JP4162864B2 - 抄紙機の制御方法とその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、抄紙機においてドライヤパート入口におけるウェブの水分率を推定して、その推定値を基にドライヤの蒸気圧を推定してドライヤを制御する抄紙機の制御方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7に代表的な抄紙機の構成を示す。この図において、パルプ原料はストックインレット81からワイヤパート82に吐出される。ワイヤパート82は回転するロール821によって矢印Aの方向に移動させられる。ワイヤパート82に吐出されたパルプ原料は濾水されてウェブ(紙)が形成され、プレスパート83に運ばれ、更に搾水される。
【0003】
プレスパート83で搾水されたウェブはプレドライヤ84に運ばれる。プレドライヤ84には多数の蒸気ドラム841が配置され、その中に導かれる蒸気によって加熱されている。ウェブはこの蒸気ドラムに巻き付きながら順次送られ、その間に所定の水分率になるまで乾燥させられる。
【0004】
乾燥したウェブはサイズプレス85でサイズ(塗工剤)塗布などのサイズ処理を受けた後、アフタドライヤ86で更に乾燥させられ、87に示すように製品として巻き取られる。なお、アフタドライヤ86はプレドライヤ84と同様の構造を有している。
【0005】
88,89はBM計であり、それぞれプレドライヤ84、アフタドライヤ86を出た直後のウェブの坪量,水分率などを検出する。この検出された値は図示しない制御装置に入力される。この制御装置は製品が予め決められた仕様値になるように、ワイヤパート82に吐出するパルプ原料の吐出量、あるいはプレドライヤ84およびアフタドライヤ86の蒸気ドラムに導く蒸気量、および抄速などを制御する。また、異なる製品を連続して生産する抄替え制御も一般的に行われている。
【0006】
抄替え制御においては、新たな製品に切り替える途中である抄替え時間中に得られる製品は規格外の損紙になるので、操業効率を高めるためにはこの抄替え時間をできるだけ短くしなければならない。この課題を解決するために、特許第3094798号明細書において、シミュレーションによって抄替え後の蒸気圧設定値を予測する方法の発明が記載されている。以下、この発明の概要を説明する。
【0007】
特許第3094798号明細書に記載された発明では、プレドライヤ84およびアフタドライヤ86の蒸気ドラムを平面に簡略化したアイロンモデルを用いて、蒸気ドラム、ウェブおよび蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間の接触の状態を5つのパターンに分類して各パターンの熱伝達微分方程式を導き、この方程式を差分方程式に変換してこの差分方程式を解くことにより抄替え後の蒸気圧設定値を予測している。
【0008】
蒸気ドラム、ウェブ、キャンバスがこの順に接触しているパターンの熱伝達微分方程式は、下記(5)〜(7)式のように表される。
【0009】
【数9】
Figure 0004162864
【0010】
ここにおいて,上記(5)〜(7)式の各パラメータの意味を以下に示す。
:ドラム厚さ(m)
:ウェブ厚さ(m)
:キャンバス厚さ(m)
:ドラム内蒸気温度(℃)
:ドラム表面温度(℃)
:ウェブ(紙)温度(℃)
:キャンバス温度(℃)
:フード内空気乾球温度(℃)
:ドラム比熱 (kJ/(kg・℃))
:ウェブ(紙)比熱 (kJ/(kg・℃))
:キャンバス比熱 (kJ/(kg・℃))
ρ:ドラム密度 (kg/m)
ρ:ウェブ(紙)密度 (kg/m)
ρ:キャンバス密度 (kg/m)
:ドラム内蒸気とドラム表面との間の熱伝達率 (kJ/(m2・sec・℃))
DW:ドラム表面とウェブとの間の熱伝達率 (kJ/(m2・sec・℃))
WC:ウェブ表面とキャンバスとの間の熱伝達率 (kJ/(m2・sec・℃))
:キャンバスとフード内空気との間の熱伝達率 (kJ/(m2・sec・℃))
図8に、これらの各パラメータをまとめた表を示す。
【0011】
前記(6)式中のEvapo(T, T )は水分蒸発によってウェブから奪われる気化熱量を表す関数であり、下記(8)式で表わされる。
【0012】
【数10】
Figure 0004162864
【0013】
特許第3094798号明細書に記載された発明には上記以外の接触パターンにおける熱伝達微分方程式も与えられているが、煩雑になるので省略する。前記(5)〜(7)式の微分方程式は、抄速と蒸気ドラムの円周長などで決まる時間幅Δtで時刻を差分化して差分方程式を導き、この差分方程式の数値解を求める。時刻が進むとウェブは抄紙機の上流側から下流側に移動していくので、差分方程式の数値解から蒸気ドラムにおけるウェブの温度を計算することができる。
【0014】
前記(8)式から、ウェブからの単位面積、単位時間当たりの蒸発水分量であるEvapoMP(T,T) (H2Okg/(m2・sec))は、下記(9)式で表すことができる。
【0015】
【数11】
Figure 0004162864
【0016】
この式を用いると、刻み時間幅Δt経過後のウェブの絶対水分率MPABS(j) (j = 1, ・・・・・・, N)は下記(10)式で計算することができる。
【0017】
【数12】
Figure 0004162864
【0018】
この絶対水分率から(相対)水分率MP(j) (j=1, ・・・・・・・・・ N)(%)は、下記(11)式で計算することができる。
【0019】
【数13】
Figure 0004162864
【0020】
図9に、前記(5)〜(11)式を用いて定常状態におけるシュミレーションのアルゴリズムを表すフローチャートを示す。最初に現状の操業状態、すなわち現在の抄速(m/min)、坪量設定値(g/m2)、水分率設定値(%)を取り込む。次に、抄速と蒸気ドラムの円周長などから、差分計算の刻み時間幅Δtを決定し、現状のドライヤの蒸気圧の設定値から、飽和蒸気圧曲線を用いてドラム内の蒸気温度T(j) (j=1, ・・・・・・・, N)を計算する。なお、Nは分割メッシュの数である。
【0021】
続いて、前記(5)〜(11)式およびそれから導かれる差分方程式を用いて、ドラム温度T(j) (j=1, ・・・・・・, N)、ウェブ温度T(j) (j=1, ・・・・・・, N)、キャンバス温度T(j) (j=1, ・・・・・・, N)およびウェブ最終水分率MP(j) (j=1, ・・・・・・, N)を計算する。そして、最終シリンダでのウェブ相対水分率MP(N)と水分計による実測値MPMEASUREの収束判定を行う。すなわち、MP(N)とMPMEASUREの差の絶対値が所定の値EPより小さいと収束したとする。
【0022】
収束していないと乾燥速度係数KをΔKだけ補正して、再度ドラム温度、ウェブ温度、キャンバス温度、ウェブ相対水分率を計算する。また、収束すると、乾燥速度係数K、ドラム温度T(j)、ウェブ温度T(j)、キャンバス温度T(j)およびウェブ相対水分率MP(j)の値をそのときの値に確定し、定常状態シュミレーションを終了する。
【0023】
尚、プレドライヤパートとアフタドライヤパートからなるドライヤパートの場合、アフタドライヤパート出口の水分率を最終水分率として計算してもよいが、プレドライヤパートとアフタドライヤパートのそれぞれの出口の水分率を最終水分率としてもよい。後者の場合、収束計算はそれぞれのドライヤパートに関して行うことになる。
【0024】
以上説明した定常状態シュミレーションで、最終シリンダにおける絶対水分率が実測値に近くなるように、乾燥速度係数Kが調整される。次に、抄替え後の操業状態における最適な蒸気圧設定値の予測を、蒸気圧予測シュミレーションにより行う。この蒸気圧予測シュミレーションを、図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0025】
図10において、最初に抄替え後の操業状態、すなわち抄速(m/min)、坪量設定値(g/m2)、水分率設定値(%)を取り込む。続いて、抄速およびドラムの円周長等に基づいて差分計算の元になる刻み時間幅Δtを決定する。そして、現在のドライヤ蒸気圧設定値P(kPa)により、飽和蒸気圧曲線を用いてドラム内蒸気温度T(j) (j=1, ・・・・・・, N)を計算する。Nは分割メッシュの数である。
【0026】
次に、定常状態シュミレーションで決定した乾燥速度係数Kの値を用い、更に差分方程式の初期値として、プレドライヤパート入口のウェブ水分率値として、例えば定常状態シミュレーションで用いた抄替え前の値を用い、前記(5)〜(11)式およびその差分方程式により数値計算を行って、ドラム温度T(j) (j=1, ・・・・・・, N)、ウェブ温度T(j) (j=1, ・・・・・・, N)、キャンバス温度T(j) (j=1, ・・・・・・, N)およびウェブ水分率MP(j) (j=1, ・・・・・・, N)を計算する。
【0027】
そして、最終シリンダにおけるウェブ水分率MP(N)の値と抄替え後の水分率設定値とを比較して、定常状態シミュレーションと同じ方法で収束判定を行う。収束していないとドライヤ蒸気圧設定値Pを一定値ΔPだけ補正して再度ドラム温度、ウェブ温度、キャンバス温度、ウェブ相対水分率を計算する。収束していると、そのときのこれらの値を確定し、蒸気圧予測シミュレーションを終了する。
【0028】
また、このような抄紙機では、安定した製品を生産するためには、製品の乾燥過程の制御が重要な要素になる。特にアフタドライヤ86における乾燥は製品の品質に直結するので重要である。そのためには、その入り口での製品の水分率を正確に把握する必要がある。
【0029】
従来、アフタドライヤ86入り口における製品の水分率は、サイズプレス85の前に設置されているBM計88の測定値を用いて例えば下記(12)式を用いて計算していた。なお、この式における絶対水分率は製品であるウェブの絶乾重量に対する水分重量の比率のことであり、「数1」等の式で用いている水分率とは異なる表現法である。
【0030】
【数14】
Figure 0004162864
【0031】
プレドライヤ84の出口の絶対水分率absMPPREENDはプレドライヤ84における定常状態のシミュレーションの解として求められる。しかし、サイズプレス85において濃度5〜10%程度のサイズが塗布されるので、その分を補正しなければならない。
【0032】
すなわち、前記(12)式の右辺分子の第1項のBDPRE×absMPPREENDはプレドライヤ84の出口での単位面積当たりの水分重量(g/m)を表し、第2項のCW・(100−S)/Sは単位面積当たりに塗布されたサイズに含まれる水分重量(g/m)を表している。これら2項の和がアフタドライヤ86入り口における製品の単位面積当たりに含まれる水分量であるから、この値をBM計89で測定された絶乾坪量BDAFTで割ることによって求められることは、容易に理解できる。
【0033】
なお、サイズの絶乾塗工量CWはBM計88と89で測定された絶乾坪量の測定値の差分として、下記(13)式で求めた値を用いている。
CW=BDAFT―BDPRE ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (13)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような抄紙機におけるドライヤ入り口のウェブ水分率の計算方法および抄替え後の蒸気圧予測シミュレーションには、次のような課題があった。
【0034】
図10の蒸気圧予測シミュレーションでは、水分率の初期値MP(1)は例えば抄替前と同一の水分率値を用い、水分率計からの入力値や、50%等の固定値を用いたりしていた。しかし、抄替え前後で坪量や抄速などの操業状態が変化した場合、ワイヤ状に原料が残る割合であるワイヤリテンションや循環白水の濃度、あるいはワイヤパートおける搾水能力等が変化するので、ドライヤ入り口での水分率(通常40〜60%)も変化することがわかっている。
【0035】
また、坪量が大きくなると抄速一定の場合、ドライヤ入り口における水分率が大きくなることが経験的に知られている。例えば、坪量が10g/m変化すると水分率は1〜2%変化する。ドライヤ入り口での水分率が1%変化すると、図9の蒸気圧予測シュミレーションでは予測値に10kPa程度の差が生じる。そのため、ドライヤ入り口での水分率を抄替え前と同一にした場合では、蒸気圧の予測値が抄替え後の望ましい蒸気圧設定値に対して無視できない偏差をもってしまうという課題もあった。
【0036】
また、前記(12)式からわかるように、水分率の計算にはプレドライヤ84出口における絶乾坪量BDPREを用いているので、サイズプレス85前に設置されているBM計88が存在しない抄紙機では、この式によって水分率を計算することができないという課題があった。
【0037】
更に、たとえBM計88が設置されていても、前記(12)式、(13)式によって水分率を計算する場合は、この計器の測定精度に起因する水分率の計算誤差が大きくなるという課題があった。すなわち、(12)式、(13)式を用いた計算方法には計算誤差が大きいという問題がある。このことを具体例を用いて説明する。
【0038】
今、各測定値および測定値から計算した水分率が下記のようであったとする。
BDPRE=100.0(g/m
BDAFT=102.0(g/m
CW=2.0(g/m
S=8%
absMPPREEND=0.02
これらの値を前記(12)式に代入すると、
BDPRE×absMPPREEND=100×0.02=2.0
CW・(100−S)/S=2×11.5=23.0
absMPAFTIN=(23.0+2.0)/102.0=0.245
が得られる。
【0039】
一方、各測定器の測定精度は、おおむね次のようになる。
坪量計精度=±0.15(g/m
水分計精度=±0.1(%)
これらの値から、絶乾坪量精度、絶乾塗工量精度は下記のように計算できる。
【0040】
【数15】
Figure 0004162864
【0041】
この計算値から、サイズの単位面積当たりの塗工量とアフタドライヤ86入り口の水分率の誤差は次のようになる。
【0042】
【数16】
Figure 0004162864
【0043】
すなわち、測定器の精度によって
ΔabsMPAFTIN/absMPAFTIN=0.028/0.245=11.4%程度の誤差が生じる。絶乾塗工量は4つの測定器の測定値から演算されるために誤差が大きく、更にサイズに含まれる水分量を計算すると、サイズの濃度の逆数倍(約10倍)に誤差が増大する。その結果、上記のように大きな誤差が発生する。そのため、正確な制御をする事が困難であるという課題もあった。
【0044】
このように、ドライヤ入り口の水分率を正確に予測することは、抄紙機の制御に重要な意味を持つことは明らかである。
【0045】
従って本発明が解決しようとする課題は、ドライヤ入り口におけるウェブの水分率を正確に見積もって、良好な制御ができ、かつ抄替え時間を短縮することができる抄紙機の制御方法およびその装置を提供することにある。
【0046】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、パルプ原料をワイヤパートに吐出、濾水してウエブを形成し、このウエブをプレスパートで搾水した後、蒸気ドラムが配置されたプレドライヤで乾燥し、さらに前記プレドライヤと同様の構成を有する(蒸気ドラムによりウエブを乾燥する構成を有する)アフタドライヤで乾燥する構成の抄紙機を制御する制御方法であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測して、この予測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御方法において、前記差分方程式を解く際に、抄替え後のドライヤパート入り口(プレドライヤパート入り口)のウエブ水分率の初期値を下式に基づいて演算するようにしたものである。予測値を正確に求めることができ、抄替え時間を短縮できる。なお、この式における水分率はウエブの全重量に対する水分重量の比率を表しており、相対水分率ともいう。
ウエブ水分率の初期値=MPNowInit+A・(BD−BD)/BD+A・(V−V)/V
BD、BD:抄替え前、抄替え後の絶乾坪量(設定値)
、V:抄替え前、抄替え後の抄速(設定値)
MPNowInit:ドライヤパート入り口水分率の初期値
A、A、:チューニングパラメータ。但し、少なくともどちらかはゼロでない数値
【0047】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記A、A、MPNowInitを操業状態に応じて調整するようにしたものである。種々の操業状態に対応させることができる。
【0048】
請求項3記載の発明は、パルプ原料をワイヤパートに吐出、濾水してウエブを形成し、このウエブをプレスパートで搾水した後、蒸気ドラムが配置されたプレドライヤで乾燥し、さらに前記プレドライヤと同様の構成を有するアフタドライヤで乾燥する構成の抄紙機を制御する制御装置であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この予測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御装置において、現在の操業状態を取り込み、また抄速、蒸気ドラムの円周長などから差分計算の刻み時間幅の決定を行う初期設定部と、下式に基づいて抄替え後のドライヤパート入り口の水分率の初期値を演算する水分率演算部と、シミュレーションによって乾燥速度係数を求める乾燥速度係数演算部と、これら初期設定部と水分率演算部および乾燥速度係数演算部の出力が入力され、蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この蒸気圧予測値を出力する蒸気圧予測部と、前記蒸気圧予測値が入力され、この蒸気圧予測値を抄替え後の蒸気圧設定値として前記抄紙機を制御する制御部とを具備したものである。予測値を正確に求めることができ、抄替え時間を短縮することができる。
ウエブ水分率の初期値=MPNowInit+A・(BD−BD)/BD+A・(V−V)/V
BD、BD:抄替え前、抄替え後の絶乾坪量(設定値)
、V:抄替え前、抄替え後の抄速(設定値)
MPNowInit:ドライヤパート入り口水分率の初期値
A、A、:チューニングパラメータ。但し、少なくともどちらかはゼロでない数値
【0049】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記A、A、MPNowInitを操業状態に応じて調整するようにしたものである。種々の操業状態に対応させることができる。
【0050】
請求項5記載の発明は、パルプ原料をワイヤパートに吐出、濾水してウエブを形成し、このウエブをプレスパートで搾水して蒸気ドラムが配置されたプレドライヤで乾燥した後、サイズプレスでサイズ処理を行い、前記プレドライヤと同様の構成を有するアフタドライヤで乾燥する構成の抄紙機を制御する制御方法であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この予測した蒸気圧を抄替え後の蒸気圧設定値とする抄紙機の制御方法において、サイズの流量、サイズの濃度、サイズの比重、抄速、ウエブの幅を用いてサイズの絶乾塗工量を下記CWを求める式に基づいて演算し、この絶乾塗工量から下記アフタドライヤ入り口のウエブ水分率を求める式に基づいてウエブの水分率を求め、このウエブ水分率を前記差分方程式を解く際の初期値とするようにしたものである。従来は(13)式を用いてBM計で測定した絶乾坪量の差からCWを求めていたが、BM計の坪量測定、水分率測定の誤差が大きく、またBM計が存在しない抄紙機ではCWを計算できないという課題があった。本発明は、BM計の測定値の代わりにサイズ流量、サイズ濃度、サイズ比重、抄速、ウエブ幅を用いてCWを計算するようにしたものである。なお、下式のCWを求める式の分子は1分間に使用されるサイズの絶乾重量、分母は1分間当たりのサイズが転写される紙の面積を表しているので、この式から単位面積当たりに転写されるサイズの重量、すなわち絶乾塗工量CWが計算できることは明らかである。この発明により、アフタドライヤ前のBM計から水分率を入力することが不要になり、アフタドライヤパート出口の水分率のみを実測して収束計算するようにすれば、アフタドライヤパート前のBM計が設置されていなくても容易にドライヤを制御でき、また計器の誤差の影響を受けない。
CW=10・(F・S・W)/(V・d)
アフタドライヤ入り口のウエブ水分率=(absMo+CW(100−S)/S)BDAFT
CW:サイズの絶乾塗工量(g/m2)
F:サイズの流量(L/min)
S:サイズの濃度(%)
W:サイズの比重(kg/L)
V:抄速(m/min)
d:ウエブ幅(m)
absMo:サイズ塗布前のウエブ単位面積あたりの水分量
BDAFT:プレドライヤ出口における絶乾坪量
【0052】
請求項6記載の発明は、サイズを塗布する前のウエブを製造するウエブ製造部と、蒸気ドラムが配置され、このウエブを乾燥させるプレドライヤと、該ウエブにサイズを塗布するサイズ塗布部と、前記プレドライヤと同様の構成を有し、このサイズが塗布されたウエブを乾燥するアフタドライヤとを具備した抄紙機を制御する制御装置であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この予測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御装置において、サイズの流量、サイズの濃度、サイズの比重、抄速、ウエブの幅を用いてサイズの絶乾塗工量を下記CWを求める式に基づいて演算し、この絶乾塗工量から下記アフタドライヤ入り口のウエブ水分率を求める式に基づいてサイズが塗布されたウエブの絶対水分率を演算する水分率演算部と、この水分率演算部が演算した絶対水分率が入力され、このウエブ絶対水分率を用いて、蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この蒸気圧予測値を抄替え後の蒸気圧設定値として前記アフタドライヤを制御するようにした制御部とを具備したものである。従来は(13)式を用いてBM計で測定した絶乾坪量の差からCWを求めていたが、BM計の坪量測定、水分率測定の誤差が大きく、またBM計が存在しない抄紙機ではCWを計算できないという課題があった。本発明は、BM計の測定値の代わりにサイズ流量、サイズ濃度、サイズ比重、抄速、ウエブ幅を用いてCWを計算するようにしたものである。なお、下式のCWを求める式の分子は1分間に使用されるサイズの絶乾重量、分母は1分間当たりのサイズが転写される紙の面積を表しているので、この式から単位面積当たりに転写されるサイズの重量、すなわち絶乾塗工量CWが計算できることは明らかである。この発明により、正確に水分率を求めることができる。
CW=10・(F・S・W)/(V・d)
アフタドライヤ入り口のウエブ絶対水分率=(absMo+CW(100−S)/S)BDAFT
CW:サイズの絶乾塗工量(g/m2)
F:サイズの流量(L/min)
S:サイズの濃度(%)
W:サイズの比重(kg/L)
V:抄速(m/min)
d:ウエブ幅(m)
absMo:サイズ塗布前のウエブ単位面積あたりの水分量
BDAFT:プレドライヤ出口における絶乾坪量
【0053】
請求項7記載の発明は、パルプ原料をワイヤパートに吐出、濾水してウエブを形成し、このウエブをプレスパートで搾水して蒸気ドラムが配置されたプレドライヤで乾燥した後、サイズプレスでサイズ処理を行い、前記プレドライヤと同様の構成を有するアフタドライヤで乾燥する構成の抄紙機の制御方法であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この予測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御方法において、前記差分方程式を解く際に、抄替前の絶乾塗工量と抄替前後のサイズ濃度設定値を用いて下式からサイズの絶乾塗工量予測値を演算し、この演算した絶乾塗工量を用いて前記アフタドライヤ入り口のウエブ絶対水分率を演算し、この絶対水分率を初期値として前記差分方程式を解いて抄替え後の蒸気圧設定値を演算するようにしたものである。本発明は抄替え前の絶乾塗工量、抄替え前後のサイズ濃度設定値を用いて、抄替え後の絶乾塗工量予測値を計算するようにしたものである。抄速とサイズの流量との間には(20)式の関係があるので、抄替え前後の絶乾塗工量には(21)式の関係が成立する。このサイズ濃度をサイズ濃度設定値に置き換えると、(22)式が成立し、抄替え後の絶乾塗工量が予測できることは明らかである。この発明により、抄替え後の水分率を正確に見積もることができ、抄替え時間を短縮できる。
CW=CW・S T/ST
absMPAFTIN=(absMo+CW・(100−S T )/S T )/BDAFT
CW:抄替え後の絶乾塗工量予測値
CW:抄替え前の絶乾塗工量
ST:抄替え前のサイズの濃度設定値
S T :抄替え後のサイズの濃度設定値
absMPAFTIN:抄替え後のドライヤ入り口におけるウエブ絶対水分率
absMo:サイズ塗工前のウエブ単位あたりの水分量(シミュレーションを用いた計算値)
BDAFT:ドライヤ出口の絶乾坪量設定値
【0055】
請求項8記載の発明は、サイズを塗布する前のウエブを製造するウエブ製造部と、蒸気ドラムが配置され、このウエブ製造部で製造されたウエブを乾燥させるプレドライヤと、該ウエブにサイズを塗布するサイズ塗布部と、前記プレドライヤと同様の構成を有し、このサイズが塗布されたウエブを乾燥するアフタドライヤとを具備した抄紙機の制御装置であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この予測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御装置において、抄替え前の絶乾塗工量と抄替前後のサイズ濃度設定値を用いて下式からサイズの絶乾塗工量予測値を演算し、この演算した絶乾塗工量を用いてサイズが塗布されたウエブの絶対水分率を演算する水分率演算部と、この水分率演算部が演算した絶対水分率が入力され、このウエブ絶対水分率を用いて、蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この蒸気圧予測値を抄替え後の蒸気圧設定値として前記アフタドライヤを制御する制御部を具備したものである。本発明は、抄替え前の絶乾塗工量、抄替え前後のサイズ濃度設定値を用いて、抄替え後の絶乾塗工量予測値を計算するようにしたものである。抄速とサイズの流量との間には(20)式の関係があるので、抄替え前後の絶乾塗工量には(21)式の関係が成立する。このサイズ濃度をサイズ濃度設定値に置き換えると、(22)式が成立し、抄替え後の絶乾塗工量が予測できることは明らかである。この発明により、抄替え後の蒸気圧設定値を正確に予測でき、抄替え時間を短縮できる。
CW=CW・S T/ST
absMPAFTIN=(absMo+CW・(100−S T )/S T )/BDAFT
CW:抄替え後の絶乾塗工量予測値
CW:抄替え前の絶乾塗工量
ST:抄替え前のサイズの濃度設定値
S T :抄替え後のサイズの濃度設定値
absMPAFTIN:抄替え後のドライヤ入り口におけるウエブ絶対水分率
absMo:サイズ塗工前のウエブ単位あたりの水分量
BDAFT:ドライヤ出口の絶乾坪量設定値
【0056】
請求項9記載の発明は、請求項5若しくは請求項7記載の発明において、サイズの流量および濃度として、各測定値の移動平均値を用いるようにしたものである。流量計や濃度計の短周期の変動や測定誤差を抑えることができる。
【0057】
請求項10記載の発明は、請求項6若しくは請求項8記載の発明において、サイズの流量および濃度として、各測定値の移動平均値を用いるようにしたものである。流量計や濃度計の短周期の変動や測定誤差を抑えることができる。
【0058】
請求項11記載の発明は、蒸気ドライヤの蒸気ドラムにキャンバスと共にウエブを巻き付けてウエブを乾燥させる抄紙機で、抄替え時に該ウエブの水分率を所定の設定値に向かって変更するため、抄替え後の各蒸気ドラムへの蒸気圧力を予測して制御する抄紙機の制御方法であって、前記蒸気ドラム、前記キャンバスおよび前記ウエブの相互間に熱平衡式を導入して該熱平衡式を差分方程式に書き直し、検出器により、少なくともドライヤ蒸気圧力、ウェブ坪量、抄速、ドライヤパート出口のウェブ水分率値の各値を取り込み、更に、前記差分方程式に、アフタドライヤパート入り口ウェブ水分率の初期値として請求項5の式を用いた値を与えると共に、その他の初期値も与え、ウェブの移動分に対応する所定の時間間隔で該差分方程式を繰り返し解き、算出した最終水分率値が検出器により取り込んだ実際の測定値に所定の許容範囲内で一致するまで繰り返すことより、前記ウエブの乾燥速度係数と、ドライヤパート内の移動方向に沿う定常状態ウエブ水分率推移パターンとを求め、更に抄替え時に、抄替後の操業プロセス値として、少なくともウェブ設定坪量、設定抄速、ドライヤパート出口ウェブ設定水分率値の各値を取り込み、前記差分方程式に、ドライヤパート入り口ウェブ水分率の初期値として前記請求項および/または請求項7に記載の方法によって求めた値を与えると共に、前記ドライヤパート出口ウェブ設定水分率値に、算出したウェブ最終水分率値を所定の許容範囲内で一致させるべく、前記各蒸気ドラムへの蒸気圧力を変動させて、前記差分方程式を、ウェブの移動分に対応する所定の時間間で繰り返し解き、ウェブの移動方向に沿う各蒸気ドラムへの蒸気圧力のパターンを求め、実際の抄替時に、該蒸気圧力のパターンに一致させるべく各蒸気ドラムへの蒸気圧力を変更することを特徴とする抄紙機の制御方法である。
【0059】
本発明において、前記差分方程式に、ドライヤパート入り口ウエブ水分率の初期値として前記請求項および/または請求項に記載の方法によって求めた値を与える場合、プレドライヤパート入り口については請求項の方法を用い、アフタドライヤパート入り口については前記請求項の方法を用いるが、いずれか一方のみを用いても構わない。
【0060】
請求項12記載の発明は、蒸気ドライヤの蒸気ドラムにキャンバスと共にウエブを巻き付けてウエブを乾燥させる抄紙機で、抄替え時に該ウエブの水分率を所定の設定値に向かって変更するため、抄替え後の各蒸気ドラムへの蒸気圧力を予測して制御する抄紙機の制御装置であって、前記蒸気ドラム、前記キャンバスおよび前記ウエブの相互間に熱平衡式を導入して該熱平衡式を差分方程式として記憶する記憶手段と、少なくともドライヤ蒸気圧力、ウェブ坪量、抄速、ドライヤパート出口のウェブ水分率値の各値を取り込む検出手段と、前記差分方程式に、アフタドライヤパート入り口ウェブ水分率の初期値として請求項の式を用いた値を与えると共に、その他の初期値も与え、ウェブの移動分に対応する所定の時間間隔で該差分方程式を繰り返し解き、算出した最終水分率値が検出器により取り込んだ実際の測定値に所定の許容範囲内で一致するまで繰り返すことより、前記ウエブの乾燥速度係数と、ドライヤパート内の移動方向に沿う定常状態ウエブ水分率推移パターンとを求める計算手段と、更に抄替え時に、抄替後の操業プロセス値として、少なくともウェブ設定坪量、設定抄速、ドライヤパート出口ウェブ設定水分率値の各値を取り込み設定する設定手段と、前記差分方程式に、ドライヤパート入り口ウェブ水分率の初期値として前記請求項3および/または請求項に記載の手段によって求めた値を与える入力手段と、前記ドライヤパート出口ウエブ設定水分率値に、算出したウエブ最終水分率値を所定の許容範囲内で一致させるべく、前記各蒸気ドラムへの蒸気圧力を変動させて、前記差分方程式を、ウェブの移動分に対応する所定の時間間隔で繰り返し解き、ウェブの移動方向に沿って各蒸気ドラムへの蒸気圧力のパターンを求める計算手段と、実際の抄替時に、各蒸気ドラムへの蒸気圧力を前記蒸気圧力のパターンに一致させるべく変更していく変更手段を備えていることを特徴とする抄紙機の制御装置である。
【0061】
本発明において、前記差分方程式に、ドライヤパート入り口ウエブ水分率の初期値として前記請求項および/または請求項に記載の方法によって求めた値を与える場合、プレドライヤパート入り口については請求項の方法を用い、アフタドライヤパート入り口については前記請求項の方法を用いるが、いずれか一方のみを用いても構わない。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を本発明の一実施例に沿って詳細に説明する。まず、プレドライヤパートにおいて抄替後の蒸気圧設定値を求める方法を、図9と図1を用いて説明する。最初に定常状態シミュレーションを図9に示す従来技術と同様に行って、乾燥速度係数Kを決定する。次に抄替後の蒸気圧を予測するが、前述したように、従来の抄替え後の蒸気圧予測シミュレーションでは、ドライヤパート入り口の水分率MP(1)として抄替え前の値(50%等)を用いていたが、そのために蒸気圧の予測値に誤差が生じるという課題があった。そのため、図1フローチャートの蒸気圧予測シミュレーションにおいて、熱伝達微分方程式に基づく差分方程式を解く数値演算で、ウェブ相対水分率の初期値MP(1)であるドライヤパート入り口(プレドライヤパート入口)水分率を下記(18)式で計算するようにする。
【0063】
【数17】
Figure 0004162864
【0064】
MPNowInitは図9の定常状態シミュレーションで用いるドライヤパート入り口水分率の初期値でもあり、水分率計が設置されているときにはその測定値を用いてもよく、水分率計がない場合は運転状態に応じた固定値などを用いればよい。例えば水分率計からの入力値(50%等)を用いる。また、AおよびAはチューニングパラメータであり、操業状態によって調整する。A=A=0とすると、図10の従来例と同じになる。また、MPNowInitもチューニングパラメータとして用いることもできる。
【0065】
この(18)式により演算した例を示す。A=8.7、A=1.0に設定し、BD=100(g/m2)、BD=125(g/m2)、V=750(m/min)、V=600(m/min)としたときに、(18)式を用いて演算すると、
MPNextInit=50+8.7×25/100+1.0×(−150)/750
=52.0%
になり、抄替後の初期値として、抄替前の定常状態シミュレーションの初期値50%を用いた場合と比較して2%の差が生じていることがわかる。
【0066】
図1に、上記(18)式を用いた抄替え後の蒸気圧予測シミュレーションのフローチャートを示す。図1において、最初に抄速等の操業状態を読み込み、ついで抄速、ドラム円周長などから刻み時間幅を決定する。この部分は、図10従来例と同じである。次に、前記(18)式を用いてMPNextInitを演算し、それをドライヤ入り口水分率の初期値MP(1)に代入する。それから、ドラム温度、ウェブ温度、キャンバス温度、ウェブ水分率を演算し、ウェブ最終水分率値MP(N)が収束しているかを調べて、収束していないと蒸気圧設定値を補正して再度ドラム温度などの演算を実行する。この部分も、図10従来例と同じである。この蒸気圧設定値を抄替え後のドライヤの蒸気圧設定値として用いて抄紙機を制御するようにする。
【0067】
図3に、図1フローチャートの蒸気圧設定値の予測方法を含む制御方法を実現する抄紙機の制御装置の構成を示す。図3において、11は現在の操業状態を読み込み、また刻み時間幅Δtを決定する初期設定部である。12は前記(18)式に基づいて水分率の初期値を演算する水分率演算部である。13は図9フローチャートに基づいてシミュレーションにより乾燥速度係数を求める乾燥速度係数演算部である。
【0068】
14はこれら初期設定部11,相対水分率演算部12,乾燥速度係数演算部13の出力が入力され、図1フローチャートのアルゴリズム中のループ演算を行って抄替え後の蒸気圧を予測する蒸気圧予測部である。15は蒸気圧予測部14で予測された蒸気圧を抄替え後のドライヤの蒸気圧設定値として抄紙機を制御する制御部である。16は,制御対象であるドライヤである。このようにして、抄替え時間を短縮できる抄紙機の制御装置を実現できる。
【0069】
次に、アフタドライヤにおいて抄替後の蒸気圧設定値を求める方法を説明する。最初に図9を用いて定常状態シミュレーションを説明する。請求項9の式「数4」の変形である前記(12)式によって定常状態におけるアフタドライヤ入り口絶対水分率
absMPAFTINを計算する。ここで、absMPPREENDは、プレドライヤの定常状態のシミュレーションより求められる。また、サイズの絶乾塗工量CWを下記(19)式により求めるようにする。
【0070】
【数18】
Figure 0004162864
【0071】
この(19)式の分子はサイズの流量と濃度と比重の積であり、1分間に使用されるサイズの絶乾重量を表している。単位はg/分である。濃度Sの単位は%なので、100で割ることによって割合に変換している。また、比重Wの単位はkg/Lなので、1000倍することによってg(グラム)に変換している。
【0072】
また、前記(19)式の分母は抄速と製品である紙の幅の積であり、1分間当たりのサイズが転写される紙の面積を表している。単位はm/分である。従って、この式により紙の単位面積当たりに転写されるサイズの重量、すなわちサイズの絶乾塗工量CWを求めることができる。
【0073】
なお、サイズの流量Fおよび濃度Sはそれぞれ流量計、濃度計で測定されるが、応答が早いダイナミックな制御に用いるわけではないので、5分間程度の十分長い時間の移動平均を取った値を用いるようにしている。そのため、これらの測定値に短い周期の変動や測定誤差があっても、その影響を最小限にすることができる。
【0074】
このアフタドライヤ入り口絶対水分率absMPAFTIN から、図9における差分方程式の数値解を求める演算における、ウェブ水分率の初期値MP(1)を、
(11)式のように計算する。これにより、図9のようにアフタドライヤパートにおける乾燥速度係数Kが決定される。BM計が、サイズプレス前にも設置されている場合には、プレドライヤとアフタドライヤで別々に収束計算を行う。サイズプレス前のBM計が設置されていない場合には、アフタドライヤのみで収束計算を行う。
【0075】
図4に、前記(19)式を用いた抄紙機の制御装置の構成を示す。この図において、21はサイズが塗布される前のウェブを製造するウェブ製造部である。22はこのウェブ製造部21で製造されたウェブにサイズを塗布するサイズ塗布部である。23はサイズが塗布されたウェブを乾燥させるドライヤである。24は水分率演算部であり、前記(19)式および(12)式に基づいてサイズが塗布されたウェブの水分率を演算する。25は制御部であり、水分率演算部24が演算・出力した水分率を入力し、この水分率に基づいてドライヤ23を制御する。
【0076】
次に、図2に示す銘柄変更時(抄替え時)のアフタドライヤの蒸気圧予測シミュレーションについて考察する。一般に銘柄変更時には抄速が変化する。サイズプレスにおけるサイズの転写量は抄速に比例するので、抄速が変化するとサイズの流量も抄速に比例する。従って、下記(20)式が成立する。
【0077】
【数19】
Figure 0004162864
【0078】
従って、銘柄変更前後で抄速がVからVに、サイズの濃度がSからSに変化したとすると、銘柄変更前後のサイズの絶乾塗工量CW、CWは下記(21)式によって計算することができる。
【0079】
【数20】
Figure 0004162864
【0080】
この(21)式から、サイズの濃度の設定値が銘柄毎に与えられている場合に、銘柄変更後の絶乾塗工量は下記(22)式によって予測することができる。
【0081】
【数21】
Figure 0004162864
【0082】
すなわち、銘柄変更前に銘柄変更後の絶乾塗工量を知ることができる。前述したように、銘柄変更後のプレドライヤ出口の絶対水分率absMPPREEND*はシュミレーションによって求めることができ、またプレドライヤ出口の絶乾坪量はアフタドライヤ出口の絶乾坪量からサイズの絶乾塗工量を引いた値であるので、銘柄変更前に銘柄変更後のアフタドライヤ入り口の絶対水分率
absMPAFTIN* を下記(23)式によって推定することができる。
【0083】
【数22】
Figure 0004162864
【0084】
この銘柄変更後のアフタドライヤの絶対水分率absMPAFTIN*を用いて、銘柄変更後のアフタドライヤ蒸気圧の予測値を演算する方法を、図2を用いて説明する。図2において、最初に、銘柄変更前の定常状態におけるドライヤ各セクションの蒸気圧設定値と、銘柄変更後の抄速等の操業状態を読み込む。ついて抄速、ドラム円周長などから刻み時間幅を決定する。この部分は、図10従来例と同じである。次に、前記(23)式を用いてabsMPAFTIN*を演算し、それをドライヤ入り口水分率の初期値MP(1)に代入する。それから、ドラム温度、ウェブ温度、キャンバス温度、ウェブ相対水分率を演算し、ウェブ最終水分率値MP(N)が収束しているか調べて、収束していないと蒸気圧設定値を補正して再度ドラム温度などの演算を実行する。この部分も、図10従来例と同じである。この蒸気圧設定値を抄替後のドライヤの蒸気圧設定値として用いて抄紙機を制御するようにする。
【0085】
抄替前の蒸気圧設定値から、上記抄替後の蒸気圧設定値に変更する変更方法は、先願の特許第3094798号明細書の方法によってもよいし,別の方法によってもよい。
【0086】
図5に、銘柄変更時の制御を行う抄紙機の制御装置の構成を示す。この図において、31はサイズを塗布する前のウェブを製造するウェブ製造部である。32はウェブ製造部31で製造されたウェブにサイズを塗布するサイズ塗布部である。33はサイズが塗布されたウェブを乾燥させるドライヤである。34は前記(22)式および(12)式から銘柄変更後のウェブの水分率を予測する水分率予測部である。35は水分率予測部34の出力が入力され、ドライヤ33を制御する制御部である。制御部35は銘柄変更後に水分率予測部34の出力に基づいてドライヤ33を制御する。
【0087】
図6に、サイズの塗工制御装置の構成を示す。この図において、4は濃度制御部であり、ストレージタンク5に貯蔵されている濃度が一定のサイズと希釈水を混合して、任意の濃度のサイズを作成する。濃度が一定値C(=10%)のサイズの流量は流量計46で検出され、比率設定器41に入力される。この比率設定器41にはまた希釈水の比率が銘柄毎に手動で入力される。比率設定器41は設定された希釈水比率になるように、バルブ42を制御する。希釈水の流量は流量計43で測定される。濃度一定のサイズと希釈水はロータリースクリーン61で混合され、サプライタンク62に貯蔵される。
【0088】
サプライタンク62に貯蔵されたサイズはサイズプレス7内のコータ71に注入され、ロール72に転写されて更に製品であるウェブ(紙)73に再転写される。サプライタンク62の液位は液面計63で測定され、その測定値はバルブ制御器44に入力される。バルブ制御器44はバルブ45を制御して、サプライタンク62の液位を一定値に保つようにする。
【0089】
コータ71における転写率は一定なので、サイズの流量は抄速に比例して変化する。ストレージタンク5から供給されるサイズの給液流量をA(L/min)、比率設定器41に設定される比率をrとすると、コータ71に供給されるサイズの流量F(L/min)は、
F=(1+r)・A
になる。また、サイズの濃度Sと希釈水の比率rとの間には、下式の関係がある。
【0090】
【数23】
Figure 0004162864
【0091】
従って、前記(19)式から絶乾塗工量CWが演算でき、また前記(22)式から抄替え後の絶乾塗工量を求めることができる。また、これらの結果としてプレドライヤ乾燥状態のシミュレーションによるプレドライヤ出口水分率の結果から、前記(12)式により抄替え前のアフタドライヤ入り口の水分率を計算することができる。更に、(12)式のCWに(22)式のCW を代入すると、抄替え後の水分率を求めることができる。
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、次の効果が期待できる。 請求項1〜4の発明によれば、蒸気ドラム、ウエブおよびキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測して、この予測値を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御方法/装置において、差分方程式を解く際に、ドライヤパート入り口(プレドライヤパート入り口)の相対水分率の初期値を所定の式に基づいて演算するようにした。
【0092】
そのため、抄替え後のドライヤ蒸気圧の予測値として、実際の蒸気圧設定値により近い値を得ることができる。従って、抄替え後の蒸気圧設定値をこの予測値とすることによって抄替え時間を短くすることができ、損紙の削減、生産性の向上を図ることができるという効果がある。
【0093】
また、抄替え後のウェブ温度、水分率などドライヤ内の乾燥状態をより精度よく予測できるので、操業上有利な情報をオペレータに与えることができるという効果もある。
【0094】
また、パラメータA、A、MPNowInitを操業状態に応じて調整するようにした。種々の抄紙機や操業状態に対応することができるので、より汎用性が高くなるという効果がある。また、パラメータをチューニングすることにより、より効果を高めることができる。
【0095】
請求項5〜8記載の発明によれば、サイズの絶乾塗工量を所定の式に基づいて演算し、この絶乾塗工量からアフタードライヤパートウエブの水分率予測し、この予測値を用いて蒸気ドラム、ウエブおよびこのウエブにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この蒸気圧を抄替え後の蒸気圧設定値として用いて、ドライヤを制御するようにした。
【0096】
BM計がサイズプレス前に設置されていなくとも精度の良い塗工量の計算が可能となり、アフタドライヤパート出口の水分率のみを実測して収束計算するようにすれば、容易にドライヤを制御できるという効果がある。また、計器の誤差に影響されず、正確な塗工量を求めることができるので、ドライヤの制御をより正確に行うことができ、製品の品質を高めることができるという効果もある。
【0097】
更に、BM計が設置されていない場合、操業監視や定常制御に用いることもできるという効果もある。
【0098】
また、BM計を少なくすることができれば、装置を簡単かつ安価に製作することができるという効果がある。
【0099】
また、抄替え後の水分率を正確に見積もることができ、抄替え時間を短縮することができる。そのため、損紙が少なくなり、生産性を高めることができるという効果がある。
【0100】
請求項9、10記載の発明によれば、サイズの流量および濃度として、測定値の移動平均値を用いるようにした。流量計や濃度計の短周期の変動や測定誤差を抑えることができるので、より正確に水分率を見積もり、蒸気圧設定値を予測できるという効果がある。また、安価な流量計や濃度計を用いることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す構成図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す構成図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す構成図である。
【図7】一般的な抄紙機の構成図である。
【図8】熱伝達方程式のパラメータをまとめた表である。
【図9】従来の定常状態シミュレーションを示すフローチャートである。
【図10】従来の蒸気圧予測シミュレーションを示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 初期設定部
12 水分率演算部
13 乾燥速度係数演算部
14 蒸気圧予測部
16 ドライヤ
15,25,35 制御部
21,31 ウェブ製造部
22,32 サイズ塗布部
23,33 ドライヤ
24 水分率演算部
34 水分率予測部
4 濃度制御部
5 ストレージタンク
62 サプライタンク
7 サイズプレス
71 コータ
72 ロール
73 ウェブ

Claims (12)

  1. パルプ原料をワイヤパートに吐出、濾水してウエブを形成し、このウエブをプレスパートで搾水した後、蒸気ドラムが配置されたプレドライヤで乾燥し、さらに前記プレドライヤと同様の構成を有するアフタドライヤで乾燥する構成の抄紙機を制御する制御方法であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測して、この予測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御方法において、
    前記差分方程式を解く際に、抄替え後のドライヤパート入り口のウエブ水分率の初期値を下式に基づいて演算するようにしたことを特徴とする抄紙機の制御方法。
    Figure 0004162864
    ここで、
    MPNextInit:ウエブ水分率の初期値
    BD:抄替え前の絶乾坪量 BD:抄替え後の絶乾坪量設定値
    V:抄替え前の抄速 V:抄替え後の抄速設定値
    MPNowInit:ドライヤパート入り口水分率の初期値
    A、A:チューニングパラメータ。但し、少なくともどちらかはゼロでない数値
  2. 前記A、A、MPNowInitを操業状態に応じて調整するようにしたことを特徴とする請求項1記載の抄紙機の制御方法。
  3. パルプ原料をワイヤパートに吐出、濾水してウエブを形成し、このウエブをプレスパートで搾水した後、蒸気ドラムが配置されたプレドライヤで乾燥し、さらに前記プレドライヤと同様の構成を有するアフタドライヤで乾燥する構成の抄紙機を制御する制御装置であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この予測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御装置において、
    現在の操業状態を取り込み、また抄速、蒸気ドラムの円周長などから差分計算の刻み時間幅を求める初期設定部と、
    下式に基づいて抄替え後のドライヤパート入り口水分率の初期値を演算する水分率演算部と、
    シミュレーションによって乾燥速度係数を求める乾燥速度係数演算部と、
    これら初期設定部と水分率演算部および乾燥速度係数演算部の出力が入力され、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この蒸気圧予測値を出力する蒸気圧予測部と、
    前記蒸気圧予測値が入力され、この蒸気圧予測値を抄替え後の蒸気圧設定値として前記抄紙機を制御する制御部と、
    を具備したことを特徴とする抄紙機の制御装置。
    Figure 0004162864
    ここで、
    MPNextInit:ウエブ水分率の初期値
    BD:抄替え前の絶乾坪量 BD:抄替え後の絶乾坪量設定値
    V:抄替え前の抄速 V:抄替え後の抄速設定値
    MPNowInit:ドライヤパート入り口水分率の初期値
    A、A、:チューニングパラメータ。但し、少なくともどちらかはゼロでない数値
  4. 前記A、A、MPNowInitを操業状態に応じて調整するようにしたことを特徴とする請求項3記載の抄紙機の制御装置。
  5. パルプ原料をワイヤパートに吐出、濾水してウエブを形成し、このウエブをプレスパートで搾水して蒸気ドラムが配置されたプレドライヤで乾燥した後、サイズプレスでサイズ処理を行い、前記プレドライヤと同様の構成を有するアフタドライヤで乾燥する構成の抄紙機を制御する制御方法であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この予測した蒸気圧を抄替え後の蒸気圧設定値とする抄紙機の制御方法において、
    サイズの流量、サイズの濃度、サイズの比重、抄速、ウエブの幅を用いて下記(A)式からサイズの絶乾塗工量を演算し、この演算した絶乾塗工量を用いて下記(B)式から前記アフタドライヤ入り口のウエブ絶対水分率を演算して、この演算したウエブ絶対水分率を、前記差分方程式を解く際の初期値とするようにしたことを特徴とする抄紙機の制御方法。
    Figure 0004162864
    ここで、
    CW:サイズの絶乾塗工量(g/m2) F:サイズの流量(L/min)
    S:サイズの濃度(%) W:サイズの比重(kg/L)
    V:抄速(m/min) d:ウエブ幅(m)
    absMPAFTIN:アフタドライヤ入り口のウエブ絶対水分率
    absMo:サイズ塗工前のウエブ単位当たりの水分量(シミュレーションを用いた計算値)
    BDAFT:プレドライヤ出口の絶乾坪量
  6. サイズを塗布する前のウエブを製造するウエブ製造部と、蒸気ドラムが配置され、このウエブ製造部で製造されたウエブを乾燥させるプレドライヤと、該ウエブにサイズを塗布するサイズ塗布部と、前記プレドライヤと同様の構成を有し、このサイズが塗布されたウエブを乾燥するアフタドライヤとを具備した抄紙機を制御する制御装置であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この予測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御装置において、
    サイズの流量、サイズの濃度、サイズの比重、抄速、ウエブの幅を用いて下記(C)式からサイズの絶乾塗工量CWを求め、この絶乾塗工量および(D)式を用いて、サイズが塗布されたウエブの絶対水分率を演算する水分率演算部と、
    この水分率演算部が演算した絶対水分率が入力され、このウエブ絶対水分率を用いて、蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この蒸気圧予測値を抄替え後の蒸気圧設定値として前記アフタドライヤを制御する制御部と、
    を具備したことを特徴とする抄紙機の制御装置
    Figure 0004162864
    ここで、
    CW:サイズの絶乾塗工量(g/m2) F:サイズの流量(L/min)
    S:サイズの濃度(%) W:サイズの比重(kg/L)
    V:抄速(m/min) d:ウエブ幅(m)
    absMPAFTIN:アフタドライヤ入り口のウエブ絶対水分率
    absMo:サイズ塗工前のウエブ単位当たりの水分量(シミュレーションを用いた計算値)
    BDAFT:プレドライヤ出口の絶乾坪量
  7. パルプ原料をワイヤパートに吐出、濾水してウエブを形成し、このウエブをプレスパートで搾水して蒸気ドラムが配置されたプレドライヤで乾燥した後、サイズプレスでサイズ処理を行い、前記プレドライヤと同様の構成を有するアフタドライヤで乾燥する構成の抄紙機の制御方法であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この予測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御方法において、
    前記差分方程式を解く際に、抄替前の絶乾塗工量と抄替前後のサイズ濃度設定値を用いて下記(E)式からサイズの絶乾塗工量予測値CW を演算し、この演算した絶乾塗工量予測値を用いて下記(F)式から前記アフタドライヤ入り口のウエブ絶対水分率を演算し、この演算したウエブ絶対水分率を前記差分方程式を解く際の初期値とするようにしたことを特徴とする抄紙機の制御方法。
    Figure 0004162864
    ここで、
    CW:抄替え後のサイズの絶乾塗工量予測値
    CW:抄替え前のサイズ絶乾塗工量
    S:抄替え前のサイズ濃度設定値
    S :抄替え後のサイズ濃度設定値
    absMPAFTIN:抄替え後のドライヤ入り口におけるウエブ絶対水分率
    absMo:サイズ塗工前のウエブ単位当たりの水分量(シミュレーションを用いた計算値)
    BDAFT:ドライヤ出口の絶乾坪量設定値
  8. サイズを塗布する前のウエブを製造するウエブ製造部と、蒸気ドラムが配置され、このウエブ製造部で製造されたウエブを乾燥させるプレドライヤと、該ウエブにサイズを塗布するサイズ塗布部と、前記プレドライヤと同様の構成を有し、このサイズが塗布されたウエブを乾燥するアフタドライヤとを具備した抄紙機の制御装置であって、前記蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この予測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御装置において、
    抄替前の絶乾塗工量と抄替前後のサイズ濃度設定値を用いて下記(G)式からサイズの絶乾塗工量予測値CW を演算し、この演算した絶乾塗工量予測値を用いて下記(H)式からサイズが塗布されたウエブの絶対水分率を演算する水分率演算部と、
    この水分率演算部が演算した絶対水分率が入力され、このウエブ絶対水分率を用いて、蒸気ドラム、ウエブおよびこの蒸気ドラムにエンドレスに巻き付けられたキャンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し、この蒸気圧予測値を抄替え後の蒸気圧設定値として前記アフタドライヤを制御する制御部と、
    を具備したことを特徴とする抄紙機の制御装置。
    Figure 0004162864
    ここで、
    CW:抄替え後のサイズの絶乾塗工量予測値
    CW:抄替え前のサイズ絶乾塗工量
    S:抄替え前のサイズ濃度設定値
    S :抄替え後のサイズ濃度設定値
    absMPAFTIN:ウエブ絶対水分率
    absMo:サイズ塗工前のウエブ単位当たりの水分量(シミュレーションを用いた計算値)
    BDAFT:プレドライヤ出口の絶乾坪量
  9. サイズの流量および濃度として、各測定値の移動平均値を用いたことを特徴とする請求項5若しくは請求項7記載の抄紙機の制御方法。
  10. サイズの流量および濃度として、各測定値の移動平均値を用いたことを特徴とする請求項6若しくは請求項8記載の抄紙機の制御装置。
  11. 蒸気ドライヤの蒸気ドラムにキャンバスと共にウエブを巻き付けてウエブを乾燥させる抄紙機で、抄替え時に該ウエブの水分率を所定の設定値に向かって変更するため、抄替え後の各蒸気ドラムへの蒸気圧力を予測して制御する抄紙機の制御方法であって、前記蒸気ドラム、前記キャンバスおよび前記ウエブの相互間に熱平衡式を導入して該熱平衡式を差分方程式に書き直し、検出器により、少なくともドライヤ蒸気圧力、ウエブ坪量、抄速、ドライヤパート出口のウエブ水分率値の各値を取り込み、更に、前記差分方程式に、アフタドライヤパート入り口ウエブ水分率の初期値として請求項5の式を用いた値を与えると共に、その他の初期値も与え、ウエブの移動分に対応する所定の時間間隔で該差分方程式を繰り返し解き、算出した最終水分率値が検出器により取り込んだ実際の測定値に所定の許容範囲内で一致するまで繰り返すことより、前記ウエブの乾燥速度係数と、ドライヤパート内の移動方向に沿う定常状態ウエブ水分率推移パターンとを求め、更に抄替え時に、抄替後の操業プロセス値として、少なくともウエブ設定坪量、設定抄速、ドライヤパート出口ウエブ設定水分率値の各値を取り込み、前記差分方程式に、ドライヤパート入り口ウエブ水分率の初期値として前記請求項1および/または請求項7に記載の方法によって求めた値を与えると共に、前記ドライヤパート出口ウエブ設定水分率値に、算出したウエブ最終水分率値を所定の許容範囲内で一致させるべく、前記各蒸気ドラムへの蒸気圧力を変動させて、前記差分方程式を、ウエブの移動分に対応する所定の時間間で繰り返し解き、ウエブの移動方向に沿う各蒸気ドラムへの蒸気圧力のパターンを求め、
    実際の抄替時に、該蒸気圧力のパターンに一致させるべく各蒸気ドラムへの蒸気圧力を変更することを特徴とする抄紙機の制御方法。
  12. 蒸気ドライヤの蒸気ドラムにキャンバスと共にウエブを巻き付けてウエブを乾燥させる抄紙機で、抄替え時に該ウエブの水分率を所定の設定値に向かって変更するため、抄替え後の各蒸気ドラムへの蒸気圧力を予測して制御する抄紙機の制御装置であって、前記蒸気ドラム、前記キャンバスおよび前記ウエブの相互間に熱平衡式を導入して該熱平衡式を差分方程式として記憶する記憶手段と、少なくともドライヤ蒸気圧力、ウエブ坪量、抄速、ドライヤパート出口のウエブ水分率値の各値を取り込む検出手段と、前記差分方程式に、アフタドライヤパート入り口ウエブ水分率の初期値として請求項6の式を用いた値を与えると共に、その他の初期値も与え、ウエブの移動分に対応する所定の時間間隔で該差分方程式を繰り返し解き、算出した最終水分率値が検出器により取り込んだ実際の測定値に所定の許容範囲内で一致するまで繰り返すことより、前記ウエブの乾燥速度係数と、ドライヤパート内の移動方向に沿う定常状態ウエブ水分率推移パターンとを求める計算手段と、更に抄替え時に、抄替後の操業プロセス値として、少なくともウエブ設定坪量、設定抄速、ドライヤパート出口ウエブ設定水分率値の各値を取り込み設定する設定手段と、前記差分方程式に、ドライヤパート入り口ウエブ水分率の初期値として前記請求項3および/または請求項8に記載の手段によって求めた値を与える入力手段と、前記ドライヤパート出口ウエブ設定水分率値に、算出したウエブ最終水分率値を所定の許容範囲内で一致させるべく、前記各蒸気ドラムへの蒸気圧力を変動させて、前記差分方程式を、ウエブの移動分に対応する所定の時間間隔で繰り返し解き、ウエブの移動方向に沿って各蒸気ドラムへの蒸気圧力のパターンを求める計算手段と、
    実際の抄替時に、各蒸気ドラムへの蒸気圧力を前記蒸気圧力のパターンに一致させるべく変更していく変更手段と、を備えていることを特徴とする抄紙機の制御装置。
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