JP4166190B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
さらに、ガスタービンの立ち上がり直後においては、燃焼用空気となる排気ガスの温度が低いため、エアヒートバーナの燃焼が不安定になり、CO等の未燃成分が発生しやすくなる。
上記排気ダクトには、上記エアヒートバーナの上流側に、当該排気ダクトを開閉させるための排気ダクト弁が配設されており、
上記コージェネレーションシステムを制御する制御装置は、上記ガスタービンの始動を検知してから所定時間経過したとき、又は上記排気ガスの温度が所定温度以上になったことを検知したとき、上記排気ダクト弁を開けるよう構成されていることを特徴とするコージェネレーションシステムにある(請求項1)。
すなわち、本例のコージェネレーションシステムにおいては、ガスタービンを始動するときには、上記排気ダクト弁を閉じておき、ガスタービンから排出される排気ガスが排気ダクトを経由して加熱炉へ流れない状態を形成する。
本発明において、上記エアヒートバーナに噴出させる燃料としては、都市ガス、LPGの他、各種の気体燃料を用いることができる。
また、上記ガスタービンは、発電能力が25〜300kWであるマイクロガスタービンとすることができる。
また、本発明における加熱炉としては、塗装乾燥炉、水切り乾燥炉、焼き戻し加熱炉、ベーキング炉等、種々のものがある。特に、これらの加熱炉は、熱風に不純物が含まれていることにより問題が発生する可能性が高いため、上記コージェネレーションシステムを適用することが好ましい。
また、上記ガスタービンを始動してから上記排気ダクト弁を開けるまでの上記所定時間は、ガスタービンを始動してから、その排気ガスが上記所定温度になるまでに要する時間とすることができる。この時間は、ガスタービンの能力等によって異なり、実験を行って求めることが好ましい。
なお、エアヒートバーナの先端部とは、エアヒートバーナにおける火炎形成方向の先端部のことをいい、先端部の上流側とは、先端部よりもガスタービンに近い側を意味し、先端部の下流側とは、先端部よりも加熱炉に近い側を意味する。
これにより、排気ダクト内の排気ガスの流量を安定させることができ、エアヒートバーナへ適切な流量の排気ガスを供給することが容易になる。また、これにより、加熱炉へ適切な流量の熱風を供給することも容易になる。
この場合には、エアヒートバーナに供給する排気ガスの流量を所定の目標範囲内に調整することができる。そのため、エアヒートバーナへ供給する排気ガスの流速を適切な値に維持することができ、加熱炉へ供給する熱風の流量も適切な流量に維持することができる。
そのため、各排気ダクト弁の開度を調整することにより、各エアヒートバーナへ適切な流量の排気ガスを供給することができ、各エアヒートバーナを安定燃焼させることができる。
これにより、ガスタービンが停止しているときには、フレッシュエアを利用してエアヒートバーナを燃焼させ、この燃焼により発生させた熱風を加熱炉に供給することができる。
(実施例1)
本例のコージェネレーションシステム1は、図1に示すごとく、ガスタービン11の排気口110と加熱炉19の入口190とを接続する排気ダクト15内に、エアヒートバーナ2を配設してなり、このエアヒートバーナ2から噴出させた燃料201と、上記排気ダクト15内を流れる排気ガス100との燃焼により発生させた熱風103を、上記加熱炉19へ供給するよう構成されている。
また、本例の加熱炉19は、対象物195の水切り乾燥又は対象物195に塗装された塗料の焼付けを行う塗装乾燥炉であり、熱風103に不純物が含まれていないことが対象物195の品質向上のために重要である。
本例のコージェネレーションシステム1における排気ダクト15には、ガスタービン11の排気口から加熱炉19の入口に向かって(排気ガス100の流れの上流側から下流側に向かって)順に、排気ダクト弁13、エアヒートバーナ2、送風ファン17が設置されている。
本例のガスタービン11は、マイクロガスタービン11であり、都市ガスを燃料201として用いるものである。ガスタービン11の排気口110近傍には、この排気口110から排気された排気ガス100の温度を検出するための温度センサ121が配設されている。この温度センサ121において検出した温度データは、制御装置12に送信されるよう構成されている。
また、本例の排気ダクト弁13は、制御装置12からの出力信号を受けて、排気ダクト15の開閉を行う開閉弁である。
本例では、エアヒートバーナ2へ流れる排気ガス100の流量は、排気ダクト15内においてエアヒートバーナ2の周辺に設けた差圧センサ16によって検出する。この差圧センサ16は、エアヒートバーナ2の先端部29の上流側と下流側との間の差圧Pを検出するよう構成されている。
また、上記安定燃焼差圧値Prは、コージェネレーションシステム1の本稼動を行う前に、予め実験を行って求めておくことが好ましい。
すなわち、差圧センサ16は、エアヒートバーナ2の先端部29の上流側と下流側とに、それぞれ上流側検出部161と下流側検出部162とを配置してなる。そして、圧力センサは、下流側検出部162によって検出される圧力が、上流側検出部161によって検出される圧力よりも大きくなることにより生じる圧力差を検出することができる。
また、本例においては、エアヒートバーナ2の先端部29の近傍に、整流板151を配設しており、エアヒートバーナ2の内周側に排気ガス100が効果的に流れるようにしている。
同図において、エアヒートバーナ差圧Pが小さくなると、排気ガス100の流量不足でエアヒートバーナ2において安定燃焼を行うことが困難になり、一方、エアヒートバーナ差圧Pが大きくなると、排気ガス100の流量過剰でエアヒートバーナ2において安定燃焼を行うことが困難になることがわかる。そして、エアヒートバーナ2における燃焼量によって若干の違いはあるものの、エアヒートバーナ差圧Pを150〜400Paに維持することで安定燃焼が可能であることがわかる。
また、エアヒートバーナ2において安定燃焼を継続して行うために、上記制御装置12は、差圧センサ16により検出した差圧Pが、安定燃焼可能な差圧範囲Aとしての150〜400Pa以内になるよう上記整流板151の角度を調整することができる。
上記排気ガス噴出筒22は、上記燃料噴出ヘッダ21の長手方向に直交する両側にそれぞれ下流側に向けて拡大傾斜して配設した一対の排気ガス噴出プレート221と、この一対の排気ガス噴出プレート221における長手方向の端部222同士をそれぞれ結合する一対のサイドプレート23とからなる。上記一対の排気ガス噴出プレート221には、排気ガス100の一部を排気ガス噴出筒22の内部に噴出させるための多数の排気ガス噴出穴220が形成されている。
図4に示すごとく、コージェネレーションシステム1の運転を開始するときには、ガスタービン11及び制御装置12に電源を投入し(ステップS101)、ガスタービン11において燃料201を用いて運転を開始する。このとき、制御装置12は、排気ダクト弁13を閉じておく。
そして、制御装置12は、ガスタービン11の運転を開始し、上記温度センサ121により検出した排気ガス100の温度が、所定の供給開始温度Tr未満であるときには、排気ガス100の全量を外部排気ダクト15から外部へ排気する。
そして、排気ガス100の温度が供給開始温度Tr以上になったときには、排気ダクト弁13を開ける(S104)。このとき、制御装置12は、リミットスイッチ131が排気ダクト弁13の開動作を検出したか否かを監視する(S105)。そして、制御装置12は、リミットスイッチ131が排気ダクト弁13の開動作を検出した場合には、送風ファン17を作動させる(S106)。
また、送風ファン17により、加熱炉19へ供給される排気ガス100は、上記供給開始温度Tr以上の排気ガス100となっており、この排気ガス100中には、未燃焼成分、オイルミスト、煤等の不純物がほとんど含まれていない。そのため、排気ガス100が加熱炉19における乾燥に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
一方、S105において、リミットスイッチ131が排気ダクト弁13の開動作を検出できない場合には、排気ダクト弁13等に故障が発生したと考えられ、コージェネレーションシステム1を異常停止する。
そして、制御装置12は、差圧Pが安定燃焼差圧値Pr以上になったときには、エアヒートバーナ2へ安定燃焼可能な流量の排気ガス100が流れていると認知して、上記燃料供給調整弁202を開けてエアヒートバーナ2へ燃料201を供給し、エアヒートバーナ2における燃焼を開始する(S109)。
また、エアヒートバーナ2において燃焼を開始した後には、制御装置12は、上記差圧センサ16により検出した差圧Pが所定の目標範囲内になるよう上記排気ダクト弁13の開度を制御することもできる。
それ故、本例のコージェネレーションシステム1によれば、エアヒートバーナ2において安定して燃焼を行うことができ、不純物の含有量が少ない安定した品質の熱風103を加熱炉19へ供給することができる。
すなわち、上記排気ダクト15には、外部から空気102を吸入可能な吸気ダクト141が接続されている。この吸気ダクト141は、上記排気ダクト弁13と上記エアヒートバーナ2との間に接続されている。また、吸気ダクト141には、これを開閉させるための吸気ダクト弁14が配設されている。
図5に示すごとく、コージェネレーションシステム1の運転を開始するときには、制御装置12に電源を投入する(ステップS201)。このとき、制御装置12は、排気ダクト弁13を閉じておく。
一方、S203において、リミットスイッチ142が吸気ダクト弁14の開動作を検出できない場合には、吸気ダクト弁14等に故障が発生したと考えられ、コージェネレーションシステム1を異常停止する。
本例は、上記排気ダクト15に温度センサ121を設ける代わりに、制御装置12を、ガスタービン11の始動を検知してから所定時間経過した後に上記排気ダクト弁13を開けるように構成した例である。
上記設定時間Drは、ガスタービン11を起動してから排気ガス100の温度が供給開始温度Tr以上になるまでの時間とする。
そして、制御装置12は、ガスタービン11の運転を開始してからの経過時間Dをタイマーで測定し(S302)、この経過時間Dが設定時間Drになるまでは、排気ガス100の全量を外部排気ダクト15から外部へ排気する。
以降、S305〜S309の各動作は、上記S105〜S109の各動作と同様であり、エアヒートバーナ2は排気ガス100を用いて安定燃焼することができ、コージェネレーションシステム1を安定して運転することができる。
本例においても、その他は、上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本例は、図7に示すごとく、ガスタービン11に対して複数の排気ダクト15及びエアヒートバーナ2を配設して、コージェネレーションシステム1を構成する例である。
すなわち、本例のコージェネレーションシステム1においては、排気ダクト15がガスタービン11の排気口110に対して複数接続されており(本例では2本)、各排気ダクト15には、エアヒートバーナ2、排気ダクト弁13及び差圧センサ16がそれぞれ配設されている。
なお、各排気ダクト15、エアヒートバーナ2、排気ダクト弁13、差圧センサ16等の構成や動作方法等は上記実施例1と同様である。
そのため、各排気ダクト弁13の開度を調整することにより、各エアヒートバーナ2へ適切な流量の排気ガス100を供給することができ、各エアヒートバーナ2を安定燃焼させることができる。
本例においても、その他は、上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
100 排気ガス
102 空気
103 熱風
11 ガスタービン
12 制御装置
13 排気ダクト弁
14 吸気ダクト弁
141 吸気ダクト
15 排気ダクト
16 差圧センサ
17 送風ファン
19 加熱炉
2 エアヒートバーナ
201 燃料
29 先端部
Claims (6)
- ガスタービンの排気口と加熱炉の入口とを接続する排気ダクト内に、エアヒートバーナを配設してなり、該エアヒートバーナから噴出させた燃料と、上記排気ダクト内を流れる排気ガスとの燃焼により発生させた熱風を、上記加熱炉へ供給するよう構成されたコージェネレーションシステムにおいて、
上記排気ダクトには、上記エアヒートバーナの上流側に、当該排気ダクトを開閉させるための排気ダクト弁が配設されており、
上記コージェネレーションシステムを制御する制御装置は、上記ガスタービンの始動を検知してから所定時間経過したとき、又は上記排気ガスの温度が所定温度以上になったことを検知したとき、上記排気ダクト弁を開けるよう構成されていることを特徴とするコージェネレーションシステム。 - 請求項1において、上記排気ダクトには、上記エアヒートバーナの先端部の上流側と下流側との差圧を検出する差圧センサが配設されており、
上記制御装置は、上記差圧センサにより検出した差圧が、上記エアヒートバーナにおいて安定燃焼可能な値に到達した後、当該エアヒートバーナへ上記燃料を供給して、上記燃焼を開始させるよう構成されていることを特徴とするコージェネレーションシステム。 - 請求項1又は2において、上記排気ダクトには、上記エアヒートバーナの下流側に、該エアヒートバーナにおいて発生させた熱風を上記加熱炉へ強制送風するための送風ファンが配設されていることを特徴とするコージェネレーションシステム。
- 請求項2又は3において、上記制御装置は、上記差圧センサにより検出した差圧が所定の目標範囲内になるよう上記排気ダクト弁の開度を制御するよう構成されていることを特徴とするコージェネレーションシステム。
- 請求項2〜4のいずれか一項において、上記排気ダクトは、上記ガスタービンの排気口に対して複数接続されており、
上記各排気ダクトには、上記エアヒートバーナ、上記排気ダクト弁及び上記差圧センサがそれぞれ配設されており、
上記制御装置は、上記各排気ダクトにおける上記各差圧センサにより検出した差圧が、それぞれ所定の目標範囲内になるよう上記各排気ダクト弁の開度を制御するよう構成されていることを特徴とするコージェネレーションシステム。 - 請求項3において、上記排気ダクトには、上記排気ダクト弁と上記エアヒートバーナとの間に、外部から空気を吸入可能な吸気ダクトが接続されていると共に、該吸気ダクトには、該吸気ダクトを開閉させるための吸気ダクト弁が配設されており、
上記制御装置は、上記ガスタービンの運転を停止しているときには、上記吸気ダクト弁を開けると共に上記送風ファンを動作させ、上記差圧センサにより検出した差圧が、上記エアヒートバーナにおいて安定燃焼可能な差圧になった後、当該エアヒートバーナへ上記燃料を供給し、上記空気を用いて上記燃焼を開始させるよう構成されていることを特徴とするコージェネレーションシステム。
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