JP4159963B2 - レジスト積層体およびパターン形成方法 - Google Patents
レジスト積層体およびパターン形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4159963B2 JP4159963B2 JP2003347136A JP2003347136A JP4159963B2 JP 4159963 B2 JP4159963 B2 JP 4159963B2 JP 2003347136 A JP2003347136 A JP 2003347136A JP 2003347136 A JP2003347136 A JP 2003347136A JP 4159963 B2 JP4159963 B2 JP 4159963B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- structural unit
- resist
- pattern
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Materials For Photolithography (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
Description
しかしながら、これまで最も量産に適し微細なパターンが可能なArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィーにおいても上記のような微細なコンタクトホールパターンの解像性が限界といわれている。
他方、高解像性を実現するための微細加工技術として、古くから電子線描画を用いたリソグラフィーが提案されているが、描画であるためウェーハ1枚あたりのスループットが悪く、量産技術として広く普及はしていない。
しかし近年、電子線を用いた量産技術を視野におき、そのような描画の欠点を改善する試みが盛んに行われ、大別してEPL((Electron Proection Lithography:電子ビーム投影露光)と称される高加速の電子ビームステッパーを用いたリソグラフィとLEEPL(Low Energy Electron beam Projection Lithography:低加速電圧電子ビーム方式の等倍リソグラフィ)と称される低加速電子線照射により露光する方法が提案されている。
電子線による露光工程を用いた方法に好適なレジスト材料として提案されているポジ型レジスト組成物としては、一般に、ベース樹脂として、ポリヒドロキシスチレン系樹脂の水酸基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護したものと、酸発生剤とを含有する化学増幅型のポジ型レジスト組成物が用いられている。該ベース樹脂の酸解離性溶解抑制基としては、1−エトキシエチル基に代表される鎖状エーテル基又はテトラヒドロピラニル基に代表される環状エーテル基等のいわゆるアセタール基、tert−ブチル基に代表される第3級アルキル基、tert−ブトキシカルボニル基に代表される第3級アルコキシカルボニル基等が主に用いられている(例えば、特許文献2,3参照)。
しかし、現在まで、低加速電子線を用いたリソグラフィーに好適なレジスト積層体およびパターン形成方法についての充分な検討はなされていない。
前記上層レジスト膜が、アルカリ可溶性の構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A’)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含む加速電圧2〜5kVの低加速電子線用ポジ型レジスト組成物から形成され、前記樹脂成分(A’)における前記構成単位(a1)又は(a2)の少なくとも一つが多環式基を有することを特徴とするレジスト積層体である。
また、上記課題を解決する本発明の第2の発明は、レジスト積層体を形成する積層体形成工程と、前記レジスト積層体の上層レジスト膜に対して、加速電圧2〜5kVの低加速電子線による露光を行い、アルカリ現像して前記上層レジスト膜にレジストパターンを形成する工程と、該レジストパターンをマスクパターンとしてオキサイドエッチングを行うことで前記中間層にパターンの転写を行なう工程と、前記レジストパターンと前記中間層のパターンをマスクパターンとして前記下層有機膜のドライエッチングを行い、該下層有機膜に下層パターンを形成する工程とを順次施すことを特徴とするパターン形成方法である。
≪レジスト積層体≫
本発明のレジスト積層体は、基板上に、ドライエッチング可能な下層有機膜と、中間層と、上層レジスト膜とが積層されているものであり、前記上層レジスト膜に対して低加速電子線による露光を行うレジストパターン形成方法に用いられるものであることを特徴とする。低加速電子線とは、典型的には上記LEEPLプロセスで用いられる電子線である。
上層レジスト層の材料としては、電子線照射による露光工程を用いた方法に好適なレジスト材料として提案されているレジスト組成物が使用できる。
そのようなレジスト組成物としては、樹脂成分として、通常、化学増幅型レジスト用のベース樹脂として用いられている、一種又は二種以上のアルカリ可溶性樹脂又はアルカリ可溶性となり得る樹脂を用いたレジスト組成物が挙げられる。前者の場合はいわゆるネガ型、後者の場合はいわゆるポジ型のレジスト組成物である。本発明においては、ポジ型レジスト組成物が用いられる。
前記(A)成分においては、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体がアルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。
そのため、レジストパターンの形成においてマスクパターンを介して露光すると、または露光に加えて露光後加熱(PEB)を行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりポジ型のレジストパターンが形成できる。
すなわち、電子線を用いたリソグラフィーにおいて最も重要になるのは、レジスト層の電子線透過性である。レジスト層の電子線透過性は、レジスト材料の物性よりも、レジスト層の膜厚等の物理的因子の影響が大きく、また、電子線照射時の加速電圧が低いほど透過性が低くなる。そのため、加速電圧が比較的低い、例えば加速電圧2kV程度の低加速電子線を用いる場合には、レジスト層の電子線に対する透過性を確保するために、薄膜レジストプロセスが用いられる。しかしながら、従来用いられているレジスト材料は、薄膜レジストプロセスに用いるには、ドライエッチング耐性が充分でなく、ドライエッチングの際に膜減りが生じてしまうという問題がある。
これに対し、本発明者らの検討によれば、レジスト膜のドライエッチング耐性や膜減りと、アルカリ現像液に対する溶解性との間には相関性があり、アルカリ現像後の残膜率が80%以上である低加速電子線用ポジ型レジスト組成物(I)を用いることにより、上記のような問題が改善された、低加速電子線を用いて露光する工程を経てレジストパターンを形成する方法に好適なレジスト膜が得られる。また、特定の構成単位を有する樹脂をベース樹脂として用いた低加速電子線用ポジ型レジスト組成物(II)によっても、上記のような問題が改善された、低加速電子線を用いて露光する工程を経てレジストパターンを形成する方法に好適なレジスト膜が得られる。
ポジ型レジスト組成物(I)は、上記上層レジスト膜の前記アルカリ現像後の残膜率が80%以上であるものである。残膜率が80%以上であることにより、当該低加速電子線用ポジ型レジスト組成物(I)を用いて得られるレジスト膜のドライエッチング耐性が向上し、ドライエッチング時の膜減りが低減される。そのため、低加速電子線を用いて露光する工程を経てレジストパターンを形成する方法に好適に用いることができる。
ここで、「残膜率」とは、当該低加速電子線用ポジ型レジスト組成物(I)を基板上に塗布し、プレベークにより形成されたレジスト膜の膜厚を、当該レジスト膜を23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像した後の膜厚と比較し、(現像後のレジスト膜の膜厚)/(現像前のレジスト膜の膜厚)×100(%)によって求められる値である。残膜率の測定において用いられるレジスト膜のアルカリ現像前の膜厚は、通常の薄膜プロセスに用いられている範囲内、例えば50〜100nmとすることが好ましい。 アルカリ現像液に対する耐性の高い低加速電子線用ポジ型レジスト組成物(I)が、ドライエッチング耐性にも優れる理由は、明らかではないが、樹脂骨格中に嵩高い骨格がある為と推測される。
残膜率は、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上であり、100%に近いほど好ましい。
例えば、(A)成分における酸解離性溶解抑制基の種類をアダマンチル基等の嵩高い基とする、酸解離性溶解抑制基による保護率を高める、質量平均分子量を大きくする、溶解抑制剤を配合する、酸解離性溶解抑制基ではない部位であっても、樹脂側鎖中にアダマンチル基等の嵩高い基を導入する等により、未露光部のアルカリ溶解性が高め、残膜率を高くすることができる。
[(A)成分]
低加速電子線用ポジ型レジスト組成物(II)は、(A’)成分が、アルカリ可溶性の構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A’)であって、前記構成単位(a1)又は(a2)の少なくとも一つが多環式基を有する重合体(以下、重合体(A’)ということがある)であることを特徴とするものである。上記多環式基を有する構成単位(a1)又は(a2)の少なくとも一つを有する重合体(A’)を用いることにより、当該低加速電子線用ポジ型レジスト組成物(II)を用いて得られるレジスト膜のドライエッチング耐性が向上し、ドライエッチング時の膜減りが低減され、高解像性のレジストパターンが得られる。そのため、低加速電子線を用いて露光する工程を経てレジストパターンを形成する方法に好適に用いることができる。
重合体(A’)を用いることによりドライエッチング耐性が向上し、ドライエッチング時の膜減りが低減される理由としては、多環式基によるドライエッチング耐性の向上と、多環式基によりレジスト膜表面の疎水性が高まり、レジスト膜表面が難溶化して膜減りが低減されていることが考えられる。
ここで、「アルカリ可溶性の構成単位」とは、当該構成単位内に水酸基、カルボキシ基等の極性基を有し、当該構成単位を誘導するモノマーが、アルカリ現像液等のアルカリに可溶性である構成単位を意味する。
で表される構成単位(a11)、後述する(a12)のようなアルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基含有(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位、(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位等が挙げられる。なかでも、上記構成単位(a11)と(a12)は、ドライエッチング耐性が高い、容易に入手可能で低価格である等の理由から、好ましく用いられる。
なお、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
従来公知の酸解離性溶解抑制基としては、化学増幅型のKrF用ポジ型レジスト組成物およびArF用ポジ型レジスト組成物における、酸解離性溶解抑制基として提案されているものを適宜用いることができ、例えば、tert−ブチル基、tert−アミル基、1‐メチルシクロペンチル基、1‐エチルシクロペンチル基、1‐メチルシクロヘキシル基、1‐エチルシクロヘキシル基等の鎖状又は環状の第3級アルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等の環状エーテル基、1位が炭素数1〜8の鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基で置換された1−低級アルコキシアルキル基等を用いることができる。出願人により出願中である酸解離性溶解抑制基としては、後述する重合体(A´1)の一般式(II)で表される。
脂肪族多環式基を有することにより、高い解像性が得られ、また、レジストパターンの断面形状が良好な矩形形状となる。
芳香族多環式基を有することにより、感度が良好になり、スループットが速く、生産性を向上させることができる。
重合体(A’)中の構成単位(a2)の割合は、重合体(A’)を構成する全構成単位の5〜45モル%であることが好ましく、15〜40モル%であることがより好ましい。これにより、レジストパターンを形成する際の、レジスト膜の未露光部におけるアルカリ不溶性を充分に確保できる。
残膜率は、例えば重合体(A’)における上記多環式基の割合を高くする、重合体(A´)の質量平均分子量を大きくする等により向上させることができる。
重合体(A’1)は、前記構成単位(a11)を有し、かつ該構成単位(a11)の水酸基の水素原子の一部が、下記一般式(II)
で表される酸解離性溶解抑制基により保護されている構成単位(a21)を有する重合体である。
Xとしては、上記多環式基において挙げたのと同様のものが挙げられる。なかでも、脂肪族多環式基が、レジストパターンのラインエッジラフネスおよび断面形状の矩形性が良好になるため好ましい。
重合体(A’1)は、前記構成単位(a11)、(a21)のほかに、さらに、下記一般式(III)
nは、0または1〜3の整数である。これらのうち、nは0または1であることが好ましく、特に工業上0であることが好ましい。
なお、nが1〜3である場合には、R3の置換位置はo−位、m−位、p−位のいずれでもよく、さらに、nが2または3の場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。
前記重合体(A’1)として2種以上の混合物を用いる場合には、前記構成単位(a11)を有し、かつ、該構成単位(a21)を有する重合体、または、前記構成単位(a11)、前記構成単位(a21)および前記構成単位(a3)を有する共重合体から選ばれる任意の2種以上を組み合わせることができる。すなわち、それらの重合体の質量平均分子量が異なるものや、各構成単位の割合の異なるものを任意に混合して用いることができる。好ましくは、前記構成単位(a11)を有し、かつ、該構成単位(a21)を有する重合体と、前記構成単位(a11)、前記構成単位(a21)および前記構成単位(a3)を有する共重合体との混合物を用いる。重合体(A’1)としてこのような混合物を用いることにより、形成されるレジストパターンの形状が良好な矩形性を有し、かつ、優れたアイソレートラインを得ることができる。
また、質量平均分子量が大きいほど、残膜率が高くなる。
また、重合体(A’1)の、前記酸解離性溶解抑制基で保護される前における分散度(質量平均分子量を数平均分子量で除した値。以下同様。)としては、分散度が小さい単分散であると、解像性に優れ好ましい。具体的には、2.0以下が好ましく、さらに1.5以下が好ましい。
前記重合体が構成単位(a3)を有さない場合には、前記構成単位(a21)の含有割合は、全構成単位に対して、好ましくは5〜35モル%であり、より好ましくは20〜30モル%である。
前記重合体が構成単位(a3)を有する場合には、前記構成単位(a21)の含有割合は、全構成単位に対して、好ましくは5〜35モル%であり、より好ましくは10〜20モル%である。
含有割合を上記の範囲の下限値以上にすることによって、良好なコントラストが得られ、また、上記の範囲の上限値以下にすることによって、現像欠陥(ディフェクト)を防ぐ効果が得られる。
または、予め水酸基の水素原子が酸解離性溶解抑制基で保護された構成単位(a21)に相当するモノマーを調製し、これを常法により重合させた後、加水分解により、酸解離性溶解抑制基で保護された水酸基の酸解離性溶解抑制基の一部を水素原子に変える方法によっても製造することができる。
共重合体(A’2)は、前記構成単位(a11)と、アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a12)とを必須の構成単位として有し、構成単位(a11)の水酸基および構成単位(a12)のアルコール性水酸基のうちの一部の水素原子が酸解離性溶解抑制基で保護された共重合体である。
この共重合体(A’2)は、第1の構成単位(a11)および第2の構成単位(a12)のほかに、さらに、前記重合体(A’1)において述べたのと同様の構成単位(a3)を有していてもよい。
構成単位(a12)は、アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
かかる構成単位(a12)は、構成単位(a11)よりもアルカリ現像液に対する溶解性が低いので、共重合体(A’2)は、従来のポリヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子の一部を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂よりも、酸解離性溶解抑制基が脱離した状態でのアルカリ現像液に対する溶解性が低くなっている。このため、従来のポリヒドロキシスチレン系樹脂より低い保護率でもアルカリ現像液に対する十分な不溶性を得ることができ、これにより、高い残膜率を達成できる。また、エッチング耐性の向上や膜減りの低減が達成される。さらに、酸解離性溶解抑制基に起因する現像欠陥を抑えつつ高解像性を達成することができる。
すなわち共重合体(A’2)においては、構成単位(a11)に代えて、フェノール性水酸基よりもアルカリ溶解性に劣るアルコール性水酸基をベース樹脂側鎖中の一部に導入しうる構成単位(a12)を用いることにより、アルカリ現像液に対する溶解性を低下させている。また、アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基を含有することから、高解像性、耐ドライエッチング性に優れる。
共重合体(A’2)における構成単位(a12)は、そのような作用を有する限り、アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であれば、特に限定されない。
下記一般式(IV)で表される構成単位(a12)の中で最も好ましいのは下記一般式(IVa)で表される構成単位である。
共重合体(A’2)においては、構成単位(a11)の水酸基と構成単位(a12)のアルコール性水酸基のうちの一部の水酸基の水素原子が酸解離性溶解抑制基で保護されている必要がある。
前記酸解離性溶解抑制基としては、上記構成単位(a2)において挙げたのと同様のものが挙げられる。これらの中でも、特に、1位が炭素数1〜8の鎖状、分岐状、又は環状のアルコキシ基で置換された1−低級アルコキシアルキル基、すなわち、下記一般式(V)で表される1−低級アルコキシアルキル基が好ましい。それらの具体例としては、1−エトキシエチル基、1‐イソプロポキシエチル基のような鎖状又は分岐状アルコキシアルキル基、1‐シクロヘキシルオキシエチル基のような環状アルコキシアルキル基が挙げられ、それらの中でも特に、解像性能に優れることから、1−エトキシエチル基が好ましい。
水酸基の保護割合を上記範囲の上限以下とすることにより、現像後のレジストパターンのパターン欠陥(現像欠陥)を効果的に防止することができる。一方、水酸基の保護割合を上記範囲の下限以上とすることにより、エッチング耐性が向上し、膜減りが低減される。また、解像性能の劣化が抑制できる。また、水酸基の保護割合が高いほど、残膜率が高くなる。
構成単位(a12)が上記の範囲より多いと、現像液に対する溶解性が不足し、他方、少ないと、構成単位(a12)を用いたことによる効果が十分に得られない。
構成単位(a3)を有する場合、共重合体(A’2)中の構成単位(a3)の割合は、共重合体(A’2)を構成する全構成単位の合計の0.5〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは2〜5モル%である。構成単位(a3)が上記範囲より多いと、現像液に対する溶解性が劣化する傾向にある。
ここでのマイクロブリッジとは、現像欠陥の一種であり、例えばラインアンドスペースパターンにおいて、隣接するレジストパターンの表面に近い部分どうしがレジストでつながれて橋かけ状態になった欠陥をいう。マイクロブリッジは、質量平均分子量が高いほど、また露光後加熱(PEB)の温度が高いほど発生し易い。
または、構成単位(a11)の水酸基が予め酸解離性溶解抑制基で保護された構成単位に相当するモノマーを調製し、このモノマーと構成単位(a12)に相当するモノマーとを常法により共重合させた後、加水分解により、酸解離性溶解抑制基で保護された水酸基の一部を水酸基に変え、さらに必要であれば構成単位(a12)の水酸基を、周知の手法により酸解離性溶解抑制基で保護する方法によっても製造することができる。
(B)成分としては、従来、化学増幅型ホトレジストにおける酸発生剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
該酸発生剤のなかでもフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩やオキシムスルホネート化合物が好ましい。
ルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(4−トリフルオロメチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−トリフルオロメチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリ(p−tert−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネートなどのオニウム塩などが挙げられる。
(B)成分の使用量は、(A)成分又は(A’)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。0.5質量部未満ではパターン形成が十分に行われないし、30質量部を超えると均一な溶液が得られにくく、保存安定性が低下する原因となるおそれがある。
ポジ型レジスト組成物(II)は、材料を有機溶剤(C)(以下、(C)成分という)に溶解させて製造することができる。
(C)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ-ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度とされる。
ポジ型レジスト組成物(II)には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の(D)成分として含窒素有機化合物を配合させることができる。
この含窒素有機化合物は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとはアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言う。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
また、前記(D)成分との配合による感度劣化を防ぎ、またレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の(E)成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。なお、(D)成分と(E)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明に用いられる低加速電子線用ポジ型レジスト組成物(I)、(II)には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
中間層の材料および形成方法に特に制限はないが、ポリマー中のシリコン含有率が5〜30%、好ましくは5〜15%程度の材料およびそれを用いた形成方法が使用可能であるが、特に、本発明の第1又は第2の発明の低加速電子線用ポジ型レジスト組成物とのマッチングが良好であることから、下記ハードマスク形成用組成物が好適に用いられる。
ハードマスク形成用組成物は、アルカリ可溶性樹脂(AHM)及び光酸発生剤(BHM)を含むものであり、アルカリ可溶性樹脂(AHM)として、下記構成単位(s1)、(s2)および(s3)からなるラダー型シリコーン共重合体を用いたものである(なお、反射防止機能を有することから、反射防止膜形成用組成物と言うこともできる)。
構成単位(s1):(ヒドロキシフェニルアルキル)シルセスキオキサン単位、すなわち下記一般式(S−1)または(S−1’)で表される構成単位。
構成単位(s2):(アルコキシフェニルアルキル)シルセスキオキサン単位、すなわち下記一般式(S−2)または(S−2’)で表される構成単位。
構成単位(s3):アルキル又はフェニルシルセスキオキサン単位、すなわち下記一般式(S−3)または(S−3’)で表される構成単位。
また、一般式(S−3)中のR7としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基又はフェニル基が、k値(消衰係数)を調整しやすいので好ましい。
また、上記一般式(S−1)、(S−1’)、(S−2)および(S−2’)における−OH基と−OR基は、o位、m位及びp位のいずれでもよいが、工業的にはp位が好ましい。
また、構成単位(s1)、(s2)および(s3)は、通常、上記一般式(S−1)、(S−2)および(S−3)で表わされたり、あるいは(S−1’)、(S−2’)および(S−3’)と表わされる。
このラダー型シリコーン共重合体は、質量平均分子量(ポリスチレン換算)が1500〜20000の範囲にあるものが好ましい。
この線状ポリマーとしては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミドなどを用いることができるが、特に好ましいのはアクリル系ポリマー、特に側鎖にアダマンチル基を結合したアクリル系ポリマーである。
で表わされる単位10〜50モル%、好ましくは20〜40モル%からなる線状共重合体を挙げることができる。
上記一般式(d1)中のR2としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、特にメチル基やエチル基が工業的な面から好ましい。
この(DHM)成分は、(AHM)成分100質量部当り10〜100質量部の割合で配合される。
下層有機膜は、従来のドライエッチング法でエッチング可能な有機膜である。この有機膜は、露光後の現像の際に用いられるアルカリ現像液に対して不溶性であることが望ましい。このような下層有機膜を用いることにより、まず、低加速電子線を用いたリソグラフィーにより上層レジスト膜の選択的露光、アルカリ現像を行ってレジストパターンを形成し、次いで、該レジストパターンをマスクとし、例えば、ハロゲン系ガスによるオキサイドエッチング等を用いて中間層にパターンを転写した後、該中間層パターンをマスクとして下層有機膜をドライエッチングすることによって、下層有機膜に、上層レジスト膜および中間層のレジストパターンが転写される。その結果、パターンのパターン倒れを生じることなく、高アスペクト比のパターンを形成することができる。
このような材料としては、酸素プラズマによるエッチングを行いやすいと同時に、後工程でシリコン基板等のエッチングに用いられているフッ化炭素系ガスに対する耐性が強いことなどから、ノボラック樹脂、アクリル樹脂及び可溶性ポリイミドからなる群から選択される少なくとも一種を主成分とするものが好ましく用いられる。
これらの中でも、ノボラック樹脂、及び側鎖に脂環式部位又は芳香族環を有するアクリル樹脂は、安価で汎用的に用いられ、後工程のドライエッチング耐性に優れるので、好ましく用いられる。
ノボラック樹脂は、例えば、フェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という。)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる樹脂である。
付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。
上記ノボラック樹脂は、質量平均分子量が3000〜10000、好ましくは6000〜9000、さらに好ましくは7000〜8000の範囲内のものが好ましい。質量平均分子量が3000未満であると、高温でベークしたときに昇華してしまうことがあり、また、質量平均分子量が10000を超えると、ドライエッチングしにくくなる傾向があり、好ましくない。
分子量500以下の低核体の含有量(質量%)は、このGPC法による分析結果を、横軸にフラクション番号、縦軸に濃度をとってグラフとし、全曲線下面積に対する、分子量500以下の低分子フラクションの曲線下面積の割合(%)を求めることにより測定される。
また、分子量500以下の低核体の含有量が1質量%以下であることにより、微細な凹凸を有する基板に対する埋め込み特性が良好になる。低核体の含有量が低減されていることにより埋め込み特性が良好になる理由は明らかではないが、分散度が小さくなるためと推測される。
基板としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたものなどを例示することができる。
基板として、より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属製の基板や、ガラス基板などが挙げられる。
配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金などが使用可能である。
本発明のレジスト積層体において、上層レジスト膜、中間層、および下層有機膜の厚さは、目的とするアスペクト比と下層有機膜のドライエッチングに要する時間を考慮したスループットのバランスから、トータルとして、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.7μm以下、最も好ましいのは0.5μm以下である。トータルの下限値は特に限定されないが、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.15μm以上である。
上層レジスト膜の厚さは、好ましくは50〜150nm、より好ましくは50〜100nmである。上層レジスト膜の厚さをこの範囲内とすることにより、低加速電子線に対する充分な透過性がある。また、レジストパターンを高解像度で形成できる、ドライエッチングに対する十分な耐性が得られる等の効果がある。
中間層の厚さは、好ましくは10〜100nm、より好ましくは20〜80nmである。中間層の厚さをこの範囲内とすることにより、レジストパターンを高解像度で形成できる、ドライエッチングに対する十分な耐性が得られる等の効果がある。
下層有機膜の厚さは、好ましくは50〜500nm、より好ましくは100〜400nmである。下層有機膜の厚さをこの範囲内とすることにより、高アスペクト比のレジストパターンが形成できる、基板エッチング時に十分なエッチング耐性が確保できる等の効果がある。
本発明のパターン形成方法は、前記本発明のレジスト積層体を形成する積層体形成工程と、前記レジスト積層体の上層レジスト膜に対して、低加速電子線による露光を行い、アルカリ現像して前記上層レジスト膜にレジストパターンを形成する工程と、該レジストパターンをマスクパターンとしてオキサイドエッチングを行うことで前記中間層にパターンの転写を行なう工程と、前記レジストパターンと前記中間層のパターンをマスクパターンとして前記下層有機膜のドライエッチングを行い、該下層有機膜に下層パターンを形成する工程とを順次施すことを特徴とするパターン形成方法である。
<積層体形成工程>
まず、シリコンウェーハのような基板上に、下層有機膜を形成するためのレジスト組成物や樹脂溶液を、スピンナーなどで塗布し、好ましくは200〜300℃、30〜300秒間、好ましくは60〜180秒間の加熱条件でベーク処理し、下層有機膜を形成する。
次いで、このレジスト積層体の上層レジスト膜に対して、低加速電子線を、マスクパターンを介さずに直接照射して描画してもよいが、好ましくは、低加速電子線露光装置、例えば「LEEPL」(製品名、(株)リープル製、加速電圧2kV)により、所望のマスクパターンを介して選択的に露光する。マスクパターンを介しての露光を行うことにより、スループットが向上する、パターン間の間隔(ピッチサイズ)の小さいレジストパターンが形成できる等の利点がある。
「LEEPL」は、試料とマスクとを近接(例えば約50μm)させて、平行な低加速電子線を照射し、パターンを転写するもので、マスクとしては等倍マスクが使用される。そのため、光リソグラフィーの縮小投影露光法に用いられているマスクに比べ、製造コストが低いという利点を有する。また、近接効果の影響を受けないため、高精度のパターンを形成できる。
低加速電子線の加速電圧は、例えば2〜5kVが好ましく、最も好ましくは2kVである。
ドライエッチングの方法としては、ダウンフローエッチングやケミカルドライエッチング等の化学的エッチング;スパッタエッチングやイオンビームエッチング等の物理的エッチング;RIE(リアクティブイオンエッチング)等の化学的・物理的エッチングなどの公知の方法を用いることができる。
最も一般的なドライエッチングは、平行平板型RIEである。この方法では、まず、RIE装置のチャンバーにレジスト積層体を入れ、必要なエッチングガスを導入する。チャンバー内の、上部電極と平行に置かれたレジスト積層体のホルダーに高周波電圧を加えると、ガスがプラズマ化される。プラズマ中では正・負のイオンや電子などの電荷粒子、中性活性種などが存在している。これらのエッチング種が下部レジスト層に吸着すると、化学反応が生じ、反応生成物が表面から離脱して外部へ排気され、エッチングが進行する。
エッチングガスとしては、酸素、二酸化硫黄等があるが、酸素プラズマによるエッチングは解像度が高いこと、汎用的に用いられている等の理由で好ましく用いられる。
このときのエッチング法としてはハロゲン系ガスを用いたエッチング法を好ましく用いることができる。
特に、上層レジスト膜の材料として上述のポジ型レジスト組成物(I)、(II)を用いた場合、従来のポリヒドロキシスチレン系樹脂を用いた化学増幅型のポジ型レジスト組成物に比べて、エッチング耐性に優れ、膜減りが低減されたレジスト層を形成できるため、レジスト層の薄膜化が可能であり、これによって、低加速電子線による露光工程を有するパターン形成方法に有効に用いることができる。
参考例
ハードマスク形成用組成物の調製方法を以下に示す。
(AHM)成分として、p‐ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン単位72モル%とフェニルシルセスキオキサン単位28モル%からなる共重合体(質量平均分子量7000)を用い、この(AHM)成分100質量部と(BHM)成分としてビス(p‐tert‐ブチルフェニル)ヨードニウムの7,7‐ジメチル‐ビシクロ‐[2,2,1]‐ヘプタン‐2‐オン‐1‐スルホン酸塩3質量部と架橋剤としてテトラブトキシメチルグリコールウリル5質量部とを加え、さらに線状ポリマーとして下記化学式[化16]で示されるアクリレートタイプポリマー35質量部を加えたものを、プロピレングリコールモノエーテルモノアセテートとプロピレングリコールモノプロピルエーテルとの混合物(質量比6.2/93.8)300質量部に溶解して、ハードマスク形成用組成物を調製した。
まず(A’2)成分を用意した。すなわち、p−ヒドロキシスチレンと、前記一般式(IVa)において、Rがメチル基である構成単位を誘導するアダマンタノールメタアクリレートとを、酸触媒下で公知の重合方法により反応させて得られた共重合体(モル比80:20、質量平均分子量(Mw)8000、分散度(Mw/Mn)1.2)と、エチルビニルエーテルとを、酸触媒下で公知の手法により反応させて、前記共重合体の水酸基の水素原子を1−エトキシエチル基で保護した樹脂(X)を得た。
この樹脂(X)を1H−NMRで分析した結果、p−ヒドロキシスチレンとアダマンタノールの合計水酸基の数に対する1−エトキシエトキシ基の数は25%であった。これより、水酸基の保護割合が25モル%であると認められた。また、樹脂(X)のMwは10000、Mw/Mnは1.2であった。
次いで、このレジスト層に、110℃で90秒間の露光後加熱(PEB)処理を施し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間パドル現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスした。振り切り乾燥を行った後、100℃で60秒間加熱して乾燥させた後、ポジ型レジスト層の膜厚を測定したところ、67nmであった。この結果から、残膜率が95%であったことがわかる。
実施例1において、(A’2)成分の合成に用いたアダマンタノールメタアクリレートを、前記一般式(IVa)において、Rが水素原子である構成単位を誘導するアダマンタノールアクリレートに代えた以外は実施例1と同様にして、共重合体(モル比80:20、質量平均分子量(Mw)7700、分散度(Mw/Mn)1.2)の水酸基を1−エトキシエチル基で保護した樹脂(Y)を得た。
この樹脂(Y)を1H−NMRで分析した結果、p−ヒドロキシスチレンとアダマンタノールの合計水酸基の数に対する1−エトキシエトキシ基の数は30%であった。これより、水酸基の保護割合が30モル%であると認められた。また、樹脂(Y)のMwは9700、Mw/Mnは1.2であった。
次いで、樹脂(X)に代えて樹脂(Y)を用いた以外は実施例1と同様にして低加速電子線用ポジ型レジスト組成物を調製し、残膜率を測定した。その結果、残膜率は95%であった。
まず、(A’1)成分を用意した。すなわち、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(質量平均分子量(Mw)は8000、分散度(Mw/Mn)は1.2)とアダマントキシビニルエーテルを、酸触媒下で公知の手法により反応させて、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)の水酸基の水素原子の一部を上記式(II−a)で表される酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂(Z)を得た。
この樹脂(Z)を1H−NMRで分析した結果、p−ヒドロキシスチレンの水酸基の数に対する上記式(II−a)で表される酸解離性溶解抑制基の数は30%であった。これより、水酸基の保護割合が30モル%であると認められた。また、樹脂(Z)のMwは12000、Mw/Mnは1.2であった。
次いで、この樹脂(A’1)を(A)成分として用いた以外は実施例1と同様にして低加速電子線用ポジ型レジスト組成物を調製し、残膜率を測定した。その結果、残膜率は95%であった。
実施例3において、(A)成分の合成に用いたポリ(p−ヒドロキシスチレン)を、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合体(モル比85:15、質量平均分子量(Mw)は8000、分散度(Mw/Mn)は1.2)に代えた以外は実施例3と同様にして、該共重合体に含まれるp−ヒドロキシスチレン構成単位の水酸基の水素原子の一部を上記式(II−a)で表される酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂(W)を得た。
この樹脂(W)を1H−NMRで分析した結果、p−ヒドロキシスチレンの水酸基の数に対する上記式(II−a)で表される酸解離性溶解抑制基の数25%であった。これより、水酸基の保護割合が25モル%であると認められた。また、樹脂(W)のMwは10000、Mw/Mnは1.2であった。
次いで、この樹脂(A1)を(A)成分として用いた以外は実施例1と同様にして低加速電子線用ポジ型レジスト組成物を調製し、残膜率を測定した。その結果、残膜率は95%であった。
実施例1において、(A)成分である樹脂(X)に代えて、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(質量平均分子量8000、分散度1.2)の水酸基の一部を1−エトキシエチル基で保護した樹脂成分(水酸基の保護割合は35モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして、従来用いられている公知のポジ型レジスト組成物を調製し、残膜率を測定した。その結果、残膜率は75%であった。
実施例1〜4及び比較例1で得られたポジ型レジスト組成物を用い、以下の手順でレジスト積層体を製造し、該レジスト積層体を用いてレジストパターンを形成した。
まず、8インチのシリコンウェーハ上に、市販の下地材(製品名TBLC−100、東京応化工業(株)製)の溶液をスピンナーを用いて塗布し、230℃で90秒間ソフトベークすることにより、膜厚300nmの下層有機膜を形成した。
次いで、下層上に上述のハードマスク形成用組成物をスピンナーを用いて塗布し、90℃で90秒間ソフトベーク処理し、続いて250℃で90秒間のベーク処理することにより、膜厚55nmのハードマスク層(中間層)を形成した。
次いで、該中間層に対し、実施例1〜4または比較例1で得られたポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いて塗布し、100℃で90秒間ソフトベーク処理することにより、膜厚70nmのポジ型レジスト層(上層レジスト膜)を形成して、三層構造のレジスト層が基板上に積層されたレジスト積層体を得た。
一方、比較例2のレジストパターンは、膜減りがひどく、また、C/Hパターンの断面形状は、ホールの周縁部が丸みをおびたトップランディング形状になっていた。また、線幅70nmのC/Hパターンが形成できなかった。
Claims (21)
- 基板上に、ドライエッチング可能な下層有機膜と、中間層と、上層レジスト膜とが順に積層されてなるレジスト積層体であって、
前記上層レジスト膜が、アルカリ可溶性の構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A’)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含む加速電圧2〜5kVの低加速電子線用ポジ型レジスト組成物から形成され、前記樹脂成分(A’)における前記構成単位(a1)又は(a2)の少なくとも一つが多環式基を有することを特徴とするレジスト積層体。 - 前記一般式(I)中のRおよび前記一般式(III)中のRの両方が水素原子である請求項4記載のレジスト積層体。
- 前記酸解離性溶解抑制基で保護される前の前記重合体(A’1)の質量平均分子量が、2000から30000である請求項3〜5のいずれか一項に記載のレジスト積層体。
- 前記重合体(A’1)における前記構成単位(a21)の割合が5〜35モル%である項3〜6のいずれか一項に記載のレジスト積層体。
- 前記樹脂成分(A’)が、前記構成単位(a11)と、アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基含有(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位(a12)とを有し、かつ前記構成単位(a11)の水酸基および前記構成単位(a12)のアルコール性水酸基のうちの一部が酸解離性溶解抑制基により保護されている共重合体(A’2)である請求項2記載のレジスト積層体。
- 前記酸解離性溶解抑制基で保護される前の共重合体(A’2)の質量平均分子量が2000以上8500以下である請求項8記載のレジスト積層体。
- 前記共重合体(A’2)を構成する前記構成単位(a11)の水酸基と前記構成単位(a12)のアルコール性水酸基との合計の10〜35モル%が前記酸解離性溶解抑制基により保護されている請求項8または9記載のレジスト積層体。
- 前記酸解離性溶解抑制基で保護される前の共重合体(A’2)における、前記構成単位(a11)と前記構成単位(a12)とのモル比が95:5〜75:25である請求項8〜10のいずれか一項に記載のレジスト積層体。
- 前記構成単位(a12)が、アルコール性水酸基を有するアダマンチル基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である請求項8〜11のいずれか一項に記載のレジスト積層体。
- 前記構成単位(a12)が、アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基含有アクリル酸エステルから誘導される構成単位のみからなる請求項8〜12のいずれか一項に記載のレジスト積層体。
- 前記酸解離性溶解抑制基が、1位が炭素数1〜8の鎖状、分岐状、又は環状のアルコキシ基で置換された1−低級アルコキシアルキル基である請求項8〜13のいずれか一項に記載のレジスト積層体。
- 前記酸解離性溶解抑制基で保護される前の前記重合体(A’1)または共重合体(A’2)の分散度が2.0以下である請求項2〜15のいずれかに記載のレジスト積層体。
- 前記低加速電子線用ポジ型レジスト組成物が、さらに含窒素有機化合物(D)を含有し、かつ該(D)成分が炭素数7〜15のアルキル基を有する2級または3級の脂肪族アミンを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載のレジスト積層体。
- 請求項1〜17のいずれか1項に記載のレジスト積層体を形成する積層体形成工程と、前記レジスト積層体の上層レジスト膜に対して、加速電圧2〜5kVの低加速電子線による露光を行い、アルカリ現像して前記上層レジスト膜にレジストパターンを形成する工程と、該レジストパターンをマスクパターンとしてオキサイドエッチングを行うことで前記中間層にパターンの転写を行なう工程と、前記レジストパターンと前記中間層のパターンをマスクパターンとして前記下層有機膜のドライエッチングを行い、該下層有機膜に下層パターンを形成する工程とを順次施すことを特徴とするパターン形成方法。
- 前記低加速電子線による露光を、マスクパターンを介して行う請求項18記載のパターン形成方法。
- 前記オキサイドエッチングをハロゲン系のガスで行う請求項19に記載のパターンの形成方法。
- 前記ドライエッチングが、酸素プラズマを用いたエッチングである請求項19または20記載のパターン形成方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003347136A JP4159963B2 (ja) | 2003-10-06 | 2003-10-06 | レジスト積層体およびパターン形成方法 |
KR1020067005521A KR100758870B1 (ko) | 2003-09-25 | 2004-06-18 | 저가속 전자선용 포지티브형 레지스트 조성물, 레지스트적층체 및 패턴 형성 방법 |
PCT/JP2004/008948 WO2005031464A1 (ja) | 2003-09-25 | 2004-06-18 | 低加速電子線用ポジ型レジスト組成物、レジスト積層体およびパターン形成方法 |
US10/572,709 US20060240355A1 (en) | 2003-09-25 | 2004-06-18 | Positive resist composition and resist laminate for low-acceleration electron beam and mehod of pattern formation |
EP04746417A EP1666971A1 (en) | 2003-09-25 | 2004-06-18 | Positive resist composition and resist laminate for low-acceleration electron beam and method of pattern formation |
TW093117978A TW200512538A (en) | 2003-09-25 | 2004-06-21 | Positive photoresist composition for low energy electron beam, resist layered product and method for forming pattern |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003347136A JP4159963B2 (ja) | 2003-10-06 | 2003-10-06 | レジスト積層体およびパターン形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005114919A JP2005114919A (ja) | 2005-04-28 |
JP4159963B2 true JP4159963B2 (ja) | 2008-10-01 |
Family
ID=34539824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003347136A Expired - Fee Related JP4159963B2 (ja) | 2003-09-25 | 2003-10-06 | レジスト積層体およびパターン形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4159963B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1762895B1 (en) * | 2005-08-29 | 2016-02-24 | Rohm and Haas Electronic Materials, L.L.C. | Antireflective Hard Mask Compositions |
JP2012208396A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Fujifilm Corp | レジストパターンの形成方法およびそれを用いたパターン化基板の製造方法 |
KR102127256B1 (ko) * | 2017-06-21 | 2020-07-07 | 삼성에스디아이 주식회사 | 유기막 조성물, 중합체 및 패턴 형성 방법 |
-
2003
- 2003-10-06 JP JP2003347136A patent/JP4159963B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005114919A (ja) | 2005-04-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4772618B2 (ja) | パターン形成方法、金属酸化物膜形成用材料およびその使用方法 | |
JP5430821B2 (ja) | レジストパターン形成方法 | |
KR100711540B1 (ko) | 포지티브형 레지스트 조성물 | |
JP4933063B2 (ja) | パターン形成方法 | |
TWI235288B (en) | Positive resist composition and method for forming resist pattern | |
JP2008102429A (ja) | レジストパターン形成方法およびネガ型レジスト組成物 | |
JP2007329276A (ja) | ナノインプリントリソグラフィによるレジストパターンの形成方法 | |
TW200839450A (en) | Pattern formation method | |
JP4871786B2 (ja) | パターン形成方法 | |
WO2007055079A1 (ja) | 感光性樹脂組成物及びパターン形成方法 | |
JP4294521B2 (ja) | ネガ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
JPWO2004111734A1 (ja) | ポジ型レジスト組成物、レジスト積層体、およびレジストパターン形成方法 | |
JP4871783B2 (ja) | パターン形成方法 | |
JP2008033016A (ja) | 多層レジスト用ポジ型レジスト組成物及びこれを用いたパターン形成方法 | |
JP4159963B2 (ja) | レジスト積層体およびパターン形成方法 | |
JP2008159874A (ja) | レジストパターン形成方法 | |
JP5075650B2 (ja) | レジストパターン形成方法 | |
KR100758870B1 (ko) | 저가속 전자선용 포지티브형 레지스트 조성물, 레지스트적층체 및 패턴 형성 방법 | |
JP4184212B2 (ja) | 低加速電子線用ポジ型レジスト組成物 | |
JP4494060B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP2009088135A (ja) | レジストパターン形成方法 | |
JP4549911B2 (ja) | リフトオフ用ポジ型レジスト組成物 | |
JP2007133266A (ja) | 感光性樹脂組成物及びパターン形成方法 | |
JP2008098231A (ja) | レジストパターン形成方法 | |
JP2008096937A (ja) | 熱リソグラフィー用下層膜形成用材料、レジスト積層体およびレジストパターン形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080219 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080411 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080708 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080716 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140725 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |