JP4162757B2 - 帯電防止性ハードコートフィルムの製造方法 - Google Patents

帯電防止性ハードコートフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防塵性等の帯電防止性能と耐擦傷性能が付与された帯電防止性ハードコートフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基材フィルム上に各種機能性を有する塗膜を複数層形成するために紫外線硬化型樹脂組成物を2層以上塗布することが行われている。この場合において、基材フィルム上に紫外線硬化型樹脂組成物を塗布し、紫外線を照射して塗膜を完全に硬化させて一層目の紫外線硬化型樹脂組成物の硬化塗膜を形成し、次いで該塗膜上に再度、同様に紫外線硬化型樹脂組成物の硬化塗膜を形成すると、一層目の塗膜にはもはや反応性基が消滅しているため、一層目と二層目の塗膜相互の密着性が悪くなるという問題があった。
【0003】
そのため、従来では、基材フィルム上に一層目の紫外線硬化型樹脂組成物塗膜をハーフキュアの状態にして、一層目の塗膜表面に反応性基を残した状態で、二層目の紫外線硬化型樹脂組成物を塗布して紫外線照射して、両塗膜を完全硬化させる方法が一般的に行われている。
【0004】
しかしながら、紫外線照射により2層以上の紫外線硬化型樹脂組成物塗膜を同時に紫外線照射により硬化させる場合には、最表面の紫外線硬化型樹脂組成物塗膜の硬化に紫外線エネルギーの大部分が吸収されることが多く、距離の遠い下層側の紫外線硬化型樹脂組成物塗膜に十分な紫外線エネルギーを与えることができず、そのため、基材と下層側紫外線硬化型樹脂組成物塗膜との間の密着性が十分なものとはならないという問題があった。
【0005】
一方、カーブミラー、バックミラー、ゴーグル、窓ガラス、特にパソコン、ワープロなど電子機器のディスプレイ、その他種々の商業ディスプレイなどには、プラスチックなどの透明樹脂板が使用されている。そして、これらの透明樹脂板は、静電気による粉塵付着や、硬度が低いために、耐擦傷性が劣り、傷がつき透明性を損なうので、プラスチックの表面に、帯電防止塗料を塗工したり、ハードコート層を塗工することにより、静電気による粉塵の付着や、摩擦による擦傷による透明性の低下を防止する方法が行われている。
【0006】
しかしながら、異物付着を防ぐ程度に帯電防止剤などの導電性材料を分散したハードコート層は、透明性に欠けるばかりでなく、硬化が阻害され耐擦傷性を満たす十分な硬度を得ることができないものであった。
【0007】
また、金属酸化物などの蒸着で透明性が高い導電性薄膜を形成することはできるが、蒸着工程は生産性が劣りコストが高く耐擦傷性が十分でないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透明基材フィルム上に直接又は他の層を介して導電性微粒子を含み紫外線硬化型樹脂組成物をバインダーとする透明導電性塗膜を形成してハーフキュア状態とし、前記ハーフキュア状態の透明導電性塗膜上にハード性能を有する紫外線硬化型樹脂組成物を塗布してハードコート塗膜を形成して帯電防止性ハードコートフィルムを得る場合に、紫外線光源の照射スペクトルを有効に活用し、透明基材フィルムと透明導電性塗膜とハードコート層間の密着性が改善された帯電防止性ハードコートフィルムの製造方法及び帯電防止性ハードコートフィルムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
記目的を達成するための本発明の帯電防止性ハードコートフィルムの製造方法は、透明基材フィルム上に直接又は他の層を介して導電性微粒子を含み紫外線硬化型樹脂組成物をバインダーとする透明導電性塗膜を形成し、紫外線照射してハーフキュア状態とし、前記ハーフキュア状態の透明導電性塗膜上にハード性能を有する紫外線硬化型樹脂組成物を塗布してハードコート塗膜を形成し、前記紫外線硬化型樹脂組成物は塗膜層毎に照射に使用する紫外線光源の波長特性に対する吸収波長域のピークの異なる光硬化開始剤を混入したものであり、前記複数層の紫外線硬化型樹脂組成物の塗膜に対して紫外線照射して同時に複数層の塗膜を完全硬化することを特徴とする
【0013】
前記複数層形成された紫外線硬化型樹脂組成物の塗膜を硬化するのに、下層の塗膜に添加する光硬化開始剤の吸収波長域のピークの方が、上層の塗膜に添加する光硬化開始剤の吸収波長域のピークよりも長波長側にあることが、紫外線光源の波長特性を効率よく利用する上で望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムに使用可能な透明基材フィルムには、セルローストリアセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリメタアクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂の延伸又は未延伸フィルムが挙げられる。
【0018】
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムにおける各塗膜の塗工方法には、ロールコート、グラビアコート、バーコート、押出しコートなどの公知の方法が適用できる。
【0019】
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムに使用される紫外線硬化型樹脂組成物中には光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフインなどを混合して使用することができる。
【0020】
上記の紫外線硬化型樹脂には、次式で示される反応性有機ケイ素化合物を含ませることもできる。
【0021】
即ち、RmSi(OR′)nで表せる化合物であり、ここでR、R′は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4であり、そしてm及びnはそれぞれ整数である。更に具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシランなどがあげられる。図1は、特定の紫外線照射ランプの波長特性を例示したものであり、具体的には、フュージョンUVシステムズ社製のHバルブ(商品名)の波長特性であり、横軸に波長(nm)、縦軸に放射電力(W/nm)をとったグラフである。図1から分かるように波長特性は複数のピークになっている。
【0022】
図2は、各種光硬化開始剤についての吸収特性を例示したものであり、具体的には、市販の光硬化開始剤である、イルガキュア184(又はイルガキュア500)(Chiba geigy 社製、1−ヒドロキシサイクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュア651(Chiba geigy 社製、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、イルガキュア907(Chiba geigy 社製)、イルガキュア369(Chiba geigy 社製)、TPO(ビーエーエスエフジャパン(株)製、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)についての吸収特性である。図2から分かるように、光硬化開始剤の種類によっては、吸収波長域が異なっている。
【0023】
例えば、図2に示すイルガキュア184(Chiba geigy 社製)は260nm以下と310〜350nmに高い吸収波長域があるのに対して、TPO(ビーエーエスエフジャパン(株)製)は350〜410nm(ピーク波長:383nm)に高い吸収波長域があり、両者の吸収波長域は異なっている。これらの光硬化開始剤に対して、図1の紫外線照射ランプの波長特性は、200〜320nmと370〜410nmの波長域に放射電力が大きいピークがあるので、これらの光硬化開始剤の吸収波長域と紫外線照射ランプの放射電力の有効な波長域とは一致している。したがって、吸収波長域の異なる光硬化開始剤を使用すれば、紫外線照射ランプの放射電力を有効に利用できることになる。
【0024】
紫外線光源側からみて下層の塗膜に添加する光硬化開始剤の吸収波長域のピークの方が、上層の塗膜に添加する光硬化開始剤の吸収波長域のピークよりも長波長側である組み合わせにすると、各層への紫外線の到達が効率よく行われ、紫外線硬化型樹脂組成物の硬化に有効に機能する。
【0025】
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムにおける透明導電性塗膜の表面抵抗率は、望ましくは1012Ω/□を超えないものである。塗工で形成する透明導電性塗膜の厚みは、0.5〜5μm好ましくは1μm(本明細書における塗工量は重量分で記載する。以下同様)以上に形成する。0.5μm以下では、透明基材フィルムに形成する導電性塗膜の表面抵抗率を1012Ω/□以下とすることができず、5μm以上では透明導電性塗膜の透明性が失われることがある。
【0026】
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムにおける前記ハードコート塗膜は、望ましくは厚み方向の体積抵抗率が108 Ω・cm以下である。該ハードコート塗膜は、紫外線硬化型樹脂組成物からなり、望ましくはその厚みが、1μm〜50μmである。該ハードコート塗膜においては、膜面方向の抵抗率が高く、膜厚方向の抵抗率が低い異方導電性を付与したハードコート塗膜も本発明の範囲に含まれる。異方導電性ハードコート塗膜に用いる導電性微粒子は、ハードコート塗膜が異方導電性を示すように、その粒径が塗工厚みの1/3を超えるものから選択することができる。
【0027】
異方導電性ハードコート塗膜を設けることにより全コート層は、表面抵抗が低く、かつ耐擦傷性が優れた帯電防止性ハードコートフィルムを構成することができる。
【0028】
本発明でいう「異方導電性」とは、次式(1)で示すように膜面方向の体積抵抗率(PVH)が、膜厚方向の体積抵抗率(PVV)より10倍、若しくはそれ以上の関係にあることを意味する。
【0029】
【数1】
Figure 0004162757
【0030】
なお、本発明の帯電防止性ハードコートフィルムにおいて、ハードコート塗膜を異方導電性とする場合には、紫外線硬化型樹脂組成物をバインダーとする導電性層の上に耐擦傷性に優れた高い硬度と導電性を極端に損なわない性質を持つ樹脂組成物を塗工して形成する。異方導電性ハードコート塗膜に用いる紫外線硬化型樹脂組成物は、前記の導電性層と強固に接着する紫外線硬化型樹脂組成物を使用することができる。
【0031】
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムにおける透明導電性塗膜或いは異方導電性ハードコート塗膜に使用できる導電性徴粒子は、アンチモンドープのインジウム・ティンオキサイド(以下、ATOと記載する。)やインジウム・ティンオキサイド(ITO)、金及び/又はニッケルで表面処理をした有機化合物微粒子などが挙げられる。
【0032】
本発明の耐電防止性ハードコートフィルムの製造において、基材フィルムと紫外線硬化型樹脂組成物の塗膜との間に、プライマー層等の他の層を介在させてもよい。
【0033】
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムにおいて、透明導電性塗膜を構成する樹脂組成物には、アルキッド樹脂、多価アルコールなどの多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下本明細書では、アクリレートとメタアクリレートとを(メタ)アクリレートと記載する。)などのオリゴマー又はプレポリマー及び反応性の希釈剤を比較的多量に含むものが使用できる。
【0034】
上記希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドンなどの単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどがある。
【0035】
偏光板
図3は本発明の偏光板についての実施の形態の例である。図3に示される偏光板1は、2層の透明基材フィルム、例えば、TACフィルム12A、12Bの間に偏光素子2を積層したものの一方の表面或いは両面に、帯電防止性ハードコート層3を設けたものである。該偏光素子2は3層構造からなり、第1層及び第3層がポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素加えたフィルムと中間の第2層がPVAフィルムからなっている。
【0036】
前記構成の帯電防止ハードコートフィルム13はTACフィルム12Aに帯電防止性ハードコート層3を積層した構成である。
【0037】
表示装置
上記のようにして得られた偏光板は、液晶表示装置の構成要素として組み入れることができる。図4は本発明の液晶表示装置についての実施の形態の例である。図4に示すように液晶パネル4を前記した偏光板1の2枚の間に積層し、必要であれば、バックライト5を設けて、帯電防止性及びハード性の付与された本発明の液晶表示装置を構成することができる。
【0038】
また、液晶表示装置以外の表示装置、例えば、CRTでは、表示装置の表面に、本発明の帯電防止性ハードコートフィルムを積層して、帯電防止性及びハード性の付与された本発明の表示装置を構成することができる。
【0039】
【実施例】
下記の実施例1、2及び比較例1〜4により得られた帯電防止性ハードコートフィルムについての評価項目として、初期塗膜密着性、耐湿熱塗膜密着性、耐光(候)性塗膜密着性、積層体全光線透過率、鉛筆硬度、表面抵抗率は、次の方法により行った。
【0040】
▲1▼初期塗膜密着性:JISK5400に準拠して、試料の塗膜側に1.5mm間隔で碁盤目上のクロスカットを入れ、この上にセロハンテープ(登録商標、ニチバンNo.405)を密着させ、垂直方向に引っ張り、100個の碁盤目の中で塗膜の剥がれていない碁盤目の数をカウントする。
【0041】
▲2▼耐湿熱塗膜密着性:試料を50℃、95%RHのオーブン内に48時間保持した後に、前記▲1▼と同様の碁盤目剥離試験を行う。
【0042】
▲3▼耐光(候)性塗膜密着性:試料をスガ試験機(株)製の「紫外線オートフェードメータ」(ブラックパネル設定温度63℃)に各、100時間、150時間、200時間、250時間で紫外線照射した後、前記▲1▼と同様の碁盤目剥離試験を行う。
【0043】
▲4▼積層体全光線透過率:村上色彩技術研究所製「反射透過率計HR−100」を用いて測定する。
【0044】
▲5▼鉛筆硬度:タクマ精工製「簡易鉛筆引っかき試験機」を用いて鉛筆引っかき試験用MITSUBISHI UNIで1kgで荷重し、10mmの5回ストロークを行い、目視で傷の有無を確認し、傷のつかない回数を数える。
【0045】
▲6▼表面抵抗率:三菱化学製「抵抗率計MCP−HT260」を用いて測定する。
【0046】
〔実施例1〕
帯電防止性ハードコートフィルムの製造例
厚み188μmのポリエステルフィルムA4350(東洋紡(株)製)の一方の面に、光重合開始剤が無添加のシントロンC−4456−S7(商品名、固形分45重量%のATOを分散したハードコート剤、神東塗料(株)製)に、光重合開始剤としてルシリンTPO(商品名、ビーエーエスエフジャパン(株)製、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、350〜410nmに大きな吸収帯を持ち、ピーク波長は383nm)を固形分比で10%添加したものを塗工・乾燥後、フュージョンUVシステムズ社製のHバルブ(商品名)により紫外線を積算光量75mJ/m2 照射し、厚み1μmの透明導電性塗膜を形成した。次いで、この透明導電性塗膜の上に、光重合開始剤としてイルガキュア184(商品名、Chiba geigy 社製、260nm以下と310〜350nm付近に大きな吸収帯を持ち、ピーク波長は243nmと327nm)を3.5重量%添加したPET−D31(商品名、ハードコート剤、大日精化工業(株)製)を塗工・乾燥した後、フュージョンUVシステムズ社製のHバルブ(商品名)により紫外線を積算光量270mJ/m2 照射することにより厚み7.5μmのハードコート塗膜を形成すると同時に両塗膜を完全硬化させ、本実施例1の帯電防止性ハードコートフィルムを得た。
【0047】
〔実施例2〕
異方導電性ハードコート塗膜を持つ帯電防止性ハードコートフィルムの製造例
前記実施例1と同様にして厚み1μmの透明導電性塗膜を形成した。次いで、この透明導電性塗膜の上に、光重合開始剤としてイルガキュア184(商品名、Chiba geigy 社製)3.5重量%を、且つブライト20GNR4.6−EH(商品名、金及びニッケルで表面処理した平均粒径5μmのメラニン樹脂からなる導電性微粒子、日本化学工業(株)製)0.1重量%をPET−D31(商品名、ハードコート剤、大日精化工業(株)製)に添加して分散してなる塗工液を塗工・乾燥した後、フュージョンUVシステムズ社製のHバルブ(商品名)により紫外線を積算光量270mJ/m2 照射することにより厚み7.5μmの異方導電性ハードコート塗膜を形成すると同時に両塗膜を完全硬化させ、本実施例2の帯電防止性ハードコートフィルムを得た。
【0048】
〔比較例1〕
透明導電性塗膜に光重合開始剤を使用しない例であって、且つ一層目塗膜を電子線照射により完全硬化させた後に塗膜を形成した例
厚み188μmのポリエステルフィルムA4350(東洋紡(株)製)の一方の面に、光重合開始剤が無添加のシントロンC−4456−S7(商品名、固形分45%のATOを分散したハードコート剤、神東塗料(株)製)を塗工・乾燥した後、EB(エレクトロンビーム)を3Mrad照射し、厚み1μmの完全硬化した透明導電性塗膜を形成した。次いで、この透明導電性塗膜上に光重合開始剤としてイルガキュア184(商品名、Chiba geigy 社製)3.5重量%をPET−D31(商品名、ハードコート剤、大日精化工業(株)製)に添加して分散してなる塗工液を塗工・乾燥した後、フュージョンUVシステムズ社製のHバルブ(商品名)により紫外線を積算光量270mJ/m2 照射することにより厚み7.5μmの導電性ハードコート塗膜を形成し、比較例1の帯電防止性ハードコートフィルムを得た。
【0049】
〔比較例2〕
一層目塗膜を紫外線照射により完全硬化させた後に塗膜を形成した例
厚み188μmのポリエステルフィルムA4350(商品名、東洋紡(株)製)の一方の面に、光重合開始剤が無添加のシントロンC−4456−S7(商品名、固形分45重量%のATOを分散したハードコート剤、神東塗料(株)製)に光重合開始剤としてルシリンTPO(商品名、ビーエーエスエフジャパン(株)製)を固形分比で10%添加したものを塗工・乾燥した後、フュージョンUVシステムズ社製のHバルブ(商品名)により紫外線を積算光量270mJ/m2 照射し、厚み1μmの完全硬化した透明導電性塗膜を形成した。次いで、この透明導電性塗膜上に光重合開始剤としてイルガキュア184(商品名、Chiba geigy 社製)3.5重量%をPET−D31(商品名、ハードコート剤、大日精化工業(株)製)に添加して分散してなる塗工液を塗工・乾燥した後、フュージョンUVシステムズ社製のHバルブ(商品名)により紫外線を積算光量270mJ/m2 照射することにより厚み7.5μmの導電性ハードコート塗膜を形成し、比較例2の帯電防止性ハードコートフィルムを得た。
【0050】
〔比較例3〕
一層目塗膜と二層目塗膜に同一の光重合開始剤を使用した例
厚み188μmのポリエステルフィルムA4350(商品名、東洋紡(株)製)の一方の面に、光重合開始剤が無添加のシントロンC−4456−S7(商品名、固形分45重量%のATOを分散したハードコート剤、神東塗料(株)製)に、光重合開始剤としてイルガキュア184(商品名、Chiba geigy 社製)を固形分比で10%添加したものを塗工・乾燥した後、フュージョンUVシステムズ社製のHバルブ(商品名)により紫外線を積算光量75mJ/m2 照射し、厚み1μmの透明導電性塗膜を形成した。次いで、この透明導電性塗膜上に光重合開始剤としてイルガキュア184(商品名、Chiba geigy 社製)3.5重量%をPET−D31(商品名、ハードコート剤、大日精化工業(株)製)に添加して分散してなる塗工液を塗工・乾燥した後、フュージョンUVシステムズ社製のHバルブ(商品名)により紫外線を積算光量270mJ/m2 照射することにより厚み7.5μmの導電性ハードコート塗膜を形成すると同時に両塗膜を完全硬化させ、比較例3の帯電防止性ハードコートフィルムを得た。
【0051】
〔比較例4〕
一層目塗膜と二層目塗膜に互いに類似の吸収特性を有する光重合開始剤を使用した例
前記比較例3において、透明導電性塗膜に使用した光重合開始剤としてのイルガキュア184(商品名、Chiba geigy 社製、260nm以下と310〜350nm付近に大きな吸収帯を持ち、ピーク波長は243nmと327nm)に換えて、イルガキュア651(商品名、Chiba geigy 社製、260nm以下と310〜380nm付近に大きな吸収帯を持ち、ピーク波長は252nmと335nm)を使用した以外は、前記比較例3と同じ方法により比較例4の帯電防止性ハードコートフィルムを得た。なお、両光重合開始剤は図2に示すように類似の吸収特性を示す。
【0052】
上記実施例1、2及び比較例1〜4の各帯電防止性ハードコートフィルムについての全光線透過率、鉛筆硬度、表面抵抗率を下記の表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0004162757
【0054】
表1によれば、紫外線光源の波長特性に反応する光硬化開始剤を選択して用い、紫外線硬化型樹脂組成物の複数の塗膜層毎に吸収波長域のピークの異なる光硬化開始剤を混入することにより、得られた紫外線硬化型樹脂組成物の各層からなる塗膜の密着性は優れていることが分かる。
【0055】
【発明の効果】
発明は、各塗膜間の密着性が改善された、基材フィルム上に形成された透明導電性塗膜及びハードコート塗膜を有する帯電防止性ハードコートフィルムとすることができる。 本発明によれば、異方性に優れた異方導電性ハードコート塗膜を設けることにより、上記効果に加えて、全塗膜層は、表面抵抗がさらに低くなり、且つ耐擦傷性が優れた帯電防止性ハードコートフィルムとすることができる。
【0056】
本発明によれば、異方性に優れた異方導電性ハードコート塗膜を設けることにより、上記効果に加えて、全塗膜層は、表面抵抗がさらに低くなり、且つ耐擦傷性が優れた帯電防止性ハードコートフィルムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特定の紫外線照射ランプの波長特性を例示したものであり、具体的には、フュージョンUVシステムズ社製のHバルブ(商品名)の波長特性である。
【図2】各種光硬化開始剤についての吸収特性を例示したものである。
【図3】本発明の偏光板についての実施の形態の例を示す。
【図4】本発明の液晶表示装置についての実施の形態の例を示す。
【符号の説明】
1 偏光板
2 偏光素子
3 帯電防止性ハードコート層
4 液晶パネル
5 バックライト
12A、12B TACフィルム
13 帯電防止性ハードコートフィルム

Claims (2)

  1. 透明基材フィルム上に直接又は他の層を介して導電性微粒子を含み紫外線硬化型樹脂組成物をバインダーとする透明導電性塗膜を形成し、紫外線照射してハーフキュア状態とし、
    前記ハーフキュア状態の透明導電性塗膜上にハード性能を有する紫外線硬化型樹脂組成物を塗布してハードコート塗膜を形成し、
    前記紫外線硬化型樹脂組成物は塗膜層毎に照射に使用する紫外線光源の波長特性に対する吸収波長域のピークの異なる光硬化開始剤を混入したものであり、
    前記複数層の紫外線硬化型樹脂組成物の塗膜に対して紫外線照射して同時に複数層の塗膜を完全硬化することを特徴とする帯電防止性ハードコートフィルムの製造方法。
  2. 前記透明導電性塗膜には吸収波長域が紫外線の高波長側300nm〜400nmの光重合開始剤を、且つ前記ハードコート塗膜には吸収波長域が紫外線の低波長側300nm以下にそれぞれある光重合開始剤を添加することを特徴とする請求項2記載の帯電防止性ハードコートフィルムの製造方法。
JP14335498A 1998-05-25 1998-05-25 帯電防止性ハードコートフィルムの製造方法 Expired - Fee Related JP4162757B2 (ja)

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