JP4168167B2 - 避難誘導システム - Google Patents

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Description

本発明は、避難誘導システムに関し、緊急地震速報や各種災害情報などのデータを利用して避難誘導対象者近傍の施錠を解除するとともに避難誘導をするように構成された避難誘導システムに関する。
地震や火災などの災害が突如発生した場合、適切に避難することはきわめて難しい。
たとえば、エレベータなどを用いた通常の通路とは異なる専用の避難経路を通って避難する必要があって、避難経路がわかりにくい場合がある。
また、地震や火災などの災害が夜間に発生した場合、避難経路がわかりにくい問題がある。また、入り組んだ建物の場合、災害に伴って停電が発生したりすると、適切な避難はきわめて困難である。
また、単純に避難を考えるとドアや扉を開いたままにしておくことが望ましいが、火災の広がりを抑止するためには防火扉のように閉じた状態にしておくことが望ましいものもある。そして、地震などの場合には、後に火災が発生することもある。
すなわち、防犯上の理由でドアが施錠されていたり、防火扉が閉じていたり、火災の煙で避難誘導灯が見えにくかったり、通常では予想できない各種の要因が重なることがあり、迅速に避難をすることが難しくなることが考えられる。
また、老人や子供だけが建物内にいる状態で災害が発生した場合にも、迅速に避難をすることはきわめて難しい。
以上の場合、最悪の状況では、建物内にいる人々が閉じこめられた状態に陥り、火災や建物倒壊の被害者となる場合も想定される。
この種の閉じこめに関しては、以下の特許文献1や特許文献2などに関連した技術が記載されている。
特開2001−283348号公報 特開2001−275509号公報
以上の特許文献1に記載されたものは、被災者の存在を災害発生前に場所を含めて記憶登録し、災害発生を検出すると救助信号を自動送出することで災害時の閉じこめに対応するものである。
このシステムでは、事前登録、災害発生の検出、救助信号の送信、救助信号を受信しての救助など、システムや運用が大がかりになるという欠点がある。
また、特許文献2に記載の技術では、火災などの災害発生を検知して、ドアオープンの制御を行うようにしている。
しかし、逆に、単純なセンサと組み合わせて、出入り口のドアの施錠を解除したとしても、建物内にいる人々が途中で迷ってしまい、出入り口に達することができずに犠牲になる可能性もある。
また、伝染性の病気あるいは凶悪犯罪などの理由で、隔離病棟や刑務所などの施設から、簡単に外に出してはならない場合、あるいは、避難させる際に避難経路や避難先を厳重に管理することが必要な場合もある。たとえば、あるウィルスに感染した患者と、そのウィルスには感染していないものの免疫の低い状態の患者とが、同じ避難経路や同じ避難場所にいることが極めて望ましくない場合もある。
また、避難すべき避難誘導対象者が位置情報を示す発振器などを所持しておいて、避難先を管理したり、救助に用いることも考えられるが、発振器と避難誘導対象者が離れてしまった場合、実際には誰もいない発振器に向かって救助を進めるという無駄が発生する恐れもある。
また、実際には複数の避難経路が存在しているにもかかわらず、多数の避難誘導対象者が1箇所の避難経路に集中することで避難が遅れるといった問題も発生することがある。このような事態に対処して、複数の避難経路に多数の避難誘導対象者を振り分けるようなシステムは存在していなかった。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、地震などの災害発生時に、適切な避難誘導することが可能な避難誘導システムを実現することを目的としている。
上述した不具合を解決する手段としての本発明は、以下に述べるようなものである。
(1)種災害の発生に関する災害発生情報を受信する受信装置と、避難誘導対象者の位置を検出する第一位置検出手段と、ユーザの位置を検出する第二位置検出手段と、室内各出入り口るいは通路に配置され、避難誘導の表示あるいは音声出力を行う避難誘導部と、ユーザと通信を行う通信手段と、避難制御信号を送信する送信機と、前記ユーザと前記避難誘導対象者とが同一建物内であって同一室外に存在すると検知された場合、または、前記ユーザに対して承認を求める通知を行い、該ユーザからの承認が得られた場合、もしくは該通知に対する該ユーザからの応答がなかった場合に、前記受信装置で受信された災害発生情報により、前記第一位置検出手段で検出された前記避難誘導対象者の現在位置に応じて、前記避難誘導部により避難誘導させる前記避難制御信号を送信する制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする避難誘導システムである。
(2)種災害の発生に関する災害発生情報を受信する受信装置と、避難誘導対象者の位置を検出する第一位置検出手段と、ユーザの位置を検出する第二位置検出手段と、室内各出入り口るいは通路に配置され、避難誘導の表示あるいは音声出力を行う避難誘導部と、ユーザと通信を行う通信手段と、避難制御信号を送信する送信機と、前記第二位置検出手段により前記ユーザが外国あるいは国内島嶼部など遠隔の地に存在すると検知された場合、または、前記ユーザに対して承認を求める通知を行い、該ユーザからの承認が得られた場合、もしくは該通知に対する該ユーザからの応答がなかった場合に、前記受信装置で受信された災害発生情報により、前記第一位置検出手段で検出された前記避難誘導対象者の現在位置に応じて、前記避難誘導部により避難誘導させる前記避難制御信号を送信する制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする避難誘導システムである。
(3)請求項記載の発明は、各種災害の発生に関する災害発生情報を受信する受信装置と、避難誘導対象者の位置を検出する第一位置検出手段と、ユーザの位置を検出する第二位置検出手段と、室内各出入り口るいは通路に配置され、避難誘導の表示あるいは音声出力を行う避難誘導部と、避難制御信号を送信する送信機と、前記ユーザと前記避難誘導対象者とが同一建物内であって同一室外に存在すると検知された場合に、前記受信装置で受信された災害発生情報により、前記第一位置検出手段で検出された前記避難誘導対象者の現在位置に応じて、前記避難誘導部により避難誘導させる前記避難制御信号を送信する制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする避難誘導システムである。
(4)請求項記載の発明は、各種災害の発生に関する災害発生情報を受信する受信装置と、避難誘導対象者の位置を検出する第一位置検出手段と、ユーザの位置を検出する第二位置検出手段と、室内各出入り口るいは通路に配置され、避難誘導の表示あるいは音声出力を行う避難誘導部と、避難制御信号を送信する送信機と、前記受信装置で受信された災害発生情報により、前記第一位置検出手段で検出された前記避難誘導対象者の現在位置に応じて、前記避難誘導部により避難誘導させる前記避難制御信号を、前記ユーザと前記避難誘導対象者とが同一建物内であって同一室外に存在すると検知された場合には送信すると共に、前記ユーザと前記避難誘導対象者とが同一室内に存在すると検知された場合には送信しない制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする避難誘導システムである。
(5)請求項記載の発明は、避難誘導対象者の居室の出入り口を施錠しており、前記避難制御信号を受信して施錠が解除される施錠部を備える、ことを特徴とする請求項1または請求項に記載の避難誘導システムである。
(6)請求項記載の発明は、前記位置検出手段は、避難誘導対象者によって所持され、生体センサにより前記避難誘導対象者の生体データ値を検出する生体データ検出端末装置に備えられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の避難誘導システムである。
(7)請求項記載の発明は、前記制御手段は、前記位置検出手段で検出された現在位置に応じて、現在位置から次に移動すべき出入り口あるいは通路に、前記避難誘導部から避難誘導の表示あるいは音声出力を行うように前記避難制御信号を生成する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の避難誘導システムである。
(8)請求項記載の発明は、前記出入り口は自動開閉装置を備え、前記制御手段からの避難制御信号に応じて、現在位置から次に移動すべき出入り口の自動開閉装置を開く、ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の避難誘導システムである。
(9)請求項記載の発明は、前記制御手段は、前記位置検出手段で検出された現在位置に応じて、避難が未完了の場合には、前記通信手段を介して避難未完了メッセージと前記生体データ値とを、ユーザに対して通知する、ことを特徴とする請求項記載の避難誘導システムである。
(10)請求項記載の発明は、前記制御手段は、避難誘導対象者の状態に応じて、前記避難誘導部で避難誘導を行うよう前記避難制御信号を生成する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の避難誘導システムである。
本願発明によれば、以下のような効果が得られる。
の避難誘導システムの発明では、受信装置で受信された災害発生情報と、位置検出手段で検出された避難誘導対象者の現在位置とに応じて、送信機から避難制御信号が送信され、避難誘導が行われる。
この結果、通常の通路とは異なる専用の避難経路を通って避難する必要があって避難経路がわかりにくい場合や、災害が夜間に発生して避難経路がわかりにくい場合や、入り組んだ建物での停電などの場合や、防火扉が閉じていたり、火災の煙で避難誘導灯が見えにくかったりする場合でも、避難誘導の表示あるいは音声出力がなされるため、避難誘導対
象者は出口に向かって誘導され、不要な閉じこめ状態は発生しない。
すなわち、単純に全てのゲートや複数の出入り口の開放、単純な警報発報だと、避難の方向を迷ってしまい、正しい避難ができない状態に陥るが、このような事態も防止できる。また、全てのゲートや出入り口の開放であると火災の場合に望ましくないが、そのような不具合も解消される。
また、生体センサによって実際の避難誘導対象者の位置を検出すれば、避難誘導対象者と離れて発振器だけが残されてしまって、発振器だけが存在する誰もいないはずの場所に救助を向かわせるような無駄な事態も防止できる。
これにより、伝染性の病気あるいは凶悪犯罪などの理由で、隔離病棟や刑務所などの施設から、簡単に外に出してはならない場合、あるいは、避難させる際に避難経路や避難先を厳重に管理することが必要な場合であっても、対処することが可能になる。
また、複数の避難経路が存在しているにもかかわらず、多数の避難誘導対象者が1箇所の避難経路に集中することで避難が遅れるといった問題に対しても、本発明によれば、個々の避難誘導対象者を個別に振り分けて避難誘導することが可能であり、複数の避難経路に分散させつつ誘導することが可能になり、結果として、迅速な避難誘導が可能になる。
請求項記載の避難誘導システムの発明では、受信装置で受信された災害発生情報と、位置検出手段で検出された避難誘導対象者の現在位置とに応じて、送信機から避難制御信号が送信され、この結果、施錠が解除されると共に、避難誘導対象者の現在位置から建物外へ向かう方向に、室内各出入り口あるいは通路に配置された避難誘導部で避難誘導の表示あるいは音声出力が行われる。
この結果、通常の通路とは異なる専用の避難経路を通って避難する必要があって避難経路がわかりにくい場合や、災害が夜間に発生して避難経路がわかりにくい場合や、入り組んだ建物での停電などの場合や、防犯上の理由でドアが施錠されていたり、防火扉が閉じていたり、火災の煙で避難誘導灯が見えにくかったりする場合でも、施錠解除と共に、避難誘導の表示あるいは音声出力がなされるため、避難誘導対象者は出口に向かって誘導され、不要な閉じこめ状態は発生しない。
すなわち、単純に全てのゲートや複数の出入り口の開放、単純な警報発報だと、避難の方向を迷ってしまい、正しい避難ができない状態に陥るが、このような事態も防止できる。
また、生体センサによって実際の避難誘導対象者の位置を検出すれば、避難誘導対象者と離れて発振器だけが残されてしまって、発振器だけが存在する誰もいないはずの場所に救助を向かわせるような無駄な事態も防止できる。
これにより、伝染性の病気あるいは凶悪犯罪などの理由で、隔離病棟や刑務所などの施設から、簡単に外に出してはならない場合、あるいは、避難させる際に避難経路や避難先を厳重に管理することが必要な場合であっても、対処することが可能になる。
また、複数の避難経路が存在しているにもかかわらず、多数の避難誘導対象者が1箇所の避難経路に集中することで避難が遅れるといった問題に対しても、本発明によれば、個々の避難誘導対象者を個別に振り分けて避難誘導することが可能であり、複数の避難経路に分散させつつ誘導することが可能になり、結果として、迅速な避難誘導が可能になる。
なお、請求項1〜2記載の避難誘導システムの発明では、ユーザからの承認が得られた場合、もしくはユーザからの応答がなかった場合に、避難誘導の制御を行うため、老人や子供といった避難誘導対象者に関しても、必要に応じて、避難誘導をすることが可能になり、無駄な避難をすることはないし、また、不要な閉じこめや不要な解除は発生しない。
また、請求項1、に記載の発明では、ユーザと避難誘導対象者とが同一建物内であって同一室外に存在すると検知された場合には、承認の手続きを必要とせずに、避難誘導をすることで、確実な避難誘導ができる。この場合、ユーザと避難誘導対象者とに並行して避難誘導をすることができ、また、避難誘導の途中で合流できるように避難誘導することもできる
またユーザが外国あるいは国内島嶼部など遠隔の地に存在すると検知された場合には、承認の手続きを必要とせずに、避難誘導をすることで、確実な避難誘導ができる。
またユーザと避難誘導対象者とが同一室内に存在すると検知された場合には、承認の手続きと避難制御信号の送信とを行わないことで、ユーザの責任に任せることができる。
請求項記載の発明では、生体センサによって実際の避難誘導対象者の位置を検出しているため、避難誘導対象者と離れて発振器だけが残されてしまって、発振器だけが存在する誰もいないはずの場所に救助を向かわせるような無駄な事態も防止できる。
請求項記載の避難誘導システムの発明では、位置検出手段で検出された避難誘導対象者の現在位置に応じて、現在位置から次に移動すべき出入り口あるいは通路に、避難誘導部から避難誘導の表示あるいは音声出力を行うため、通常の通路とは異なる専用の避難経路を通って避難する必要があって避難経路がわかりにくい場合や、災害が夜間に発生して避難経路がわかりにくい場合や、入り組んだ建物での停電などの場合や、防犯上の理由でドアが施錠されていたり、防火扉が閉じていたり、火災の煙で避難誘導灯が見えにくかったりする場合でも、施錠解除と共に、避難誘導の表示あるいは音声出力がなされるため、避難誘導対象者は出口に向かって誘導され、不要な閉じこめ状態は発生しない。すなわち、単純に全てのゲートや複数の出入り口の開放、単純な警報発報だと、避難の方向を迷ってしまい、正しい避難ができない状態に陥るが、このような事態を確実に防止できる。
請求項記載の避難誘導システムの発明では、出入り口は自動開閉装置を備え、避難制御信号に応じて、現在位置から次に移動すべき出入り口の自動開閉装置を開くよう制御するため、避難誘導対象者は出口に向かって誘導され、不要な閉じこめ状態は発生しない。すなわち、単純に全てのゲートや複数の出入り口の開放、単純な警報発報だと、避難の方向を迷ってしまい、正しい避難ができない状態に陥るが、このような事態を確実に防止できる。また、避難誘導対象者が別な部屋に迷い込むことなく、適切な通路あるいは出入り口を経由して避難が実行できる。
請求項記載の避難誘導システムの発明では、位置検出手段で検出された避難誘導対象者の現在位置に応じて、避難が完了した場合には、避難完了メッセージと生体データ値とを、通信手段を介してユーザに対して通知するため、ユーザは、避難誘導対象者が確実に避難できたことや、避難誘導対象者の健康状態を確実に知ることができる。
また、請求項記載の避難誘導システムの発明では、位置検出手段で検出された避難誘導対象者の現在位置に応じて、避難が未完了の場合には、通信手段を介して避難未完了メッセージと生体データ値とをユーザに対して通知するため、避難誘導対象者の避難が完了しておらず、閉じこめられた状態にあることや、その状態での避難誘導対象者の健康状態を知ることができる。
請求項記載の発明では、避難誘導対象者の状態に応じて避難誘導を行うようにしているため、病気の有無、体力の強弱、年齢、などに応じて、適した避難誘導が可能になる。これにより、各避難誘導対象者が確実に避難することができ、また全体としても、遅滞なく避難誘導が完了する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕本実施形態の構成:
〔1−1〕避難誘導システムの基本構成:
図1は本発明の一実施形態としての避難誘導システムの基本構成を示すブロック図である。
なお、この実施形態では、地震、津波、火災、台風、浸水、土石流、雪崩、火山噴火などの各種災害の例として、地震を具体例にして説明を行う。
また、この実施形態では、建物内に存在していて避難誘導の対象となる者(避難誘導対象者)の避難誘導を行うものである。
この図1に示されるように、本実施形態の避難誘導システムは、以下のものから構成される。
ネットワーク100はインターネットや各種LANなどのネットワークである。災害情報センター101は、ネットワーク100に接続されており、後述する観測ポイントからの観測結果を得て、必要に応じて緊急地震速報や各種災害発生情報を各部に対してネットワーク経由で配信する。
観測ポイント111a〜111nは、全国各地、あるいや、地震などの災害の発生が予測されている地区に配置され、地震などの各種災害の観測を行う観測点であり、観測結果をネットワーク100経由で災害情報センター101に対して送出する。
なお、この実施形態では、各種災害の具体例として地震を用いて説明を行う。このため、災害発生情報の具体例としては、緊急地震速報を用いて説明を行う。
ユーザ宅400は後述するユーザと同居者とが居住する場所であり、緊急地震速報を利用するとして登録されたユーザ宅でもあり、災害情報センターからの緊急地震速報をネットワーク100経由で受信する緊急地震速報受信装置としてPC210が設置されている。
ここで、ユーザとは、各家の保護者、施設の管理者などが該当する。なお、ユーザがユーザ宅400に居る場合にはユーザ自身も避難誘導対象者となるし、ユーザがユーザ宅400に居ない場合にはユーザ以外の者が避難誘導対象者となる。
このPC210は、ネットワーク100を介して災害情報センター101からの緊急地震速報を受信する。なお、緊急地震速報順装置としては、放送電波に重畳された災害情報センター101からの緊急地震速報の信号を受信する専用受信機211であってもよい。また、緊急地震速報順装置としては、放送電波に重畳された災害情報センター101からの緊急地震速報の信号を受信する機能を備えた、テレビジョン受像器やラジオ受信機などであってもよい。
避難制御信号送信機220は、緊急地震速報受信装置(PC210または専用受信機211)で受信された緊急地震速報とユーザの承認とに応じてPC210で生成された避難
制御信号を送信する。なお、この避難制御信号送信機220としては、ユーザ宅400内の各所に届くものであればよく、無線局の免許が不要な特定小電力無線装置や微弱電波の無線装置を用いることが望ましい。
ここでは、ユーザ宅400には、部屋401a〜401dが存在する場合を例示している。そして、室内の各出入り口410a〜410dには、避難制御信号を受信して避難誘導の表示あるいは音声出力を行う避難誘導部420a〜420dが配置されている。
この避難誘導部420としては、図9に示すように、避難誘導の表示を行う避難誘導表示部420a−a、避難誘導音声出力部(スピーカー)420b−aなどが、出入り口410aに配置されている。また、避難誘導の表示を行う避難誘導表示部420b−a、避難誘導音声出力部(スピーカー)420b−bなどが、出入り口410bに配置されている。なお、これらは、火災発生時の煙の影響を受けないように、低い位置に配置されていることが望ましい。また、この図9のような避難誘導部が、各部屋、各通路のドア、建物の玄関や裏口や非常口などに配置されている。なお、411は、従来からの消防法により定められた避難誘導灯である。
ここで、避難誘導の表示としては、特定の色や点滅の光が表示された場合に、その出入り口410a〜410dから逃げるように、予め定めておく。同様に、避難誘導の音声出力としては、特定の音、超音波などが出力された場合に、その出入り口410から逃げるように、予め定めておく。なお、図示されていないが、臭い、振動などの各種の手段を用いることも可能である。
また、逆方向に避難していかないように、逆方向に進行することを阻止するための表示や音などを設けることも望ましい。この場合、避難誘導する方向には青あるいは緑の光や好ましい音、逆方向には進入禁止の標識や警告音、などとしてもよい。
また、図示されない自動開閉装置を各出入り口に備え、PC210で生成されて避難制御信号送信機220から送信された避難制御信号に応じて、各出入り口の自動開閉装置を開く構成になっている。
なお、この場合、避難誘導対象者を避難させる程度に各出入り口が開けば十分であるので、PC210で生成される避難制御信号に応じて、必要な箇所の出入り口が、必要な時間帯だけ開き、防火対策のためにその後に閉じることが望ましい。
また、図示されていないが、避難誘導対象者の体のいずれかの位置には、生体センサにより前記避難誘導対象者の生体データ値を検出し、位置検出手段により避難誘導対象者の位置を検出し、生体センサにより検出された生体データ値により該避難誘導対象者本人であることを確認して、該位置を通知手段によりPC210に通知する体調管理用携帯端末装置(生体データ検出端末装置)2000をそなえている。
これにより、避難誘導対象者の建物内の位置はPC210で把握されているものとする。この場合、生体データ値により避難誘導対象者であることを確認しているため、本人が存在しない発振器だけの位置ということはなく、また、発振器を所持する他人の位置ということもない。
また、以上の避難誘導システムの各部は、通常時は商用電源が供給されているが、災害などによって商用電源の供給が絶たれた後は、自家発電装置やバッテリーなどによって駆動され、災害時にも避難誘導を支障なく行えるように構成されていることが望ましい。なお、いずれかの箇所の被災の影響をうけないように、各部が独立した電源(自家用発電、
あるいはバッテリー)で動作することが更に望ましい。
なお、この実施形態において、「緊急地震速報」とは、気象庁が2004年2月に試験運用
・配信を開始し、2006年8月に本運用を開始した地震による被害を軽減(減災)させよう
という目的の新しい地震情報である。
従来の地震情報の発表は地震発生から約3〜4分後であったのに対し、この緊急地震速報は、地震発生直後に震源に近い地震観測点で観測される初期微動(P波)の波形を解析し、およそ5〜7秒で、災害情報センター101から発表される。この緊急地震速報を地震波の到達より先に受信することで、地震の強い揺れが来る前に、推定震度や余裕時間を計算して知ることが可能となっている。
また、気象庁が運営しているシステム以外であっても、同種の信号を、本実施形態では、「緊急地震速報」として扱う。
さらに、津波、火災、台風、浸水、土石流、雪崩、火山噴火などの災害が発生した場合に同種のシステムから配信される避難情報や避難準備情報などの各種情報を、本実施形態では、「災害発生情報」として扱う。また、実際に地震や各種災害が発生した場合だけではなく、予知された場合の予知情報、警報、注意報なども同様に扱うことが可能である。
〔1−2〕避難誘導対象者の位置特定:
ここで、避難誘導対象者の位置特定のための、体調管理用携帯端末装置の基本構成について説明する。
体調管理用携帯端末装置2000は、避難誘導対象者の身体の一部(例えば腕)に腕時計のごとく装着されることにより常時所持・携帯されるもので、PC210と直接的に通信可能に構成される。
また、この体調管理用携帯端末装置2000は、請求項における「生体データ検出端末装置」を構成している。
そして、この体調管理用携帯端末装置2000は、少なくとも、GPS位置検出部2020GS、送受信手段2255、生体センサ2020BS、ワンタイムパスワード処理手段2258、および表示手段2024としての機能を有している。これらの機能以外の機能を含む体調管理用携帯端末装置2000の詳細構成については、図2を参照しながら後述する。
ここで、位置検出手段としてのGPS位置検出部2020GSは、体調管理用携帯端末装置2000の現在位置(所在位置;緯度・経度情報)を全地球方位計測システム(GPS)によって位置として検出するものである。
その際、体調管理用携帯端末装置2000の現在の所在位置として、高度や深度を検出してもよい。その場合、気圧に基づいて高度を計測する高度計(後述する気象センサ2020WSの気圧測定機能で代用可)や、水圧に基づいて深度を計測する深度計(後述する気象センサ2020WSの水圧測定機能で代用可)を位置検出手段としてそなえる。体調管理用携帯端末装置2000におけるGPS位置検出部2020GSは、位置要求に応じて位置検出を行なうだけでなく、所定周期で体調管理用携帯端末装置2000の現在の所在位置を検出し、後述するPC210に通知するように構成されている。
なお、位置検出手段としては、GPS位置検出部2020GSによって地球上の絶対的な位置を検出する以外に、各種の変形が可能である。すなわち、GPS衛星からの電波が届きにくい建物内で、専用の位置検出手段を用いることが可能である。たとえば、体調管
理用携帯端末装置2000に配置されたICタグと、建物内の各所に設けられたICタグリーダによって、建物内の位置を検出することも可能である。また、建物各所で建物内位置データを微弱電波などで発信する発振器と、該発振器からの信号を受信して位置を検出する位置検出手段などを用いることも可能である。さらに、これら建物内での位置検出手段と、建物外で良好な位置検出が可能なGPS位置検出部2020GSとを組み合わせて用いることも可能である。
送受信手段2255による通知手段としての機能は、後述するごとくCPU2025によって実現される、所定動作の許可を受ける際に係る機能で、GPS位置検出部2020GSによって検出された前記位置を、生体データ値に基づいて本人確認ができた場合に、PC210に通知するもので、PC210(制御手段)に通知する際には送受信手段2255とPC210との間で直接的に送受信を行なう。
なお、送受信手段2255による体調管理用携帯端末装置2000とPC210との間の通信としては、例えば赤外線通信やBluetooth(登録商標)通信などを用いてもよい。
また、送受信手段2255は、PC210(制御手段)からの各種要求や通知(位置要求、動作状態要求、エラー通知、警告など)を受信する機能も果たす。
生体センサ2020BSは、避難誘導対象者の身体の一部(例えば腕)に接触・装着され、避難誘導対象者の体調管理を行なうべくその避難誘導対象者の生体データ値を検出するもので、生体データ値として、指紋、掌紋、声紋、虹彩、眼底あるいは掌における血管、などのほか、体温、血圧、心拍数、呼吸数、脈波、心電、血中酸素飽和濃度、血中酸素濃度、筋組織酸素濃度のうちの少なくとも一つを所定周期で検出するものである。なお、以下の実施形態における具体例では、体温、血圧、心拍数、呼吸数を検出するものを具体例にして、説明を行う。
この生体センサ2020BSによって検出された所定周期毎の生体データ値は、後述するごとく、メモリ2020Mに蓄積され、PC210からの要求に応じて、中断前後の生体データ値としてメモリ2020Mから読み出され、上述した送受信手段2255としての機能を用いPC210に通知・送信されるように構成されている。
なお、この生体センサ2020BSで検出された生体データ値は、体調管理用携帯端末装置2000内部のCPU2025でも、所定のしきい値と比較されて本人であることの確認(認証)に用いられる。
なお、所定周期は、生体データ値が通常の値の範囲であれば、通常の所定の周期、例えば、5分毎、あるいは、10分毎などに取得と比較とを行い、通常の値の範囲でなくなった場合や、避難誘導時などには、通常の所定の周期より細かい周期、たとえば、1分毎などに取得と比較とを行う。なお、この場合、通常の値の範囲から外れる程度に応じて、取得と比較とを細かく行うことが望ましい。また、これと並行して、体調管理用携帯端末装置2000の装着/取り外し/再装着の履歴も保存しておくようにする。そして、この生体データ値の変化具合や、体調管理用携帯端末装置2000の装着/取り外し/再装着の履歴とにより、後述するように、体調が正常である本人、体調が異常である本人、他人、の区別が可能になる。
なお、指や掌などに連続装着可能な生体センサ2020BSを用いることで、指紋や掌紋や血管などの生体情報を連続的に取得できる。また、生体センサ2020BSとして咽頭マイクを喉に装着することで、声紋の生体データ値が一定時間取得され続ける。
さらに、心拍数や呼吸数に関しては、陸上競技選手が用いるような胸部センサパッドを
生体センサ2020BSとして胸部に貼り付けて用いることで、生体情報を連続的に取得することが可能になる。この場合の胸部センサパッドは、粘着性の部材による貼付、弾性ベルトによる装着など、各種の装着が可能である。
また、体調管理用携帯端末装置2000において、後述するCPU2025によって実現される制御手段2256としての機能が、動作状態検出手段としての機能も果たしている。この動作状態検出手段は、生体センサ2020BSが避難誘導対象者から生体データ値の検出する動作を行なっているか否か、つまり、体調管理用携帯端末装置2000が避難誘導対象者の身体に実際に装着されその避難誘導対象者から生体データ値を検出している状態にあるか否かを、動作状態として検出するもので、後述するごとくPC210(制御手段)からの動作状態要求に応じ、その動作状態の検出を行ない、その検出結果が、上述した送受信手段2255としての機能を用いてPC210に通知・送信されるように構成されている。
また、ワンタイムパスワード処理手段2258は、PC210で発生されたワンタイムパスワードを受信したり、あるいは、PC210で発生されたワンタイムパスワードと同期してワンタイムパスワードを生成するものである。このようにして受信あるいは生成されたワンタイムパスワードは、後述するように表示手段2024に表示される。なお、ワンタイムパスワード処理手段2258は、上述した生体データ値によって本人であることの確認がなされた場合に、このワンタイムパスワードを表示する。
そして、避難誘導対象者によって入力されて体調管理用携帯端末装置2000からPC210に返信されたパスワードと、PC210側で発生したワンタイムパスワードとが一致した場合に、避難誘導対象者本人であると認証してもよい。
そして、以上のように構成された体調管理用携帯端末装置2000では、生体センサ2020BSで避難誘導対象者本人であると生体認証された場合に、この体調管理用携帯端末装置2000を装着した避難誘導対象者のGPS位置検出部2020GSで検出された位置が、PC210に通知される。
本実施形態の体調管理用携帯端末装置2000は、上述した通り、避難誘導対象者によって常時所持・携帯されるものであって、上述した生体センサ2020BSおよびGPS位置検出部2020GSのほかに、気象センサ2020WS、閾値テーブル2020T、CPU2025、停止操作部2026、回答入力部2027およびメモリ2020Mをそなえて構成されている。
気象センサ2020WSは、避難誘導対象者の所在雰囲気中(避難誘導対象者が所在している場所)の気象データとして、気温、水温、湿度、気圧、水圧、日照状況、紫外線量、のうちの少なくとも一つを所定周期で検出する超小型のものであるが、本実施形態では、気温(または水温)、湿度、気圧(または水圧)を検出するものとする。
なお、生体センサ2020BS、気象センサ2020WSおよびGPS位置検出部2020GSは、本携帯端末装置2000の本体に内蔵もしくは外付けされ、ケーブル等を介して有線接続、もしくは無線接続され、後述するごとく、所定周期で検出された結果を本携帯端末装置2000の本体に送信するようになっている。
閾値テーブル2020Tは、避難誘導対象者の体調を管理するための生体データ閾値を、気象条件毎に予め設定されて保持するもので、後述するCPU2025の閾値設定手段2251としての機能によって作成・設定されるもので、本携帯端末装置2000を構成する例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディ
スク等の記憶部に保存・格納されている。
このとき、生体データ閾値は、避難誘導対象者毎に異なるほか、生活環境によっても異なるもので、避難誘導対象者毎に、環境に応じた気象条件に従って設定される。避難誘導対象者の平常時の体温T0、血圧P0、心拍数N0を基準にして、例えば、避難誘導対象者が高温多湿環境下に居る場合には、気象条件が気温25〜30℃かつ湿度80%以上である時(気象条件1)の生体データ閾値として体温T1、血圧P1、心拍数N1を設定し、気象条件が気温30〜35℃かつ湿度60%以上である時(気象条件2)の生体データ閾値として体温T2、血圧P2、心拍数N2を設定し、気象条件が気温35℃以上かつ湿度50%以上である時の生体データ閾値として体温T3、血圧P3、心拍数N3を設定しておく。そして、気象条件1である時(気象条件3)には避難誘導対象者の実際の体温T、血圧P、心拍数Nのいずれか一つもしくは全てが閾値T1、P1、N1を超えた場合、また、気象条件2である時には避難誘導対象者の実際の体温T、血圧P、心拍数Nのいずれか一つもしくは全てが閾値T2、P2、N2を超えた場合、さらに、気象条件3である時には避難誘導対象者の実際の体温T、血圧P、心拍数Nのいずれか一つもしくは全てが閾値T3、P3、N3を超えた場合、避難誘導対象者の体調が異状(熱中症等)であると判断する。
また、避難誘導対象者が低温環境下に居る場合には、気象条件が気温0〜10℃である時(気象条件4)の生体データ閾値として体温T4を設定し、気象条件が気温−10〜0℃である時(気象条件5)の生体データ閾値として体温T5を設定し、気象条件が気温−10℃以下である時(気象条件6)の生体データ閾値として体温T6を設定しておく。そして、気象条件4である時には避難誘導対象者の実際の体温Tが閾値T4を下回った場合、また、気象条件5である時には避難誘導対象者の実際の体温Tが閾値T5を下回った場合、さらに、気象条件6である時には避難誘導対象者の実際の体温Tが閾値T6を下回った場合、避難誘導対象者の体調が異状(低体温症等)であると判断する。
さらに、避難誘導対象者が高高度(低気圧)環境下に居る場合には、気象条件が気圧A2〜A1である時(気象条件7)の生体データ閾値として心拍数N7、呼吸数K7を設定し、気象条件が気圧A3〜A2である時(気象条件8)の生体データ閾値として心拍数N8、呼吸数K8を設定し、気象条件が気温35℃以上かつ湿度50%以上である時(気象条件9)の生体データ閾値として心拍数N9、呼吸数N9を設定しておく。そして、気象条件7である時には避難誘導対象者の実際の心拍数N、呼吸数Kのいずれか一方もしくは両方が閾値N7、K7を超えた場合、また、気象条件8である時には避難誘導対象者の実際の心拍数N、呼吸数Kのいずれか一方もしくは両方が閾値N8、K8を超えた場合、さらに、気象条件9である時には避難誘導対象者の実際の心拍数N、呼吸数Kのいずれか一方もしくは両方が閾値N9、K9を超えた場合、避難誘導対象者の体調が異状(高山病等)であると判断する。
また、避難誘導対象者が海水浴、入浴等で水につかっている場合には、気象条件が水圧W1〜W2かつ水温がL2〜L1である時(気象条件10)の生体データ閾値として体温T10、心拍数N10を設定し、気象条件が水圧W2〜W3かつ水温がL3〜L2である時(気象条件11)の生体データ閾値として体温T11、心拍数N11を設定し、気象条件が水圧W3以上かつ水温がL3以下である時(気象条件12)の生体データ閾値として体温T12、心拍数N12を設定しておく。そして、気象条件10である時には避難誘導対象者の実際の体温T、心拍数Nのいずれか一方もしくは両方が閾値T10、N10を下回った場合、また、気象条件11である時には避難誘導対象者の実際の体温T、心拍数Nのいずれか一方もしくは両方が閾値T11、N11を下回った場合、さらに、気象条件12である時には避難誘導対象者の実際の体温T、心拍数Nのいずれか一方もしくは両方が閾値T12、N12を下回った場合、避難誘導対象者の体調が異状であると判断する。
また、体調管理用携帯端末装置2000の装着や取り外しの有無、上述した生体データしきい値との比較によって、以下の(a)〜(i)のように、避難誘導対象者本人であるか否かの識別が可能になる。
(a)装置装着のまま、生体データ値に変化なし(同じしきい値範囲内):本人,
(b)装置装着のまま、生体データ値ゆっくり変化:本人,
(c)装置装着のまま、生体データ値ゆっくり変化し元に戻る:本人,
(d)装置装着のまま、生体データ値急変:本人(体調異状),
(e)装置装着のまま、生体データ値急変し戻る:本人(体調異状後回復),
(f)装置取り外し後に再装着し、生体データ値に変化なし:本人,
(g)装置取り外し後に再装着し、生体データ値変化した後、ゆっくり戻る:本人,
(h)装置取り外し後に再装着し、生体データ値変化した後、違う値に戻る:第三者,
(i)装置取り外し後に再装着し、生体データ値変化したまま:第三者,
なお、以上の場合で、生体データ値が変化していて、本人か第三者かの区別が付きにくい状態では、本人とは認められない保留状態としておいて、生体データ値の取得と比較とを続行し、生体データ値が戻れば本人、戻らなければ他人というように、時間をかけて比較と識別とを行うようにしてもよい。
なお、ここに示した(a)〜(i)は避難誘導対象者本人か否かの識別にかかる基本的な識別処理の一例であって、各種の変形を加えることが可能である。
また、比較に用いる生体データ値の数や条件について、アンド条件(複数の全ての生体データ値が合致して本人と識別する)に用いる生体データ値を多くすれば、厳しい条件で本人の識別が可能になる。すなわち、他人を本人としてご認識する率は低下するものの、場合によっては、本人であっても本人と認識されない可能性が生じる。一方、アンド条件に用いる生体データ値を減らしたり、複数の生体データ値でオア条件(いずれかが合致すれば本人とする)とすれば、緩い条件での識別になり、本人の識別が容易になる反面、他人をも本人と識別してしまう可能性も生じる。
また、以上の本人の体調の場合に、本人であると識別するか、あるいは、本人とは認められないと識別するか、いずれにするかは、設定により定めることが可能である。
これにより、避難誘導対象者本人と第三者との区別が可能になる。また、避難誘導対象者本人の場合でも、体調変化、運動や入浴時などに取り外した場合の変化や戻り具合などを、第三者が装着した場合と区別することが可能になる。
また、指紋や掌紋や血管あるいは虹彩などを用いた生体認証では、認証のために生体情報を読み込ませる作業が面倒であったり、スキャンする装置が大がかりになったりして、面倒であるという問題が存在していたが、この実施形態では避難誘導対象者が身につけている状態で生体データ値が一定時間取得され続けるので、従来のような問題も解消される。
但し、指や掌などに連続装着可能なセンサを用いることで、指紋や掌紋や血管などの生体情報を連続的に取得でき、生体データ値が一定時間取得され続けるので、従来のような問題も解消される。
CPU(Central Processing Unit)2025は、所定のアプリケーションプログラム
を実行することにより、後述する閾値設定手段2251、閾値読出手段2252、比較手段2253、警告手段2254、送受信手段2255、制御手段2256および問合せ手段2257として機能するものである。
停止操作部2026は、後述する警告手段2254によって実行される警告動作(鳴動
動作や点滅動作等)を、避難誘導対象者の意識的な操作によって停止させるためのもので、実際には、本携帯端末装置2000における操作スイッチ、表示画面(ディスプレイ)上のタッチパネルなどによって構成される。
回答入力部2027は、後述する問合せ手段2257による問い合せに応じて、避難誘導対象者が、後述する送受信手段2255による通知を実行するか否かを回答するためのもので、実際には、本携帯端末装置2000における操作スイッチや、表示画面(ディスプレイ)上のタッチパネルなどによって構成される。
メモリ2020Mは、不揮発性のRAM等の記憶部で、生体センサ2020BSによって所定周期で検出された生体データ値を蓄積・保存するものであり、後述する送受信手段2255が、PC210からの要求を受けると、生体センサ2020BSの検出動作中断前後における、所定期間(例えば1時間)に亘る生体データ値をメモリ2020Mから読み出してPC210に送信・通知するように構成されている。
そして、閾値設定手段2251は、上述した閾値テーブル2020Tを避難誘導対象者毎に且つ生活環境に応じた気象条件毎に作成・設定するもので、避難誘導対象者の平常時の体温T0、血圧P0、心拍数N0を基準として、上述のごとき気象条件と所定の生体データ閾値との対を入力設定するためのもので、避難誘導対象者、管理者、監視者等が手動操作で入力するように構成されていてもよいし、避難誘導対象者の平常時の体温T0、血圧P0、心拍数N0と競技環境/作業環境とを指定入力することにより、自動的に入力するように構成されていてもよい。
閾値読出手段2252は、気象センサ2020WSによって検出された気象データ(気温/水温、湿度、気圧/水圧)に対応する気象条件について設定された生体データ閾値を閾値テーブル2020Tから検索して読み出すものである。
比較手段2253は、閾値読出手段2252によって読出された生体データ閾値と生体センサ2020BSによって検出された生体データ値(体温、血圧、心拍数、呼吸数)とを比較し、上述したような基準に従って避難誘導対象者の体調異状を判断・検知するものである。また、避難誘導対象者の体調異状に加え、上述した(a)〜(i)のようにして、避難誘導対象者本人か否かの判断をするものである。
警告手段2254は、後述の制御手段2256によって動作を制御され、比較手段2253による比較の結果、避難誘導対象者の体調異状を検知した場合や、上述した警告手段64、74から警告通知を送受信手段2255で受けた場合に、避難誘導対象者に対して警告を発するものであり、本実施形態では、例えば、本携帯端末装置2000におけるブザー等を鳴動させたりLEDランプ等を点滅させたりする。このような警告動作(鳴動動作や点滅動作)は、上述した通り、避難誘導対象者が停止操作部2026を操作することにより、後述の制御手段2256を介して停止される。なお、携帯端末装置2000の本体として、後述するごとく携帯電話装置を用いる場合には、警告手段2254により、鳴動動作として、携帯電話装置に呼び出し動作を実行させてもよい。
送受信手段2255は、上述した通り、通知手段としての機能(PC210に通知する機能)や、メモリ2020Mの生体データ値をPC210に通知する機能を果たすほか、後述の制御手段2256によって動作を制御され、比較手段2253による比較の結果、避難誘導対象者の体調異状を検知した場合、その旨を所定の連絡先に通知する体調異状通知手段としての機能を果たすもので、避難誘導対象者の体調異状を通知する際には、生体センサ2020BSによって検出されている生体データ値、気象センサ2020WSによって検出されている気象データ、およびGPS位置検出部2020GSによって検出され
た避難誘導対象者の所在位置も併せて通知する。その際、送受信手段2255は、予め登録されている電話番号に自動発呼することにより避難誘導対象者の体調異状の通知を行なってもよいし、予め登録されているメールアドレスに対し電子メールを自動送信することにより避難誘導対象者の体調異状の通知を行なってもよい。
なお、所定の連絡先については、制御手段2256によって切り換えられるもので、詳細については後述する。また、送受信手段2255は、生体センサ2020BSによって検出されている生体データ値、気象センサ2020WSによって検出されている気象データ、およびGPS位置検出部2020GSによって検出された避難誘導対象者の所在位置を、上述した体調管理サーバ80に対し、所定周期で送信する機能を果たすものとする。また、送受信手段2255は、外部(ネットワークやPC210)との間でデータの送受信を行なうものであって、後述するような通知機能(送信機能)だけでなく外部からの通知等の情報(PC210からの要求、エラー通知、警告通知など)を受信する機能も有している。
制御手段2256は、上述した動作状態検出手段としての機能を果たすほか、下記項目(51)〜(54)のごとく、送受信手段2255の通知動作および警告手段2254の警告動作を制御するものである。ここで、問合せ手段2257は、やはり制御手段2256によって動作を制御され、警告手段2254の警告動作を停止させる操作が所定時間内に実行された場合、送受信手段2255による体調異状の通知動作を実行するか否かについて避難誘導対象者に問い合せるもので、実際には、本携帯端末装置2000におけるディスプレイ上に表示を行ない、避難誘導対象者がタッチパネルや操作スイッチ(回答入力部2027)を操作して入力する回答を、制御手段2256によって受信するように構成されている。
(51)比較手段2253による比較の結果、避難誘導対象者の体調異状を検知した場合、警告手段2254を介して避難誘導対象者に対する警告動作を実行させる。
(52)警告手段2254の警告動作を停止させる操作(停止操作部2026の操作)が警告動作を開始してから所定時間以上経過しても実行されない場合、送受信手段2255による体調異状の通知を実行させる。この場合、例えば消防等に通知を行なうことで、救急車等の緊急車両の手配を直ちに行なう。
(53)問合せ手段2257による問合せに対し送受信手段2255による体調異状の通知動作を実行する旨の回答を避難誘導対象者が行なった場合、送受信手段2255による体調異状の通知動作を実行させる。この場合、例えば、予め登録されている主治医の電話(例えば主治医端末50)に対する自動発呼を行なうことにより、避難誘導対象者が、主治医に適切な処置の指示を仰ぐことができるようにする。
(54)避難誘導対象者が問合せ手段2257による問合せに対し所定回数連続して送受信手段2255による体調異状の通知動作の実行を拒否した場合、送受信手段2255による体調異状の通知動作を強制的に実行させる。この場合、例えば友人や近親者(例えば連絡先端末40)に対する通知を行なう。
以上のように、本実施形態で使用する体調管理用携帯端末装置2000は、一般的な体調管理に用いることも可能であり、さらに、避難誘導対象者が本人であるかを確認しつつ、避難誘導対象者の現在位置を監視することが可能になる。これにより、避難誘導対象者が体調管理用携帯端末装置2000を装着していない場合に、体調管理用携帯端末装置2000だけの位置を通知するといった事態を防止することができ、避難誘導対象者の真の位置を通知することが可能になる。
〔2〕第一実施形態の動作:
以下、図3のフローチャートと図4の説明図とを参照にして本実施形態の動作説明を行う。なお、ここでは、各種災害として地震が発生した場合を具体例として説明を続ける。いずれかの地方において、大きな地震が発生したとする(図4(1))。その場合、震源地近くに配置されている観測ポイント111iで、地震の初期微動(P波)を検出し、観測する(図4(2))。
また、体調管理用携帯端末装置2000による一般的な体調管理についての説明は省略し、体調管理用携帯端末装置2000を避難誘導時に使用する場合を中心にして説明する。
このように検出と観測とを行った観測ポイント111iは、地震検出の旨と観測結果とをネットワーク100あるいは図示されない各種通信システムを介して、災害情報センター101に送信する。
観測ポイント111iから地震検出とその観測結果(振動波形など)を受信した災害情報センター101では、振動波形を解析し、推定震度や各地での地震到達時刻などを計算し、計算結果を含めた状態で緊急地震速報を、地震が到達すると予測される地域で予め登録されたユーザに対してネットワーク100や各種電波などを介して配信する(図4(3))。
ネットワーク100などを介して災害情報センター101からの緊急地震速報の配信(図4(4))を受けた(図3中のステップS301)ユーザ宅400のPC210では、受信した緊急地震速報に含まれる各種情報をデコードし、該当する地域であるか、震度などに応じて施錠解除などを伴う避難誘導をする必要があるかを判定する。
なお、地震の規模が小さい場合などには、以下に説明する施錠解除などの避難誘導をしないように判定する(図3中のステップS302)。
避難誘導を実行する必要があると判定された場合には(図3中のステップS302でY)、PC210が制御手段や通信手段として動作し、ユーザ(保護者あるいは管理者)宛に施錠解除と避難誘導とについて承認を求める手続き(電子メールなど)を送信する(図3中のステップS303)。この場合、PC210は、建物内の出入り口の施錠を解除し、各出入り口を開放して、避難誘導対象者を建物外に逃がすことについての簡単なメッセージとその承認の返答を求める内容を電子メールなどで送信する。
そして、ユーザから避難誘導承認の返信メールがあった場合(図3中のステップS305でY)、あるいは、一定時間ユーザから応答が無かった場合(図3中のステップS305でN)のいずれかに、PC210が避難誘導の処理を開始する。すなわち、緊急性があるため、ユーザが「不承認」とした場合(図3中のステップS305でN)以外は、避難誘導の処理を開始する。なお、この避難誘導の処理開始に伴って、PC210は、ユーザ(保護者あるいは管理者)のメールアドレス宛に、避難誘導を開始した旨の電子メールを送信するようにしてもよい。
まず、PC210は、避難誘導対象者が所持する体調管理用携帯端末装置2000に一要求信号を送信することで、避難誘導対象者の建物内の現在位置を検出する(図3中のステップS306)。
ここで、体調管理用携帯端末装置2000は、上述したように、避難誘導対象者に所持されていて、避難誘導対象者本人であることを確認できた場合には、位置情報をPC210に送信する。
そして、PC210は、検出された位置の近くであって避難誘導する方向のゲートや出入り口の施錠を解除するとともに、そのゲートや出入り口を開放するように、避難制御信号を生成して、対応する施錠部や自動開閉装置に対して避難制御信号送信機220から避難制御信号を送信する(図3中のステップS307、図4(5))。
なお、建物が大きい場合、あるいは、避難誘導対象者が多数の場合、あるいは、避難誘導対象者に特別な事情(病気など)がある場合などでは、PC210は各避難誘導対象者の状態(年齢、病気の有無、使用言語、避難の優先順位など)に関するデータを予め保有しておいて、この状態に応じて、避難経路や避難順番を算出して、避難制御信号を生成することが望ましい。なお、この各避難誘導対象者の状態については、一般家庭であれば保護者が、施設であれば施設管理者が適宜更新しておくことが望ましい。
また、PC210は、避難誘導時には、避難誘導対象者が所持する体調管理用携帯端末装置2000からの現在位置を短い周期で要求することで、避難誘導対象者の建物内の現在位置を検出し(図3中のステップS306)、検出された位置の近くであって避難誘導する方向のゲートや出入り口における避難誘導表示部420aや避難誘導音声出力部420bなどで、避難誘導の表示や音声出力を行うように、避難制御信号送信機220から避難制御信号を送信する(図3中のステップS307)。
なお、この避難制御信号送信機220としては、特定小電力無線装置を用いることで、無線局の免許が不要であると共に、ユーザ宅400の各出入り口や通路に設けられた各避難誘導部420まで安定した状態で避難制御信号を送信できる。また、この避難制御信号には、避難誘導部毎に識別IDを設けておくことで、必要な箇所の施錠解除・ドア開・避難誘導の表示や音声出力などを適切に実行することが可能になる。
ここで、PC210は、体調管理用携帯端末装置2000からの現在位置を示す情報を解析し、避難誘導対象者の現在位置を把握し、開放したゲートや出入り口を通過したか否かを判定する(図3中のステップS308)。
通過が完了していなければ(図3中のステップS308でN)、開放したゲートや出入り口を開いたままの状態にし、避難誘導の表示や音声出力を続ける。ここで、避難誘導の表示や音声出力とは、避難誘導の表示のみ、避難誘導の音声出力のみ、避難誘導の表示と音声出力との両方、のいずれであってもよい。
通過が完了していれば(図3中のステップS308でY)、火災などが広がることを防止するため、また、避難誘導対象者が避難せずに戻ってしまうことを防止するため、開放したゲートや出入り口を閉じる処理を行うよう、対応する自動開閉装置に対して避難制御信号送信機220から避難制御信号を送信する(図3中のステップS309)。
ここで、PC210は、図示されない体調管理用携帯端末装置2000リーダからの体調管理用携帯端末装置2000の読取結果を解析し、避難誘導対象者の現在位置を把握し(図3中のステップS310)、玄関ドアや裏口ドアや非常ドアを通過して建物外に避難完了したか否かを判定する(図3中のステップS311)。
避難誘導対象者が建物外に出ておらず建物内のいずれかの位置にいることが検出された場合には(図3中のステップS312でN)、上述した位置検出とゲートや出入り口を開放・避難誘導の表示・音声出力を続行する。
以上のように、避難制御信号送信機220からの避難制御信号を受信する(図4(6)
)と、地震到達(図4(8))の前に、施錠解除、出入り口開放、避難誘導の表示などがなされ(図4(7))、適切な施錠解除と避難誘導とが実行される。。
ここで、避難誘導対象者が建物外に出たことが検出された場合には(図3中のステップS312でY)、PC210が制御手段や通信手段として動作し、ユーザ(保護者あるいは管理者)宛に避難誘導対象者の避難完了の通知を電子メールなどで送信する(図3中のステップS312)。また、PC210が制御手段や通信手段として動作し、ユーザ(保護者あるいは管理者)宛に避難誘導対象者の避難完了の通知と共に、体調を示す生体データ値などを電子メールなどで送信する(図3中のステップS312)。そして、以上の処理を終了する。
また、以上の動作において、避難誘導対象者の現在位置を監視しているPC210は、図1の部屋401bの避難誘導対象者1bのように、避難誘導対象者が逆方向に移動しようとしていたり、逆方向の出入り口に向かった場合には、逆方向の出入り口の避難誘導部で、進入禁止の標識や警告音などで、避難誘導対象者に逆方向に進んでいる旨を通知する。
なお、避難完了の後もPC210が制御手段や通信手段として動作し、GPSや体調管理用携帯端末装置2000などの各種の位置追跡手段を用いて避難誘導対象者の現在位置を定期的に把握して、ユーザ(保護者あるいは管理者)宛に避難誘導対象者の現在位置追跡結果を電子メールなどで送信するようにしてもよい。
なお、以上の緊急地震速報などの災害発生情報を受信して避難誘導を開始してから、所定の時間を経過しても避難誘導対象者が建物外に避難したことが検出されない場合、あるいは、建物内に存在することが検出された場合には、避難未完了である旨を、PC210が制御手段や通信手段として動作し、ユーザ(保護者あるいは管理者)宛に電子メールなどで送信してもよい。
なお、この場合は、避難未完了の通知は一度で終了するのではなく、定期的に位置検出を続け、避難未完了の通知や、現在位置の通知や、生体データ値の通知を定期的にユーザに電子メールなどで送信することが望ましい。
以上の避難誘導システムでは、ゲートや出入り口の施錠の解除・開放に加え、避難誘導の表示あるいは音声出力の機能を有し、PC210からの避難制御信号に応じて、現在位置から次に移動すべき出入り口の自動開閉装置が開かれ、避難誘導の表示や音声出力がなされるため、避難誘導対象者が別な部屋に迷い込むことなく、適切な通路あるいは出入り口を経由して避難が実行できる。
また、PC210で生成される避難制御信号に応じて、必要な箇所の出入り口が、必要な時間帯だけ開き、その後に閉じることで、防火対策にも適しており、さらに、避難誘導対象者が元の場所に戻ってしまう事態を防止し、適切な避難誘導が可能になる。
この結果、避難誘導対象者が子供や老人である場合、あるいは、日本語に不自由する者や病人である場合などでも、保護者や管理者が不在の状態で大地震などの災害が発生した場合には、緊急地震速報に応じて自動的に出入り口の施錠が解除され、出入り口が開放されて、避難誘導がなされるため、建物内での不要な閉じこめ状態は発生しない。
また、避難誘導対象者の用いる言語に応じて、必要な箇所で必要な言語での避難誘導の音声を流すことで、各国語のアナウンスをすべてする場合に比べて、アナウンスの時間を短縮でき無駄な時間が発生することがなくなる。
また、特許文献1のような事前登録、災害の検出、救助信号の送信、救助信号の受信に基づく救助実行などは不要になる。また、単純な地震センサと組み合わせではないため、ゲートが誤動作によって解除されてしまって、内部の者が不用意に逃げ出してしまうという心配もない。
また、特許文献2のように、全ての出入り口を単純に開放するだけではなく、図9のように移動すべき出入り口(図9では右側の出入り口)で避難誘導の表示や音声出力を行うため、出口方向を理解しない避難誘導対象者が対象であっても、確実な避難誘導ができるようになる。
また、以上の説明では地震の場合の緊急地震速報を具体例としたが、津波、火災、台風、浸水、土石流、雪崩、火山噴火などの災害が発生した場合に同種のシステムから配信される災害発生情報の場合にも適用することができる。この場合にも、津波、火災、台風、浸水、土石流、雪崩、火山噴火などの災害が発生した場合に、災害情報のデータに応じて自動的に出入り口の施錠が解除され、各出入り口が開放・避難誘導されるため、避難誘導対象者は建物外へと誘導され、不要な閉じこめ状態は発生しない。また、単純な地震センサと組み合わせではないため、施錠が誤動作によって解除されてしまって避難誘導対象者が逃げ出してしまうという心配もない。
また、伝染性の病気あるいは凶悪犯罪などの理由で、隔離病棟や刑務所などの施設から、簡単に外に出してはならない場合、あるいは、避難させる際に避難経路や避難先を厳重に管理することが必要な場合、たとえば、あるウィルスに感染した患者と、そのウィルスには感染していないものの免疫の低い状態の患者とが、同じ避難経路や同じ避難場所にいることが極めて望ましくない場合などでも、以上の実施形態によれば、必要な優先順位に従って、必要な経路を経由して、望ましい避難先に各避難誘導対象者を避難させることが可能になる。
また、多数の避難誘導対象者が1箇所の避難経路に集中することで避難が遅れるといった問題に対しても、本実施形態では個々の避難誘導対象者を個別に振り分けて避難誘導することが可能であり、複数の避難経路や避難順番に分散させつつ誘導することが可能になり、結果として、迅速な避難誘導が可能になる。
この場合、老人や子供などは最短の避難経路あるいは早い避難順番、体力のある大人は遠回りの避難経路や後の避難順番などと分けることで、多数の避難誘導対象者を分散させつつ誘導することが可能になり、結果として迅速な避難誘導が可能になる。
また、車いすや松葉杖を使用している避難誘導対象者に対しては、階段ではなく、スロープのある避難経路に誘導するなど、各避難誘導対象者に適した避難誘導が可能になる。
したがって、避難誘導対象者を扱う場合には、PC210は、各避難誘導対象者毎に、検出された避難誘導対象者の現在位置と、その避難誘導対象者の状態(年齢の違い、病気の有無、使用言語、避難の優先順位など)に応じて、避難経路や避難順番を算出した状態で避難誘導を行うよう制御信号を生成する。
また、体調管理用携帯端末装置2000の検出結果によって、避難誘導対象者の体調に変化が生じていることが検出され、通常の避難誘導対象者と同じ速度での避難が困難と予想される場合、あるいは、さらに体調が悪化すると予想される場合がある。または、PC210側に登録されたデータによって、同様に避難が困難と予想される場合もある。このような場合には、PC210は、その避難誘導対象者に対して、一時的に待機するように、体調管理用携帯端末装置2000の表示手段2024や避難誘導部420から待機指示
を与える。
そして、PC210は、他の避難誘導対象者の避難による混雑が緩和された後、あるいは、地震の揺れなどが治まった後に、その避難誘導対象者に対して、適した経路を用いて避難誘導を開始する。これにより、災害発生のショックなどで体調が変化しやすい避難誘導対象者に対して、無理な避難誘導を命じることがなく、確実な避難誘導が可能になる。一方、体調が原因で待機を命じた避難誘導対象者の体調が安定してきたことが体調管理用携帯端末装置2000で検出された場合には、PC210は、一定時間安定したと認められた時点で、避難誘導対象者に対して避難の誘導を開始するようにしてもよい。
すなわち、避難誘導対象者が体調管理用携帯端末装置2000を所持しているため、その避難誘導対象者の体調に合わせて、適切な避難誘導対象者や待機指示を臨機応変に出すことが可能になる。このため、体調の悪化した避難誘導対象者が無理に避難をすることで、体調を更に悪化させたりといった事態を予防することが可能になる。
〔3〕第二実施形態の動作:
以下、図5のフローチャートを参照にして第二実施形態の動作説明を行う。なお、この第二実施形態で用いるシステムは図1と同じである。また、第一実施形態と同じ動作については、図5のフローチャートでも同じステップ番号を付している。
この避難誘導システムでは、PC210は、施錠解除と避難誘導の承認をユーザから得る手続きの際に、予め登録された知人の連絡先一覧とその現在地情報の一覧とをユーザに通知する(図5中のステップS303A)。
なお、この知人一覧の通知の際に、各知人が所有する携帯電話などから得られる位置情報を参考にして、ユーザ宅に近い順に知人が上位になるように並べ替えて選択してから連絡先一覧をユーザに対して通知することが望ましい。
この連絡先の通知を受けたユーザは、まず、知人に避難誘導対象者保護依頼(図5中のステップS303B)をすることができる。なお、この知人への避難誘導対象者保護依頼を、電子メールなどでPC210が自動的に発信するようにしてもよい。
すなわち、徘徊癖のある老人や、逃げ出して戻らない可能性のある者などの場合には、ユーザ(保護者あるいは管理者)が知人に保護依頼をすることが望ましい。
そして、知人にこの依頼ができた場合に施錠解除と避難誘導に承認せず(図5中のステップS305でN)、知人にこの依頼ができないような場合に施錠解除に承認すればよい(図5中のステップS305でY)。
また、知人に避難誘導対象者の保護を依頼できた場合に、施錠は解除するものの、出入り口の自動開放は行わないようにしてもよい。これにより、避難誘導対象者を知人が確実に保護・確保することが可能になる。また、この知人に依頼した場合に、施錠解除の有無、ドア開放の有無、避難誘導の表示や音声出力の要/不要の選択を受け付けるか、あらかじめ設定しておいてもよい。
また、依頼された知人が避難誘導対象者の保護に訪れた場合には、各種センサによって知人を検知したPC210は、知人が来たこと、避難誘導対象者が知人により保護されたこと、避難誘導対象者と知人の避難が完了したことなどを検知して、電子メールなどでユーザに
通知することが望ましい。
なお、避難完了の後もPC210が制御手段や通信手段として動作し、GPSや体調管理用携帯端末装置2000などの各種の位置追跡手段を用いて避難誘導対象者の現在位置を定期的に把握して、ユーザ(保護者あるいは管理者)宛に避難誘導対象者の現在位置追跡結果を電子メールなどで送信するようにしてもよい。
以上のようにすることで、徘徊癖のある老人や、逃げ出して戻らない可能性のある者などの場合であっても、必要に応じて知人が保護することもでき、知人の保護が期待できない場合には、自動的に避難誘導がなされるため、閉じこめが発生することもない。
また、危険なウィルスに感染した患者、凶暴な犯罪者などについては、必要な保護措置を講じてから避難誘導をさせることが可能になり、危険な状態で避難誘導対象者が逃げ出すことが無く、かつ、閉じこめが発生することもなくなる。
また、体調管理用携帯端末装置2000の検出結果によって、避難誘導対象者の体調に変化が生じていることが検出され、自力の避難が困難と予想される場合、あるいは、さらに体調が悪化すると予想される場合もある。たとえば、呼吸、心拍、血圧などが急上昇する場合もありうる。このような場合には、PC210は、その避難誘導対象者に対して、一時的に待機するように、体調管理用携帯端末装置2000の表示手段2024や避難誘導部420から待機指示を与える。そして、これと並行して、PC210は、保護者や管理者に対して、該避難誘導対象者の保護の指示を電子メールなどで与える。これにより、災害発生のショックなどで体調が変化した避難誘導対象者に対して、無理な避難誘導を命じることがなく、また、保護者や管理者を向かわせるために、閉じこめが発生することもなくなる。一方、体調が変化して待機を命じた避難誘導対象者の体調が安定してきたことが体調管理用携帯端末装置2000で検出された場合には、PC210は、一定時間安定したと認められた時点で、避難誘導対象者に対して自力の避難の誘導を開始するようにしてもよい。
すなわち、避難誘導対象者が体調管理用携帯端末装置2000を所持しているため、その避難誘導対象者の体調に合わせて、適切な避難誘導対象者や待機指示を臨機応変に出すことが可能になる。このため、体調の悪化した避難誘導対象者が無理に避難をすることで、体調を更に悪化させたりといった事態を予防することが可能になる。
〔4〕第三実施形態の動作:
以下、図6のフローチャートを参照にして第三実施形態の動作説明を行う。なお、この第三実施形態で用いるシステムは図1と同じである。また、第一実施形態や第二実施形態と同じ動作については、図6のフローチャートでも同じステップ番号を付している。
この避難誘導システムでは、PC210は、施錠解除と避難誘導の承認をユーザから得る手続きの際に、ユーザから応答がなかった場合(図6中のステップS304でN)、予め登録された知人に対して避難誘導承認を求める(図6中のステップS611)。すなわち、一定時間内にユーザからの応答がなかった場合、ユーザに宛てた避難誘導承認を求める手続き(メールなど)と同様の内容のものを、予め登録された近所の知人(予め登録された近所の知人がGPS情報を発する装置を身につけており、そのGPS情報を確認できるシステムが存在する場合には、近所にいることが確実な知人など)に送信する。
ここで、避難誘導承認が得られた場合(図6中のステップS613でY)、PC210は施錠解除と避難誘導との処理を実行する(図6中のステップS306〜)。また、知人からも応答がなかった場合(図6中のステップS612でN)も、PC210は施錠解除と避難誘導との処理を実行する(図6中のステップS306〜)。すなわち、この場合も、緊急性があるため、知人が「不承認」とした場合以外は、施錠を解除と避難誘導とを実
行する。このように、ユーザだけでなく、知人からの承認あるいは応答なしでも施錠解除と避難誘導がなされるため、確実な避難を実行することができ、不要な閉じこめ状態や不要な解除が発生しにくくなる。なお、ユーザのみの承認とするか、ユーザと連絡がとれないときに何人の知人まで連絡をするかについて、予め定めておくことが望ましい。
この場合、保護者であれば、父→母の順番で承認を行うようにしてもよいし、施設の場合には、所長→副所長などの順番で承認を行うようにしてもよい。
以上のようにすることで、徘徊癖のある老人や、逃げ出して戻らない可能性のある者などの場合であっても、必要に応じて知人が保護することもでき、知人の保護が期待できない場合には、自動的に避難誘導がなされるため、閉じこめが発生することもない。
〔5〕第四実施形態の動作:
以下、図7のフローチャートを参照にして第四実施形態の動作説明を行う。なお、この第四実施形態で用いるシステムは図1と同じである。また、第一実施形態や第二実施形態などと同じ動作については、図7のフローチャートでも同じステップ番号を付している。
この避難誘導システムでは、PC210は、災害発生情報を受信(図7中のステップS301)した後に、まず、ユーザの現在位置を検出する(図7中のステップS302A)。
この場合、ユーザも体調管理用携帯端末装置2000を所持しており、位置の検出結果は、PC210に集められ、ユーザの建物内の位置はPC210で把握されているものとする。そして、ユーザが建物外にいる場合にはユーザが所有する携帯電話などから得られる位置情報、ユーザがユーザ宅内にいる場合には体調管理用携帯端末装置2000で得られる位置情報により、PC210は、ユーザの現在位置を検出する。
そして、ネットワーク100などを介して災害情報センター101からの緊急地震速報の配信(図4(4))を受けた(図7中のステップS301)ユーザ宅400のPC210では、受信した緊急地震速報に含まれる各種情報をデコードし、該当する地域であるか、震度などに応じて施錠解除などを伴う避難誘導をする必要があるかを判定する。
ここで、緊急地震速報のデータと、ユーザの位置とにより、ユーザが避難誘導対象者と同じ室内にいる場合には避難誘導不要、ユーザが避難誘導対象者と別室であるものの同じ建物内にいる場合には承認不要・避難誘導必要、ユーザが避難誘導対象者から離れているものの国内にいる場合には承認必要・避難誘導必要、ユーザが避難誘導対象者から離れて遠隔の地(外国、国内島嶼部など)にいる場合には承認不要・避難誘導必要、などと判定を行う(図7中のステップS302B)。
なお、この承認要不要・避難誘導要不要の設定の組み合わせは、ユーザがPC210において任意に設定することも可能である。
たとえば、ユーザが外国にいる場合には、時差の関係、通信事情の関係に鑑みて、承認手続きを不要とする。また、同じ室内にユーザと避難誘導対象者とがいる場合には、ユーザの責任にまかせることで、システムによる施錠解除や避難誘導を不要とする。また、それらの中間の状態であれば、上述した第一実施形態〜第三実施形態で説明したように、システムによる施錠解除と避難誘導とを実行する。
なお、この避難誘導システムでは、ユーザと避難誘導対象者とが同じ建物の別室にいる場合には、それぞれに対して並行して避難誘導を実行してもよい。また、その際には、位置検出結果に応じて可能であれば途中で合流できるように避難誘導することも望ましい。
なお、避難中や避難完了後もPC210が制御手段や通信手段として動作し、GPSや体調管理用携帯端末装置2000などの各種の位置追跡手段を用いて避難誘導対象者の現在位置を定期的に把握して、ユーザ(保護者あるいは管理者)宛に避難誘導対象者の現在位置追跡結果を電子メールなどで送信するようにしてもよい。
なお、この場合は、避難未完了の通知は一度で終了するのではなく、定期的に位置検出を続け、避難未完了の通知や、現在位置の通知や、生体データ値の通知を定期的にユーザに電子メールなどで送信することが望ましい。
〔6〕第五の実施形態:
以下、図8のフローチャートを参照にして第五実施形態の動作説明を行う。なお、この第五実施形態で用いるシステムは図1と同じである。また、第一実施形態〜第四実施形態などと同じ動作については、図8のフローチャートでも同じステップ番号を付している。
この実施形態では、PC210は、ユーザが普段使用するパーソナルコンピュータであるものとする。
以上の各実施形態において、ネットワーク100などを介して災害情報センター101からの緊急地震速報の配信(図4(4))を受けた(図8中のステップS301)ユーザ宅400のPC210では、配信を受けたデータから、災害の種類、内容、規模、到達予想時刻などを警告画面として表示する。
この際に、使用中のアプリケーションプログラムの画面表示があっても、一番前面にこの表示を行う(図8中のステップS303A)。また、注意を喚起するような色や光の点滅、警報音の鳴動などを伴うことも望ましい。
そして、PC210が制御手段や通信手段として動作し、ユーザ(保護者あるいは管理者)宛に施錠解除と避難誘導とについて承認を求める手続き(電子メールなど)を送信する(図8中のステップS303B)。この場合、PC210は、建物内の出入り口の施錠を解除し、各出入り口を開放して建物外に避難させることについての簡単なメッセージとその承認の返答を求める内容を電子メールなどで送信する。
さらに、PC210は、オープンしているデータを保存し、使用中の他のアプリケーションプログラムを終了させる制御を行う。なお、この実施形態で使用する施錠解除・避難誘導のためのプログラムに関しても、ハードディスク装置からメインメモリ上に必要なプログラムやデータをロードした上で、ハードディスク装置を停止させた状態で動作する(図8中のステップS303C)ことが、コンピュータを保護するうえで望ましい。
また、PC210は、上述した施錠解除と避難誘導との状況を記憶しておき、以上の警告画面を表示してから一定時間経過した後は、施錠解除や避難誘導の状況、避難誘導対象者などの現在位置、知人との合流の有無、避難完了の有無、避難後の追跡結果などを表示する(図8中のステップS313)ことも望ましい。このようにすることで、災害の後に戻ってきたユーザが避難誘導や避難完了の状況を把握するのに役立つ。
なお、この第五の実施形態は、上述した第一実施形態〜第四実施形態のすべてと組み合わせて実行することが可能である。
〔7〕その他の実施形態:
また、地震や災害のレベルが低く、施錠解除と避難誘導をするレベルに達していない場合にも、PC210が制御手段や通信手段として動作し、ユーザ(保護者あるいは管理者)宛に、施錠解除と避難誘導とを実行する伺いを求める手続き(メールなど)を送信することも可能である。この場合、ユーザは、施錠解除・避難誘導伺いに対して、ユーザの意
志により、避難制御信号を送信する指示を、返信メールとして送信する。そして、施錠解除・避難誘導伺いに対する返信メールがあった場合に、PC210が避難制御信号送信機220に対して避難制御信号の送信を行う。
また、緊急地震速報などの各種の災害発生情報が発生していない場合でも、ユーザ宅に設置された各種センサ(振動センサ、温度センサ、ガス検知センサ)などの検知結果に応じて、PC210が制御手段や通信手段として動作し、ユーザ(保護者あるいは管理者)宛に、施錠解除と避難誘導とを実行する伺いを求める手続き(メールなど)を送信することも可能である。この場合、ユーザは、施錠解除・避難誘導伺いに対して、ユーザの意志により、避難制御信号を送信する指示を、返信メールとして送信する。そして、施錠解除・避難誘導伺いに対する返信メールがあった場合に、PC210が避難制御信号送信機220に対して避難制御信号の送信を行う。
また、以上の説明では、緊急地震速報や災害発生情報に応じて避難制御信号が発生するものとして説明したが、何らかの事情で緊急地震速報や災害発生情報を受信できない場合に、PC210が気象情報を参照して、上述した避難誘導承認を求める手続きや、施錠解除伺いの手続きを行うようにしてもよい。この場合、上述したのと同様の手続きを、ネットワーク経由で入手した気象情報などを参照してPC210が行う。
また、以上の説明では、緊急地震速報や災害発生情報に応じて避難制御信号が発生するものとして説明したが、ネットワークのダウンなどの事情で緊急地震速報や災害発生情報を受信できない場合に、PC210がユーザ宅に設置された気象センサから気象情報を参照して、上述した避難誘導承認を求める手続きや、施錠解除伺いの手続きを行うようにしてもよい。この場合、ネットワークのダウンでユーザと連絡がつかないことが明らかであれば、PC210は、ユーザの承認を得ることなく施錠解除と避難誘導とを実行してもよい。そして、ネットワークの回復後に、施錠解除と避難誘導とを実行した旨を事後報告するようにしてもよい。
なお、以上の場合、PC210からユーザへの連絡や返信はメールに限定されるものではなく、PC210が一種のサーバとして動作して、ユーザがアクセスして携帯端末のウェブ画面を介してメッセージ受信や承認や指示の入力を行う形式であってもよい。
また、以上のようにPC210とユーザとが通信を行う場合には、既存の携帯電話を用いても良いし、専用の携帯端末を容易してもよい。
また、PC210とユーザとが直接にメールなどにより連絡を取り合う形式であってもよいし、PC210がサーバとなってもよいし、連絡や承認のための別のサーバ(図示せず)を用意してもよい。
さらに、以上の各実施形態において、PC210を介して、避難誘導対象者とユーザとを互いに通信可能にすることも可能である。この場合、ユーザは既存の携帯電話などを私用し、避難誘導対象者は体調管理用携帯端末装置2000の表示手段2024と回答入力部2027とを用いて、互いにメッセージの交換が可能になる。これにより、避難途中、避難後に、安否確認をすることが可能になる。
また、建物内のいずれかの位置で、倒れやすい家具や備品が存在する領域では、揺れなどを検知して自動的に動作する防護手段(防護ネットや防護柵や防護ドームなど)を予め配置しておいて、避難誘導対象者に対しては、避難誘導部420を介して、その領域では地震の揺れなどが治まるまで待機を命じることも望ましい。
また、建物内のいずれかの位置で、倒れやすい家具や備品が存在する領域では、PC2
10の制御により動作する防護手段(防護ネットや防護柵や防護ドームなど)を予め配置しておいて、該防護手段をPC210から作動させると共に、避難誘導対象者に対しては、避難誘導部420を介して、その領域では地震の揺れなどが治まるまで待機を命じることも望ましい。
または、避難誘導対象者が上述した防護手段の近くに位置している場合には、PC210は、避難誘導対象者を防護手段で守られる領域まで避難誘導対象者を誘導して、待機を命じてもよい。
また、建物内のいずれかの位置で、倒れやすい家具や備品が存在する領域であるものの、防護手段(防護ネットや防護柵など)が存在しない領域では、避難誘導対象者に対しては、PC210は避難誘導部420を介して、その領域では地震の揺れなどが治まるまで、倒れやすいものに近づかないように、待機を命じることも望ましい。
また、以上の各実施形態において、避難誘導部420から避難の誘導をすることが基本であるが、各避難誘導対象者に対する細かな指示(特定の場所での待機指示、避難途中の注意喚起、各国言語での指示)を、PC210が体調管理用携帯端末装置2000の表示手段2024を介して行うことも望ましい。この場合携帯端末装置2000が避難誘導部420の一部として動作することになる。
また、避難誘導対象者が人間である場合に施錠を解除して避難誘導する場合を具体例にしてきたが、人間以外、たとえばペットや家畜などの動物の避難誘導にも適用することができる。その場合には、避難誘導の表示や音声出力を対応する動物などの視覚や聴覚に適した状態に設定すればよい。
また、避難誘導対象者本人以外が体調管理用携帯端末装置2000を身につけていた場合であっても、本実施形態による避難誘導はなされないとしても、従来通りの通常の火災報知器の鳴動など一般的な警告がなされているため、問題は生じない。
また、予め定めておいた設定、あるいはユーザからの承認によって、避難誘導対象者本人ではないが体調管理用携帯端末装置2000を身につけた者に対しても、本実施形態の避難誘導を行うようにしてもよい。
また、体調管理用携帯端末装置2000の検出結果によって、避難誘導対象者の体調に変化が生じていることが検出され、通常の避難誘導対象者と同じ速度での避難が困難と予想される場合、あるいは、さらに体調が悪化すると予想される場合がある。または、PC210側に登録されたデータによって、同様に避難が困難と予想される場合もある。このような場合には、PC210は、その避難誘導対象者に対して、一時的に待機するように、体調管理用携帯端末装置2000の表示手段2024や避難誘導部420から待機指示を与える。
そして、PC210は、他の避難誘導対象者の避難による混雑が緩和された後、あるいは、地震の揺れなどが治まった後に、その避難誘導対象者に対して、適した経路を用いて避難誘導を開始する。これにより、災害発生のショックなどで体調が変化しやすい避難誘導対象者に対して、無理な避難誘導を命じることがなく、確実な避難誘導が可能になる。一方、体調が原因で待機を命じた避難誘導対象者の体調が安定してきたことが体調管理用携帯端末装置2000で検出された場合には、PC210は、一定時間安定したと認められた時点で、避難誘導対象者に対して避難の誘導を開始するようにしてもよい。
すなわち、避難誘導対象者が体調管理用携帯端末装置2000を所持しているため、そ
の避難誘導対象者の体調に合わせて、適切な避難誘導対象者や待機指示を臨機応変に出すことが可能になる。このため、体調の悪化した避難誘導対象者が無理に避難をすることで、体調を更に悪化させたりといった事態を予防することが可能になる。
また、以上の実施形態では、避難誘導対象者が体調管理用携帯端末装置2000を所持しているため、その避難誘導対象者の位置や体調を把握することが可能であり、避難の際に体調が悪化した場合、あるいは、避難する速度が著しく低下した場合、または、位置が変化しなくなった場合などには、避難誘導対象者の位置と生体データ値とを、上述した保護者や管理者だけでなく、主治医や救急隊(消防署)などの所定の機関へ、送受信手段2255などを介して通知することも望ましい。この場合、体調管理用携帯端末装置2000の内部に、避難誘導対象者の過去の病歴、現在服用している薬(あるいは使用を避けるべき薬)などのデータを保持しておいて、上述した位置や生体データ値と共に、送受信手段2255などを介して通知することも望ましい。これにより、避難誘導対象者が体調の悪化で動けなくなった場合、あるいは、建物の倒壊などで動けなくなった場合にも、または、避難誘導部420が故障した場合などにも、速やかな救助が可能となる。
なお、このように、避難の際に体調が悪化した場合、あるいは、避難する速度が著しく低下した場合、または、位置が変化しなくなった場合などには、体調管理用携帯端末装置2000は、避難誘導対象者の位置と生体データ値とを、上述した保護者や管理者や所定の機関などへ、送受信手段2255などを介して一定周期で通知し続けることが望ましい。
本発明の一実施形態としての避難誘導システムの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態の避難誘導システムの主要部の構成を示す説明である。 本発明の第一実施形態の動作を示すフローチャートである。 本実施形態の避難誘導システムにおける動作状態を示すシーケンス図である。 本発明の第二実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の第三実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の第四実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の第五実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の避難誘導システムの避難誘導の様子を示す説明である。
符号の説明
100 ネットワーク
101 災害情報センター
111a〜111n 観測ポイント
210 PC
211 専用受信機
220 避難制御信号送信機
400 ユーザ宅
401 部屋
410 出入り口
420 避難誘導部
2000 体調管理用携帯端末装置

Claims (8)

  1. 各種災害の発生に関する災害発生情報を受信する受信装置と、
    避難誘導対象者の位置を検出する第一位置検出手段と、
    保護者あるいは管理者等のユーザ位置を検出する第二位置検出手段と、
    避難制御信号を送信する送信機と、
    室内各出入り口あるいは通路に配置され、前記避難制御信号を受信して避難誘導の表示あるいは音声出力を行う避難誘導部と、
    前記ユーザと前記避難誘導対象者とが同一建物内であって別室に存在すると検知された場合に、前記受信装置で受信された災害発生情報により、前記第一位置検出手段で検出された前記避難誘導対象者の現在位置に応じて、前記避難誘導部により避難誘導させる前記避難制御信号を送信する制御を行う制御手段と、
    を備えたことを特徴とする避難誘導システム。
  2. 各種災害の発生に関する災害発生情報を受信する受信装置と、
    避難誘導対象者の位置を検出する第一位置検出手段と、
    保護者あるいは管理者等のユーザの位置を検出する第二位置検出手段と、
    避難制御信号を送信する送信機と、
    室内各出入り口あるいは通路に配置され、前記避難制御信号を受信して避難誘導の表示あるいは音声出力を行う避難誘導部と、
    前記受信装置で受信された災害発生情報により、前記第一位置検出手段で検出された前記避難誘導対象者の現在位置に応じて、前記避難誘導部により避難誘導させる前記避難制御信号を、前記ユーザと前記避難誘導対象者とが同一建物内であって別室に存在すると検知された場合には送信すると共に、前記ユーザと前記避難誘導対象者とが同一室内に存在すると検知された場合には送信しない制御を行う制御手段と、
    を備えたことを特徴とする避難誘導システム。
  3. 避難誘導対象者の居室の出入り口を施錠しており、前記避難制御信号を受信して施錠が解除される施錠部を備える、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の避難誘導システム。
  4. 前記第一位置検出手段は、避難誘導対象者によって所持され、生体センサにより前記避難誘導対象者の生体データ値を検出する生体データ検出端末装置に備えられている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の避難誘導システム。
  5. 前記制御手段は、前記第一位置検出手段で検出された現在位置に応じて、現在位置から次に移動すべき出入り口あるいは通路に、前記避難誘導部から避難誘導の表示あるいは音声出力を行うように前記避難制御信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の避難誘導システム。
  6. 前記出入り口は自動開閉装置を備え、前記制御手段からの避難制御信号に応じて、現在位置から次に移動すべき出入り口の自動開閉装置を開く、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の避難誘導システム。
  7. 前記制御手段は、前記第一位置検出手段で検出された現在位置に応じて、避難が完了した場合には、通信手段を介して避難完了メッセージと前記生体データ値とを、前記ユーザに対して通知し、
    避難が未完了の場合には、前記通信手段を介して避難未完了メッセージと前記生体データ値とを、前記ユーザに対して通知する、
    ことを特徴とする請求項4記載の避難誘導システム。
  8. 前記制御手段は、避難誘導対象者の状態に応じて、前記避難誘導部により避難誘導させるよう前記避難制御信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の避難誘導システム。
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