JP4171058B2 - インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置に関し、より詳細には、圧力変換手段を設ける支持基板における共振時の振動を量産性を犠牲にすることなく防止したインクジェット記録ヘッドであって、インクジェットプリンタのような印刷機等に用いて好適なインクジェット記録ヘッド、及び該インクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置に関する。
オンデマンド型のインクジェット記録技術には、インクを充填した液室の壁の一部に振動板を設け、圧電アクチュエータ等の圧力変換手段により振動板を変形させ、液室内の体積を変化させて圧力を高めインクを吐出する方式や、液室内に通電によって発熱する発熱体を設けて、発熱体の発熱により生じる気泡によって液室内の圧力を高め、インクを吐出する方式が広く知られている。近年は、プリンタの低価格化,高画質化,一般家庭へのパソコンの普及などに資するため、上述のようなインクジェット記録技術を用いたインクジェットプリンタが様々な用途で数多く使用されている。
インクジェットプリンタにおける大きな技術課題の一つとして高速化があり、この課題を解決する方法の1つとして1ヘッド当たりのノズル数を増やす方法がある。しかし、このようなノズル数の多いヘッドでは、特に、多チャンネル駆動すると振動板の振動や液室の圧力変動が、圧力変換手段を支持している支持基板に伝播して支持基板が共振し、インク吐出に影響して画質が低下するという不具合が発生する。高速化と高画質化を両立するインクジェットプリンタを実現する上では、この支持基板の共振の問題を解決する必要がある。
このような共振の問題を解決する手段として、例えば、特許文献1のインクジェット式印字ヘッドには、インクの吐出圧を生成する圧電素子をチャンネル毎に分断し、各圧電素子間に仕切部材を介装することにより、圧電素子間の振動の伝播を防止することが記載されているが、この方法では、圧電素子を固定している基台を介しての振動伝播、或いは、基台自身の共振による振動伝播を防止することはできない。
また、特許文献2の複合ブロック構造を有するインクジェットノズルヘッドに記載されているインクジェットノズルヘッドは、直線状に複数のノズルが等間隔に配列され、かつ、各ノズルに連通するインク溝を有する溝板を有し、1又は2つの圧電素子と支持部材とを突起部とする櫛形に形成された基台からなるブロックを多数有し、これらブロック間を分離して前記圧電素子とインク溝とを振動板を介して対向配置し、前記圧電素子を駆動して前記インク溝内の圧力を変化させ、前記ノズルによりインク滴を吐出するようにしている。しかし、このようにすると、ブロックを構成する基台が細かくなり、基台の形状が複雑なものとなるので、基台が脆弱となり、また、量産性の面で好ましいものではない。
特許第2952995号公報 特許第2930562号公報
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、高速印字かつ高画質出力が可能なインクジェットプリンタ等のインクジェット記録ヘッドであって、圧電素子を支持する支持基板の共振時の振動を抑制可能で、かつ、形状が簡単で量産性に優れたインクジェット記録ヘッドを実現することを目的としたものである。
請求項1の発明は、インク滴を吐出する複数のノズルと、前記各ノズルが連通する複数のインク加圧液室と、該加圧液室の一部を構成する振動板と、前記加圧液室に対応し、一端が前記振動板に他端が支持基板に取り付けられている圧力変換手段とを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記圧力変換手段は、所定のピッチで溝が加工されて前記支持基板上に配置され、前記支持基板の圧力変換手段取り付け面には、単数もしくは前記圧力変換手段に形成された溝のピッチよりも大きなピッチで形成された複数の溝が前記圧力変換手段に形成された溝と平行に形成されているものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記圧力変換手段の前記支持基板に取り付けられる面が前記圧力変換手段に形成された溝により分断されていないものである。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、前記支持基板に形成された溝は、前記支持基板の長手方向において隣接する前記圧力変換手段の間に形成されているものである。
請求項の発明は、請求項1、2又はの発明において、前記支持基板に形成された溝は、前記支持基板の一方の長辺から該長辺に対向する他方の長辺まで連通して形成されているものである。
請求項の発明は、請求項1、2又はの発明において、前記支持基板に形成された溝は、前記支持基板の一方の長辺から該長辺に対向する他方の長辺まで連通することなく形成されているものである。
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかの発明において、前記支持基板に形成された溝の深さは、前記支持基板の厚さの1/5以上の深さである。
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかの発明において、前記支持基板に形成された溝に前記支持基板よりも剛性の低い部材を充填しているものである。
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかの発明において、前記支持基板に形成された溝の幅は、1つの前記圧力変換手段の短手方向の長さよりも短いものである。
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかの発明において、前記支持基板は、該支持基板の長手方向の両端が、支持基板固定部材に接続され、固定されているものである。
請求項10の発明は、請求項1乃至のいずれかのインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置である。
本発明によれば、支持基板に設けた溝によって、圧電素子の変移により発生する支持基板表面応力を緩和することで、支持基板の共振時の振動を抑えることができるので、噴射特性の安定したインクジェット記録ヘッドを得ることができる。
さらに、振動抑制効果をより効果的に得ることができるので、より噴射特性の安定したインクジェット記録ヘッドを得ることができる。
また、圧力変換手段取り付け時の加工が容易になるので、量産性に優れたインクジェット記録ヘッドを得ることができる。
また、支持基板固定工程の簡略化、及び、支持基板固定部材の形状の自由度を増すことができ、製造コストの低いインクジェット記録ヘッドを得ることができる。
また、噴射特性の安定したインクジェット記録ヘッドを搭載することから、高速印字を行っても高画質なインクジェット記録装置を得ることができる。
図1〜図3は、圧力変換手段として圧電素子を用いた、本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施例を説明するための構成図で、図1は、インクジェット記録ヘッドの斜視図、図2は、図1に示したインクジェット記録ヘッドのII―II線方向断面図、図3は、図1に示したインクジェット記録ヘッドのIII―III線方向断面図である。本発明によるインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するノズル6が形成されたノズル板5に流路板4と振動板3が順に積層され、各々隔壁によって分離された加圧液室8を形成している。また、振動板3の裏面には溝加工により櫛形に形成された圧電素子2が接着されており、FPC等の通電部材10を通じて通電することにより圧電素子2が変移し、この変移に応じて生じる加圧液室8の内圧変化によりノズル6からインクが吐出する。なお、インクはインクカートリッジ(図示しない)から、フレーム部材7に形成されたインク供給路9を通じて供給される。
圧電素子2の裏面に配置されている支持基板1は、圧電素子2の変移を精度よく振動板3に作用させるため、金属またはセラミクスのような高剛性材料で形成されているが、この支持基板1は、変位する圧電素子2を支持することから、インクの吐出性能に関連するばかりでなく、インクジェット記録ヘッドを作製する時の加工性,組立性にも大きく関連している。
図4は、図1〜図3に示したインクジェット記録ヘッドを構成する圧電素子2の要部概略図であるが、インクジェット記録ヘッドの高密度化に伴い、圧電素子2は、図示のように、厚み(A)と高さ(B)のアスペクト比(A/B)が大きい脆弱な構造となる。このような櫛形形状は通常、ダイシングソーによる溝加工により形成されるが、その際に、圧電素子2が支持基板(図示せず)に接合されていると、圧電素子2が安定し、加工しやすくなると共に、その後の振動板との接合工程でのハンドリング性が非常に良好となる。なお、支持基板を磁性材料で形成すれば、支持基板自身の形状加工やインクジェット記録ヘッドの一連の加工/組立の工程において支持基板をマグネット吸着した状態で行うことができ、作業性を向上させることができる。このように、支持基板は、圧電素子2を取り付ける時の加工性、及び、振動板接続時のハンドリング性等に関連することから、インクジェット記録ヘッドの組立時の作業性に関連している。
次いで、支持基板のインク吐出性能との関連について説明する。高画質化、印字速度の高速化のため、インクジェット記録ヘッドを多数のノズルが狭ピッチに配列された構造(多チャンネル構造)とするが、このようなインクジェット記録ヘッドで多チャンネルを同時に駆動すると、駆動された振動板の振動や液室の圧力変動が支持基板に伝播し、最悪の場合は、支持基板が共振し、画像品質を低下させる不具合が発生する。特に、その共振周波数が加圧液室やインク流路の圧力波の共振周波数と一致すると、ノズルからインクが噴射しなくなる等の著しいトラブルとなる。支持基板は、インクジェット記録ヘッドの他の構成要素に比して大型であり、振動した場合に、インク吐出性能を悪化させ、画像品質の低下に対する影響が大きい。
図5は、インクジェット記録ヘッドを構成する支持基板1が共振する際の主要な振動モードを示す図で、支持基板1(点線)が共振する際、主要な振動モードは、図に実線で示すような、支持基板1の長手方向について発生する1次及び高次のモードである。
図6は、本発明のインクジェット記録ヘッドに適用される支持基板1を圧電素子2側から見たとき図で、図5に示したような支持基板1の振動を効果的に抑えるには、支持基板1の長手方向に垂直に溝1aを形成するのが良い。換言すれば、支持基板1に形成される溝1aは、支持基板1の短手方向に平行に形成されるのが良い。また、溝1aは、支持基板1の一方の長辺から他方の長辺まで、連通して形成されることが、支持基板1の制振効果向上という点から望ましい。
図7は、本発明のインクジェット記録ヘッドの他の実施例を説明するための要部構成図で、図7(A)は、支持基板1に圧電素子2を取り付けた時の側面図、図7(B)は、支持基板1の拡大斜視図で、数値シミュレーションによって検討した結果得られた、共振の起こりにくい支持基板構造を示しており、数値シミュレーションによる検討をしたところ、支持基板1の圧電素子2を取り付ける面に、溝1aを支持基板の短手方向と平行となるように形成することにより、共振を著しく低減できることが判明した。これは、圧電素子2の変移によって支持基板1の表面に発生する応力を、溝1aが効果的に緩和することによるものと考えられる。溝1aの数は、インクジェット記録ヘッドの全体構成、及び、必要とする制振効果の程度から選択する必要があるが、図示例の場合、等間隔に5本入っている。但し、これ以外の構成もあり得る。なお、図7(A)では、圧電素子2は、支持基板1に取り付ける時の加工が容易なように最下層が支持基板1に繋がった構造としている。
図8は、本発明のインクジェット記録ヘッドの更に他の実施例を説明するための図で、ここに示すように、各圧電素子2を支持基板1まで分断した構造としても良い。
図9は、溝を形成した支持基板における振動の周波数特性を数値シミュレーションにより求めた結果を示す図、図10は、溝を形成していない支持基板における振動の周波数特性を求めた結果を示す図である。各々の図には支持基板上の3点(中央,左端,右端)の振動特性が示されているが、この結果から、溝を形成した支持基板(図9)では、溝を形成していない支持基板(図10)に対して共振周波数における振動が著しく低減できることがわかる。なお、ここでは支持基板として、SUS430を用い、その寸法は厚さ7mm,長さ36mm,幅3.7mmとしている。溝の寸法は深さ4mm,幅0.2mmである。
図11は、本発明のインクジェット記録ヘッドの更に他の実施例を説明するための図で、支持基板1を圧電素子2側から見たときの図、図12は、図11に示した支持基板1に圧電素子2を取り付けて圧電素子2側から見たときのXII部の拡大図である。必要とする制振効果の程度によっては、図11に示すように、短手方向に対し斜めに溝1aを形成してもよく、このような溝1aが形成された支持基板1に圧電素子2等の圧力変換手段を取り付ける際、溝1a(白抜き部分)の幅(C)よりも圧電素子2の幅(D)が狭いような場合でも、その取り付け面の一部は、オーバーラップ領域11において確実に支持基板1の上に乗る。このため、圧電素子2を図4に示したような櫛形形状に切断加工する際の加工が容易になる。
図13は、本発明のインクジェット記録ヘッドを構成する支持基板1を圧電素子2側から見たときの図、図14は、図13に示した支持基板1に圧電素子2を取り付けて圧電素子2側から見たときのXIV部の拡大図である。必要とする制振効果の程度によっては、図13に示すように、支持基板1の一方の長辺から他方の長辺へ連通していない溝1aを形成してもよく、このような溝1aが形成された支持基板1に圧電素子2等の圧力変換手段を取り付ける際、支持基板1の一方の長辺から他方の長辺の間の溝1aの不連続部がオーバーラップ領域11となるように圧電素子2を配置すれば、圧電素子2の取り付け時の加工が容易になり、ひいては、インクジェット記録ヘッドの量産性が向上する。
図15は、本発明のインクジェット記録ヘッドにおいて溝1aの深さを変えて共振特性を比較した結果を示す図で、横軸は、支持基板1の厚さに対する溝1aの深さの割合を%で示した値、縦軸は共振点での最大変形を示している。一般的に、十分な制振効果を得るためには、溝1aの深さは、支持基板1の表面の応力集中領域に比し十分に深く形成する必要がある。図より、溝1aの深さの割合が20%程度までは急激に共振での振動が減っていくが、これを越えると、共振の減少は緩やかになることが分かる。よって、溝1aの深さは支持基板1の厚さの1/5以上とすればよい。
なお、以上述べた溝1aを、支持基板1よりも低剛性の部材で埋めると、制振効果を維持しつつ、隙間を無くすことができ、圧電素子2の取り付け時の加工がより容易になる。適用できる部材としては、エポキシ樹脂等があるが、これ以外もあり得る。
図16は、本発明のインクジェット記録ヘッドの更に他の実施例を説明するための図で、圧電素子2が設けられた支持基板1を示しており、溝1aの幅Eを、支持基板長手方向に複数並ぶ圧電素子2の間の距離Fよりも短くし、かつ、溝1aを2つの隣接する圧電素子2の間に配置すれば、圧電素子2と溝1aはオーバーラップすることがなくなり、圧電素子2の取り付け時の加工が容易になる。或いは、Eの幅を圧電素子2の短手方向の長さGよりも狭くすれば、圧電素子2が支持基板1の上に必ず乗る。このため、圧電素子2の取り付け時の加工が容易になる。
図17は、本発明のインクジェット記録ヘッドの更に他の実施例を説明するための図で、支持基板1は、支持基板1を保持する外部の支持基板固定部材7に接続する必要があり、ここでは、支持基板1の長手方向両端を、支持基板固定部材7に固定する。また、ここでは、支持基板固定部材7への接続は、接着層12を介して行っているが、この限りではない。また、支持基板固定部材7には、液室(図示してない)が形成される流路板4も接続されているが、この限りではない。
このような支持基板の長手方向両端を固定した形状とする場合では、他の固定方法、例えば、支持基板の底面全体を固定した形状とする場合に比し、固定が容易であるという利点、支持基板固定部材の形状の自由度が高いという利点、FPC等の配線の取り回しが行いやすいという利点がある。以上のことから、製造コストを引き下げることができる。一般に、この支持基板の長手方向両端を固定した形状では、支持基板の振動が大きくなりやすいという欠点を持つが、この問題は、溝を形成することにより解決できている。なお、支持基板の長手方向両端の2箇所を固定するだけでなく、他の固定方法、例えば、支持基板の短手方向両端の固定を加えた4箇所を固定すること等もあり得る。
図18は、本発明のインクジェット記録装置の一実施例を説明するためのインクジェット記録装置の機構部の概略斜視図で、このインクジェット記録装置は、記録装置本体100の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101、キャリッジ101に搭載したインクジェット記録ヘッド、インクジェット記録ヘッドへのインクを供給するインクカートリッジ102等で構成される印字機構部103等を収納し、給紙カセット或いは手差しトレイから給送される用紙を取り込み、印字機構部103によって所要の画像を記録した後、排紙トレイに排紙する。
印字機構部103は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド104と従ガイドロッド105とでキャリッジ101を主走査方向(図18で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ101にはイエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドからなる複数のインクジェット記録ヘッドをインク滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ101の上側にはインクジェットヘッドに各色のインクを供給するための各インクタンク(インクカートリッジ)102を交換可能に装着している。
上述の構造のインクジェット記録ヘッドをキャリッジに搭載し、インクジェットプリンタ等のインクジェット記録装置の機構部とすれば、インクジェットプリンタ等のインクジェット記録装置において、高速印字を行っても噴射を安定させることができ、高速駆動と高画質を両立することができる。
以下に、具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
厚さ7mm,長さ36mm,幅3.7mmのSUS430製の支持基板1にワイヤ放電加工で幅0.04mm,深さ3mmの溝1aを支持基板長手方向に等間隔に5本形成した後、圧力変換手段としての積層圧電素子2を嫌気性接着剤を用いて接合した。次に、ダイシングソーを用いてこの圧電素子2に溝加工を行い、図4に示したような櫛形形状に加工し、Xp=0.1mm,Yp=0.7mmとした。この溝加工した圧電素子2の側面に通電部材10としてのFPCをはんだを用いて接合してアクチュエータユニットを形成した。次に、電鋳工法で製作したノズル板5と、振動板3と、エッチング工法で製作したシリコン製の流路板4とを高精度に位置決めして積層し、それぞれの界面をエポキシ接着剤で接合した。この振動板3の裏面に、先に製作したアクチュエータユニットの圧電素子2の上面をエポキシ接着剤で接合し、最後に樹脂製のフレーム部材7を振動板3の裏面及び支持基板1の端面に対し嫌気性接着剤を用いて接着し、インクジェット記録ヘッドを作成した。
このインクジェット記録ヘッドをプリンタに搭載して印字試験を行ったところ、全ノズルからインクを吐出して印字(以後、マルチ印字と称す。)した場合でも、不良画質を発生することのない、良好な結果を得た。比較として支持基板に対する溝加工工程を省略した従来技術によるインクジェット記録ヘッドを作成、同様にプリンタに搭載して印字試験を行った場合は、不良画質が発生しており、溝により不良画質の発生が防止されることを確認した。
(実施例2)
厚さ7mm,長さ23mm,幅3.7mmのSUS430製の支持基板1にワイヤ放電加工で幅0.1mm,深さ3mmの溝1aを支持基板長手方向に等間隔に5本形成した後、エポキシ接着剤を溝に埋め込み、その後、圧力変換手段としての積層圧電素子2を嫌気性接着剤を用いて接合した。次に、ダイシングソーを用いてこの圧電素子2に溝加工を行い、図4に示したような櫛形形状に加工した。Xp=0.05mm,Yp=0.6mmとした。この溝加工した圧電素子2の側面に通電部材10としてのFPCをはんだを用いて接合しアクチュエータユニットを形成した。次に、電鋳工法で製作したノズル板5と、振動板3と、エッチング工法で製作したシリコン製の流路板4とを高精度に位置決め積層し、それぞれの界面をエポキシ接着剤で接合した。この振動板3の裏面に先に製作したアクチュエータユニットの圧電素子2の上面をエポキシ接着剤で接合し、最後に樹脂製のフレーム部材7を振動板3の裏面及び支持基板1の端面に対し嫌気性接着剤を用いて接着し、インクジェット記録ヘッドを作成した。このインクジェット記録ヘッドは、実施例1のインクジェット記録ヘッドに比べ、積層圧電素子2をより高解像度に切断し、ノズル数は変えずにインクジェット記録ヘッド全体のサイズの小型化を実現している。
このインクジェット記録ヘッドをプリンタに搭載して印字試験を行ったところ、マルチ印字でも実施例1のインクジェット記録ヘッドと変わらず、良好な画質を得ることができた。
本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施例を説明するための要部概略斜視図である。 図1に示したインクジェット記録ヘッドのII―II線方向断面図である。 図1に示したインクジェット記録ヘッドのIII―III線方向断面図である。 図1〜図3に示したインクジェット記録装置を構成する圧電素子の要部解略図である。 インクジェット記録ヘッドを構成する支持基板が共振する際の主要な振動モードを示す図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドに適用される支持基板1を圧電素子2側から見たとき図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの更に他の実施例を説明するための要部構成図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの更に他の実施例を説明するための図である。 溝を形成した支持基板における振動の周波数特性を数値シミュレーションにより求めた結果を示す図である。 溝を形成していない支持基板における振動の周波数特性を求めた結果を示す図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの更に他の実施例を説明するための図である。 図11に示した支持基板に圧電素子を取り付けて圧電素子側から見たときの拡大図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの更に他の実施例を説明するための図である。 図13に示した支持基板1の上に圧電素子を取り付けた時の支持基板を圧電素子側から見た拡大図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドにおいて溝の深さを変えて共振特性を比較した結果を示す図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの更に他の実施例を説明するための図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの更に他の実施例を説明するための図である。 本発明のインクジェット記録装置の一実施例を説明するためのインクジェット記録装置の機構部の概略斜視図である。
符号の説明
1…支持基板、1a…溝、2…圧電素子、3…振動板、4…流路板、5…ノズル板、6…ノズル、7…支持基板固定部材(フレーム部材)、8…加圧液室、9…インク供給路、10…通電部材、11…オーバーラップ領域、12…接着層、100…記録装置本体、101…キャリッジ、102…インクカートリッジ、103…印字機構部、104…主ガイドロッド、105…従ガイドロッド。

Claims (10)

  1. インク滴を吐出する複数のノズルと、前記各ノズルが連通する複数のインク加圧液室と、該加圧液室の一部を構成する振動板と、前記加圧液室に対応し、一端が前記振動板に他端が支持基板に取り付けられている圧力変換手段とを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記圧力変換手段は、所定のピッチで溝が加工されて前記支持基板上に配置され、前記支持基板の圧力変換手段取り付け面には、単数もしくは前記圧力変換手段に形成された溝のピッチよりも大きなピッチで形成された複数の溝が前記圧力変換手段に形成された溝と平行に形成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記圧力変換手段の前記支持基板に取り付けられる面が前記圧力変換手段に形成された溝により分断されていないことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記支持基板に形成された溝は、前記支持基板の長手方向において隣接する前記圧力変換手段の間に形成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  4. 請求項1、2又はに記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記支持基板に形成された溝は、前記支持基板の一方の長辺から該長辺に対向する他方の長辺まで連通して形成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  5. 請求項1、2又はに記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記支持基板に形成された溝は、前記支持基板の一方の長辺から該長辺に対向する他方の長辺まで連通することなく形成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記支持基板に形成された溝の深さは、前記支持基板の厚さの1/5以上の深さであることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記支持基板に形成された溝に前記支持基板よりも剛性の低い部材を充填していることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記支持基板に形成された溝の幅は、1つの前記圧力変換手段の短手方向の長さよりも短いことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記支持基板は、該支持基板の長手方向の両端が、支持基板固定部材に接続され、固定されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1に記載のインクジェット記録ヘッドを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
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