JP4170143B2 - 補聴システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロフォン(以下、「マイク」と略する)で収集された音を骨伝導スピーカにより使用者に伝達する補聴システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、難聴者の聴力を補助するための補聴システムが知られている。このような補聴システムの1つとして、ワイヤレス補聴システムが既に市販されている(例えば、松下通信工業株式会社製ワイヤレス補聴システムWH−AX201、WH−AX1001、WH−TX100)。
【0003】
このワイヤレス補聴システムは、補聴レシーバと送信機とから構成されている。補聴レシーバは、本体に収納された内蔵マイクと、コードによって本体に接続されたイヤホンとを備えており、近くの音を聴くときは、補聴レシーバを単独で補聴器として使用できるようになっている。また、補聴レシーバは、マイクを備えた送信機からの電波を受信する受信機能を備えている。
【0004】
送信機はマイクを備えており、このマイクで集音することにより得られた音信号を電波により補聴レシーバに送信する。従って、遠くの音を聴くときは、送信機のマイクで集音された音を補聴レシーバで受信してイヤホンで聴くことができる。
【0005】
このように構成されるワイヤレス補聴システムでは、補聴レシーバのイヤホンはコードによって本体に接続されているので、装着した場合に使用者にとって煩わしいという問題があり、普及の妨げになっている。
【0006】
また、このワイヤレス補聴システムでは、使用者に情報を伝達するために、音波により音を伝達するイヤホンを用いている。従って、雑音を拾ったりハウリングを起こすので、利用者に負担が多く、疲れやすいと指摘されている。
【0007】
この問題を解消するために、近年、骨伝導スピーカを用いた骨伝導式の補聴器が実用化され、市場に提供されている(株式会社フジコウ製、商品名「ハイパーリンク」)。この骨伝導スピーカは、例えば特許文献1に開示されているように、ボイスコイルによって振動する振動板の振動を骨組織に伝達させることにより音声を聴取させる。この補聴器は、本体のマイクで集音することにより得られた音信号をケーブルによって骨伝導スピーカに伝え、情報の伝達を行うように構成されている。
【0008】
【特許文献1】
特許2967777号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この骨伝導式の補聴器は、上述したワイヤレス補聴システムと同様に、骨伝導スピーカがコードによってマイクを含む本体に接続されているので、装着した場合に使用者にとって煩わしいという問題は解決されていない。
【0010】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、良好な装用感が得られる補聴システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る補聴システムは、上記課題を達成するために、マイクロフォンで集音することにより得られた音信号を無線信号として送信する携行可能なマイク付無線送信機と、携行可能なヘッドセットとを備え、ヘッドセットは、マイク付無線送信機からの無線信号を受信して音信号を再生する無線受信機と、無線受信機で再生された音信号に基づいて駆動される骨伝導スピーカとを備え、骨伝導スピーカは、無線受信機で再生された音信号に応じて形状が変位する超磁歪素子により振動することを特徴とする。
【0012】
この補聴システムによれば、マイクロフォンで集音することにより得られた音信号が無線で無線受信機に送られて骨伝導スピーカにより使用者に伝達されるので、補聴システムの装着に伴う煩わしさがなく、良好な装用感が得られる。また、マイクロフォンで集音された音は骨伝導スピーカを用いて使用者に伝達されるので、その特長であるソフトな情報伝達が可能になり、使用者に優しい補聴システムを提供できる。また、従来のボイスコイルを用いた骨伝導スピーカに比べて音質が良好であり、使用者にとって聴きやすいという利点がある。
【0013】
また、本発明に係る補聴システムは、情報ソース機器からの音信号を無線信号として前記無線受信機に送信する情報送信機を更に備えて構成することができる。この構成によれば、情報送信機を所定の場所に設置し、情報ソース機器として例えばマイクロフォンを接続すれば、マイク付無線送信機がなくても、所定の場所の係員との会話を行うことができる。また、情報送信機を所定の場所に設置し、情報ソース機器として例えば案内装置を接続すれば、マイク付無線送信機がなくても、案内装置からの音声を聞くことができる。
【0014】
また、本発明に係る補聴システムで使用される骨伝導スピーカは、円筒形状のハウジングの一端に固着されたストッパーと、ハウジングの他端に固着された保持材と、保持材の中空部に挿入された伝達材と、磁石と、円筒形状を有し両切断面に磁石を介在させてストッパーと伝達材との間に保持された超磁歪素子と、超磁歪素子の周囲に設けられ、円筒状に成形され、磁界を発生させて超磁歪素子を駆動するコイルと、伝達材の一端と保持材との間に配置され且つ伝達材、磁石及び超磁歪素子をストッパーの方向に押圧する押圧材とを有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムの構成を示す図である。この補聴システムは、大きく分けると、ヘッドセット1とマイク付無線送信機40とから構成されている。
【0017】
ヘッドセット1は、フレーム2に取り付けられた無線受信機10、左骨伝導スピーカ20a、右骨伝導スピーカ20b及び電池30から構成されている。フレーム2は、詳細な構造は図示を省略するが、使用者の頭の形状にフィットできるように伸縮自在に構成されている。
【0018】
無線受信機10は、マイク付無線送信機40から送られてくる電波を受信して復調することにより音信号を再生し、左骨伝導スピーカ20a及び右骨伝導スピーカ20bに送る。この無線受信機10の電気的な構成は後述する。この無線受信機10には、音量調整つまみ11が設けられており、右骨伝導スピーカ20a及び左骨伝導スピーカ20bの各出力を調整できるようになっている。無線受信機10の電源は、電池30から供給される。なお、電池30は、無線受信機10に内蔵させることもできる。
【0019】
右骨伝導スピーカ20a及び左骨伝導スピーカ20bは同一の構造を有する。従って、以下では、単に、「骨伝導スピーカ20」として説明する。この骨伝導スピーカ20は、図2の断面図に示すように、円筒状のハウジング21の中空部に収納されたストッパー22、磁石23、超磁歪素子24、コイル25、伝達材26、バネ27及び保持材28から構成されている。
【0020】
ハウジング21は、例えば外径10φ、内径7φ、長さが39mm程度の大きさを有する円筒状のスチロールパイプから構成されている。ストッパー22は、7φ×15mm程度の円柱状のフェライト材から構成されており、その一方の端部には高さが2mm程度の円柱状の突起部22aが形成されている。このストッパー22は、ハウジング21の一方の端部に固着されている。
【0021】
超磁歪素子24は、例えば2φ×8mm程度の円柱形状を有し、その両切断面に3φ×2mm程度の大きさを有する磁石23を介在させて、ストッパー22の突起部22aと伝達材26との間に保持されている。超磁歪素子24は、磁界を加えることにより生じる歪の変位量及び変化速度が、従来の磁歪材料に比べて大きく、発生応力も大きい磁性材料である。
【0022】
この超磁歪素子24の周囲には、円筒状に成形されたコイル25が設けられている。このコイル25は、磁界を発生させて超磁歪素子24を駆動するために使用される。伝達材26は、例えば3.8φ×10mm程度の円筒状に構成された黄銅から構成されており、一方の端面に6φ程度の鍔26aを有する。
【0023】
ハウジング21の他方の端部には、例えば外径7φ、内径4φ、長さが6mm程度の円筒状のフェノール材から構成された保持材28が固着されており、その中空部に伝達材26が緩挿されている。伝達材26の鍔26aと保持材28の切断面との間には例えばリン青銅から成るバネ27が配置されており、伝達材26、磁石23及び超磁歪素子24がストッパー22の方向に押圧されている。伝達材26の他方の端面は外部に露出しており、図示しないパッド等を介して使用者の頭部の一部に当接される。
【0024】
このように構成された骨伝導スピーカ20においては、無線受信機10から出力される音信号がコイル25に供給されることにより、コイル25に電流が流れて磁界が発生し、超磁歪素子24が音信号に応じて図中の上下方向に変位する。この超磁歪素子24の変位が振動として使用者に伝達される。
【0025】
マイク付無線送信機40は、マイク41を内蔵している。このマイク付無線送信機40は、マイク41で集音することにより得られた音信号を電波に変換して無線受信機10に送信する。このマイク付無線送信機40の電気的な構成は後述する。
【0026】
図3は、無線受信機10の電気的な構成を示すブロック図である。この無線受信機10は、アンテナ12a、高周波増幅器12、周波数混合器13、水晶局部発振器14、逓倍増幅器15、第1中間周波増幅器16、狭帯域FM−IF回路17、低周波増幅器18及び低周波パワー増幅器19から構成されている。低周波パワー増幅器19の出力に、左骨伝導スピーカ20a及び右骨伝導スピーカ20bが接続されている。
【0027】
アンテナ12aで受信された電波は、高周波信号に変換されて高周波増幅器12に送られる。高周波増幅器12は、アンテナ12aからの高周波信号を増幅して周波数混合器13に送る。一方、水晶局部発振器14は、所定周波数で発振する信号を生成し、逓倍増幅器15に送る。逓倍増幅器15は、水晶局部発振器14からの信号を逓倍及び増幅して周波数混合器13に送る。
【0028】
周波数混合器13は、高周波増幅器12からの高周波信号と逓倍増幅器15からの信号とを混合して中間周波数を有する中間周波数信号に変換して第1中間周波増幅器16に送る。第1中間周波増幅器16は、周波数混合器13からの中間周波数信号を増幅して狭帯域FM−IF回路17に送る。狭帯域FM−IF回路17は、第1中間周波増幅器16からの中間周波数を有する信号に対して、混合、制限増幅及びFM検波を行って復調することにより音信号を取り出し、低周波増幅器18に送る。
【0029】
低周波増幅器18は、狭帯域FM−IF回路17からの音信号を増幅して低周波パワー増幅器19に送る。低周波パワー増幅器19は、音量調整つまみ11の設定に応じた増幅率で低周波増幅器18からの音信号を増幅し、左骨伝導スピーカ20a及び右骨伝導スピーカ20bに送る。これにより、使用者は、骨伝導により音声を聴くことができる。
【0030】
図4は、マイク付無線送信機40の電気的な構成を示すブロック図である。このマイク付無線送信機40は、マイク41、音声増幅器42、ハウリング防止回路43、周波数変調器44、水晶発振器45、緩衝増幅器46、逓倍増幅器47、逓倍増幅器48、電力増幅器49及びアンテナ49aから構成されている。アンテナ49aとしては、例えば短縮アンテナを用いることができる。
【0031】
マイク41は、集音により得られた音信号を音声増幅器42に送る。音声増幅器42は、マイク41からの音信号を増幅してハウリング防止回路43に送る。ハウリング防止回路43は、音声増幅器42からの音信号を検知して音声増幅器42の増幅率を制御することによりハウリングを防止する。ハウリング防止回路43から出力される信号は、周波数変調器44に送られる。
【0032】
周波数変調器44は、ハウリング防止回路43からの信号を周波数変調し、水晶発振器45に送る。水晶発振器45は、周波数変調器44からの周波数変調された信号に応じた周波数で発振する信号を生成し、緩衝増幅器46に送る。緩衝増幅器46は、水晶発振器45と負荷との結合をできるだけ疎にして負荷の変動の影響を排除し、水晶発振器45の発振周波数を安定にするために設けられている。この緩衝増幅器46の出力は、逓倍増幅器47に送られる。
【0033】
逓倍増幅器47は、緩衝増幅器46からの信号を逓倍して逓倍増幅器48に送る。逓倍増幅器48は、逓倍増幅器47からの信号を更に逓倍して電力増幅器49に送る。電力増幅器49は、逓倍増幅器48からの信号を電力増幅してアンテナ49aに送る。これにより、アンテナ49aから、マイク41で入力された音信号が電波として送信される。
【0034】
次に、このように構成された第1の実施の形態に係る補聴システムを難聴者が使用する場合の例を説明する。ヘッドセット1及びマイク付無線受信機40は何れも難聴者が携行可能に構成されており、通常は、図5に示すように、ヘッドセット1は、難聴者の頭部に装着して使用される。この際、骨伝導スピーカ20が難聴者の耳の前側に当接する状態又は耳の後側に当接する状態で装着することができる。また、マイク付無線送信機40は、例えば難聴者のベルトに装着して使用される。なお、マイク付無線受信機40は、例えばペンダントのように首にかけて使用するように構成することもできる。
【0035】
この通常の使用態様によれば、ヘッドセット1の骨伝導スピーカ20は難聴者の耳穴を塞がないので、疲れが少ないという利点がある。また、耳穴に挿入する従来の補聴器によれば、難聴者であることが一目瞭然であるので、ストレスが溜まるという問題があるが、ヘッドセット1を用いた場合は音楽を聴くスタイルと同じであるので、違和感がなく、そのような問題が生じにくい。
【0036】
また、マイク付無線送信機40は、図6に示すように、例えば家族といった複数人の輪の中心に置いて使用することもできる。この使用態様によれば、難聴者は家族全員の会話を同じ音量で聴くことができるので、一家団欒を楽しむことができる。
【0037】
更に、マイク付無線送信機40は、図7に示すように、例えばテレビジョン受像器(以下、「テレビ」と略する)のそばに置いて使用することもできる。この使用態様によれば、難聴者は何処にいてもテレビを鑑賞することができ、また、家族と会話しながらのテレビ鑑賞が可能になる。
【0038】
次に、上述した補聴システムの使用手順を説明する。難聴者は、先ず、無線受信機10の準備を行う。即ち、図8のフローチャートに示すように、まず、無線受信機10の電源スイッチを入れる(ステップS10)。
【0039】
次に、ヘッドセット1を頭部に装着する(ステップS11)。これにより、無線受信機10は、マイク付無線送信機40から送られてくる音を聴取できる状態になる(ステップS12)。次に、音量調整つまみ11を操作して音量を調整する(ステップS13)。以上の準備が完了すると、以後、会話や各種音声を楽しむことができる。
【0040】
次に、難聴者は、マイク付無線送信機40の準備を行う。即ち、図9のフローチャートに示すように、まず、アンテナ49aを装着する(ステップS20)。次に、マイク付無線送信機40の電源スイッチを入れる(ステップS21)。これにより、マイク付無線送信機40からの送信が開始される。
【0041】
次に、少人数との会話であれば(ステップS22のYES)、通常の使用態様で使用するべく、マイク付無線受信機40をベルト等に装着する(ステップS23)。以後、難聴者は、少人数との会話や各種音声を楽しむことができる。
【0042】
一方、少人数との会話でなく(ステップS22のNO)、テーブルを囲んでの会話等であれば(ステップS24のYES)、会話の中心にマイク付無線送信機40を置く(ステップS25)。以後、難聴者は、例えば家族のような多人数との会話や各種音声を楽しむことができる。
【0043】
テーブルを囲んでの会話等でなく(ステップS24のNO)、例えば家でテレビを視聴する場合であれば(ステップS26)、テレビの近くにマイク付無線送信機40を置く(ステップS27)。以後、難聴者は、テレビの鑑賞が可能になる。
【0044】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムによれば、マイク付無線送信機40とヘッドセット1との間は無線で接続されているので、補聴システムの装着に伴う煩わしさがなく、良好な装用感が得られる。また、無線通信の導入により多様な情報に対応が可能になり、多くの環境や場面で、利用者が正確な情報を自ら容易に聴取できる。
【0045】
また、マイク付無線送信機40のマイク41で集音された音は骨伝導スピーカ20を用いて使用者に伝達されるので、ソフトな情報伝達が可能になり、使用者に優しい補聴システムを提供できる。また、骨伝導スピーカ20の出力は、無線受信機10に設けられた音量調整つまみ11によって調整できるので、環境に素早く適応することができ、使用者のストレスを最小限に抑えることができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の態様に係る補聴システムは、上述した第1の実施の形態に係る補聴システムに、更に、インタフェース付情報送信機を追加したものである。このインタフェース付情報送信機は、本発明の情報送信機に対応する。
【0047】
図10は、インタフェース付情報送信機50の外観を示す図であり、図10(A)は前面から見た斜視図、図10(B)は背面から見た斜視図である。インタフェース付情報送信機50は、前面パネルに設けられた情報ソース選択スイッチ51及び音量調整つまみ52、背面パネルに設けられたソース入力端子53及びマイク入力端子54、並びに筐体上面に設けられたアンテナ55を備えている。なお、インタフェース付情報送信機50は、図示しない内蔵コンデンサマイクを備えており、マイク入力端子54にマイクが接続されない場合は、この内蔵コンデンサマイクが使用される。
【0048】
情報ソース選択スイッチ51は、複数の情報ソースの中から1つを選択するために使用される。情報ソースとして、「ダイナミックマイク」、「コンデンサマイク」、「TV、MD、パソコン」及び「PA」の何れかを選択できるようになっている。音量調整つまみ52は、当該インタフェース付情報送信機50から出力する音信号の大きさを調整するために使用される。
【0049】
ソース入力端子53は、テレビ(TV)、MD、パーソナルコンピュータ(パソコン)又はPAシステムから出力される音信号を入力するために使用される。マイク入力端子54は、ダイナミックマイク又はコンデンサマイクからの音信号を入力するために使用される。
【0050】
図11は、インタフェース付情報送信機50の電気的な構成を示すブロック図である。このインタフェース付情報送信機50は、マイク60、情報ソース機器61、情報ソース選択スイッチ(SW)51、音声増幅器62、周波数変調器63、水晶発振器64、緩衝増幅器65、逓倍増幅器66、逓倍増幅器67、電力増幅器68、音量調整つまみ52、アンテナ55及び電池69から構成されている。アンテナ55としては、例えば短縮アンテナを用いることができる。
【0051】
マイク60は、例えばダイナミックマイク又はコンデンサマイクから構成されており、マイク入力端子54に接続される。このマイク60で集音することにより得られた音信号は情報ソース選択スイッチ51に送られる。情報ソース機器61は、例えばテレビ、パーソナルコンピュータ、MD、PAから構成されている。なお、情報ソース機器61としては、上記以外に放送装置、拡声装置、構内案内装置、各種電話機、非常放送装置等といった機器を使用できる。この情報ソース機器61は、ソース入力端子53に接続される。この情報ソース機器61から出力される音信号は、情報ソース選択スイッチ51に送られる。
【0052】
情報ソース選択スイッチ51は、マイク入力端子54から入力されたダイナミックマイクの出力、コンデンサマイクの出力、ソース入力端子53から入力されたテレビ(TV)の出力、MDの出力、パーソナルコンピュータ(パソコン)の出力及びPAシステムの出力の何れかを選択して音声増幅器62に送る。音声増幅器42は、情報ソース選択スイッチ51からの音信号を増幅して周波数変調器63に送る。
【0053】
周波数変調器63は、音声増幅器62からの信号を周波数変調し、水晶発振器64に送る。水晶発振器64は、周波数変調器63からの周波数変調された信号に応じた周波数で発振する信号を生成し、緩衝増幅器65に送る。緩衝増幅器65は、水晶発振器45と負荷との結合をできるだけ疎にして負荷の変動の影響を排除し、水晶発振器64の発振周波数を安定にするために設けられている。この緩衝増幅器65の出力は、逓倍増幅器66に送られる。
【0054】
逓倍増幅器66は、緩衝増幅器65からの信号を逓倍して逓倍増幅器67に送る。逓倍増幅器67は、逓倍増幅器66からの信号を更に逓倍して電力増幅器68に送る。電力増幅器68は、逓倍増幅器67からの信号を、音量調整つまみ52の設定に応じた増幅率で電力増幅してアンテナ55に送る。これにより、アンテナ55から、マイク60又は情報ソース機器61から入力された音信号が電波として送信される。
【0055】
次に、こののように構成された第2の実施の形態に係る補聴システムを難聴者が使用する場合の例を説明する。難聴者はヘッドセット1のみを装着し、マイク60が接続されたインタフェース付情報送信機50が、例えば役場等といった行政機関や病院の窓口に設置される。窓口担当者と難聴者の会話は、マイク60からインタフェース付情報送信機50を介してヘッドセット1の無線受信機10に送信される音信号を用いて行われる。また、インタフェース付情報送信機50に、例えば博物館などの案内装置を接続し、案内装置からインタフェース付情報送信機50を介してヘッドセット1の無線受信機10に送信される音信号を用いて案内が行われる。
【0056】
次に、上述した補聴システムの使用手順を説明する。無線受信機10の準備(図8のフローチャート参照)及びマイク付情報送信機40の準備(図9のフローチャート参照)を行う手順は、上述した第1の実施の形態の場合と同じである。但し、図12のフローチャート(図9と同一の部分には同一の符号を付してある)に示すように、テーブルを囲んでの会話等でなく(ステップS24のNO)、例えばインタフェース付情報送信機50の情報を聞く場合であれば(ステップS28)、マイク付情報送信機40の電源を切る(ステップS29)。以後、難聴者は、インタフェース付情報送信機50の各種案内や情報を聞くことが可能になる。
【0057】
インタフェース付情報送信機50の準備は次のようにして行われる。即ち、図13のフローチャートに示すように、まず、情報ソースがマイクであって(ステップS30のYES)、且つ、内蔵コンデンサマイクであれば(ステップS31のYES)、手順はステップS38に進む。
【0058】
一方、情報ソースがマイクであって(ステップS30のYES)、且つ、内蔵コンデンサマイクでなければ(ステップS31のNO)、マイクの型式が調べられる(ステップS32)。そして、コンデンサマイク(ステップS33)又はダイナミックマイク(ステップS34)であれば、そのマイクはインタフェース付情報送信機50のマイク入力端子54に接続される(ステップS35)。その後、手順はステップS38に進む。
【0059】
情報ソースがマイクでない、つまり情報ソース機器61であれば(ステップS30のNO)、接続コードの一方の端部がインタフェース付情報送信機50に接続され(ステップS36)、他方の端部が情報ソース機器61に接続される(ステップS37)。その後、手順はステップS38に進む。
【0060】
ステップS38では、情報ソース選択スイッチ51を操作して所望の情報ソースを選択するように設定する。そして、会場に合わせたアンテナを用意する(ステップS39)。ここで、インタフェース付情報送信機50を設置する場所が広い会場でなければ(ステップS40のNO)、通常のアンテナ55をインタフェース付情報送信機50に接続する(ステップS41)。一方、広い会場であれば、複数の広エリア用アンテナの中から該会場に好適なものを選択し(ステップS42)、選択したアンテナをインタフェース付情報送信機50に接続する(ステップS43)。
【0061】
以上の作業が完了すると、電源スイッチを入れる(ステップS44)。これにより、送信が開始されるので、音量調整つまみ52を操作してボリュームを適当な値に設定する(ステップS45)。以上により、情報送信の準備が完了し、ヘッドセット1を装着した難聴者は、インタフェース付情報送信機50からの情報を受信することができる。
【0062】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に係る補聴システムによれば、インタフェース付情報送信機50に放送装置、拡声装置、テレビ、構内案内装置、各種電話機、非常放送装置等といった情報ソース機器を接続することにより、従来困難とされてきた、難聴者が映画館や演芸場等の音声、講演会の講演者の説明、会議、学校や教習所等の説明や音声を、難聴者の着席位置に拘わらず、聴取することができる。特に、劇場、講演会場、教室等においてインタフェース付情報送信機50を使用することにより、健常者に全く負担をかけずに難聴者に十分な情報を伝達する環境を構築できる。
【0063】
また、現在の補聴器や有線式の補聴器では不可能な、多人数の難聴者への情報の伝達、特に数十m離れた場所に居る難聴者に対して、情報伝達を十分に行うことができる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、マイクロフォンで集音することにより得られた音信号が無線で無線受信機に送られて骨伝導スピーカにより使用者に伝達されるので、補聴システムの装着に伴う煩わしさがなく、良好な装用感が得られる。また、マイクロフォンで集音された音は骨伝導スピーカを用いて使用者に伝達されるので、ソフトな情報伝達が可能になり、使用者に優しい補聴システムを提供できる。また、従来のボイスコイルを用いた骨伝導スピーカに比べて音質が良好であり、使用者にとって聴きやすいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムで使用される骨伝導スピーカの構造を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムで使用される無線受信機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムで使用されるマイク付無線送信機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムの通常の使用形態を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムの他の使用形態を説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムの更に他の使用形態を説明するための図ある。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムの無線受信機の準備の手順を説明するための図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る補聴システムのマイク付無線送信機の準備の手順を説明するための図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る補聴システムで使用されるインタフェース付情報送信機を示す外観図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る補聴システムで使用されるインタフェース付情報送信機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る補聴システムのマイク付無線送信機の準備の手順を説明するための図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る補聴システムのインタフェース付情報送信機の準備の手順を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ヘッドセット
2 フレーム
10 無線受信機
11 音量調整つまみ
20 骨伝導スピーカ
20a 左骨伝導スピーカ
20b 右骨伝導スピーカ
30 電池
40 マイク付無線送信機
41 マイク
Claims (3)
- マイクロフォンで集音することにより得られた音信号を無線信号として送信する携行可能なマイク付無線送信機と、
携行可能なヘッドセットとを備え、
前記ヘッドセットは、
前記マイク付無線送信機からの無線信号を受信して音信号を再生する無線受信機と、
前記無線受信機で再生された音信号に基づいて駆動される骨伝導スピーカとを備え、
前記骨伝導スピーカは、前記無線受信機で再生された音信号に応じて形状が変位する超磁歪素子により振動することを特徴とする補聴システム。 - 情報ソース機器からの音信号を無線信号として前記無線受信機に送信する情報送信機を更に備えることを特徴とする請求項1記載の補聴システム。
- 前記骨伝導スピーカは、円筒形状のハウジングの一端に固着されたストッパーと、前記ハウジングの他端に固着された保持材と、前記保持材の中空部に挿入された伝達材と、磁石と、円筒形状を有し両切断面に前記磁石を介在させて前記ストッパーと前記伝達材との間に保持された前記超磁歪素子と、前記超磁歪素子の周囲に設けられ、円筒状に成形され、磁界を発生させて前記超磁歪素子を駆動するコイルと、前記伝達材の一端と前記保持材との間に配置され且つ前記伝達材、前記磁石及び前記超磁歪素子を前記ストッパーの方向に押圧する押圧材とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の補聴システム。
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