JP4159987B2 - リン定量化のための方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検体とくに生物学的検体におけるリン酸化の程度の検出および測定に関する。本発明は、分析化学の分野と結合した分子生物学およびプロテオミクス(proteomics)の分野に関する。
生物は、分子に対するリン酸基の付加および除去によって、細胞作用を制御する機構を発展させてきた。生物は、環境からのシグナルを伝達して統合するために、リン酸化および脱リン酸化を用いている。たとえば、柱頭に着座した花粉粒は、最終的に受精の開始の引き金となる一連のプロテインリン酸化現象を引き起こす。また、リン酸化は、細胞***、細胞成長および細胞分化のような作用の細胞調整のための機構である。タンパク質においては、リン酸基は、セリン、トレオニン、チロシン、ヒスチジン、アルギニン、リシン、システイン、グルタミン酸およびアスパラギン酸残留物を修飾することができる。
プロテオミクスの分野は、生物内のタンパク質の特徴付けおよび調節を取り扱っている。リン酸化はタンパク質の調節に大きな役割を果たしているので、検体内のリン酸化の程度を測定するための正確、迅速、簡単かつ安価な方法の必要性が存在している。
現在、検体内のリン酸化を検出するのに用いられる方法は、蛍光アッセイ、ラジオイムノアッセイ、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)、質量分析検出と結合された二次元ゲル電気泳動法(2-D PAGE)、質量分析検出と結合された液体クロマトグラフィー分離法を含んでいる。通常、質量分析装置による検出は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、またはマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)を必要とする。リン酸基の定量化のための方法は、31P核磁気共鳴分光法(NMR)、および、シンチレーション計測または多光子(MPD)検出を備えた放射性同位体(γ-32P)標識化を含んでいる(Godovac-Zimmerman and Brown, 2001)。
しかしながら、上述の方法は、放射性同位体を使用する必要があるために、手間がかかり、簡単に行えない。また、検体内のリン酸基の数を正確に決定しないので、定量的でないと考えられている。これらの方法は、二段階の工程を必要としており、検体の一部はリンの濃度を決定するのに用いられており、検体の他の部分は検体の濃度を決定するのに用いられている。したがって、検体の利用の度合いは調節可能である。たとえば、タンパク質の検体を分析する場合には、タンパク質の定量化は、タンパク質分子ごとのリン酸化部位の数を正確に評価する必要がある。この測定は、リン酸の検出とは独立して行われる全く異なる分析法を必要とする。タンパク質濃度を決定するための唯一本当に正確な方法は、検体の一部を加水分解して、加水分解物に対してアミノ酸分析を行うことである(Wilson and Walker, 2000)。その他の近似方法は、タンパク質内の或る特定のアミノ酸残留物の存在に依存している。たとえば、チロシンおよびトリプトファンは紫外吸収において測定され、アルギニンおよびリシンは、Bradford(R)の比色分析において測定される。Kjeldahl分析は窒素総量を測定し、遠紫外吸収法は、ペプチド結合の数に基づいている。しかしながら、特定のアミノ酸残留物の濃度およびタンパク質中の窒素の濃度が著しく変化するので、これらの分析は相対的なものである(Wilson and Walker, 2000)。
最近、Windら(2001)は、結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を用いてリンイオンおよび硫黄イオンの同時検出により、タンパク質リン酸化の程度を決定するための方法を開示した。しかしながら、この方法は、同重核干渉を回避しまたは最小限に抑えるために「調節」を必要とした。たとえば、溶解分子による同重核干渉を最小限に抑えるために、非常に緩やかな流速(毎分4マイクロリッター)を必要とした。また、高解像度のICP-MSの使用を必要としたが、これは、非常に高価な装置であり、このため、日常的な測定には用いられない。このような制限は、当該方法を手間がかかる高価なものにしている。
このように、検体のリン酸化の程度を決定するための現在の方法は、i)正確な定量化に欠け、ii)二段階の工程を必要とし、iii)非常に高価な装置を必要とする。
リンを検出するとともに、検体内のリン酸化の程度を定量化するためのICP-MSの使用は、生物学的検体つまりO,N,H(0.1%),C(5%),S(14%)を特徴付けることができる要素、およびリンの低度のイオン化(33%)によって、阻害されている。カッコ内に与えられたイオン化の程度は、HouK, R.S.(1986)から採られている。もう一つの制限は、プラズマイオン源、検体マトリックスまたは装置の真空システムから生じるこれらイオンの高バックグラウンドの存在であり、また、対象となっているイオンと同じ質量におけるその他の原子または多原子イオンのスペクトル干渉の存在である。たとえば、31は、151614171416OHおよびその他の存在によって干渉を受ける。後者の制限は、同重核干渉と呼称されている。
Tanner および Baranov による米国特許第 6,140,638号は、干渉の反応性除去により同重核干渉を減少させるために、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)と関連して用いられる反応性衝突セルについて開示している。この場合には、新たな同重核干渉を形成するように反応する中間イオンを排除するように、動的帯域通過が採用されている。最近、この反応性衝突セルは、同重核干渉を最小限に抑えるために、干渉イオンと異なる質量−放電比を有する第2のイオンまたは生成イオンを生成するのにも使用されている(Baranov and Taner (1998); Tanner and Baranov (1998); Baranov and Taner (1999); Tanner and Baranov (1999); Bollinger and Schleisman(1999))。
Todd ら(2000)による WO 01/01446 は、異なる装置を用いて同重核干渉を最小限に抑えるための類似したアプローチについて開示している。同様に、Eiden ら(1997)は、異なる質量への干渉を排除する反応を用いることによって、同重核干渉を避けるように8極イオンガイド/衝突セルに結合されたイオントラップ質量分析計の使用について開示している。これら双方の文献は、異なる装置を用いており、検体内のリン酸化の程度の検出および測定を取り扱ってはいない。
プロテオミクスの分野により提案された大きな可能性によって、生物学的検体におけるリン酸化の程度の検出および測定のための必要性が存在している。リン濃度および検体濃度の同時測定を採用した、定量化のための迅速な方法の必要性が存在している。また、結果を迅速かつ正確に確認するための必要性が存在している。さらに、相対的に安価かつ小型の機械を必要とする、簡単で安価な方法の必要性が存在している。
米国特許第 6,140,638号明細書 国際公開第01/01446号パンフレット
最近20年間は、質量分析または光学分析を用いた誘導結合プラズマ(ICP)源の発達により、基本的な分析技術の向上を見てきた。このことは、高マトリックスの許容範囲を備えかつアイソトピック干渉およびスペクトル干渉を解消する手段を備えた超感度分光分析計に帰着した。本発明は、当該分野における発展を、生物学的分析における迅速かつ正確な検出および測定を提供する必要性と結び付けたものである。
本発明は、質量分析計を用いて検体内のリン酸化の程度を決定するための方法を開示している。
本発明の一つの特徴部分によれば、検体内のリン酸化の程度を検出し測定するための方法が提供されている。この方法は、i)アナライトを含む検体を、反応性衝突セルを有する誘導結合プラズマ質量分析計に導入し、アナライトイオンを生成する工程と、ii)干渉のない検出を提供するアナライトイオンを反応性ガスと反応させて、アナライトイオンと異なる質量-放電比を有する生成イオンを生成する工程と、iii)リンを含む生成イオンからの単一の信号または複数の信号の組合せを検出して測定するとともに、検体に対して特異性を有しかつ単一のイオンまたは複数のイオンの組合せからなる第2のイオンからの単一の信号または複数の信号の組合せを検出して測定する工程と、iv)検体内のリン酸化の程度を決定するために、リンを含む生成イオンからの単一の信号または複数の信号の組合せの、第2のイオンからの単一の信号または複数の信号の組合せに対する単一の比または複数の比を計算する工程とを備えている。
本発明のもう一つの特徴部分によれば、検体内のリン酸化の程度を検出し測定するためのシステムが提供されている。このシステムは、i)アナライトを含む検体を、反応性衝突セルを有する誘導結合プラズマ質量分析計に導入し、アナライトイオンを生成する手段と、ii)干渉のない検出を提供するアナライトイオンを反応性ガスと反応させて、アナライトイオンと異なる質量−放電比を有する生成イオンを生成する手段と、iii)リンを含む生成イオンからの単一の信号または複数の信号の組合せを検出して測定するとともに、検体に対して特異性を有しかつ単一のイオンまたは複数のイオンの組合せからなる第2のイオンからの単一の信号または複数の信号の組合せを検出して測定する手段と、iv)検体内のリン酸化の程度を決定するために、リンを含む生成イオンからの単一の信号または複数の信号の組合せの、第2のイオンからの単一の信号または複数の信号の組合せに対する単一の比または複数の比を計算する手段とを備えている。
本発明の他の特徴部分によれば、検体内のリン酸化の程度を検出し測定するための反応性衝突セルを有する誘導結合質量分析計の使用が提供されている。
本発明のその他の特徴部分および利点は、以下の詳細な記述から明らかであろう。しかしながら、本発明の詳細な記述および特定の好ましい実施例は例示目的でのみ設けられているということが理解されるべきである。その詳細な記述によって、当該分野の当業者には、本発明の精神の範囲内で種々の変化および変更をなし得ることが明らかであろう。
<定義>
本明細書中で用いられる用語の定義は以下のとおりである。
「アナライト(analyte)」は、分析で識別されて測定される任意の物質であって、以下の物を含むが、これらには限定されない。すなわち、タンパク質、ポリペプチド、細胞、細胞ライセート(cell lysates)、細胞系、核酸、糖およびこれらの組合せ。
「アナライトイオン(analyte ions)」は、検体がICP−MS内に導入されたときに誘導結合プラズマで形成されるイオンを意味している。ICP−MSにおいて、検体は完全に分解され、原子化されて、(通常原子であり、通常個々に帯電した)イオンが形成されるように、イオン化される。本発明においては、アナライトイオンは、ICPで生成されたイオンであって、反応性衝突セルで生成される生成イオンとは区別される。
「生物学的活性材料(biologically active material)」は、自然界に見出される任意の生物学的物質を意味しており、以下の物を含むが、これらには限定されない。すなわち、抗体、抗原、タンパク質、リガンド、受容体、細胞、ウイルスおよび核酸。
「誘導結合プラズマ(ICP)」は、電子エネルギーの誘導結合によってプラズマが不活性ガス(通常アルゴン)内に確立される原子化・イオン化源を意味している。励起力の周波数は、MHzの範囲である。
「同重核(isobar)」は、他のイオンと同じ質量-電化比を有するイオンを意味している。
「同重核干渉(isobar interference)」は、両イオンを区別できないように同重核が不明瞭であるとき、またはアナライトイオンと干渉するときに、発生する。このような干渉は、質量分析においてよく起こるものである。
「干渉のない検出(interference-free detection)」は、同重核干渉のない検出を意味している。
「質量分析計(mass spectrometer)」は、イオンを生成するとともに、イオンの質量数-電荷数比(つまり質量電荷比)に応じてイオンを分析する装置である。
「生成イオン(product ions)」は、アナライトイオンを含む反応性ガスとの反応後に反応性衝突セル内に生成されるイオンを意味している。生成イオンは、アナライトイオンと異なる質量電荷比を有している。
「反応性衝突セル(reactive collision cell)」は、アナライトイオンが、該アナライトイオンと異なる質量電荷比を有する生成イオンを形成するガスと反応する細胞を意味している。
「反応性ガス(reactive gas)」は、生成イオンを形成するために、または干渉イオンを取り除いて同重核干渉を解消するために、反応性衝突セル内で用いられる単一のガスまたは複数のガスの組合せを意味している。
「検体(sample)」は、検体を含んでいる、または検体を含んでいると疑われている任意の組成の液体、固定または気体を意味している。
「第2のイオン(second ion)」は、検体を表わすまたは検体に特異性を有するリン含有イオンと異なる任意のイオンを意味している。第2のイオンは、アナライトイオン、生成イオン、またはこれら双方の組合せである。
本発明は、反応性衝突セルに結合された誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)に検体を導入することによって、検体内のリン酸化の程度を検出して測定するための方法に関する。反応性衝突セルにおいては、アナライトイオンは、反応性ガスとの反応により生成イオンに変換されており、これにより、干渉イオンとは区別されて、同重核干渉を最小限に抑えている。リン酸化の程度は、検体に対して特異性を有する第2のイオンに対するリン含有イオンの比によって形成される。
任意の検体が用いられる。検体は、好ましくは、生物学的な検体である。好ましくは、検体は、タンパク質、ポリペプチド、細胞、細胞ライセート、細胞系、核酸、糖およびこれらの組合せである。また検体は、任意的に、SDS変性タンパク質を含んでいてもよい。
検体は、反応性衝突セルを含む誘導結合プラズマ質量分析計に導入される。たとえば、Taner et al.(2000), Baranov et al.(1999), Tanner and Baranov (1999), Tanner and Baranov (2000), Bandura et al.(2000)に記述されたようなICP−MSを用いた技術は、本発明の目的のために適用され得る。このようなICP−MSの変更は、原子質量分析において同重核干渉を減少させるのに用いられる動的反応細胞を含んでいる。簡単に言うと、ICP−DRC−MS技術は、検体粒子が原子化されイオン化される高温プラズマと、アナライトイオンとともにプラズマを大気圧から真空圧まで移送するように設計された真空インターフェースと、イオン集中光学系と、イオン電流を化学的に修飾するための動的反応細胞と、質量分析装置とを備えている。
低解像度のICP−MSを用いるようにしてもよく、これは、高解像度のICP−MSに比べて安価である。現在の最新の装置は、検体内のリン酸化の程度を検出し測定するために、高解像度ICP−MSを使用している(Wind et al., 2001)。同重核干渉を抑制するためには、PおよびSを検出するのに高解像度ICP−MSが必要だからである。本発明は、PイオンおよびSイオンと反応して、異なる質量電荷比でその生成イオンを形成し、これにより同重核干渉を回避するところの反応性衝突セルを加えることによって、高解像度ICP−MSを使用する必要性に打ち勝っている。
好ましくは、反応性衝突セルは、動的反応細胞(Dynamic Reaction CellTM)である。好ましい実施例では、反応性衝突セルの圧力およびその他のパラメーターは、イオン束密度の変動を最小限に抑えるように制御されている。
検体は、既知の手段によってICP−MSに導入されるが、通常、滴のスプレーとして(液体の検体)、または粒子の流れとして(固体表面のレーザー剥離)、プラズマに導入される。
アナライトイオンを含む検体は、反応性ガスと反応して、アナライトイオンと異なる質量電荷比を有するとともに干渉のない検出を提供する生成イオンを生成する。反応性ガスの選択は、検体(アナライト)イオンを異なる質量電荷比の生成イオンに変換させることができる反応性細胞の能力に基づいてなされる。以下のガスは、好ましい候補である。すなわち、O,NO,CO,CHF,CH,C,C
リン含有生成イオンからの信号またはその組合せや、検体内の第2のイオンからの信号およびその組合せが、検出されて測定される。ここで、第2のイオンは、検体に特異的なものである。信号の組合せという表現によって、同じアナライトイオンからの異なる生成イオンの集合が、たとえば、POおよびPOH、またはPOおよびPFであるということが意味されている(もしOおよびCHFの混合物が反応性ガスとして用いられるのであれば)。信号の組合せの他の例は、一つ以上のアナライトイオンからなる生成イオンおよび(または)アナライトの集合である。たとえば、SO,Naおよび13信号は、タンパク質検体の量を特徴付けるように組み合わせることができ、PO信号は、リン酸化の程度を特徴付ける。信号は、生成イオンおよび元のアナライトイオンの組合せからでもよい。測定すべき第2のイオン中の元素の選択は、検体に対する選択性および正確な検出・測定能力に基づいて行われる。タンパク質の検体の場合、硫黄が必然的な選択である。というのは、水素、窒素、酸素および炭素のイオンがICP−MSのバックグラウンドスペクトルには非常に豊富であって、これらの成分は、検体を用意するのに用いられる溶剤および試薬に常時含まれているからである。硫黄は、メチオニンおよびシステイン残留物中のタンパク質に存在している。任意的に、生成イオンは、フッ素原子またはアルキル基を含んでいてもよい。任意的に、生成イオンは、縮合、付加、求核置換反応または原子(団)サブトラクション反応の生成物でもよい。第2のイオンは、アナライトイオンを含む非リン、生成イオンを含む非リンまたはこれら双方の組合せでもよい。好ましくは、第2のイオンは、硫黄を含む生成イオンまたはアナライトナトリウムイオンである。任意的には、生成イオンは、酸化されたイオンである。
第2のイオンに対する生成リンイオンの比は、リン酸化の程度を決定するために計算される。たとえば、乳タンパク質α s2カゼインは、10個のリン酸、2個のシステインおよび4個のメチオニンを有することが知られている。測定されたPO/SOの比は、(装置の応答因子が明らかにされた後で)10:6であるべきである。脱リン酸化α s2カゼインは、低いPO/SO比を生じるべきである。したがって、脱リン酸化試薬の活量(activity)は、未反応のタンパク質検体および反応後のタンパク質検体について測定されたPO/SO比を比較することによって、評価することができる。
他の実施例においては、生成イオンに対するリンの多数の比が計算されるように、生成リンイオンを含む複数の生成イオンが測定されている。これは、結果を確認することができるので、有利である。また、複数の同位体の生成リンイオンおよびその他の生成イオンが、結果の確認のために測定されてもよい。
他の実施例においては、反応性衝突セルのガス圧およびその他のパラメータが、Bandura et al., 2000に記述されたのと同様の方法で、イオン束密度の変動の十分な減少およびイオン束の一時的な均質化を提供する値に設定されている。変動の減少および一時的な均質化は、イオン強度比の測定の正確さを向上させる。
他の実施例においては、反応性衝突セルが、細胞の出口に向かって生成イオンを効果的に移送させかつ相対的に重い反応性ガスが用いられた場合に散乱損失を抑制することができる軸方向フィールドの加速を含んでいる。
さらに他の実施例においては、反応性衝突セルの軸方向フィールドが減速されており、この場合には、より効率的に一時的な均質化を行なえるとともに、相対的に軽い反応性ガスが用いられたときに、イオン束密度の変動を減少させる。
他の実施例においては、検体がSDS変性タンパク質を含んでおり、第2のイオンがNaである。
任意的には、生物学的に活性な材料は、検体内のアナライトと結合するように、元素でタグされていてもよい。この場合、タグ元素は、検体を表しており、第2のイオンとして作用する。たとえば、対象となっている抗原と特異的に結合する抗体は、元素でタグされて、抗体・抗原複合体がICP−MS内に導入され、タグ元素を含むイオンが第2のイオンとして用いられる一方、リンを含む生成イオンはリンの量を検出するのに使用される。
任意的には、検体は、元素で直接タグされており、第2のイオンはタグ元素を含んでいる。
この方法の利点は多い。第1に、方法の正確さおよび簡便さによって、数多くのタンパク質検体が大量スクリーニングで試験されるプロテオミクスに適用可能である。第2に、当該システムは、リン濃度および検体濃度を同時に決定できる。これは、非常に短い時間で非常に正確な結果をもたらす。第3に、他の生成イオンまたは他の同位体を比較例として用いることによって、結果の確認が可能である。第4に、反応性衝突セルの使用が、高解像度ICP−MSにはよくあることであるが、プラズマの溶媒荷重(solvent load)を制限しない「化学的分解」を許容する。さらに、化学的分解が、アナライトイオンを干渉から16mass分(もし酸化されていれば)変化させる。これにより、より高度に実際的な分解が得られる。第5に、低分解能のICP−MS内に検体を導入する手段として、レーザー剥離を採用できる。というのは、化学的分解が、PおよびOの同重核干渉を形成する元素であるN,O,H,Cの剥離検体内における変化する含有量によって影響を受けないからであり、PおよびOが生成イオンとして異なる質量電荷比で測定されるからである。このことは、その純粋な質量電荷比でイオンを測定する高分解能のICP−MSと対照をなしている。バックグラウンドは、検体内の干渉構成元素(N,O,H,C)の存在度によって限定されており、剥離中に著しく変化し得る。剥離中のバックグラウンドの変化は、たとえば、タンパク質の電気泳動分離に用いられるポリアクリルアミドゲルの高い多孔性および変化するポリマー密度によって、引き起こされる。最後に、低分解能のICP−MSは、よりコンパクトで、安価であり、高分解能のICP−MSと比べて日常的な使用により適している。
本発明は、以下の実験例とともに説明されている。実験例は、本発明の種々の側面および特徴部分の単なる例示であって、これらには限定されない。実験例1は、反応性衝突セルがいかにして同重核干渉を最小限に抑えるのかを示している。実験例2〜8は、検体内におけるリン酸化の程度(度合)がどのようにして当該方法で決定されるのかを示している。
実験例1:反応性衝突セル内の反応ガスとしてO を用いた実験
酸化のための反応ガスとしてOを使用することは、多原子干渉からPおよびSを同時分解するための効果的な手段である。POおよびSOの生成イオンが検出された。関連する反応エンタルピー変化ΔHrは、熱化学データを用いて計算された(Lias et al., 1988)。多くの温度速度定数が報告されており(Anicich, 1993)、以下の表1に要約されている。
Figure 0004159987
およびSについての反応は、いずれも発熱反応であり、温度条件下でPがSよりもずっと速く反応した。HCO,NO,NOH,O についての反応は、吸熱反応であり、標準的な温度条件下では進行しなかった。COの唯一の放熱反応は、反応#3であり、進行しなかったと報告された。POおよびSOと潜在的に干渉し得るTiについての参考データが提供されている。Tiは、PO形成とほぼ同じ速度の同じ酸化反応により、酸化物に移行する。したがって、この方法は、検体内のいくつかのTiの存在に対して寛容である。通常、生物学的検体内にTiが多く含まれることは期待しないであろうが、検体の準備に用いられる緩衝液および試薬がTiを含まないことを保証するように、注意すべきである。
図1は、ICP−DRCTM−MSにおいてPおよびSを酸化させるための反応(1)および(2)の実施の典型的な例を示している。O流量が約0.2mL/minでの運転は、POおよびSOに対する最大信号値を与えるが、バックグラウンド当量濃度(BEC)および概算上の1-s間の検出限界は、図2に示されるように、流量の大きい側で良好であった。実際には、0.53,4.8ppb のBEC、および0.2,0.52ppbの5秒間検出限界(3σ)が、0.52mL/minの中間O流量で測定された(これは、本装置で用いられたマスフローコントローラの0.75arb.un.の設定に対応している)。ここで提供されたデータを得るときに用いられた実験パラメータは、表2に示されている。
Figure 0004159987
実験例2:脱イオン化水中のリンおよび硫黄の検出および測定
脱イオン化水(DIW)中に10ppbのPおよびSを含む検体と、これらの条件下で集められたDIWとの典型的な質量スペクトルが、図3に示されている。相対的に高いバックグラウンドおよび3216についての検出限界は、ブランク中の硫黄の存在によって制限されそうである。というのは、測定比である 3416/3216=0.0477 が自然界の存在比(0.0443)に近いからである。
したがって、当該方法は、典型的ICP MS干渉からPおよびSの化学的分離を可能にするとともに、低分解能のICP−MSを使用しつつ、sub-ppb(ピコグラム/マイクロリッター)レベルでの検出を可能にする。また、検出能力は、検体の量とは相対的に無関係である。図4に示すように、5%CHCN+5%CHおよび1mMのNHHCOを含む消化緩衝液中に100 ppbのPを含む検体についての質量スペクトルの例は、Pについての約2ppbのBECがこのような高含有量の干渉元素について獲得可能であるということを示している。
実験例3:精製されたβ-カゼイン中のリン酸化度の決定
精製されたタンパク質β-カゼインのリン酸化の程度(リン酸化度)を決定するのに、低分解能のICP−MSが使用された。反応性ガスはOであった。図5は、上述したものと同じ組成の消化緩衝液中に0,100,1000フェムトモル/マイクロリッターのβ-カゼインを含む検体についての質量スペクトルを示している。POについての応答性は、0〜1000フェムトモル/マイクロリッターのβ-カゼイン濃度の値域では、直線関係にあった(図6参照)。研究されたタンパク質濃度値域におけるPO/SOの比は、1.18〜1.29まで変化した。
実験例4:ヒトの胚腎臓293細胞系(HEK 293)におけるタンパク質リン酸化度の決定
最初の研究はまた、開発された方法にしたがってICP−DRCTM−MSによりPO/SOとして測定されたP/Sの比が、細胞ライセートに含まれていた細胞タンパク質の未精製の混合物についてのリン酸化の状態を示し得るということを示した。また、著しく異なる総タンパク質濃度について類似した細胞培養のための比の良好な相関関係を示すとともに、Pの類似した絶対信号について異なる細胞培養のための比の違いを示している。
表3は、HEK 293細胞系(ヒト胚腎臓細胞)のライセートのためのP/S比を示している。このライセートは、異なる緩衝液で準備されるとともに、同様の操作条件下で異なる2つの装置を用い、異なる検体希釈因子で数日間にわたって測定された。細胞が準備され(第1日目)、TBS(トリス緩衝液入り生理的食塩水)内のプレートから集められて、還元KLBリーシス緩衝液(トリス、NaClおよびNP-40を含む)を用いて均質化された。各検体は、約10セルを(希釈前に)含んでいた。
次の3日間(第2、第3、第4日目)に準備された細胞は、TBS内のプレートで洗浄され、次に、緩衝液が乾燥されて、濃塩酸が加えられた。その後、ライセートが剥がされて検体チューブ内に入れられた。
Figure 0004159987
異なる4日間で4つの異なる細胞培養グループで培養されて準備された17個の異なるセルライセート検体について測定された31POおよび32SOについての絶対値信号の大きな変化(約90%RSD)にも拘らず、PO/SOの比の変化はずっと小さかった(10.5%RSD)。第2のS同位体(34SO)の検出は、Sの測定中に干渉がなかったという付加的な証拠を与えており、これにより、付加的な「品質管理」を提供している。
この方法は、比較される検体の量がたとえ著しく異なっていても、検体が、硫黄を含むアミノ酸残留物(つまりシステインおよびメチオニン)の類似した濃度を有しているという条件で、異なる検体におけるリン酸化の状態を識別する際に定量的であり得る。
実験例5:ポリアクリルアミドゲルで電気泳動されるとともにレーザー除去によりICP−MS内に導入された検体からのタンパク質リン酸化の検出および測定
タンパク質の混合物は、ポリアクリルアミドゲルで電気泳動により分離される。ポリアクリルアミドマトリクスは、除去されて(ドライ粒子)ICP内に入れられ、MSのために原子化されイオン化される。この実験例の変形例は、変性ゲルを使用しており、そこでは、タンパク質が、β-メルカプトエタノールおよびドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む緩衝液内で沸騰されている。これにより、タンパク質三次構造を保持するジスルフィドスペーサが還元されて、SDS分子がタンパク質と結合する。各タンパク質は、ポリペプチド鎖に沿って一連のSDS分子を有するロッド状構造となる。これにより、変性プロセスはまた、「タグ」プロセスとなる。SDS(CH(CH)10CHOSOSONa)内に存在しているSおよびNaは、総タンパク質を特徴付けるのに用いられる。タンパク質リン酸化の程度は、POとしてPを、SOとしてSを、NaとしてNaをそれぞれ測定することによって決定される(Naはほとんどの反応性ガスと反応しない)。
実験例6:元素タグの抗体に結合された抗原のリン酸化の程度の決定
「タグされた生物学的活性材料の元素分析」という名称の米国特許出願第60/258,387号に記述されるように、タンパク質の混合物は、元素(たとえばEu)やナノパーティクル(たとえばナノゴールド(NanogoldTM))でタグされた抗体と反応させられる。抗原・抗体複合体は、混合物から分離される。タグ元素(我々の実験ではEu,Au)を含むアナライトイオンやリンを含むアナライトイオンは、たとえばOと反応させられる。生成イオンPOは、リンの量を決定するために干渉のない状態で測定される一方、生成イオンEuOまたはアナライトイオンAuは、タンパク質の量を特徴付けるために第2のイオンとして用いられる。PO/EuOまたはPO/Auの信号の比は、もし抗体が既知の任意の量のリンを含んでいるのであれば、タンパク質のリン酸化の程度を特徴付けている。
実験例7:相対的に重い反応性ガスが用いられた場合の散乱損失の抑制
相対的に重い反応性ガスが用いられた場合に散乱損失を抑制するために、生成イオンを細胞の出口に向かって効率的に移送できるように、軸方向フィールドの加速が反応性衝突に導入された。図7のグラフは、軸方向フィールドの電位(AFP)に対するPOおよびSOの信号を示している。
実験例8:脱リン酸化α-カゼインのリン酸化の程度の定量化方法
脱リン酸化α-カゼインのリン酸化の程度が測定された。脱リン酸化α-カゼインについて、タンパク質濃度に対するPOおよび32SOの応答性についての較正曲線が図8に示されている。
本発明は、種々の変形例および同等の装置を含むように意図されている。
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アナライトイオンPおよびSが反応性ガスOと反応している脱イオン水における10ppbのリン(P)および硫黄(S)の検体からPOおよびSOの形成および検出を示すグラフである。PおよびSのOとの反応のためのPOおよびSOの実効信号(ブランクは取り去られた)。Neb=1.05, q=0.4, a=0.02, クリーンラボ DRC。 図1のデータについての、計算上のバックグラウンド当量濃度(BEC)および5秒間組込みの概算上の検出限界(EDL)を示すグラフである。O流量の関数としての、POおよびSOのバックグラウンド当量濃度(BEC)および検出限界(5秒間の組込みに対して見積もられた)。Neb=1.05, q=0.4, a=0.02, クリーンラボ DRC。 反応性ガスとしてOを用いるとともに、表2に挙げられた条件下でICP-DRCTM-MSを用いた、ブランク(脱イオン水)および検体(脱イオン水中の10ppbのPおよびS)分析を比較する質量スペクトルを示している。 脱イオン水中に5%CHCN+5%CHおよび1mMのNHHCOを含む消化緩衝液内に100ppb Pを含む検体および消化ブランクの質量スペクトルを示している。使用された反応性ガスは、0.75arb.un.の流速のOであった。霧状のガスの流量0.8 L/minは、高度に集約された生体マトリックスの完全な分解およびプラズマの強度を確保するのに用いられた。 消化緩衝液(脱イオン水中に5%CHCN+5%CHおよび1mMのNHHCO)における種々の濃度のβ-カゼインの質量スペクトルを示している。0.75arb.un.の反応性ガスとしてOが用いられた。 0,10,100,1000fmole/uL において測定されたβ-カゼイン濃度に対するPO応答の較正曲線である。 O2=O.5 arb.un., RPq=0.4, RPa=0.02 および霧状の流量200μL/min において、軸方向フィールドポテンシャル(AFP)に対するPOおよびSOの信号を示すグラフである。実線は10ng/mL のPおよびSの検体を示し、点線はブランク(DIW)を示している。菱形は m/z=47を、四角形は m/z=48を、三角形は m/z=50をそれぞれ示している。 標準的なα-カゼインおよび脱リン酸化α-カゼインのためのタンパク質濃度に対するPO応答および32SO応答の較正曲線を示すグラフである。標準的なα-カゼインは実線で、脱リン酸化α-カゼインは白抜きで示している。O2=O.5; RPq=0.4; RPa=0.02; 微細霧状流量16μL/min.円形はPOを、四角形は32SOをそれぞれ示している。

Claims (20)

  1. 検体内のリン酸化の程度を検出し測定するための方法であって、
    i) アナライトを含む検体を、反応衝突セルを有する誘導結合プラズマ質量分析計に導入し、アナライトイオンを生成することと、
    ii) アナライトイオンを反応性ガスと反応させるとともに、干渉のない検出を提供するアナライトイオンと異なる質量電荷比を有する生成イオンを生成し、
    iii) リンを含む生成イオンからの単一の信号および信号の組合せを検出して測定するとともに、検体に対して特異性を有し、単一のイオンまたは複数のイオンのうちの一つのイオンである第2のイオンからの単一の信号および信号の組合せを検出して測定することと、
    iv) 検体内のリン酸化の程度を決定するために、第2のイオンからの信号または信号の組合せに対する、リンを含む生成イオンからの信号または信号の組合せの比または複数の比を計算することと、
    を備えた方法。
  2. 請求項1において、
    反応性衝突セルが動的反応セル(Dynamic Reaction CellTM)である、
    ことを特徴とする方法。
  3. 請求項2において、
    第2のイオンが検体に特異性を有しており、リンを含まないアナライトイオン、リンを含まない生成イオン、およびこれらの組合せからなるグループから選択されている、
    ことを特徴とする方法。
  4. 請求項3において、
    リンを含む生成イオンおよび第2のイオンの複数の同位体を検出して測定するとともに、リンを含む生成イオンの第2のイオンに対する複数の比を計算することをさらに備えている、
    ことを特徴とする方法。
  5. 請求項3において、
    第2のイオンが、硫黄を含むイオンおよびナトリウムからなるグループから選択されている、
    ことを特徴とする方法。
  6. 請求項3において、
    検体が、タンパク質、ポリペプチド、細胞、細胞系、細胞ライセート、核酸、糖およびこれらの混合物からなるグループから選択されている、
    ことを特徴とする方法。
  7. 請求項3において、
    生成イオンが、酸化されたイオンである、
    ことを特徴とする方法。
  8. 請求項7において、
    反応性ガスが、O,NOおよびCOからなるグループから選択されている、
    ことを特徴とする方法。
  9. 請求項3において、
    生成イオンが、フッ素と化合したイオンである、
    ことを特徴とする方法。
  10. 請求項9において、
    反応性ガスがCHFである、
    ことを特徴とする方法。
  11. 請求項3において、
    生成イオンがアルキル基を含んでいる、
    ことを特徴とする方法。
  12. 請求項11において、
    反応性ガスが、CH,CおよびCからなるグループから選択されている、
    ことを特徴とする方法。
  13. 請求項3において、
    反応性衝突セルの元素を限定するフィールドにおける圧力および電位を制御することをさらに備えている、
    ことを特徴とする方法。
  14. 請求項3において、
    反応性衝突セルの軸方向のフィールドを加速させるように制御することをさらに備えている、
    ことを特徴とする方法。
  15. 請求項3において、
    反応性衝突セルの軸方向のフィールドを減速させるように制御することをさらに備えている、
    ことを特徴とする方法。
  16. 請求項3において、
    検体の導入工程がレーザー除去を有している、
    ことを特徴とする方法。
  17. 請求項16において、
    検体がSDS変性タンパク質を含んでおり、第2のイオンがNaである、
    ことを特徴とする方法。
  18. 検体内のリン酸化の程度を検出し測定するシステムであって、
    i) アナライトを含む検体を、反応衝突セルを有する誘導結合プラズマ質量分析計に導入し、アナライトイオンを生成する手段と、
    ii) アナライトイオンを反応性ガスと反応させるとともに、干渉のない検出を提供するアナライトイオンと異なる質量電荷比を有する生成イオンを生成する手段と、
    iii) リンを含む生成イオンからの単一の信号および信号の組合せを検出して測定するとともに、検体に対して特異性を有し、単一のイオンまたは複数のイオンのうちの一つのイオンである第2のイオンからの単一の信号および信号の組合せを検出して測定する手段と、
    iv) 検体内のリン酸化の程度を決定するために、第2のイオンからの信号または信号の組合せに対する、リンを含む生成イオンからの信号または信号の組合せの比または複数の比を計算する手段と、
    を備えたシステム。
  19. 請求項3において、
    生物学的に活性な物質が検体内のアナライトと結合するように、生物学的に活性な物質に元素をタグする工程をさらに備えている、
    ことを特徴とする方法。
  20. 請求項3において、
    アナライトに元素をタグする工程をさらに備えている、
    ことを特徴とする方法。
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