JP4169198B2 - 高出力レーザー増幅器 - Google Patents

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本発明は高繰り返しレーザーの大出力と高品質化を可能とする高出力レーザー増幅器に関する。
近年、溶接・溶断等のレーザー加工から表面改質や微細加工等のレーザ一加工分野においては、安価で高出力のレーザー光発生装置が望まれている。ランプ等により励起されたレーザー媒質に、レーザー光を入射し増幅して高出力のレーザー光を得ている。そして、レーザー光増幅器に用いられるレーザー媒質には、円筒側面冷却のロッド型とガス冷却ディスク型がある。
現在の主流はロッド型であるが、結晶育成の点から大口径化が困難で、大出力化には限度がある。また、円筒側面を冷却することが出来るが、熱勾配による熱レンズ効果が発生し、ビーム品質の劣化や大出力化の制約をもたらす。そのため現状で実用化されている出力は、数kHzの高繰り返しでは、パルス出力はたかだか数百mJである。
一方、ディスク型は大口径が可能で高出力に向いているが、冷却媒質が窒素やヘリウムの気体であるため冷却効率が低く、高繰り返しでの大出力化のネックになっている。レーザー核融合では、大出力にすると数時間で1ショットが限界である(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−102566号公報
このように、従来、高出力パルス用レーザーに用いられるロッド型レーザー媒質は高繰り返し動作可能であるが、大口径化が困難なことや熱レンズ効果のため出力に限度があった。また、ディスク型レーザー媒質は大口径化により高出力が得られるが、空冷であるため繰り返しに限度があると共にビーム品質が悪かった。そこで、本発明はレーザー加工分野等に応用可能な高繰り返しレーザーの大出力と高品質化を可能とする高出力増幅器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明の請求項1に係る高出力レーザー増幅器は、レーザー光を増幅するディスク型またはスラブ型の板状で、かつ1枚または複数枚の構成の固体レーザー媒質と、それを格納するハウジングと、固体レーザー媒質を励起する励起光源とを備えるレーザー増幅器であって、レーザー光路には偏子、前記増幅器、偏回転素子、波面歪みを補償する位相共役鏡を備え、前記固体レーザー媒質の冷却媒質が水またはフッ素系不活性液体であり、前記固体レーザー媒質に沿って流れる冷却媒質の流れが、前記固体レーザー媒質の冷却と共に、少なくとも冷却媒質を通過するレーザー光路部分において層流になるようにして、冷却媒質の流れによって引き起こされる波面歪みが高次の波面収差を含まないようにするための鋭角又は流線型の仕切板等でなる乱流発生防止手段を備え、入射レーザー光が前記増幅器を通過後、位相共役鏡で反射されて前記増幅器を逆向きに通過し、レーザービームが同一増幅器を少なくとも1往復し、前記偏子より出力されるように構成した。
これにより、本発明の高出力増幅器は、固体レーザー媒質を励起光で励起するレーザー増幅器において、固体レーザー媒質の冷却媒質が液体であって、少なくともレーザー光路部分において層流であり、乱流でないので、冷却媒質の流れによって引き起こされる波面歪みが低次の波面収差のみであって、高次の波面収差を含まないので、レーザー光路に波面歪みを位相共役鏡で補償することができ、また、入射レーザー光が増幅器を通過後、位相共役鏡で反射されて増幅器を逆向きに通過し、レーザービームが同一増幅器を少なくとも1往復し、この光学構成を繰り返すことで高出力のレーザーが得られると共に、固体レーザー装置で発生する熱レンズ効果及び熱複屈折効果などの熱効果を除去できて高品質のレーザーを得ることができる。
この発明の請求項2に係る高出力レーザー増幅器は、請求項1の高出力レーザー増幅器において、前記増幅器は、レーザー光を増幅するディスク型の複数枚の板状の固体レーザー媒質と、該固体レーザー媒質を励起する励起光源と、レーザー光に対し高い反射率特性、励起光源に対しては高い透過率特性の波長分離型光学薄膜でなる高反射鏡とを備え、それらを格納する光学箱からなるアクティブミラー型ディスク増幅器を左右対称に複数段配置された構成とした。
これにより、レーザー増幅器を水冷型ディスクレーザー増幅器のみならず、アクティブミラー型ディスク増幅器とすることにより、この光学構成を繰り返すことで高出力を得ることができる。
以上のように、本発明の高出力レーザー増幅器は、レーザー光を増幅する固体レーザー媒質がハウジングに格納され、固体レーザー媒質を励起光で励起するレーザー増幅器において、固体レーザー媒質の冷却媒質が液体であって、少なくともレーザー光路部分において層流であり、乱流でないので、冷却媒質の流れによって引き起こされる波面歪みが低次の波面収差のみであって、高次の波面収差を含まないので、レーザー光路に波面歪みを位相共役鏡で補償することができ、かつ、レーザービームが増幅器を少なくとも1往復することにより、高出力のレーザーが得られる。
また、水冷デイスクレーザー増幅器であるため、冷却能力が大きくなり、レーザー媒質内に蓄積した熱除去が可能である。そして、残留熱によるレーザー媒質内の歪みは、位相共役鏡による補正が可能であり、固体レーザー装置で発生する熱レンズ効果及び熱複屈折効果などの熱効果を除去できることにより、高品質のレーザーを得ることができる。
本発明は、レーザー光を増幅する固体レーザー媒質がハウジングに格納され、固体レーザー媒質を励起光で励起するレーザー増幅器において、固体レーザー媒質の冷却媒質が液体であって、レーザー光路に波面歪みを補償する位相共役鏡を備え、レーザービームが増幅器を少なくとも1往復することを特徴とするレーザー増幅器である。ここで冷却媒質の流れが、少なくともレーザービームが通過する部分は層流であるように制御される。層流により、ビームが冷却液体通過後に高次の波面収差を含まないため、位相共役鏡で補償出来る。
乱流発生防止は、鋭角又は流線型の仕切板等で実現される。固体レーザー媒質はディスク型またはスラブ型の板状で、1枚または複数枚の構成で、直接に液体で冷却される。励起源はフラツシュランプやレーザーダイオードアレイが用いられる。液体の冷却媒質は水またはフッ素系不活性液体が用いられる。増幅器がアクティブミラー型の増幅器にも適用出来る。ディスク型であるため大口径化が可能で、多数枚使用により、1パルス当たり100J級まで可能で、出力10J級以上は容易に実現される。
次に、本発明の高出力レーザー増幅器の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の高出力レーザー増幅器の基本構成図である。図において、1は水冷型の板状(ディスク型,スラブ型)レーザー増幅器であり、レーザー光路にも水など冷却液体が流れる構造を有する。2は位相共役鏡、3は位相素子(1/4波長板)もしくは偏光回転素子(ファラデー回転子)、4は偏光ビームスプリッター(偏光子)である。
図1の基本構成について次に説明する。例えば、横偏光(P偏光)の入射レーザー光は、横偏光ビームを通過するように配置した偏光ビームスプリッター(偏光子)4を通過後、レーザー光路にも水など冷却液体が流れて冷却される板状レーザー増幅器1により増幅された後、偏光回転素子3により横偏光から45度偏光となり、位相共役鏡2に入射される。
位相共役鏡2により反射されたレーザー光は、再び偏光回転素子3を通過することにより、さらに偏向は45度回転する。その結果、偏光回転素子3を通過後の偏光方向は、入射偏光の横偏光から90度回転した縦偏光(S偏向)となる。この縦偏光のレーザー光は、再び板状レーザー増幅器1により高出力まで増幅された後、偏光ビームスプリッター4によりレーザー光は切り出される。偏光ビームスプリッター4は、入射レーザー光P偏光には通過するのに対し、反射レーザー光S光偏向では反射するように配置されている。
ここで、位相共役鏡(PCM)について説明する。レーザー光と物質との非線形相互作用を利用すると、いわゆる「魔法の鏡」を作ることができる。通常の鏡で反射した光は、単に方向が変わって進むだけである。しかし、この鏡で反射した光は、反射光は必ず元来た方向に伝わる。また、鏡と自分の間に歪んだガラス等の透明媒質を入れて自身を映すと、歪んで見えるが、この鏡では全く歪まずに見える。光を媒介にして像を見たとき、像が正しく見えるか、歪んで見えるかは、物体から出た光の位相が途中でどの程度空間的に歪むかにより、歪みが大きいほど像は歪んで見える。
位相共役鏡で反射した光は位相が時間を遡るように来た道を還り、往路で受けた歪みが復路で打消される。このため、元の物体の所まで還ってきた光でその像を見ると無歪みで見える。但し、光の強さは位相と直接関係ないので、途中で弱められても、強められても関係ない。
この位相共役鏡を作る方法の一つに、物質中に入ってきた情報をレーザー光で誘起された音波(ブリルアン波)により伝える方法があり、これを誘導ブリルアン散乱(SBS)位相共役鏡という。これを利用すると簡単に位相共役鏡を作ることができ、非常に質の高いレーザー光を発生、増幅することができるばかりでなく、無歪みで像を転写できる。
従って、位相共役鏡2により、板状レーザー増幅器1内をレーザー光が往きと還りにおいて、同一光路を通過することにより、板状レーザー増幅器1を2回以上通過することによって高出力が得られ、且つ高ビーム品質が得られる。
板状レーザー増幅器1は、多段で連結された場合や、板状レーザー増幅器を偶数倍(2,4,6回等)通過した場合でも機能する。また、位相素子(1/4波長板)もしくは偏光回転素子(ファラデー回転子)3の位置は、板状レーザー増幅器1の前後のどちらでも機能する。
本発明では、位相共役鏡2はパルスレーザー用誘導ブリルアン散乱位相共役鏡を用いたが、連続出力レーザー用フォットリフラクテイブ結晶位相共役鏡を使用することも可能である。また、波面補償できる光学素子は位相共役鏡に限らず、波面と逆構造を持たせることのできる可変形鏡などは利用可能である。
次に本発明の第1の実施形態である水冷ディスク増幅器について図2を参照して説明する。水冷ディスク増幅器は、複数枚からなる板状(ディスク型,スラブ型)のレーザー媒質(結晶もしくはガラス材料)で構成されるレーザー装置であり、レーザー光路にも水など冷却液体が流れる構造を有するレーザー増幅器を言う。
図2において、図1と同一物には同じ符号を付している。2は位相共役鏡、3は偏光回転素子、4は偏光子、5は板状結晶、6は石英などの光学窓、7は冷却水路、10はキセノンフラシュランプや半導体レーザー等の励起光源であり、板状結晶5は3枚の板状結晶で構成されている。冷却水路7はある角度(入射角に対し約56度傾斜)をもって、3枚の板状結晶5の表面を冷却水により冷却する。レーザー光の入射角度は、透過率が最大になるように配置される。3枚の板状結晶5からなる増幅器は石英などの光学窓6を持つ光学箱に納めた構造とし、左右対称に配置されている。
この実施形態の動作を説明する。励起光源10の横偏光(P偏光)の入射レーザー光は、横偏光ビームを通過するように配置した偏光ビームスプリッター(偏光子)4を通過後、左側のレーザー増幅器を構成する、光学窓6を介して3枚の板状結晶5の表面から効率良く励起する。
板状結晶5により増幅された後、光学窓6を介して、右側のレーザー増幅器を構成する、光学窓6を介して3枚の板状結晶5で更に増幅された後、光学窓6を介して偏光回転素子3に至り、この偏光回転素子3より横偏光から45度偏光となり、位相共役鏡2に入射される。
位相共役鏡2により反射されたレーザー光は、再び偏光回転素子3を通過することにより、さらに偏光は45度回転する。その結果、偏光回転素子3を通過後の偏光方向は、入射偏光の横偏光から90度回転した縦偏光(S偏光)となる。この縦偏光のレーザー光は、再び右側のレーザー増幅器を構成する、光学窓6を介して3枚の板状結晶5で更に増幅された後、左側のレーザー増幅器を構成する、光学窓6を介して3枚の板状結晶5で高出力まで増幅されて、偏光ビームスプリッター4によりレーザー光は切り出される。
ここで、左右のレーザー増幅器は左右対称に配置することにより、入射ビーム光は増幅後も同一高さまで戻ることができる。偏光ビームスプリッター4は、入射レーザー光P偏光には通過するのに対し、反射レーザー光S偏光では反射するように配置されている。そして、3枚の板状結晶で構成され左右の増幅器は冷却水路7の冷却水により冷却される。
このように、水冷された板状レーザー増幅器と波面補償の可能な位相共役鏡などを組み合わせた多重パス光路を持つレーザー増幅器を構成することにより、偏光ビームスプリッター4からの出射レーザー光は高出力で、かつ高品質となる。
冷却液体としては水に限ることなく、粘度の低いフレオン(弗化炭素系の液体)等や、その他の励起光やレーザー光に対する光学的吸収率の低いものは利用できる。また、各多面体のディスク型、スラブ型に利用できる。
レーザーディスクを石英などの窓を持つ光学箱に納めた構造としたが、窓材料は石英に限らず、通常の透明光学材料のほか、固体レーザーを直接窓材として利用する形式も可能である。また、レーザー材料は、希土類を添加した全ての固体レーザー材料や液体レーザー材料を利用できる。
板状結晶で構成された増幅器が冷却水により冷却される構成を図3に示す。図において、左右の光学窓6と冷却水路を介して挟まれた板状結晶5(図では垂直であるが、実際はある傾斜をなしている。)は、板状結晶5に沿って流れる冷却媒質の流れが、少なくともレーザー光路部分において層流であるように、鋭角又は流線型の仕切板等でなる乱流発生防止手段により、左右の光学窓6に、夫々の鋭角又は流線型の仕切板8を取り付ける。また、板状結晶5にも反射防止膜9を付けることもできる。こうして、乱流の発生が防止され層流となるので、ビームが冷却液体通過後に高次の波面収差を含まないため、位相共役鏡で補償できる。
次に本発明の第2の実施形態であるアクティブミラー型ディスク増幅器について図4を参照して説明する。図において、図1、図2と同一物には同じ符号を付している。2は位相共役鏡、3は偏光回転素子、4は偏光子、5は板状結晶、6は石英などの光学窓、7は冷却水路、10は励起光源、11は高反射鏡であり、板状結晶5は3枚の板状結晶で構成されている。レーザー光の入射角度は、透過率が最大になるように配置される。3枚の板状結晶5からなる増幅器は石英などの光学窓6を持つ光学箱に納めた構造とし、左右対称に配置されている。
この実施形態の動作を説明する。励起光源10の横偏光(P偏光)のある角度(数10度)の入射レーザー光は、横偏光ビームを通過するように配置した偏光ビームスプリッター(偏光子)4を通過後、左側のレーザー増幅器を構成する、光学窓6を介して3枚の板状結晶5の表面から効率良く励起する。
板状結晶5により増幅された後、光学窓6を介して、高反射鏡11により反射された後、再び、右側のレーザー増幅器を構成する、光学窓6を介して3枚の板状結晶5で更に増幅された後、光学窓6を介して高反射鏡11により反射された後、偏光回転素子3に至り、この偏光回転素子3より横偏光から45度偏光となり、位相共役鏡2に入射される。
位相共役鏡2により反射されたレーザー光は、再び偏光回転素子3を通過することにより、さらに偏光は45度回転する。その結果、偏光回転素子3を通過後の偏光方向は、入射偏光の横偏光から90度回転した縦偏光向(S偏光)となる。この縦偏光のレーザー光は、再び右側のレーザー増幅器で増幅された後、光学窓6を介して高反射鏡11により反射された後、左側のレーザー増幅器で増幅されて、光学窓6を介して高反射鏡11により反射された後、偏光ビームスプリッター4によりレーザー光は切り出される。
図4は2段構成の一例であるが、この光学構成を繰り返すことで高出力が得られる。高反射鏡は、レーザー光に対し高い反射率特性、励起光源に対しては高い透過率特性の波長分離型光学薄膜が利用される。
左右のレーザー増幅器を構成する夫々3枚の板状結晶は冷却水路7の冷却水により冷却される。このように、水冷された板状レーザー増幅器と波面補償の可能な位相共役鏡などを組み合わせた多重パス光路を持つレーザー増幅器を構成することにより、偏光ビームスプリッター4からの出射レーザー光は高出力で、かつ高品質となる。
そして、本実施形態ものでも冷却液体としては水に限ることなく、粘度の低いフレオン(弗化炭素系の液体)等や、その他の励起光やレーザー光に対する光学的吸収率の低いものは利用できる。
水冷デイスクレーザー増幅器と位相共役鏡を用いたレーザー装置の特徴を列記すると、次の通りである。
(1)水冷デイスクレーザー増幅器であるため、冷却能力が大きくなり、レーザー媒質内に蓄積した熱除去が可能である。残留熱によるレーザー媒質内の歪みは、位相共役鏡による補正が可能であり、固体レーザー装置で発生する熱レンズ効果及び熱複屈折効果などの熱効果を除去できる。
(2)レーザー光路に冷却用の液体が流れており,レーザー波面に与える歪は,位相共役鏡や可変形鏡で補正可能である。
(3)冷却用液体の流量を確保するために比較的高い圧力が窓材に掛かるが,窓材料に与える光学的歪も同時に補正可能である。
(4)ジグザグスラブレーザーやロッドレーザーにおける冷却用液体を封じるためのシールが不要なため,シールがレーザー材料に機械的に与える歪が無くなり,レーザー設計に自由度を与えることができる。
(5)ジグザグスラブレーザーやロッドレーザーに比べ、大口径化が可能であり、高出力(100J級パルス出力)で、高繰り返し動作100Hz以上が可能である。
(6)励起源をレーザー媒質と分離することが可能であり、構成が簡便である。
次に、通常の高反射鏡を用いたものと、位相共役鏡を用いた水冷デイスクレーザー増幅器の集光性能の比較実験結果を図5、図6に示す。通常の高反射鏡を用いて増幅器を2パスで用い、入射ビームの集光スポット径に対し、透過したレーザービーム性能が低下するかを調べた。
増幅器内の冷却水を流す隙間は、約0.5〜1mmであり、板状レーザー媒質をサンドイッチしている窓板が水圧による歪みを生じる。即ち、窓板中央部がかまぼこ状に変形してレンズ効果が生じる。この結果、ビームの集光スポット径は、大きくなっている。最大流量20リッター/分でのスポット径は、初期径の約6倍以上まで大きくなっている。このことは、ビーム品質が大幅に低下していることを意味している。
一方、位相共役鏡を用いた水冷デイスクレーザー増幅器を2パスで用いた場合は、集光スポット径は、初期のスポット径と同じであることから、ビーム性能を維持している。そして、集光スポット径は、レーザー光の波長λ(cm)、ビーム口径d(cm)と使用するレンズの焦点距離f(cm)によって、理想的な集光最小ビーム径D(cm)は次式で定義できる。
(数1)
D=2.44×f/d×λ
使用したレーザー光の波長λ=1.06×10-4 、ビーム口径d=3(cm)、レンズの焦点距離f=200(cm)を導入すると、理想的な最小ビーム径Dは、約0.015cm(150μm)である。尚、入射ビームのスポット径約200(μm)が入射レーザービームの理想値である。
こうして得られた、波面歪みの冷却水流量依存をグラフ化し、冷却水流量とスポットサイズとの関係を図5に示す。ここで、「垂直」「水平」はスポットの垂直サイズと水平サイズを意味する。また、スポットサイズの写真撮影結果は、通常の高反射鏡を用いたものと、位相共役鏡を用いた水冷デイスクレーザー増幅器とを比較して、図6に示されている。これからも明らかなように、集光スポット径には変化がなく、ほぼ一定となる。
本発明高出力レーザー増幅器は、超短パルス高繰り返しレーザーを用いた微細加工、X線(EUV)発生用レーザー光源、コヒーレントX線(X線レーザー)の励起光源、核融合レーザー技術、高エネルギー物理実験等の種々の分野に多岐にわたって応用できる。
本発明の高出力レーザー増幅器の基本構成図。 本発明の第1の実施形態(水冷ディスク増幅器)。 乱流発生防止手段付増幅器。 本発明の第2の実施形態(アクティブミラー型ディスク増幅器)。 冷却水流量とスポットサイズとの関係図。 スポットサイズの撮影写真。
符号の説明
1 板状レーザー増幅器
2 位相共役鏡(PCM)
3 偏光回転素子
4 偏光ビームスプリッター(偏光子)
5 板状結晶
6 石英などの光学窓
7 冷却水路
8 乱流発生防止手段
9 反射防止膜
10 励起光源
11 高反射鏡

Claims (2)

  1. レーザー光を増幅するディスク型またはスラブ型の板状で、かつ1枚または複数枚の構成の固体レーザー媒質と、それを格納するハウジングと、固体レーザー媒質を励起する励起光源とを備えるレーザー増幅器であって、レーザー光路には偏子、前記増幅器、偏回転素子、波面歪みを補償する位相共役鏡を備え、前記固体レーザー媒質の冷却媒質が水またはフッ素系不活性液体であり、前記固体レーザー媒質に沿って流れる冷却媒質の流れが、前記固体レーザー媒質の冷却と共に、少なくとも冷却媒質を通過するレーザー光路部分において層流になるようにして、冷却媒質の流れによって引き起こされる波面歪みが高次の波面収差を含まないようにするための鋭角又は流線型の仕切板等でなる乱流発生防止手段を備え、入射レーザー光が前記増幅器を通過後、位相共役鏡で反射されて前記増幅器を逆向きに通過し、レーザービームが同一増幅器を少なくとも1往復し、前記偏子より出力されるように構成されたことを特徴とする高出力レーザー増幅器。
  2. 前記増幅器は、レーザー光を増幅するディスク型の複数枚の板状の固体レーザー媒質と、該固体レーザー媒質を励起する励起光源と、レーザー光に対し高い反射率特性、励起光源に対しては高い透過率特性の波長分離型光学薄膜でなる高反射鏡とを備え、それらを格納する光学箱からなるアクティブミラー型ディスク増幅器を左右対称に複数段配置されたことを特徴とする請求項1記載の高出力レーザー増幅器。
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