JP4163381B2 - 生理学的薬剤の検出のための磁気共鳴造影剤 - Google Patents
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Description
この出願は、1995年6月2日付けで出願したU.S.S.N.08/460,511;1995年6月7日付けの08/486,968、現在、米国特許第5,707,605号;1997年10月27日付けで出願した60/063,398;および1997年11月17日付けで出願した08/971,855の継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、新規な磁気共鳴造影コントラスト剤および生理学的シグナルまたは物質を検出する方法に関する。
【0003】
(発明の背景)
磁気共鳴映像法(MRI)は、高磁場および高周波シグナルを用いて画像を生成する診断的手法および研究手法である。生物組織における大部分の豊富な分子種は、水である。全画像試験におけるシグナルに増大を最後に与えるのは、水プロトン核の量子力学的「スピン」である。MRIにおいて、画像化すべき試料は、強い静止磁場(1-12 Tesla)に置かれ、スピンは、高周波(RF)放射のパルスで励起されて、試料において正味の磁化を生じる。次いで、種々の磁場勾配および他のRFパルスは、スピンに作用して、空間的情報を記録されたシグナルに暗号化する。MRIは、比較的短時間に三次元の構造情報を生成できる。
【0004】
画像
MR画像は、典型的には、灰色スケールで示され、測定強度(I)が最低では黒で最高では白である。この測定強度I=C*M、ここに、Cはスピンの濃度(この場合には水濃度)で、Mは測定時点に存在する磁化の測定量である。水濃度(C)の変動はMR画像におけるコントラストに増大を与えることができるが、MRIにおける画像強度変動の源である局所的環境に対してMの変化速度に強く依存する。2つの独特な緩和時間、T1およびT2は、磁化が正確に測定できる速度を決定する。T1は、RFパルスによって混乱させられた後に平衡にまで減衰するスピンにつき一定の指数関数的な時間である。シグナル−対−ノイズ(SNR)を増加させるために、典型的なMR画像スキャン(RFおよび勾配パルス配列ならびにデータ獲得)は、事前決定された数の回数につき一定割合にて繰り返して、データを平均した。いずれかの所与のスキャンにつき記録されたシグナルの大きさは、先のスキャンから平衡にまで減衰したスピン数に比例する。かくして、急速に減衰しているスピン(短いT2値)を持つ領域は、連続するスキャン間のすべてのそれらのシグナルの大きさを回復するであろう。
【0005】
最終画像における測定強度は、スピン密度(すなわち、水含量)を正確に反映するであろう。定常状態に達するまで、スキャンの間の時間に比較して長いT1値を持つ領域は、次第にシグナルを失い、最終画像における暗い領域として現れるであろう。T2(スピン-スピン緩和時間)の変化の結果、シグナルライン幅(短いT2値)を変化させ、より大きなライン幅を得る。極度の状態において、ライン幅は、シグナルが大きいのでバックグラウンドノイズから区別ができない。臨床的画像において、水緩和特性は、組織間で変更され、組織タイプの識別を可能とするコントラストを提供できる。さらに、MRI試験は、短いT1値および/または長いT2値を持つ試料の領域が、いわゆるT1−重み付けしたおよびT2−重み付けした画像プロトコールを優先的に増強するように設定できる。
【0006】
MRIコントラスト剤(MRI contrast agent)
常磁性コントラスト剤の臨床的有効性を示す一連の論文が急速に増えている(現在、8つが臨床試験中または使用中である)。磁気的刺激であり、組織学的に別個であり得る、領域/組織を区別する能力は、これらの薬剤の調製についての主な起動力である[1、2]。MRI剤の設計において、厳しい注意は、コントラスト増強を能力は別として、生理学的成果を最後にもたらすであろう種々の特性に与えられなければならない[3]。考慮されなけらばならない2つの基礎的特性は、生体適合性およびプロトン緩和増強である。生体適合性は、毒性、安定性(熱力学および動力学)、薬物動態学および生体分布を含めたいくつかの因子によって影響される。プロトン緩和増強(または緩和度(relaxivity))は、金属の選定および回転性相関時間によって主に決定される。
【0007】
設計工程中に考えられるべき第一の特徴は、金属原子の選択であり、それは、錯体の測定された緩和度を左右するであろう。常磁性金属イオンは、非対合の電子の結果として、強力な緩和増強剤として働く。それらは、近くの(r6依存)スピンのT1およびT2緩和時間を減少させる。いくつかの常磁性イオンは、実質的ラインボーデニィング(linebroadening)(例えば、ガドリニウム(III)、(Gd3+))を生じることなくして、T1を減少させ、一方、他方は、劇的なラインボーデニィング(例えば、超常磁性酸化鉄)を誘導する。T1緩和の機構は、一般的に、常磁性体(非対電子を有する金属原子)の非対電子と、(金属原子と結合する)金属内部配位範囲において水分子と速く交換するバルク水分子(金属原子に結合していない水分子)との間の空間を通した双極子−双極子相互作用である。
【0008】
例えば、試験において連続するスキャン間の時間が短い(すなわち、T1重み付けした画像)ならば、(水分子の近くの)Gd3+イオンと会合した領域は、MR画像において明るく現れ、通常の水溶液は、暗い背景として現れる。超常磁性粒子によって引き起こされた局在化したT2短縮は、これらの粒子の大きな磁力モーメントと関連した局所磁場不均一性のためであると考えられる。スピン−エコーパルス配列試験においてエコー時間(TE)が長い(例えば、T2-重み付けした画像)ならば、超常磁性酸化鉄粒子と関連した領域は、MR画像において暗く現れ、通常の水溶液は、高い強度の背景として現れる。ランタニド原子Gd3+は、非常に高い磁気モーメント(u2 = 63BM2)および対称性の電子基底状態、(S8)を有するために、MRIコントラスト剤につきはるかに頻繁に選択される金属原子である。また、高スピンMn(II)およびFe(III)のごとき遷移金属は、高い磁気モーメントのために候補物である。
【0009】
一旦適当な金属が選択されたならば、適当な配位子またはキレートが錯体を非毒性とするように見出されなければならない。キレート化剤なる用語は、「カニのツメ」を意味するギリシャ語の単語cheleから由来し、その多くの「腕」を用いて金属原子をつかみ保持する、物質についての適当な記載である(以下のDTPA参照)。いくつかの因子は、エンタルピーおよびエントロピー効果(例えば、配位結合基の数、荷電および塩基度、配位子場ならびに立体配置効果)を含めたキレート錯体の安定性に影響する。配位子の種々の分子設計特徴は、生理学的結果と直接的に関連付けることができる。例えば、所与の配位子構造上の単一のメチル基の存在は、クリアランス速度に対して著しい効果を有することができる。臭素基の付加は、所与の錯体を純粋な細胞外の役割から、肝細胞において集められる有効な薬剤へできる。
【0010】
ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)は、キレート化し、かくしてランタニドイオンを無毒化するのに働く。Gd(DTPA)2-についての安定性定数は、非常に高く(log K = 22.4)、生成定数として通常知られている(log Kが高ければ高いほど、錯体は安定化する)。この熱力学的パラメーターは、非結合状態にあるGd3+イオンの分率が全く小さく、金属の損失が生じるところの割合(動力学的安定性)(kf/kd)と混同すべきでないことを示す。水溶性Gd(DTPA)2- キレートは、安定で、非毒性であって、実験的および臨床的画像研究において最も広範囲に用いられるコントラスト増強剤の一つである。1988年6月に成人患者において臨床的使用が承認された。それは、灌流優位な工程による組織中に蓄積する細胞外薬剤である。
【0011】
現在まで、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン'-N,N'N",N"'-四酢酸(DOTA)およびその誘導体を含めた多数のキレート化剤が用いられてきた。米国特許第5,155,215号、第5,087,440号、第5,219,553号、第5,188,816号、第4,885,363号、第5,358,704号、第5,262,532号およびMeyerら、Invest. Radiol. 25:S53(1990)参照。
【0012】
Gd(DTPA)を用いる画像増強改善は、空間占有障害によって引き起こされた脳血管関門崩壊の視覚化および異常な脈管質の検出を含めた多数の適用において引証されている(Rungeら、Magn、Reson. Imag. 3:85(1991);Russellら、AJR 152:813(1989);Meyerら、Invest. Radiol. 25:S53(1990))。最近、局所の大脳血行動態を定義することによって、ヒトの視覚皮質の機能的マッピングに適用された(Belliveauら、(1991)254:719)。
【0013】
Gdコントラスト剤において用いられたもう一つのキレート化剤は、大環状配位子1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N',N"N"'-四酢酸(DOTA)である。Gd-DOTA錯体は、動物およびヒトを含む実験室試験において徹底的に試験された。当該錯体は、立体配置的に剛直であり、非常に高い生成定数(log K = 28.5)を有し、生理学的pHにて非常に遅い解離速度を有する。最近、GdDOTA錯体がフランスにおいて成人および小児における使用のためにMRIコントラスト剤として承認され、4500名超える患者に投与された。
上記のごとく、これらのMRIコントラスト剤は、様々な使用を有する。しかしながら、生物学的または他のタイプの試料内の生理学的または代謝過程について報告するMRIコントラスト剤はない。従って、本発明の目的は、動物の組織または細胞内の生理的薬剤の視覚化および検出を可能とするMRIコントラストまたは増強剤を提供することにある。
【0014】
(発明の概要)
上記の目的により、本発明は、錯体に結合した常磁性金属イオンを含むMRI剤を提供する。該錯体は、キレート化剤および該金属イオンの少なくとも第一配位部位においてブロッキング基(blocking moiety)を含む。該ブロッキング基は、キレート化剤に共有結合し、金属イオン錯体中の少なくとも該第一配位部位における水の交換を変更するように標的物質と相互作用できる。
【0015】
一の態様において、本発明は、a)Gd(III)イオンが少なくとも5つの配位部位を有するようにキレート化剤と結合したGd(III)イオンと、b)残りの配位部位における水の迅速な交換を妨げるキレート化剤に共有結合したブロッキング基とを含むMRI剤を提供する。該ブロッキング基は、残りの配位部位における水の交換が増大するように標的物質と相互作用できる。
一の態様において、本発明は、式:
【0016】
【化4】
【0017】
[式中、Mは、Gd(III)、Fe(III)、Mn(II)、Yt(III)、Cr(III)およびDy(III)よりなる群から選択される常磁性金属イオン;A、B、CおよびDは、単結合または二重結合のいずれかであり;X1、X2、X3およびX4は、-OH、-COO-、-CH2OH -CH2COO-またはブロッキング基;R1-R12は水素、アルキル、アリール、リン基またはブロッキング基;ここに、少なくとも一つのX1-X4およびR1-R12はブロッキング基である]
を有するMRI剤を提供する。
【0018】
さらなる態様において、本発明は、第一錯体に結合した第一常磁性金属イオンおよび少なくとも第二錯体に結合した第二常磁性金属イオンを含むMRIコントラスト剤を提供する。
該第一および第二錯体は、各々、共有結合したブロッキング基を持つキレート化剤を含む。該錯体は、リンカー、例えば、ポリマーを介して結合できる。
【0019】
さらなる態様において、該MRI剤は、a)第一常磁性金属イオンを含む第一キレート化剤、b)第二常磁性金属イオンを含む第二キレート化剤、およびc)少なくとも一つの第一または第二キレート化剤と共有結合したブロッキング基を含む。該ブロッキング基は、第一および第二金属イオンの各々の少なくとも第一配位原子を提供し、配位部位バリアーとして機能する。上記のごとく、該ブロッキング基は、少なくとも一つの該金属イオンの少なくとも第一配位部位における水の交換を増大する標的物質と相互作用できる。
また、本発明は、細胞、組織、実験動物または患者に本発明のMRI剤を投与することを特徴し、該細胞、組織、実験動物または患者の磁気共鳴造影を行う細胞、組織、実験動物または患者の磁気共鳴造影方法を提供する。
【0020】
(発明の詳細な説明)
本発明は、生理学的薬剤または標的物質を検出できる磁気共鳴造影コントラスト剤を提供する。本発明のMRI剤は、生理学的標的物質の不存在下でコントラスト増強剤として、比較的不活性であり弱い緩和度を有し、生理学的標的物質の存在下で活性化され、かくしてMR画像を変更する。
【0021】
単純化して見れば、それにより該コントラスト剤に「スイッチが入れられる(turned on)」(すなわち、緩和度を増大させる)この「トリガー」機構は、本発明のMRIコントラスト剤に含まれた常磁性金属イオンの1以上の配位部位における水分子の交換速度に影響する動的平衡に基づいている。今度は、水分子の交換速度は、周囲環境における標的物質の存在または不存在によって決定される。かくして、標的物質の不存在下にて、常磁性イオンをキレート化する本発明の金属イオン錯体は、局所環境の水分子と迅速に交換できる配位部位の有効性を低下させた。かかる状況において、水配位部位は、キレート化剤の配位原子および少なくとも一つのブロッキング基によって実質的に占有され遮断される。かくして、常磁性イオンは、その「内部-配位範囲」中に水分子を実質的に持たず、すなわち、標的物質が不存在である場合に、金属と実際に結合する。それは、常磁性金属イオンと内部配位範囲水分子のプロトンとの相互作用であり、高く観察された緩和度を引き起こすかかる水分子の迅速な交換、およびかくして常磁性金属イオンの画像効果である。従って、標的物質が不存在である場合のごとく、金属イオン錯体中の金属イオンの全ての配位部位が水分子以外の基で占有されるならば、本発明の金属イオン錯体による画像シグナルの正味の増強はもしあっても少ない。しかしながら、標的物質が存在する場合に、該標的物質は、該ブロッキング基または金属イオン錯体基と相互作用し、金属イオン錯体上の少なくとも一つの内部範囲の配位部位を効果的に自由にする。次いで、局所環境の水分子は、内部-範囲配位部位または部位を占有するのに利用でき、それは水の交換速度および水へ向かっての金属イオン錯体の緩和度を増大させる、それによって標的物質の存在の尺度である画像増強を生じさせる。
【0022】
一般的に画像を生成するために用いたMRIシグナルの2ないし5%変化は、検出するのに十分である。かくして、標的物質の存在下の本発明の薬剤が、標的物質の不存在下のシグナル獲得に比較して少なくとも2ないし5%までMRIシグナルを増強させることは好ましい。該ブロッキング基との標的物質の相互作用によって利用される各配位部位について、2ないし90%のシグナル増強が好ましく、10ないし50%がより好ましい。すなわち、該ブロッキング基が2以上の配位部位を占有する場合に、該ブロッキング基の遊離の結果、シグナルにおける増大を倍増し、単一配位部位に比較して大きくなる。
【0023】
いずれの特定の配位部位にての標的物質の不存在においても、該ブロッキング基の配位原子および水分子間のごとき1以上の配位部位についての動的平衡があるであろうと考えるべきである。すなわち、配位原子が金属に剛直に結合する場合でさえ、その部位にて水分子のいくつかの交換があるであろう。しかしながら、大部分の事例では、水分子のこの交換は、迅速でも有意でもなく、有意な画像増強が生じない。しかしながら、標的物質への曝露に際して、該ブロッキング基は、配位部位から追い出され、水の交換は増大する、すなわち、迅速な交換であり、従って緩和度における増大は、かなりの画像増強と共に生じ得る。
【0024】
本発明の錯体は、キレート化剤およびブロッキング基を含む。本発明の金属イオン錯体は、キレート化剤およびブロッキング基を含む錯体と結合した常磁性金属イオンを含む。本明細書の「常磁性金属イオン」、「常磁性イオン」または「金属イオン」とは、磁場に平行または逆平行に、その場に比例した大きさで磁化された金属イオンを意味する。一般的に、これらは、非対合の電子を有する金属イオンであり;これは当該技術分野において理解される用語である。適当な常磁性金属イオンの実施例は、ガドリニウム III(Gd+3またはGd(III))、鉄III(Fe+3またはFe(III))、マンガンII(Mn+2またはMn(II))、イットリウム III(Yt+3またはYt(III))、ジスプロシウム(Dy+3またはDy(III))およびクロム(Cr(III)またはCr+3)を含むが、それらに限定されるものではない。好ましい具体例において、常磁性イオンは、その高い磁気モーメント(U2 = 63BM2)、対称の電子基底状態(S8)およびヒトにおける診断的使用につき現在承認されたためにランタニド原子Gd(III)である。
【0025】
金属イオンに加えて、本発明の金属イオン錯体は、キレート化剤およびキレート化剤と共有結合できるブロッキング基を含む。多くの常磁性イオンの比較的高い毒性のために、該イオンは、結合によって生理系において、適当なキレート化剤へ非毒性とされる。かくして、標的物質の存在下で水分子のために配位部位を空けることができるキレート化剤の配位部位におけるブロッキング基の置換は、金属イオン錯体についての解離の半減期を減少させることによって、金属イオン錯体をより毒性とすることができる。かくして、好ましい具体例において、単一の配位部位だけが、ブロッキング基によって占有され、遮断される。しかしながら、いくつかの適用、例えば、組織等の分析では、金属イオン錯体の毒性は、最最も重要ではあり得ない。同様に、いくつかの金属イオン錯体は安定であるので、ブロッキング基での1以上のさらなる配位原子の置換でさえ、解離の半減期にかなり影響しない。例えば、後記のDOTAは、Gd(III)とで錯体化する場合に、非常に安定である。従って、DOTAがキレート化剤として供された場合、キレート化剤のいくつかの配位原子は、毒性のかなりの増大なくしてブロッキング基と置換できる。さらに、かかる薬剤は、バルク溶媒で水を迅速に交換する2以上の配位部位を有するためにより大きなシグナルを潜在的に生じる。
【0026】
エンタルピーおよびエントロピー効果を含めたキレート金属イオン錯体の選択および安定性に影響する様々な因子がある(例えば、配位結合基の数、荷電および塩基度、配位子場ならびに立体配置効果)。
【0027】
一般的に、該キレート化剤は、金属イオンと結合する配位原子を含む配位部位数を有する。該配位部位数、かくしてキレート化剤の構造は、金属イオンに依存する。本発明の金属イオン錯体において用いられたキレート化剤は、金属イオン錯体の少なくとも一つの配位部位が後記のごときブロッキング基によって占有され、遮断されて金属イオン錯体に対する官能価を与えられるために、好ましくは金属イオンが結合できる(n)より少なくとも一つ少ない配位原子(n-1)を有する。かくして、例えば、Gd(III)は、8つの強く会合した配位原子または配位子を有し、第九配位子と弱く結合できる。従って、Gd(III)についての適当なキレート化剤は、9個未満の配位原子を有するであろう。好ましい具体例において、Gd(III)キレート化剤は、金属イオン錯体において残った部位を占有し、または遮断するかのいずれかのブロッキング基を持つ8つの配位原子を有する。別法の具体例においては、本発明の金属イオン錯体において用いられたキレート化剤は、金属イオンが結合できる(n)より2つ少ない配位原子(n-2)を有し、これらの配位部位は以上のブロッキング基を占有する。かくして、別法の具体例は、残った部位を占有し、または遮断するかのいずれかのブロッキング基を持つ少なくとも5つの配位原子、好ましくは少なくとも6つの配位原子、特に好ましくは8個でGd(III)キレート化剤を利用する。キレート化剤およびブロッキング基の正確な構造を決定するのが難しく、かくして配位原子の正確な数は不明であることが認められている。例えば、キレート化剤が分数または整数でない数の配位原子を供し;すなわち、キレート化剤が7.5個の配位原子を供し、すなわち、第八配位原子が平均して金属イオンに十分に結合していないという可能性がある。しかしながら、金属イオン錯体は、その部位にて第八配位原子が十分に結合して迅速な水の交換を防止し、および/または該ブロッキング基がその部位にて迅速な水の交換を妨げるならば、依然として機能的であり得る。
【0028】
ランタニドおよび常磁性イオンをキレート化するのに用いる非常に多数の公知の大環状のキレート化剤または配位子がある。例えば、非常に多数の大環状のキレート化剤およびそれらの合成を記載するAlexander、Chem. Rev. 95:273-342(1995)およびJackels、Pharm. Med. Imag、第III節、第20章、p645(1990)(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)参照。同様に、米国特許第5,155,215号、第5,087,440号、第5,219,553号、第5,188,816号、第4,885,363号、第5,358,704号、第5,262,532号およびMeyerら、Invest. Radiol. 25:S53(1990)(ここにまた、出典明示して本明細書の一部とみなす)を含めた、本発明における使用についての適当なキレート化剤を記載する多数の特許がある。かくして、当業者に理解されるごとく、いずれの公知の常磁性金属イオンキレート化剤またはランタニドキレート化剤も本明細書の教示を用いて容易に修飾でき、さらに少なくとも一つのブロッキング基を含み得る。
【0029】
金属イオンがGd(III)である場合、キレート化剤は1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N',N",N"'-四酢酸(DOTA)または置換DOTAである。DOTAは以下の構造を有する:
【0030】
【化5】
【0031】
本明細書の「置換DOTA」とは、下記に示すごとく、DOTAはいずれかの続いての位置にて置換できることを意味する:
【0032】
【化6】
【0033】
適当なR置換基は、当業者によって理解されるであろうごとく、非常に様々な基を含む。例えば、適当な置換基は、米国特許第5,262,532号、第4,885,363号および第5,358,704号におけるDOTAおよびDOTA-タイプの化合物について開示された置換基を含む。これらの基は、水素、置換アルキル基およびヘテロアルキル基を含めたアルキル基、置換アリールおよびヘテロアリール基を含めたアリール基、リン基およびブロッキング基を含む。当業者によって認められるごとく、好ましい具体例において単一な水素でないR基がいずれかの特定の位置にて結合するけれども、上記の各位置は結合した2つのR基(R'およびR")を有し;すなわち、好ましくは、各位置にて少なくとも一つのR基が水素である。かくして、Rがアルキルまたはアリール基ならば、本明細書に示さないが一般的に炭素に結合したさらなる水素がある。好ましい具体例において、一つのR基は、ブロッキング基であって、他のR基は水素である。
【0034】
「アルキル基」または本明細書の文法上の同等物は、直鎖または分岐した鎖アルキル基を意味し、 直鎖アルキル基が好ましい。分岐ならば、1以上の位置にて分岐でき、特定されない限りはいずれの位置にても分岐できる。また、アルキルの定義内に含まれるのは、ヘテロ原子が窒素、酸素、リン、硫黄または珪素から選択されるヘテロアルキル基である。また、アルキル基の定義内に含まれるのは、C5およびC6環、ならびにヘテロシクロアルキルのごときシクロアルキル基である。
【0035】
さらに適当な複素環の置換環は、米国特許第5,087,440号(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)に示される。いくつかの具体例において、2つの隣接したR基は、米国特許第5,358,704号(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)に記載されたごとく、一緒に結合してキレート化剤の炭素原子と共に環構造を形成する。これらの環構造は、同様に置換できる。
【0036】
アルキル基は、約1ないし20個の炭素原子(C1-C20)の範囲であり得、好ましい具体例は約1ないし約10個の炭素原子(C1-C10)を利用し、約C1ないし約C5が好ましい。しかしながら、いくつかの具体例において、アルキル基は、例えば、アルキル基が配位部位バリアーである場合に大きくなり得る。
【0037】
本明細書の「アルキルアミン」または文法上の同等物とは、いずれかの位置にてアミン基と置換される前記定義のごときアルキル基を意味する。さらに、アルキルアミンは、アルキル基につき上記に概説した他の置換基を持ち得る。該アミンは、第一(-NH2R)、第二(-NHR2)または第三(-NR3)であり得る。該アミンが第二または第三アミンである場合に、適当なR基は前記定義のごときアルキル基である。好ましいアルキルアミンは、p-アミノベンジルである。アルキルアミンが後記のごとく配位部位バリアーとして供される場合に、好ましい具体例は、例えば、該アルキルアミンがピリジンまたはピロール環を含む場合、配位原子としてアミンの窒素原子を利用する。
【0038】
「アリール基」または文法上の同等物とは、フェニルのごとき芳香族アリール環、ピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、インドールおよびプリンのごとき複素環の芳香族環ならびに窒素、酸素、硫黄またはリンとの複素環を意味する。
【0039】
「アルキル」および「アリール」の定義内に含まれるのは、置換アルキルおよびアリール基である。すなわち、該アルキルおよびアリール基は、1以上の置換基で置換でき、例えば、フェニル基は置換フェニル基であり得る。適当な置換基は、塩素、臭素およびフッ素のごときハロゲン、アミン、ヒドロキシ基、カルボン酸、ニトロ基、カルボニルおよび他のアルキルならびに本明細書に定義のごときアリール基を含むが、限定されるものではない。かくして、アリールアルキルおよびヒドロキシアルキル基も本発明における使用につき適当である。好ましい置換基は、アルキルアミンおよびアルキルヒドロキシを含む。
【0040】
本明細書の「リン基」とは、-PO(OH)(R25)2基を含めた基を意味する。リンはアルキルリンであり得;例えば、DOTEPはDOTA上の置換基としてエチルリンを利用する。R25は、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシであり得る。好ましい具体例は-PO(OH)2R25基を有する。
また、該置換基は、後記のごとく、水素またはブロッキング基であり得る。
【0041】
別法の具体例において、金属イオンがGd(III)である場合、好ましいキレート化剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)または置換DTPAである。DPTAは、以下に示す構造を有する:
【0042】
【化7】
【0043】
本明細書の「置換DPTA」とは、DPTAが以下に示すごとくいずれかの次の位置にて置換できることを意味する:
【0044】
【化8】
【0045】
例えば、米国特許第5,087,440号参照。
適当なR置換基は、DOTAについて概説されたものを含む。再度、当業者ならば、本明細書に記載されごとく、各位置にての少なくとも一つの基が水素であり、それは本明細書に一般的に示さないが、上記の各位置にて2つのR基(R'およびR")があり得ることを認めるであろう。
【0046】
別法の具体例において、該金属イオンがGd(III)である場合、好ましいキレート化剤は1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N ',N",N"'-テトラエチルリン(DOTEP)または置換DOTEPである(米国特許第5,188,816号参照)。DOTEPは、以下に示す構造を有する:
【0047】
【化9】
【0048】
DOTEPは、上記に概説ごとき同様のR置換基を有し得る。
他の適当なGd(III)キレート化剤は、とりわけ、Alexander、同上、Jackels、同上、米国特許第5,155,215号、第5,087,440号、第5,219,553号、第5,188,816号、第4,885,363号、第5,358,704号、第5,262,532号およびMeyerら、Invest. Radiol. 25:S53(1990)に記載される。
【0049】
常磁性イオンがFe(III)である場合、適当なキレート化剤は、Fe(III)が6つの配位原子と結合できるために、6個未満の配位原子を有する。Fe(III)イオンのための適当なキレート化剤は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、そのすべてがFe(III)に適したキレート化剤を記載する、Laufferら、J. Am. Chem. Soc. 109:1622(1987);Lauffer、Chem. Rev. 87:901-927(1987);および米国特許第4,885,363号、第5,358,704号および第5,262,532号参照。
【0050】
常磁性イオンがMn(II)(Mn+2)である場合、適当なキレート化剤は、Mn(II)が6または7つの配位原子を結合できるために、5または6個未満の配位原子を有する。Mn(II)イオンのための適当なキレート化剤は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、Lauffer、Chem. Rev. 87:901-927(1987)ならびに米国特許第4,885,363号、第5,358,704号および第5,262,532号参照。
【0051】
常磁性イオンがYt(III)である場合、適当なキレート化剤は、Yt(III)が8または9つの配位原子を結合できるために、7または8個未満の配位原子を有する。Yt(III)イオンのための適当なキレート化剤は、DOTAおよびDPTAならびにその誘導体を含むが、限定されるものではなく(Moiら、J. Am. Chem. Soc. 110:6266-6267(1988)参照)、それらのキレート化剤は、上記に概説したごとく、米国特許第4,885,363号等に記載される。
【0052】
常磁性イオンがDy+3(Dy(III))である場合、適当なキレート化剤は、DyIIIが8または9つの配位原子を結合できるために、7または8個未満の配位原子を有する。適当なキレート化剤は、上記のごとく当該技術分野において知られている。
【0053】
好ましい具体例において、該キレート化剤および該ブロッキング基は、共有結合する;すなわち、該ブロッキング基は該キレート化剤の置換基である。この具体例において、結合した金属イオンを持つ置換キレート化剤は、標的物質の不存在下にて、すべての可能な配位部位を占有しまたは遮断させる金属イオン錯体を含み;すなわち、それは配位的に飽和される。
【0054】
別法の具体例において、該キレート化剤および該ブロッキング基は、共有結合しない。この具体例において、該ブロッキング基は、標的物質の不存在下にて、金属イオンについて十分に親和性を有して、水分子の迅速な交換を防止する。しかしながら、この具体例において、該ブロッキング基は、金属イオンについてより標的物質に高い親和性を有する。従って、標的物質の存在下にて、該ブロッキング基は、金属イオンから追い出される傾向を有して、標的物質と相互作用し、かくして、金属イオン錯体における配位部位を自由にし、迅速な水の交換および緩和度の増大を可能とするであろう。
【0055】
重要なことは、金属イオン、該キレート化剤および該ブロッキング基を含む金属イオン錯体が、ブロッキング基が金属イオンの内部配位範囲にある場合に、水分子を迅速に容易に交換できず、標的物質の不存在下にて実質的な画像増強はないかまたはほとんどないことである。。
【0056】
本明細書の「ブロッキング基」または文法上の同等物とは、標的物質と相互作用でき、ある種の環境下で金属イオン錯体の金属イオンの少なくとも一つの内部配位部位において水の交換を実質的に遮断できる、本発明の該キレート化剤金属イオン錯体と会合した官能基を意味する。例えば、本発明の金属イオン錯体と結合または会合した場合、標的物質の不存在下にて、該ブロッキング基は、金属イオンの少なくとも一つの配位部位を占有しまたは遮断する。かくして、該金属イオンは、標的物質の不存在下にて、該キレート化剤および該ブロッキング基または複数の基で配位的に飽和される。
【0057】
ブロッキング基は、いくつかの成分を含み得る。該ブロッキング基は、以下に概説されるごとく、標的物質と相互作用できる官能基を有する。この官能基は、該ブロッキング基の配位原子(配位原子団)を供することができ、またはできない。さらに、ブロッキング基は、1以上のリンカー基を含んで、該ブロッキング基の成分の正確なスペーシング(spacing)および結合を可能とする。さらに、該ブロッキング基の官能基が配位原子に寄与しない具体例において、該ブロッキング基は、配位部位原子を供するか、または配位部位にて立体的に迅速な水の交換を防止するかのいずれかに機能する配位部位バリアーを含み;すなわち、該配位部位バリアーは、その配位部位を占有するかまたは遮断する。
【0058】
本明細書の「標的物質と相互作用できる」とは、標的物質が存在する場合に、該ブロッキング基が、金属イオン錯体の少なくとも一つの配位部位を遮断するまたは占有するのを止めるように、該ブロッキング基が標的物質につき親和性を有することを意味する。かくして、上記に概説したごとく、該ブロッキング基は、標的物質が不存在下にて、金属イオンの少なくとも一つの配位部位を遮断し、または占有している。しかしながら、標的物質の存在下にて、該ブロッキング基は、標的物質と会合しまたは相互作用し、該金属イオンとのその会合から解放され、かくして、この部位にて迅速な水の交換が生じることができるように、該金属イオンの少なくとも一つの配位部位を自由にする結果、画像を増強する。
【0059】
該ブロッキング基および該標的物質間の相互作用の性質は、MRIを介して検出されまたは視覚化されるべき標的物質に依存するであろう。例えば、適当な標的物質は、といわけ、酵素;蛋白質;ペプチド;核酸;Ca+2、Mg+2、Zn+2、K+、Cl-およびNa+のごときイオン;cAMP;細胞表面受容体および配位子受容体のごとき受容体;ホルモン;抗原;抗体;ATP;NADH;NADPH;FADH2;FNNH2;補酵素A(アシルCoAおよびアセチル CoA);およびビオチンを含むが、それらに限定されるものではない。
【0060】
いくつかの具体例において、例えば、該ブロッキング基が標的酵素に対する曝露に際して切断する酵素基質を含む場合に;該ブロッキング基が配位部位を遮断しまたは占有するために再会合しないように、相互作用の性質は不可逆的である。あるいは、例えば、該ブロッキング基が、以下に概説されるごとく、イオン 配位子または受容体配位子を含む場合に;該ブロッキング基が該錯体と再会合して水の交換を妨げるように、相互作用の性質は可逆的である。
対応するブロッキング基は、酵素基質または阻害剤、受容体配位子、抗体、抗原,イオン結合化合物、実質的に相補的な核酸、核酸結合蛋白質等であろう。
【0061】
好ましい具体例において、該標的物質は酵素であって、該ブロッキング基は酵素基質である。この具体例において、該ブロッキング基は、本発明の金属イオン錯体から切断され、金属イオン錯体の少なくとも一つの配位部位において、水の交換を可能とする。この具体例は、標的物質の単一分子が多くの活性化された金属イオン錯体、すなわち、該ブロッキング基がもはや金属イオンの配位部位を占有しまたは遮断しない金属イオン錯体を生成できるために、画像増強の増幅を可能とする。
【0062】
当業者によって認められるごとく、可能な酵素標的物質は、非常に広域である。該標的物質の酵素は、例えば、診断目的のために、疾患状態との相関に基づいて選択される。あるいは、本発明の金属イオン錯体を用いて、かかる相関を確立できる。
【0063】
適当なクラスの酵素は、プロテアーゼ、カルボヒドラーゼ、リパーゼおよびヌクレアーゼのごとき加水分解酵素;ラセマーゼ、エピメラーゼ、タウトメラーゼ(tautomerase)またはムターゼのごとき異性化酵素;転移酵素、キナーゼおよびホスファターゼを含むが、それらに限定されるものではない。
【0064】
当業者によって認められるごとく、適当な酵素標的の潜在的なリストは、非常に大きい。循環器系内の動脈硬化プラークおよび障害の生成および維持、炎症、創傷、免疫応答、腫瘍に関連した酵素は、本発明を用いてすべて検出できる。また、ラクトース、マルトース、スクロースまたは転化酵素のごとき酵素、セルラーゼ、α−アミラーゼ、アルドラーゼ、グリコーゲンホスホリラーゼ、ヘキソキナーゼのごときキナーゼ、セリン、システイン、アスパルチルおよびメタロプロテアーゼのごときプロテアーゼは検出でき、トリプシン、キモトリプシンならびにtPAおよび血栓溶解カスケードの他のプロテアーゼのごとき他の治療に関連したセリンプロテアーゼ;カテプシンB、L、S、H、J、NおよびOを含めたカテプシンを含むシステインプロテアーゼ;およびカルパイン;およびカスペース(caspase)-3、-5、-8およびアポトーシス経路(apoptotic pathway)の他のカスペースのごときカスペース、およびインターロイキン-変換酵素(ICE)を含むが、それらに限定されるものではない。同様に、細菌およびウィルス感染は、独特な細菌およびウィルス酵素を介して検出できる。当該技術分野において認められるごとく、このリストは、限定されることを意味しない。
一旦、標的酵素が同定されまたは選択されたならば、酵素基質ブロッキング基は、酵素基質特異性のよく知られたパラメーターを用いて設計できる。
【0065】
例えば、酵素標的物質がプロテアーゼである場合、標的プロテアーゼによって切断できるブロッキング基は、ペプチドまたはポリペプチドであってもよい。本明細書の「ペプチド」または「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって共有結合した約2ないし約15個のアミノ酸残基の化合物を意味する。好ましい具体例は、約2ないし約8つのアミノ酸のポリペプチドを利用し、約2ないし約4個が最も好ましい。好ましくは、アミノ酸アナログおよびペプチド類似構造も有用であるために、アミノ酸は、天然発生のアミノ酸である。ある種の環境下では、ペプチドは、単一アミノ酸残基だけでよい。
【0066】
同様に、酵素標的物質がカルボヒドラーゼである場合、該ブロッキング基は、標的カルボヒドラーゼによって切断できる炭水化物基であろう。例えば、酵素標的がラクターゼまたはβ-ガラクトシダーゼである場合、酵素基質ブロッキング基は、ラクトースまたはガラクトースである。同様の酵素/ブロッキング基対は、スクラーゼ/スクロース、マルターゼ/マルトースおよびアミラーゼ/アミロースを含む。
【0067】
もう一つの具体例において、該ブロッキング基は、酵素の存在下にて、阻害剤 ブロッキング基が金属イオン錯体から解離して、該酵素と相互作用しまたは結合し、かくして水との相互作用について金属イオンの内部配位範囲部位を自由にするように、酵素阻害剤であり得る。上記のごとく、酵素阻害剤は酵素標的物質および該酵素の対応する公知の特性に基づいて選択される。
【0068】
好ましい具体例において、該ブロッキング基は前記定義のごとく、nが1ないし約10、1ないし5が好ましく、1ないし3が特に好ましい-(OPO(OR2))nのごときリン基である。各Rは、独立して水素または本明細書に定義のごとき置換基であり、水素が好ましい。この具体例はアルカリフォスファターゼまたはホスホジエステラーゼもしくは、これらのごとき基を含むリンを切断することが知られている他の酵素である場合に、特に有用である。
【0069】
一の具体例において、該ブロッキング基は核酸である。該核酸は、一本鎖または二本鎖であり得、ペプチド核酸のごとき核酸アナログ、およびホスホルチオエート、ホスホルアミデート、モルホリノ構造等のごときリボース-リン酸骨格の他のよく知られた修飾を含む。該標的分子は、実質的に相補的な核酸または蛋白質のごとき核酸結合基であってもよい。
【0070】
好ましい具体例において、該標的物質は生理学的薬剤である。酵素/基質の具体例についてのごとく、該生理学的薬剤は、生理学的薬剤の存在下にて、金属イオン錯体の少なくとも一つの内部範囲の配位部位における迅速な水の交換があるように、金属イオン錯体のブロッキング基と相互作用する。かくして、標的物質は、生理学的に活性なイオンであり得、該ブロッキング基は、イオン結合配位子である。例えば、実施例に示すごとく、標的物質は、Ca+2イオンであり得、該ブロッキング基は、当該技術分野において知られるごときカルシウム結合配位子であり得る(Grynkiewiczら、J. Biol. Chem. 260(6):3440-3450(1985);Haugland、R.P.、Molecular Probes Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(1989-1991))。他の適当な標的イオンは、Mn+2、Mg+2、Zn+2、Na+、およびCl−を含む。
【0071】
Ca+2が標的物質である場合、好ましいブロッキング基は、ビス(o-アミノ-フェノキシ)エタン-N,N,N',N'-四酢酸(BAPTA)、エチレングリコール ビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)の酢酸基;エチレンジアミン四酢酸(EDTA);およびTsien、Biochem. 19:2396-2404(1980)に開示されるごときその誘導体を含むが、それらに限定されるものではない。キン2(2-[[2-[ビス(カルボキシメチル)アミノ]-5-メチルフェノキシ]メチル-6メトキシ-8-[ビス(カルボキシメチル)アミノ]キノリン;fura-1、fura-2、fura-3、stil-1、stil-2およびindo-1のごときCa+2および他の二価イオンの他の公知のキレート化剤(Grynkiewiczら、同上、参照)。
【0072】
酵素/基質 具体例についてのごとく、代謝物は、動物内の特定の疾患または疾病と関連できる。例えば、以下に概説されるごとく、BAPTA-DOTA誘導体を用いて、アルツハイマー病および他の神経疾患を診断できる。
【0073】
好ましい具体例において、該ブロッキング基は、細胞表面受容体についての配位子であり、または細胞外成分について親和性を有する配位子である。この具体例において、生理学的薬剤具体例についてのごとく、標的物質の不存在下にて、該配位子は金属イオンについて十分な親和性を有して、水分子の迅速な交換を防止する。あるいは、本明細書にきさいのごとく、位置に配位子を「ロッキング」のR基であり得、その結果、配位子に寄与するかまたは配位子が配位部位バリアーとして機能するかのいずれかである。この具体例において、配位子ブロッキング基は、金属イオンより標的物質についてより高い親和性を有する。従って、標的物質の存在下にて、配位子ブロッキング基は標的物質と相互作用し、かくして金属イオン錯体における少なくとも一つの配位部位を自由し、迅速な水の交換および緩和度の増大を可能とする。この具体例において、この結果、標的の局在にて、例えば細胞表面にてMRI剤が蓄積する。これは、同様に、該ブロッキング基が酵素阻害剤である状態と同様であり得る。
【0074】
好ましい具体例において、該ブロッキング基は光切断可能基である。すなわち、ある種の波長の光に対する曝露に際して、該ブロッキング基が切断され、錯体の少なくとも一つの配位部位における水の交換速度を増大できる。この具体例は、特定の細胞の死滅に続く能力が望ましい発生生物学分野(細胞系統、神経発生等)において特定の使用を有する。適当な光切断可能基は、光に対する曝露に際して切断する「ケージド(caged)」試薬と同様である。特に好ましいクラスの光切断可能基は、O−ニトロベンジル化合物であり、それは、エーテル、チオエーテル、(リン酸エステルを含めた)エステル、アミンを介してブロッキング基に合成的に組込まれ、ヘテロ原子(特に 酸素、窒素または硫黄)に同様に結合する。非常に様々な適当な光切断可能基は、同上のMolecular Probes Catalogに概説される。
【0075】
好ましい具体例において、該化合物は、構造18において下記に示された構造を有し、それは、ニトロベンジル光切断可能基を示し、当業者によって認識されるとはいえ、非常に様々な他の基を用いることができる:
【0076】
【化10】
【0077】
構造18は、DOTA−タイプのキレート化剤を示し、当業者によって認識されるとはいえ、他のキレート化剤を同様に用いることもできる。R26は後記されるごときリンカーである。同様に、X2基は前記定義に同じであるが、さらなる構造、例えば、本明細書に概説されるごとき配位部位バリアーを用いることもできる。同様に、当該技術分野において知られるごとき芳香族環の置換基であってもよい。
【0078】
該ブロッキング基自体は、金属イオンの少なくとも一つの配位部位を遮断できまたは占有でき、すなわち、該ブロッキング基の1以上の原子(すなわち、生理学的薬剤、光切断可能基等と相互作用する酵素基質、配位子、基)自体は、配位原子として機能し、または他のブロックは、立体的妨害によって金属イオンに近づく。例えば、実施例において概説されたガラクトース ブロッキング基の1以上の原子は、Gd(III)金属イオンについての直接的配位原子であり得るらしい。同様に、プロテアーゼ標的についてのペプチドベースのブロッキング基は、配位原子に寄与できる。
【0079】
別法の具体例において、該ブロッキング基は、標的物質との相互作用に際して脱会合を可能とするような方法において錯体に共有的に束縛する「配位部位バリアー」をさらに含む。例えば、それは、1以上の酵素基質ブロッキング基によって束縛できる。この具体例において、配位部位バリアーは、標的酵素物質の不存在下にて金属イオンの少なくとも一つの配位部位を遮断し、または占有する。配位部位は、配位原子が該ブロッキング基の官能部分、すなわち、標的物質と相互作用する該ブロッキング基の成分によって供給されない場合に用いられる。該ブロッキング基または酵素基質のごとき基は、つなぎ鎖として機能し、金属イオン錯体に配位部位バリアーを共有結合させる。酵素標的の存在下にて、該酵素は、基質内または金属イオン錯体に対する結合点にて1以上の酵素基質を切断し、かくして配位部位バリアーを自由にする。該配位部位または部位は、もはや遮断されず、バルク水は、金属イオンの配位部位にての迅速な交換に自由であり、かくして、画像を増強する。当業者によって認められるごとく、同様の結果は、他のタイプのブロッキング基で達成できる。
【0080】
一の具体例において、該配位部位バリアーは、図1に示すごとく、一端にて金属イオン錯体と結合する。酵素標的が基質ブロッキング基を切断する場合に、該配位部位バリアーは解放される。もう一つの具体例において、該配位部位バリアーは、2つの結合についての図2において示すごとく、1を超え基質ブロッキング基で金属イオン錯体に結合する。該酵素標的は、一側のみを切断させ、かくして、配位部位バリアーを除去し、配位部位にて水の交換を可能とできるが、金属イオン錯体に結合した配位部位バリアーを残すことができる。別法として、該酵素は、金属イオン錯体から完全に配位部位バリアーを切断できる。
【0081】
好ましい具体例において、該配位部位バリアーは、金属イオンの少なくとも一つの配位部位を占有する。すなわち、該配位部位バリアー金属イオンについて少なくとも一つの配位原子として機能する少なくとも一つの原子を含む。この具体例において、該配位部位バリアーは、アルキルピリジン、アルキルピロリン、アルキルピロリジンおよびアルキルピロールまたはカルボキシルまたはカルボニル基を含めた、前記定義のごときアルキルアミン基のごときヘテロアルキル基であり得る。また、配位原子に寄与しない一部の配位部位バリアーは、リンカー基と考えられる。好ましい配位部位バリアーを図2に示す。
別法の具体例において、該配位部位バリアーは、配位部位に直接的に占有しないが、代わりに立体的に部位を遮断する。この具体例において、該配位部位バリアーは、前記定義のごときアルキルまたは置換基、またはペプチド、蛋白質、核酸等の他の基であり得る。
【0082】
この具体例において、該配位部位バリアーは、図2に示すごとく、好ましくは、2つの酵素基質を介して金属イオン錯体の反対側に結合し、金属イオン錯体の配位部位または部位を超えて配位部位バリアーを有効に「伸ばす」。
【0083】
いくつかの具体例において、該配位部位バリアーは、以下に定義するごとく、一側の酵素基質を介して伸び、他方の金属イオン錯体およびリンカー基に共有結合できる。別法の具体例において、該配位部位バリアーは、一側の単一酵素基質を介して結合し;すなわち、金属イオンについての配位部位バリアーの親和性は、水のものより高く、かくして、配位部位バリアーおよび酵素基質を含む該ブロッキング基は、標的酵素の不存在下にて利用可能な配位部位を遮断しまたは占有するであろう。
【0084】
いくつかの具体例において、本発明の金属イオン錯体は、単一の会合したまたは結合したブロッキング基を有する。かかる具体例において、該単一のブロッキング基は、少なくとも一つの配位部位において水分子の交換を妨げる。あるいは、以下に概説されるごとく、単一なブロッキング基は、1を超える配位部位または異なるキレート化剤の配位部位において水分子の交換を妨げることができる。
【0085】
別法の具体例において、2以上のブロッキング基は、単一な金属イオン錯体と会合して、少なくとも1以上の配位部位にて水の交換を妨げる。
【0086】
本発明のブロッキング基は、リンカー基ならびに官能ブロッキング基をさらに含み得ることは認められている。すなわち、ブロッキング基は、リンカー基および/または配位部位バリアーと組合せて官能ブロッキング基を含み得る。
【0087】
リンカー基(時折、本明細書でR26として示す)を用いて、金属イオン錯体の立体的考察を最適化する。すなわち、該ブロッキング基と金属イオンとの相互作用しを最適化するために、リンカーを導入して、官能ブロッキング基が配位部位を遮断しまたは占有するのを可能とできる。一般的に、該リンカー基を選択して、構造の柔軟性の程度を可能とする。例えば、ブロッキング基は、生理学的薬剤と相互作用した結果、該ブロッキング基が錯体から切断せず、少なくとも一つの配位部位にて水の交換を増大するように、該リンカーが錯体に対する該ブロッキング基のいくつかのモーメントを可能にしなければならない。
【0088】
一般的に、安定なリンカー基は、置換アルキルおよびアリール基ならびにヘテロアルキル(特にオキソ基)を含めたアルキルおよびアリール基、ならびに前記定義のごときアルキルアミン基を含めたヘテロアリール基を含むが、それらに限定されるものではない。 好ましいリンカー基は、p-アミノベンジル、置換p-アミノベンジル、ジフェニルおよび置換ジフェニル、ベンジルフランのごときアルキルフラン、長さが1ないし10個の炭素のカルボキシおよび直鎖アルキル基を含む。特に 好ましいリンカーは、p-アミノベンジル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、酢酸、プロピオン酸、アミノブチル、p-アルキルフェノール、4−アルキルイミダゾールを含む。リンカー基の選択は、よく知られた分子モデリング技術を用いて一般的になして、金属イオンの配位部位または部位の障害を最適化する。さらに、実施例に概説されるごとく、このリンカーの長さは、最適な結果を達成するために非常に重要であり得る。図11に示すごとく、リンカーの長さ、すなわち、該キレート化剤および該ブロッキング基の配位原子(配位原子団)間の空間は、配位原子と金属イオンとの立体配置および会合に寄与し、かくして、該ブロッキング基による金属イオンの優れた遮断を可能とする。
【0089】
該ブロッキング基は、様々な方法で金属イオン錯体に結合する。好ましい具体例において、上記のごとく、該ブロッキング基は、リンカー基を介して金属イオン錯体と結合する。あるいは、該ブロッキング基は、金属イオン錯体と直接的に結合し;例えば、以下に概説されるごとく、該ブロッキング基は、該キレート化剤の置換基であり得る。
【0090】
好ましい具体例において該キレート化剤の「腕」に結合した少なくとも一つのR基、例えば、DOTA構造のR9、R10XR1またはR12、またはDTPA構造のR13、R14、R17、R20またはR21は、(置換およびヘテロアルキル基を含めた)アルキルまたは(置換およびヘテロアリール基を含めた)アリールを含み、すなわち、水素より立体に大きい基である。これは、標準的なMRIコントラスト剤について知られるごとく、腕の配位原子を位置に「ロッキングする」方へ平衡を駆動するのに特に有用である。好ましい基は、C1ないしC6のアルキル基を含み、メチルが特に好ましい。
【0091】
これは、該ブロッキング基が、一つの「腕」を介して結合する場合、例えば、ブロッキング基がX1ないしX4(構造6)、位置S、T、UまたはV(構造8)または構造16の位置H、I、JまたはKである場合に、特に好ましい。
【0092】
しかしながら、あまりにも多くの基の含有は、実施例3に示すごとく、他の方向において平衡を駆動し、 配位原子を位置の外に有効に「ロッキングする」ことができる。従って、好ましい具体例において、他の方法を用いて結合の方へ平衡を駆動する限りは、これらの位置の1つまたは2つだけが非-水素基である。
【0093】
該ブロッキング基は、様々なパラメーターを用いて選択し、設計される。配位部位バリアーを用いる具体例において、すなわち、該ブロッキング基の官能基が配位原子を提供せず;および配位部位バリアーが2側で固定され、獲得された場合に、それが位置に束縛されるために、金属イオン錯体についての該ブロッキング基の配位部位バリアーの親和性が大きいことは必要ではない。すなわち、この具体例において該錯体は、標的物質の不存在下にて「オフ」である。しかしながら、該ブロッキング基が該ブロッキング基のいくつかの回転または柔軟性を可能とするように錯体と結合する、例えば、実施例のガラクトース具体例のごとき一側のみに結合する場合において、該ブロッキング基は、その時間の大部分それが配位部位を占有するように設計されるべきである。かくして、例えば、実施例1のガラクトース-DOTA構造は、β-ガラクトシダーゼの存在下にてシグナルをおよそ20%増大を与え、かくして、ガラクトース ブロッキング基が、配位部位をブロックしまたは占有することと、溶液において自由に回転することとの間の平衡にある。しかしながら、本明細書に記載され、実施例3に示されるごとく、これらの薬剤は、キレート化剤のカルボン酸「腕」のR基を用いて「ロック」されて、その基の回転の自由を低下させ、かくして、標的の存在下にて「オフ」位置に平衡を有効に駆動する結果、かくして、シグナルの大きなパーセンテージを増加させる。
【0094】
図1に示すごとく、該ブロッキング基が2側で束縛される場合に、ブロッキング基および配位部位バリアーを選択して、該ブロッキング基が錯体と十分に会合するのを可能とする3つの基本的相互作用を最大化し、錯体の少なくとも一つの配位部位における迅速な水の交換を妨げると理解されるべきである。第一に、該ブロッキング基が錯体と会合するのを可能とするための該ブロッキング基および該金属イオン間の静電的相互作用があり得る。第二に、ファン・デア・ワールスおよび双極子間相互作用があり得る。第三に、配位子相互作用があり得、すなわち、該ブロッキング基の1以上の官能価は、金属についての配位原子として機能する。さらに、リンカー基を選択して、ある種の立体配置にさせ、または有利にさせて会合したブロッキング基の方へ平衡を駆動できる。同様に、分子における自由度を除くことは、特定の立体配置を優勢とさせことができる。かくして、例えば、該ブロッキング基がW、X、YまたはZにて結合する場合に、構造7のR9ないしR12に同等な位置にてのアルキル基、特にメチル基の添加は、該ブロッキング基がブロッキング位置を好むようにできる。同様な制限は、当業者によって認められるごとく、他の具体例において作成できる。
【0095】
さらにまた、金属イオンより下への該ブロッキング基の有効な「束縛」は、後記のごとく、該キレート化剤錯体に対する該ブロッキング基の親和性を増大させるであろう他の非-共有相互作用において実行できる。
【0096】
潜在的なブロッキング基を容易に試験して、それらが機能的であるか;すなわち、それらが錯体の適当な配位部位または部位を十分に占有し、または遮断して、迅速な水の交換を防止するかをみることができる。かくして、例えば、錯体は、潜在的なブロッキング基で作成され、次いで画像実験なくして該キレート化剤と比較される。一旦、該ブロッキング基が十分な「ブロッカー」であることが示されれば、該標的物質を添加して実験を繰り返して、標的物質との相互作用が水の交換を増大させ、かくして画像を増強することを示す。
【0097】
かくして、上記に概説されるごとく、本発明の該金属イオン錯体は、キレート化剤および少なくとも一つのブロッキング基に結合した常磁性金属イオンを含む。 好ましい具体例において、該金属イオン錯体は、以下の構造6に示される式を有する:
【0098】
【化11】
【0099】
構造6において、Mは、Gd(III)、Fe(III)、Mn(II)、Yt(III)、Cr(III)およびDy(III)よりなる群から選択される常磁性金属イオンである。A、B、CおよびDは単結合または二重結合のいずれかである。R1ないしR12基は、置換アルキルおよびアリール基、リン基または上記のごときブロッキング基を含めた前記定義のごときアルキルまたはアリール基である。X1ないしX4は、-OH、-COO-、-(CH2)nOH(-CH2OHが好ましい)、-(CH2)nCOO-(CH2COO-が好ましい)またはブロッキング基である。nは1ないし10であり、1ないし5が好ましい。少なくとも一つのR1ないしR12およびX1ないしX4はブロッキング基である。
【0100】
構造6は、以下に示した構造7および8を含む:
【0101】
【化12】
【0102】
この具体例において、W、X、YおよびZは、Xについての前記定義に同じであり、少なくとも一つのR1ないしR12基はブロッキング基である。
【0103】
DOTAに適用されるごとく、DOTA環の4つの窒素ならびにW、X、YおよびZ基は、常磁性金属イオンにつき8つの配位原子を供する。第九配位原子は、R1ないしR12位のうち一つにて、置換されるブロッキング基によって供される。好ましい具体例において、他のR基は、水素またはメチルのいずれかであり;特に好ましい具体例において、該キレート化剤は、DOTA環の単一メチル基を有するGd-MCTAである(Meyerら、Invest. Radiol. 25:S53(1990)参照)。
【0104】
別法の具体例において、該金属イオン錯体は、構造8に示した式を有する:
【0105】
【化13】
【0106】
この具体例において、S、T、UおよびVは、-OH、-COO-、-(CH2)nOH(-CH2OHが好ましい)、-(CH2)nCOO-(CH2COO-が好ましい)またはブロッキング基である。この具体例において、DOTA環の4つの窒素およびS、T、UまたはV基のうち3つは、常磁性金属イオンについて7つの配位原子を供する。残る配位原子は、S、T、UまたはV位のうち1つにて置換されるブロッキング基によって供される。あるいは、該配位部位は、S、T、UまたはV基によって供されたまたはS、T、UもしくはV構造によって遮断されたまたは両者の配位原子のいずれかによって満たされる。さらに、構造8は、A、B、CおよびD結合を示さないが、他の具体例についてのごとく、これらの結合は、単結合または二重結合のいずれかである。
【0107】
DOTAに適用のごとく、DOTA環の4つの窒素および(一般的に)3つのS、TおよびU基は、Gd(III)常磁性金属イオンにつき7つの配位原子を供する。第八および第九配位原子は、S、T、UおよびV位のうち一つにて置換されるブロッキング基によって供される。上記のごとく、他のR基は、好ましくは水素またはメチルのいずれかであり、Gd-MCTAが特に好ましい。
【0108】
本明細書に示した構造において、A、B、CまたはDのうちのいずれかまたはすべては、単結合または二重結合である。1以上のこれらの結合が二重結合である場合、二重結合の炭素に結合した単一の置換基だけであり得ると考えるべきでる。例えば、Aが二重結合である場合、各炭素に結合した単一R1および単一R2基のみがあり得;好ましい具体例において、後記のごとく、R1およびR2基は水素である。好ましい具体例において、Aは単結合であって、各炭素に2つのR1基および2つのR2基を有することができる。好ましい具体例において、これらの基は、単一のブロッキング基を除いてすべて水素であるが、別法の具体例は、同一または異なり得る2つのR基を利用する。すなわち、R1位において結合した水素およびブロッキング基、およびR2位における2つの水素、2つのアルキル基または水素およびアルキル基があり得る。
【0109】
X1-X4(構造6)S、T、U、V(構造8)またはW、X、YおよびZ(構造7)基の正確な組成物は、金属イオンの存在に依存すると考えるべきである。すなわち、金属イオンの不存在下にて、その基は、-OH、-COOH、(CH2)nOHまたは(CH2)nCOOHであり得;しかしながら、金属が存在する場合、その基は-OH、-COO-、-(CH2)nO-または(CH2)nCOO-である。
【0110】
好ましい具体例において、該組成物は、構造9に示される式を有する:
【0111】
【化14】
【0112】
この具体例において、金属イオン錯体に結合した単一のブロッキング基がある。すなわち、R基の1つを除くすべてが水素である。該ブロッキング基は、いずれのR位でもあり得ると認められるべきである。
【0113】
好ましい具体例において、磁気共鳴造影剤を用いて、Ca+2イオンを検出し、それは構造10に示す構造を有する:
【0114】
【化15】
【0115】
この具体例において、いずれのフラ−タイプのCa+2 配位子を置換できるが、該ブロッキング基は、リンカーおよびBAPTA分子を含む。理論によって結合されることなくして、Ca+2の不存在下にて、BAPTA基の1つのカルボキシ基を機能させて、配位原子を提供するらしい。しかしながら、Ca+2の存在下にて、カルボキシ基は、Ca+2とキレート化し、かくして配位基としてり用できなく、かくして迅速な水の交換を可能とする。好ましくは、該金属イオンは、Gd(III)であり、該R基はすべて水素であって、W、X、YおよびZ基はカルボキシである。
【0116】
一の具体例において、BAPTA分子のカルボン酸基は、アセテート保護基で保護できる結果、次いで膜を通過する中性分子を生じる。一度、細胞の内側にて、細胞内エステラーゼがアセテート保護基を切断でき、Ca+2の検出を可能とする。Liら、Tetrahedron 53(35):12017-12040(1997)参照。
【0117】
好ましい具体例において、該組成物は、構造11に示した式を有する:
【0118】
【化16】
【0119】
この具体例において、金属イオン錯体に結合した単一ブロッキング基がある。該ブロッキング基は、いずれのS、T、UまたはV位でもあり得ると認められるべきである。同様に、単一のブロッキング基は、DTPAに結合できる。
【0120】
好ましい具体例において、該磁気共鳴造影コントラスト剤は、構造12に示した式を有する:
【0121】
【化17】
【0122】
この具体例において、該ブロッキング基は、ラクトースまたはβ-ガラクトシダーゼによって認識されるように、β(1、4)結合を介して錯体と結合したリンカーおよび炭水化物を含む。理論によって拘束されることなくして、β-ガラクトシダーゼの不存在にて、該錯体における低下した水の交換があるように、ガラクトース基は配位原子を提供するらしい。β-ガラクトシダーゼに対する曝露に際して、該炭水化物ブロッキング基は切断し、配位原子を除き、迅速な水の交換を可能とする。好ましくは、該R基は水素であって、W、X、YおよびZ基はカルボキシである。
【0123】
もう一つの具体例において、該金属イオン錯体は構造13に示した式を有する:
【0124】
【化18】
【0125】
この具体例において、R22、R23およびR24は、ブロッキング基を含み、R23はまた機能して配位原子を寄与する配位部位バリアーである。R22およびR24基は、R1ないしR12位のいずれかにて結合できると理解されるべきである。好ましいR23基は、配位原子、ブロッキング基を供する上記にリストされた化合物および図2に示されたものを含むが、それらに限定されるものではない。また、R22およびR24は、前記定義のごときおよび以下の構造14に示すごときリンカーを含み得る。好ましいR22およびR24基は、炭水化物およびペプチドのごとき酵素に対する曝露に際して切断する酵素基質を含む。従って、該標的物質がβ-ガラクトシダーゼのごときカルボヒドラーゼである場合に、該組成物は、構造14に示した式を有する:
【0126】
【化19】
【0127】
この具体例において、該ブロッキング基は、2つのリンカー、2つの炭水化物および配位部位バリアーを含む。該炭水化物は、ラクトースまたはβ-ガラクトシダーゼによって認識されるように、β(1、4)結合のごときカルボヒドラーゼによって認識される結合を介して該錯体に結合する。該R22基は、錯体における迅速な水の交換がないように、カルボヒドラーゼの不存在下にて配位原子を供する。β-ガラクトシダーゼのごときカルボヒドラーゼに対する曝露に際して、1または双方の炭水化物 ブロッキング基は切断し、配位原子を取り去り、迅速な水の交換を可能とする。好ましくは、該R基は水素であって、W、X、YおよびZ基はカルボキシである。あるいは、該ブロッキング基は、プロテアーゼ 標的物質についてペプチドを含むことができた。
【0128】
構造14における炭水化物の位置において、別法の具体例は、ペプチドを利用する。すなわち、2ないし5つのアミノ酸またはアナログを含むペプチドは、錯体の一側から他方へ伸ばすことができ、リンカー基は、用いても用いなくてもよい。 同様に、核酸は、用いることができる。
【0129】
別法として、両端にて共有結合がない。また、上述のごとく、金属イオンの下方へ該ブロッキング基の有効な「束縛すること」は、該キレート化剤錯体に対する該ブロッキング基の親和性を増大させるために機能するであろう他の非-共有相互作用において行われ得る。かくして、例えば、静電的相互作用は、構造15にDOTA誘導体につき一般的に後記されるごときに用いることができる:
【0130】
【化20】
【0131】
構造15において、該ブロッキング基/配位部位バリアーは、いずれの位置でも利用できるが、X3位を占有する。E1およびE2および静電的基は、反対電荷を運ぶ。構造15において、E2基は、いずれの位置も用いうるが、R8位に示される。
【0132】
さらなる具体例は、構造16に示した式を有する金属イオン錯体を利用する:
【0133】
【化21】
【0134】
上記のごとく、H、I、J、KおよびL基の正確な組成物は、金属イオンの存在に依存すると理解されるべきである。すなわち、金属イオンの不存在下にて、H、I、J、KおよびLは-OH、-COOH、-(CH2)nOHまたは(CH2)nCOOHであり;しかしながら、金属が存在する場合、該基は、-OH、-COO-、-(CH2)nOHまたは(CH2)nCOO-である。
【0135】
この具体例において、R13ないしR21は、置換およびヘテロ誘導体を含めたアルキルまたはアリール、リン基またはブロッキング基であり、すべてが前記定義のごときである。好ましい具体例において、R12ないしR21は水素である。R13−R21、H、I、J、KまたはLのうち少なくとも一つは、前記定義のごときブロッキング基である。
【0136】
好ましい具体例において、本発明のMRIコントラスト剤は、シグナルが増大するように、1を超える金属イオンを含む。以下に概説されるごとく、これは、多数の方法でなされ得、それらのいくつかを図10に示す。
【0137】
好ましい具体例において、本発明のMRI剤は、各々、キレート化剤およびブロッキング基を持つ少なくとも2つの常磁性金属イオンを含み;すなわち、多重結合のMRI剤を作成する。好ましい具体例において、該キレート化剤は、直接的にまたはカップリング基またはポリマーのごときリンカーの使用を通してのいずれかで共に結合する。例えば、該キレート化剤に対する化学結合につき官能基として機能する置換基を用いて、他のキレート化剤に対する結合は達成できる。また、当業者によって認められるごとく、1を超えるMRI剤は、一般的に好ましくないが、該ブロッキング基(または配位部位バリアー等)を介してなし得る。
【0138】
好ましい具体例において、本発明の該キレート化剤は、化学結合について官能基として機能する1以上の置換基を含む。適当な官能基は、アミン(好ましくは 第一アミン)、カルボキシ基を含み、それらに限定されるものではなく、(SPDP、アルキルおよびアリールハライド、マレイミド、α−ハロアセチルおよびピリジルジスルフィドを含めた)チオールは結合を可能とする官能基として有用である。
【0139】
一の具体例において、該キレート化剤は、各キレート化剤の少なくとも一つの官能基を用いて直接的に一緒に結合する。これは、当該技術分野においてよく知られるいずれの数の、ホモ二官能基およびヘテロ二官能基リンカーを含めた安定な二官能基を用いても達成できる(Pierce CatalogおよびHandbook、1994、T155-T200頁((ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)参照)。この結果、例えば、官能基として第一アミンを含み、第二には、官能基としてカルボキシ基を含み、カルボジイミドを薬剤として用いて求核性のアミンによって結合するためにカルボシキを活性化する場合に、一つのキレート化剤は、直接的に結合する(Torchilinら、Critical Rev. Therapeutic Drug Carrier Systems. 7(4):275-308(1991)参照)。別法として、当業者によって認められるごとく、いくつかの二官能性リンカーの使用の結果、短いカップリング基が構造に存在する。「カップリング基」は、2個以上の原子団を共有結合できる。この具体例において、カップリング基の一端または一部は、第一MRI コントラスト剤に結合し、他は第二MRI剤に結合する。カップリング基の官能基は、一般的に (ヘテロアルキルおよびアリールおよび置換誘導体を含めた)アルキルまたはアリール基のごときさらなる原子に結合して、カップリング基を形成する。また、オキソリンカーは好ましい。当業者によって認められるごとく、広範囲のカップリング基は可能であり、分子を合成する能力および官能基の反応性によって一般的に限定されるのみである。一般的に、カップリング基は、合成的要求のために少なくとも一つの炭素原子を含み;しかしながら、いくつかの具体例において、該カップリング基は、まさに官能基を含み得る。
【0140】
好ましい具体例において、該カップリング基は、スペサーとしてさらなる原子を含む。当業者によって認められるごとく、非常に様々な基を用いることができる。例えば、カップリング基は、1以上の官能基で置換したアルキルまたはアリール基を含み得る。かくして、一の具体例において、後記のごときポリマー具体例と同様に、多数のMRIコントラスト剤の結合について複数の官能基を含むカップリング基を用いることができる。例えば、多数の官能基を含む分岐したアルキル基は、いくつかの具体例において望ましい。
【0141】
さらなる具体例において、該リンカーはポリマーである。この具体例において、本発明の少なくとも一つのMRIコントラスト剤を含むポリマーを用いる。当業者によって認められるごとく、これらのMRIコントラスト剤は、モノマー(すなわち、一つの金属イオン、一つのキレート化剤、一つのブロッキング基)または一般的に後記されるごとき二重(すなわち、 2つの金属イオン、2つのキレート化剤、1つのブロッキング基)であり得る。好ましい具体例は、ポリマー当り複数のMRI剤を利用する。ポリマー当りのMRI剤数は単位長さ当りのMRI剤の密度およびポリマーの長さに依存するであろう。
【0142】
ポリマーの特性は変更するが、重要なことはポリマーが本発明のMRIコントラスト剤の結合のための官能基を含むかまたは含むために修飾できることである。適当なポリマーは、官能化されたデキストラン、スチレンポリマー、ポリエチレンおよび誘導体、限定されるものではないが、ヘパリン、ポリガラクツロン酸、ムチン、核酸のポリマーを含めたポリアニオンおよび修飾リボース-リン酸骨格で修飾されたものを含めたそれらのアナログ、ポリペプチド ポリグルタメートおよびポリアスパルテート、ならびに合成ポリマーのカルボン酸、リン酸およびスルホン酸誘導体;限定されるものではないが、アクリルアミドおよび2-アクリルアミド-2-メチルプロパントリメチルアミンに基づく合成ポリカチオン、ポリ(N-エチル-4-ビニルピリジン)または同様な第四級化されたポリピリジン、ジエチルアミノエチルポリマーおよびデキストラン抱合体、硫酸ポリミキシンB、リポポリアミン、強いポリカチオン ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド)のごときポリ(アリルアミン)、ポリエチレンイミン、ポリブレン、スペルミン、スペルミジンおよびプロタミン、ヒストンポリペプチド、ポリリジン、ポリアルギニンおよびポリオルニチンのごときポリペプチド;およびこれらの混合物および誘導体を含む。特に 好ましいポリカチオンは、ポリリシンおよびスペルミジンであり、前者が特に好ましい。ポリリシンの両光学異性体を用いることができる。D異性体は、細胞プロテアーゼに長時間耐性を有する利点を有する。L異性体は、対象からより迅速になくなる利点を有する。当業者によって認められるごとく、線形および分岐したポリマーを用いることもできる。
【0143】
好ましいポリマーは、高いpHにてリジン側鎖の-NH2基が活性化された複数の結合につき強い求核分子として機能するためにポリリシンである。高いpHにて、リジンモノマーは、平均5-20% モノマー置換の収率の条件下でMRI剤にカップリングする。
【0144】
いくつかの具体例において、特に帯電したポリマーが用いられる場合、第一ポリマーと静電的に会合した第一と反対に帯電してポリマー-MRI剤錯体の全荷電を低下させる第二ポリマーがある。この第二ポリマーは、MRI剤を含んでも含まなくてもよい。
【0145】
ポリマーの大きさは、実質的に変更できる。例えば、いくつかの核酸ベクターが長さ100キロベースまでの遺伝子を送達し、人工的染色体(メガベース)は酵母に送達された。従って、ポリマーに対して一般的なサイズ限定はない。しかしながら、ポリマーについての好ましいサイズは、約10ないし約50,000 モノマー単位であり、約2000ないし約5000がとりわけ好ましく、および約3ないし約25が特に好ましい。
【0146】
本発明の多重結合のMRI剤は、上記にリストしたものを含めて様々な方法で作成できると理解されるべきである。重要なことは、結合方法が薬剤の機能性をかなり変更しなく;すなわち、該薬剤が依然として標的物質の不存在下にて、「オフ」であり、その存在下では「オン」にちがいないことである。
【0147】
好ましい具体例において、本発明のMRIコントラスト剤は、「デュプレックス」である。この具体例において、該MRIデュプレックスは、各々、常磁性金属イオンおよび各キレート化剤の少なくとも一つの配位部位において水の交換を制限する少なくとも一つのブロッキング基を持つ2つのキレート化剤を含む。この方法において、シグナル増幅の分類が生じ、2つの金属イオンが単一標的分子とのシグナルを増大させる。「デュプレックス」は、2つのキレート化剤を意味するが、1を超える金属イオン/キレート化剤錯体に配位原子を与える単一のブロッキング基を含む錯体をいうことを意図する。当業者によって認められるごとく、この具体例のMRI剤は、図10に一般的に示すごとき多数の異なる立体配置を有し得る。当業者によって認められるごとく、図のR26、R27およびR28は、本明細書に記載されたいずれの位置、いずれのR基またはX1-X4、S、T、U、V、W、X、YまたはZ基にも結合できる。
【0148】
上記に概説されるごとく、該MRIデュプレックス基は、直接的な結合またはポリマーへの結合を介してのいずれによっても、より高いマルチマーに結合できる。
【0149】
好ましい具体例において、該ブロッキング基は、該キレート化剤およびBAPTA誘導体間にプロピル結合基を持つ、構造17に一般的に後記されるごときBAPTAである:
【0150】
【化22】
【0151】
当業者によって認められるごとく、構造17に示した構造は変更でき、例えば、構造19に一般的に後記されるごとく、シクロアルキル基でBAPTA誘導体のフェニル基を置換し、次いでそれらを完全に取り去ることもできる:
【0152】
【化23】
【0153】
また、上記のごとく、BAPTA分子のカルボン酸は、アセテート保護を用いて保護して、細胞内に入れるために中性分子とし、次いで細胞内エステラーゼによる切断を介して再活性化できる。
【0154】
さらに、構造17および19は、BAPTAの橋の酸素間にエチレン基を有するために、メチレンおよびプロピレンは、これらの置換誘導体と同じく、用いることもできる。
【0155】
好ましい具体例において、A、B、CおよびDは単結合であり、R1-R12は水素であって、各R26はCH2基が大環状に結合する-CH2O-である。
【0156】
さらに、本発明の錯体および金属イオン錯体は、1以上の標的基をさらに含むこともできる。すなわち、好ましい具体例において、ターゲティング基が配位原子を置換しないために、ターゲティング基はいずれのR位にても(またはポリマーを含めたリンカーもしくはブロッキング基等に)結合できる。本明細書の「ターゲティング基」とは、 特定の位置または会合へ錯体を目標とし、指示するために機能する官能基を意味する。かくして、例えば、抗体、細胞表面受容体配位子およびホルモン、脂質、糖およびデキストラン、アルコール、胆汁酸、脂肪酸、アミノ酸およびペプチドは、特定の部位にコントラスト剤を局在化させ、または標的とするためにすべて結合できる。
【0157】
好ましい具体例において、本発明の金属イオン錯体は、水溶性または水溶液に可溶である。本明細書の「水溶液に可溶」とは、該MRI剤が水溶液ならびに他の生理学的な緩衝液および溶液において適当な溶解度を有することを意味する。溶解度は、様々な方法で測定できる。一の具体例において、溶解度は、米国局方溶解度分類を用いて測定でき、金属イオン錯体が(1部の溶質につき1部未満の溶媒を必要とする)極めて溶けやすい、(1部の溶質当り1ないし10部の溶媒を必要とする)溶けやすい、(1部の溶質当り30ないし100部の溶媒を必要とする)やや溶けにくい、(1部の溶質当り100−1000部の溶媒を必要とする) 溶けにくいである。
【0158】
特定の金属イオン錯体が水溶液に可溶であるかを試験することは当業者によって認められるごときルーチンである。例えば、単一部のMRI剤を可溶化するのに必要とされる溶媒の部を測定でき、またはgm/mlで表される溶解度を決定できる。
【0159】
本発明の錯体は、よく知られた技術を用いて一般的に合成される。例えば、Moiら、同上;Tsienら、同上;Borchら、J. Am. Chem. Soc.、p2987(1971);Alexおよびer、(1995)、同上;Jackels(1990)、同上、米国特許第5,155,215号、第5,087,440号、第5,219,553号、第5,188,816号、第4,885,363号、第5,358,704号、第5,262,532号;Meyerら、(1990)、同上、Moiら、(1988)およびMcMurrayら、Bioconjugate Chem. 3(2):108117(1992))参照。
【0160】
DOTA誘導体では、合成は、cyclen環骨格の窒素置換または炭素置換が望ましいかに依存する。窒素置換では、その実施例のガラクトース-DOTA構造によって例示されるごとく、合成は当該技術分野においてよく知られるごときcyclenまたはcyclen誘導体で開始される。例えば、米国特許第4,885,363号および第5,358,704号参照。図3および図4は、ガラクトース-DOTA誘導体によって例示されるごとき窒素置換を示す。
【0161】
炭素置換では、その実施例のBAPTA-DOTA構造によって例示されるごとく、よく知られるた技術を用いる。例えば、Moiら、同上およびGansow、同上、参照。図5および図6は、BAPTA-DOTAタイプの誘導体によって例示されるごとき炭素置換を示す。
【0162】
本発明のコントラスト剤は、当該技術分野においてよく知られるごとき適当な金属イオンと錯体化する。本明細書に示した構造は金属イオンを含むが、本発明のコントラスト剤は金属イオンを初期に存在させるのを必要としないと理解されるべきである。金属イオンは、オキシドの形態において、またはハライドの形態において水に添加し、当モル量のコントラスト剤 組成物で処理できる。該コントラスト剤は、水溶液または懸濁剤として添加できる。希酸または塩基は、中性pHを維持するのに必要ならば添加できる。100℃と同様に高い温度での加熱が必要である。
【0163】
本発明の錯体は、例えばHPLCシステムを用いて単離し精製できる。
また、コントラスト剤の医薬上許容される塩を含む医薬組成物は、錯体を中性化する塩基を用いて調製できるが、それらは依然として溶液にある。いくつかの錯体は、形式上帯電しておらず、対イオンを必要としない。
【0164】
一度合成されたならば、本発明の金属イオン錯体は、磁気共鳴造影コントラスト剤または増強剤として使用した。特に、本発明の機能性MRI剤は、いくつかの重要な使用を有する。第一には、以下に概説されるごとく、それらを用いて脳の疾患状態を診断できる。第二には、それらは、心筋梗塞−対−虚血のリアルタイム検出および区別に用いることもできる。第三には、in vivoにて、すなわち、完全な生物において、腫瘍の局在につき抗原および免疫細胞化学の研究に用いることもできる。第四には、毒物および薬物の結合部位の同定および局在において用いることもできる。さらに、それらを用いて薬物治療に対する生理的応答の迅速なスクリーニングを行うのに用いることもできる。
【0165】
本発明の金属イオン錯体は、公知のガドリニウムMRI剤に対して同様の方法で用いることもできる。例えば、Meyerら、同上;米国特許第5,155,215号;米国特許第5,087,440号;Margerstadtら、Magn. Reson. Med. 3:808(1986);Rungeら、Radiology 166:835(1988);およびBousquetら、Radiology 166:693(1988)参照。該金属イオン錯体は、当該技術分野において知られるごとく、細胞、組織または患者に投与される。本発明の目的についての「患者」は、実験動物のごとく、ヒトおよび他の動物ならびに生物を含む。かくして、該方法は、ヒト治療および獣医的適用の双方に適用できる。さらに、本発明の金属イオン錯体は、画像組織または細胞に用いることもできる。例えば、Aguayoら、Nature 322:190(1986)参照。
【0166】
一般的に、本発明のコントラスト剤錯体の滅菌水溶液は、0.003ないし1.0モーラーの濃度にて経口、くも膜下および特に静脈内を含めた様々な方法において患者に投与され、体重キログラム当り0.03、0.05、0.1、0.2および0.3の用量が好ましい。用量は画像化されるべき構造に依存できる。同様の錯体についての適当な用量レベルは、米国特許第4,885,363号および第5,358,704号に概説されている。
【0167】
さらに、本発明のコントラスト剤は、特殊化された送達システムを介して送達できる。例えば、リポソーム内(Navon、Magn. Reson. Med. 3:876-880(1986))または異なる器官によって選択的に集めることができるミクロスフェア(米国特許第5,155,215号)参照。
【0168】
いくつかの具体例において、本発明のMRI剤の血中クリアランス時間(または半減期)を増大させることを望ましい。これは、例えば、該キレート化剤に炭水化物ポリマーを添加することによってなされた(米国特許第5,155,215号参照)。かくして、一の具体例は、本発明の組成物の置換R基として多糖類を利用する。
【0169】
好ましい具体例は、当該技術分野において知られるごとき脳-血管関門を通過する錯体を利用する。かくして、当該技術分野において知られるごとく、中性DOTA誘導体を形成するためにアルコールによって置換された1つのカルボン酸を有するDOTA誘導体は、脳-血管関門を通過することが示された。かくして、例えば、中性錯体は、Ca+2イオンを検出するブロッキング基を持ち、脳-血管関門を通過するように設計される。これらの化合物は、アルツハイマー病を含めた様々な神経障害のMRIにおいて用いられる。現在、アルツハイマー病えお正確に診断するのは困難であり、アルツハイマー病を、例えば、うつ病または他の治療可能な臨床症状から区別するための生理学的基礎を有することができるのは有用であろう。
【0170】
以下の実施例は、上記の発明を用いる方法をより十分に記載するため、ならびに本発明の種々の範囲を行うことにつき企図されたベストモードを記載するために供する。これらの実施例は、この発明の真の範囲を決して限定するものではなく、例示的目的につき示すと考えられる。ここに、引用された文献を出典明示して本明細書の一部とみなす。
【0171】
実施例
実施例1
ガラクトース−DOTA誘導体の合成およびキャラクタリゼーション
Do3a-ヒドロキシエチル-ベータ-ガラクトース=ガドリニウム錯体の合成(図4):アセチル保護ブロモ-ガラクトース(Aldrich)をブロモエタノールと反応させた。該アセチルガラクトースの様々な比率のアルファ-およびベータ-エーテルが良い収率で得られた。異性体をシリカゲルクロマトグラフィーを用いて分離し、該アセチル保護基を加水分解し、およびプロトンNMRカップリング定数を既知の化合物と比較することによってそれらの帰属を行った。近年、X線構造がこれらの帰属を確認した(データ示さず)。
【0172】
該ベータ異性体を、該反応をTLCによりモニターしつつ、クロロホルム中で、還流にてcyclenと反応させた。該アセタートの加水分解を、TEA/MCOH/H2Oで一晩達成させ、溶媒を低真空下で除去した。得られた生成物を直接ブロモ酢酸と反応させ、次いで、該pHが一定になるまで、pH10−10.5に維持した。全ての可能性のある生成物は、酢酸アンモニウムバッファー中で様々な電荷を有し、かくして、陰イオン交換クロマトグラフィーによって分離された。酢酸アンモニウム勾配をFPLC陰イオン交換の間中用いて、218nmにて検出しつつ、所望する化合物を溶出させた。80℃にての水中のガドリニウム酸化物を用いて、該金属を該錯体に挿入した。該反応を蛍光分光分析を用いて追跡した。該生成物を、検出に蛍光分光分析を用いるHPLC逆相クロマトグラフィーによって精製し、高分解能質量分析を用いて該構造を確認した。この本質的ワンポット合成の全収率は25%より高かった。
【0173】
アセト-1-エチルブロモ-β-ガラクトースの合成(図3):1-ブロモエタン-2-オールを2,3,4,6-アセト-1-a-ブロモ-ガラクトースと反応させて、アセト-1-エチルブロモ-β-ガラクトースのαおよびβアノマーの混合物(10/90)を68%の収率(8.3g)にて生成した。精製βアノマーをフラッシュクロマトグラフィーを用いて得ることができた。該βアノマーのX線結晶構造により、立体化学的帰属を行った。
【0174】
アセト-1-エチルブロモ-β-ガラクトースをcyclen(Aldrich Chemical Co.)と反応させて、一置換生成物を生成した。該アセタート保護基を切除し、pH10.5にてブロモ酢酸を用いて、該3カルボン酸置換基を付加した。該生成物を、蛍光分光分析によって観察する陰イオン交換高速液体クロマトグラフィー(FPLC)によって、37%の収率にて単離した。Gd3+またはTb3+を該錯体に挿入し、水/アセトニトリル勾配(0−10%)を溶出液として、蛍光を検出(274nm−ex、315nm−em)に用いる逆相HPLC分析C18カラム上での繰返し収集を用いて70%の収率にて精製した。該固体の高分解能質量分析は(M+Na)+に対する親分子イオン与え、それは正しい正確な質量および予想された同位体比を示した。
【0175】
別の合成経路:Do3aメチルエステルを文献の方法によって合成した。Do3aメチルエステルを、当該反応を塩基性pHに維持しつつ、D2O/d4メタノール中で記載されたごとく得られたアセチルガラクトースのベータ-ブロモエチルエーテルと反応させた。該反応をNMRによって追跡した。先ず、該酢酸メチルエステルが開裂し、該糖は、該メタノールを蒸発させることによって判断されたごとく水溶性になった。次に、該メチルエステルを吸収して切断し、最後に、pH10程度にて該糖Do3aの生成に一致するシフトが観察された。
【0176】
Do2a-ヒドロキシエチル-ジ-ベータ-ガラクトースの合成の概要:クロロホルム中において、cyclenと該アセチルガラクトースのベータ-ブロモエチルエーテルとの反応を行った。該反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。図5に示すごとく、該アルファ異性体は一置換のみを与えたが、該ベータ異性体に関して、二置換生成物が得られた。酢酸誘導化された腕を上記一置換化合物に記載したごとく付加し、酸水勾配を用いるFPLC陽イオン交換によって精製した。個々の画分をTLCスポッティングによって検出した。
【0177】
キャラクタリゼーション:該ガラクトピラノースブロック基をGadGalから除去するβ-ガラクトシダーゼの能力をHPLCによって調べた。該切除反応を、該錯体および該ガラクトピラノースのない錯体の明確な保持時間を用いてモニターした。天然のβ-ガラクトシダーゼとのインキュベーションにより、15分の溶出時間で、ガラクトピラノースなしの錯体に対応するピークが出現した。熱不活性化ベータ-ガラクトシダーゼを用いた対照実験において、該ピーク保持時間は一定に保たれた。かくして、該HPLC実験は、天然の酵素によるが、熱処理された酵素にはよらない錯体の酵素的プロセッシングを確認した。
【0178】
該錯体の水交換速度に対する該ガラクトピラノース残渣の存在の効果を、水/重水混合物中でテルビウム(Tb3+)誘導体の蛍光スペクトル(545nm)を測定することによって試験した。キレート化されたときのより強い蛍光信号および長い寿命のため、テルビウムをGdの代りに置換した。該テルビウム錯体の蛍光は、H2Oにより消光されたが、D2Oによっては消光されなかった。この効果は、テルビウムの励起状態はOH振動子とは結合するが、DO振動子とは結合しないために起こる。従って、該蛍光信号の寿命はH2O中よりもD2O中の方が長い。1/寿命−対−H2Oのパーセンテージのプロットは、該錯体と高速交換される水分子の数qの計算を可能にする[Kumarら, Pure and Appl. Chem. 65:515-520 (1993); Lieら, J. Am. Chem. Soc. 117:8123-8138 (1995); Zhangら, Inorg. Chem. 31:5597-5600 (1992)]。ガラクトピラノースの存在下および不存在下のテルビウム錯体のq値は、それぞれ、0.7および1.2であった。従って、分光蛍光分析は、該ガラクトピラノースブロッキング基が水の高速交換を妨げることを確証する。
【0179】
該錯体のT1に対するガラクトピラノースの酵素切除の効果をNMR分光分析を用いて評価した。これらT1値に関連するモル量は緩和度Rである。500MHzでのR値を、錯体プラスガラクトース(1800mMs-1)およびマイナスガラクトース(2400mMs-1)につき測定し、関連する種のProhance(2700mMs-1)のそれと比較した。観察された緩和度における差異は、錯体T1測定から得られた結果に似ている。該分光蛍光分析実験において明示された水交換の増大は、該剤の溶液のT1が酵素的プロセッシングにより減少するべきことを示している。β-ガラクトシダーゼの存在下および不存在下における実測T1値間の20%の差異がこの予想を確証した。2つの異なる濃度にてβ-ガラクトシダーゼに暴露された錯体は、溶液T1において同一であって、顕著な減少を示した。該錯体からのガラクトピラノースの切除に伴い観測されたT1における20%の変化は、蛍光測定で得られた実測水和数qと一致する。熱不活性化酵素と共の錯体の対象溶液は減少を示さず、実際に、T1は若干増大したようであった。MRI顕微鏡を用いて、ガラクトースの存在下および不存在下における錯体のT1の観測差異がMRIコントラスト剤として充分に機能するかどうかを調べた。標準反転回復系列を用いて得た像は、酵素的プロセッシングによって生じたT1変化をMR像中で可視化し得ることを明らかにした(図9)。該錯体を、β-ガラクトシダーゼの有無のいずれかで1.5−1.8mmキャピラリーチューブに入れた。図9に表示された像は、T1媒介コントラストはβ-ガラクトシダーゼの作用により変えられ、該像コントラストに予想される増大をもたらした。
【0180】
実施例2
BAPTA−DTPAおよびBAPTA−DOTA誘導体の合成
BAPTA−DTPAの合成につき、2つの代表的な合成スキームを図7および8に示す。図7(好ましい方法)において、構造Iを公開された手順(Tsienら, 同上)の修飾によって調製し、乾燥メタノール中のNaCNBrH3を用いてヘキサメチレンジアミンと結合させた。用いた反応物の比率は6:1:0.6(ジアミン:BAPTAアルデヒド:NaCNBrH3)であった。該反応を濃HClの添加により停止し、生成物をHPLC(II)によって精製した。この物質を、Gd(III)Cl3またはGd2O3を添加した後まで(上昇させたPH、加熱)BAPTA上に残留した保護基と共に、DTPAのモノ(またはビス)無水物と反応させた。最終生成物をイオン交換HPLCによって精製した。
【0181】
図8において、DTPAのモノ無水物を調製し、ビスアルキルアミン(例えば、NH2(CH2)6(NH2))と反応させた。この物質をイオン交換HPLCで精製し、アルゴンインレットおよび均圧ロート(pressure equalizing funnel)を備え付けた丸底フラスコに入れた。乾燥メタノール中のBAPTAアルデヒドを乾燥メタノール中のアルキルアミン−DTPAの溶液に滴下し、6当量のHCl:MeOHを添加した。該反応混合物をHPLCによって精製し、上記のごとくGd(III)を入れ、該保護基を文献の方法により除去した。
【0182】
実施例3
信号増大のためのR基の使用
実施例1の化合物は、標的する分析物(この場合はβ-ガラクトシダーゼ)に暴露することによりおよそ20%の増大を示した。MRコントラスト促進を増大させるために、本発明者らの意図は、大環状フレームワーク上部にガラクトピラノース単位の位置を安定化することによって、バルク水の該Gd(III)へのアクセスをさらに減少させることにある。テトラアザカルボキシリック大環における分子内動的プロセスを扱ういくつかの研究が、近年、報告された([Kangら, Inorg. Chem, 36:2912 (1993); Aimeら, Inorg. Chem. 36:2095 (1997); Pittetら, J. Am. Chem. Soc. Dalton Trans. 1997, 895-900; Spirletら, J. Am. Chem. Soc. Dalton Trans. 1997, 497-500]を参照。これらの全ては出典明示して本明細書に含まれる)。この研究は、α−メチル基をカルボキシリック腕のエチレン基に導入することが、該アミノ−カルボキシラート大環状フレームワークの剛直性を増大させることを明らかにした。従って、本発明者らは、立体的に嵩高いα-メチル基を2つの別々のサイトに付加して、2つの新たな化合物を生成した。第1は「EGADMe」であって、ガラクトシルブロッキング部位を含有するDOTA腕上の単一のメチル基を持つ実施例1のGADGALである。第2は「カルボキシMe」であって、ガラクトシルブロッキング部位を含有する腕を放し、他の3つのDOTA腕上に3つのメチル基を持つ実施例1のGADGALである。最終生成物、EGadMeおよびカルボキシMeならびに中間体をNMRおよび質量分析によりキャラクタライズした。
【0183】
EGadMeおよびカルボキシMeからのガラクトピラノースブロッキング基の酵素的切除が成功し、および完了し、それぞれ、EGadMeclおよびカルボキシMeclを生成したことを、TLCクロマトグラフィー(20mM トリスアセタート、10mM EDTAバッファー、pH7.0、0.8%アセトニトリル中のC18逆相プレート)によって追跡した。0.5mM EgadMeおよび5μM β-ガラクトシダーゼを含有する水溶液中で37℃にて3日以内に90%のガラクトピラノース単位が酵素的にEGadMeから切除されたが、カルボキシMeにつき、同一の条件下で24時間の期間内に、同一の効果が観察された。この結果は、カルボキシMeのガラクトピラノース単位はより露出され、酵素に接近し易く、従って、より高い切除速度をもたらすことを暗示している。
【0184】
緩和時間T1に対する、EGadMeおよびカルボキシMeからのガラクトピラノース単位の酵素的切除の効果を500MHzで24℃にてNMR分光分析によって測定した。(a)酵素なし;(b)80℃にて10分間処理した加熱不活性化した5μM β-ガラクトシダーゼ;(c)T1を混合後即座に測定する5μM β-ガラクトシダーゼ;または(d)3.5日間37℃にて、該錯体と反応させた5μM β-ガラクトシダーゼのいずれかを含有する0.5mM EGadMeおよびカルボキシMeの種々の水溶液を、それぞれ、調製した。EGadMeを含有する溶液およびEGadMecleを含有する溶液のT1間の顕著な差異は明らかに明白である。EGadMeclの存在下、水プロトンのT1は、EGadMeを含有する溶液を基準に55%増大する。これらの結果は、EGadMeは、高度に効果的、機能的、すなわち「スマート」なMRIコントラスト剤であることを示す。非切除および切除状態間のT1における大きな差異はin vivo適用に対する決定的な因子を表す。予備的in vivo研究は、該化合物がこれらの高い期待を満たすことを示している。
【0185】
興味深いことに、カルボキシMeを含有する溶液(a)−(d)について、T1の顕著な変化は検出されなかった。しかしながら、全てのカルボキシMeにつき測定されたT1値は、EGadMeclを含有する溶液につき得られたそれらと非常に似ている。水プロトンの緩和時間はカルボキシMeおよびカルボキシMeclにつき、同じ桁の大きさなので、ガラクトピラノース単位は該Gd(III)サイトをブロックしないものと思われる。従って、それはバルク水が該金属サイトに接近することを制限することにおいては効果的でない。
【0186】
分子モデリング研究がこの仮定を支持する。EGadMeおよびカルボキシMeの計算コンフィギュレーションを評価した。EGadMeにおいて、該ガラクトピラノース単位を大環状フレームワークの上部に配置し、それによって、該金属中心を遮蔽した。該ガラクトピラノース単位を切離したとき、該金属サイトは容易に露出され、バルク水に接近してGd(III)配位球を完成する。しかしながら、カルボキシMeで、該ガラクトピラノース単位は、該環状単位の上部に位置する代りにそれから離れて正対している。該カルボキシリック腕に対する該α-メチル基の立体的影響は、ガラクトピラノース単位がGd(III)サイトの上部に位置しないようにするようである。従って、該金属サイトは、非切除状態において、切除状態と同様に容易にバルク水分子に接近し、両構造につき同等のT1データをもたらす。さらに、カルボキシMeについての質量スペクトルは、2つの塩素アニオンが該2つの空隙Gd(III)配位サイトを完全にする分子に配位されていることを明らかにする。EGadMeにおいて、これらの配位サイトはガラクトピラノース単位によって満たされている。
【0187】
水分子のGd(III)への接近をブロックするガラクトピラノース単位の効率を決定するために、それによってEGadMeの水交換速度をモニターする、対応するテルビウム誘導体(ETbMe)の蛍光信号寿命を調べた。テルビウムは該OH振動子と強く結合するので、該テルビウム錯体の蛍光をH2Oによって消光する。この効果は、OD振動子に関しては観察されない。結果として、該蛍光信号の寿命は、H2O中よりもD2O中が長い。種々のH2O/D2O混合物においてETbMeを測定し(lex=460nm、lem=545nm)、得られた寿命対該D2O濃度をプロットして、該錯体と高速交換する水分子の数qを導く([Kumarら, Pure Appl. Chem. 65:515-520 (1993);Liら, J. Am. Chem. Soc. 117:8132 (1995); Horrocksら, J. Am. Chem. Soc. 101:334 (1979); Zhangら, Iorg. Chem. 31:5597 (1992)]を参照。これら全ては出典明示して本明細書に含まれる)。ETbMeにつき値q=0.6が決定され、それを、テトラ酢酸大環状Gd-DOTA([Lauffer, Chem. Rev. 901-927 (1997)]を参照。)につき観察された値q=1.2と比較した。配位している水分子の数の変化は明らかに明白である。対応する切除された錯体、ETbMeclにつき、該蛍光信号の対数減衰はより速く、数q<1を示す。しかしながら、ETbMeclにつきqを正確に決定する試みは、蛍光測定装置の時間分解能によって制限された。
【0188】
EGadMeclにつき数1<q<2を仮定することは、EGAdMeおよびEGadMecl、およびEGadMecl中のヒドロキシ基が該金属サイトにきつくは配位しない構造的配置につき観察されたT1データと総合的に合致する。理論は、qの増大はT1の増大に関連すると予測する。従って、T1における55%の大きな差異は相乗効果であると仮定し得る。例えば、EGadMeにおけるガラクトピラノースによる該金属サイトのバルク水の接近を効率的にブロックし、EGadMeclにおいて該錯体と高速交換する水分子の数を1<q<2と仮定する。
【0189】
実施例4
Gd3+-BAPTA-DO3A2(CalGad)の合成
Calgadの合成スキームを図14に示す。
【0190】
化合物1:2-ニトロレソルシノール(2g、12.9mmol)を95%エタノール(15mL)に溶解し、1当量のNaOHをゆっくり添加した。添加後、溶媒を真空乾燥下で除去し、得られた固体を4mL DMFに1当量の3-ブロモプロパノールと共に再溶解した。該溶液を100℃にて7時間加熱した後、反応を数滴の酢酸で停止した。溶媒を真空下で除去した後、残渣を塩化メチレンに懸濁させ、濾過した。フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、20:1)により、1.08g(42%)の1を得た。
1H-NMR(300MHz、CDCl3):2.14(m,2H,CH2CH2CH2)、3.94(t,2H,CH2OH)、4.26(t,OCH2)、6.6(d,1H,芳香族H)、6.72(d,1H,芳香族H)、7.41(t,1H,芳香族H)。
【0191】
化合物2:化合物1(0.8g、3.76mmol)を8mL DMFに溶解した。次いで、1,2-ジブロロエタン(0.16mL、1.88mmo)およびK2CO3(0.28g)を添加し、該混合物を120℃にて10時間加熱した。反応を数滴の酢酸で停止し、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、20:1)によって精製し、0.46gの生成物(55%)を得た。
1H-NMR(CDCl3):2.0(m,4H,CH2CH2CH2)、3.85(m,4H, CH2OH)、4.25(t,4H,CH2O)、4.46(s,4H, OCH2CH2O)、6.66(m,4H,芳香族H)、7.4(t,2H,芳香族H)。
【0192】
化合物3:化合物2(0.15g)を酢酸エチル(10mL)および95%エタノール(10mL)の混合物中に懸濁させた。パラジウム触媒(Pa/炭素、10%、50mg)を添加した後、該溶液を1気圧にて一晩水素添加した。残渣を直接次のステップに用いた。
【0193】
化合物4:上記の残渣をアセトニトリル(2mL)、DIEA(0.25mL、1.37mmol)および酢酸ブロモエチル(0.15mL、1.37mmol)と混合した。溶液をアルゴン下で24時間還流し、次いで、室温まで冷却した。トルエン(20mL)を添加して、DIEA塩を沈殿させた。該沈殿を濾別した後、濾液をフラッシュクラマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、20:1)上で精製し、0.15gの生成物(2ステップで61%)を得た。
MS(エレクトロスプレー)m/z(M+H)+、計算値:737(C36H53O14N2)、測定値:737.6、759.4(M+Na)+;
1H-NMR(CDCl3):1.25(t,12H,CH3)、2.08(m,4H, CH2CH2CH2)、3.9(m,4H,CH2OH)、4.05−4.4(m,24H)、6.62(t,4H,芳香族H)、7.0(m,2H,芳香族H)。
【0194】
化合物5:化合物4(245ma、0.33mmol)、トリフェニルホスフィン(262ma、1mmol)および四臭化炭素(332ma、1mmol)をジエチルエーテル(3mL)に溶解した。室温にて40分間攪拌した後、フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2ないしCH2Cl2/MeOH20:1)精製により0.19gの生成物(67%)を得た。
1H-NMR(CDCl3):1.21(t,12H,CH3)2.34(m,4H, CH2CH2CH2)、3.67(t,4H,CH2Br)、4.05−4.34(m,24H)、6.62(m,4H,芳香族H)、7.0(m,2H,芳香族H)。
【0195】
化合物6:化合物5(42ma、49μmol)をCHCl3(0.5mL)中でcyclen(43ma、0.25mmol)と30時間反応させた。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH/NH3 H2O 12:4:1)により透明ガラス状の生成物を得た(41ma、80%)。
MS(エレクトロスプレー)m/z(M+H)+、計算値1046(C52H89O、2N、0)、測定値1046.0(M+H)+、1067.8(M+Na)+、1089.8(M+2Na−H)+、523.4(M+2H)2+、534.4(M+H+Na)2+;
1H-NMR(CDCl3):1.2(t,12H,CH3)2.0(br,4H, CH2CH2CH2)、2.6−2.85(br,36H)、4.0−4.4(br,24H)、6.64(br,4H,芳香族H)、6.95(br,2H,芳香族H)。
【0196】
化合物7:化合物6(38ma、38,umol)をH2O(0.2mL)中ブロモ酢酸(37ma、266μmol)と混合した。水酸化ナトリウム(SN)をゆっくりと添加して、該溶液のpHを10以上に維持した。該溶液のpHが安定に達したら、該反応を少量の酢酸で停止した。生成物を逆相クロマトグラフィー(LiChroprep RP-18、CH3CN/H2O、5%−50%)によって精製し、凍結乾燥後、38mg(82%)の白色粉末を得た。
MS(エレクトロスプレー)m/z(M+H)+、計算値1280(C56H83N10O24)、測定値1279.4(M−H)-、639.3(M−2H)2-;
1H−NMR(D2O):2.32(br,4H,CH2CH2CH2)、3.05−3.83(br,48H)、4.05(s,8H)、4.27(br,4H)、4.7(s,4H)6.8(d,2H,芳香族H)、6.95(d,2H,芳香族H)、7.4(t,2H,芳香族H)。
【0197】
化合物7のGd3+−錯体:上記配位子(化合物6、16.5ma、12.9μmol)をGdCl3(10.6ma、28.4μmol)を含有するH2O(0.5mL)に溶解した。NaOH(1N)をゆっくり添加してpHを5−6程度に維持した。該溶液のpHが2h以内に安定に達し、反応の完了を示した。該混合物をChelexレジン(Biorad, Chelex 100, Na+ form)を充填したカラムに通し、該生成物を含有する画分を逆相クロマトグラフィー(LiChroprep RP-18、CH3CN/H2O、5%−50%)によってさらに精製した。最終生成物を白色粉末として得た(17ma、81%)。
MS(エレクトロスプレー)m/z(M+H)+、計算値1583−1597(C56H78N10O24Gd2, 1590 最大存在率)、測定値(該最大存在率のピーク)1611.4(M−2H+Na)-、1633.2(M3H+2Na)-、804.8(M−3H+Na)2-、793.6(M−2H)2-。
【0198】
錯体の緩和度に対するCa2+の効果
Ca2+存在下、R=5.53mM-1sec-1
Ca2+不存在下、R=3.03mM-1sec-1
【0199】
錯体の緩和度に対するpHの効果
Gd3+−錯体(100mM KCl、10mM MOPS、2mM K2H2EGTAまたは2mM K2CaEGTAを含有するバッファー中0.4mM)のT1を種々のpH下で測定した。Ca2+の存在下または不存在下のいずれかにおいて、0.2pH単位毎で6.80から7.40までpHを変化させることは、錯体の緩和度に最小限の効果を有していた。
【0200】
pH 6.80 7.00 7.20 7.40
T1(msec,K2H2EGTA)600 605 604 608
T1(msec,K2H2EGTA)390 393 394 397
【0201】
錯体の緩和度に対するMg2+の効果
Gd3+−錯体(132mM KCl、10mM MOPS、1mM K2H2EGTAを含有するバッファー中0.4mM、pH7.20)のT1を測定した。0から20までMg2+濃度を変化させることは、錯体の緩和度に最小限の効果を有していた。
【0202】
Mg2+(mM) 0 1 2 5 10 20
T1(msec) 607 602 601 609 607 610
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ブロッキング基が1端のみにて束縛される本発明の代表的な錯体を示す。ブロッキング基は、酵素基質および配位部位バリアーを含む。R基は、配位部位バリアーである。
【図2】 図2は、ブロッキング基が2つの端にて束縛される本発明の代表的な錯体を示す。R基は、配位部位バリアーである。
【図3】 図3は、DOTA環に結合した単一のガラクトース基を有するDO3a-ヒドロキシエチル-β-ガラクトースの代表的合成を示す。
【図4】 図4は、DOTA環に結合した2つのβ-ガラクトース基を有するを有するβ-ガラクトース-DOTA誘導体の代表的合成を示す。
【図5】 図5は、BAPTA-DOTA誘導体の合成を示す。
【図6】 図6は、FURA-DOTA誘導体の合成を示す。
【図7】 図7は、BAPTA-DTPAの合成についての合成反応図式を示す。
【図8】 図8は、BAPTA-DTPA誘導体の代表的合成を示す。
【図9】 図9は、ガラクトピラノース残基(n=3)のβ-ガラクトシダーゼ触媒切断に際して観察されたT1における変化を示す。各対(1,3,5)の第一カラムは、添加直後のガラクトース-DOTA錯体およびβ-ガラクトシダーゼ混合物のT1を示す。第二カラムは、β-ガラクトシダーゼの存在下でのある時間後の溶液のT1を示す。各カラムは、該錯体のみを含有する対照に対する比を報告する。カラム1および2:2.0mM Gd錯体プラス1.7uM β-ガラクトシダーゼリン酸緩衝液(25mM)pH7.3。カラム3および4:2.0mM Gdプラス5.1uM ,~-β-ガラクトシダーゼリン酸緩衝液(25mM)pH7.3. カラム5および6:2mM Gd錯体プラス5.1uM熱不活性化β-ガラクトシダーゼ(80度にて10分間)リン酸緩衝液(25mM)pH7.3。該錯体は、7日間酵素と共にインキュベートし、HPLCトレースは、95%を超える切断を示した。最小濃度の酵素をこれらの実験に用いて、いずれかのコントラスト剤-酵素相互作用の潜在的効果を低下させた。T1は、標準的反転−回復系列を用い、26度にてBruker AMX 500分光計を用いて行った。溶液は、40μl丸底NMR試験管挿入(Wilmad glass)に入れ、d3-クロロホルムを含む試験管に挿入した。二次元データファイルは集められ、8つのスキャン毎に16個の異なる反転遅延を含んだ。生のNMRデータは処理され(Felix、BIOSYM/ Molecular Simulations、San Diego、CA)、ピーク高は、最大まで指数関数的な上昇に適合させて、T1を得た。R値は、常に0.999より大きかった。
【図10Aないし10I】 図10A、10B、10C、10D、10E、10Fおよび10Gは、二量体具体例のいくつかの可能な立体配置を示す。箱はキレート化剤を示し、Mは常磁性金属イオンである。図10Aおよび10Bは、2つの可能なデュプレックス立体配置を示す。図10Aにおいて、R27は、R26として本明細書に記載されたごときリンカーであり、ペプチドのような酵素基質のごとき切断基、または標的分子と優先的に相互作用するであろうブロッキング基であり得る。R27に依存して存在できるかまたはできないR22は、R23と同様の配位部位バリアー、またはブロッキング基である。図10Bは、2つのキレート化剤に、R27基を介して結合したR28ブロッキング基または配位部位バリアーを示す。図10Cは図10Aと同様であるが、少なくとも一つのR27基が切断基でなければならない。図10Dは、2つのブロッキング基または配位部位バリアーが存在し;R27がブロッキング基ならば、R28は存在する必要はない場合を示す。図10Eは、10Bに同様であるが、キレート化剤が共有結合する必要はない。図10F(単一MRI剤)および10G(デュプレックス薬剤)は、nは1ないし1000、好ましくは1ないし約20、特に好ましくは約1ないし10であるMR1コントラスト剤の多重結合である。図10Hおよび10Iは、本明細書に記載のごときポリマー10を示し、単一MRI剤(10H)またはデュプレックスMRI剤(10I)のいずれかに結合する。
【図11Aないし11C】 図11A、11Bおよび11Cは、各々、異なるR26リンカーを持ち、該ブロッキング基としてBAPTA誘導体を用いるCa+2検出用のMRIデュプレックスを作成する前駆体を示す。図11AはAEPAを示し、それは、Gdが存在する場合に0.7のqを示す(qは錯体に会合した水分子数であり、水の交換を遮断するためのブロッキング基の指標であり;qが低いほどより良好となる)。q値は、D2OおよびH2O中に金属イオンとしてテルビウム(Tb3+)を用いる蛍光寿命測定を用いて測定される(データは示さず)。図11Bは、0.3のqを有するAPPAを示す。図11Cは、0.7のqを有するABPAを示す。
【図12】 図12は、AEPAの合成を示す。当業者によって認められるごとく、すべてのデュプレックスは、ニトロベンジル環上の他のオルト位を官能化することによって作成できる。
【図13】 図13は、APPAおよびABPAの合成を示す。当業者によって認められるごとく、すべてのデュプレックスは、ニトロベンジル環上の他のオルト位を官能化することによって作成できる。
【図14】 図14は、Gd3+-BAPTA-DO3A2(「CalGad」)の合成を示す。
【図15】 図15は、カルシウムの結合に際して生じるCalGadにおける構造上の変化を概略的に示す。
【図16】 図16は、カルシウムイオン濃度の関数としてCalGad錯体の緩和度を示す。
Claims (12)
- 請求項1または2記載の活性化可能なMRI剤を細胞、組織または非ヒト患者に投与し、該細胞、組織または非ヒト患者の磁気共鳴造影を行うことを特徴とする細胞、組織または非ヒト患者の磁気共鳴造影方法。
- 細胞、組織または患者の磁気共鳴造影用の医薬を製造するための請求項1または2記載の活性化可能なMRIコントラスト剤の使用。
- 該リンカーがポリマーである請求項1記載の活性化可能なMRIコントラスト剤。
- 該ポリマーがポリアミノ酸である請求項6記載の活性化可能なMRIコントラスト剤。
- 該ポリアミノ酸がポリリシンである請求項7記載の活性化可能なMRIコントラスト剤。
- 該ポリマーが、40kD未満の分子量を有する請求項6記載の活性化可能なMRIコントラスト剤。
- 該ポリマーが、25kD未満の分子量を有する請求項6記載の活性化可能なMRIコントラスト剤。
- 該ポリマーが、15kD未満の分子量を有する請求項6記載の活性化可能なMRIコントラスト剤。
- 該ポリマーが、10kD未満の分子量を有する請求項6記載の活性化可能なMRIコントラスト剤。
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