JP4165938B2 - アミドアミンオキシド化合物及び四級窒素含有カチオン性界面活性剤を含む組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、界面活性剤の本来有する性質を損なうことのない界面活性剤用刺激緩和剤と界面活性剤とを含む組成物に関するものであり、特に四級窒素含有界面活性剤と、その殺菌力を損なうことなく、かつこの四級窒素含有界面活性剤に起因する蛋白変性現象を緩和し得る界面活性剤用刺激緩和剤として、アミドアミンオキシド化合物とを含有する組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
四級窒素含有界面活性化合物は、界面活性剤の分類において、カチオン性界面活性剤に属するものである。この化合物は、正の電荷を分子内に有しているため、髪への高い吸着性を利用するヘアリンス剤等によく利用されている。また、一般的に、カチオン性活性化合物には殺菌力がある事も知られており、例えば、塩化ベンザルコニウム液等のいわゆる逆性石鹸と呼ばれる物は殺菌洗浄剤として広く用いられている。しかし、逆性石鹸などのように、カチオン性化合物を含有する組成物は、皮膚刺激の強い洗浄剤であり、長期間の使用による肌荒れは避けがたいこととなっていた。これはカチオン界面活性剤が蛋白質を変性させるほど刺激が強いためと考えられている。このことは、例えば卵白に、逆性石鹸、ヘアリンス、ハンドソープ等のようにカチオン性化合物含有組成物や或いはカチオン性化合物を単独に加えると、卵白中の水溶性蛋白質が変性して、白濁或いは固化するという現象より容易に推測できる。この蛋白変性は、カチオン性界面活性剤のみならず一部のアニオン性界面活性剤、特に含硫界面活性剤にも多く見られる現象である。アニオン性界面活性剤の蛋白変性が、両性界面活性剤類を添加することにより緩和される事はすでに知られている。しかし、これらの刺激緩和作用を有する物質をカチオン性界面活性剤に添加しても、蛋白変性の刺激緩和作用は認められていない。つまり、カチオン性界面活性剤に対して有効な蛋白変性緩和剤は未だ見出されていないのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、四級窒素含有カチオン性界面活性剤と、それが有する本来の効果例えば殺菌力等を損なう事なく、四級窒素含有カチオン界面活性剤の蛋白変性を緩和できる界面活性剤用刺激緩和剤として、アミドアミンオキシド化合物とを含有する組成物を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の構造を有するアミドアミンオキシド化合物に界面活性剤の刺激緩和作用がある事を見いだし、特に、アミドアミンオキシド化合物をカチオン性界面活性剤に配合した場合に、カチオン性界面活性剤の有する殺菌力を低下させることなく、その刺激性を緩和し得ることを見いだした。また、本発明者らは、前記アミドアミンオキシド化合物は、カチオン性界面活性剤に対する刺激の緩和作用だけではなく、カチオン性界面活性化合物とアニオン性界面活性化合物とのコンプレックスの可溶化に対しても効果的に作用して、このコンプレックスの泡立ち及び洗浄力を改善し得ることを見出した。本発明は、上記知見に基いて完成されたものである。
【0005】
本発明のアミドアミンオキシド化合物及び四級窒素含有カオチン性界面活性剤を含む組成物は、(A)界面活性剤用刺激緩和剤及び(B)界面活性剤とを含む組成物であって、
前記界面活性剤用刺激緩和剤(A)が、
下記一般式(1):
【化3】
〔但し式(1)中、R1は炭素原子数が7〜21の、ヒドロキシル基置換又は未置換のアルキル基又はアルケニル基を表し、R2及びR3は、それぞれ互に独立に、炭素原子数が1〜5の、ヒドロキシル基置換又は未置換アルキル基又はアルケニル基を表し、nは、1〜5の整数を表す。〕
により表されるアミドアミンオキシド化合物からなるものであり、
前記界面活性剤(B)が、下記一般式(2)及び(3):
【化4】
〔但し、式(2)及び(3)中、R4は炭素原子数が12〜20の、直鎖又は分岐鎖型のアルキル基を表し、R5及びR6は、それぞれ互に独立に、水素原子、或は炭素原子数が1〜2のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、R7は、水素原子、炭素原子数が1〜2のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、或はベンジル基を表し、R8及びR9は、それぞれ互いに独立に、炭素原子数が12〜20の直鎖又は分岐鎖型のアルキル基を表し、R10及びR11は、それぞれ互に独立に、水素原子或は炭素原子数が1〜20のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、Xは対アニオンを表す〕
により表される四級窒素含有カチオン性界面活性化合物の少なくとも1種を含み、前記アミドアミンオキシド化合物の含有量が、前記四級窒素含有カチオン界面活性化合物の合計含有量の0.7倍モル以上であることを特徴とするものである。
本発明のアミドアミンオキシド化合物及び四級窒素含有カオチン性界面活性剤を含有する組成物において、前記界面活性剤(B)が、前記式(2)及び(3)の四級窒素含有カチオン性界面活性化合物の少なくとも1種に加えて、アニオン性界面活性化合物及び両性界面活性剤化合物から選ばれた1種以上をさらに含んでいてもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のアミドアミンオキシド化合物及び四級窒素含有カオチン性界面活性剤を含む組成物(以下これを本発明の界面活性剤組成物と記す)は、逆性石鹸、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ハンドソープをはじめとするカチオン性界面活性剤を含有する組成物に応用することができる。本発明の界面活性剤組成物を洗浄剤として利用する場合は、泡の増強及び洗浄力を強化するために、他のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合する事が可能である。本発明の効果である界面活性剤による刺激の緩和を実現するためには、四級窒素含有カチオン性活性剤と、蛋白変性のあるアニオン性界面活性化合物とのモル量と、アミドアミンオキシド化合物とベタイン型両性界面活性剤化合物との総量が、特定範囲内にあることが好ましい。
【0007】
本発明の界面活性剤組成物において、式(1)のアミドアミンオキシド化合物からなる刺激緩和剤(A)を、式(2)及び/又は(3)の四級窒素含有カチオン性界面活性化合物の1種以上を含む界面活性剤に適用する場合には、式(2)及び/又は(3)の四級窒素含有カチオン性界面活性化合物の1種以上のモル含有量に対して、前記刺激緩和剤(A)を0.7倍モル以上、好ましくは、1.0〜1.5倍モルの含有量で用いる。0.7倍モル未満の刺激緩和剤(A)の添加では、四級窒素含有カチオン性界面活性剤含有界面活性剤の殺菌力その他の性能を損うことはないが、卵白変性の緩和作用が不十分になる。刺激緩和剤(A)の含有量について格別の上限はないが、過度に大量に使用すると四級窒素含有カチオン性界面活性化合物を含む乳化物の乳化安定性が低下することがある。
【0008】
本発明の式(1)のアミドアミンオキシド化合物の刺激緩和作用の機構は未だ十分に解明されていないが、アミドアミンオキシド化合物が四級窒素含有カチオン性界面活性剤と静電的に弱い会合状態を形成し、四級窒素含有カチオン性界面活性剤と蛋白の直接接触を弱めているものと推察される。この特性は静電的な会合が可能なアミンオキシド部位を、式(1)のアミドアミンオキシドと同様に有しているアルキルアミンオキシドには見られない性質であって、アミドアミンオキシド類に特有な性質である。この弱い会合状態は、カチオンの殺菌作用を損なわない程度のものである事が実用試験により確認されている。
【0009】
また、カチオン界面活性剤には、活性剤自身の刺激を低減化する目的で種々の構造が提案されてきた。ここではこれらを低刺激性カチオンと称することにする。
低刺激性カチオンとしては、例えば下記式(4)に示される構造を有するカチオン化合物(例えば、三洋化成工業(株)製、商標:カチオンLQ)式(5)により示される構造を有するカチオン化合物(例えば味の素(株)製、商標:CAE)、及び式(6)により表される構造を有するカチオン化合物(例えば味の素(株)製、商標:アミセーフ)などが知られている。
【0010】
【化5】
上記式(4),(5)及び(6)の低刺激性カチオン化合物に対しても式(1)のアミドアミンオキシド化合物は弱い会合状態を作ると考えられ、刺激緩和効果を発現する。更にこれらの低刺激性カチオン化合物は一般的に毛髪などへの吸着量が4級窒素含有型カチオンに比べ弱い為か、リンス中に処方したときに使用感に若干の問題を残すことが多い。低刺激性カチオンに式(1)のアミドアミンオキシド化合物を配合することにより、両者の間に弱い会合状態が介在するため、アミドアミンオキシド化合物を低刺激性カチオンに配合すると、使用感を変化させる事及びよりリンス感を上昇させる事ができることが実用試験により確認されている。
【0011】
本発明の界面活性剤組成物は、逆性石鹸、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ハンドソープなどのようなカチオン性界面活性剤を含有する組成物に応用できる。これを洗浄剤組成物として使用する場合は、泡の増強及び洗浄力を強化することを目的として、他のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を配合する事が可能である。この時、両性界面活性剤として用いられるアミド酢酸ベタイン等は、アニオンに対して刺激緩和作用を有するので、本発明を利用するにあたり、式(1)のアミドアミンオキシド化合物の最低モル濃度は下記式により計算できる。
アミドアミンオキシドのモル数=0.7×〔式(2)又は(3)のカチオン性界面活性剤の化合物のモル数+(前記アニオン性界面活性剤化合物モル数−前記両性界面活性剤化合物のモル数)〕
本発明の効果である卵白変性緩和のような刺激緩和を実現するためには、4級窒素含有カチオン性活性剤と蛋白変性効果のあるアニオン性界面活性剤との総量と、アミドアミンオキシド及びベタイン型両性界面活性剤の総量が、本発明に記載される範囲内にあるように、適宜に配合すればよい。
【0012】
本発明の界面活性剤組成物を調製する際、式(2)の四級窒素含有カチオン性界面活性化合物としては、入手のしやすさからモノC12〜C18アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、モノC12〜C20アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどを挙げることができる。
また式(3)の四級窒素含有カチオン性界面活性化合物としては、ジC12〜C18アルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、及びジアルキル(牛脂)ジメチルアンモニウムクロライドなどをあげることができる。
【0013】
本発明の界面活性剤組成物において、刺激緩和剤(A)として用いられる式(1)のアミドアミンオキシド化合物としては、具体的にラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド及び、ヤシ脂肪酸ミドプロピルジメチルアミンオキサイドなどを挙げることができる。
【0014】
なお、本発明の界面活性剤組成物には付加価値・使用感を向上する目的で香料、着色料、パール剤、高分子増粘剤、コンディショニング剤、保湿剤、油剤、防腐剤、ハイドロトロープ剤、紫外線吸収剤等を任意に配合しても良い。
【0015】
本発明の界面活性剤組成物において、その界面活性剤(B)には、式(2)及び/又は(3)の四級窒素含有カチオン性界面化合物に加えて、アニオン性界面活性化合物が含まれていてもよい。このようなアニオン性界面活性化合物は、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸塩、及びドデシルベンゼンポリオキシエチレンエーテルスルホン酸塩など)、アルキルサルフェート(例えばポリオキシエチレンラウリルサルフェート、及びポリオキシエチレンミリスチルサルフェートなど)、及びアルキルエーテルサルフェート(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェート、及びポリオキシエチレンポリプロピレン共重合型ラウリルエーテルサルフェートなど)などから選ぶことができる。式(2)及び/又は(3)の四級窒素含有カチオン性界面活性化合物に、アニオン性界面活性化合物が混合されると、これらの化合物は、イオン結合して、コンプレックスを形成するが、このコンプレックスは、式(1)のアミドアミンオキシド化合物の存在において、水溶性を示し、組成物中に安定に存在することができる。
【0016】
アニオン性界面活性化合物の含有量は、式(2)及び/又は(3)の四級窒素含有カチオン性界面活性化合物の含有量に対し、2:8〜8:2の配合比であることが好ましく、より好ましくは、3:7〜7:3の重量配合比率であって、このようにすると、得られるカチオン性及びアニオン性界面活性化合物コンプレックスが、洗浄効果を著しく向上させることができる。
【0017】
本発明の界面活性剤組成物において、その界面活性剤(B)には、式(2)及び/又は(3)の四級窒素含有カチオン性界面活性化合物に加えて、非イオン性界面活性化合物(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪酸アルカノールアミド、及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドなど)及び両性界面活性化合物(例えばラウリル酢酸ベタイン、ラウリルアミドプロピル酢酸ベタイン、及びラウリルアミドプロピルヒドロキシスルホベタインなど)から選ばれた1種以上を含んでいてもよい。本発明の界面活性剤組成物において、上記非イオン性界面活性化合物及び両性界面活性化合物は、界面活性剤組成物の起泡力、洗浄力、及び液粘度調整などの作用を示すものである。
【0018】
特に本発明の界面活性剤組成物の界面活性剤が、式(2)及び/又は(3)の4級窒素含有カチオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを含む場合、公知のアニオン刺激緩和剤であるベタイン型両性界面活性剤及びアルキルアミンオキシドを併用する事が可能である。4級窒素含有カチオン性界面活性剤の卵白変性緩和はアミドアミンオキシド化合物によってのみ発生する為、アミドアミンオキシド化合物を配合されたカチオン性界面活性剤の0.7倍モル以上且つ4級窒素含有カチオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の総モル数の0.7倍モル数以上のアミドアミンオキシド化合物とベタイン型両性界面活性剤及びアルキルアミンオキシドを配合する事により、4級窒素含有カチオン性界面活性剤とアニオン性界面活性のコンプレックスを溶解し、卵白変性緩和を実現する事が可能である。
【0019】
本発明の、式(1)のアミドアミンオキシド化合物は、対応するアミドアミンを、過酸化水素などの酸化剤により酸化することによって製造することができる。
【0020】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、これらに範囲を限定されるものではない。
下記実施例において、供試界面活性剤組成物の刺激値は、下記卵白変性試験により評価した。
【0021】
卵白変性試験
鶏卵の卵白を分離し、気泡を巻き込まない程度に均一に撹拌した。カラザその他の不溶性物質を50メッシュ金網で濾過除去し、均一な卵白を得た。次にこの卵白を50gビーカーにとり、これに刺激試験に供するサンプルを加え撹拌した。その後、この混合物を静置し、2分後に測色色差計で透過光量に比例するL値を読みとった。試験サンプル無添加卵白のL値も同様に読みとり、下記式により刺激値を算出した。
刺激値=(LB−LS)/LB
〔但し上式中、LBはブランク卵白のL値を示し、LSはサンプル添加後の卵白のL値を示す。〕
【0022】
実施例1〜4及び比較例1〜12
実施例1〜12及び比較例1〜4の各々において、表1及び表2に示す組成を有する界面活性剤組成物を調製した。これらの組成物の各々において、ラウリン酸アミドアミンオキシド(LAAO)又はラウリルアミンオキシド(LAO)、及びモノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(MSTA)の量を変化させたが、組合物合計量に対し、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(MSTA)の含有量は、0.075g一定に保持された。
実施例及び比較例の各々の組成及び刺激値を表1及び表2に示し、刺激値とLAAOモル%値との関係を図1に示し、刺激値とLAOモル%値との関係を図2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
表1及び図1から明らかなように、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(MSTA)に対して、ラウリン酸アミドアミンオキシド(LAAO)を添加すると、MSTAによる刺激を緩和する効果を示し、特にLAAOの添加量が、MSTAのモル量の0.7倍モル以上になると、上記刺激緩和効果が顕著に発現される。
これに対して、表2及び図2が示しているように、LAAOの代りにラウリルアミンオキシド(LAO)を用いると、LAOの化学構造はLAAOに近似しているにも拘らず、カチオン性界面活性剤の刺激に対する緩和効果は殆んど認められない。
【0026】
実施例5〜9及び比較例13〜15
実施例5〜9及び比較例13〜15の各々において、LAAOと、モノミリスチリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(MMDMBA)とを表3に記載の組成で混合して界面活性剤組成物を調製し、その刺激値を測定した。この測定結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
実施例10〜15及び比較例16〜17
実施例10〜15及び比較例16〜17の各々において、LAAOと、モノパルミチルトリメチルアンモニウムクロライド(MPTMA)とを、表4に記載の組成で混合して界面活性剤組成物を調製し、その刺激値を測定した。この測定結果を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】
実施例16〜33及び比較例18〜26(殺菌力評価)
実施例16〜33及び比較例18〜26の各々において、ラウリン酸アミドアミンオキシド(LAAO)に、MSTA,MMDMBA、又は、MPTMAを、表5に記載の組成で配合して、界面活性剤組成物を調製した。各組成物のサンプルを、その中のカチオン性界面活性剤の重量濃度が表5に記載の濃度(ppm )になるように希釈し、このサンプル希釈液に菌を、その濃度が105 〜106 cells /mlになるように植え付け、30℃において3日間保存した後に、SCDLPまたはGPLP寒天培地混釈法によって、各サンプル希釈液中の生菌数を検査し、生菌が検出されなかった場合は、殺菌されたものと見なした。
【0031】
菌種はUSP指標菌から、真菌としてC.albicans、グラム陰性菌としてP.aeruginosa、グラム陽性菌としてS.aureusを選択使用した。予めラウリン酸アミドアミンオキシド(LAAO)に関しても同様な試験を行った。それによりラウリン酸アミドアミンオキシドは250ppm の濃度でも菌の生育を妨げず、従ってラウリン酸アミドアミンオキシドには殺菌力が無いことが確認された。
結果を表5に示す。(表5中、×…殺菌効果なし、○…殺菌効果あり)
【0032】
【表5】
【0033】
表5は、測定結果が「○」と判定されたときカチオン性界面活性化合物の最低濃度(つまり最少殺菌濃度(MBC))以上においては、本発明のアミドアミンオキシド化合物を添加しても、組成物の殺菌効果に影響がないことを示している。
【0034】
比較例27〜34及び実施例34〜41
比較例27〜34及び実施例34〜41の各々において、LAAO,MSTA及びPOE(2)〜POE(3)−ラウリルエーテルサルフェート(SLES)を、表6及び7に示す組成で配合し、組成物を調製し、前述の蛋白変性試験を行った。表7に示された実施例34〜41の組成物は、いずれも透明に溶解しており、その刺激値は50%以下であった。また、これらの組成物はリーナッツ洗浄試験において良好な洗浄力を示した。式6及び7において、SLES量は、POE(2)ラウリルエーテルサルフェートとして算出した。
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
実施例42
下記組成(重量)の低刺激性殺菌ハンドソープを調製した。
低刺激性殺菌ハンドソープ
ラウリン酸 5.50%
ラウリン酸アミドアミンオキシド30%溶液 3.00%
塩化ベンザルコニウム50%溶液 1.00%
塩化ベンゼトニュウム50%溶液 0.50%
ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド 2.50%
ヤシ脂肪酸イミダゾリウムベタイン*1 10.50%
トリエタノールアミン pH=7.8とする量
グリセリン 3.00%
精製水 100%とする量
〔註 *1…例えばソフタゾリンCL(商標)、川研ファインケミカル社製〕
上記配合成分を混合し、80℃まで加熱して均一に溶解させた後冷却した。均一液状組成物が得られた。この組成物においてラウリン酸アミドアミンオキシド(LAAO)の含有量はカチオン化合物の合計モル含有量に対して約150モル%であった。本処方ハンドソープを卵白変性試験に供したところ、その刺激値は15%であった。また、LAAOを精製水により置換した組成物は卵白を凝集させた。
【0038】
実施例43
下記組成の低刺激性ボディシャンプーを調製した。
低刺激性ボディシャンプー
ヤシ脂肪酸・アルギニン塩 4.00%
ラウリン酸アミドアミンオキシド30%溶液 15.00%
塩化ベンザルコニウム50%溶液 1.00%
グリセリン 3.00%
ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム塩25% 20.00%
ラウロイル−β−アラニンナトリウム塩 10.00%
ラウリン酸ジエタノールアミン塩 4.00%
クエン酸 pH=7.5とする量
EDTA2ナトリウム 0.20%
精製水 100%とする量
上記成分を混合し、80℃に加熱して均一に溶解し、冷却して、均一な液状組成物を得た。この組成物中のLAAOの含有量は、サルフェート及びカチオン成分の合計量に対して約102モル%であった。この組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は10%であった。
【0039】
実施例44
下記組成の低刺激性育毛リンスを調製した。
上記油相成分A及び水相成分Bのそれぞれを、80℃に加熱して均一に溶解し、これらを80℃において、混合乳化酸後、これを冷却して、均一な乳液状組成物を得た。この組成物において、LAAOの含有量は、カチオン成分の含有量に対して約90%であった。この組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は35%であった。
【0040】
実施例45及び比較例35
下記組成の低刺激性抗フケリンスを調製した。
上記油相成分A及び水相成分Bのそれぞれを、80℃に加熱して均一に溶解し又は懸沈、これらを80℃において混合乳化した後、これを冷却して、均一な乳液状組成物(実施例45)を得た。この組成物中のLAAOの含有量は、カチオン成分の合計含有量に対して、約122モル%であった。この組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は23%であった。尚上記実施例45の組成物からLAAOを除いた比較例35の組成物は、リンスとしての使用感が不良で、卵白変性試験における刺激値は90%に上昇した。
【0041】
実施例46
下記組成の低刺激性ヘアコンディショナーを調製した。
上記油相成分A及び水相成分Bのそれぞれを、80℃に加熱して均一に溶解し、これらを80℃において混合乳化した後、これを冷却して、均一な乳液状組成物を得た。この組成物中のLAAOの含有量は、カチオン成分の合計含有量に対して約82モル%であった。この組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は45%であった。
【0042】
実施例47
下記組成の低刺激性台所洗剤を調製した。
低刺激性台所洗剤
塩化トリメチルステアリル
アンモニウムクロライド液50% 10.00%
SLES25% 20.00%
ヤシ脂肪酸アミドアミンオキシド35%溶液 35.00%
エタノール 3.00%
プロピレングリコール 3.00%
メチルパラベン 0.20%
精製水 100%になる量
エタノールを除く他のすべての成分を混合し80℃まで昇温して溶解後、これを冷却し、液温が50℃に達したとき、エタノールを加え更に冷却した。得られた台所洗剤は、カチオン・アニオン総量に対して142%モルのアミドアミンオキシドを含むものであった。この台所洗剤のリーナッツ洗浄力は90%以上であり、その卵白変性試験による刺激値は20%であった。
【0043】
実施例48
下記組成の低刺激性固形洗剤組成物を調製した。
低刺激性固形洗浄剤組成物
N−ラウロイル−L−グルタミン酸モノナトリウム 71.00%
ミリスチルジメチルベンジル
アンモニウムクロライド(40%) 7.00%
セタノール 7.00%
ラウリン酸アミドアミンオキシド30% 15.00%
全ての成分をブレンドミキサーに仕込み、均一なそぼろ状混合物を調製し、これを3本ロールに3回通し、さらに押し出し機を通して洗浄剤バーを作り、型打ち機で成形した。この組成物はカチオン総量に対して約171%モルのLAAOを含有する。本処方組成物の卵白変性試験による刺激値は25%であった。またこの組成物は、機械練りにおいて良好な安定性を示した。
【0044】
【発明の効果】
本発明のアミドアミンオキシド及び四級窒素含有カチオン性界面活性剤を含む組成物は、カオチン性界面活性剤の殺菌力等を損うことなく、カチオン性界面活性剤の蛋白変性を緩和し、刺激値が低く、人体に接触する洗浄剤などとして優れた実用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るラウリン酸アミドアミンオキシド刺激緩和剤の添加によるモノステアリルトリメチルアンモニウムクロライドの刺激に対する緩和効果を示すグラフ。
【図2】図2は、比較例として、ラウリルアミンオキシドの添加によるモノステアリルトリメチルアンモニウムクロライドの刺激に対する緩和効果を示すグラフ。
Claims (2)
- (A)界面活性剤用刺激緩和剤及び(B)界面活性剤とを含む組成物であって、
前記界面活性剤用刺激緩和剤(A)が、
下記一般式(1):
により表されるアミドアミンオキシド化合物からなり、
前記界面活性剤(B)が、下記一般式(2)及び(3):
により表される四級窒素含有カチオン性界面活性化合物の少なくとも1種を含み、前記アミドアミンオキシド化合物の含有量が、前記四級窒素含有カチオン性界面活性化合物の合計含有量の0.7倍モル以上であることを特徴とするアミドアミンオキシド化合物及び四級窒素含有カチオン性界面活性剤を含む組成物。 - 前記界面活性剤(B)が、前記式(2)及び(3)の四級窒素含有カチオン性界面活性化合物の少なくとも1種に加えて、アニオン性界面活性化合物及び両性界面活性化合物から選ばれた1種以上をさらに含む、請求項1に記載のアミドアミンオキシド化合物及び四級窒素含有カオチン性界面活性剤を含む組成物。
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