JP4171470B2 - コンクリート構造物の補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、永久アンカーを用いてプレストレスを導入するコンクリート構造物の補強方法に関する。より詳しくは、ダムコンクリート構造物、コンクリート製防潮堤、コンクリート製防波堤、LNGタンク用のハイダイク等のコンクリート構造物において、永久アンカーのアンカーケーブルの定着部分を補強することにより、永久アンカー1本当たりの容量が大きくなっても提体が損傷しないようにした補強方法に関する。
昨今、種々の建築物等において、耐震強度の向上等を目的として、特許文献1に示すような永久アンカーを用いた補強工事が行われている。
また、ダムや防波堤等においても、一般建築物等と同様に補強工事が必要な場合が考えられる。該補強工事が必要な場合としては、例えば、従来予想されていなかった大規模地震に対応できるように既存のダムコンクリート構造物の耐震強度を向上させるための補強の必要性や、砂れきが堆積したダムにおいて湛水量を確保するために堰堤のかさ上げを行うことに伴う補強の必要性、ダムコンクリート構造物の経年劣化に伴う補強の必要性、高波に対する防波堤の補強などが挙げられる。
従来から用いられているダムコンクリート構造物11の補強方法としては、図1に示すような既存の提体の下流側に、更に補強用コンクリート構造物12を腹付けして、ダムの厚みを厚くする方法が挙げられる。これは、ダム提体の重量を重くすることにより、ダム提体の耐力を向上させる方法である。
しかしながら、既存のダムコンクリート構造物11(提体)の下流側に更に補強用コンクリート構造物12を腹付けする方法は、補強用コンクリート構造物12を建設するための土地の整備等からはじめなくてはならず、多大な工期と費用が必要であるという問題があった。
そこで、一般建築物等と同様に、ダムコンクリート構造物や防波堤、一般のコンクリート建築物等においても、図2に示すような既存の提体等のコンクリート構造物にプレストレス等の応力を導入して補強する方法が考えられる。
しかしながら、既存のコンクリート提体等に削孔機によりケーブル挿通孔を開けて、コンクリート提体上部側に鋼製のアンカープレートと、定着金具を配置し、アンカーケーブルを緊張させ、定着させることにより、提体に大きな荷重を加えると、定着部分背後のコンクリート等のアンカーケーブル定着部分付近に大きな割裂き応力が働く。
特に、ダムや防波堤においては、コンクリート構造物である提体の自重により、該コンクリート構造物が受ける応力に抵抗しているため、該コンクリート構造物を形成するコンクリート自体の強度は一般的に低い。このようなコンクリート構造物のコンクリートへ大きな応力を加えると、クラックが発生しやすいという問題がある。
特開平6−336727号公報
一方、コンクリート構造物を補強するにあたって、施工費用及び工期を少なくするためには、容量の大きい永久アンカーを用いて、永久アンカーの数を少なくするのが一番であるが、永久アンカーの数を少なくすると、永久アンカー1本当たりにかかる荷重が大きくなり、アンカーケーブルの定着部分背後のコンクリートにかかる割裂き応力も大きくなる。
その結果、該割裂き応力にコンクリートが耐えきれず、アンカーケーブルの定着部分背後にクラック等が生じ、コンクリート構造物が損傷することが懸念される。
このため、永久アンカーの数を増やして、応力を分散させなければならず、多大な施工費用や工期がかかるという問題が生じていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされた発明であり、具体的には、以下のような構成を有する。
(1)コンクリート構造物の永久アンカーを用いた補強方法であって、アンカーケーブルを挿入するケーブル挿通孔を設ける工程、該ケーブル挿通孔のアンカーケーブル挿入口側に、該ケーブル挿通孔の孔径よりも大きな径の空間を設ける工程、該空間の内部に該ケーブル挿通孔と略同径のケーブル挿通管を設ける工程、該空間の内部であって該ケーブル挿通管の周囲に補強筋を配置する工程、該ケーブル挿通管の周囲にコンクリートを充填する工程、該ケーブル挿通管を通して該ケーブル挿通孔にアンカーケーブルを挿入する工程、及び、該ケーブル挿通孔にグラウトを充填する工程、及び、該アンカーケーブルに張力をかけて定着させる工程を有することを特徴とするコンクリート構造物の補強方法である。
(2)コンクリート構造物から、ケーブル挿通孔のアンカーケーブル挿入口側に設けられた空間にわたって、横鉄筋を配置する工程を有する前記(1)に記載のコンクリート構造物の補強方法である。
(3)補強筋を配置する工程が、補強筋を有するコンクリートブロックをケーブル挿通管の周囲に配置することによってなされる前記(1)から(2)のいずれかに記載のコンクリート構造物の補強方法。
(4)ケーブル挿通管の周囲に打設されたコンクリートが30/mm2以上の強度を有する前記(1)から(3)のいずれかに記載のコンクリート構造物の補強方法である。
(5)ケーブル挿通孔のアンカーケーブル挿入口側に設けられた空間内に、アンカーヘッド及び防食キャップを収めた前記(1)から前記(4)のいずれかに記載のコンクリート構造物の補強方法である。
本発明は、以上の構成を採用することにより、容易にコンクリート構造物の補強が行え、かつ、コンクリート構造物の破損を招くことなく、コンクリート構造物の耐力を充分に向上させることができる。
また、アンカーヘッド33や防食キャップ37を、ケーブル挿通孔23のアンカーケーブル挿入口側に設けた空間24に収まるようにすることにより、アンカーケーブル定着部を通路等として使用しても、アンカーヘッド33や防食キャップ37が邪魔になることがない。
本発明は、ビル等のコンクリート建築物、ダム、防波堤、防潮堤、橋梁、LNGタンク用ハイダイク等のコンクリート構造物、法面の崖崩れ等を防止するためのコンクリート構造物などのコンクリートを用いた構造物の補強方法であり、特に、強度の高いコンクリートの使用が必要とされていないダムや防波堤、防潮堤についての補強方法として有効である。
本発明は、コンクリート構造物の永久アンカー22を用いた補強方法であって、アンカーケーブルを挿入するケーブル挿通孔23を設ける工程、該ケーブル挿通孔のアンカーケーブル挿入口側に、該ケーブル挿通孔の孔径よりも大きな径の空間24を設ける工程、該空間の内部に該ケーブル挿通孔と略同径のケーブル挿通管25を設ける工程、該空間の内部であって該ケーブル挿通管の周囲に補強筋28を配置する工程、該ケーブル挿通管の周囲にコンクリート29を打設する工程、該ケーブル挿通管を通して該ケーブル挿通孔にアンカーケーブル27を挿入する工程、及び、該ケーブル挿通孔にグラウト38を充填する工程、及び、該アンカーケーブルに張力をかけて定着させる工程を有する補強方法であり、必要に応じてその他の工程を有する。
(ケーブル挿通孔を設ける工程)
前記ケーブル挿通孔23を設ける工程は、通常、削孔機等により、コンクリート構造物から地中に存在する滑り線よりも深い部分まで、又は岩盤の中まで掘削することにより行われる。
(ケーブル挿通孔のアンカーケーブル挿入口側に、該ケーブル挿通孔より大きな径の空間を設ける工程)
前記ケーブル挿通孔23のアンカーケーブル挿入口側に、該ケーブル挿通孔より大きな径の空間24を設ける工程も、前記ケーブル挿通孔23と同様に、削孔機等により行うことができる。
該空間は、主に、アンカーケーブル27を緊張させることによる荷重を直接受ける部分である、アンカーケーブル頭部背後のコンクリートを補強するための補強筋28を配置するためのものであり、該空間の形状や径は、補強筋の形状や大きさ等によって、適宜決めることができる。
また、前記ケーブル挿通孔23及び該空間24の内壁面をハンマー等により凹凸加工を施すことにより、コンクリート構造物21とグラウト38及びコンクリート構造物21と打設されたコンクリート29の一体化をより強固にすることができる。
(空間の内部に該ケーブル挿通孔と略同径のケーブル挿通管を設ける工程)
前記空間の内部に該ケーブル挿通孔と略同径のケーブル挿通管25を設ける工程において、該ケーブル挿通管25は、接着剤等を用いてケーブル挿通孔23等に固定してもよいし、図6に示すようにケーブル挿通管25にリブ26を設けて固定してもよい。
また、ケーブル挿通管25は、該ケーブル挿通管25の周囲にコンクリート29を打設した場合に変形しない程度の剛性を有していればよく、ケーブル挿通管25の材質としては、合成樹脂でもよいし、金属でもよい。特に、金属製ケーブル挿通管を使用した場合には、アンカーケーブルにかける張力が非常に大きい場合でも、コンクリートの変形等を抑制できるため好ましい。
(ケーブル挿通管の周囲に補強筋を配置する工程)
前記空間の内部であって該ケーブル挿通管25の周囲に補強筋28を配置する工程において使用される補強筋28の材料としては、一般に鉄筋等に使用される金属等が使用できる。
また、前記補強筋28の形状としては、特に制限されないが、具体的には、スパイラル状や格子状などが挙げられる。
前記補強筋28を配置することにより、アンカープレート32の底部に位置するコンクリート29の強度を向上させ、クラック等の発生を抑制することができる。
前記ケーブル挿通管25の周囲に補強筋28を配置する工程において、図8に示すように、予め補強筋を含有するコンクリートブロック(以下「補強筋含有コンクリートブロック」という)30を用いることもできる。この際、前記補強筋含有コンクリートブロック30の表面をハンマー等で凹凸になるように処理しておくと、該補強筋含有コンクリートブロック30とコンクリート構造物21との一体化をより強固に行うことができる。
前記補強筋含有コンクリートブロック30を用いることによって、ケーブル挿通管25の周囲にコンクリート29を打設する際に、補強筋28の位置がずれることなくコンクリート29の打設が行える。
また、前記補強筋含有コンクリートブロック30は、予め前記ケーブル挿通管25を含有している補強筋含有コンクリートブロックを使用してもよい。このような補強筋含有コンクリートブロックは、例えば、円筒形の型の中心に前記ケーブル挿通管25を配置し、該ケーブル挿通管25を取り囲むように前記補強筋28を配置し、該ケーブル挿通管25の周囲にコンクリート29を流し込んで固化させることにより得ることができる。予めケーブル挿通管25と補強筋含有コンクリートブロック30とを一体化させておくことにより、より施工の手間を省くことができる。
(ケーブル挿通管の周囲にコンクリートを打設する工程)
前記ケーブル挿通管25の周囲にコンクリート29を打設する工程では、前記ケーブル挿通管25の上端までコンクリート29が打設される。当該工程により、アンカープレート32の底部に位置するコンクリート29が打設される。
前記補強筋含有コンクリートブロック30を用いた場合には、該補強筋含有コンクリートブロック30と、コンクリート構造物21と、の間にコンクリート29を打設し、補強筋含有コンクリートブロック21とコンクリート構造物21との一体化を行うことができる。
前記コンクリート29は、JIS A 1108に準拠する方法により測定されるコンクリート打設後28日目のコンクリート強度が、30/mm2以上であることが好ましい。コンクリート強度を30/mm2以上とすることによって、橋梁等に本発明の補強方法を適用した場合にも、充分な強度を発揮することができる。
また、前記補強筋含有コンクリートブロック30を使用する場合には、前記補強筋含有コンクリートブロック30のコンクリート部分を構成するコンクリートとして、JIS A 1108に準拠する方法により測定されるコンクリート打設後28日目のコンクリート強度が、30/mm2以上であるコンクリートを使用すると好ましい。
(ケーブル挿通管を通してケーブル挿通孔にアンカーケーブルを挿入する工程)
前記ケーブル挿通管25を通して該ケーブル挿通孔23にアンカーケーブル27を挿入する工程において、使用されるアンカーケーブル27としては、一般に使用されているPC鋼より線からなるアンカーケーブルが使用できる。
前記アンカーケーブルとして、PC鋼より線を使用する場合には、エポキシ樹脂等で被覆したPC鋼より線を使用することにより、アンカーケーブルにおける錆の発生を抑制することができる。また、アンカーケーブルの一部をシースにより被覆したアンカーケーブルを用いることもできる。
(ケーブル挿通孔にグラウトを充填する工程)
前記ケーブル挿通孔23にグラウト38を充填する工程では、前記ケーブル挿通孔23にグラウト38をパイプやホース等を使って流し込むことにより行われる。ケーブル挿通孔23の底面付近からグラウト38を充填することにより、ムラなくグラウト38を充填することができる。
前記アンカーケーブル27として、一部をシース等で被覆した自由長部を有するアンカーケーブルを用いる場合には、アンカーケーブルのアンカー体長部を固定するための一次グラウトと、アンカーケーブルの自由長部を固定するための二次グラウトとに分けて充填することもできる。
(アンカーケーブルに張力をかけて定着させる工程)
前記アンカーケーブル27に張力をかけて定着させる工程は、前記グラウト38の硬化によって、少なくとも前記アンカーケーブル27の地中側の先端が、ある程度固定された後に行われる。前記アンカーケーブル27は、牽引等により張力をかけて、前記ケーブル挿入管25の周囲に充填したコンクリート29上に配置したアンカープレート32及びアンカーヘッド33に定着される。アンカーヘッド33への定着は、ウェッジ等を用いて行われる。
グラウト38を一次グラウトと二次グラウトとに分けて充填する場合には、一次グラウトによって、アンカー体長部を固定した後、アンカーケーブルに牽引等により張力をかけて、アンカーケーブルを定着させた後、二次グラウトが充填される。
また、一次グラウトと二次グラウトとは、同じグラウトを使用してもよいし、異なるグラウトを使用してもよい。
(コンクリート構造物からケーブル挿通孔のアンカーケーブル挿入口側に設けられた空間にわたって横鉄筋を配置する工程)
前記コンクリート構造物21からケーブル挿通孔23のアンカーケーブル挿入口側に設けられた空間にわたって横鉄筋31を配置する工程を設ける場合には、ケーブル挿通孔23のアンカーケーブル挿入口側に該ケーブル挿通孔の孔径よりも大きな径の空間24を設ける工程と、ケーブル挿通管25の周囲にコンクリート29を打設する工程との間に設けることができる。
前記横鉄筋31を配置することにより、ケーブル挿通管25の周囲に打設したコンクリート29とコンクリート構造物21との一体化をより強固にすることができ、より大きな容量のアンカーケーブルにも対応できる。
前記横鉄筋31に使用できる鉄筋としては、特に制限されることはなく、種々の鉄筋が使用できる。
(その他の工程)
また、アンカーケーブル等の防食や防錆をするために、アンカーケーブルの定着部付近を防食処理することもできる。
前記アンカーケーブル等の防食処理としては、ケーブル挿通孔23内に、グラウト38の間に図9及び図10に示すジョイント管35を設け、該ジョイント管35内にグリース等の防食剤を充填したり、ジョイント管35内に発泡ウレタンフォームを形成させる等により行うことができる。これにより、アンカーケーブル定着部周辺からの水の侵入等を防止し、アンカーケーブルの防食及び防錆を行うことができる。
前記アンカーヘッド33の防食処理としては、図9及び図10に示す防食キャップ37を前記アンカーヘッド33に被せ、該防食キャップ37内に防食剤を充填することにより行うことができる。これにより、アンカーヘッド33自体の防食及び防錆を行うとともに、アンカーヘッド33に設けられた孔等からケーブル挿通孔への水の侵入等を防止し、アンカーケーブル等の防食及び防錆を行うことができる。
ケーブル挿通孔23のアンカーケーブル挿入口側に設けられた空間24を大きめに設け、該空間24内に、アンカーヘッド33及び防食キャップ37を収めることにより、アンカーヘッド33や防食キャップ37が邪魔になることがない。
前記空間内であってアンカーヘッド33や防食キャップ37等が占める以外の空間にコンクリート等を充填することによって、永久アンカーを設ける前と同様に、永久アンカー設置個所を通路等として使用することができる。また、前記コンクリート等の充填を行わずに、前記空間上に開閉自在な蓋等を設けることによって、永久アンカーを設ける前と同様に、永久アンカー設置個所を通路等として使用でき、かつ、永久アンカーのメンテナンス等も容易に行うことができる。
ダムや防波堤に永久アンカーを用いて補強をする場合には、図3に示すように提頂部から永久アンカーを設けてもよいし、図4に示すようにダム提体のり面から永久アンカーを設けてもよい。また、ダムの提体の内部に設けられた空洞(ギャラリー)等から永久アンカーを設けることにより、削孔作業や永久アンカーの設置作業を容易にすることができる。
(実施例1)
横幅2.5m、高さ35mの重力式コンクリートダムの提体において、提頂部から提体の地下に存在する岩盤まで、直径325mm、深さ50m(提体部分:35m、地中部分:15m)となるように、ケーブル挿通孔23を削孔機により設けた。
次に、提頂部に、前記ケーブル挿通孔23と同軸方向で、断面同心円に、直径1100mm、深さ1600mmの空間24を設けた。
前記ケーブル挿通孔23及び前記空間24の内壁面に、ハンマー等で凹凸加工を施した。
前記ケーブル挿通孔に200mm埋まるように、ケーブル挿通管25を挿入し、エポキシ系接着剤により固定した。なお、ケーブル挿通管25は、 長さ1250mm、外径318.5mm、厚み6.9mmのJIS G 3452 SGP300の鋼管パイプを用いた。
前記ケーブル挿通管25の外側に補強筋28を配置した。前記補強筋28として、直径22mmの異形鉄筋でピッチ70mm、巻き数12段、巻き径630mmのスパイラル状鉄筋を用いた。
前記ケーブル挿通管25にコンクリートが流れ込まないように、前記ケーブル挿通管上面に蓋をしてから、前記ケーブル挿通管25の周囲に、前記ケーブル挿通管の上端部まで、コンクリート29を流し込み、コンクリートを打設した。打設時のコンクリートにおいて、コンクリート1m3当たりの各原料の配合量は、表1に示す通りであった。
表1に示すコンクリートは、打設後28日目に測定したJIS A 1108に準拠する測定方法によるコンクリート硬度が34/mm2であった。
Figure 0004171470
ただし、セメントポルトランドセメントは、水/セメント比が65%であり、細骨材における粗骨材最大寸法は10mmであった。また、得られたセメント中の空気量は4体積%であり、全骨材容積は、55.5体積%であった。
アンカーケーブルとして、エポキシ樹脂で被覆したPC鋼より線の一部分を、1.5mmのクリアランスをとってPEシースで被覆した、自由長部とアンカー体長部を有するアンカーケーブルを用いた。前記アンカーケーブルの規格破断荷重は、261kNであった。
前記アンカーケーブル27を、ケーブル挿通管25を通してケーブル挿通孔23に挿入した。
グラウトをケーブル挿通孔23に充填した。前記グラウトの充填は、グラウトホース(直径27mm)を用いて、ケーブル挿通孔の底からグラウトが上がってくるように充填した。また、前記グラウトは、ジョイント管の挿入領域を確保するために、ケーブル挿通管の上端から300mmの部分まで充填した。前記グラウトの圧縮強度は、26N/mm2であった。また、充填時のグラウトにおいて、グラウト1m3当たりの各原料の配合量(kg)は、表1に示す通りであった。
Figure 0004171470
ただし、セメントポルトランドセメントは、水/セメント比が45%のものを使用した。
ケーブル挿通管25の周囲に打設したコンクリート29の上面に、一辺が600mmの正方形で、厚みが110mmのアンカープレート32を配置した。
前記アンカープレート32の上面からアンカープレートを通して、前記ケーブル挿通管の内側に、上端につばを有し底面にアンカーケーブルを挿通できる止液ゴム36を有するジョイント管35を配置した。
また、図9に示すように、前記ジョイント管35の上面に、アンカーヘッド33を配置し、該アンカーヘッドの孔にアンカーケーブルを挿通し、アンカーヘッドの孔とアンカーケーブルの間にウェッジ34を配置してアンカーケーブル27を固定し、アンカーヘッド上面からアンカーケーブルが50mm突出させるように、アンカーケーブルを切断した。
前記アンカーヘッドとしては、アンカーケーブルを構成するPC鋼より線が1本ずつ通すための孔を有し、機械構造用炭素鋼(JIS G 4051 S45C)からなる円筒状(外径360mm、高さ180mm)のものを使用した。
前記アンカーケーブルに、規格破断荷重の60%の荷重(261kN×31本×0.6=4855kN)をかけ、ジョイント管35の内部に防食剤としてグリースを充填し、アンカーケーブル等の防食及び防錆を行った。
また、アンカーヘッド33に防食キャップ37を被せ、防食キャップ内にペトロラクタム系のグリースを充填した。
前記空間内であってアンカーヘッドや防食キャップ等が占める以外の空間にコンクリート等を充填した。
(実施例2)
ケーブル挿通管25の外側に補強筋28を配置する代わりに、ケーブル挿通管25の外側に補強筋含有コンクリートブロック30を配置した以外は、実施例1と同様に行った。
前記補強筋含有コンクリートブロック30としては、直径22mm、ピッチ70mm、巻き数12段の異形鉄筋を、直径800mm、高さ1600mmの円筒形であって中心に直径350mm、高さ1600mmの円筒形空洞を有するコンクリートブロック中に有するものを使用した。
該コンクリートブロックに使用したコンクリートは、実施例1において、ケーブル挿通管の周囲に打設したコンクリートと同じ配合のコンクリートを用いた。
(実施例3)
空間24を設けた後、該空間の壁面に小型ドリルで孔をあけ、該孔にモルタルを詰めて、モルタルが柔らかいうちに、断面直径20mm、長さ10cmの鉄筋を5cm挿入し、その後、ケーブル挿通管25及び補強筋28を配置した以外は、実施例1と同様に行った。
本発明のコンクリート構造物の補強方法は、既存のダムや防波堤、防潮堤、LNGタンク用のハイダイク、一般建築物といったコンクリート構造物の補強に使用できる。
従来のダムコンクリート構造物の補強方法を示す模式断面図である。 従来のコンクリート構造物の補強方法をダムコンクリート構造物に使用した場合の模式断面図である。 本発明の補強方法をダムコンクリート構造物に使用した場合の模式断面図である。 本発明の補強方法をダムコンクリート構造物に使用した場合の模式断面図である。 本発明の補強方法を実施する途中を示す断面図である。 本発明の補強方法の一例を使用した場合のアンカーケーブル定着部付近の断面図である。 本発明の補強方法の一例を使用した場合のアンカーケーブル定着部付近の断面図である。 本発明の補強方法の一例を使用した場合のアンカーケーブル定着部付近の断面図である。 本発明の補強方法の一例を使用した場合のアンカーケーブル定着部付近の断面図である。 本発明の補強方法の一例を使用した場合のアンカーケーブル定着部付近の断面図である。
符号の説明
11 既存のダムコンクリート構造物(提体)
12 補強用コンクリート構造物
13 アンカーヘッド
21 既存のコンクリート構造物(提体)
22 永久アンカー
23 ケーブル挿通孔
24 空間
25 ケーブル挿通管
26 リブ
27 アンカーケーブル
28 補強筋
29 コンクリート
30 補強筋含有コンクリートブロック
31 横鉄筋
32 アンカープレート
33 アンカーヘッド
34 ウェッジ
35 ジョイント管
36 止液ゴム
37 防食キャップ
38 グラウト

Claims (4)

  1. コンクリート構造物の永久アンカーを用いた補強方法であって、
    アンカーケーブルを挿入するケーブル挿通孔を設ける工程、
    該ケーブル挿通孔のアンカーケーブル挿入口側に、該ケーブル挿通孔の孔径よりも大きな径の空間を設ける工程、
    該空間の内部に該ケーブル挿通孔と略同径のケーブル挿通管を設ける工程、
    該空間の内部であって該ケーブル挿通管の周囲に補強筋を配置する工程、
    該ケーブル挿通管の周囲にコンクリートを打設して、JIS A 1108に準拠する方法により測定されるコンクリート打設後28日目のコンクリート強度を30N/mm 2 以上とする工程、
    該ケーブル挿通管を通して該ケーブル挿通孔にアンカーケーブルを挿入する工程、
    該ケーブル挿通孔にグラウトを充填する工程、
    及び、該アンカーケーブルに張力をかけて定着させる工程を有することを特徴とするコンクリート構造物の補強方法。
  2. コンクリート構造物から、ケーブル挿通孔のアンカーケーブル挿入口側に設けられた空間にわたって、横鉄筋を配置する工程を有する請求項1に記載のコンクリート構造物の補強方法。
  3. 補強筋を配置する工程が、補強筋を有するコンクリートブロックをケーブル挿通管の周囲に配置することによってなされる請求項1に記載のコンクリート構造物の補強方法。
  4. ケーブル挿通孔のアンカーケーブル挿入口側に設けられた空間内に、アンカーヘッド及び防食キャップを収めた請求項1から請求項のいずれか一項に記載のコンクリート構造物の補強方法。
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