JP4165527B2 - 熱可塑性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱可塑性樹脂製発泡シートに部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法に関する。
従来、熱可塑性樹脂製非発泡シートに熱可塑性樹脂製部材が融着または接着により取り付けた製品は広く知られている。
しかしながら、かかる従来の製品には、熱可塑性樹脂製部材の熱可塑性樹脂製非発泡シートからの引抜き強度のばらつきが大きいという欠点がある。
本発明の目的は、熱可塑性樹脂シートに熱可塑性樹脂製部材が設けられた熱可塑性樹脂成形品であって、引抜き強度の均一性に優れる成形品の効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題を解決するために鋭意検討を行い、所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品が、該機能性部材の熱可塑性樹脂製発泡シートからの引抜き強度のばらつきが小さいことを見出すとともに、その有効な製造方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする方法を提供する。
(1) 少なくとも一方に前記機能性部材の形状の凹部が形成された一対の金型間に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートを供給する工程
(2) 金型を閉じて、前記凹部の開口部を熱可塑性樹脂製発泡シートで塞ぐ工程
(3) 金型を閉じて前記凹部の開口部を熱可塑性樹脂製発泡シートで塞いだ状態で、該凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂製発泡シートとを融着一体化して前記熱可塑性樹脂成形品を形成する工程
(4) 工程(3)で形成した熱可塑性樹脂成形品を冷却し、金型から取り外す工程
また、本発明は、所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする方法を提供する。
(1) 熱可塑性樹脂製発泡シートを加熱し軟化させる工程
(2) 熱可塑性樹脂製発泡シートを賦形するための成形部を有し、少なくとも一方の金型の該成形部に前記機能性部材の形状の凹部が形成された雄雌一対の金型間に、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂製発泡シートを供給する工程
(3) 金型を閉じて、熱可塑性樹脂製発泡シートを所定形状に賦形する工程
(4) 金型を閉じて工程(3)で賦形した熱可塑性樹脂製発泡シートで前記凹部の開口部を塞いだ状態で、該凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂製発泡シートとを融着一体化して前記熱可塑性樹脂成形品を形成する工程
(5) 工程(4)で形成した熱可塑性樹脂成形品を冷却し、金型から取り外す工程
また、本発明は、所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする方法を提供する。
(1) 熱可塑性樹脂製発泡シートを加熱し軟化させる工程
(2) 熱可塑性樹脂製発泡シートを賦形するための成形部を有し、該成形部に前記機能性部材の形状の凹部が形成された金型を使用し、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂製発泡シートを真空成形、圧空成形または真空圧空成形により所定形状に賦形する工程
(3) 工程(2)で賦形した熱可塑性樹脂製発泡シートで前記凹部の開口部を塞いだ状態で、該凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂製発泡シートとを融着一体化して熱可塑性樹脂成形品を形成する工程
(4) 工程(3)で形成した熱可塑性樹脂成形品を冷却し、金型から取り外す工程
かかる製造方法により得られる熱可塑性樹脂成形品は、熱可塑性樹脂製発泡シートからの機能性部材の引抜き強度の均一性に優れたものであり、また、機能性部材が熱可塑性樹脂製発泡シートに接着剤によらず融着されているので、人体や環境への影響が少ないものである。
本発明によれば、熱可塑性樹脂製発泡シートからの熱可塑性樹脂製機能性部材の引抜き強度のばらつきの小さい熱可塑性樹脂製成形品が提供され、これは、自動車内装用部品に好適に使用することができる。かかる熱可塑性樹脂製成形品は、本発明の方法により効率的に製造することができる。
本発明の製造方法により得られる熱可塑性樹脂成形品(以下、「本成形品」と記することがある)における熱可塑性樹脂製発泡シートを構成する熱可塑性樹脂は、広範な熱可塑
性樹脂の中から、該発泡シートに融着させる機能性部材を構成する熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。前記熱可塑性樹脂製発泡シートは、一種類の熱可塑性樹脂からなっていてもよく、また二種類以上の熱可塑性樹脂からなっていてもよい。好ましく使用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS樹脂)などを挙げることができる。
上記の熱可塑性樹脂の中でも、耐熱性などの面からはポリプロピレン系樹脂が好ましい。好ましいポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン単位を50モル%以上含む共重合体などを挙げることができる。前記共重合体におけるプロピレンとの共重合成分の好ましい例としては、エチレンおよびα−オレフィンを挙げることができる。α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテンなど、炭素数4〜10のα−オレフィンが挙げられる。該共重合体中のプロピレン以外のモノマー単位の含有量としては、エチレンについては10重量%以下、α−オレフィンについては30重量%以下が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、特開昭62−121704号公報に開示されているような、低レベルの電子線架橋によって長鎖分岐が導入されたポリプロピレン樹脂も好ましい。また、超高分子量成分が導入されたポリプロピレン樹脂も好ましく用いられる。
上記熱可塑性樹脂製発泡シートの発泡倍率には特に制限はないが、製品の重量と強度とのバランスを考慮すると、2〜10倍の発泡倍率が好ましい。また上記熱可塑性樹脂製発泡シートのセル径は2mm〜0.1μmの範囲であることが好ましく、発泡シートの強度、加工しやすさなどの観点から500〜10μmの範囲であることが特に好ましい。熱可塑性樹脂製発泡シートの厚みは、0.5〜100mmであることが好ましく、シートの強度、取り扱いやすさなどの点から、厚みは1〜10mmであることが特に好ましい。人体、環境などへの影響に鑑みて、上記熱可塑性樹脂製発泡シートは、発泡剤として二酸化炭素を用いて製造したものが好ましい。
本成形品における熱可塑性樹脂製の機能性部材は、前記熱可塑性樹脂製発泡シートから突き出すように形成されたものであり、具体的には、前記熱可塑性樹脂製発泡シートを補強する機能を有するリブ、あるいは前記熱可塑性樹脂製発泡シートを他部材に取り付ける機能を有するボス、クリップ、フックなどの部材である。
上記機能性部材を構成する熱可塑性樹脂は、広範な熱可塑性樹脂の中から、該機能性部材を融着させる熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。通常好ましく使用できるものとして、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、これらの変性物、二以上の樹脂からなるポリマーアロイなどを挙げることができる。上記機能性部材は、一種類の熱可塑性樹脂で構成されてもよく、また、二種類以上の熱可塑性樹脂で構成されてもよい。前記機能性部材を構成する熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂製発泡シートとの融着強度の面から、該発泡シートの熱可塑性樹脂と相溶性のある熱可塑性樹脂であることが好ましい。
前記機能性部材を構成する熱可塑性樹脂には各種の充填材(例えば、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子など)が配合されていてもよい。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤など各種の添加剤が適宜配合されていてもよい。
本成形品において、機能性部材は、熱可塑性樹脂製発泡シートの片面にのみ取り付けられていてもよく、また、該発泡シートの両面に取り付けられていてもよい。また、取り付け位置および取り付け個数なども特に限定されない。
本成形品において、前記熱可塑性樹脂製発泡シートは、その表面に表皮材を備えていてもよい。かかる表皮材は、前記熱可塑性樹脂発泡シートの表面に配されて、装飾、補強、保護などの作用をするものであるが、該表皮材としては、織布、不織布、編布、シート、フィルム、発泡体、網状物などが挙げられる。これら表皮材を構成する材料は特に限定されるものではないが、例としてはポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、ポリウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいはシス−1,4−ポリブタジエン、エチレン/プロピレン共重合体などのゴムや熱可塑性エラストマー、綿、麻、竹などセルロース系繊維などの天然繊維などが挙げられる。また、表皮材には、紙や金属箔などを使用することもできる。かかる表皮材には、シボなどの凹凸模様、印刷や染色などが施されていてもよい。表皮材は、単層構成であっても、二以上の層からなる多層構成であってもよい。
本成形品は、熱可塑性樹脂製発泡シートの片面、あるいは両面に配された多孔質層を介して機能性部材が該熱可塑性樹脂製発泡シートに融着された構成であってもよい。多孔質層は、それを介して機能製部材が熱可塑性樹脂製発泡シートに融着され得るものであれば、その形態は特に限定されず、織布、不織布、網状物、連通孔を有する発泡体などが可能であるが、不織布が好ましく用いられる。多孔質層を構成する材料の例としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、無機化合物微粒子を含有する熱可塑性樹脂、綿、麻、竹などのセルロース系繊維などの天然繊維、金属、鉱物などが挙げられる。
図1乃至図5に、熱可塑性樹脂製発泡シート2とこれに部分的に融着された熱可塑性樹脂製の機能性部材3とからなる熱可塑性樹脂成形品1の例を示した。図1に示す熱可塑性樹脂成形品1は、熱可塑性樹脂製発泡シート2と機能性部材3とからなる。図2に示す熱可塑性樹脂成形品1は、熱可塑性樹脂製発泡シート2の表面に表皮材4を有する。図3は、機能性部材2が多孔質層5を介して熱可塑性樹脂製発泡シート2に融着された熱可塑性樹脂成形品1を示している。図4は、機能性部材2が、表面に表皮材4を有する熱可塑性樹脂製発泡シート2に多孔質層5を介して融着された熱可塑性樹脂成形品1を示している。図5は、熱可塑性樹脂製発泡シート2の両面に機能性部材3が融着された熱可塑性樹脂成形品1を示している。
本成形品は、熱可塑性樹脂製発泡シートに部分的に補強用のリブや他部品への取付具であるボス、クリップ、フックなどの熱可塑性樹脂製機能性部材が融着されているので、例えば、自動車の天井やドアなどの自動車内装用部品として好適に使用することができる。
本成形品は、以下に述べる方法により効率的に製造することができる。
第一の方法は、下記の工程の組み合せからなる方法である。
(1) 少なくとも一方に前記機能性部材の形状に対応する形状の凹部が形成された一対の金型間に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートを供給する工程、(2) 金型を閉じて、前記凹部の開口部を熱可塑性樹脂製発泡シートで塞ぐ工程、(3) 金型を閉じ、前記凹部を熱可塑性樹脂製発泡シートで塞いだ状態で、該凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂製発泡シートとを融着一体化して前記熱可塑性樹脂成形品を形成する工程、および(4) 工程(3)で形成した熱可塑性樹脂成形品を冷却し、金型から取り外す工程
この方法では、予めプレス成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形などの任意の方法で所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートを使用することができる。また、表皮材および/または多孔質層を有する熱可塑性樹脂製発泡シートを使用することもできる。
この方法には、一対の金型を用いる。少なくとも一方の金型には、形成させる機能性部材の個数および形状に対応した個数および形状の凹部が設けられている。製品のデザインが許す限り、凹部にはその開口部が広く、底部が狭くなるようにテーパーが付けられていることが、製品の脱型の容易さの点から好ましい。金型には前記凹部に前記機能性部材形成用の熱可塑性樹脂を供給するための樹脂通路が設けられている。
なお、ここで述べた金型への凹部および樹脂通路の配備については、後に述べる二つの方法に使用する金型についても同様である。
工程(2)では、引き続き後述の工程(3)を行うために、金型を閉じて前記凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂製発泡シートで塞ぐ。工程(3)では、凹部に供給された熱可塑性樹脂が凹部から漏れ出すことがないように、金型を閉じて熱可塑性樹脂製発泡シートで前記凹部の開口部を塞いだ状態で、該凹部に溶融状態の熱可塑性樹脂を供給し、これを前記熱可塑性樹脂製発泡シートと融着一体化させる。工程(4)においては、工程(3)で形成された熱可塑性樹脂成形品の機能性部材を冷却固化した後に、該成形品を金型から取り外す。
第二の方法は、下記の工程の組み合せからなる方法である。
(1) 熱可塑性樹脂製発泡シートを加熱し軟化させる工程、(2) 熱可塑性樹脂製発泡シートを賦形するための成形部を有し、少なくとも一方の金型の該成形部に前記機能性部材の形状の凹部が形成された雄雌一対の金型間に、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂製発泡シートを供給する工程、(3) 金型を閉じて、熱可塑性樹脂製発泡シートを所定形状に賦形する工程、(4) 金型を閉じて工程(3)で賦形した熱可塑性樹脂製発泡シートで前記凹部の開口部を塞いだ状態で、該凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂製発泡シートとを融着一体化して前記熱可塑性樹脂成形品を形成する工程、および(5) 工程(4)で形成した熱可塑性樹脂成形品を冷却し、金型から取り外す工程。
第三の方法は、下記の工程の組み合せからなる方法である。
(1) 熱可塑性樹脂製発泡シートを加熱し軟化させる工程、(2) 熱可塑性樹脂製発泡シートを賦形するための成形部を有し、該成形部に前記機能性部材の形状の凹部が形成された金型を使用し、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂製発泡シートを真空成形、圧空成形または真空圧空成形により所定形状に賦形する工程、(3) 工程(2)で賦形した熱可塑性樹脂製発泡シートで前記凹部の開口部を塞いだ状態で、該凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂製発泡シートとを融着一体化して熱可塑性樹脂成形品を形成する工程、および(4) 工程(3)で形成した熱可塑性樹脂成形品を冷却し、金型から取り外す工程
第二および第三の方法では、工程(1)において、熱可塑性樹脂製発泡シートを適宜の加熱手段を用いて加熱し、軟化させる。加熱には、例えば赤外線ヒータ、オーブンなどを用いることができる。該発泡シートの加熱温度はその素材などにより異なるが、例えばポリプロピレン製発泡シートの場合には、130〜160℃程度に加熱するのが好ましい。
第二の方法の工程(2)では、熱可塑性樹脂発泡シートを賦形するための成形部を有し、少なくとも一方の金型が機能性部材を形成するための凹部を有する雄雌一対の金型間に、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂発泡シートを供給する。工程(3)では、前記金型を閉じて、軟化している熱可塑性樹脂製発泡シートを所定形状に賦形する。通常は前記雄雌金型の少なくとも一方の金型は駆動装置に連結されて可動であり、工程(2)において両金型間に前記軟化した発泡シートを供給した後に両金型を相対的に接近させることにより、該発泡シートをプレスし賦形する。
第三の方法の工程(2)では、熱可塑性樹脂製発泡シートを賦形するための成形部を有し、機能性部材を形成するための凹部を該成形部に有する金型を用いて、真空成形、圧空成形または真空圧空成形により、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂製発泡シートを所定形状に賦形する。真空成形、圧空成形または真空圧空成形は、雄金型、雌金型あるいは雄雌一対の金型を使用して常法に従って行うことができ、必要に応じて、気密状態を作るための補助部材を金型と併用することができる。第三の方法の工程(2)では、成形方法(すなわち、真空成形、圧空成形または真空圧空成形)に応じて、金型を含む成形装置に設けた吹気機構および/または吸気機構を適宜作動させ、熱可塑性樹脂製発泡シートの賦形を行う。
第二の方法の工程(4)、および第三の方法の工程(3)では、熱可塑性樹脂製発泡シートの賦形に使用した金型の機能性部材形成用の凹部の開口部を、前工程で賦形した熱可塑性樹脂製発泡シートで塞いだ状態で、該凹部に溶融状態の熱可塑性樹脂を供給し、該凹部の開口部を塞いでいる熱可塑性樹脂製発泡シートと融着一体化させる。第二の方法では、この工程は金型を閉じた状態で行う。
第二の方法の工程(5)、および第三の方法の工程(4)では、形成された熱可塑性樹脂成形品の機能性部材を冷却固化した後に、該成形品を金型から取り外す。
上記第二および第三の方法においても、表皮材および/または多孔質層を有する熱可塑性樹脂製発泡シートを使用することにより、熱可塑性樹脂製発泡シートの表面に表皮材を有する成形品や、機能性部材が多孔質層を介して熱可塑性樹脂製発泡シートに融着された成形品を得ることができる。また、第二の方法では、工程(2)において、熱可塑性樹脂製発泡シートと共に表皮材および/または多孔質層を金型間に供給することによっても、上記と同様の成形品を得ることができる。
第二および第三の方法は、機能性部材を接着剤により熱可塑性樹脂製発泡シートと接着する方法と比較して、熱可塑性樹脂発泡シートの賦形、機能性部材の形成および前記発泡シートと機能性部材との一体化を一連の工程で実施することができるため効率的であり、成形品の製造コストを低くすることができる。しかも、接着剤を使用しないので人体および環境への影響が少ない。
なお、上記三つの方法において、互いに体積の異なる複数の機能性部材を有する成形品を製造する場合、すなわち、互いに容積の異なる複数の凹部を有する金型を用いる場合には、各凹部の樹脂供給口を互いに独立して開閉可能な機構を採用し、各樹脂供給口の開閉のタイミングを適宜調節することにより、全ての凹部に対して熱可塑性樹脂を過不足なく充填することができる。
前記第二の方法の一例について、図6乃至図9を参照して説明する。図6において、雌金型6は、上下に駆動するプレス機(図示せず)の上プラテン(図示せず)に取り付けられており、雌金型成形面7および雌金型内周面8を有する。雄金型9は、プレス機の固定下プラテン(図示せず)に取り付けられており、雄金型成形面10と、前記雌金型内周面8と摺動する雄金型外周面11とを有している。雄金型9には、機能性部材(クリップ)を成形するための凹部12が設けられている。また、雄金型には、凹部12に溶融状態の熱可塑性樹脂を供給するための樹脂通路13が設けられている。溶融状態の熱可塑性樹脂は、樹脂通路13を経て樹脂供給口14から凹部12に供給される。樹脂供給路の一端は、該樹脂供給路に溶融状態の熱可塑性樹脂を供給するための樹脂供給装置(図示せず)に接続されている。雄金型9の外周部には、雌金型6の降下下限位置を決定するためのストッパー15が設けられている。
図示していないが、先ず、オーブンを用いて熱可塑性樹脂製発泡シートを加熱し、軟化させる。次に、図6に示すように、軟化させた熱可塑性樹脂製発泡シート2を雄金型成形面10上に載置する。次いで、図7に示すように、雌金型6の下端がストッパー15に当接するまで雌金型6を降下させる。この雌金型6の降下により、熱可塑性樹脂製発泡シート2を雌金型成形面7と雄金型成形面10とで加圧して賦形する。
図8に示すように、雌金型6がストッパー15に当接したと同時あるいはその直後に、樹脂供給口14より凹部12に所定量の溶融状態の熱可塑性樹脂16を供給し、熱可塑性樹脂製発泡シート2に融着一体化された所定形状のクリップを形成する。これにより、熱可塑性樹脂成形品が形成される。その後、図9に示すように、金型を開いて熱可塑性樹脂成形品1を取り出す。
以下に本発明を実施例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
引抜き強度の測定
株式会社島津製作所製オートグラフDSS2000を使用した。先ず、オートグラフの上下可動式のバーに装着したクランプに熱可塑性樹脂成形品を固定し、次いで、該成形品の熱可塑性樹脂製発泡シートに融着されているクリップを、オートグラフのロードセルに固定した棒状治具先端に取り付けた。次に、該クリップが前記熱可塑性樹脂製発泡シートから外れるまで引張り速度2mm/minで引張り、この引張り過程における引張り強度のピーク値を測定した。同条件で作製した10個の熱可塑性樹脂成形品について同様の測定を行い、得られたピーク値の最大値と最小値との差に基いて、引抜き強度のばらつきを評価した。
実施例1
雄金型(下型)にクリップ形成用の凹部を一つ有する雄雌一対の金型(成形面の大きさ:長さ=300mm、幅=300mm)を使用した。ポリプロピレン製発泡シート(住友化学工業製、商品名:スミセラー発泡PPシート、発泡倍率=3倍、長さ=300mm、幅=300mm、厚み=2mm)をオーブンで130℃に加熱し、雄金型成形面上に載置した。雌金型(上型)を雄雌金型の成形面間隔が2mmになるまで降下させ、雌金型の降下完了と同時に、雄金型内に設けた樹脂通路より前記凹部に溶融状態の熱可塑性樹脂(240℃)を供給した。熱可塑性樹脂としては住友ノーブレンAX568(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)を使用した。雄雌金型の成形面温度は30℃に、プレス圧力は3.9MPaに設定した。その結果、クリップが発泡シートに融着した成形品を得た。上記方法で作製した10個の成形品について、クリップ部分の引抜き強度のピーク値を測定し、引抜き強度のばらつきを評価した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1で使用したポリプロピレン発泡シートの代わりにポリプロピレン製不織布(目付量=110g/m2)を片面に貼着したポリプロピレン発泡シート(住友化学工業製、商品名:スミセラー発泡PPシート、発泡倍率=3倍、長さ=300mm、幅=300mm、厚み=2mm)を使用し、これを前記不織布を雄金型側に向けて雄金型成形面上に載置した以外は実施例1と同様にして、クリップが前記不織布を介して発泡シートに融着した成形品を得た。上記方法で作製した10個の成形品について、クリップ部分の引抜き強度のピーク値を測定し、引抜き強度のばらつきを評価した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で用いたポリプロピレン発泡シートの代わりにポリプロピレン(住友ノーブレンS6002D、住友化学工業製、メルトインデックス=6g/10分)からなる非発泡シート(厚み=4mm;密度=0.9g/cm3)を使用し、雄雌金型の成形面間隔が4mmになるまで雌金型を降下させた以外は実施例1と同様にして、クリップが非発泡シートに融着した成形品を得た。上記方法で作製した10個の成形品について、クリップ部分の引抜き強度のピーク値を測定し、引抜き強度のばらつきを評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004165527
図1は、本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂成形品の一例を示す。 図2は、本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂成形品の他の例を示す。 図3は、本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂成形品の他の例を示す。 図4は、本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂成形品の他の例を示す。 図5は、本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂成形品の他の例を示す。 図6は、本発明の方法の一つの実施形態において、軟化させた熱可塑性樹脂製発泡シートを雄金型成形面上に載置した状態を示す断面図である。 図7は、本発明の方法の一つの実施形態において、雌金型の降下を完了し、凹部に溶融状態の熱可塑性樹脂を供給している場面を示す断面図である。 図8は、本発明の方法の一つの実施形態において、凹部に供給した溶融状態の熱可塑性樹脂が熱可塑性樹脂製発泡シートと融着一体化した状態を示す断面図である。 図9は、本発明の方法の一つの実施形態において、熱可塑性樹脂成形品を金型から取り出している場面を示す断面図である。
符号の説明
1 熱可塑性樹脂成形品
2 熱可塑性樹脂製発泡シート
3 機能性部材
4 表皮材
5 多孔質層
6 雌金型
7 雌金型成形面
8 雌金型内周面
9 雄金型
10 雄金型成形面
11 雄金型外周面
12 凹部
13 樹脂通路
14 樹脂供給口
15 ストッパー
16 熱可塑性樹脂

Claims (3)

  1. 所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする方法。
    (1) 少なくとも一方に前記機能性部材の形状の凹部が形成された一対の金型間に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートを供給する工程
    (2) 金型を閉じて、前記凹部の開口部を熱可塑性樹脂製発泡シートで塞ぐ工程
    (3) 金型を閉じて前記凹部の開口部を熱可塑性樹脂製発泡シートで塞いだ状態で、該凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂製発泡シートとを融着一体化して前記熱可塑性樹脂成形品を形成する工程
    (4) 工程(3)で形成した熱可塑性樹脂成形品を冷却し、金型から取り外す工程
  2. 所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする方法。
    (1) 熱可塑性樹脂製発泡シートを加熱し軟化させる工程
    (2) 熱可塑性樹脂製発泡シートを賦形するための成形部を有し、少なくとも一方の金型の該成形部に前記機能性部材の形状の凹部が形成された雄雌一対の金型間に、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂製発泡シートを供給する工程
    (3) 金型を閉じて、熱可塑性樹脂製発泡シートを所定形状に賦形する工程
    (4) 金型を閉じて工程(3)で賦形した熱可塑性樹脂製発泡シートで前記凹部の開口部を塞いだ状態で、該凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂製発泡シートとを融着一体化して前記熱可塑性樹脂成形品を形成する工程
    (5) 工程(4)で形成した熱可塑性樹脂成形品を冷却し、金型から取り外す工程
  3. 使用する熱可塑性樹脂製発泡シートが表皮材および/または多孔質層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
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