JP4169969B2 - 固体電解質用支持体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固体電解質用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、高分子と非水溶媒とからなる固体電解質を用いた非水二次電池は、非水溶媒が漏れにくく安全性の向上が図れること、さらに、電池自体を薄くかつ自由な形状にすることができるため、開発が積極的に行われている。しかしながら、このような固体電解質は機械的強度が不足しており、単独では取扱うことが難しく、実用化するのが困難であった。
【0003】
このような背景のもと、固体電解質の機械的強度を補うための支持体が提案されている。例えば、非水溶媒を電解液とする電池(例えば、リチウムイオン電池)で使用されているようなポリエチレン製の微多孔膜セパレータを、固体電解質の支持体として利用したものや、ポリオレフィン系合成樹脂繊維製不織布を支持体として使用したものが知られている(特開平9−22724号公報など)。これらの支持体を使用した固体電解質は、機械的強度に優れ、効率的に電池を組立てることができるものであったが、支持体と固体電解質とが一体化された場合に、電気導電率が低くなることが判明した。
【0004】
また、非水溶媒を内部に保持する能力が高いポリフッ化ビニリデン樹脂を有機溶媒に溶解させたものを支持体に含浸したり、支持体にポリフッ化ビニリデン樹脂膜を接着して一体化させる方法が、イオン伝導性の向上方法として知られている。しかしながら、これらのポリフッ化ビニリデン樹脂を複合化した支持体は、非水溶媒を単独で使用するのであれば高い電気導電率を示すものの、固体電解質と一体化すると、電気導電率が非常に低くなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は従来技術の欠点を解消し、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることのできる固体電解質用支持体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、本発明による、「不織布中に、ポリフッ化ビニリデン樹脂を粉体の状態で含み、厚さが30μm以下、かつ空隙率が50%以上、80%以下であることを特徴とする、リチウムイオンポリマー電池用の固体電解質用支持体(以下、単に「支持体」ということがある)」によって解決することができる。つまり、従来のポリフッ化ビニリデン樹脂を使用した支持体は、支持体の空隙をポリフッ化ビニリデン樹脂が塞いだ状態となるため、十分な量の固体電解質を支持することができなかったのに対して、本発明の支持体は、ポリフッ化ビニリデン樹脂が粉体の状態で含まれており、支持体の空隙をポリフッ化ビニリデン樹脂が塞いでなく、空隙率が50%以上、80%以下の空隙の多いものであり、十分な量の固体電解質を支持することができるためイオンの伝導性に優れ、しかもポリフッ化ビニリデン樹脂はゲル化して非水溶媒を保持することができるため、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることのできるものである。また、支持体の厚さが30μm以下であるため、更に固体電解質支持後の電気導電率が高い。
【0007】
不織布構成材として、繊維径4μm以下の極細繊維を含んでいると、支持体の厚さを薄くすることができるため、更に固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。
【0008】
不織布が構成材の融着又は圧着によって形態を維持していると、不織布形態を維持するために不織布の空隙が塞がれておらず、空隙の多い状態にあるため、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。
【0009】
不織布構成材として、パルプ状物を含んでいると、ポリフッ化ビニリデン樹脂の保持性に優れているため、不織布構成材の量を減らすことができ、空隙を更に多くすることができるため、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の支持体を構成する不織布は固体電解質の機械的強度を補う働きをするとともに、できるだけ電気導電性を妨げないのが好ましい。そのため、不織布構成材として、極細繊維及び/又はパルプ状物を含んでいることによって、支持体の厚さが薄く、構成材の分散が均一であるのが好ましい。
【0013】
前者の極細繊維としては、繊維径が4μm以下の極細繊維であるのが好ましい。繊維径が細ければ細い程、支持体の厚さを薄くでき、極細繊維の均一分散性を高めることができ、しかもリチウムイオンポリマー電池用に使用する場合には、極板に使用する粉体の進入を防止できる。他方、下限は特に限定するものではないが、支持体としての強度を保持できるように、1μm程度であるのが好ましい。
【0014】
なお、本発明における繊維径は繊維の横断面形状が円形である場合にはその直径をいい、繊維の横断面形状が非円形である場合には円形断面に換算した際の直径をいう。
【0015】
この極細繊維の繊維長は特に限定するものではないが、支持体の開孔径分布を小さくできるように、5mm以下であるのが好ましく、3mm以下であるのがより好ましい。なお、極細繊維の繊維長の下限は特に限定するものではないが、0.1mm程度が適当である。
【0016】
このような極細繊維はどのような樹脂成分から構成されていても良いが、例えば、固体電解質を構成する非水溶媒との親和性に優れているポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、固体電解質を構成する非水溶媒によって侵されにくい、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、或いはこれらの混合体又は複合体、などを挙げることができる。
【0017】
また、不織布は繊維径、樹脂成分、或いは融着性又は圧着性の点で相違する、2種類以上の極細繊維を含んでいることができる。例えば、融着性又は圧着性の点で相違する2種類の極細繊維を含んでいると、一方の極細繊維を融着又は圧着することによって不織布形態を維持することができるため好適である。
【0018】
このような極細繊維は後述のようなパルプ状物を含んでいない場合、前記効果に優れているように、不織布中30mass%以上含まれているのが好ましく、40mass%以上含まれているのがより好ましく、50mass%以上含まれているのが更に好ましく、100%極細繊維からなるのが最も好ましい。また、後述のようなパルプ状物を含んでいる場合、前記効果に優れているように、不織布中10mass%以上含まれているのが好ましく、20mass%以上含まれているのがより好ましく、30mass%以上含まれているのが更に好ましい。他方、パルプ状物との兼ね合いから60mass%以下であるのが好ましく、50mass%以下であるのがより好ましく、40mass%以下であるのが更に好ましい。
【0019】
なお、このような繊維径が4μm以下の極細繊維は、例えば、海島型繊維の海成分を除去することによって島成分からなる極細繊維を発生させる方法、スーパードロー法によって紡糸する方法で製造することができる。
【0020】
他方、不織布構成材として、パルプ状物を含んでいるのが好ましい。このパルプ状物は支持体の厚さを薄くでき、均一分散性に優れており、しかもリチウムイオンポリマー電池用に使用する場合には、極板に使用する粉体の進入を防止できる。また、パルプ状物のフィブリルによるポリフッ化ビニリデン樹脂の保持性に優れているため、不織布構成材の量を減らすことができ、空隙を更に多くすることができるため、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。更には、パルプ状物のフィブリル間の絡みにより保形性にも優れているため、取り扱い性にも優れている。
【0021】
本発明のパルプ状物は非水溶媒と接触した際に、支持体の強度が低下しないように、合成樹脂から構成されているのが好ましく、より具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、メタ系又はパラ系全芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などを挙げることができる。
【0022】
このようなパルプ状物は前記性能に優れているように、不織布中、40mass%以上含まれているのが好ましく、50mass%以上含まれているのがより好ましい。他方、パルプ状物は前記性能に優れているものの、多くなり過ぎると不織布構造が緻密となりすぎて電気導電性が悪くなる傾向があるため、90mass%以下であるのが好ましく、80mass%以下であるのがより好ましい。
【0023】
本発明の不織布は上述のような極細繊維又はパルプ状物に加えて、極細繊維よりも太い太繊維を含んでいることができる。このような太繊維を含んでいることによって、支持体の強度を向上させることができる。
【0024】
この太繊維は前述のような極細繊維よりも繊維径が大きいため、繊維径が4μmを超えており、繊維径が大きければ大きい程、支持体の強度を向上させることができるため、5μm以上であるのがより好ましい。他方、太繊維の繊維径が大きすぎると、支持体の厚さが厚くなってしまい、電気導電率が悪くなる傾向があるため、10μm以下であるのが好ましく、8μm以下であるのがより好ましい。
【0025】
この太繊維の繊維長は特に限定するものではないが、均一に分散できるように、1〜10mmであるのが好ましく、3〜5mmであるのがより好ましい。
【0026】
このような太繊維はどのような樹脂成分から構成されていても良いが、極細繊維と同様に、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、或いはこれらの混合体又は複合体、から構成されていることができる。これらの中でも、ポリエチレンを鞘成分とし、ポリプロピレンを芯成分とする芯鞘型の太繊維は他の不織布構成材と融着して支持体の強度を向上させることができるため好適である。
【0027】
また、未延伸ポリエチレンテレフタレート太繊維のように、圧力によって結着可能な太繊維を含んでいると、他の不織布構成材と圧着して支持体の強度を向上させることができるため好適である。
【0028】
更に、太繊維も繊維径、樹脂成分、或いは融着性又は圧着性の点で相違する、2種類以上の太繊維を含んでいることができる。
【0029】
このような太繊維はパルプ状物を含んでいるかいないかに関係なく、前述のような極細繊維やパルプ状物の作用を妨げないように、不織布中の含有量は20mass%以下であるのが好ましく、15mass%以下であるのがより好ましい。なお、不織布中に太繊維が含まれていない場合もある。
【0030】
本発明の不織布は、例えば上述のような極細繊維、パルプ状物、或いは太繊維から構成されているのが好ましく、不織布は構成材の融着又は圧着によって形態を維持しているのが好ましい。このように構成材の融着又は圧着によって不織布形態を維持していると、不織布形態を維持するために不織布の空隙が塞がれておらず、空隙の多い状態にあるため、多くの固体電解質を支持することができ、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。例えば、エマルジョン又はサスペンジョン状のバインダーによって構成材間を結合すると、このバインダーによって皮膜が形成されて不織布の空隙が塞がれる傾向があるが、本発明の不織布は構成材の融着又は圧着によって形態を維持しているため、空隙の多い状態にある。なお、パルプ状物が融着又は圧着していると、皮膜状となって空隙が塞がれる傾向があるため、極細繊維及び/又は太繊維によって融着又は圧着しているのが好ましい。
【0031】
なお、「形態を維持している」とは固体電解質を支持させるのに支障のない程度の強度を有することをいう。
【0032】
本発明の支持体はこのような不織布中に、ポリフッ化ビニリデンを粉体の状態で含んでいるため、支持体の空隙がポリフッ化ビニリデン樹脂で塞がれておらず、しかもポリフッ化ビニリデン樹脂はゲル化して非水溶媒を保持することができるため、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。
【0033】
このポリフッ化ビニリデン樹脂粉体の粒径は特に限定するものではないが、粒径が小さければ小さいほど、支持体全体に分散することができ、固体電解質支持後におけるイオン伝導性の均一性が高くなり、電池性能が向上するため、粒径は4μm以下であるのが好ましく、2μm以下であるのがより好ましい。下限は特に限定するものではないが、ファンデルワールス力による不織布構成材表面への付着のためには、1μmであるのが好ましい。なお、この「粒径」は平均粒子径を意味し、この平均粒子径はレーザー回析・散乱法により測定することができる。
【0034】
また、支持体中におけるポリフッ化ビニリデン樹脂粉体の含有量は、イオン伝導性を高めることができるように、支持体全体の5mass%以上であるのが好ましい。他方、支持体全体の10mass%を超えると、不織布構成材によるポリフッ化ビニリデン樹脂粉体の保持性が悪くなるため、10mass%以下であるのが好ましい。
【0035】
なお、ポリフッ化ビニリデン樹脂を「粉体の状態で含む」とは、ポリフッ化ビニリデン樹脂が不織布構成材と不連続の状態で存在しているか、ある程度連続しているものの、完全には連続していない状態で存在した、ポリフッ化ビニリデン樹脂と不織布構成材との間に大なり小なりの空隙が存在する状態をいう。このような状態としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン樹脂が不織布構成材と物理的に付着(例えば、ファンデルワールス力)している状態、ポリフッ化ビニリデン樹脂が不織布構成材によって形成されている空隙に保持されている状態、などを挙げることができる。このように、ポリフッ化ビニリデン樹脂が粉体の状態にあると、支持体には空隙が確保されているため、固体電解質と一体化した際には、多くの固体電解質を支持することができるため、イオン伝導性に優れている。
【0036】
本発明の支持体は上述のように不織布中にポリフッ化ビニリデンを粉体の状態で含んでいることに加えて、空隙率が50%以上、80%以下であるため、支持体としての形態保持性を維持しつつ、支持できる固体電解質の量を多くできるため、優れた電気導電率とすることができるものである。より好ましい空隙率は55%以上であり、更に好ましい空隙率は60%以上である。また、空隙率は75%以下であるのがより好ましく、70%以下であるのが更に好ましい。
【0037】
本発明の「空隙率」(P)は、次の式より得られる値をいう。
空隙率(P)={1−W/(T×d)}×100
ここで、Wは目付(g/m)を意味し、Tは支持体の厚さ(μm)を意味し、dは支持体構成材の密度(g/cm)を意味する。なお、支持体構成材が2種類以上存在している場合、支持体構成材の密度は、各支持体構成材の質量平均をいう。また、「目付」はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定された方法に基づく坪量を意味し、「厚さ」はJIS B 7502に規定された方法により測定した値、つまり、5N荷重時の外側マイクロメーターにより測定された値を意味し、「密度」はJIS K 7112に規定された方法により測定された値を意味する。
【0038】
本発明の支持体の厚さは、イオン移動距離が短く、内部抵抗を下げることができ、電気導電率を高めることができるように、30μm以下であるのが好ましく、25μm以下であるのがより好ましい。なお、下限は特に限定するものではないが、支持体としての固体電解質の補強効果を損なわないように、また、支持できる固体電解質の量が少なくなり過ぎないように、10μmであるのが好ましく、15μmであるのがより好ましい。なお、本発明の支持体をリチウムイオンポリマー電池用に使用した場合には、支持体がこの程度の厚さがあれば、粉体活物質の侵入による微小短絡を防ぐことができる。
【0039】
本発明の支持体は、不織布中に、ポリフッ化ビニリデン樹脂を粉体の状態で含み、かつ空隙率が50%以上、80%以下である支持体である限り、どのように製造しても良く、特に限定されるものではないが、例えば、不織布を湿式法により製造する際に、一緒にポリフッ化ビニリデン樹脂粉体を抄き合わせて繊維ウエブを形成した後に、所望の空隙率となるように、加圧する方法を挙げることができる。なお、不織布構成材として融着又は圧着可能なものを含んでいる場合には、加圧すると同時、或いは加圧に先立って加熱して、融着又は圧着するのが好ましい。なお、圧着条件及び加熱条件は実験を繰り返すことにより適宜設定することができる。
【0040】
また、別の支持体の製造方法として、特願2000−370965号に開示されている方法により、ポリフッ化ビニリデン樹脂粉体を含む繊維ウエブを形成した後に、上記方法と全く同様に、所望の空隙率となるように、加圧、又は加熱加圧して製造することができる。つまり、例えば(1)ポリフッ化ビニリデン粉体と、(2)極細繊維集合体、圧縮気体の作用によって極細繊維に分割可能な分割性繊維の集合体、パルプ状物の集合体、圧縮気体の作用によってパルプ状物にフィブリル化可能な分繊性繊維の集合体、太繊維集合体、の中から選ばれる不織布構成素材とを、圧縮気体の作用によってノズルから気体中に噴出させて、前記ポリフッ化ビニリデン粉体と、前記不織布構成素材から発生した極細繊維、パルプ状物、或いは太繊維とを分散させ、これらを集積して、ポリフッ化ビニリデン樹脂粉体を含む繊維ウエブを形成した後に、前記方法と全く同様に、所望の空隙率となるように、加圧、又は加熱加圧して製造することができる。この方法によると、繊維ウエブの形成時にポリフッ化ビニリデン粉体の脱落がほとんどないため、設計通りに繊維ウエブ、結果として支持体を製造できるという効果を奏する。また、不織布構成素材として、パルプ状物の集合体、又は圧縮気体の作用によってパルプ状物にフィブリル化可能な分繊性繊維の集合体を使用したとしても、効率よくパルプ状物を発生させることができ、このパルプ状物のフィブリルによってポリフッ化ビニリデン粉体の保持性に優れている、という効果を奏する。更に、ポリフッ化ビニリデン粉体と不織布構成材とが均一に混合しているため、電気導電率に優れ、例えば、リチウムイオンポリマー電池用に使用した場合には、ハイレート充放電特性に優れ、電池寿命が長くなるという効果が期待できる。
【0041】
本発明の支持体を使用して固体電解質を支持すると、電気導電率の優れるものとすることができるため、リチウムイオンポリマー電池用のゲル状固体電解質の支持体として有効に使用できる。このゲル状固体電解質は80%以上が非水溶媒から構成されている場合が多いが、本発明の支持体は空隙率が高く、しかもポリフッ化ビニリデン粉体を含む非水溶媒の保持性の優れるものであるため、液漏れを防ぐことができるという点でも有効である。
【0042】
以下に、本発明の支持体の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】
【実施例】
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート極細繊維(繊度=0.1dtex、繊維径=3μm、繊維長=3mm)を30mass%、ポリエチレンテレフタレート未延伸圧着可能太繊維(繊度=0.2dtex、繊維径=5μm、繊維長=3mm、軟化温度=231℃)を10mass%、パラ系芳香族ポリアミドパルプ(繊維長=0.38mm)を50mass%、及びポリフッ化ビニリデン樹脂粉末(平均粒径=1μm)を10mass%配合したスラリーを調製した。
【0044】
次いで、前記調製したスラリーを短網傾斜抄紙機へ供給して抄造した後、表面温度180℃に設定されたヤンキードライヤーにより乾燥して、繊維ウエブを製造した。
【0045】
次いで、この繊維ウエブを熱カレンダー処理(圧力=500N/cm、温度=180℃)し、ポリエチレンテレフタレート未延伸圧着可能太繊維を圧着させることにより、不織布を形成すると同時にポリフッ化ビニリデン樹脂粉末を含む支持体(目付=12g/m、厚さ=20μm、空隙率=65%)を製造した。この支持体を構成する不織布は、後述のように固体電解質を支持させることのできる、圧着によって形態を維持したものであった。また、支持体はポリフッ化ビニリデン樹脂粉末を繊維表面、パルプ表面、繊維とパルプとの間に挟まれた状態、パルプ間に挟まれた状態、或いは繊維間に挟まれた状態(粉体の状態)で含む、適度な空隙を有するものであった。
【0046】
(比較例1)
ポリエチレンテレフタレート極細繊維(繊度=0.1dtex、繊維径=3μm、繊維長=3mm)を40mass%、ポリエチレンテレフタレート未延伸圧着可能太繊維(繊度=0.2dtex、繊維径=5μm、繊維長=3mm、軟化温度=231℃)を10mass%、及びパラ系芳香族ポリアミドパルプ(繊維長=0.38mm)を50mass%配合したスラリーを調製した。
【0047】
次いで、前記調製したスラリーを短網傾斜抄紙機へ供給して抄造した後、表面温度180℃に設定されたヤンキードライヤーにより乾燥して、繊維ウエブを製造した。
【0048】
次いで、この繊維ウエブを実施例1と同じ条件で熱カレンダー処理し、ポリエチレンテレフタレート未延伸圧着可能太繊維を圧着させて、支持体用基材(目付=10g/m、厚さ=18μm、空隙率=60%)を製造した。
【0049】
次いで、5g/m量のポリフッ化ビニリデン樹脂粉末(平均粒径=1μm)を、この支持体用基材に指で押し込んで充填して、支持体(目付=15g/m、厚さ=16μm、空隙率=38%)を製造した。また、支持体はポリフッ化ビニリデン樹脂粉末を繊維及びパルプにより形成された空隙に充填した状態(粉体状態)で含む、空隙のあまりない状態にあった。
【0050】
(比較例2)
比較例1と同様にして作製した支持体用基材(目付=10g/m、厚さ=18μm、空隙率=60%)に、ポリフッ化ビニリデン樹脂の10%メチルエチルケトン溶解液を、溶解液量が支持体用基材の質量の2倍(つまり、20g/m量)となるように含浸させた後、真空乾燥機により溶剤を乾燥除去して、支持体(目付=12g/m、厚さ=15μm、空隙率=45%)を製造した。この支持体においては、ポリフッ化ビニリデン樹脂が皮膜となった状態で存在していた。
【0051】
(電気導電率の測定)
高分子物質及び非水溶媒を10:90の質量比で、室温下で混合し、ゲル電解質溶液を調製した。なお、前記高分子物質としては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体(登録商標:エレクセルTA−140;第一工業製薬社製)を使用し、前記非水溶媒としては、プロピレンカーボネートとガンマーブチロラクトンを重量比で1:1に混合した溶媒に、濃度が1mol/Lとなるように、LiBFを溶解した溶媒を使用した。
【0052】
次いで、このゲル電解質溶液を、前記実施例1並びに比較例1〜2で製造した各支持体に均一に塗布し、支持体表面に厚さ5μm程度のゲル電解質層を形成させて、固体電解質を支持させた。
【0053】
次いで、この固体電解質を支持させた支持体を、電気導電率を測定するテストセル中に設置された、円形(直径=20mm)のステンレス鋼(SUS304)製電極間に挟み、前記と同様の非水溶媒をテストセル内に満たした後、圧力(0.2MPa/cm)を前記電極間に加え、固体電解質を支持させた支持体の厚さ方向における電気導電率を、交流インピーダンス法に基づいて測定した。すなわち、AUTOLAB PGSTAT30(ECO CHEMI社製)により測定した複素インピーダンスの軌跡をコール・コールプロット法により解析し、電気導電率(単位=S/cm)を求めた。電気導電率は1×10−3S/cm以上のものが実用に適している。この結果は表1に示す通りであった。この表1から明らかなように、本発明の支持体により固体電解質を支持したものは、電気導電率が高く、実用性に優れていることが判明した。
【0054】
【表1】
Figure 0004169969
【0055】
【発明の効果】
本発明の固体電解質用支持体は固体電解質支持後の電気導電率を高くすることのできるものである。そのため、リチウムイオンポリマー電池用に好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 不織布中に、ポリフッ化ビニリデン樹脂を粉体の状態で含み、厚さが30μm以下、かつ空隙率が50%以上、80%以下であることを特徴とする、リチウムイオンポリマー電池用の固体電解質用支持体。
  2. 不織布構成材として、繊維径4μm以下の極細繊維を含んでいることを特徴とする、請求項1記載の固体電解質用支持体。
  3. 不織布が構成材の融着又は圧着によって形態を維持していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の固体電解質用支持体。
  4. 不織布構成材として、パルプ状物を含んでいることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の固体電解質用支持体。
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