JP4166487B2 - 研磨用組成物及びそれを用いた配線構造の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属、特にタングステンを好適に研磨することができる研磨用組成物及びそれを用いた配線構造の形成方法である。より詳しくは、集積回路などの半導体装置の製造工程においてウエハ表面の金属、特にタングステンを好適に研磨することができる研磨用組成物、及びその研磨用組成物を用いた半導体装置における配線構造の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の研磨用組成物としては、例えば特開平10−265766号公報に開示される研磨用組成物が知られている。この研磨用組成物は過酸化水素と硝酸鉄を含有し、それらの相乗効果によってタングステンを高速度で研磨することができるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公報に開示される研磨用組成物では、研磨用組成物に含有される硝酸鉄に由来する鉄イオンが研磨加工後の被研磨物に残留しやすく、その結果、鉄による汚染に起因して被研磨物の表面に欠陥が生じたり、半導体装置においては電気的特性が低下したりするなどの問題があった。
【0004】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、タングステンを高速度で研磨することができると同時に、鉄による被研磨物の汚染を防止することができる研磨用組成物及びそれを用いた配線構造の形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、タングステン研磨用の研磨用組成物であって、(A)二酸化ケイ素としてヒュームドシリカ、(B)過ヨウ素酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種、(C)水酸化テトラアルキルアンモニウム及び塩化テトラアルキルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種、(D)塩酸、並びに(E)水を含有し、鉄を実質含有しないことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の研磨用組成物において、塩酸の濃度(質量分率)が10〜1000ppmであることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の研磨用組成物において、周期表の2族〜12族に属する各元素、並びにアルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛及びビスマスの濃度(質量分率)がそれぞれ100ppb以下であることを要旨とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の研磨用組成物において、pHが2〜3であることを要旨とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、凹部が形成された絶縁体層の上層にタングステンからなる導体層を含むメタル層を形成する第1の工程と、前記凹部以外の箇所の絶縁体層が露出するまで前記メタル層を研磨して前記凹部内に配線部を形成する第2の工程とを含む配線構造の形成方法において、前記第2の工程で、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて前記メタル層を研磨することを要旨とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、凹部が形成された絶縁体層の上層にタングステンからなる導体層を含むメタル層を形成する第1の工程と、前記凹部以外の箇所の絶縁体層が露出するまで前記メタル層を研磨して前記凹部内に配線部を形成する第2の工程とを含む配線構造の形成方法において、前記第2の工程で、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて前記メタル層の大部分を研磨除去した後に、前記導体層のタングステンを研磨する速度を1としたときに前記絶縁体層を研磨する速度が0.67〜1.5の範囲にある研磨用組成物を用いて前記メタル層及び絶縁体層を仕上げ研磨することを要旨とする。
【0010】
請求項7に記載の発明は、凹部が形成された絶縁体層の上層にタングステンからなる導体層を含むメタル層を形成する第1の工程と、前記凹部以外の箇所の絶縁体層が露出するまで前記メタル層を研磨して前記凹部内に配線部を形成する第2の工程とを含む配線構造の形成方法において、前記第2の工程で、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて前記メタル層の大部分を研磨除去した後に、(a)二酸化ケイ素、(b)過ヨウ素酸、(c)アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム及び過ヨウ素酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種、並びに(d)水を含有し、鉄を実質含有しない研磨用組成物を用いて前記メタル層及び絶縁体層を仕上げ研磨することを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態について説明する。
本実施形態の研磨用組成物は、(A)二酸化ケイ素、(B)過ヨウ素酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種、(C)水酸化テトラアルキルアンモニウム及び塩化テトラアルキルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種、(D)塩酸、並びに(E)水から構成されている。
【0012】
まずはじめに、A成分である二酸化ケイ素について説明する。
二酸化ケイ素には、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、沈殿法シリカなど結晶形態や製造方法が異なる種々のものが知られているが、これらいずれの種類の二酸化ケイ素も本実施形態の研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素として使用可能であり、その中でも好ましいのはヒュームドシリカである。ヒュームドシリカは一般に、四塩化ケイ素を酸水素炎中で気相加水分解することによって製造される。こうして製造されるヒュームドシリカは、数個から数十個の粒子が三次元的に凝集した鎖状構造を形成している。またヒュームドシリカは、金属不純物の含有量が少ないという特徴も有している。
【0013】
本実施形態の研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素のBET比表面積と粒子密度とから計算される平均粒子径は、下限については10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましい。一方、上限については50nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましい。また、光散乱法で測定される二酸化ケイ素の平均粒子径は、下限については80nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。一方、上限については250nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
【0014】
本実施形態の研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素の量は、下限については20g/リットル以上が好ましく、50g/リットル以上がより好ましい。一方、上限については200g/リットル以下が好ましく、150g/リットル以下がより好ましい。
【0015】
次に、B成分である過ヨウ素酸及びその塩について説明する。
本実施形態の研磨用組成物には、B成分として過ヨウ素酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種が配合されている。過ヨウ素酸には、オルト過ヨウ素酸(H5IO6)、メタ過ヨウ素酸(HIO4)、二メソ過ヨウ素酸(H4I2O9)、メソ過ヨウ素酸(H3IO5)、二オルト過ヨウ素酸(H8I2O11)など形態が異なる種々のものが知られている。これらいずれの種類の過ヨウ素酸も本実施形態の研磨用組成物に配合される過ヨウ素酸として使用可能であるが、その中でも好ましいのはオルト過ヨウ素酸である。というのも、オルト過ヨウ素酸は組成が安定しているとともに入手が容易であるからである。また、本実施形態の研磨用組成物に配合される過ヨウ素酸塩としては、いずれの種類の過ヨウ素酸塩も使用可能であるが、好ましいのは過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム又は過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0016】
本実施形態の研磨用組成物に配合されるB成分の量は、下限については5g/リットル以上が好ましく、10g/リットル以上がより好ましい。一方、上限については50g/リットル以下が好ましく、30g/リットル以下がより好ましい。
【0017】
次に、C成分である水酸化テトラアルキルアンモニウム及び塩化テトラアルキルアンモニウムについて説明する。
本実施形態の研磨用組成物には、C成分として水酸化テトラアルキルアンモニウム及び塩化テトラアルキルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種が配合されている。水酸化テトラアルキルアンモニウム及び塩化テトラアルキルアンモニウムにおけるアルキル基は特に限定されないが、メチル基又はエチル基が好ましい。
【0018】
本実施形態の研磨用組成物に配合されるC成分の量は、研磨用組成物のpHが2〜3になる量が好ましく、pHが2.1〜2.8になる量がより好ましい。
次に、D成分である塩酸について説明する。
【0019】
本実施形態の研磨用組成物における塩酸の濃度(質量分率)は、下限については10ppm以上が好ましく、30ppm以上がより好ましい。一方、上限については1000ppm以下が好ましく、200ppm以下がより好ましい。この塩酸の濃度は、イオンクロマトグラフィで測定される塩素濃度(質量分率)から換算される値である。なお、上記のA〜C成分あるいは下記のE成分に不純物として塩酸が含まれる場合(例えばA成分である二酸化ケイ素がヒュームドシリカである場合)、その不純物として含まれる塩酸によって研磨用組成物における塩酸の濃度が所望の量に達していれば、改めて塩酸を配合する必要がないことはもちろんである。
【0020】
最後に、E成分である水について説明する。
分散媒及び溶媒としての役割を担う水は、不純物をできるだけ含まないものが好ましく、具体的にはイオン交換水を濾過したものが好ましい。
【0021】
本実施形態の研磨用組成物は以上説明したA〜E成分を混合して調製される。こうして調製される研磨用組成物のpHは、下限については2以上が好ましく、2.1以上がより好ましい。一方、上限については3以下が好ましく、2.8以下がより好ましい。
【0022】
また本実施形態の研磨用組成物は、不純物をできるだけ含まないことが好ましい。具体的には、周期表の2族〜12族に属する各元素、並びにアルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛及びビスマスの濃度(質量分率)が、それぞれ100ppb以下であることが好ましく、50ppb以下であることがより好ましい。その中でも銅、鉄、ニッケル、クロム及びマンガンは、SiO2膜などの絶縁体層中に拡散しやすく、半導体装置の歩留まりに影響を及ぼすため、特にこれらの元素の濃度は上記範囲に抑えることが好ましい。
【0023】
なお、上記の族番号の表記は、IUPAC無機化学命名法改訂版(1989)に基づくものである。また、上記の不純物の濃度は、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)、誘導結合高周波プラズマ分光分析装置(ICP−AES)、原子吸光分析装置、全反射蛍光X線分析装置(TXRF)などを使って測定される。
【0024】
続いて、上記の研磨用組成物を用いた半導体装置における配線構造の形成方法について説明する。
本実施形態の配線構造の形成方法では、凹部が形成された絶縁体層の上層にタングステンからなる導体層を形成した後、凹部以外の箇所の絶縁体層が露出するまで前記導体層を研磨することにより、凹部内に配線部を形成する。
【0025】
まずはじめに、凹部が形成された絶縁体層の上層にタングステンからなる導体層を形成する第1の工程について説明する。
この第1の工程においてはまず、半導体基板上の絶縁体層に回路設計に基づく所定パターンの凹部を形成する。この凹部の形成は、公知のリソグラフィ技術及びエッチング技術によって行われる。なお、前記絶縁体層の具体例としては、SiO2膜、SiOF膜、BSG膜、PSG膜、BPSG膜などが挙げられる。凹部が形成される前の絶縁体層の表面は、できるだけ平坦であることが望ましい。
【0026】
絶縁体層に凹部を形成した後には、少なくとも凹部が完全に埋まるようにタングステンからなる導体層を絶縁体層の上層に形成する。絶縁体層の上層にタングステンからなる導体層を形成する際には、PVD(Physical Vapor Deposition)法などが用いられる。
【0027】
次に、凹部以外の箇所の絶縁体層が露出するまで前記導体層を研磨して凹部内に配線部を形成する第2の工程について説明する。
この第2の工程においては、上記の研磨用組成物を用いて前記導体層の大部分を研磨除去した後に、後述の仕上げ研磨用組成物を用いて前記導体層及び絶縁体層を仕上げ研磨する。ここで、“導体層の大部分を研磨除去する”とは、凹部以外の箇所の導体層の厚みが200nm以下、好ましくは100nm以下になるまで研磨することをいう。
【0028】
前記仕上げ研磨用組成物として好ましいものとしては、次の3つが挙げられる。一つ目は、タングステンを研磨する速度を1としたときに絶縁体層を研磨する速度が0.67〜1.5、好ましくは0.75〜1.2の範囲にあるような研磨用組成物である。二つ目は、(a)二酸化ケイ素、(b)過ヨウ素酸、(c)アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム及び過ヨウ素酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種、並びに(d)水を含有し、鉄を実質含有しない研磨用組成物である。そして三つ目は、タングステンを研磨する速度を1としたときに絶縁体層を研磨する速度が0.67〜1.5、好ましくは0.75〜1.2の範囲にあり、なおかつ、上記(a)〜(d)の各成分を含有し、鉄を実質含有しない研磨用組成物である。
【0029】
ここで、上記した二つ目及び三つ目の仕上げ研磨用組成物に含まれる上記(a)〜(d)の各成分について詳細に説明する。
まず、はじめにa成分である二酸化ケイ素について説明する。
【0030】
仕上げ研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素としてはいずれの種類の二酸化ケイ素も使用可能であるが、好ましいのはゾルゲル法で合成されるコロイダルシリカである。ゾルゲル法によるコロイダルシリカの合成は一般に、メタノール、アンモニア及び水からなる溶媒中にケイ酸メチルを滴下し、加水分解させることによって行なわれる。こうして製造されるコロイダルシリカは、不純物が極めて少ないという特徴を有している。
【0031】
仕上げ研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素のBET比表面積と粒子密度とから計算される平均粒子径は、下限については40nm以上が好ましく、60nm以上がより好ましい。一方、上限については120nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。また、光散乱法で測定される二酸化ケイ素の平均粒子径は、下限については80nm以上が好ましく、150nm以上がより好ましい。一方、上限については300nm以下が好ましく、250nm以下がより好ましい。
【0032】
仕上げ研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素の量は、下限については10g/リットル以上が好ましく、30g/リットル以上がより好ましい。一方、上限については200g/リットル以下が好ましく、150g/リットル以下がより好ましい。
【0033】
次に、b成分である過ヨウ素酸について説明する。
仕上げ研磨用組成物に配合される過ヨウ素酸の量は、下限については2g/リットル以上が好ましく、3.5g/リットル以上がより好ましい。一方、上限については9g/リットル以下が好ましく、6g/リットル以下がより好ましい。
【0034】
次に、c成分であるアンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム及び過ヨウ素酸ナトリウムについて説明する。仕上げ研磨用組成物には、c成分としてこれらの化合物から選ばれる少なくとも一種が配合されている。
【0035】
仕上げ研磨用組成物に配合されるc成分の量は、研磨用組成物のpHが4.5〜7になる量が好ましく、pHが5〜6になる量がより好ましく、pHが5.3〜5.8となる量が最も好ましい。
【0036】
最後に、d成分である水について説明する。
分散媒及び溶媒としての役割を担う水は、不純物をできるだけ含まないものが好ましく、具体的にはイオン交換水を濾過したものが好ましい。
【0037】
仕上げ研磨用組成物は以上説明したa〜d成分と随意で他の添加剤とを混合して調製される。
こうして調製される仕上げ研磨用組成物のpHは、下限については4.5以上が好ましく、5以上がより好ましく、5.3以上が最も好ましい。一方、上限については7以下が好ましく、6以下がより好ましく、5.8以下が最も好ましい。
【0038】
また仕上げ研磨用組成物は、不純物をできるだけ含まないことが好ましい。具体的には、周期表の2族〜12族に属する各元素、並びにアルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛及びビスマスの濃度(質量分率)は、それぞれ100ppb以下であることが好ましく、50ppb以下であることがより好ましい。その中でも銅、鉄、ニッケル、クロム及びマンガンは、SiO2膜などの絶縁体層中に拡散しやすく、半導体装置の歩留まりに大きく影響するため、特にこれらの元素の濃度は上記範囲に抑えることが好ましい。
【0039】
本実施形態によって得られる効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態の研磨用組成物は、(A)二酸化ケイ素、(B)過ヨウ素酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種、(C)水酸化テトラアルキルアンモニウム及び塩化テトラアルキルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種、(D)塩酸、並びに(E)水から構成され、鉄を実質含有しない。従って、研磨加工後の被研磨物に鉄イオンが残留するおそれがなく、鉄による被研磨物の汚染を防止することができる。よって、鉄による汚染に起因して被研磨物の表面に欠陥が生じたり、半導体装置においては電気的特性が低下したりするおそれがない。
【0040】
・ 本実施形態の研磨用組成物によれば、二酸化ケイ素の機械的研磨作用と、過ヨウ素酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種並びに塩酸の化学的研磨作用の相乗効果によって、被研磨物、特にタングステンを高速度で研磨することができる。なお、本実施形態の研磨用組成物が特にタングステンの研磨に好適なのは、過ヨウ素酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種がその酸化作用によってタングステンを、脆弱で二酸化ケイ素の機械的研磨作用によって容易に研磨除去されうる三酸化タングステンに変化させるように働くためである。
【0041】
・ 本実施形態の研磨用組成物は、水酸化テトラアルキルアンモニウム又は塩化テトラアルキルアンモニウムを含有しているので、SiO2膜などの絶縁体層を研磨する速度が小さくなっている。このため、半導体装置の配線構造の形成過程におけるタングステン研磨の際に絶縁体層が研磨されるのを抑制することができる。
【0042】
・ 本実施形態の研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素をヒュームドシリカとすれば、タングステンの研磨速度をさらに大きくし、SiO2膜などの絶縁体層の研磨速度をさらに小さくすることができる。この効果は、数個から数十個の粒子が三次元的に凝集した鎖状構造を形成するヒュームドシリカの独特の形態によるものと推測される。
【0043】
・ 本実施形態の研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素のBET比表面積と粒子密度とから計算される平均粒子径を10nm以上とすれば、タングステンを研磨する速度が大きい研磨用組成物を提供することができる。また、この平均粒子径を20nm以上とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0044】
・ 本実施形態の研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素のBET比表面積と粒子密度とから計算される平均粒子径を50nm以下とすれば、絶縁体層を研磨する速度が小さい研磨用組成物を提供することができる。また、この平均粒子径を40nm以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0045】
・ 本実施形態の研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素の光散乱法で測定される平均粒子径を80nm以上とすれば、タングステンを研磨する速度が大きい研磨用組成物を提供することができる。また、この平均粒子径を100nm以上とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0046】
・ 本実施形態の研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素の光散乱法で測定される平均粒子径を250nm以下とすれば、絶縁体層を研磨する速度が小さい研磨用組成物を提供することができる。また、この平均粒子径を200nm以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0047】
・ 本実施形態の研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素の量を20g/リットル以上とすれば、タングステンを研磨する速度が大きい研磨用組成物を提供することができる。また、この配合量を50g/リットル以上とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0048】
・ 本実施形態の研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素の量を200g/リットル以下とすれば、絶縁体層を研磨する速度が小さい研磨用組成物を提供することができる。また、この配合量を150g/リットル以下とすれば、その効果を一段と高めることができる。
【0049】
・ 本実施形態の研磨用組成物に配合されるB成分(過ヨウ素酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種)の量を5g/リットル以上とすれば、タングステンを研磨する速度が大きい研磨用組成物を提供することができる。また、この配合量を10g/リットル以上とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0050】
・ 本実施形態の研磨用組成物に配合されるB成分の量を50g/リットル以下とすれば、絶縁体層を研磨する速度が小さい研磨用組成物を提供することができる。また、この配合量を30g/リットル以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0051】
・ 本実施形態の研磨用組成物における塩酸の濃度(質量分率)を10ppm以上とすれば、タングステンを研磨する速度が大きく、絶縁体層を研磨する速度が小さい研磨用組成物を提供することができる。また、30ppm以上とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0052】
・ 本実施形態の研磨用組成物における塩酸の濃度(質量分率)を1000ppm以下とすれば、研磨用組成物のゲル化を防止することができるので、そのゲル化によって誘発される研磨傷の発生を防止することができる。また、200ppm以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0053】
・ 本実施形態の研磨用組成物のpHを2以上とすれば、タングステンを研磨する速度が大きく、絶縁体層を研磨する速度が小さい研磨用組成物を提供することができるとともに、取扱性を向上させることができると。また、pHを2.1以上とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0054】
・ 本実施形態の研磨用組成物のpHを3以下とすれば、研磨用組成物のゲル化を防止することができるので、そのゲル化によって誘発される研磨傷の発生を防止することができる。また、pHを2.8以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0055】
・ 本実施形態の研磨用組成物における周期表の2族〜12族に属する各元素、並びにアルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛及びビスマスの濃度(質量分率)をそれぞれ100ppb以下とすれば、これらの元素による汚染に起因して被研磨物の表面に欠陥が生じるのを抑制することができる。また半導体装置においては、これらの元素による汚染に起因して電気的特性が低下するのを抑制することができる。なお、これらの元素の濃度(質量分率)を50ppb以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0056】
・ 仕上げ研磨用組成物を、タングステンを研磨する速度を1としたときに絶縁体層を研磨する速度が0.67〜1.5の範囲にあるような研磨用組成物とすれば、平坦な仕上がり面を得ることができる。これは、タングステンと絶縁体層の研磨速度の比が上記範囲内にあれば、タングステンからなる導体層と絶縁体層がほぼ同速度で研磨されるからである。なお、仕上げ研磨用組成物として、タングステンを研磨する速度を1としたときに絶縁体層を研磨する速度が0.75〜1.2の範囲にあるような研磨用組成物を用いるようにすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0057】
・ 仕上げ研磨用組成物を、上記(a)〜(d)の各成分を含有し、鉄を実質含有しない研磨用組成物とすれば、仕上げ研磨後の被研磨物に鉄イオンが残留するおそれがないので、鉄による汚染に起因する弊害を防ぐことができる。
【0058】
・ 仕上げ研磨用組成物を、タングステンを研磨する速度を1としたときに絶縁体層を研磨する速度が0.67〜1.5の範囲にあり、なおかつ、上記(a)〜(d)の各成分を含有し、鉄を実質含有しないものとすれば、平坦な仕上がり面を得られると同時に、鉄による汚染に起因する弊害を防ぐことができる。
【0059】
・ 仕上げ研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素のBET比表面積と粒子密度とから計算される平均粒子径を40nm以上とすれば、タングステンを研磨する速度、絶縁体層を研磨する速度とも大きい仕上げ研磨用組成物を提供することができる。また、この平均粒子径を60nm以上とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0060】
・ 仕上げ研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素のBET比表面積と粒子密度とから計算される平均粒子径を120nm以下とすれば、仕上げ研磨用組成物の粘度が過大になるのを防ぐことができる。加えて、二酸化ケイ素を均一に分散させることできるので、二酸化ケイ素の沈降によって誘発される研磨傷の発生を防止することができる。また、この平均粒子径を100nm以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0061】
・ 仕上げ研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素の光散乱法で測定される平均粒子径を80nm以上とすれば、タングステンを研磨する速度、絶縁体層を研磨する速度とも大きい仕上げ研磨用組成物を提供することができる。また、この平均粒子径を150nm以上とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0062】
・ 仕上げ研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素の光散乱法で測定される平均粒子径を300nm以下とすれば、仕上げ研磨用組成物の粘度が過大になるのを防ぐことができる。加えて、二酸化ケイ素を均一に分散させることできるので、二酸化ケイ素の沈降によって誘発される研磨傷の発生を防止することができる。また、この平均粒子径を250nm以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0063】
・ 仕上げ研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素の量を10g/リットル以上とすれば、タングステンを研磨する速度、絶縁体層を研磨する速度とも大きい仕上げ研磨用組成物を提供することができる。また、この配合量を30g/リットル以上とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0064】
・ 仕上げ研磨用組成物に配合される二酸化ケイ素の量を200g/リットル以下とすれば、仕上げ研磨用組成物の粘度が過大になるのを防ぐことができる。加えて、二酸化ケイ素を均一に分散させることできるので、二酸化ケイ素の沈降によって誘発される研磨傷の発生を防止することができる。また、この配合量を150g/リットル以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0065】
・ 仕上げ研磨用組成物に配合される過ヨウ素酸の量を2g/リットル以上とすれば、タングステンを研磨する速度、絶縁体層を研磨する速度とも大きい仕上げ研磨用組成物を提供することができる。また、この配合量を3.5g/リットル以上とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0066】
・ 仕上げ研磨用組成物に配合される過ヨウ素酸の量を9g/リットル以下とすれば、仕上げ研磨用組成物が有する酸化力が過大になるのを防ぐことができる。また、この配合量を6g/リットル以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0067】
・ 仕上げ研磨用組成物のpHを4.5以上とすれば、タングステンを研磨する速度が大きい仕上げ研磨用組成物を提供することができる。また、このpHを5以上とすれば上記の効果を一段と高めることができ、5.3以上とすれば上記の効果をさらに高めることができる。
【0068】
・ 仕上げ研磨用組成物のpHを7以下とすれば、絶縁体層を研磨する速度が大きい仕上げ研磨用組成物を提供することができる。また、このpHを6以下とすれば上記の効果を一段と高めることができ、5.8以下とすれば上記の効果をさらに高めることができる。
【0069】
・ 仕上げ研磨用組成物における周期表の2族〜12族に属する各元素、並びにアルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛及びビスマスの濃度(質量分率)をそれぞれ100ppb以下とすれば、これらの元素による汚染に起因して被研磨物の表面に欠陥が生じるのを抑制することができる。また半導体装置においては、これらの元素による汚染に起因して電気的特性が低下するのを抑制することができる。なお、これらの元素の濃度(質量分率)を50ppb以下とすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0070】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記実施形態の研磨用組成物に、従来の研磨用組成物で一般的に使用されている各種の添加剤を添加してもよい。
【0071】
・ 前記実施形態の配線構造の形成方法において、仕上げ研磨を省略し、凹部以外の箇所の絶縁体層が露出するまで研磨用組成物で導体層を研磨して前記凹部内に配線部を形成するようにしてもよい。
【0072】
・ 前記実施形態の配線構造の形成方法では絶縁体層の上層に直接タングステンからなる導体層を形成するようにしたが、凹部が形成された絶縁体層の上層にチタン又は窒化チタンからなる下地層を形成した後、その下地層の上層に導体層を形成するようにしてもよい。すなわち、凹部が形成された絶縁体層の上層に下地層と導体層からなるメタル層を形成し、凹部以外の箇所の絶縁体層が露出するまで前記メタル層を研磨して凹部内に配線部を形成するようにしてもよい。このようにすれば、導体層、ひいては配線部が絶縁体層から剥離するのを防ぐことができる。
【0073】
・ 前記実施形態の研磨用組成物及び仕上げ研磨用組成物の供給形態として、使用時に混合される2以上の剤からなる多剤式を採用するようにしてもよい。研磨用組成物であれば、例えば上記(A),(D),(E)の各成分を含有する第1剤と、上記(B),(C),(E)の各成分を含有する第2剤とからなる二剤式としてもよい。また仕上げ研磨用組成物であれば、例えば上記(a),(d)の各成分を含有する第1剤と、上記(b),(c),(d)の各成分を含有する第2剤とからなる二剤式としてもよい。このようにすれば、保存安定性を向上させることができる。また、(特に仕上げ研磨用組成物では)各剤の配合割合を研磨機の状態や研磨時の環境等に応じて調整することで、研磨速度を微調整することが可能である。
【0074】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜25、参考例26及び比較例1〜5)
実施例1〜24では、ヒュームドシリカ、過ヨウ素酸、塩酸、水酸化テトラメチルアンモニウム及び水を混合して研磨用組成物をそれぞれ調製した。実施例25では、ヒュームドシリカ、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウム、塩酸、水酸化テトラメチルアンモニウム及び水を混合して研磨用組成物を調製した。参考例26では、コロイダルシリカ、過ヨウ素酸、塩酸、水酸化テトラメチルアンモニウム及び水を混合して研磨用組成物を調製した。
【0075】
比較例1では、ヒュームドシリカ、塩酸、水酸化テトラメチルアンモニウム及び水を混合して研磨用組成物を調製した。比較例2では、ヒュームドシリカ、過ヨウ素酸、水酸化テトラメチルアンモニウム及び水を混合して研磨用組成物を調製した。比較例3では、ヒュームドシリカ、過ヨウ素酸、塩酸及び水を混合して研磨用組成物を調製した。比較例4では、ヒュームドシリカ、過ヨウ素酸、塩酸、水酸化カリウム及び水を混合して研磨用組成物を調製した。比較例5では、ヒュームドシリカ、硝酸鉄、塩酸、水酸化テトラメチルアンモニウム及び水を混合して研磨用組成物を調製した。
【0076】
但し、各例の研磨用組成物におけるヒュームドシリカ及び過ヨウ素酸の配合量並びに塩素濃度及びpHは下記表1に示す通りである。なお、比較例3,4を除く各例の研磨用組成物における水酸化テトラメチルアンモニウムの配合量、及び比較例4の研磨用組成物における水酸化カリウムの配合量は、pHが表1に示す値になる量である。また、実施例1〜25及び比較例1〜5の研磨用組成物に配合したヒュームドシリカのBET比表面積と粒子密度とから計算される平均粒子径は30nm、光散乱法で測定される平均粒子径は100nmである。
【0077】
(実施例27〜39)
ヒュームドシリカ、過ヨウ素酸、塩酸、水酸化テトラメチルアンモニウム及び水を混合して研磨用組成物をそれぞれ調製した。但し、各例の研磨用組成物に配合したヒュームドシリカのBET比表面積と粒子密度とから計算される平均粒子径(D1)、及び光散乱法で測定される平均粒子径(D2)は下記表2に示す通りである。なお、各例の研磨用組成物におけるヒュームドシリカの配合量は100g/リットル、過ヨウ素酸の配合量は20g/リットル、塩素濃度は100ppm、水酸化テトラメチルアンモニウムの配合量はpHが2.3になる量である。
【0078】
以上の実施例1〜39及び比較例1〜5の各例の研磨用組成物を用いてタングステンとSiO2、それぞれのブランケットウエハを下記の研磨条件1で研磨し、以下に示す計算式に基づいてタングステンの研磨速度及びSiO2の研磨速度を求めた。また、各例の研磨用組成物を用いて研磨加工した後のウエハ表面の鉄イオン濃度を、全反射蛍光X線分析装置(TRE−610T;株式会社テクノス製)を用いて測定した。それらの結果を下記表1及び表2に併せて示す。
研磨速度[nm/min]=(研磨加工前のブランケットウエハの厚み[nm]−研磨加工後のブランケットウエハの厚み[nm])÷研磨時間[min]
なお、研磨加工前後のタングステン膜の厚みはシート抵抗測定器(VR−120;国際電気システムサービス株式会社製)、シリコン酸化膜の厚みは光学式膜厚測定器(大日本スクリーン製造株式会社製)を用いて測定した。
【0079】
<研磨条件1>
研磨機:片面CMP用研磨機(Mirra;アプライドマテリアルズ社製)、研磨パッド:ポリウレタン製の積層研磨パッド(IC−1000/Suba400;ロデール社製)、研磨圧力:4psi(=約28kPa)、研磨時間:60秒、定盤回転数:80rpm、研磨用組成物の供給速度:150ml/分、キャリア回転数:80rpm
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
表1,2に示すように、実施例1〜39の研磨用組成物では、過ヨウ素酸を含有しない比較例1の研磨用組成物に比べて、タングステンの研磨速度が大きくなる結果が得られた。さらに実施例1〜39の研磨用組成物では、硝酸鉄を含有する比較例5の研磨用組成物に比べて、研磨加工後のウエハ表面の鉄イオン濃度が少なくなる結果が得られた。また、塩酸を含有しない比較例2や水酸化テトラメチルアンモニウムを含有しない比較例3,4の研磨用組成物では、タングステンの研磨速度が小さくなると同時に、SiO2の研磨速度が大きくなる傾向が認められた。
【0082】
(実施例40〜58)
実施例40〜58では、実施例4の研磨用組成物を使って上記の研磨条件1でパターンウエハを研磨加工した後に、仕上げ研磨用組成物を使って下記の研磨条件2で仕上げ研磨を行なった。このとき、50%密度、ホール径1μmのエリアにおけるディッシング及びエロージョンの量をそれぞれ測定した。その結果を下記表3に示す。但し、各例で使用される仕上げ研磨用組成物は、コロイダルシリカ、過ヨウ素酸、アンモニア及び水を混合して調製され、そのコロイダルシリカ及び過ヨウ素酸の配合量並びにpHは下記表3に示す通りである。また、各例で使用される仕上げ研磨用組成物について、タングステン及びSiO2の研磨速度を測定した結果を、その研磨速度の比(SiO2の研磨速度/タングステンの研磨速度)と併せて下記表3に示す。
【0083】
<研磨条件2>
研磨機:片面CMP用研磨機(Mirra;アプライドマテリアルズ社製)、研磨パッド:ポリウレタン製の積層研磨パッド(IC−1000/Suba400;ロデール社製)、研磨圧力:4psi(=約28kPa)、研磨時間:60秒、定盤回転数:60rpm、研磨用組成物の供給速度:200ml/分、キャリア回転数:60rpm
【0084】
【表3】
表3に示すように、実施例40〜58はいずれもディッシングとエロージョンの和が20nm以下であり、平坦な仕上がり面が得られることが示された。
【0085】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、タングステンを高速度で研磨することができると同時に、鉄による被研磨物の汚染を防止することができる。また、絶縁体層の研磨速度をさらに小さくすることができる。
【0086】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、タングステンの研磨速度をさらに大きくすることができると同時に、研磨用組成物のゲル化によって誘発される研磨傷の発生を防止することができる。
【0087】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、不純物元素による汚染に起因して被研磨物の表面に欠陥が生じたり、半導体装置においては電気的特性が低下したりするのを抑制することができる。
【0089】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、研磨用組成物の取扱性を向上させることができると同時に、絶縁体層の研磨速度をさらに小さくすることができる。また、研磨用組成物のゲル化によって誘発される研磨傷の発生を防止することができる。
【0090】
請求項5に記載の発明によれば、鉄による汚染に起因する弊害を防ぐことができる。
請求項6に記載の発明によれば、仕上げ研磨の際にメタル層と絶縁体層をほぼ同速度で研磨できるので、平坦な仕上がり面を得ることができる。
【0091】
請求項7に記載の発明によれば、鉄による汚染に起因する弊害を防ぐことができる。
Claims (7)
- タングステン研磨用の研磨用組成物であって、(A)二酸化ケイ素としてヒュームドシリカ、(B)過ヨウ素酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種、(C)水酸化テトラアルキルアンモニウム及び塩化テトラアルキルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種、(D)塩酸、並びに(E)水を含有し、鉄を実質含有しないことを特徴とする研磨用組成物。
- 塩酸の濃度(質量分率)が10〜1000ppmであることを特徴とする請求項1に記載の研磨用組成物。
- 周期表の2族〜12族に属する各元素、並びにアルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛及びビスマスの濃度(質量分率)がそれぞれ100ppb以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨用組成物。
- pHが2〜3であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 凹部が形成された絶縁体層の上層にタングステンからなる導体層を含むメタル層を形成する第1の工程と、前記凹部以外の箇所の絶縁体層が露出するまで前記メタル層を研磨して前記凹部内に配線部を形成する第2の工程とを含む配線構造の形成方法において、
前記第2の工程で、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて前記メタル層を研磨することを特徴とする配線構造の形成方法。 - 凹部が形成された絶縁体層の上層にタングステンからなる導体層を含むメタル層を形成する第1の工程と、前記凹部以外の箇所の絶縁体層が露出するまで前記メタル層を研磨して前記凹部内に配線部を形成する第2の工程とを含む配線構造の形成方法において、
前記第2の工程で、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて前記メタル層の大部分を研磨除去した後に、前記導体層のタングステンを研磨する速度を1としたときに前記絶縁体層を研磨する速度が0.67〜1.5の範囲にある研磨用組成物を用いて前記メタル層及び絶縁体層を仕上げ研磨することを特徴とする配線構造の形成方法。 - 凹部が形成された絶縁体層の上層にタングステンからなる導体層を含むメタル層を形成する第1の工程と、前記凹部以外の箇所の絶縁体層が露出するまで前記メタル層を研磨して前記凹部内に配線部を形成する第2の工程とを含む配線構造の形成方法において、
前記第2の工程で、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて前記メタル層の大部分を研磨除去した後に、(a)二酸化ケイ素、(b)過ヨウ素酸、(c)アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム及び過ヨウ素酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種、並びに(d)水を含有し、鉄を実質含有しない研磨用組成物を用いて前記メタル層及び絶縁体層を仕上げ研磨することを特徴とする配線構造の形成方法。
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