、前記ノードデータとして、実際の道路の分岐点（交差点、Ｔ字路等も含む）、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点、各ノード点の位置を表す座標、各ノード点間を連結するノード点間リンク、該ノード点間リンクの長さ、各ノード点の高度（高さ）等を表す高度データが記録される。
【００３３】
そして、探索データとして、探索経路を構成する各道路の道路番号、道路の長さ等を表すデータが記録される。
【００３４】
また、前記施設データとして、各地域のホテル、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等の施設を表すデータが記録される。なお、前記ナビデータデータベース６４には、所定の情報を音声で出力するための音声出力データも記録される。
【００３５】
ところで、前記情報センタ６２は、交通情報提供者としての交通情報送信センタ、例えば、図示されないＶＩＣＳ（道路交通情報通信システム：Ｖｅｈｉｃｌｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ ａｎｄ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ）センタから送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報のほかに、ニュース、天気予報等の一般情報を受信することができるようになっていて、前記交通情報及び一般情報を、そのままネットワーク４３を介してパソコン６１に送信したり、ナビデータデータベース６４に記録したりする。そのために、前記ナビデータデータベース６４に統計データファイルが配設され、統計データとして過去の交通情報及び一般情報が時系列に記録されるほかに、過去の交通情報及び一般情報に対して所定の加工が施され、交通情報及び一般情報の加工データ、例えば、該加工データとして、探索経路を構成する各道路に沿って移動したときの旅行時間等が記録される。なお、交通情報及び一般情報を加工するのに当たり、前記一般情報等が必要に応じて参照される。
【００３６】
前記情報センタ６２は、個人、企業、団体、地方自治体、政府関係機関等のいずれであってもよい。そして、情報センタ６２は、前記ナビデータ等を自ら作成したり、他の情報提供者から購入したりしてパソコン６１に送信する。
【００３７】
また、前記ネットワーク４３としては、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、ＷＡＮ（Ｗｉｄｅ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等から成る各種の通信手段を使用することができる。そして、前記ネットワーク４３としては、放送用衛星によるＣＳ放送、ＢＳ放送、地上波ディジタルテレビ放送、ＦＭ多重放送等を利用する通信手段を使用することもできる。さらに、前記ネットワーク４３としては、高度道路交通システム（ＩＴＳ）において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム（ＥＴＣ）、境域通信システム（ＤＳＲＣ）等の通信手段を使用することもできる。
【００３８】
次に、前記構成のナビゲーション装置１４について説明する。
【００３９】
図３は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置のブロック図である。
【００４０】
図において、１４はナビゲーション装置であり、該ナビゲーション装置１４は、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部１７、地図データ、経路が探索されたときの経路データ等のナビデータが記録されるデータ記録部１６、操作部としての入力部３４、第１の通知部としての表示部３５、第２の通知部としての音声出力部３７、通信部３８、第１、第２のスロットとしての外部スロット４４、４５等を備える。なお、前記データ記録部１６は、フラッシュメモリによって構成され、内部記憶装置として配設される。
【００４１】
そして、前記外部スロット４４、４５は、インタフェースを構成し、現在地検出部としてのＧＰＳカード４６を外部スロット４４にセットすることによって、ＧＰＳカード４６により現在地を検出することができ、通信部としての通信カード４７を外部スロット４４にセットすることによって、通信カード４７によりネットワーク４３（図２）とナビゲーション装置１４とを接続することができ、メモリカード４８を外部スロット４５にセットすることによって、メモリカード４８に記録された各種のプログラム、データ等を読み出すことができる。
【００４２】
前記ＧＰＳカード４６には、図示されないＧＰＳセンサが内蔵されていて、該ＧＰＳセンサは、人工衛星によって発生させられた電波、すなわち、ＧＰＳ信号を受信することにより、地球上における現在地を検出する。
【００４３】
前記ナビゲーション処理部１７は、ナビゲーション装置１４の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのＣＰＵ３１、該ＣＰＵ３１が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるＲＡＭ３２、並びに制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたＲＯＭ３３を内部記憶装置として備え、前記ナビゲーション処理部１７に、前記入力部３４、表示部３５、音声入力部３６、音声出力部３７、通信部３８、データ記録部１６、及び外部スロット４４、４５が接続される。なお、前記ＲＡＭ３２、ＲＯＭ３３、データ記録部１６等として半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としてＣＰＵ３１に代えてＭＰＵ等を使用することもできる。
【００４４】
前記データ記録部１６には、フラッシュメモリが使用されるが、図示されないハードディスクが外部記憶装置として配設することもできる。その場合、ハードディスクに記録されたデータを読み出すための読出装置、及びハードディスクにデータを記録するための書込装置が配設される。なお、前記ハードディスクによって第３の記録媒体が構成される。そして、前記ハードディスクに代えて、フレキシブルディスク、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＭＤ、ＤＶＤ、光ディスク、ＭＯ、ＩＣカード、光カード、メモリカード等を外部記憶装置として配設することができる。
【００４５】
本実施の形態においては、前記ＲＯＭ３３に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部１６に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置に記録することもできる。この場合、例えば、前記外部記憶装置から前記プログラム、データ等を読み出してデータ記録部１６に書き込むこともできる。したがって、外部記憶装置を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【００４６】
前記入力部３４は、現在地を修正したり、案内開始点を表す出発地、及び案内終了点を表す目的地を入力したり、通信部３８を操作したりするためのものであり、各種のキー、スイッチ、ボタン等の図示されない操作スイッチ及びスタイラスペンから成る。また、前記入力部３４は、前記表示部３５の図示されないディスプレイに形成された画面に画像で表示された各種のキー、バー、スイッチ、ボタン等の図示されない操作スイッチによって構成され、該操作スイッチを前記スタイラスペンによってクリックすることにより、入力を行うことができる。
【００４７】
なお、入力部３４として、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ライトペン、ジョイスティック等を使用したり、音声によって必要な情報を入力するマイクロホン等を使用したりすることができる。
【００４８】
そして、前記ディスプレイに形成された各種の画面には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの探索経路、該探索経路に沿った案内情報、ＦＭ多重放送の番組等が画像で表示される。前記表示部３５としては、ＣＲＴディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイを使用することができる。
【００４９】
さらに、音声出力部３７は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部３７から、前記探索経路、案内情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。なお、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種の音、あらかじめテープ、メモリ等に録音された各種の案内情報等を出力することもできる。
【００５０】
そして、前記通信部３８は、通信カード４７を外部スロット４４にセットすることによって、ナビゲーション装置１４とパソコン６１とを無線ＬＡＮを介して接続したり、ナビゲーション装置１４と情報センタ６２とをネットワーク４３を介して接続したりするための無線通信用の外部通信部４９、及びナビゲーション装置１４とパソコン６１とを、シリアルコネクタ、ケーブル等を介して接続するための有線通信用の外部通信部５０を備える。なお、前記外部通信部４９によって、ＶＩＣＳセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信したり、ニュース、天気予報等の一般情報をＦＭ多重情報として受信したりすることができる。
【００５１】
ところで、前記構成のナビゲーションシステムにおいては、操作者が、例えば、パソコン６１の操作部７３を操作して、地図データを取得しようとする所定の地域を選択して入力すると、ＣＰＵ７１の図示されない地図データ要求処理手段は、地図データ要求処理を行い、所定の要求信号を情報センタ６２に送信する。
【００５２】
そして、情報センタ６２において要求信号が受信されると、サーバ６３の図示されない第１の情報取得処理手段は、第１の情報取得処理を行い、ナビデータデータベース６４の地図データファイルを参照して、選択された地域の地図データを読み出し、取得する。続いて、前記サーバ６３の図示されない地図データ送信処理手段は、地図データ送信処理を行い、地図データをネットワーク４３を介してパソコン６１に送信する。
【００５３】
そして、前記地図データが送信されると、ＣＰＵ７１の図示されない第１の記録処理手段は、第１の記録処理を行い、前記地図データを記録装置７４のハードディスクにダウンロードする。続いて、操作者が、前記記録装置７４に、メモリカード４８をセットし、所定の手順で操作部７３を操作すると、前記第１の記録処理手段は、ダウンロードされた地図データをメモリカード４８にコピーする。
【００５４】
次に、操作者は、前記メモリカード４８をナビゲーション装置１４の外部スロット４５にセットすると、ＣＰＵ３１の図示されない第２の記録処理手段は、第２の記録処理を行い、前記地図データをデータ記録部１６に更にコピーする。
【００５５】
また、前記構成のナビゲーションシステムにおいては、操作者が、例えば、パソコン６１の操作部７３を操作して出発地及び目的地を入力すると、情報センタ６２において経路が探索され、探索結果がパソコン６１に送られるようになっている。
【００５６】
そのために、前記操作者がパソコン６１の操作部７３を操作して出発地及び目的地を入力すると、ＣＰＵ７１の案内条件設定処理手段９１（図１）は、案内条件設定処理を行い、出発地及び目的地を案内条件として設定し、該案内条件を情報センタ６２に送信する。本実施の形態においては、出発地から目的地までの経路を探索するために、出発地及び目的地を案内条件として設定するようになっているが、他の実施の形態においては、出発地に代えて現在地を案内開始点とする。その場合、前記案内条件設定処理手段９１は、現在地及び目的地を案内条件として設定する。
【００５７】
そして、情報センタ６２において案内条件が受信されると、前記第１の情報取得処理手段は、ナビデータデータベース６４の探索データファイル及び地図データファイルを参照して探索データ及び地図データを読み出し、経路を探索するために必要な情報を取得する。なお、第１の情報取得処理手段は、統計データファイルを参照して統計データを読み出したり、ＶＩＣＳセンタから送信された交通情報を読み込んだりすることによって前記情報を取得することもできる。
【００５８】
続いて、前記サーバ６３の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、探索条件を設定する。本実施の形態において、前記探索条件設定処理手段は、例えば、第１の探索条件として経路長が、第２の探索条件として経路の勾配の程度、起伏の程度、昇降路の有無、昇降機械の有無等によって表される昇降度が設定される。
【００５９】
そして、前記サーバ６３の探索処理手段９２は、探索処理を行い、前記案内条件及び各探索条件に従って、前記探索データ、交通情報、統計データ等に基づいて経路を探索する。
【００６０】
そのために、前記探索処理手段９２は、各道路におけるノード点間リンクのリンクの長さ（以下「道路長」という。）に応じて付与されたリンクコスト、道路状態、道路属性及び道路種別に応じて付与された道路コスト、渋滞情報に応じて付与された渋滞コスト等のコストに基づいて、候補となる経路におけるコストの合計（以下「総コスト」という。）を計算し、候補となる経路のうちの総コストの最も低い経路を探索経路とする。
【００６１】
また、第１の探索条件に基づいて経路を探索する場合、前記探索処理手段９２は、リンクが長いほど道路に付与されるリンクコストの重みを大きくして総コストを計算し、経路長が短い経路を第１の探索経路ｒ１として探索する。また、第２の探索条件に基づいて経路を探索する場合、前記探索処理手段９２は、経路内の各地点における勾配の絶対値の累積値（以下「勾配累積値」という。）が大きいほど、道路に付与される道路コストの重みを大きくして総コストを計算し、勾配累積値の小さい経路を第２の探索経路ｒ２として探索したり、経路内の互いに隣接する各地点間の高度差の絶対値の累積値（以下「高度差累積値」という。）が大きいほど、道路に付与される道路コストの重みを大きくして総コストを計算し、高度差累積値が小さく、高さ方向の移動量が少ない経路を第３の探索経路ｒ３として探索したり、経路上に歩道橋、地下道、階段等の昇降路が存在する場合に、道路に付与される道路コストの重みを大きくして総コストを計算し、昇降路のない経路、昇降機械のある経路等を第４の探索経路ｒ４として探索したりする。
【００６２】
続いて、前記サーバ６３の図示されない経路案内データ送信処理手段は、経路案内データ送信処理を行い、前記第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を表す経路データ、各第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４のうちの所定の探索経路を選択するための補助的な情報となる付加情報を表す付加情報データ、各第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４の周辺の地図を表す地図データ、音声出力部３７によって探索経路を案内するための音声出力データ等を経路案内データとしてパソコン６１に送信する。
【００６３】
前記経路データとしては、各第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を構成する道路データ、各第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４の各地点の位置、高度等が送信される。また、前記付加情報データとして、経路長、勾配累積値、高度差累積値等が送信されるほかに、昇降路、昇降機械等の有無、経路の起伏（登り降り）の頻度、旅行時間等が送信される。前記経路長、勾配累積値、高度差累積値、昇降路、昇降機械等の有無、経路の起伏の頻度、旅行時間等によって付加情報が構成される。
【００６４】
そして、前記地図データとしては、探索経路が含まれるメッシュ、及び該メッシュに隣接するメッシュのメッシュ情報が送信される。なお、前記各メッシュは、所定の長さ四方の地域の地図データによって構成され、前記各地域は、地図データの量、すなわち、データ量が一定の範囲に収まるように設定され、各メッシュごとに識別番号としてパーセル番号が付与され、該パーセル番号によって管理される。前記地域の広さは、市街地のように地図データに含まれる情報が多い地域と、郊外のように地図データに含まれる情報が少ない地域とで異なる。例えば、１２８〔キロバイト〕のデータ量ごとにメッシュを構成した場合、標準の地域において、メッシュは４キロメートル四方の地域の地図データから成り、地図データに含まれる情報が多い地域において、メッシュは２キロメートル四方の地域の地図データから成り、地図データに含まれる情報が少ない地域において、メッシュは８キロメートル四方の地域の地図データから成る。
【００６５】
また、前記音声出力データは、情報センタ６２からパソコン６１に送信することができるが、ナビゲーション装置１４のデータ記録部１６にあらかじめ音声出力データを記録しておくこともでき、その場合、経路案内データとして送信する必要はない。
【００６６】
そして、前記経路案内データが送信されると、ＣＰＵ７１の第１の記録処理手段は、前記経路案内データを記録装置７４のハードディスクにダウンロードする。続いて、操作者が、前記記録装置７４に、メモリカード４８をセットし、所定の手順で操作部７３を操作すると、前記第１の記録処理手段は、ダウンロードされた経路案内データをメモリカード４８にコピーする。
【００６７】
次に、操作者は、前記メモリカード４８をナビゲーション装置１４の外部スロット４５にセットすると、ＣＰＵ３１の第２の記録処理手段は、第２の記録処理を行い、前記経路案内データをデータ記録部１６に更にコピーする。
【００６８】
次に、前記ナビゲーション装置１４の動作について説明する。
【００６９】
図４は本発明の実施の形態における探索経路選択画面の例を示す第１の図、図５は本発明の実施の形態における探索経路選択画面の例を示す第２の図である。
【００７０】
まず、図示されない電源スイッチが投入されると、前記ナビゲーション装置１４（図３）が起動され、ＧＰＳカード４６によって現在地Ｐｐが検出される。そして、前記ＣＰＵ３１の図示されない第２の情報取得処理手段は、第２の情報取得処理を行い、データ記録部１６から経路案内データを読み出して取得する。
【００７１】
続いて、ＣＰＵ３１の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、表示部３５のディスプレイに図４又は５に示されるような探索経路選択画面ｇ１、ｇ２を形成し、該探索経路選択画面ｇ１、ｇ２に第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を断面的にグラフで表示する。
【００７２】
すなわち、図４において、ＡＲ１は探索処理によって得られた第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３の例を示す高度分布グラフであり、横軸に各第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３の経路長を表す距離が、縦軸に各第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３の各地点の高度が採ってある。なお、出発地の高度が０〔ｍ〕にされ、各地点の高度は、出発地より高い場合、正の値を、出発地より低い場合、負の値を採る。
【００７３】
前記高度分布グラフＡＲ１において、線Ｌ１〜Ｌ３は第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３の高度分布を表す。線Ｌ１によって、第１の探索経路ｒ１が、勾配累積値及び高度差累積値は大きいが、経路長の最も短い経路であることが分かる。また、線Ｌ２によって、第２の探索経路ｒ２が、経路長は長いが、勾配累積値の最も小さい経路であることが分かる。そして、線Ｌ３によって、第３の探索経路ｒ３が、経路長は長いが、高度差累積値の最も小さい経路であることが分かる。
【００７４】
また、ｋ１は第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３を選択するための選択キー、ｋ２は選択された探索経路を確認（ＯＫ）するための確認キーである。
【００７５】
したがって、操作者が前記高度分布グラフＡＲ１によって表示された第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３の高度分布をみて、スタイラスペンによって前記選択キーｋ１の所定の部分をタッチすると、所定の探索経路が選択され、続いて、スタイラスペンによって前記確認キーｋ２をタッチすると、前記探索経路が確定される。
【００７６】
また、図５において、ＡＲ２は探索処理によって得られた第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の例を示す高度分布グラフであり、横軸に各第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の経路長を表す距離が、縦軸に各第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の各地点の高度が採ってある。
【００７７】
前記高度分布グラフＡＲ２において、線Ｌ１１〜Ｌ１３は第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の高度分布を表す。線Ｌ１１によって、第１の探索経路ｒ１が、地点ｐ１において歩道橋が、地点ｐ２において地下道が存在するが、経路長は短い経路であることが分かる。また、線Ｌ１２によって、第２の探索経路ｒ２が、経路長は長いが、勾配累積値が小さい経路であることが分かる。そして、線Ｌ１３によって、第４の探索経路ｒ４が、経路長は長いが、昇降路は存在せず、しかも、勾配累積値が小さく、地点ｐ３においてエレベータが存在する経路であることが分かる。なお、地点ｐ１〜ｐ３に対応させて歩道橋、地下道、エレベータ等の文字が付加情報として表示される。
【００７８】
また、ｋ１１は第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４を選択するための選択キーであり、該選択キーｋ１１に隣接させて、付加情報として、各第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の経路長及び高度差累積値が表示される。また、ｋ１２は選択された探索経路を確認するための確認キーである。
【００７９】
したがって、操作者が前記高度分布グラフＡＲ２によって表示された第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の高度分布、及び各第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の経路長及び高度差累積値をみて、スタイラスペンによって前記選択キーｋ１１の所定の部分をタッチすると、所定の探索経路が選択され、続いて、スタイラスペンによって前記確認キーｋ１２をタッチすると、前記探索経路が確定される。
【００８０】
なお、前記表示処理手段によって出力処理手段９３（図１）が構成され、該出力処理手段９３は、出力処理処理を行い、第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を出力する。そして、出力処理手段９３は、探索経路選択画面ｇ１、ｇ２に第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を表示するのに代えて、音声で第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を出力することができる。その場合、第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４の起伏、経路長等の特徴、及び付加情報が音声で出力され、操作者に通知される。
【００８１】
このように、第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４の高度分布がグラフで表示されるので、操作者は、探索経路上に相対的に高度の異なる地点が存在しているかどうかを認識することができる。
【００８２】
そして、出発地から目的地まで歩行するに当たり、所定の探索経路を選択した場合、階段等の昇降路を昇降して移動する必要があるかどうか、降坂路、登坂路等を移動する必要があるかどうか、昇降機械を使用して移動することができるかどうか、大きな荷物等を保持して移動する必要があるかどうか等の昇降条件によって、所定の探索経路を選択することができるので、操作者にとって好ましい探索経路を確実に得ることができる。
【００８３】
このようにして、所定の探索経路が選択されると、前記表示処理手段は、表示部３５の図示されない地図画面を形成し、該地図画面に現在地、選択された探索経路を表示するとともに、周辺の地図を表示する。
【００８４】
したがって、操作者は現在地Ｐｐを認識することができるだけでなく、周辺の情況を認識することができ、探索経路に従って目的地まで歩行することができる。
【００８５】
なお、操作者による指定に基づいて、前記地図画面及び探索経路選択画面を二画面で表示することもできる。
【００８６】
また、本実施の形態においては、付加情報として経路長及び高度差累積値のほかに、昇降路、昇降機械等の文字が表示されるようになっているが、付加情報として旅行時間を表示することもできる。なお、前記付加情報のうちの、前記高度差累積値、昇降路、昇降機械等は、各第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４における高度の異なる地点間の高度差に基づく高度指標を表す。
【００８７】
そして、本発明を車両に搭載されたナビゲーション装置に適用した場合、出発地から目的地まで車両を走行させるに当たり、相対的に高度の異なる地点間において、高速道路、有料道路等の高速・有料道を使用して移動する必要があるかどうか、例えば、山岳地帯において雪道等を移動する必要があるかどうか、幅員が十分にある道路を移動することができるかどうか等の昇降条件によって、所定の探索経路を選択することができる。したがって、運転者にとって好ましい探索経路を確実に得ることができる。
【００８８】
また、本実施の形態においては、メモリカード４８に記録された経路案内データがデータ記録部１６にコピーされ、第２の情報取得処理手段は、データ記録部１６から経路案内データを読み出すようになっているが、他の実施の形態においては、ナビゲーション装置１４と情報センタ６２とをネットワーク４３を介して接続し、サーバ６３の経路案内データ送信処理手段によって送信された経路案内データを、ナビゲーション装置１４の外部通信部４９を介して受信し、前記第２の情報取得処理手段によって取得する。
【００８９】
また、更に他の実施の形態においては、ナビゲーション装置１４とパソコン６１とを無線ＬＡＮを介して接続し、パソコン６１から送信された経路案内データを、ナビゲーション装置１４の外部通信部４９を介して受信し、前記第２の情報取得処理手段によって取得する。
【００９０】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によればナビゲーションシステムにおいては、高度データを用いて探索経路が探索され、該探索経路の高度分布が出力されるので、案内開始点から案内終了点まで移動するに当たり、操作者にとって好ましい探索経路を確実に得ることができる。
【００９１】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によればナビゲーションシステムにおいては、探索経路の高度分布が出力されるので、案内開始点から案内終了点まで移動するに当たり、操作者にとって好ましい探索経路を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの機能ブロック図である。
【図２】本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの概念図である。
【図３】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置のブロック図である。
【図４】本発明の実施の形態における探索経路選択画面の例を示す第１の図である。
【図５】本発明の実施の形態における探索経路選択画面の例を示す第２の図である。
【符号の説明】
１４ ナビゲーション装置
３１、７１ ＣＰＵ
４３ ネットワーク
６１ パソコン
６２ 情報センタ
６３ サーバ
９１ 案内条件設定処理手段
９２ 探索処理手段
９３ 出力処理手段
ｒ１〜ｒ４ 第１〜第４の探索経路
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、探索情報出力方法及びプログラムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、ＧＰＳ（グローバルポジショニングシステム）によって現在の位置、すなわち、現在地が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部のディスプレイに地図画面が形成され、該地図画面に、現在地及び周辺の地図が表示されるようになっている。したがって、操作者は現在地を認識することができるだけでなく、周辺の情況を認識することができる。
【０００３】
また、ナビゲーション装置によって検出された現在地に基づいて出発地から目的地まで所定の経路を移動することができる。
【０００４】
例えば、移動用端末としてのＰＤＡ（個人用携帯情報端末）にナビゲーション装置が搭載されている場合、操作者が出発地及び目的地を入力すると、探索処理が行われて経路が探索され、探索された経路、すなわち、探索経路が、出力装置によって出力され、例えば、出力装置が表示部である場合、表示部に形成された地図画面に表示される。したがって、操作者は、ＰＤＡを保持しながら、ナビゲーション装置によって検出された現在地、及び表示された探索経路に従って出発地から目的地まで歩行することができる。
【０００５】
また、例えば、車両にナビゲーション装置が搭載されている場合、操作者である運転者が出発地及び目的地を入力すると、探索処理が行われて経路が探索され、探索経路が出力装置によって出力され、例えば、出力装置が表示部である場合、表示部に形成された地図画面に表示される。したがって、運転者は、ナビゲーション装置によって検出された現在地、及び表示された探索経路に従って出発地から目的地まで車両を走行させることができる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、あらかじめ設定された探索条件、例えば、出発地から目的地までの距離を表す経路長に従って経路が探索されるので、探索経路が必ずしも操作者にとって好ましいものであるかどうか分からない。
【０００７】
すなわち、探索経路上に相対的に高度の異なる地点が存在していると、操作者は最も高度の低い地点と最も高度の高い地点との間を移動する必要が生じるので、相対的に高度の異なる地点間を移動する条件、すなわち、昇降条件によっては、仮に、経路長が短い経路が探索経路とされても、操作者にとって好ましい探索経路ではない場合がある。
【０００８】
例えば、出発地から目的地まで歩行するに当たり、相対的に高度の異なる地点間において、階段等の昇降路を昇降して移動する必要があるかどうか、降坂路、登坂路等を移動する必要があるかどうか、エレベータ、エスカレータ等の昇降機械を使用して移動することができるかどうか、大きな荷物等を保持して移動する必要があるかどうか等の昇降条件によって、得られた探索経路が操作者にとって好ましいものであるかどうかの判断は異なる。
【０００９】
また、出発地から目的地まで車両を走行させるに当たり、相対的に高度の異なる地点間において、高速道路、有料道路等の高速・有料道を使用して移動する必要があるかどうか、例えば、山岳地帯において雪道等を移動する必要があるかどうか、幅員が十分にある道路を移動することができるかどうか等の昇降条件によって、得られた探索経路が操作者にとって好ましいものであるかどうかの判断は異なる。
【００１０】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、操作者にとって好ましい探索経路を確実に得ることができるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、探索情報出力方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のナビゲーションシステムにおいては、案内開始点及び案内終了点を設定する案内条件設定処理手段と、前記案内開始点、案内終了点、及び地点の高度データを含むナビデータに基づいて探索経路を探索する探索処理手段と、前記探索経路の高度分布を出力する出力処理手段とを有する。
そして、前記探索処理手段は、前記高度データに基づいて得られる、経路内の互いに隣接する各地点間の高度差の絶対値の累積値を用いて道路コストを変更することによって前記探索経路を探索する。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、第１の移動用端末としてのＰＤＡ（個人用携帯情報端末）に搭載されたナビゲーション装置について説明するが、車両に搭載されたナビゲーション装置に適用することもできる。
【００２１】
図１は本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの機能ブロック図である。
【００２２】
図において、９１は案内開始点及び案内終了点を設定する案内条件設定処理手段、９２は、前記案内開始点、案内終了点、及び地点の高度データを含むナビデータに基づいて探索経路を探索する探索処理手段、９３は前記探索経路の高度分布を出力する出力処理手段である。
【００２３】
図２は本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの概念図である。
【００２４】
図において、６１は第２の利用者端末としてのパソコン、６２は情報提供者としての情報センタであり、前記パソコン６１、情報センタ６２等はネットワーク４３を介して接続される。また、１４はＰＤＡに搭載されたナビゲーション装置であり、該ナビゲーション装置１４は、ナビゲーション処理部１７、データ記録部１６等を備える。
【００２５】
前記パソコン６１、サーバ６３、ナビゲーション処理部１７等は、それぞれ単独に、又は二つ以上を組み合わせることによって、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。前記ナビゲーション装置１４、ネットワーク４３、パソコン６１、情報センタ６２等によってナビゲーションシステムが構成される。
【００２６】
前記パソコン６１は、演算装置及び制御装置としてのＣＰＵ７１、操作者に対して各種の情報を出力する出力装置としての表示部７２、操作部７３、記録装置７４、通信部７５等を備える。本実施の形態においては、前記演算装置及び制御装置としてＣＰＵ７１が使用されるようになっているが、ＣＰＵ７１に代えてＭＰＵ等を使用することもできる。また、前記表示部７２としては、ＣＲＴディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイを使用することができる。本実施の形態においては、出力装置として表示部７２が使用されるようになっているが、該表示部７２に代えて操作者に対して音声で各種の情報を出力する音声出力装置を使用することもできる。
【００２７】
また、操作部７３としては、キーボード、マウス等を使用することができるほかに、前記ディスプレイに形成されたタッチパネルを使用することもできる。また、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック等を使用することもできる。前記タッチパネルにおいては、ディスプレイに各種のキー、スイッチ、ボタン等の操作部領域が形成され、該操作部領域をタッチ（押下）することによって入力を行うことができる。
【００２８】
また、前記記録装置７４には、ＲＡＭ、ＲＯＭ、フラッシュメモリ等の図示されない内部記憶装置が内蔵されるほかに、ハードディスク、メモリカード等の外部記憶装置が選択的に配設される。なお、前記ハードディスクによって第１の記録媒体が、メモリカードによって第２の記録媒体が構成される。また、前記外部記憶装置として、ハードディスク及びメモリカードのほかに、磁気テープ、磁気ドラム、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＭＤ、ＤＶＤ、光ディスク、ＭＯ、ＩＣカード、光カード等を配設することができる。なお、前記外部記憶装置を使用するためには、記録装置７４に、外部記憶装置に記録されたデータを読み出すための読出装置、及びデータを記録するための書込装置が配設される。
【００２９】
本実施の形態においては、前記利用者端末としてパソコン６１が使用されるようになっているが、該パソコン６１に代えて電子手帳、携帯電話、携帯端末、テレビ電話、ゲーム機等のような、前記ネットワーク４３に接続することができ、双方向の通信を行うことができるものを使用することもできる。また、本実施の形態においては、移動用端末としてＰＤＡが使用されるようになっているが、該ＰＤＡに代えて電子手帳、携帯電話、携帯端末、テレビ電話、ゲーム機等のような、移動させながら双方向の通信を行うことができるものを使用することもできる。
【００３０】
そして、前記情報センタ６２は、サーバ６３、該サーバ６３に接続され、ナビデータを記録するためのナビデータデータベース（ＤＢ）６４等を備える。該ナビデータデータベース６４は、地図を表示するための地図データが記録された地図データファイル、経路を探索するための探索データが記録された探索データファイル、各種の施設に関する施設データが記録された施設データファイル等から成る。前記地図データファイルに、道路データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、施設データファイル等のデータファイルが形成され、道路データファイルに各道路（道路リンク）の情報を表す道路データが、交差点データファイルに各交差点の情報を表す交差点データが、ノードデータファイルに、各道路に沿って設定されたノード点の情報を表すノードデータ、施設データファイルに所定の施設のランドマークを表すデータ、すなわち、ランドマークデータがそれぞれ記録される。なお、ランドマークデータは、施設の位置を表す座標、施設の名称、ランドマークを描画するためのイメージ等から成る。また、地図データ、探索データ、施設データ等によってナビデータが構成される。
【００３１】
そして、前記道路データとして、道路状態に関して、幅員、勾（こう）配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り、道路上のノード点に対応させて設定された地点の位置、地点の高度（高さ）等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、Ｔ字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路、山岳路等を表すデータ、歩道橋、地下道、階段等の昇降路を表すデータ等のほかに、エレベータ、エスカレータ等の昇降機械を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速道路、都市高速道路、有料道路等の高速・有料道を表すデータがそれぞれ記録される。さらに、高速・有料道に関して、入口及び出口の取付道（ランプウェイ）、料金所等を表すデータが記録される。
【００３２】
また、前記ノードデータとして、実際の道路の分岐点（交差点、Ｔ字路等も含む）、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点、各ノード点の位置を表す座標、各ノード点間を連結するノード点間リンク、該ノード点間リンクの長さ、各ノード点の高度（高さ）等を表す高度データが記録される。
【００３３】
そして、探索データとして、探索経路を構成する各道路の道路番号、道路の長さ等を表すデータが記録される。
【００３４】
また、前記施設データとして、各地域のホテル、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等の施設を表すデータが記録される。なお、前記ナビデータデータベース６４には、所定の情報を音声で出力するための音声出力データも記録される。
【００３５】
ところで、前記情報センタ６２は、交通情報提供者としての交通情報送信センタ、例えば、図示されないＶＩＣＳ（道路交通情報通信システム：Ｖｅｈｉｃｌｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ ａｎｄ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ）センタから送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報のほかに、ニュース、天気予報等の一般情報を受信することができるようになっていて、前記交通情報及び一般情報を、そのままネットワーク４３を介してパソコン６１に送信したり、ナビデータデータベース６４に記録したりする。そのために、前記ナビデータデータベース６４に統計データファイルが配設され、統計データとして過去の交通情報及び一般情報が時系列に記録されるほかに、過去の交通情報及び一般情報に対して所定の加工が施され、交通情報及び一般情報の加工データ、例えば、該加工データとして、探索経路を構成する各道路に沿って移動したときの旅行時間等が記録される。なお、交通情報及び一般情報を加工するのに当たり、前記一般情報等が必要に応じて参照される。
【００３６】
前記情報センタ６２は、個人、企業、団体、地方自治体、政府関係機関等のいずれであってもよい。そして、情報センタ６２は、前記ナビデータ等を自ら作成したり、他の情報提供者から購入したりしてパソコン６１に送信する。
【００３７】
また、前記ネットワーク４３としては、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、ＷＡＮ（Ｗｉｄｅ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等から成る各種の通信手段を使用することができる。そして、前記ネットワーク４３としては、放送用衛星によるＣＳ放送、ＢＳ放送、地上波ディジタルテレビ放送、ＦＭ多重放送等を利用する通信手段を使用することもできる。さらに、前記ネットワーク４３としては、高度道路交通システム（ＩＴＳ）において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム（ＥＴＣ）、境域通信システム（ＤＳＲＣ）等の通信手段を使用することもできる。
【００３８】
次に、前記構成のナビゲーション装置１４について説明する。
【００３９】
図３は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置のブロック図である。
【００４０】
図において、１４はナビゲーション装置であり、該ナビゲーション装置１４は、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部１７、地図データ、経路が探索されたときの経路データ等のナビデータが記録されるデータ記録部１６、操作部としての入力部３４、第１の通知部としての表示部３５、第２の通知部としての音声出力部３７、通信部３８、第１、第２のスロットとしての外部スロット４４、４５等を備える。なお、前記データ記録部１６は、フラッシュメモリによって構成され、内部記憶装置として配設される。
【００４１】
そして、前記外部スロット４４、４５は、インタフェースを構成し、現在地検出部としてのＧＰＳカード４６を外部スロット４４にセットすることによって、ＧＰＳカード４６により現在地を検出することができ、通信部としての通信カード４７を外部スロット４４にセットすることによって、通信カード４７によりネットワーク４３（図２）とナビゲーション装置１４とを接続することができ、メモリカード４８を外部スロット４５にセットすることによって、メモリカード４８に記録された各種のプログラム、データ等を読み出すことができる。
【００４２】
前記ＧＰＳカード４６には、図示されないＧＰＳセンサが内蔵されていて、該ＧＰＳセンサは、人工衛星によって発生させられた電波、すなわち、ＧＰＳ信号を受信することにより、地球上における現在地を検出する。
【００４３】
前記ナビゲーション処理部１７は、ナビゲーション装置１４の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのＣＰＵ３１、該ＣＰＵ３１が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるＲＡＭ３２、並びに制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたＲＯＭ３３を内部記憶装置として備え、前記ナビゲーション処理部１７に、前記入力部３４、表示部３５、音声入力部３６、音声出力部３７、通信部３８、データ記録部１６、及び外部スロット４４、４５が接続される。なお、前記ＲＡＭ３２、ＲＯＭ３３、データ記録部１６等として半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としてＣＰＵ３１に代えてＭＰＵ等を使用することもできる。
【００４４】
前記データ記録部１６には、フラッシュメモリが使用されるが、図示されないハードディスクが外部記憶装置として配設することもできる。その場合、ハードディスクに記録されたデータを読み出すための読出装置、及びハードディスクにデータを記録するための書込装置が配設される。なお、前記ハードディスクによって第３の記録媒体が構成される。そして、前記ハードディスクに代えて、フレキシブルディスク、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＭＤ、ＤＶＤ、光ディスク、ＭＯ、ＩＣカード、光カード、メモリカード等を外部記憶装置として配設することができる。
【００４５】
本実施の形態においては、前記ＲＯＭ３３に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部１６に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置に記録することもできる。この場合、例えば、前記外部記憶装置から前記プログラム、データ等を読み出してデータ記録部１６に書き込むこともできる。したがって、外部記憶装置を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【００４６】
前記入力部３４は、現在地を修正したり、案内開始点を表す出発地、及び案内終了点を表す目的地を入力したり、通信部３８を操作したりするためのものであり、各種のキー、スイッチ、ボタン等の図示されない操作スイッチ及びスタイラスペンから成る。また、前記入力部３４は、前記表示部３５の図示されないディスプレイに形成された画面に画像で表示された各種のキー、バー、スイッチ、ボタン等の図示されない操作スイッチによって構成され、該操作スイッチを前記スタイラスペンによってクリックすることにより、入力を行うことができる。
【００４７】
なお、入力部３４として、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ライトペン、ジョイスティック等を使用したり、音声によって必要な情報を入力するマイクロホン等を使用したりすることができる。
【００４８】
そして、前記ディスプレイに形成された各種の画面には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの探索経路、該探索経路に沿った案内情報、ＦＭ多重放送の番組等が画像で表示される。前記表示部３５としては、ＣＲＴディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイを使用することができる。
【００４９】
さらに、音声出力部３７は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部３７から、前記探索経路、案内情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。なお、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種の音、あらかじめテープ、メモリ等に録音された各種の案内情報等を出力することもできる。
【００５０】
そして、前記通信部３８は、通信カード４７を外部スロット４４にセットすることによって、ナビゲーション装置１４とパソコン６１とを無線ＬＡＮを介して接続したり、ナビゲーション装置１４と情報センタ６２とをネットワーク４３を介して接続したりするための無線通信用の外部通信部４９、及びナビゲーション装置１４とパソコン６１とを、シリアルコネクタ、ケーブル等を介して接続するための有線通信用の外部通信部５０を備える。なお、前記外部通信部４９によって、ＶＩＣＳセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信したり、ニュース、天気予報等の一般情報をＦＭ多重情報として受信したりすることができる。
【００５１】
ところで、前記構成のナビゲーションシステムにおいては、操作者が、例えば、パソコン６１の操作部７３を操作して、地図データを取得しようとする所定の地域を選択して入力すると、ＣＰＵ７１の図示されない地図データ要求処理手段は、地図データ要求処理を行い、所定の要求信号を情報センタ６２に送信する。
【００５２】
そして、情報センタ６２において要求信号が受信されると、サーバ６３の図示されない第１の情報取得処理手段は、第１の情報取得処理を行い、ナビデータデータベース６４の地図データファイルを参照して、選択された地域の地図データを読み出し、取得する。続いて、前記サーバ６３の図示されない地図データ送信処理手段は、地図データ送信処理を行い、地図データをネットワーク４３を介してパソコン６１に送信する。
【００５３】
そして、前記地図データが送信されると、ＣＰＵ７１の図示されない第１の記録処理手段は、第１の記録処理を行い、前記地図データを記録装置７４のハードディスクにダウンロードする。続いて、操作者が、前記記録装置７４に、メモリカード４８をセットし、所定の手順で操作部７３を操作すると、前記第１の記録処理手段は、ダウンロードされた地図データをメモリカード４８にコピーする。
【００５４】
次に、操作者は、前記メモリカード４８をナビゲーション装置１４の外部スロット４５にセットすると、ＣＰＵ３１の図示されない第２の記録処理手段は、第２の記録処理を行い、前記地図データをデータ記録部１６に更にコピーする。
【００５５】
また、前記構成のナビゲーションシステムにおいては、操作者が、例えば、パソコン６１の操作部７３を操作して出発地及び目的地を入力すると、情報センタ６２において経路が探索され、探索結果がパソコン６１に送られるようになっている。
【００５６】
そのために、前記操作者がパソコン６１の操作部７３を操作して出発地及び目的地を入力すると、ＣＰＵ７１の案内条件設定処理手段９１（図１）は、案内条件設定処理を行い、出発地及び目的地を案内条件として設定し、該案内条件を情報センタ６２に送信する。本実施の形態においては、出発地から目的地までの経路を探索するために、出発地及び目的地を案内条件として設定するようになっているが、他の実施の形態においては、出発地に代えて現在地を案内開始点とする。その場合、前記案内条件設定処理手段９１は、現在地及び目的地を案内条件として設定する。
【００５７】
そして、情報センタ６２において案内条件が受信されると、前記第１の情報取得処理手段は、ナビデータデータベース６４の探索データファイル及び地図データファイルを参照して探索データ及び地図データを読み出し、経路を探索するために必要な情報を取得する。なお、第１の情報取得処理手段は、統計データファイルを参照して統計データを読み出したり、ＶＩＣＳセンタから送信された交通情報を読み込んだりすることによって前記情報を取得することもできる。
【００５８】
続いて、前記サーバ６３の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、探索条件を設定する。本実施の形態において、前記探索条件設定処理手段は、例えば、第１の探索条件として経路長が、第２の探索条件として経路の勾配の程度、起伏の程度、昇降路の有無、昇降機械の有無等によって表される昇降度が設定される。
【００５９】
そして、前記サーバ６３の探索処理手段９２は、探索処理を行い、前記案内条件及び各探索条件に従って、前記探索データ、交通情報、統計データ等に基づいて経路を探索する。
【００６０】
そのために、前記探索処理手段９２は、各道路におけるノード点間リンクのリンクの長さ（以下「道路長」という。）に応じて付与されたリンクコスト、道路状態、道路属性及び道路種別に応じて付与された道路コスト、渋滞情報に応じて付与された渋滞コスト等のコストに基づいて、候補となる経路におけるコストの合計（以下「総コスト」という。）を計算し、候補となる経路のうちの総コストの最も低い経路を探索経路とする。
【００６１】
また、第１の探索条件に基づいて経路を探索する場合、前記探索処理手段９２は、リンクが長いほど道路に付与されるリンクコストの重みを大きくして総コストを計算し、経路長が短い経路を第１の探索経路ｒ１として探索する。また、第２の探索条件に基づいて経路を探索する場合、前記探索処理手段９２は、経路内の各地点における勾配の絶対値の累積値（以下「勾配累積値」という。）が大きいほど、道路に付与される道路コストの重みを大きくして総コストを計算し、勾配累積値の小さい経路を第２の探索経路ｒ２として探索したり、経路内の互いに隣接する各地点間の高度差の絶対値の累積値（以下「高度差累積値」という。）が大きいほど、道路に付与される道路コストの重みを大きくして総コストを計算し、高度差累積値が小さく、高さ方向の移動量が少ない経路を第３の探索経路ｒ３として探索したり、経路上に歩道橋、地下道、階段等の昇降路が存在する場合に、道路に付与される道路コストの重みを大きくして総コストを計算し、昇降路のない経路、昇降機械のある経路等を第４の探索経路ｒ４として探索したりする。
【００６２】
続いて、前記サーバ６３の図示されない経路案内データ送信処理手段は、経路案内データ送信処理を行い、前記第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を表す経路データ、各第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４のうちの所定の探索経路を選択するための補助的な情報となる付加情報を表す付加情報データ、各第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４の周辺の地図を表す地図データ、音声出力部３７によって探索経路を案内するための音声出力データ等を経路案内データとしてパソコン６１に送信する。
【００６３】
前記経路データとしては、各第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を構成する道路データ、各第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４の各地点の位置、高度等が送信される。また、前記付加情報データとして、経路長、勾配累積値、高度差累積値等が送信されるほかに、昇降路、昇降機械等の有無、経路の起伏（登り降り）の頻度、旅行時間等が送信される。前記経路長、勾配累積値、高度差累積値、昇降路、昇降機械等の有無、経路の起伏の頻度、旅行時間等によって付加情報が構成される。
【００６４】
そして、前記地図データとしては、探索経路が含まれるメッシュ、及び該メッシュに隣接するメッシュのメッシュ情報が送信される。なお、前記各メッシュは、所定の長さ四方の地域の地図データによって構成され、前記各地域は、地図データの量、すなわち、データ量が一定の範囲に収まるように設定され、各メッシュごとに識別番号としてパーセル番号が付与され、該パーセル番号によって管理される。前記地域の広さは、市街地のように地図データに含まれる情報が多い地域と、郊外のように地図データに含まれる情報が少ない地域とで異なる。例えば、１２８〔キロバイト〕のデータ量ごとにメッシュを構成した場合、標準の地域において、メッシュは４キロメートル四方の地域の地図データから成り、地図データに含まれる情報が多い地域において、メッシュは２キロメートル四方の地域の地図データから成り、地図データに含まれる情報が少ない地域において、メッシュは８キロメートル四方の地域の地図データから成る。
【００６５】
また、前記音声出力データは、情報センタ６２からパソコン６１に送信することができるが、ナビゲーション装置１４のデータ記録部１６にあらかじめ音声出力データを記録しておくこともでき、その場合、経路案内データとして送信する必要はない。
【００６６】
そして、前記経路案内データが送信されると、ＣＰＵ７１の第１の記録処理手段は、前記経路案内データを記録装置７４のハードディスクにダウンロードする。続いて、操作者が、前記記録装置７４に、メモリカード４８をセットし、所定の手順で操作部７３を操作すると、前記第１の記録処理手段は、ダウンロードされた経路案内データをメモリカード４８にコピーする。
【００６７】
次に、操作者は、前記メモリカード４８をナビゲーション装置１４の外部スロット４５にセットすると、ＣＰＵ３１の第２の記録処理手段は、第２の記録処理を行い、前記経路案内データをデータ記録部１６に更にコピーする。
【００６８】
次に、前記ナビゲーション装置１４の動作について説明する。
【００６９】
図４は本発明の実施の形態における探索経路選択画面の例を示す第１の図、図５は本発明の実施の形態における探索経路選択画面の例を示す第２の図である。
【００７０】
まず、図示されない電源スイッチが投入されると、前記ナビゲーション装置１４（図３）が起動され、ＧＰＳカード４６によって現在地Ｐｐが検出される。そして、前記ＣＰＵ３１の図示されない第２の情報取得処理手段は、第２の情報取得処理を行い、データ記録部１６から経路案内データを読み出して取得する。
【００７１】
続いて、ＣＰＵ３１の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、表示部３５のディスプレイに図４又は５に示されるような探索経路選択画面ｇ１、ｇ２を形成し、該探索経路選択画面ｇ１、ｇ２に第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を断面的にグラフで表示する。
【００７２】
すなわち、図４において、ＡＲ１は探索処理によって得られた第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３の例を示す高度分布グラフであり、横軸に各第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３の経路長を表す距離が、縦軸に各第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３の各地点の高度が採ってある。なお、出発地の高度が０〔ｍ〕にされ、各地点の高度は、出発地より高い場合、正の値を、出発地より低い場合、負の値を採る。
【００７３】
前記高度分布グラフＡＲ１において、線Ｌ１〜Ｌ３は第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３の高度分布を表す。線Ｌ１によって、第１の探索経路ｒ１が、勾配累積値及び高度差累積値は大きいが、経路長の最も短い経路であることが分かる。また、線Ｌ２によって、第２の探索経路ｒ２が、経路長は長いが、勾配累積値の最も小さい経路であることが分かる。そして、線Ｌ３によって、第３の探索経路ｒ３が、経路長は長いが、高度差累積値の最も小さい経路であることが分かる。
【００７４】
また、ｋ１は第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３を選択するための選択キー、ｋ２は選択された探索経路を確認（ＯＫ）するための確認キーである。
【００７５】
したがって、操作者が前記高度分布グラフＡＲ１によって表示された第１〜第３の探索経路ｒ１〜ｒ３の高度分布をみて、スタイラスペンによって前記選択キーｋ１の所定の部分をタッチすると、所定の探索経路が選択され、続いて、スタイラスペンによって前記確認キーｋ２をタッチすると、前記探索経路が確定される。
【００７６】
また、図５において、ＡＲ２は探索処理によって得られた第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の例を示す高度分布グラフであり、横軸に各第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の経路長を表す距離が、縦軸に各第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の各地点の高度が採ってある。
【００７７】
前記高度分布グラフＡＲ２において、線Ｌ１１〜Ｌ１３は第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の高度分布を表す。線Ｌ１１によって、第１の探索経路ｒ１が、地点ｐ１において歩道橋が、地点ｐ２において地下道が存在するが、経路長は短い経路であることが分かる。また、線Ｌ１２によって、第２の探索経路ｒ２が、経路長は長いが、勾配累積値が小さい経路であることが分かる。そして、線Ｌ１３によって、第４の探索経路ｒ４が、経路長は長いが、昇降路は存在せず、しかも、勾配累積値が小さく、地点ｐ３においてエレベータが存在する経路であることが分かる。なお、地点ｐ１〜ｐ３に対応させて歩道橋、地下道、エレベータ等の文字が付加情報として表示される。
【００７８】
また、ｋ１１は第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４を選択するための選択キーであり、該選択キーｋ１１に隣接させて、付加情報として、各第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の経路長及び高度差累積値が表示される。また、ｋ１２は選択された探索経路を確認するための確認キーである。
【００７９】
したがって、操作者が前記高度分布グラフＡＲ２によって表示された第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の高度分布、及び各第１、第２、第４の探索経路ｒ１、ｒ２、ｒ４の経路長及び高度差累積値をみて、スタイラスペンによって前記選択キーｋ１１の所定の部分をタッチすると、所定の探索経路が選択され、続いて、スタイラスペンによって前記確認キーｋ１２をタッチすると、前記探索経路が確定される。
【００８０】
なお、前記表示処理手段によって出力処理手段９３（図１）が構成され、該出力処理手段９３は、出力処理処理を行い、第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を出力する。そして、出力処理手段９３は、探索経路選択画面ｇ１、ｇ２に第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を表示するのに代えて、音声で第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４を出力することができる。その場合、第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４の起伏、経路長等の特徴、及び付加情報が音声で出力され、操作者に通知される。
【００８１】
このように、第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４の高度分布がグラフで表示されるので、操作者は、探索経路上に相対的に高度の異なる地点が存在しているかどうかを認識することができる。
【００８２】
そして、出発地から目的地まで歩行するに当たり、所定の探索経路を選択した場合、階段等の昇降路を昇降して移動する必要があるかどうか、降坂路、登坂路等を移動する必要があるかどうか、昇降機械を使用して移動することができるかどうか、大きな荷物等を保持して移動する必要があるかどうか等の昇降条件によって、所定の探索経路を選択することができるので、操作者にとって好ましい探索経路を確実に得ることができる。
【００８３】
このようにして、所定の探索経路が選択されると、前記表示処理手段は、表示部３５の図示されない地図画面を形成し、該地図画面に現在地、選択された探索経路を表示するとともに、周辺の地図を表示する。
【００８４】
したがって、操作者は現在地Ｐｐを認識することができるだけでなく、周辺の情況を認識することができ、探索経路に従って目的地まで歩行することができる。
【００８５】
なお、操作者による指定に基づいて、前記地図画面及び探索経路選択画面を二画面で表示することもできる。
【００８６】
また、本実施の形態においては、付加情報として経路長及び高度差累積値のほかに、昇降路、昇降機械等の文字が表示されるようになっているが、付加情報として旅行時間を表示することもできる。なお、前記付加情報のうちの、前記高度差累積値、昇降路、昇降機械等は、各第１〜第４の探索経路ｒ１〜ｒ４における高度の異なる地点間の高度差に基づく高度指標を表す。
【００８７】
そして、本発明を車両に搭載されたナビゲーション装置に適用した場合、出発地から目的地まで車両を走行させるに当たり、相対的に高度の異なる地点間において、高速道路、有料道路等の高速・有料道を使用して移動する必要があるかどうか、例えば、山岳地帯において雪道等を移動する必要があるかどうか、幅員が十分にある道路を移動することができるかどうか等の昇降条件によって、所定の探索経路を選択することができる。したがって、運転者にとって好ましい探索経路を確実に得ることができる。
【００８８】
また、本実施の形態においては、メモリカード４８に記録された経路案内データがデータ記録部１６にコピーされ、第２の情報取得処理手段は、データ記録部１６から経路案内データを読み出すようになっているが、他の実施の形態においては、ナビゲーション装置１４と情報センタ６２とをネットワーク４３を介して接続し、サーバ６３の経路案内データ送信処理手段によって送信された経路案内データを、ナビゲーション装置１４の外部通信部４９を介して受信し、前記第２の情報取得処理手段によって取得する。
【００８９】
また、更に他の実施の形態においては、ナビゲーション装置１４とパソコン６１とを無線ＬＡＮを介して接続し、パソコン６１から送信された経路案内データを、ナビゲーション装置１４の外部通信部４９を介して受信し、前記第２の情報取得処理手段によって取得する。
【００９０】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によればナビゲーションシステムにおいては、高度データを用いて探索経路が探索され、該探索経路の高度分布が出力されるので、案内開始点から案内終了点まで移動するに当たり、操作者にとって好ましい探索経路を確実に得ることができる。
【００９１】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によればナビゲーションシステムにおいては、探索経路の高度分布が出力されるので、案内開始点から案内終了点まで移動するに当たり、操作者にとって好ましい探索経路を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの機能ブロック図である。
【図２】本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの概念図である。
【図３】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置のブロック図である。
【図４】本発明の実施の形態における探索経路選択画面の例を示す第１の図である。
【図５】本発明の実施の形態における探索経路選択画面の例を示す第２の図である。
【符号の説明】
１４ ナビゲーション装置
３１、７１ ＣＰＵ
４３ ネットワーク
６１ パソコン
６２ 情報センタ
６３ サーバ
９１ 案内条件設定処理手段
９２ 探索処理手段
９３ 出力処理手段
ｒ１〜ｒ４ 第１〜第４の探索経路
Claims (6)
- 案内開始点及び案内終了点を設定する案内条件設定処理手段と、前記案内開始点、案内終了点、及び地点の高度データを含むナビデータに基づいて探索経路を探索する探索処理手段と、前記探索経路の高度分布を出力する出力処理手段とを有するとともに、前記探索処理手段は、前記高度データに基づいて得られる、経路内の互いに隣接する各地点間の高度差の絶対値の累積値を用いて道路コストを変更することによって前記探索経路を探索することを特徴とするナビゲーションシステム。
- 案内開始点及び案内終了点を設定する案内条件設定処理手段と、前記案内開始点、案内終了点、及び地点の高度データを含むナビデータに基づいて複数の探索経路を探索する探索処理手段と、前記各探索経路ごとの高度分布を出力する出力処理手段とを有するとともに、前記探索処理手段は、前記高度データに基づいて得られる、経路内の各地点における勾配の絶対値の累積値及び経路内の互いに隣接する各地点間の高度差の絶対値の累積値を用いて道路コストを変更することによって前記探索経路を探索するナビゲーションシステム。
- 前記出力処理手段は、各探索経路のうちの所定の探索経路を選択するための高度指標を表す付加情報を出力する請求項２に記載のナビゲーションシステム。
- 案内開始点、案内終了点、及び地点の高度データを含むナビデータに基づいて探索された探索経路を表す経路データを少なくとも含む経路案内データを取得する情報取得処理手段と、前記探索経路の高度分布を出力する出力処理手段とを有するナビゲーション装置において、前記高度データに基づいて得られる、経路内の互いに隣接する各地点間の高度差の絶対値の累積値を用いて道路コストを変更することによって前記探索経路が探索されることを特徴とするナビゲーション装置。
- 案内開始点及び案内終了点を設定し、前記案内開始点、案内終了点、及び地点の高度データを含むナビデータに基づいて探索経路を探索し、該探索経路の高度分布を出力するとともに、前記高度データに基づいて得られる、経路内の互いに隣接する各地点間の高度差の絶対値の累積値を用いて道路コストを変更することによって前記探索経路を探索することを特徴とする探索情報出力方法。
- コンピュータを、案内開始点及び案内終了点を設定する案内条件設定処理手段、前記案内開始点、案内終了点、及び地点の高度データを含むナビデータに基づいて探索経路を探索する探索処理手段、並びに前記探索経路の高度分布を出力する出力処理手段として機能させるとともに、前記探索処理手段は、前記高度データに基づいて得られる、経路内の互いに隣接する各地点間の高度差の絶対値の累積値を用いて道路コストを変更することによって前記探索経路を探索することを特徴とするプログラム。
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